JP6881566B2 - 面発光装置 - Google Patents
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Description
本発明は、有機EL素子を利用した面発光装置に関する。
面発光装置は、面光源の機能を有する発光装置である。面発光装置の一例として、有機EL照明装置が知られている。
タッチ検出機能を有する有機EL照明装置がある。これによれば、ユーザは、照明パネルにタッチをすることにより、各種操作(例えば、照明のオンオフ操作)をすることができる。
タッチ検出機能を有する有機EL照明装置として、例えば、特許文献1に開示された有機エレクトロルミネッセンスモジュールがある。これは、静電容量方式のタッチ検出回路ユニットと、有機エレクトロルミネッセンスパネルを駆動する発光素子駆動回路部を有する発光素子駆動回路ユニットとを有し、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルは、内部の対向する位置に面状の一対の電極を有し、前記一対の電極が、前記発光素子駆動回路ユニットに接続され、かつ前記一対の電極のいずれか一方がタッチ検出電極であり、当該タッチ検出電極が前記タッチ検出回路ユニットに接続されている。
特許文献1の技術によれば、有機エレクトロルミネッセンスパネル(照明パネル)を構成する面状の一対の電極の一方を、タッチ検出電極(以下、検出電極)として利用する。これにより、新たに検出電極を設けることが不要となり、照明パネルの薄型化を達成することができる。
特許文献1は、電極層と有機層と電極層とが積層された構造を有する有機EL素子により構成されるタイプの有機EL照明装置である。有機EL照明装置には、このタイプ以外に、発光量を上げるために、複数の有機EL素子を積層した構造を有するタイプがある。本発明者は、後者のタイプに特許文献1の技術をそのまま適用した場合、タッチセンサが、検出電極に供給する電流(タッチ検出に用いる電流)が大きくなりすぎ、これにより、通常のタッチセンサを使用することができないことを見出した。通常のタッチセンサは、タッチ検出に用いる電流は、例えば、数mA程度である。
従って、複数の有機EL素子を積層した構造を備えながらも、タッチ検出に用いる電流が大きくなりすぎることなくタッチ検出を実行できる面発光装置が望まれる。
本発明は、複数の有機EL素子を積層した構造及びタッチ検出機能を有し、タッチ検出に用いる電流が大きくなりすぎることなくタッチ検出を実行できる面発光装置を提供することを目的とする。
上述した目的を実現するために、本発明の一側面を反映した面発光装置は、タッチ面を有する透明基材と、複数の有機EL素子と、タッチセンサと、第1制御部と、を有する。前記複数の有機EL素子は、前記透明基材の前記タッチ面の反対側に、電極層と有機層とが交互に重ねて配置された複数の前記電極層と複数の前記有機層とで構成され、直列接続されている。前記タッチセンサは、前記複数の電極層のいずれか1つを検出電極として利用し、静電容量の変化を検出する。前記第1制御部は、前記タッチセンサによる検出期間中に、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層以外の各電極層を、前記検出電極と同電位に制御する。
発明の1又は複数の実施形態により与えられる利点及び特徴は以下に与えられる詳細な説明及び添付図面から十分に理解される。これら詳細な説明及び添付図面は、例としてのみ与えられるものであり本発明の限定の定義として意図されるものではない。
以下、図面を参照して、本発明の1又は複数の実施形態が説明される。しかし、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。
各図において、同一符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その構成について、既に説明している内容については、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し(例えば、電極層3)、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す(例えば、電極層3−1)。
上述したように、複数の有機EL素子を積層した構造に、特許文献1の技術がそのまま適用された場合、タッチセンサが、検出電極に供給する電流(タッチ検出に用いる電流)が大きくなりすぎる。これを比較例を用いて説明する。比較例に係る面発光装置の断面構造は、図1に示す第1実施形態に係る面発光装置1−1の断面構造と同じである。そこで、図1を用いて、比較例に係る面発光装置の断面構造を簡単に説明する。透明基材2の一方の面2a上に、電極層3−1、有機層4−1、電極層3−2、有機層4−2、電極層3−3の順に積層されている。電極層3−1、有機層4−1、及び、電極層3−2によって、有機EL素子5−1が構成される。電極層3−2、有機層4−2、及び、電極層3−3によって、有機EL素子5−2が構成される。従って、透明基材2の一方の面2a上で有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とが積層され、これらが直列接続されている。
図17は、比較例に係る面発光装置の回路構成図である。有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とが直列接続されている。C1は、有機EL素子5−1の寄生容量である。C2は、有機EL素子5−2の寄生容量である。
図1及び図17を参照して、比較例に係る面発光装置は、タッチセンサ10を備える。タッチセンサ10は、電極層3−1に接続された検出回路8を備える。タッチセンサ10がタッチを検出する検出期間において、電極層3−1が、検出電極として利用される。指Fがタッチするタッチ面は、透明基材2の他方の面2bである。Cfは、指Fが透明基材2に近づいたとき、又は、接触したときに発生する静電容量である。
図18は、比較例に係る面発光装置の検出期間中に、各電極層3に印加される電圧の波形を示す波形図である。波形W1は、有機EL素子5−1のアノード(電極層3−1)に印加される電圧の波形である。有機EL素子5−1のアノード(電極層3−1)が検出電極として利用される。波形W1は、検出回路8から出力されたパルスによって生じる。パルスがHレベルのとき、静電容量Cfに充電電流が流れ、検出回路8は、この充電電流を基にして、静電容量Cfの変化を検出する。パルスの周波数は、通常、数メガヘルツである。
静電容量Cfは、通常、数pFである。これに対して、寄生容量C1,C2は、大きい場合、1μF程度となる。寄生容量C1は、静電容量Cfに接続されている。このため、寄生容量C1に充電電流が流れると、検出回路8へ供給される充電電流が小さくなりすぎ、検出回路8は、充電電流を測定できなくなる。そこで、特許文献1の技術では、有機EL素子5−1のアノード(電極層3−1)と有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)とを同電位に制御し、寄生容量C1に放電電流が流れないようにしている(なお、特許文献1に開示された有機エレクトロルミネッセンスモジュールは、有機EL素子5−2を備えていない)。特許文献1の技術を比較例に適用すると、以下の通りとなる。
波形W2は、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)に印加される電圧の波形である。波形W2は、波形W1と振幅及び位相が同じである。波形W2は、パルス発生回路(不図示)から出力されたパルスによって生じる。波形W2は、波形W1と振幅及び位相が同じなので、有機EL素子5−1のアノード(電極層3−1)と、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)とが同電位となる。従って、寄生容量C1には、放電電流が流れない。
タッチ検出技術において、一般的に、検出電極の周囲の導電性部材は、ノイズの影響を少なくするために、接地(GND)することが好ましいとされている。上述したように、電極層3−2は、接地できないので、変形例では、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)を接地している。
しかし、本発明者は、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)を接地した場合、静電容量Cfの充放電に必要な電流が大きくなりすぎることを見出した。例えば、寄生容量C2が1μFとし、検出回路8が出力するパルスの振幅が2Vとし、このパルスの周波数が1MHzとする。この場合、静電容量Cfの充放電に必要な電流は、2Aとなる。これは、理論的には可能であるが、このような大きな電流を用いるタッチセンサ10は、現実的ではない。
以上説明した比較例を改善したのが実施形態である。実施形態として、第1実施形態〜第4実施形態がある。第1実施形態から説明する。図1は、第1実施形態に係る面発光装置1−1の断面構造図である。面発光装置1−1は、透明基材2と、電極層3−1と、有機層4−1と、電極層3−2と、有機層4−2と、電極層3−3と、を備える。透明基材2の一方の面2a上に、電極層3−1、有機層4−1、電極層3−2、有機層4−2、電極層3−3の順に積層されている。透明基材2の他方の面2bがタッチ面となる。透明基材2がタッチ面を有する部材となる。他方の面2bの上方には、指Fが示されいる。透明基材2は、一層構造(例えば、透明ガラス基板)でもよいし、多層構造(例えば、透明ガラス基板と透明フィルムとが積層された構造)でもよい。
電極層3−1、有機層4−1、及び、電極層3−2によって、有機EL素子5−1が構成される。電極層3−2、有機層4−2、及び、電極層3−3によって、有機EL素子5−2が構成される。従って、透明基材2の一方の面2a上で有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とが積層され、これらが直列接続されている。有機EL素子5の積層数が、2の場合を例にして説明しているが、積層数は2に限定されず、複数であればよい。以上説明したように、面発光装置1−1は、透明基材2の他方の面2b(タッチ面)側に、電極層3と有機層4とが交互に重ねて配置された複数の電極層3と複数の有機層4とで構成され、直列接続された複数の有機EL素子5を備える。
有機層4は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層が積層された構造を有する。有機層4−1に備えられる発光層の発光色と有機層4−2に備えられる発光層の発光色とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。
電極層3−1は、透明基材2の一方の面2a上に直接形成された透明電極である。電極層3−1は、有機EL素子5−1のアノードとなる。
電極層3−2は、透明電極であり、有機EL素子5−1のカソードとなり、かつ、有機EL素子5−2のアノードとなる。有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とは、電極層3−2を共通電極として直列に接続されている。
電極層3−3は、金属電極であり、有機EL素子5−2のカソードとなる。
電極層3−1と電極層3−2とに印加された電圧により、有機層4−1に含まれる発光層が発光し、電極層3−2と電極層3−3とに印加された電圧により、有機層4−2に含まれる発光層が発光し、これらの発光層からの光Lが透明基材2を介して出射される。
図2は、第1実施形態に係る面発光装置1−1の回路構成図である。面発光装置1−1は、有機EL素子5−1,5−2と、全体制御部6と、駆動回路7−1,7−2と、検出回路8と、パルス発生回路9−1,9−2と、スイッチSW1〜SW7と、を備える。C1は、有機EL素子5−1の寄生容量である。C2は、有機EL素子5−2の寄生容量である。Cfは、指Fが透明基材2(図1)に近づいたとき、又は、接触したときに発生する静電容量である。
全体制御部6は、面発光装置1−1の全体を制御し、具体的には、駆動回路7−1,7−2、検出回路8、パルス発生回路9−1,9−2、及び、スイッチSW1〜SW7を制御する。全体制御部6は、ハードウェア(CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等)、及び、ソフトウェア等によって実現される。
駆動回路7−1は、有機EL素子5−1の動作を制御する回路である。この制御には、有機EL素子5−1のオンオフ制御、有機EL素子5−1に印加する順方向電圧/電流の大きさの制御等が含まれる。駆動回路7−1は、上記順方向電圧を発生させる電源回路(例えば、DCDCコンバータ)を含む。
駆動回路7−1のプラス端子は、スイッチSW2を介して、有機EL素子5−1のアノードと接続されている。駆動回路7−1のマイナス端子は、スイッチSW3を介して、有機EL素子5−1のカソードと接続されている。
駆動回路7−2は、有機EL素子5−2の動作を制御する回路である。この制御には、有機EL素子5−2のオンオフ制御、有機EL素子5−2に印加する順方向電圧/電流の大きさの制御等が含まれる。駆動回路7−2は、上記順方向電圧を発生させる電源回路(例えば、DCDCコンバータ)を含む。
駆動回路7−2のプラス端子は、スイッチSW4を介して、有機EL素子5−2のアノードと接続されている。駆動回路7−2のマイナス端子は、スイッチSW5を介して、有機EL素子5−2のカソードと接続されている。
検出回路8は、スイッチSW1を介して、有機EL素子5−1のアノードと接続されている。このアノードは、図1に示す電極層3−1である。電極層3−1は、透明基材2に最も近い電極層3である。検出回路8と電極層3−1とにより、タッチセンサ10が構成される。電極層3−1が、タッチセンサ10の検出電極として利用される。検出回路8は、検出電極(電極層3−1)に印加する所定のパルスを生成する。所定のパルスは、例えば、振幅が2Vであり、周波数が数メガヘルツである。
パルス発生回路9−1は、スイッチSW6を介して、有機EL素子5−1のカソード、及び、有機EL素子5−2のアノードと接続されている。パルス発生回路9−2は、スイッチSW7を介して、有機EL素子5−2のカソードと接続されている。パルス発生回路9は、電圧生成部の一例である。電圧生成部は、複数の電極層3のうち、検出電極として利用する電極層以外の少なくとも一つの電極層と接続され、検出電極と同電位となる電圧を、接続されている電極層に印加する。
スイッチSW1〜SW7は、例えば、トランジスタである。全体制御部6は、スイッチSW1〜SW7を制御することにより、発光期間と検出期間とを交互に繰り返す制御をする。発光期間は、有機EL素子5を発光させる期間である。検出期間は、タッチセンサ10がタッチを検出する期間である。有機EL素子5は、検出期間中、発光しない。タッチセンサ10は、発光期間中、タッチを検出しない。全体制御部6は、例えば、数十ヘルツ以上の周波数で、発光期間と検出期間とを繰り返す。これにより、人には、連続発光に見え、常時タッチ検出可能に見える。
全体制御部6及びスイッチSW1〜SW7によって、第3制御部が構成される。第3制御部は、検出期間と発光期間とを交互に発生させる制御をする。
第1実施形態に係る面発光装置1−1の発光期間の動作を説明する。図1及び図2を参照して、全体制御部6は、発光期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオン状態とし、スイッチSW1,SW6,SW7をオフ状態とする。これにより、駆動回路7−1から出力された直流電圧が、有機EL素子5−1のアノード(電極層3−1)と有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)とに印加されて、有機EL素子5−1が発光し、駆動回路7−2から出力された直流電圧が、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)と有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)とに印加されて、有機EL素子5−2が発光する。これらの発光によって、面発光装置1−1は、光Lを出射する。
第1実施形態に係る面発光装置1−1の検出期間の動作を説明する。図2を参照して、全体制御部6は、検出期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオフ状態とし、スイッチSW1,SW6,SW7をオン状態とする。図3は、第1実施形態に係る面発光装置1−1の検出期間中に、図1に示す各電極層3に印加される電圧の波形を示す波形図である。図18に示す波形図と異なる点は、波形W3が追加されていることである。波形W1及び波形W2は、比較例で説明したので、説明を省略する。波形W2は、パルス発生回路9−1から出力されたパルスによって生じる。
図1〜図3を参照して、波形W3は、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)に印加される電圧の波形である。波形W3は、波形W2と振幅及び位相が同じである。従って、波形W1と波形W2と波形W3とは、振幅及び位相が同じである。波形W3は、パルス発生回路9−2から出力されたパルスによって生じる。波形W3は、波形W2と振幅及び位相が同じなので、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)と有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)とが同電位となる。従って、寄生容量C2には、放電電流が流れない。
パルス発生回路9−1,9−2は、検出回路8が出力するパルスと同じ振幅及び周波数のパルスを出力する。全体制御部6は、検出回路8が出力するパルスと、パルス発生回路9−1が出力するパルスと、パルス発生回路9−2が出力するパルスと、を同期させる。これにより、波形W1と波形W2と波形W3とは、振幅及び位相が同じになる。従って、検出期間中、電極層3−2,3−3は、電極層3−1(検出電極)と同電位となる。これは、全体制御部6、パルス発生回路9−1,9−2、及び、スイッチSW6,SW7によって構成される第1制御部により実現される。第1制御部は、検出期間中に、複数の電極層3のうち、検出電極として利用する電極層以外の各電極層(電極層3−2,3−3)を、検出電極(電極層3−1)と同電位に制御する。
第1実施形態の主な効果を説明する。第1実施形態に係る面発光装置1−1は、有機EL素子5−2のカソードを接地せずに、検出期間中に、パルス発生回路9−2から出力されたパルスを有機EL素子5−2のカソードに印加させる。これにより、上述したように、検出期間中、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)と有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)とが同電位となる。よって、検出期間中、寄生容量C2には、放電電流が流れない。また、比較例で説明したように、検出期間中、有機EL素子5−1のアノード(電極層3−1)と有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)とが同電位となるので、寄生容量C1には、放電電流が流れない。
このように、第1実施形態に係る面発光装置1−1によれば、検出期間中、寄生容量C1,C2に電流(放電電流)が流れることを防止できる。よって、第1実施形態に係る面発光装置1−1によれば、タッチセンサ10から検出電極(電極層3−1)に供給される電流(タッチ検出に用いる電流)を大きくしなくても、タッチ検出が可能となる。
パルス発生回路9−1(電圧生成部)は、複数の電極層3のうち、検出電極として利用する電極層3−1の隣に位置する電極層3−2(有機EL素子5−1のカソード)と接続されている。電極層3−2は、オープン状態でなく、パルス発生回路9−1(電圧生成部)と接続されているので、シールド効果が生じる。従って、検出電極がノイズの影響を受けにくくすることができる。
全体制御部6は、検出期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオフ状態にすることにより、駆動回路7を有機EL素子5から完全に切り離す。これにより、検出期間中、駆動回路7が容量となることがないので、駆動回路7が原因でタッチセンサ10から検出電極に供給される電流(タッチ検出に用いる電流)が大きくなることを防止できる。
なお、全体制御部6は、駆動回路7をオン制御して有機EL素子5を点灯(発光)させ、駆動回路7をオフ制御して有機EL素子5を消灯させてもよい。全体制御部6は、検出回路8をオン制御して検出回路8がパルスを検出電極(電極層3−1)に供給し、検出回路8をオフ制御して検出回路8がパルスを検出電極(電極層3−1)に供給しないようにしてもよい。全体制御部6は、パルス発生回路9をオン制御してパルス発生回路9がパルスを電極層3に供給し、パルス発生回路9をオフ制御してパルス発生回路9がパルスを電極層3に供給しないようにしてもよい。このようにすれば、スイッチSWが不要となる。このことは、以下に説明する変形例、他の実施形態、他の実施形態の変形例についても言える。
第1実施形態の変形例を説明する。図4は、第1実施形態、変形例1、変形例2、変形例3のそれぞれにおいて、検出期間中の各電極層3の状態を説明する説明図である。上述したように、第1実施形態は、検出期間中、電極層3−1が検出電極として利用され、電極層3−2には、パルス発生回路9−1から出力されたパルスが印加され、電極層3−3には、パルス発生回路9−2から出力されたパルスが印加される。変形例1では、検出期間中、電極層3−1が検出電極として利用され、電極層3−2には、パルス発生回路9−1から出力されたパルスが印加され、電極層3−3が、オープン状態とされる。変形例1について詳しく説明する。
変形例1は、図2に示す面発光装置1−1を構成する要素のうち、パルス発生回路9−2及びスイッチSW7を備えていない。変形例1の全体制御部6は、発光期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオン状態とし、スイッチSW1,SW6をオフ状態とし、検出期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオフ状態とし、スイッチSW1,SW6をオン状態とする。
変形例1において、検出期間中、各電極層3に印加される電圧の波形は、第1実施形態と同じである(図3)。変形例1が、パルス発生回路9−2及びスイッチSW7を備えていなくても、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)に印加される電圧の波形が、波形W3となる理由を説明する。
図2及び図3を参照して、検出期間中、スイッチSW5がオフ状態なので、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)は、オープン状態となる。これにより、電極層3−3は、寄生容量C2によって、電極層3−2と容量結合される。この結果、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)には、波形W3の電圧が印加される。すなわち、パルス発生回路9−2から出力されたパルスが、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)に印加されなくても、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)に波形W3の電圧が印加される。
図4を参照して、変形例2では、検出期間中、電極層3−1が検出電極として利用され、電極層3−2が、オープン状態とされ、電極層3−3には、パルス発生回路9−2から出力されたパルスが印加される。変形例2について詳しく説明する。
変形例2は、図2に示す面発光装置1−1を構成する要素のうち、パルス発生回路9−1及びスイッチSW6を備えていない。変形例2の全体制御部6は、発光期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオン状態とし、スイッチSW1,SW7をオフ状態とし、検出期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオフ状態とし、スイッチSW1,SW7をオン状態とする。
変形例2において、検出期間中に、各電極層3に印加される電圧の波形は、第1実施形態と同じである(図3)。変形例2が、パルス発生回路9−1及びスイッチSW6を備えていなくても、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)に印加される電圧の波形が、波形W2となる理由を説明する。
図2及び図3を参照して、検出期間中、スイッチSW3,SW4がオフ状態なので、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)は、オープン状態となる。これにより、電極層3−2は、寄生容量C1によって、電極層3−1と容量結合され、かつ、寄生容量C2によって、電極層3−3と容量結合される。この結果、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)には、波形W2の電圧が印加される。すなわち、パルス発生回路9−1から出力されたパルスが、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)に印加されなくても、これらに波形W2の電圧が印加される。
図4を参照して、変形例3では、検出期間中、電極層3−1が検出電極として利用され、電極層3−2,3−3が、オープン状態とされる。変形例3について詳しく説明する。
変形例3は、図2に示す面発光装置1−1を構成する要素のうち、パルス発生回路9−1,9−2及びスイッチSW6,SW7を備えていない。変形例3の全体制御部6は、発光期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオン状態とし、検出期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオフ状態とする。
変形例3において、検出期間中に、各電極層3に印加される電圧の波形は、第1実施形態と同じである(図3)。変形例3が、パルス発生回路9−1,9−2及びスイッチSW6,SW7を備えていなくても、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)に印加される電圧の波形が、波形W2となり、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)に印加される電圧の波形が、波形W3となる理由を説明する。
図2及び図3を参照して、検出期間中、スイッチSW3,SW4がオフ状態なので、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)は、オープン状態となる。検出期間中、スイッチSW5がオフ状態なので、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)は、オープン状態となる。これらにより、電極層3−2は、電極層3−1と寄生容量C1によって容量結合され、電極層3−3は、直列接続された寄生容量C1,C2によって、電極層3−1と容量結合される。この結果、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)には、波形W2の電圧が印加され、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)には、波形W3の電圧が印加される。すなわち、パルス発生回路9−1から出力されたパルスが、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)に印加されなくても、これらに波形W2の電圧が印加され、パルス発生回路9−2から出力されたパルスが、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)に印加されなくても、これに波形W3の電圧が印加される。
変形例4を説明する。図2を参照して、変形例4は、有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とを時分割に駆動する。これは、全体制御部6、及び、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5によって構成される第2制御部により実現される。図5は、第1実施形態の変形例4で発生する各期間を説明する説明図である。図2及び図5を参照して、検出期間、有機EL素子5−1の発光期間、有機EL素子5−2の発光期間の順番で繰り返される。既に述べたように、検出期間は、タッチセンサ10がタッチを検出する期間であり、全体制御部6は、検出期間中、スイッチSW2,SW3,SW4,SW5をオフ状態とし、スイッチSW1,SW6,SW7をオン状態とする。
全体制御部6は、有機EL素子5−1の発光期間中、スイッチSW2,SW3をオン状態とし、スイッチSW1,SW4,SW5,SW6,SW7をオフ状態とする。これにより、有機EL素子5−1が発光し、有機EL素子5−2が発光しない。
全体制御部6は、有機EL素子5−2の発光期間中、スイッチSW4,SW5をオン状態とし、スイッチSW1,SW2,SW3,SW6,SW7をオフ状態とする。これにより、有機EL素子5−2が発光し、有機EL素子5−1が発光しない。
第1実施形態では、検出期間と発光期間とを交互に発生させる。発光期間では、有機EL素子5−1,5−2が発光する。発光期間中に1つの有機EL素子5に印加される電圧が、例えば、3Vとする。有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とを発光させる場合、有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とが直列接続された回路には、6Vの電圧が発生する。従って、発光期間から検出期間に切り替えられるときに、検出回路8に6Vの電圧が印加される可能性がある。このため、6Vの電圧に耐えることができる検出回路8が必要となるので、検出回路8の高耐圧化が必要となる。
これに対して、変形例4は、有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とが時分割で駆動される。従って、有機EL素子5−1と有機EL素子5−2とが直列接続された回路には、6Vの電圧が発生せず、3Vの電圧が発生する。これにより、発光期間(有機EL素子5−2の発光期間)から検出期間に切り替えられるときに、検出回路8には、3Vの電圧が印加される可能性がある。このため、検出回路8は、6Vの電圧に耐える必要がなく、3Vの電圧に耐えることができればよい。よって、検出回路8を高耐圧化する必要をなくすことができる。従って、検出回路8に、通常の低耐圧の検出回路を用いることができる。
第2実施形態を説明する。第2実施形態は、電極層3−2(図1)を検出電極として利用する。図6は、第2実施形態に係る面発光装置1−2の回路構成図である。第2実施形態に係る面発光装置1−2の断面構造図は、図1に示す第1実施形態に係る面発光装置1−1の断面構造図と同じである。第2実施形態に係る面発光装置1−2について、第1実施形態に係る面発光装置1−1と相違する点を説明する。
図1及び図6を参照して、検出回路8は、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)と、スイッチSW1を介して接続されている。パルス発生回路9−1は、有機EL素子5−1のアノード(電極層3−1)と、スイッチSW6を介して接続されている。
図7は、第2実施形態に係る面発光装置1−2の検出期間中に、図1に示す各電極層3に印加される電圧の波形を示す波形図である。図3に示す第1実施形態と同じく、有機EL素子5−1のアノード(電極層3−1)には、波形W1の電圧が印加され、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)には、波形W2の電圧が印加され、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)には、波形W3の電圧が印加されている。但し、第2実施形態の場合、波形W1は、パルス発生回路9−1から出力されたパルスによって生じ、波形W2は、検出回路8から出力されたパルスによって生じ、波形W3は、パルス発生回路9−2から出力されたパルスによって生じる。
図1及び図6を参照して、複数の電極層3のうち、直列接続された複数の有機EL素子5の構造の一端となる電極層3−1は、アノードである。タッチセンサ10は、複数の電極層3のうち、電極層3−1以外のいずれか一つの電極層3(ここでは電極層3−2)を検出電極として利用する。これにより、発光期間から検出期間に切り替えられるときに、検出回路8に印加される電圧を、有機EL素子5−1と有機EL素子5−2との直列回路に印加される電圧(例えば、6V)ではなく、有機EL素子5−2に印加される電圧(例えば、3V)にすることができる。従って、第2実施形態によれば、第1実施形態の変形例4と同様に、検出回路8を高耐圧化する必要をなくすことができる。
第2実施形態の変形例を説明する。この変形例は、電極層3−3(図1)を検出電極として利用する。図8は、第2実施形態の変形例に係る面発光装置1−3の回路構成図である。面発光装置1−3について、図6に示す第2実施形態に係る面発光装置1−2と相違する点を説明する。
図1及び図8を参照して、検出回路8は、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)と、スイッチSW1を介して接続されている。パルス発生回路9−2は、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)と、スイッチSW7を介して接続されている。
第2実施形態の変形例も、第2実施形態と同様の理由により、検出回路8を高耐圧化する必要をなくすことができる。
第3実施形態を説明する。図9は、第3実施形態に係る面発光装置1−4の断面構造図である。面発光装置1−4が、図1に示す面発光装置1−1と異なる点は、電極層3−1が、複数の部分電極11に分けられている構造を備えることである。図9には、部分電極11−1,11−2,11−3が示されている。複数の部分電極11は、電極層3と有機層4とが交互に重ねられる方向(積層方向)と直交する方向に、所定の間隔を設けて並べて配置されている。
図10は、第3実施形態に係る面発光装置1−4に備えられる有機EL素子5の等価回路図である。複数の部分電極11の数と同数の有機EL素子5−1がある。これらの有機EL素子5−1は、並列接続されている。
複数の部分電極11は、所定の間隔で並べて配置されており、隣り合う部分電極11間には、電極層3−1が存在しない。このため、複数の部分電極11により構成される電極層3−1の面積は、図1に示す電極層3−1の面積よりも小さくなる。従って、複数の部分電極11により構成される電極層3−1が検出電極とされた場合、タッチセンサ10のタッチ検出感度が低下する。検出電極の候補として、電極層3−2,3−3がある。検出電極が、タッチ面(透明基板2の他方の面2b)に近い方が、タッチセンサ10のタッチ検出感度が上がる。そこで、第3実施形態は、電極層3−2を検出電極とする。
図11は、第3実施形態に係る面発光装置1−4の回路構成図である。面発光装置1−4について、図6に示す第2実施形態に係る面発光装置1−2と相違する点を説明する。面発光装置1−4は、さらに、複数の有機EL素子5−1のそれぞれを選択する複数のスイッチSW8を備える。有機EL素子5−1の数がnの場合、スイッチSW8の数がnとなる(スイッチSW8−1〜スイッチSW8−n)。図9に示すように、n個の部分電極11は、互いに分離している。全体制御部6は、発光期間中、スイッチSW8−1〜スイッチSW8−nを選択することにより、n個の部分電極11に選択的に電圧を印加することができる。これにより、n個の有機EL素子5−1を選択的に発光させて、面発光装置1−4に画像(例えば、文字画像)を表示させることができる。
第3実施形態の変形例を説明する。図12は、第3実施形態、変形例1、変形例2、変形例3のそれぞれにおいて、検出期間中の各電極層3の状態を説明する説明図である。図12は、検出電極が電極層3−1でなく、電極層3−2である以外は、図4と同様であるので、説明は省略する。
検出電極(電極層3−2)よりも、透明基材2に近い電極層3−1(言い換えれば、タッチ面に近い電極層3−1)が、パルス印加の場合(第3実施形態、変形例1)、オープン状態の場合(変形例2、変形例3)のそれぞれに利点がある。パルス印加の場合、電極層3−1がパルス発生回路9−1(電圧生成部)と接続されているので、シールド効果が生じる。従って、検出電極がノイズの影響を受けにくくすることができる。但し、この場合、シールド効果が原因でタッチセンサ10のタッチ検出感度が低下する。これに対して、電極層3−1がオープン状態の場合、シールド効果が生じないので、タッチセンサ10のタッチ検出感度の低下を防止できる。
なお、図6に示す第2実施形態に係る面発光装置1−2も、図12に示す変形例1、変形例2、変形例3がある。
第4実施形態を説明する。図13は、第4実施形態に係る面発光装置1−5の断面構造図である。面発光装置1−5が、図9に示す面発光装置1−4と異なる点は、電極層3−1,3−2が、それぞれ、複数の部分電極11,12に分けられている構造を備えることである。図13には、電極層3−1を構成する部分電極11−1,11−2,11−3、及び、電極層3−2を構成する部分電極12−1,12−2,12−3が示されている。複数の部分電極11,12は、それぞれ、電極層3と有機層4とが交互に重ねられる方向(積層方向)と直交する方向に、所定の間隔を設けて並べて配置されている。
図14は、第4実施形態に係る面発光装置1−5に備えられる有機EL素子5の等価回路図である。複数の部分電極11の数と同数の有機EL素子5−1があり、複数の部分電極12の数と同数の有機EL素子5−2がある。
電極層3−1が複数の部分電極11により構成され、電極層3−2が複数の部分電極12により構成されるので、電極層3−3が検出電極として利用される。
図15は、第4実施形態に係る面発光装置1−5の回路構成図である。面発光装置1−5について、図11に示す第3実施形態に係る面発光装置1−4と相違する点を説明する。検出回路8は、有機EL素子5−2のカソード(電極層3−3)と、スイッチSW1を介して接続されている。パルス発生回路9−2は、有機EL素子5−1のカソード(電極層3−2)、及び、有機EL素子5−2のアノード(電極層3−2)と、スイッチSW7を介して接続されている。
面発光装置1−5は、さらに、複数の有機EL素子5−2のそれぞれを選択する複数のスイッチSW9を備える。有機EL素子5−2の数がnの場合、スイッチSW9の数がnとなる(スイッチSW9−1〜スイッチSW9−n)。図13に示すように、n個の部分電極12は、互いに分離している。全体制御部6は、発光期間中、スイッチSW9−1〜スイッチSW9−nを選択することにより、n個の部分電極12に選択的に電圧を印加することができる。これにより、n個の有機EL素子5−2を選択的に発光させて、面発光装置1−5に画像(例えば、文字画像)を表示させることができる。
第4実施形態の変形例を説明する。図16は、第4実施形態、変形例1、変形例2、変形例3のそれぞれにおいて、検出期間中の各電極層3の状態を説明する説明図である。図16は、検出電極が電極層3−1でなく、電極層3−3である以外は、図4と同様であるので、説明は省略する。
検出電極(電極層3−3)よりも透明基材2に近い電極層3−1,3−2の少なくとも一方が、パルス印加の場合(第4実施形態、変形例1、変形例2)、上述したように、シールド効果により、検出電極がノイズの影響を受けにくくすることができる。検出電極(電極層3−3)よりも透明基材2に近い電極層3−1,3−2(言い換えれば、タッチ面に近い電極層3−1,3−2)が、オープン状態の場合(変形例3)、上述したように、タッチセンサ10のタッチ検出感度の低下を防止できる。
なお、図8に示す第2実施形態の変形例に係る面発光装置1−3も、図16に示す変形例1、変形例2、変形例3がある。
以下に、有機EL素子の構成の代表例を示す。
(i)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ii)陽極/正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
更に、発光層が複数層で構成される場合には、発光層間に非発光性の中間層を有していてもよい。中間層は電荷発生層であってもよく、マルチフォトンユニット構成であってもよい。
更に、本発明に係る有機EL素子を構成する各層について説明する。
〔透明基材〕
本発明に係る有機EL素子に適用可能な透明基材としては、例えば、ガラス、プラスチック等の透明材料を挙げることができる。好ましく用いられる透明基材としては、ガラス、石英、樹脂フィルムを挙げることができる。
本発明に係る有機EL素子に適用可能な透明基材としては、例えば、ガラス、プラスチック等の透明材料を挙げることができる。好ましく用いられる透明基材としては、ガラス、石英、樹脂フィルムを挙げることができる。
ガラス材料としては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、隣接する層との密着性、耐久性、平滑性を付与する観点から、必要に応じて、研磨等の物理的処理、無機物又は有機物からなる薄膜の形成や、これらの薄膜を組み合わせたハイブリッド薄膜を形成することができる。
樹脂フィルムを構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)及びアペル(商品名、三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
有機EL素子においては、上記説明した透明基材上に、必要に応じて、ガスバリアー層を設ける構成であってもよい。
ガスバリアー層を形成する材料としては、水分や酸素など、有機EL素子の劣化をもたらす成分の侵入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの無機物を用いることができる。更に、ガスバリアー層の脆弱性を改良するため、これら無機層と有機材料からなる有機層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させる構成が好ましい。
(アノード電極:陽極)
有機EL素子を構成する陽極としては、Ag、Au等の金属又は金属を主成分とする合金、CuI、あるいはインジウム−スズの複合酸化物(ITO)、SnO2及びZnO等の金属酸化物を挙げることができるが、金属又は金属を主成分とする合金であることが好ましく、更に好ましくは、銀又は銀を主成分とする合金である。また、陽極側が光取出し側となる場合には、光透過性を有する透明陽極であることが必要となる。
有機EL素子を構成する陽極としては、Ag、Au等の金属又は金属を主成分とする合金、CuI、あるいはインジウム−スズの複合酸化物(ITO)、SnO2及びZnO等の金属酸化物を挙げることができるが、金属又は金属を主成分とする合金であることが好ましく、更に好ましくは、銀又は銀を主成分とする合金である。また、陽極側が光取出し側となる場合には、光透過性を有する透明陽極であることが必要となる。
透明陽極が銀を主成分として構成されている層である場合、具体的には、銀単独で形成しても、あるいは銀の安定性を確保するために銀(Ag)を含有する合金から構成されていてもよい。そのような合金としては、例えば、銀・マグネシウム(Ag・Mg)、銀・銅(Ag・Cu)、銀・パラジウム(Ag・Pd)、銀・パラジウム・銅(Ag・Pd・Cu)、銀・インジウム(Ag・In)、銀・金(Ag・Au)などが挙げられる。
上記陽極を構成する各構成材料の中でも、本発明に係る有機EL素子を構成する陽極としては、銀を主成分として構成し、厚さが2〜20nmの範囲内にある透明陽極であることが好ましいが、更に好ましくは厚さが4〜12nmの範囲内である。厚さが20nm以下であれば、透明陽極の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、高い光透過率が維持されるため好ましい。
本発明でいう銀を主成分として構成されている層とは、透明陽極中の銀の含有量が60質量%以上であることをいい、好ましくは銀の含有量が80質量%以上であり、より好ましくは銀の含有量が90質量%以上であり、特に好ましくは銀の含有量が98質量%以上である。また、本発明に係る透明陽極でいう「透明」とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
透明陽極においては、銀を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であっても良い。
また、本発明においては、陽極が、銀を主成分として構成する透明陽極である場合には、形成する透明陽極の銀膜の均一性を高める観点から、その下部に、下地層を設けることが好ましい。下地層としては、特に制限はないが、窒素原子又は硫黄原子を有する有機化合物を含有する層であることが好ましく、当該下地層上に、透明陽極を形成する方法が好ましい態様である。
〔中間電極〕
本発明に係る有機EL素子においては、陽極と陰極との間に、有機機能層群と発光層から構成される有機機能層ユニットを二つ以上積層した構造を有し、二つ以上の有機機能層ユニット間を、電気的接続を得るための独立した接続端子を有する中間電極層ユニットで分離した構造をとることができる。
本発明に係る有機EL素子においては、陽極と陰極との間に、有機機能層群と発光層から構成される有機機能層ユニットを二つ以上積層した構造を有し、二つ以上の有機機能層ユニット間を、電気的接続を得るための独立した接続端子を有する中間電極層ユニットで分離した構造をとることができる。
〔発光層〕
有機EL素子を構成する発光層は、発光材料としてリン光発光化合物又は蛍光発光性化合物が含有されている構成が好ましい。
有機EL素子を構成する発光層は、発光材料としてリン光発光化合物又は蛍光発光性化合物が含有されている構成が好ましい。
この発光層は、電極又は電子輸送層から注入された電子と、正孔輸送層から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であってもよい。
このような発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。この場合、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の厚さの総和は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1〜30nmの範囲内がさらに好ましい。なお、発光層の厚さの総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む厚さである。
以上のような発光層は、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)、あるいはインクジェット法等の公知の方法を適用して形成することができる。
また、発光層は、複数の発光材料を混合してもよく、リン光発光材料と蛍光発光材料(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)とを同一発光層中に混合して用いてもよい。発光層の構成としては、ホスト化合物(発光ホスト等ともいう)及び発光材料(発光ドーパント化合物ともいう。)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
〈ホスト化合物〉
発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25°C)におけるリン光発光のリン光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。さらにリン光量子収率が0.01未満であることが好ましい。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25°C)におけるリン光発光のリン光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。さらにリン光量子収率が0.01未満であることが好ましい。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、あるいは、複数種のホスト化合物を用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機電界発光素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
発光層に用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
〈発光材料〉
本発明で用いることのできる発光材料としては、リン光発光性化合物(リン光性化合物、リン光発光材料又はリン光発光ドーパントともいう。)及び蛍光発光性化合物(蛍光性化合物又は蛍光発光材料ともいう。)が挙げられる。
本発明で用いることのできる発光材料としては、リン光発光性化合物(リン光性化合物、リン光発光材料又はリン光発光ドーパントともいう。)及び蛍光発光性化合物(蛍光性化合物又は蛍光発光材料ともいう。)が挙げられる。
〈リン光発光性化合物〉
リン光発光性化合物とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25°C)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が25°Cにおいて0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
リン光発光性化合物とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25°C)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が25°Cにおいて0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は、種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明においてリン光発光性化合物を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて、上記リン光量子収率として0.01以上が達成されればよい。
リン光発光性化合物は、一般的な有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)又は希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、一つの発光層が、二種以上のリン光発光性化合物を含有していてもよく、発光層におけるリン光発光性化合物の濃度比が発光層の厚さ方向で変化している態様であってもよい。
本発明においては、好ましいリン光発光性化合物としては、Irを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも1つの配位様式を含む錯体が好ましい。
〈蛍光発光性化合物〉
蛍光発光性化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
蛍光発光性化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
〔有機機能層群〕
次いで、有機機能層ユニットを構成する発光層以外の各層について、電荷注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び阻止層の順に説明する。
次いで、有機機能層ユニットを構成する発光層以外の各層について、電荷注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び阻止層の順に説明する。
(電荷注入層)
電荷注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、電極と発光層の間に設けられる層のことであり、正孔注入層と電子注入層とがある。
電荷注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、電極と発光層の間に設けられる層のことであり、正孔注入層と電子注入層とがある。
電荷注入層としては、一般には、正孔注入層であれば、陽極と発光層又は正孔輸送層との間、電子注入層であれば陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させることができるが、本発明においては、透明電極に隣接して電荷注入層を配置させることを特徴とする。また、中間電極で用いられる場合は、隣接する電子注入層及び正孔注入層の少なくとも一方が、本発明の要件を満たしていれば良い。
正孔注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、透明電極である陽極に隣接して配置される層である。
正孔注入層に用いられる材料としては、例えば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、イソインドール誘導体、アントラセンやナフタレン等のアセン系誘導体、フルオレン誘導体、フルオレノン誘導体、及びポリビニルカルバゾール、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー、ポリシラン、導電性ポリマー又はオリゴマー(例えば、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン):PSS(ポリスチレンスルホン酸)、アニリン系共重合体、ポリアニリン、ポリチオフェン等)等が挙げられる。
トリアリールアミン誘導体としては、α−NPD(4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル)に代表されるベンジジン型や、MTDATA(4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン)に代表されるスターバースト型、トリアリールアミン連結コア部にフルオレンやアントラセンを有する化合物等が挙げられる。
また、ヘキサアザトリフェニレン誘導体も同様に正孔輸送材料として用いることができる。
電子注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陰極と発光層との間に設けられる層のことであり、陰極が本発明に係る透明電極で構成されている場合には、当該透明電極に隣接して設けられる。
電子注入層に好ましく用いられる材料の具体例としては、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等に代表されるアルカリ金属化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等に代表されるアルカリ金属ハライド層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物層、酸化モリブデン、酸化アルミニウム等に代表される金属酸化物、リチウム−8−ヒドロキシキノレート(Liq)等に代表される金属錯体等が挙げられる。また、本発明における透明電極が陰極の場合は、金属錯体等の有機材料が特に好適に用いられる。電子注入層はごく薄い膜であることが望ましく、構成材料にもよるが、その層厚は1nm〜10μmの範囲内が好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料より構成され、広い意味で正孔注入層及び電子阻止層も正孔輸送層としての機能を有する。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料より構成され、広い意味で正孔注入層及び電子阻止層も正孔輸送層としての機能を有する。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー及びチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物を用いることができ、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(略称:TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン及びN−フェニルカルバゾール等が挙げられる。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲である。この正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよい。
また、正孔輸送層の材料に不純物をドープすることにより、p性を高くすることもできる。
このように、正孔輸送層のp性を高くすると、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料より構成され、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に該当する。電子輸送層は、単層構造又は複数層の積層構造として設けることができる。
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料より構成され、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に該当する。電子輸送層は、単層構造又は複数層の積層構造として設けることができる。
単層構造の電子輸送層及び積層構造の電子輸送層において、発光層に隣接する層部分を構成する電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、カソードより注入された電子を発光層に伝達する機能を有していれば良い。このような材料としては、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体及びオキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送層の材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した高分子材料又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(略称:Znq)等及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送層の材料として用いることができる。
電子輸送層は、上記材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法等の公知の方法により、薄膜化することで形成することができる。電子輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲内である。電子輸送層は上記材料の一種又は二種以上からなる単一構造であってもよい。
(阻止層)
阻止層としては、正孔阻止層及び電子阻止層が挙げられ、上記説明した有機機能層ユニット3の各構成層の他に、必要に応じて設けられる層である。
阻止層としては、正孔阻止層及び電子阻止層が挙げられ、上記説明した有機機能層ユニット3の各構成層の他に、必要に応じて設けられる層である。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有する。正孔阻止層は、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有する。電子阻止層は、正孔を輸送する機能を有しつつ、電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に適用する正孔阻止層の層厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲内である。
〔陰極〕
陰極は、有機機能層群や発光層に正孔を供給するために機能する電極膜であり、金属、合金、有機又は無機の導電性化合物若しくはこれらの混合物が用いられる。具体的には、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO2及びSnO2等の酸化物半導体などが挙げられる。
陰極は、有機機能層群や発光層に正孔を供給するために機能する電極膜であり、金属、合金、有機又は無機の導電性化合物若しくはこれらの混合物が用いられる。具体的には、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO2及びSnO2等の酸化物半導体などが挙げられる。
陰極は、これらの導電性材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させて作製することができる。また、第2電極としてのシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲内で選ばれる。
なお、有機EL素子が、陰極側からも発光光を取り出す方式、あるいは両面発光型の場合には、光透過性の良好な陰極を選択して構成すればよい。
〔封止部材〕
有機EL素子を封止するのに用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と、陰極及び透明基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
有機EL素子を封止するのに用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と、陰極及び透明基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また透明性及び電気絶縁性は特に限定されない。
具体的な封止部材としては、ガラス板、ポリマー板、フィルム、金属板、フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特に、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等で構成されるプレートを挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属又は合金が挙げられる。
封止部材としては、有機EL素子を薄膜化することできる観点から、ポリマーフィルム及び金属フィルムを好ましく使用することができる。さらに、ポリマーフィルムは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された温度25±0.5°C、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m2・24h以下であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m2・24h・atm(1atmは、1.01325×105Paである)以下であって、温度25±0.5°C、相対湿度90±2%における水蒸気透過度が、1×10−3g/m2・24h以下であることが好ましい。
封止部材と有機EL素子の表示領域(発光領域)との間隙には、気相及び液相では窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙を真空とすることや、間隙に吸湿性化合物を封入することもできる。
〔有機EL素子の製造方法〕
有機EL素子の製造方法は、主には、透明基材上に、陽極、第1有機機能層群、発光層、第2有機機能層群及び陰極を積層して積層体を形成する方法である。
有機EL素子の製造方法は、主には、透明基材上に、陽極、第1有機機能層群、発光層、第2有機機能層群及び陰極を積層して積層体を形成する方法である。
まず、透明基材を準備し、該透明基材上に、所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲内の膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を形成する。同時に、陽極端部に、外部電源と接続する接続電極部(例えば、図2に示す有機EL素子5−1のアノード電極より引き出されたアノード電極配線)を形成する。
次に、この上に、第1有機機能層群を構成する正孔注入層及び正孔輸送層、発光層、第2有機機能層群を構成する電子輸送層等を順に積層する。
これらの各層の形成方法としては、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、蒸着法、印刷法等が挙げられるが、均質な層が得られやすく、かつ、ピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法又はスピンコート法が特に好ましい。更に、層ごとに異なる形成法を適用しても良い。これらの各層の形成に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度が50〜450°Cの範囲内で、真空度が1×10−6〜1×10−2Paの範囲内で、蒸着速度が0.01〜50nm/秒の範囲内で、基板温度が−50〜300°Cの範囲内で、層厚が0.1〜5μmの範囲内で、各条件を適宜選択することが望ましい。
以上のようにして第2有機機能層群を形成した後、この上部に陰極を蒸着法やスパッタ法などの適宜の形成法によって形成する。この際、陰極は、有機機能層群によって陽極に対して絶縁状態を保ちつつ、有機機能層群の上方から透明基板の周縁に端子部分を引き出した形状にパターン形成する。
陰極の形成後、これら透明基材、陽極、有機機能層群、発光層及び陰極を封止材で封止する。すなわち、陽極及び陰極の端子部分(各電極の引き出し配線)を露出させた状態で、透明基材上に、少なくとも有機機能層群を覆う封止材を設ける。
また、有機ELパネルの製造において、例えば、有機EL素子の各電極と、検出回路8、駆動回路7等とを電気的に接続するが、その際に用いることのできる電気的な接続部材(引き出し配線)としては、導電性を備えた部材であれば特に制限はないが、異方性導電膜(ACF)、導電性ペースト、又は金属ペーストであることが好ましい態様である。
異方性導電膜(ACF)とは、例えば、熱硬化性樹脂に混ぜ合わせた導電性を持つ微細な導電性粒子を有する層を挙げることができる。本発明に用いることができる導電性粒子含有層としては、異方性導電部材としての導電性粒子を含有する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本発明に係る異方性導電部材として用いることができる導電性粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粒子、金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。市販されているACFとしては、例えば、MF−331(日立化成製)などの、樹脂フィルムにも適用可能な低温硬化型のACFを挙げることができる。
金属粒子としては、例えば、ニッケル、コバルト、銀、銅、金、パラジウムなどが挙げられ、金属被覆樹脂粒子としては、例えば、樹脂コアの表面をニッケル、銅、金、及びパラジウムのいずれかの金属を被覆した粒子が挙げられ、金属ペーストとしては、市販されている金属ナノ粒子ペースト等を挙げることができる。
《有機ELモジュールの適用分野》
本発明の有機エレクトロルミネッセンスモジュールは、スモールフォーマット化及び薄膜化を達成し、工程の簡素化を達成することができる有機エレクトロルミネッセンスモジュールであり、スマートフォンやタブレット等の各種スマートデバイス及び照明装置に好適に利用できる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンスモジュールは、スモールフォーマット化及び薄膜化を達成し、工程の簡素化を達成することができる有機エレクトロルミネッセンスモジュールであり、スマートフォンやタブレット等の各種スマートデバイス及び照明装置に好適に利用できる。
〔スマートデバイス〕
図19は、アイコン部に本発明の面発光装置1を具備したスマートデバイス100の一例を示す概略構成図である。
図19は、アイコン部に本発明の面発光装置1を具備したスマートデバイス100の一例を示す概略構成図である。
本発明のスマートデバイス100は、面発光装置1と、液晶表示装置120等を備えて構成されている。液晶表示装置120としては、従来公知の液晶表示装置を用いることができる。
図19では、本発明の面発光装置1が発光している状態を示しており、正面側から見て各種の表示パターン111の発光が視認される。面発光装置1が非発光状態である場合には、各種表示パターン111が視認されない。なお、図19に示される表示パターン111の形状は、一例であってこれらに限られるものでなく、いずれの図形、文字、模様等であっても良い。ここで、「表示パターン」とは、有機EL素子の発光により表示される図案(図の柄や模様)、文字、画像等をいう。
〔照明装置〕
本発明の面発光装置1は、照明装置にも適用が可能である。本発明の面発光装置1を具備した照明装置としては、家庭用照明、車内照明、液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等、さらには表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
本発明の面発光装置1は、照明装置にも適用が可能である。本発明の面発光装置1を具備した照明装置としては、家庭用照明、車内照明、液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等、さらには表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
(実施形態の纏め)
実施形態に係る面発光装置は、タッチ面を有する透明基材と、該透明基材の前記タッチ面の反対側に、電極層と有機層とが交互に重ねて配置された複数の前記電極層と複数の前記有機層とで構成され、直列接続された複数の有機EL素子と、前記複数の電極層のいずれか1つを検出電極として利用し、静電容量の変化を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサによる検出期間中に、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層以外の各電極層を、前記検出電極と同電位に制御する第1制御部と、を備える。
実施形態に係る面発光装置は、タッチ面を有する透明基材と、該透明基材の前記タッチ面の反対側に、電極層と有機層とが交互に重ねて配置された複数の前記電極層と複数の前記有機層とで構成され、直列接続された複数の有機EL素子と、前記複数の電極層のいずれか1つを検出電極として利用し、静電容量の変化を検出するタッチセンサと、前記タッチセンサによる検出期間中に、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層以外の各電極層を、前記検出電極と同電位に制御する第1制御部と、を備える。
有機層は、少なくとも発光層を含む有機材料の層である。第1制御部は、タッチセンサによる検出期間中に、複数の電極層のうち、検出電極として利用する電極層以外の各電極層を、検出電極と同電位に制御する。これにより、検出期間中に、複数の有機EL素子のそれぞれの寄生容量に電流が流れることを防止できる。よって、実施形態に係る面発光装置によれば、タッチセンサから検出電極に供給される電流(タッチ検出に用いる電流)を大きくしなくても、タッチ検出が可能となる。
上記構成において、前記第1制御部は、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層以外の少なくとも一つの電極層と接続され、前記検出電極と同電位となる電圧を、前記接続されている電極層に印加する電圧生成部を備える。
この構成によれば、電圧生成部と接続されている電極層を、検出電極と同電位に制御することができる。第1制御部は、検出電極として利用する電極層以外の各電極層の全てを、電圧生成部と接続されている電極層としてもよいし、検出電極として利用する電極層以外の各電極層のうち、ある電極層を電圧生成部と接続してもよい。後者の場合、残りの電極層は、後述するオープン状態とされ、これにより、残りの電極層も検出電極と同電位に制御される。
上記構成において、前記電圧生成部は、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層の隣に位置する電極層と接続されている。
検出電極の隣りに位置する電極層は、オープン状態でなく、電圧生成部と接続されているのでシールド効果が生じる。従って、検出電極がノイズの影響を受けにくくすることができる。
上記構成において、前記第1制御部は、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層以外の少なくとも一つの電極層をオープン状態に制御する。
オープン状態に制御された電極層を含む回路には、電流が流れない。オープン状態に制御された電極層は、容量結合によって、検出電極と同電位の状態となる。第1制御部は、検出電極として利用する電極層以外の各電極層の全てを、オープン状態に制御してもよいし、検出電極として利用する電極層以外の各電極層のうち、ある電極層をオープン状態に制御してもよい。後者の場合、残りの電極層は、上述した電圧生成部に接続され、これにより、残りの電極層も検出電極と同電位にされる。
上記構成において、前記第1制御部は、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層よりも前記透明基材に近い電極層をオープン状態に制御する。
電圧生成部に接続されている電極層によって、シールド効果が生じる。複数の電極層のうち、検出電極として利用する電極層よりも透明基材に近い電極層に、電圧生成部が接続された場合、シールド効果が原因でタッチセンサのタッチ検出感度が低下する。これに対して、オープン状態に制御された電極層では、シールド効果が生じない。従って、この構成によれば、タッチセンサのタッチ検出感度の低下を防止できる。
上記構成において、前記複数の電極層のうち、直列接続された前記複数の有機EL素子の構造の一端となる電極層は、アノードであり、前記タッチセンサは、前記複数の電極層のうち、前記一端となる電極層以外のいずれか一つの電極層を前記検出電極として利用する。
直列接続された複数の有機EL素子によって構成される回路において、上記アノードの電位が最も高くなる。このアノードを検出電極として利用すると、タッチセンサに含まれるタッチ検出回路に高電圧が印加されることになる。この対策のために、タッチ検出回路を高耐圧化する必要がある。この構成によれば、タッチセンサは、複数の電極層のうち、直列接続された複数の有機EL素子の構造の一端となる電極層以外のいずれか一つの電極層を検出電極として利用するので、タッチ検出回路を高耐圧化する必要をなくすことができる。従って、タッチ検出回路として、通常の低耐圧のデバイスを用いることができる。
上記構成において、前記複数の電極層の中に、前記交互に重ねられる方向と直交する方向に間隔を設けて並べられた複数の部分電極を備える電極層が含まれ、前記タッチセンサは、前記複数の電極層のうち、前記複数の部分電極を備える電極層以外の電極層を前記検出電極として利用する。
複数の部分電極を備える電極層は、電極層と有機層とが交互に重ねられる方向と直交する方向に間隔を設けて並べられており、間隔の箇所の存在により、他の電極層と比べて面積が小さくなる。このため、複数の部分電極を備える電極層を検出電極として利用した場合、タッチセンサのタッチ検出感度が低下する。この構成によれば、タッチセンサは、複数の電極層のうち、複数の部分電極を備える電極層以外の電極層を検出電極として利用するので、タッチセンサのタッチ検出感度の低下を防止できる。
上記構成において、前記複数の有機EL素子を時分割に駆動する制御をする第2制御部をさらに備える。
タッチセンサは、複数の電極層の一つを検出電極として利用するので、直列接続された複数の有機EL素子からの電圧が、タッチセンサに備えられるタッチ検出回路に印加される。この電圧が大きい場合、タッチ検出回路の高耐圧化が必要となる。直列接続された複数の有機EL素子は、同時に駆動されるよりも、時分割駆動されるほうが、タッチ検出回路に印加される電圧を下げることができる。この構成によれば、複数の有機EL素子を時分割に駆動するので、タッチ検出回路を高耐圧化する必要をなくすことができる。
上記構成において、前記検出期間と前記複数の有機EL素子を発光させる発光期間とを交互に発生させる制御をする第3制御部をさらに備える。
この構成は、タッチセンサを備える面発光装置の一態様である。
本発明の実施形態が詳細に図示され、かつ、説明されたが、それは単なる図例及び実例であって限定ではない。本発明の範囲は、添付されたクレームの文言によって解釈されるべきである。
2017年3月16日に提出された日本国特許出願特願2017−51017は、その全体の開示が、その全体において参照によりここに組み込まれる。
本発明によれば、面発光装置を提供することができる。
Claims (9)
- タッチ面を有する透明基材と、
該透明基材の前記タッチ面の反対側に、電極層と有機層とが交互に重ねて配置された複数の前記電極層と複数の前記有機層とで構成され、直列接続された複数の有機EL素子と、
前記複数の電極層のいずれか1つを検出電極として利用し、静電容量の変化を検出するタッチセンサと、
前記タッチセンサによる検出期間中に、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層以外の各電極層を、前記検出電極と同電位に制御する第1制御部と、を備える面発光装置。 - 前記第1制御部は、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層以外の少なくとも一つの電極層と接続され、前記検出電極と同電位となる電圧を、前記接続されている電極層に印加する電圧生成部を備える、請求項1に記載の面発光装置。
- 前記電圧生成部は、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層の隣に位置する電極層と接続されている、請求項2に記載の面発光装置。
- 前記第1制御部は、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層以外の少なくとも一つの電極層をオープン状態に制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の面発光装置。
- 前記第1制御部は、前記複数の電極層のうち、前記検出電極として利用する電極層よりも前記透明基材に近い電極層をオープン状態に制御する、請求項4に記載の面発光装置。
- 前記複数の電極層のうち、直列接続された前記複数の有機EL素子の構造の一端となる電極層は、アノードであり、
前記タッチセンサは、前記複数の電極層のうち、前記一端となる電極層以外のいずれか一つの電極層を前記検出電極として利用する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の面発光装置。 - 前記複数の電極層の中に、前記交互に重ねられる方向と直交する方向に間隔を設けて並べられた複数の部分電極を備える電極層が含まれ、
前記タッチセンサは、前記複数の電極層のうち、前記複数の部分電極を備える電極層以外の電極層を前記検出電極として利用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の面発光装置。 - 前記複数の有機EL素子を時分割に駆動する制御をする第2制御部をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の面発光装置。
- 前記検出期間と前記複数の有機EL素子を発光させる発光期間とを交互に発生させる制御をする第3制御部をさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の面発光装置。
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