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JP6871876B2 - がんを治療するための組成物と方法 - Google Patents

がんを治療するための組成物と方法 Download PDF

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Description

(関連出願)
本特許出願は、2015年3月11日に出願された米国仮特許出願第62/131,343号の出願日の利益を請求するものであり、参照によりその内容を本明細書に援用する。
(連邦政府の助成による研究開発に関する発明者の権利に関する陳述)
本発明は米国国立衛生研究所がAT6681及びNS83054のもとで拠出した政府からの支援によりなされた。連邦政府は、本発明において一定の権利を有する。
(技術分野)
本願発明は一般的にがんを治療する方法に関連する。本発明の一態様は、がんの治療を必要とするヒト及び獣医学の対象に、p40モノマーに対する抗体を投与することを含むがんを治療する方法を提供する。
(背景)
がんは世界中で毎年何百万人もの命を奪う死に至る病気である。がん細胞が死を免れるメカニズムを理解すること及び関係する治療標的を特定することは、重要な研究分野である。細胞性炎症の抑制(1)が、この死病の持続性と発達の主な理由の一つであると信じられている。しかしながら、この高いレベルで抑制を維持し、腫瘍細胞が死を免れるメカニズムは、ほとんどわかっていない。IL−12は細胞性免疫において最も重要なサイトカインであり(2)、この分子はがん治療のため、常にスキャナーの下にある(3、4)。IL−12ファミリーのサイトカインには、4つの異なるメンバーがあり、p40モノマー(p40)、p40ホモ二量体(p402)、IL−12(p40:p35)及びIL−23(p40:p19)である。ヘテロ二量体が優勢であるこの科学の時代において、IL−23とIL−12のみが生物学的機能を有すると考えられていた。その結果、p40とp402はIL−12ファミリーの中で機能を有しないと考えられていた(5)。しかしながら、我々はp402の炎症促進性の性質を証明し(6-8)、p402の生物学的機能はIL−12及びIL−23のそれとは異なることを明らかにした(9、10)。さらに、p402マウスとp40マウスのそれぞれに対して別々に機能を阻害するモノクロナールの抗体(mAb)とELISAを起こさせた後(11)、我々は、p402に対するmAbがマウスをEAEから守ることを明らかにした(12)。
ここに我々は、肺がんを除いた様々な形態のがん細胞がp40の特定の上昇と関係していることを証明する。mAbによるp40の選択的な除去は、様々ながん細胞及びインビボTRAMP腫瘍組織中で細胞死を刺激する。さらにp40は、カベオリンが媒介するIL−12Rβ1のインターナリゼーションと、p40mAbによって中和された関係するIL−12シグナル伝達を抑制した。これらの結果は、がん細胞が細胞死を免れるのを助けるという、p40の新規な発症に関わる役割を明らかにしている。
(好ましい実施態様の概要)
一態様において、本発明は、がんの治療を必要とする対象に対して、治療効果のある量のp40モノマーに対する抗体またはその免疫学的に活性な断片を含む組成物を投与することを含む、がんを治療する方法を提供する。一実施態様において、抗体あるいはその免疫学的に活性な断片は、IL−12シグナル伝達の阻害を抑制する。他の実施態様では、抗体またはその免疫学的に活性な断片は、IFN−γの産生を上方制御する。他の実施態様では、抗体またはその免疫学的に活性な断片は、少なくともカベオリン媒介経路によるIL−12Rβ1のインターナリゼーションを減少させる。
抗体またはその免疫学的に活性な断片はモノクロナールの抗体またはモノクロナール抗体の免疫学的に活性な断片であってよい。その他の実施態様では、抗体またはその免疫学的に活性な断片は、ポリクロナール、モノクロナール、ヒト、ヒト化及びキメラ抗体;単鎖抗体またはそのような抗体のエピトープ結合抗体断片である。抗体またはその免疫学的に活性な断片はp40ホモ二量体の生物学的作用を著しく中和しなくてもよい。他の実施態様では、抗体またはその免疫学的に活性な断片は、ヒト化抗体またはその免疫学的に活性な断片である。
がんは、例えば、前立腺がん、乳がん、または肝臓がんであってよい。他の実態態様では、該がんは、p40モノマーの過剰産生によって特徴づけられる。
一実施態様では、該組成物はまた、少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む。該組成物は経口投与してもよい。その他の実施態様では、該組成物は、皮下、関接内、皮内、静脈内、腹腔内または筋肉内の経路で投与される。またその他の実施態様では、対象はヒト対象である。
他の態様は、細胞にp40モノマーに対する抗体またはその免疫学的に活性な断片を、細胞死を引き起こすのに十分な量接触させることを含む、細胞中の細胞死を引き起こすための方法を提供する。一実施態様では、該細胞はがん細胞である。がん細胞は、p40モノマーの過剰産生を示すがん細胞であってよい。その他の実施態様では、がん細胞は、前立腺がん細胞、乳がん細胞、または肝臓がん細胞である。
図1:様々ながん細胞中のIL−12ファミリーのサイトカインのレベル。p40(左の棒)及びp402(右の棒)(A)、IL−12(B)及びIL−23(C)のレベルを培養マウスの扁平上皮(KLN)、前立腺(TRAMP)、乳がん(4T1)及び肝臓がん1−6(Hepa)腫瘍細胞の上清中で、ELISAサンドイッチ法により測定した。結果は3つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。ap<0.001 vs. p40。(D)別々の3つの実験のTRAMP上清を10kDaカットカラムに通し、次いでネイティブPAGE分析とクマシーブルー染色を行った。純粋なp40タンパク質(最左のコラム)との比較により、p40バンドを検出した。(E)別々の3つの実験のTRAMP上清中のp40のネイティブPAGEイムノブロット解析。(F)培養TRAMP細胞中のp40及びp402の細胞内FACSアッセイ。(E)3つの独立した実験からのTRAMP細胞中の細胞内p40及びp402のレベルを示すため平均蛍光強度分析をプロットしたもの。*p<0.01 vs. p40;NS、非有意。ネイティブタンパク質ゲル解析、次いでクマシーブルー染色を行い、ヒトヘパトーマHep3B(H)、前立腺LnCAP(I)及び乳がん細胞ラインMCF−7(J)の濃縮上清中のp40レベルを検出した。異なるがん細胞の濃縮上清中のp40及びその他のIL−12メンバーのサイトカインのネイティブPAGEイムノブロット分析(K)。 図2: がん細胞の死に際してのp40及びp402モノクロナール抗体性特定中和効果。KLN(A及びE)、TRAMP(B及びF)、4T1(C及びG)及びHepa(D及びH)細胞を、p40及びp402を中和するmAbsで、無血清条件下で処置し、次いで細胞死をLDH放出(A−D)及びMTT(E−H)でモニタリング。*p<0.01 vs. コントロール。T型カルシウム流入が、KLN(I)、TRAMP(J)、4T1(K)及びHepa(L)細胞でそれぞれ起こった。T型カルシウム流入は1M塩化カリウムの存在下で測定された。細胞死をモニターするために、TUNELアッセイ(M)、フィコエリトリン(PE)−標識アネキシンV染色(N)をKLN、TRAMP、4T1及びHepa細胞について行った。TUNEL−陽性(O)及びPE−アネキシンV陽性(P)細胞を、1グループにつき10の異なる画像について計数し、その後コントロールに対する百分率でプロットした。全ての結果は3つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。*p<0.001 vs. TUNELとアネキシンVアッセイの両方の各コントロール。図O及びPについて:コントロール−左の棒;IgG−左中央の棒;p40mAb−右中央の棒;p402mAb−右の棒。 図3:マウスのインビボTRAMP腫瘍の退縮にかかるp40中和抗体の効果。(A)8から10週齢の雄C57BL/6(n=5/群)の皮下に百万のTRAMP細胞の懸濁液を注射した。約6週間後、腫瘍が0.8から1mmの大きさの時に、マウスにp40mAb(中央パネル)及びハムスターIgG(右パネル)を、1回につき体重1キログラムあたり2mgを週に2回、処置した。2週間後、腫瘍を2DG Dyeと結合したアレクサ800の尾静脈への注射で標識し、その後、Licor Odyssey赤外スキャニングマシンによって画像化した。処置していないコントロール群(左パネル)と結果を比較した。(B)腫瘍を全ての群のマウスのわき腹から切除した。各群には5匹のマウス(n=5)が含まれていた。(C)腫瘍のサイズを一日おきに全ての群のマウスについてモニターし、比較ラインプロットとして示した。結果は、異なる5体のマウスについて、平均±標準誤差で表した。(D)コントロール、IgG及びp40mAbで処置した腫瘍のTUNELアッセイ(緑、β−アクチン;赤、TUNEL)。(E)コントロール及びp40mAb処置した群中の12の異なるアポトーシス性遺伝子のためのカスタムmRNAアレイをその後ヒートマップエクスプローラーソフトでプロットしたもの。(F)3つの異なる群中の12のアポトーシス性遺伝子のリアルタイムmRNA解析。結果は、1群5匹のマウスについて平均±標準誤差で表す。*p<0.05 vs. コントロール、**p<0.01 vs. コントロール群。コントロール−左の棒;p40mAb−中央の棒;IgG−右の棒。 図4:p40mAb性TRAMP細胞の死におけるIFN−γの役割。(A)コントロール、IgG及びp40mAb処置したTRAMP細胞のmRNA発現についてのリアルタイムPCR解析。ap<0.01 vs. コントロール。(B)コントロール、IgG及びp40mAb処置したTRAMP細胞中のIFN−γのタンパク質発現についてのELISA。ap<0.01 vs. 48時間コントロール、bp<0.001 vs. 72時間コントロール。(C)IgG及びp40mAb処置したTRAMP細胞上清中のIL−10のELISAアッセイ。(D)コントロール、p40mAb−、IgG−、(p40mAb +異なる量のIFN−γ−中和Ab)−、(p40mAb+IgG)−、及びIFN−γ−Ab−で処置したTRAMP細胞のTUNELアッセイ。TRAMP細胞中の(E)LDH及び(F)MTTアッセイ。結果は三つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。ap<0.001 vs. コントロール、bp<0.01 vs. p40mAb処置細胞。 図5:p40のmAbによる中和がTRAMP腫瘍細胞中のIL−12Rβ1のインターナリゼーションを刺激する。細胞はp40(20ng/mL)、p402(20ng/mL)、p70(20ng/mL)、p40mAb(0.5μg/mL)及びマウスIgG(0.5μg/mL)で2時間、無血清の条件下で処置し、次いでIL−12Rβ1のFACS分析を、コントロール(i)、p40-(ii)、p402-(iii)、p70-(iii)、p40mAb−(iv)、及びIgG−(v)処置したTRAMP細胞について行った。p40−、p402-、p70−、p40mAb−及びIgG−で処置したTRAMP細胞中の、膜結合IL−12Rβ1(B)、カドヘリン全般(pCAD)(C)及び全IL−12Rβ1(D)のイムノブロット解析。p40サイトカイン−及びp40mAb−で処置したTRAMP細胞中の、膜結合IL−12Rβ1(E)、pCAD(F)及び全IL−12Rβ1(G)のイムノブロット解析。結果は3つの独立した実験について示す。5μMのフィリピン(カベオリン活性阻害物質)または2μMのクロルプロマジン(chloropromazine)(CPM:クラスリン活性阻害物質)のいずれかで2時間、無血清条件下で前処理し、p40mAbで処置したTRAMP細胞の膜分画中のIL−12Rβ1(H)のイムノブロット解析。イムノブロット解析の結果はpCADイムノブロットで正規化した(下のパネル)。(I)pCADで正規化したイムノブロット解析の相対密度。結果は3つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。*p<0.001 vs. p40mAb。コントロール(J)、p40mAb(K)、(p40mAb+フィリピン)(L)で処置したTRAMP細胞中の、IL−12Rβ1(赤)及びカベオリン−1(Cav−1;緑)の免疫細胞化学的分析。核はDAPIで染色した。(M)p40の中和がTRAMP細胞中で細胞性免疫を誘発することについての図式的な説明。 図6:培養TRAMP細胞中のIFN−γの発現におけるp40mAbの効果。コントロール、IgG−及びp40mAbで処置したTRAMP細胞中のIFN−γ(緑)の免疫細胞化学的分析。核はDAPIで染色した。 図7:培養Hepa及び4T1細胞中のIFN−γタンパク質の発現におけるp40mAbの効果。コントロール、IgG−及びp40mAbで処置したHepa(A及びB)及び4T1(C及びD)細胞中のIFN−γの、リアルタイムmRNA(A及びC)及びELISA(B及びD)解析。結果は3つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。*p<0.05 vs. コントロール、**p<0.001 vs. コントロール。 図8:Hepa細胞中のp40mAb性の死におけるIFN−γの役割。p40mAb−(0.5μg/ml)、またはp40mAbとともに用量を変えて増やしたIFN−γAb(0.25、0.5及び1μg/mL)で処置したHepa細胞で、(A)MTT及び(B)LDHアッセイを行った。結果は3つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。*p<0.001 vs. コントロール、**p<0.001 vs. p40mAbのみ。 図9:4T1細胞中のp40mAb性の死におけるIFN−γの役割。p40mAb−(0.5μg/ml)またはp40mAbとともに用量を変えて増やしたIFN−γAbで処置した4T1細胞で、(A)MTT及び(B)LDHアッセイを行った。結果は3つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。*p<0.001 vs. コントロール、**p<0.001 vs. p40mAbのみ。 図10:TRAMP腫瘍組織中のIFN−γの発現におけるp40mAbの効果。(A)コントロール、p40mAb及びIgG−で処置したTRAMP腫瘍組織中の、IFN−γ、t−bet、IL−10、GATA−3及びFoxp3のmRNAの発現をモニターするための半定量的RT−PCR解析。異なる処置を行った群におけるIFN−γレベルを確認するため(B)リアルタイムPCR及び(C)ELISA解析を行った。ap<0.001 vs. コントロール。(D)コントロール、p40mAb−及びIgG−で処置したTRAMP腫瘍組織中の、IL−10、GATA−3及びFoxp3のmRNAレベルをモニターするための半定量的RT−PCR解析。IL−10及びFoxp3の、リアルタイムPCR(E)及びIL−10のELISA解析(F)を、異なる処置を行った群における我々の結果を確認するために行った。*p<0.001 vs. コントロール。異なる群の腫瘍組織中の、(G)IFN−γ(緑)と(H)t−bet(赤)の免疫組織化学的な分析。結果は1群につき5マウスのそれぞれ2セクションの分析を示す。 図11:培養TRAMP細胞及びTRAMP腫瘍組織中のIL−12の発現におけるp40mAbの効果。(A)24時間、無血清条件下で、p40mAb(0.5μg/mL)とマウスIgG(0.5μg/mL)で処置した培養TRAMP細胞中のIL−12レベルをモニターするためのELISA解析。結果は3つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。*p<0.001 vs. コントロール。(B)同様に、食塩水、p40mAb及びIgGで処置したTRAMP腫瘍組織(n=3)中のIL−12レベルをモニターした。結果は、1群3マウスについての平均±平均値の標準誤差で表す。*p<0.001 vs. コントロール。 図12:TRAMP細胞中のp40mAb性の死におけるIL−12の役割。p40mAb−(0.5μg/ml)またはp40mAbとともに用量を変えて増やしたIL−12Abで処置したTRAMP細胞で、(A)MTT及び(B)LDHアッセイを行った。結果は3つの異なる実験についての平均±標準偏差で表す。*p<0.001 vs. コントロール、**p<0.001 vs. p40mAbのみ。 図13:培養TRAMP細胞中のIL−12Rβ2の細胞表面発現における、p40、p402、p70、p40mAb及びIgGの効果。(A)2時間、無血清条件下で、p40(20ng/mL)、p402(20ng/mL)、p70(20ng/mL)、p40mAb(0.5μg/mL)及びマウスIgG(0.5μg/mL)で処置した培養TRAMP細胞中のIL−12Rβ2レベルをモニターするためのFACS解析。結果は3つの異なる実験についてのものを表す。 図14:異なるヒトがん細胞株中のp40の発現。標準タンパク質(A)、ヒトヘパトーマHep3b(B)及びヒト前立腺LnCAP(C)細胞株中の、P40のESI−MS解析。簡単に言うと、異なるがん細胞株の上清を10kDa分子カットカラムに通した後、濃縮し、ESI−MS技術でp40を分析した。同様に、IL−12標準(D)、Hep3B(E)及びLnCAP(F)細胞株中のIL−12レベルを分析した。
(好ましい実施態様についての詳細な説明)
(定義)
別途定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。争いが生じる場合は、本文書が、定義を含めて、支配権を有するであろう。好ましい方法及び物質は以下に記載されるが、本明細書に記載されたものと同様または同等の方法及び物質が、実際に、あるいは本発明の試験において、用いられ得る。
「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」という用語の使用及び発明を記述する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)における類似の引用は、別途本明細書に示される、あるいは明らかに文脈的に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を含むものと解釈される。本明細書における値の範囲の列挙は、別途本明細書に示されない限り、単に当該範囲に入るそれぞれ別個の値を個別に参照することの略式の方法として用いることを意図したものであり、それぞれの別個の値は、あたかも個別に本明細書に列挙されたかのように明細書に編入される。本明細書に記述された全ての方法は、別途本明細書に示される、または明確に文脈的に矛盾しない限り、いずれか適切な順番で実施されて良い。本明細書で提供される、いずれかまたはすべての例または例示的な言葉(例えば「などの」、「たとえば」)の使用は、単に本発明をよりよく解明することを意図したものであり、別途請求されていない限り、本発明の対象範囲に限界を付すことを意図したものではない。本明細書の文言は、いかなる請求されていない要素を本発明の実施にとって本質的であることを示していると解釈されるべきでない。
「治療効果」という用語は、本明細書で用いられる場合、病理症状、病勢進行、またはヒトまたは動物の患者の病、例えば再狭窄、に倒れることに関係または抵抗する生理的状態について、改善を誘発する、さらに良くする、またはその他の点で引き起こす効果を意味する。「治療効果のある量」という用語は、薬について用いられる場合、ヒトまたは動物の患者に治療効果を与える薬の量を意味する。
「インターナリゼーション」という用語は、本明細書で用いられる場合、例えばタンパク質のような分子が細胞膜に飲み込まれ、細胞に引き込まれる過程を意味する。
「抗体」という用語は、本明細書で用いられる場合、最も広い意味で用いられ、特に、例えば、モノクロナール抗体、ポリクロナール抗体、多重特異性抗体、当該断片が望ましい免疫活性を示す限りにおいて抗体断片等を含む。
(がんを治療する方法)
本発明の原理にかかる理解を促進するため、ここで実施態様を参照する。実施態様のうちのいくつかについては図を用いて示され、またそれらを説明するために具体的な用語が用いられることもある。しかしながら、それによって本発明の範囲を制限する意図はないことを理解されたい。記載された実施態様のいかなる変更、更なる修正、及び本明細書に記載された本発明の原理のこれ以上の応用も、本発明の属する技術分野の当業者ならば当然するものと考えられる。以下の議論において、数多くの潜在的な特徴、アッセイ方法、分析方法の選択、またはその他の態様が開示される。そのように開示された特徴あるいは特徴の数々は、既に議論された一般的な特徴と組み合わせて、本発明の開示された実施態様を形成するものと理解されるべきである。
本発明の一態様は、がん、例えば前立腺がんを治療する方法を提供する。前立腺がんは男性のがんの最も一般的な形態であり、高齢者の前立腺において発達する。高齢者の間ではまた、免疫システムが損なわれていることは大変一般的であるので、腫瘍特異的T細胞の活性化、炎症性サイトカインの産生、及び抗原提示細胞の活性化を含むいくつかの免疫療法が、この致死的な病気と戦うために可能なアプローチである(19)。
しかしながら、本願の方法は、前立腺がんの治療に限られない。当該方法は他の多くのがんの治療に適用でき、以下に限られるものではないが、リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、ホジキン病、骨髄性白血病、膀胱がん、脳がん、神経系がん、頭頸部がん、頭頸部扁平上皮がん腫、腎臓がん、小細胞性肺がん及び非小細胞性肺がんを含む肺がん(lung cancers)、神経芽細胞腫/神経膠芽腫、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん、肝臓がん、黒色腫、口腔、咽喉(throat)、喉頭及び肺の扁平上皮がん腫、結腸がん、子宮頸がん、子宮頸がん腫、乳がん、上皮がん、腎臓がん、尿生殖器がん、肺がん(pulmonary cancer)、食道がん腫、頭頸部がん腫、大腸がん、造血器がん(hematopoietic cancers);精巣がん;結腸及び直腸がん、前立腺がん、並びに膵がんが挙げられる。好ましい実施態様では、該方法はp40モノマーの過剰産生に特徴づけられるがんに適用できる。
IL−12は細胞性免疫反応を起こす最も重要なサイトカインである。IL−12は、ジスルフィド結合で共有結合した重鎖(p40)と軽鎖(p35)からなり、いわゆる生理活性なヘテロ二量体(p70)分子となる(5)。主として、Toll様受容体の活性化を通じた抗原提示細胞とCD4+T細胞との相互作用によって産生される(5、20)。やがては、p40はp19と対をなして新たに発見されたサイトカインであるIL−23を形成する(21)。p19またはp35のいずれかは、多くの細胞タイプにおいて恒常的に発現する。樹状細胞とマクロファージのような、ヘテロ二量体IL−12またはIL−23を分泌することができる細胞は、常にp40をモノマー(p40)またはホモ二量体(p402)として過剰に産生することが知られている。しかしながら、p402とp40の生物学的な機能は知られていないままである。
本明細書で提示される結果は、多くの異なるがんにおいて、がん細胞はp402、IL−12、IL−23に比較して過剰なp40を産生し、p40が、がん細胞の生存に関連していることを実証した。この結論は、部分的には、以下の観察に基づく:第1に、p40のレベルはTRAMP、4T1及びHepa細胞中でp402、IL−12及びIL−23に比べてはるかに高かった。この選択的なp40の増加は、特定のKLN肺がん細胞株では観察されず、この発見の特異性を示している。しかしながら、この選択的なp40増加の欠如は、肺がんの一般的特徴ではないかもしれない。第2に、p402ではなくp40の中和は、TRAMP、4T1及びHepa細胞中でLDHの放出を誘発した。一方で、p402ではなくp40に対するmAbは、TRAMP、4T1及びHepa細胞中のMTT代謝を減少させた。再び、p40mAbはKLN細胞中のLDH及びMTTに何ら影響を与えなかった。第3に、がん細胞の成長を支える事象であるT型カルシウム流入が、p40中和抗体で処置された場合、TRAMP、4T1及びHepa細胞で著しく減少したが、KLN細胞中では減少しなかった。第4に、TUNEL及びアネキシンV染色実験は、p40mAbで処置した後、TRAMP、4T1及びHepaではより多くの死を示したが、KLNではそうではなかった。最後に、IgGではなく、p40mAbの腹腔内注入は、雄C57BL/6マウスのわき腹に成長した前立腺腫瘍のサイズを著しく減少させた。これは、IL−12ファミリーの機能しないメンバーといわれたp40モノマーの、がん細胞の生存における生物学的役割を実証する、予期されない結果である。さらに、これらの結果は、様々ながんにおけるp40中和の治療的見通しの可能性を示している。
p40性腫瘍細胞殺傷の背景にあるメカニズムを調査する一方で、発明者は、純TRAMP細胞中でp40mAbにより、主要な細胞障害炎症性サイトカイン(22-24)であるIFN−γの発現が上昇制御されることを観察した。Tリンパ球(25)とナチュラルキラー細胞(26)がIFN−γの一次供給源であると考えられていたことから、この観察は衝撃的である。しかしながら、過去の文献によると、それは、マウスのマクロファージ(27)において上皮細胞(28、29)と同様に産生され得ることが実証されており、発明者はTRAMP上皮細胞中のIFN−γの産生を調査することとした。TRAMP細胞は、刺激されない条件下では非常に少ない量のIFN−γを発現し、p40mAb処置はIFN−γの産生を何倍にも刺激した。さらに、例えば4T1のような上皮起源やHepaのような肝細胞起源のがん細胞はまた、p40mAbで処置された場合、著しい量のIFN−γを発現し、p40の機能阻害は広い範囲のがん細胞でIFN−γの産生を刺激し得ることを示唆した。IFN−γの細胞障害性の性質と整合的に、この分子の中和はp40mAb性TRAMP、4T1及びHepa細胞の死を抑止し、p40mAbがIFN−γを通じてがん細胞の死を誘導することを実証した。
様々な細胞中でIFN−γを誘発するにあたり、IL−12シグナルを活性化することは極めて重要な役割を果たす(5)。細胞膜中のIL−12とその受容体であるIL−12Rの相互作用は、ヤヌスファミリーチロシンキナーゼを活性化するきっかけとなり、シグナル伝達兼転写活性化因子3及び4(STAT3及びSTAT4)のチロシン残基をリン酸化する。これらのチロシンリン酸化反応がSTAT4/STAT4ホモ二量体及びSTAT3/STAT4ヘテロ二量体を形成する。これらの二量体はその後核に移動し、IFN−γ転写のためIFN−γプロモーターと結合する(30)。
したがって、p40mAbはTRAMP細胞中のIL−12の産生を刺激し、p40の欠乏は、これら細胞中におけるIL−12の正の自己調節効果(31)を活性化するIL−12とIL−12Rの相互作用にとって望ましい可能性があることを示唆している。IL−12とIL−12Rの相互作用の成功は、ダウンストリームシグナルを伝達し、受容体を細胞内に取り込む。一方で、IL-12とIL−12Rの相互作用が失敗すると、受容体を膜に捕らわれたままとし、いかなるダウンストリームシグナルの段階的伝達も不可能となる。p40処置は、細胞膜におけるIL−12Rβ1の局在化を増加し、p40mAbは膜中のIL−12Rβ1レベルを減少させた。一方で、p40またはp40mAbのいずれも、IL−12Rβ2のインターナリゼーションには影響を与えなかった。これらの結果は、p40は膜中のIL−12Rβ1捕捉には関わっているが、IL−12Rβ2については関わっていないことを実証している。さらにこのメカニズムについて探るため、発明者は、TRAMP細胞中のp40mAbが媒介するIL−12Rβ1のインターナリゼーションがクラスリン依存かカベオリン依存かを調べた。本件では、クラスリンではなくカベオリンが、p40mAbが媒介するIL−12Rβ1の膜へのインターナリゼーションに関わっていることがわかった。
p402は、IL−12Rβ1との結合においてIL−12と競合することから、IL-12アンタゴニストとして知られている(5)。一方で、報告によれば、p40はいかなるIL-12拮抗作用も有さず、IL−12Rβ1との結合も非常に弱い(p402に比べれば10から20倍効果が弱い)とされている(5)。これら報告と対照的に、本明細書で提供されるTRAMP細胞から得られた結果は、p402ではなく、p40モノマーが、カベオリンが媒介するIL−12Rβ1のインターナリゼーションの抑制を通じてIL−12シグナル伝達を阻害することを示唆している。したがって、これは知識のパラダイムシフトである。p40mAbによるp40の中和によって、IL−12Rβ1のインターナリゼーションが再度生じ、IL−12性IFN−γの産生を通じて死を誘導することから、p40mAbは、p40の過剰産生と結びついた前立腺及びその他のがんについて、治療的効能を有する可能性がある。
一つの態様では、本発明は、少なくとも1つのp40に対する抗体またはそのような抗体の免疫活性な断片を含む組成物を、治療的効果を有する量投与することを含む、ヒトまたは動物の患者のがんを治療する方法を提供する。様々な実施態様において、該抗体は、例えば、ポリクロナール抗体、モノクロナール抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab)2フラグメントまたは一本鎖Fv(scFv)フラグメントである。その他の実施態様では、抗体または抗体の断片は、その他の分子と結合し、免疫複合体分子を形成する。例えば、抗体または抗体の断片は、場合によってはリンカーを通じて、細胞傷害性薬物と結合し得る。この開示に含まれる抗体または抗体の断片は、いかなるタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)またはサブクラスの免疫グロブリン分子であってもよい。
(医薬組成物)
本発明のその他の態様は、少なくとも1つのp40モノマー抗体または抗体断片を含む医薬組成物を提供する。例えば、医薬組成物は、1、2、3、4、5あるいはそれ以上のそのような抗体を含んでもよい。抗体または抗体の断片は、他の治療剤と組み合わせて投与してもよいが、必ずしもそうしなければならないわけではない。例えば、細胞障害性の薬や他の抗がん剤と組み合わせてもよい。
医薬組成物は、例えば、錠剤、ピル、糖衣錠、硬及び軟ゲルカプセル、顆粒、ペレット、水性、脂質、油性またはその他の溶液、水中油型乳剤のような乳剤、リポソーム、水性あるいは油性懸濁液、シロップ、エリキシール(alixiers)、固体乳剤、固体分散剤、または分散性パウダーの形状を取り得る。経口投与のための医薬組成物中では、該薬物は、一般的に知られ、使用されているアジュバント及び賦形剤、例えば、アラビアゴム、滑石、デンプン、砂糖(例えば、マンニトース、メチルセルロース、ラクトース)、ゼラチン、界面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、水溶性または非水溶性溶媒、パラフィン誘導体、架橋剤、分散剤、乳化剤、潤滑剤、保存料、香味料(例えば、精油)、溶解性向上剤(例えば、ベンジルベンゾエートまたはベンジルアルコール)または生物学的利用能向上剤(例えばGELUCIRE)と混合してもよい。医薬組成物中で、該薬物はまた、微小粒子、例えばナノ粒子組成物中に分散されてもよい。
非経口投与のため、該薬物または該薬物の医薬組成物は、生理的に許容される希釈剤、例えば、水、バッファー、溶解剤と共に、あるいは抜きの油、界面活性剤、分散剤または乳化剤に溶解しまたは懸濁させることができる。油としては、例えば、以下に限定するものではないが、オリーブオイル、ピーナッツオイル、綿実油、大豆油、ひまし油及びごま油が用いられ得る。より一般的には、非経口投与のため、該薬物または該薬物の医薬組成物は、水性、脂質、油性またはその他の種類の溶液または懸濁液の形状であってもよく、あるいはリポソームまたはナノ懸濁液の形状で投与されてさえよい。
(投与方法)
p40モノマー抗体、抗体断片、または該抗体若しくはその断片を含む医薬組成物は、治療効果のある量の該薬物を対象に送達することを可能とするいかなる方法によって投与されてもよい。投与方法としては、経口、局所、経皮及び非経口経路が、組織への直接注入やカテーテルによる送達と同様に挙げられるが、これらに限られるわけではない。非経口経路としては、皮下、皮内、関節内、静脈内、腹腔内、筋肉内の経路が挙げられるが、これに限られるわけではない。一つの実施態様では、投与経路は局所または経皮投与であり、例えば、ローション、クリーム、パッチ、注射、体内埋め込み装置、移植装置またはその他の制御された放出担体が挙げられる。投与経路には、組成物を大循環に直接送達するいかなる経路(例えば、注射)も、いかなる非経口経路も含め、含まれる。あるいは、投与は、直接患部組織への送達によってもよい。
本発明による方法の一つの実施態様は、少なくとも1つのp40モノマー抗体またはその断片を、例えば上述のどの種類のがんでもがんの発達を阻害若しくはその程度を小さくするために十分なだけの用量及び濃度で、また十分な時間投与することを含む。ある一定の実施態様は、p40モノマー抗体またはその断片を、対象の体重1Kgあたり約0.1μgと約100mgの間の量、対象の体重1Kgあたり約0.1μgと約10mgの間の量、対象の体重1Kgあたり約0.1μgと約1mgの間の量、全身的に投与することを含む。該方法を実施するにあたっては、p40モノマー抗体または該薬物を含有する治療用組成物は、一日1回の用量または一日複数回の用量で投与することができる。この治療方法は、長期間にわたる投与を必要とする場合がある。投与された一回分の服用量または全体の投与量は、医師によって定められ、患者の体重、年齢、患者の一般的健康状態及び組成物に対する患者の耐久力といった要因に依存するであろう。
本発明の実施態様は、下記実施例によってさらに説明されるが、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1−物質と方法:
動物とリージェント:全てのマウスがん細胞株はATCCから購入した。雄C57BL/6マウス(Harlan)が本研究に用いられた。マウスp40(cat#554594)及びp70(cat#554592)をBDバイオサイエンスから購入した。マウスp402(cat#499-ML)をR&Dより購入した。ハムスターIgG(cat#IR-HT-GF)はイノヴァティブリサーチから入手した。マウスIgG(cat#sc-2025)はサンタクルズバイオテクノロジーから購入した。クロルプロマジン(cat#C8138)、フィリピン(cat#F9765)、MTTアッセイキット(cat#CGD1)及びLDHアッセイキット(cat#TOX7)はシグマから購入した。IFN−γ中和抗体(cat# 16-7311-81)はeバイオサイエンスから購入した。TUNELアッセイキット(cat#QIA39)はカルビオケムから、アネキシンVアッセイキット(cat#K101-25)はバイオビジョンから購入した。
サンドイッチ法ELISA:サンドイッチ法ELISAを用いて、我々が記述したように(11、12)マウスp402及びp40を定量した。簡単に述べると、p402については、mAb a3−1d (1.3mg/mL) を1:3000に希釈し、96−ウェルELISAプレートのそれぞれのウェル(100μL/ウェル)にコーティングのため加えた。ビオチン化されたp402mAb d7−12c(2mg/mL)を1:3000に希釈し、検出抗体として用いた。同様にp40について、mAb a3−3a (1.3mg/mL)とビオチン化されたp40mAb a3−7g(2mg/mL) を1:3000に希釈し、それぞれコーティングと検出抗体として用いた(11)。異なる処置群の無血清上清中のIFN−γ、IL−12及びIL−10濃度を、ELISA (eBioscience)で製造者の使用説明書に従って測定した。
MTT及びLDHアッセイ: これらのアッセイは、Jana. M. 他(32) 及びKhasnavis. S. 他(33)に記載のとおり行われた。
腫瘍の発達と測定: 動物の管理及び実験は、米国国立衛生研究所のガイドラインに従い、ラッシュ大学医療センター(イリノイ州シカゴ)動物実験委員会(IACUC#14-019)の承認を得て行った。腫瘍は雄C57BL/6マウスの皮下で発生させた。腫瘍を発生させるため、マウスのわき腹に1×106 TRAMP−C2細胞を注射した。マウスは我々の温度管理された動物飼育器で適切な食物と水を与えられて管理された。腫瘍の成長はカリパスで測定され、腫瘍の断面積が式によって定められた(mm2 =最も長い径×最も短い径)。p40mAbによる処置は、腫瘍のサイズが0.8−1cm2に達したときに開始した。p40mAb a3−3aを週に一回、腹腔内(intraperitonially)に、容量0.1mlの滅菌PBS−1%の正常マウス血清中で注入した。その後、腫瘍の発達または退行を判断するために測定した。赤外色素(2DGと結合したAlexa800色素;Licor)を、尾静脈を通じて画像解析の前日に注射した。マウスは研究の最後に犠牲にされ、腫瘍組織はウェスタンブロット、mRNA発現及び免疫組織化学的な分析のために収集された。
組織標本と免役組織化学:パラフィン包埋された組織切片を調製し、組織切片を5ミクロンのサイズに切った。内在するペルオキシダーゼ活性を除去するため、組織切片を脱パラフィンし、再水和し、3%過酸化水素水とともにメタノール中、室温で15分間培養した。抗原の回復を、温度95℃で20分間、スライドを0.01Mのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)中に置くことにより行った。ブロッキングをした後、一次抗体(表1)とともに、室温で2時間、スライドを培養し、その後洗浄して、Cy2、Cy3またはCy5(ジャクソンイムノリサーチラボラトリーズ、ペンシルべニア州ウェストグローブ) 二次抗体とともに室温で1時間培養した。マウスIgGをアイソタイプコントロールとして用いた(34)。
TUNELアッセイ: p40またはp402に対するmAb処置の後、TUNELアッセイをCorbett GT 他(35)に記載のとおり行った。
半定量的RT−PCR:全RNAを単離し、半定量的RT−PCR分析を、IFN−γ、IL−10、T−bet、GATA3、FoxP3及びGAPDHについてBrahmachari S 他 (6); Jana M 他 (32)及びCorbett GT 他 (35) に記載のとおり、プライマー(表2)を用いて行った。
リアルタイム定量的PCR:mRNAの定量を、ABI−Prism7700シーケンス検出システム (Applied Biosystems) 、SYBR GREEN (Applied Biosystems) を用いてBrahmachari S 他 (6); Jana M 他 (32) 及びCorbett GT 他(35)に記載のとおり行った。各遺伝子のmRNA発現は、GAPDH mRNAのレベルで正規化した。データはABIシーケンス検出システム1.6ソフトウェアによって解析し、ANOVAによって分析した。
FACS:IL−12Rβ1及びIL−12Rβ2の細胞表面発現を、Brahmachari S 他 (6)記載のとおりモニターした。簡単に述べると、処置後、付着細胞を剥離するためAccutase (BD Bioscience)とともに10分間、細胞を培養した。FACS緩衝液で洗浄した後、細胞をPE標識されたIL−12RβとIL−12Rβ2抗体とともに、温度4℃で1時間培養した。細胞内染色のため、p40及びp402mAbとともに培養する前に、透過処理した。APC−結合した抗ハムスター二次抗体を用いた。洗浄後、細胞をFACS (BD Biosciences、カルフォルニア州サンノゼ)で分析した。細胞は形態的な特徴に基づきゲートをかけられ(gated)た。アポトーシス性及び壊死性の細胞はFACS分析には許容されなかった。
膜分離:処置後、細胞はPBS中で解体(scrap)され、細胞ペレットを均質化緩衝液(250mM スクロース、1mM EDTA、10mM トリス塩酸溶液(pH7.2)、プロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤)に溶解し、ハンドホモジナイザーで均質化した。細胞片を温度4℃で10分間500gで遠心分離し、次いで上清を温度4℃で1時間100,000gで遠心分離して除去した。上清を処分し、膜分画を含むペレットをSDS−PAGEサンプル緩衝液に溶解した。
イムノブロット解析:イムノブロット解析をJana M 他 (32) 、Khasnavis S (33) 及びCorbett GT 他(35) に記載のとおり、異なる一次抗体 (表1)を用いて行った。
統計分析: 腫瘍の退行については、定量的なデータが平均±平均誤差として示された。統計的有意性が、スチューデント=ニューマン=コイルス事後分析とともに一元配置分散分析を通じてアクセスされた。その他のデータは、3つの独立した実験の平均±標準偏差として示された。平均の間の統計的有意差は、スチューデントのt−検定によって計算した。p−値が0.05未満(p<0.05)の場合、統計的有意であるとみなした。
実施例2−異なるマウスがん細胞株中のIL−12ファミリーのサイトカインレベル(p40、p402、IL−12及びIL−23)
がんにおけるIL−12ファミリーのサイトカインの役割を理解するため、まず、我々は、異なるがん細胞株中のこれらサイトカインのレベルをモニターした。特定機能阻害モノクロナール抗体(mAb)が入手できなかったことから、どの病気についても発病にかかるp40及びp402の役割を検討することはできなかった。したがって、我々はp40及びp402それぞれを中和するmAbを発生させ、これらのサイトカインを別々にモニターするためのELISAを開発した(11)。定量化分析を、扁平上皮(KLN)、前立腺(TRAMP)、乳(4T1)及び肝臓ヘパトーマ(Hepa)細胞株を含む異なる付着性マウスがん細胞において行った。細胞を無血清条件下で48時間培養し、その後、サンドイッチ法ELISAでp40、p402、IL−12及びIL−23レベルを測定した。一般的に、これらそれぞれの細胞株中のIL−12及びIL−23のレベルはp40及びp402よりも非常に低かった(図1A−C)。TRAMP、4T1及びHepa細胞中のp40のレベルはp402、IL−12及びIL−23よりもはるかに高かった(図1A−C)。しかしながら、KLN肺がん細胞中では、p40及びp402のレベルはほぼ同じであり(図1A)、当該効果の特異性を示唆していた。がん細胞中のp40の存在を確認するため、我々は異なる技術を採用した。最初に、我々はTRAMP細胞上清中のp40レベルをネイティブPAGE分析によってモニターした(図1D)。クマシー染色のネイティブPAGEを行い、当該バンドを純モノマーp40タンパク質のバンド(最左レーン)と比較したところ、TRAMP細胞の主な分泌性分子として40kDaタンパク質の存在が示された(図1D)。第2に、我々は、TRAMP細胞上清のネイティブイムノブロット解析を我々の特定のp40モノマーモノクロナール抗体(p40mAb)a3−3aとともに行い、TRAMP細胞上清中に、p40が存在することを発見した(図1E)。最後に、細胞内FACS解析をp40mAb a3−3a及びp402 mAb a3−1dとともに行ったところ、TRAMP細胞中でp40のレベルがp402よりも著しく高いことが示された(図1F−G)。
次に我々は、異なるヒトがん細胞株中のp40レベルを測定した。興味深いことに、我々の上清ESI−MS分析(図14A−C)は明確に、ヒトヘパトーマHep3B及び前立腺LNCaP細胞が、IL−12よりも著しく高いレベルのp40を発現したことを示した(図14D−F)。さらに、クマシー染色した上清とp40標準タンパク質のネイティブPAGE分析は、Hep3B、LNCaP及びヒト乳がんMCF−7細胞が著しいレベルのp40を産生したことを実証した(図1H−J)。異なる上清と抗ヒト全IL12p40/p70抗体のイムノブロット解析はまた、3つの全てのヒトがん細胞が、他のIL−12サイトカインに比べて高いレベルのp40を産生したことを示した(図1K)。同時に、我々の結果は、幅広いがん細胞において、p40が過剰に産生されたことを示唆した。
実施例3:モノクロナール抗体によるp40の選択的中和はがん細胞の死反応を刺激する
IL-12ファミリーのメンバー中で、p40のレベルがほとんどのがん細胞中で最も高いことから、我々は、がん細胞の成長及び生存におけるその役割について検討した。いかなる病気のプロセスにおいても、分子の役割を調べるにあたっては、ノックアウトマウスモデルを考えることが、しばしば非常に容易である。しかしながら、我々はp40(−/−)マウスを使うことが今回はできなかった。何故なら、p40遺伝子をノックアウトすることは、IL−12、IL−23、p402及びp40をノックダウンすることでもあるからである。したがって、異なるがん細胞の生と死におけるp402及びp40の役割を調べるため唯一の実行可能なアプローチは、これら分子を中和するモノクロナール抗体を用いることであった。p402mAb a3−1dではなく、p40mAb a3−3aが、TRAMP(図2(B及びF))、4T1(図2(C及びG))及びHepa(図2(D及びH))細胞中のLDHの放出を増加させ(図2(A−D))、MTT放出を減少させた(図2(E−H))。一方、p40mAbは、KLN肺がん細胞では、LDHあるいはMTTの何れにも効果はなく、当該効果の特異性を示していた。腫瘍細胞の死を別の角度からモニターするため、我々はt−型カルシウムチャンネルを通じたカルシウム流入を測定した。異なるがん細胞を、p402ではなくp40mAbで処置したところ、TRAMP(図2F)、4T1(図2G)及びHepa(図4H)細胞においてt−型カルシウム流入の減少が示された。この場合も、p40mAbは、KLNがん細胞中でt−型カルシウム流入を調整することはできなかった(図2E)。続いて、TUNEL(図2M)及びアネキシンV(図2N)で標識し、定量分析を行ったところ(図2O及び2P)、p402ではなくp40の中和は、TRAMP、4T1及びHepaがん細胞の死を刺激した。しかしながら、p40mAbはKLNがん細胞のアポトーシスに何ら影響を与えなかった。同時に、これらの結果は、p402ではなくp40の特異的な除去が、肺がん細胞の生存に影響を与えることなく、前立腺、乳及び肝臓腫瘍細胞中の死反応を刺激することを示唆している。
p40に特定的な中和は、インビボTRAMP腫瘍組織中で、腫瘍の成長の退縮を誘導し、死反応を刺激した。次に我々は、TRAMP細胞を雄C57BL/6マウスのわき腹で腫瘍として成長させたときに、インビボでの腫瘍サイズ及び腫瘍組織の死に与えるp40mAbの効果について検討した。腫瘍が0.8から1mmのサイズに至ったら、マウスにp40 mAa3−3aを一回に体重あたり2mg/Kg、腹腔内に週2回、2週間処置した。p40mAbを処置した後、腫瘍のサイズを一日おきに記録した。IgGを受けた動物をネガティブコントロールとして分析した。コントロールとなる動物は一切の抗体を受けなかった。2週間後、腫瘍は赤外色素800が2デオキシDグルコースと結合したもの(IRDye8002DG)を尾静脈から注入して標識し、Licor Odyssey赤外スキャナーで画像化した。興味深いことに、全ての動物の赤外画像(図3A)及び切除された腫瘍の写真(図3B)から明らかであるように、我々は、p40mAbの投与が著しく腫瘍サイズを退縮させたことを観察した。
腫瘍の退縮カーブから、p40mAbを処置した群の腫瘍サイズが、コントロール群及びIgG処置群(図3C)に比較して、着実かつ著しく減少したことは明らかであった。次に我々は、これら腫瘍組織中のアポトーシスをモニターした。我々のTUNELの結果は、p40mAb処置した腫瘍中のTUNEL−陽性死細胞の総数は、コントロールまたはIgG処置した腫瘍(図3D)よりも高いことを明確に示し、p40mAbによるp40の中和は、腫瘍組織中でアポトーシスを誘導することができることを示唆している。この発見をさらに確認するため、我々は、処置及び未処置腫瘍組織中の異なるアポトーシス関連遺伝子のmRNA発現を、カスタム遺伝子アレイを用いてモニターした。遺伝子アレイ(図3E)に続いて、個別の遺伝子のリアルタイムPCR分析(図3F)は、p40mAb処置がアポトーシス関連の異なる遺伝子、例えば、カスパーゼ3、カスパーゼ7、カスパーゼ8、カスパーゼ9、BAD、BID、シトクロムC、BAK及びp53の発現を著しく高めたことを明らかに示した。まとめると、これらの結果は、p40の中和が前立腺腫瘍細胞中インビボでアポトーシスを誘導することを示唆している。
実施例4:p40特定中和が、培養腫瘍細胞及びインビボ腫瘍組織中のIFN−γの産生を刺激する
次に我々はp40mAbが、がん細胞の死反応を誘導するメカニズムについて調査した。IFN−γの産生を誘導すると、がん細胞中で細胞傷害性を誘導することは、既に証明された治療戦略である(13)。したがって我々は、p40mAb処置がTRAMP腫瘍細胞中のIFN−γの発現を上方制御することができるかを調べた。我々は、IgGではなく、p40mAbが、培養TRAMP細胞中でIFN−γのmRNA発現を著しく上方制御することを観察した(図4A)。IFN−γはTh1細胞サイトカインであるが、我々のELISA(図4B)及び免疫細胞化学的分析(図6)の結果は、p40mAb処置がTRAMP細胞中のIFN−γレベルを増加させたことを明確に示した。一方で、p40mAb処置(図4C)は、がんの成長を助けるとして知られている(14)、抗炎症性サイトカインであるIL−10のレベルを低減させた。次に我々は、p40mAb処置したTRAMP細胞中のIFN−γの増加した発現が、実際に細胞死に関わっているのか調査した。このため、我々は、TRAMP細胞をIFN−γ中和抗体のみ、あるいはp40mAbとともに処置した。TUNEL(図4D)、LDH(図4E)及びMTT(図4F)アッセイは、IFN−γ中和抗体が、TRAMP細胞中のp40mAbが媒介する細胞死を無効にすることを明らかにした。これらの結果は、IgGではTRAMP細胞中のp40mAbが媒介する細胞死から守ることができなかったことから特定性がある(図4D−F)。Hepa(図7A−B)及び4T1(図S2C−D)を含むその他の腫瘍細胞もまたIFN−γの発現の上方制御を示した。TRAMP細胞と同様に、我々のMTT活性アッセイ(図8A及び図9A)及びLDH放出アッセイ(図8B及び図9B)は、IgGではなくp40mAbが、Hepa及び4T1の両腫瘍細胞中での死を著しく刺激したことを明らかにし、p40の中和が、異なる腫瘍細胞においても死を誘導するために重大となり得ることを示唆した。
腫瘍組織中のIFN−γレベルを分析したとき、我々は、細胞培養データと同様に、p40mAb処置腫瘍組織が、コントロール及びIgG処置腫瘍に比べ、IFN−γmRNA(図10A−B)とタンパク質(図10C及び図10G)をより多く発現したことを観察した。さらに、IFN−γ誘導転写因子であるT−betの発現が、p40mAb処置マウス腫瘍では上方制御されたことが認められたが、コントロール及びIgG処置マウス(図10H)では認められなかった。IL−10の上方制御(15)と制御性T細胞マーカーFoxp3(16)は、がん細胞中の細胞傷害性効果を阻害すると信じられているところ、我々はまた、これらの分子を腫瘍組織中でモニターした。興味深いことに、IL−10、GATA−3及びFoxp3の発現は、p40mAb処置腫瘍中で、コントロール及びIgG処置腫瘍に比べて減少した(図10D−F)。これらの結果は、p40の中和が細胞性免疫を誘導し、体液性免疫とTregsを下方制御することが、培養TRAMP細胞及びインビボTRAMP腫瘍組織中で可能であることを示唆している。
実施例5:p40特定中和がTRAMP腫瘍細胞中のIL−12産生を誘導する
IFN−γの上方制御は、IL−12シグナル伝達系の活性化によって達成される(13、17)。p40mAbはIFN−γの産生を増加させ、TRAMP細胞中の死をIFN−γを通じて誘導するため、我々は、これらのプロセスにおけるIL−12の関与を調査した。IL−12の産生は、コントロール及びIgG処置に比べ、p40mAb処置TRAMP細胞(図11A)及びインビボ腫瘍組織(図10B)で著しく増加し、IL−12シグナル伝達系がp40mAb性IFN−γ産生及び細胞死に関与している可能性があることを示唆した。我々は、機能阻害抗体によるIL−12の中和が、TRAMP細胞中のp40mAb誘導IFN−γの産生を抑制することを発見した(データは示されていない)。さらに、対IL−12中和抗体は、MTT(図12A)及びLDH放出(図12B)に示されたように、p40mAb性TRAMP細胞の死を抑制した。これらの結果は、p40の中和が、IL−12シグナル伝達系を通じて、がん細胞中のIFN−γと細胞死を誘導することを示唆している。
実施例6:p40の選択的中和がTRAMP細胞中のIL−12Rβ1のインターナリゼーションを誘導する
IL−12シグナル伝達系は、IL−12と、IL−12Rβ1及びIL−12Rβ2のヘテロ二量体であるIL−12受容体との相互作用により開始される。機能性IL−12受容体は、そのリガンドIL−12と成功裏に結合した後取り込まれ(18)、さもなければ膜に捕らわれたままであると報告されている。したがって、われわれはp40モノマーがIL−12シグナル伝達系を無効にするため、TRAMP細胞中でIL−12受容体を捕らえることに関与しているかを検討した。我々のFACS分析は、p402でもp70でもなく、p40で処置すると、TRAMP細胞中のIL−12Rβ1の表面発現が増加することを明らかにした(図5Ai−iv)。一方で、p40はIL−12Rβ2の表面発現には何の効果もなかった(図13)。さらに、IgGではなくp40mAbで処置した場合、IL−12Rβ1の膜レベルが下方制御され(図5Av及びvi)、膜においてIL−12Rβ1を捕捉するにあたりp40が関与していることが示唆された。更なる確認のため、我々は、p40、p402またはp70で別々に処置されたTRAMP細胞の膜分画中のIL−12Rβ1についてイムノブロット解析を行った。興味深いことに、我々は、p402でもIL−12でもなく、p40で処置した場合に、膜中のIL−12Rβ1の存在が増加したことを発見した(図5B)。膜分画の純度を確認するため、全カドヘリンについて分析した(図5C;上部パネル)。驚くべきことに、我々は、p402またはp70で処置したTRAMP細胞の膜分画中のβ−アクチンのレベルが増加したことを認め、p402またはp70で処置することが膜中のエンドサイト小胞の形成の増加と関連している可能性があることが示唆された(図5C:下部パネル)。対照的に、我々は、p40で処置したTRAMP細胞中ではβ−アクチンの膜レベルの増加は観察しなかった(図5C)。これらの結果は、p402でもp70でもなく、p40が、膜中でIL−12Rβ1を捕捉することに関わっている可能性を示唆している。
しかしながら、TRAMP細胞がこれらのサイトカインで処置されたとき、細胞全体からの抽出物中のIL−12Rβ1には何の違いもなく(図5D)、p40モノマーによるIL−12Rβ1レベルの誘導の可能性を打ち消すものであった。これと整合的に、p40mAbは、p40が媒介するTRAMP細胞の膜中のIL−12Rβ1の増加を無効化しており(図5E)、p40が実際に、膜におけるIL−12Rβ1の捕捉に関与していることを示唆している。膜分画の純度を確認するため、全カドヘリンについて分析した(図5F;上方パネル)。β−アクチンのレベルはp40mAb処置細胞でより高く、p40の欠乏がTRAMP細胞中のエンドサイト小胞の形成を誘導する可能性を示唆している。(図5F;下部パネル)。しかしながら、この場合も、全IL−12Rβ1レベルについて、(p40+p40mAb)処置細胞とp40処置細胞の間に差異はなく、p40mAb処置は、TRAMP細胞中のIL−12Rβ1の発現を下方制御するわけではないことが示唆された。これらの結果はともに、TRAMP細胞が放出する過剰なp40が、IL−12Rβ1のインターナリゼーションあるいはエンドサイトーシスを抑制することによって、IL−12シグナル伝達を阻害することを示唆している。
次に我々は、p40の中和がIL−12Rβ1のインターナリゼーションを誘導するメカニズムを調査した。受容体のインターナリゼーションは、クラスリン依存とカベオリン依存の主として二つのメカニズムを通じて起こる。クラスリンあるいはカベオリンの関与を調べるため、我々は、二つの薬理学的な阻害剤であるフィリピンとクロルプロマジン(CPM)を用いた。興味深いことに、CPMではなく、フィリピンでの前処置は、p40mAb処置TRAMP細胞中のIL−12Rβ1の、膜におけるインターナリゼーションを著しく阻害し(図5H及び5I)、p40が媒介するIL−12Rβ1のインターナリゼーションが、カベオリンに敏感でクラスリンに非依存性の経路によって起こることを示唆している。免疫蛍光法はさらに、TRAMP細胞中のp40mAbが媒介するIL−12Rβ1のインターナリゼーションがカベオリン依存であること(図5J−L)を、p40mAbでp40を中和すると、フィリピンで前処理されたTRAMP細胞がIL−12Rβ1を取り込むことができないことから確認した(図5L)。
Figure 0006871876
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実施例7−ヒト患者におけるp40、p402及びIL−2レベル
表3はELISAを用いて11人の前立腺がん患者と11人のコントロール対象について測定した、p40、p402及びIL−12の血清レベルを示している。Hybridoma 27: 141 -151 , 2008; J. Immunol. 182: 5013-5023, 2009記載のサンドイッチ法ELISAによって、前立腺がん患者と健康なコントロールの血清中のp40及びp402濃度について測定した。簡単に述べると、p40を定量するため、我々はmAb a3−3aをコーティングのため、mAb a3−7gを検出のために用いた。同様に、p402を測定するため、mAb a3−1dとmAb d7−12cをそれぞれコーティングと検出のために用いた。血清中のIL−12レベルはIL−12ELISAキット(eBiosicence社、カリフォルニア州サンディエゴ、92121)を用いて測定された。
表3に報告されたそれぞれのレベルは3つの測定の平均値である。p40モノマーの血清レベルはコントロール対象よりも前立腺がん患者でより高かった。この結果は、p40の過剰が前立腺がんの発病に一役買っており、がん患者をp40モノマーに対するモノクロナール抗体で処置すると前立腺がんの進行を阻害/停止する可能性があることを示唆している。
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(参考文献)
Figure 0006871876

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本発明はその特定の実施態様を参照して説明及び例証されているが、該発明がそれら実施態様に限られることを意図するものではない。以下特許請求の範囲に規定されている本発明の真の範囲及び趣旨から逸脱することなく、変形や修正を施すことは可能であることを当業者であれば認識するであろう。したがって、添付された請求の範囲の範囲内及びそれと同等なすべてのそのような変形及び修正は、発明に含まれることを意図している。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕がんの治療を必要とする対象に対して、治療効果のある量のp40モノマーに対する抗体またはその免疫学的に活性な断片を含む組成物を投与することを含む、がんを治療する方法。
〔2〕前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、IL−12シグナル伝達の阻害を抑制する、前記〔1〕記載の方法。
〔3〕前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、IFN−γの産生を上方制御する、前記〔1〕記載の方法。
〔4〕前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、モノクロナール抗体またはその免疫学的に活性な断片である、前記〔1〕記載の方法。
〔5〕前記p40モノマーに対する抗体またはその免疫学的に活性な断片が、ポリクロナール、モノクロナール、ヒト、ヒト化及びキメラ抗体;単鎖抗体;及びエピトープ結合抗体の断片からなる群より選ばれる、前記〔1〕記載の方法。
〔6〕前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、p40ホモ二量体の活動を著しく中和しない、前記〔1〕記載の方法。
〔7〕前記がんが、前立腺がん、乳がん及び肝臓がんからなる群より選ばれる、前記〔1〕記載の方法。
〔8〕前記がんが、p40モノマーの過剰産生を特徴とするがんである、前記〔1〕記載の方法。
〔9〕前記組成物が、さらに少なくとも1の薬学的に許容される担体を含む、前記〔1〕記載の方法。
〔10〕前記対象がヒト対象である、前記〔1〕記載の方法。
〔11〕前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、少なくともカベオリン媒介経路を通じたIL−12Rβ1のインターナリゼーションを減少させる、前記〔1〕記載の方法。
〔12〕前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、ヒト化抗体またはその免疫学的に活性な断片である、前記〔1〕記載の方法。
〔13〕前記組成物が経口投与される、前記〔1〕記載の方法。
〔14〕前記組成物が、皮下、関節内、皮内、静脈内、腹腔内及び筋肉内経路からなる群より選ばれる経路によって投与される、前記〔1〕記載の方法。
〔15〕細胞に、p40モノマーに対する抗体またはその免疫学的に活性な断片を、細胞死を誘導するために十分な量、接触させることを含む、細胞死を誘導する方法。
〔16〕前記細胞ががん細胞である、前記〔15〕記載の方法。
〔17〕前記がん細胞が、p40モノマーの過剰産生を示す、前記〔16〕記載の方法。
〔18〕前記がん細胞が、前立腺がん細胞、乳がん細胞、及び肝臓がん細胞からなる群より選ばれる、前記〔16〕記載の方法。

Claims (15)

  1. 治療効果のある量のp40モノマーに対する抗体またはその免疫学的に活性な断片を含み、前記抗体またはそのエピトープ結合断片がIL−12に結合しない、がんの治療に使用するための組成物。
  2. 前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、IL−12シグナル伝達の阻害を抑制する、請求項1に記載の使用のための組成物。
  3. 前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、IFN−γの産生を上方制御する、請求項1に記載の使用のための組成物。
  4. 前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、モノクロナール抗体またはその免疫学的に活性な断片である、請求項1から3のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  5. 前記p40モノマーに対する抗体またはその免疫学的に活性な断片が、ポリクロナール、モノクロナール、ヒト、ヒト化及びキメラ抗体;単鎖抗体;及びエピトープ結合抗体の断片からなる群より選ばれる、請求項1から4のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  6. 前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、p40ホモ二量体の活動を著しく中和しない、請求項1から5のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  7. 前記がんが、前立腺がん、乳がん、肝臓がん、大腸がん、卵巣がん及びすい臓がんからなる群より選ばれる、請求項1から6のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  8. 前記がんが、p40モノマーの過剰産生を特徴とするがんである、請求項1から7のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  9. 前記組成物が、さらに少なくとも1の薬学的に許容される担体を含む、請求項1から8のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  10. 前記組成物がヒト対象に投与される、請求項1から9のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  11. 前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、少なくともカベオリン媒介経路を通じたIL−12Rβ1のインターナリゼーションを減少させる、請求項1に記載の使用のための組成物。
  12. 前記抗体またはその免疫学的に活性な断片が、ヒト化抗体またはその免疫学的に活性な断片である、請求項1から11のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  13. 前記組成物が経口投与、または、皮下、関節内、皮内、静脈内、腹腔内及び筋肉内経路からなる群より選ばれる経路によって投与される、請求項1から12のいずれか1に記載の使用のための組成物。
  14. 細胞死の誘導に治療目的で使用するための、p40モノマーに対する抗体またはその免疫学的に活性な断片を含み、前記抗体またはそのエピトープ結合断片がIL−12に結合しない、組成物。
  15. 細胞ががん細胞であり、好ましくは前記がん細胞はp40モノマーの過剰産生を示し、またはがん細胞が、前立腺がん細胞、乳がん細胞、肝臓がん細胞、大腸がん細胞、卵巣がん細胞、及びすい臓がん細胞からなる群より選ばれる、請求項14に記載の使用のための抗体またはその免疫学的に活性な断片を含む組成物。
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