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JP6870460B2 - スパークプラグ - Google Patents

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JP6870460B2 JP2017091024A JP2017091024A JP6870460B2 JP 6870460 B2 JP6870460 B2 JP 6870460B2 JP 2017091024 A JP2017091024 A JP 2017091024A JP 2017091024 A JP2017091024 A JP 2017091024A JP 6870460 B2 JP6870460 B2 JP 6870460B2
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Description

本発明は、スパークプラグに関する。
従来、内燃機関の燃焼室において燃料を点火するスパークプラグは、放電部を有する中心電極の絶縁状態を維持する絶縁碍子を備える。絶縁碍子は、熱伝導性が比較的低い材料から形成されるため、混合気の燃焼熱によって加熱され高温になりやすい。絶縁碍子が高温になると、絶縁碍子の熱によってシリンダ内の燃焼前の混合気が自着火するプレイグニッションが発生する場合がある。そこで、例えば、特許文献1には、銅を主成分とする母材とカーボンとの複合材からなる芯部材、及び、芯部材を覆うニッケルを主成分とする外皮を有する中心電極を備え、絶縁碍子の熱を熱伝導性が比較的高い中心電極を介して外部に放出するスパークプラグが記載されている。
国際公開第2012/039229号
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグでは、例えば、当該スパークプラグを備える車両の加速などによって混合気の燃焼熱が一時的に大量に発生するとき、中心電極を移動する熱量が多くなるため、熱によって中心電極が破損するおそれがある。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、混合気のプレイグニッションの発生を防止しつつ熱による破損を防止するスパークプラグを提供することにある。
本発明は、内燃機関(90)のスパークプラグであって、内燃機関に固定可能な筒状のハウジング(11,61)、ハウジングの一端に設けられる接地電極(13,53)、ハウジングの内側に設けられる筒状の絶縁碍子(15)、中心電極(20,30,40,70,80)、及び、融解部材(25,41,42)を備える。
中心電極は、絶縁碍子の内側に設けられ、接地電極との間の放電隙間に内燃機関の燃料を点火可能な火花を生成可能である。
融解部材は、ハウジング、接地電極、及び、中心電極の少なくとも一つに収容されている。融解部材は、スパークプラグを使用する温度領域において融解可能な材料から形成されている。
融解部材を収容するハウジング、接地電極、及び、中心電極の少なくとも一つは、液体状態である融解部材の体積に比べ大きい内容積を有し融解部材を収容可能な収容空間(200,300,431,432,500,600,700,800)を有する。
中心電極は、複数の収容空間を有する。
融解部材は、複数の収容空間の第一収容空間(431)に収容される第一融解部材(41)、及び、第一収容空間に比べ接地電極から離れた位置に形成されている複数の収容空間の第二収容空間(432)に収容され第一融解部材に比べ融点が低い第二融解部材(42)を有する。
本発明のスパークプラグでは、例えば、本発明のスパークプラグが適用される内燃機関を搭載する車両の加速によって、燃焼熱が大量に発生すると、ハウジング、接地電極、及び、中心電極の少なくとも一つに収容されている融解部材が融解する。融解部材の融解が続いている間、融解部材の温度は変化しないため、燃焼熱によって直接加熱される絶縁碍子の部位と融解部材との温度差が大きくなる。これにより、絶縁碍子の熱が比較的多く融解部材に伝わるため、絶縁碍子の温度上昇が抑制され、絶縁碍子に溜まる熱による混合気のプレイグニッションの発生を防止することができる。
また、融解部材の融解によって融解部材の温度が変化しなくなると、スパークプラグの燃焼熱によって直接加熱される部位から比較的離れた位置にある融解部材の周囲の部位と融解部材との温度差が小さくなるため、融解部材を介した融解部材の周囲の部材への熱の伝わりが緩慢になる。これにより、大量に発生する燃焼熱の短時間での伝熱によって、スパークプラグの温度が過度に上昇することを防止できる。
このように、本発明のスパークプラグでは、融解部材の融解によって、絶縁碍子に溜まる熱による混合気のプレイグニッションの発生を防止しつつ、かつ、スパークプラグの過度の温度上昇を防止しスパークプラグを構成する部材の熱による破損を防止することができる。
第一実施形態によるスパークプラグが適用される内燃機関の模式図である。 第一実施形態によるスパークプラグの断面図である。 図2のIII部拡大図である。 (a)第一実施形態によるスパークプラグを有する車両の速度変化を示す特性図、(b)第一実施形態によるスパークプラグが備える融解部材の温度変化を示す特性図、及び、(c)第一実施形態によるスパークプラグが備える絶縁碍子の温度変化を示す特性図である。 第一実施形態によるスパークプラグにおける熱の移動を説明する模式図である。 第一実施形態によるスパークプラグにおける熱の移動を説明する模式図でああって、図5とは異なる状態の模式図である。 第一実施形態によるスパークプラグにおける熱の移動を説明する模式図でああって、図5,6とは異なる状態の模式図である。 第二実施形態によるスパークプラグの断面図である。 第三実施形態によるスパークプラグの断面図である。 第四実施形態によるスパークプラグの断面図である。 第五実施形態によるスパークプラグの断面図である。 第六実施形態によるスパークプラグの断面図である。 第六実施形態によるスパークプラグの断面図であって、図12とは異なる状態の断面図である。 第七実施形態によるスパークプラグの断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
第一実施形態によるスパークプラグを図1〜7に基づいて説明する。第一実施形態によるスパークプラグ1は、図1に示す「内燃機関」としてのエンジン90に設けられる。エンジン90は、吸気系91、シリンダ92、ピストン93、クランクシャフト94、排気系95などを備える。なお、図1には、吸気系91に流入する空気の流れを矢印F1で示し、排気系95から流出する排気の流れを矢印F2で示す。
吸気系91が有する吸気ポート910を流れる空気は、吸気系91に設けられている燃料噴射弁911が噴射する燃料と混合されると、混合気を形成する。吸気ポート910を流れる混合気は、吸気口912を通ってシリンダ92及びピストン93によって形成される燃焼室900に流入する。燃焼室900への混合気の流入タイミングは、吸気口912に設けられている吸気弁913の開閉によって制御される。
燃焼室900に導入された混合気は、シリンダ92が有するシリンダヘッド921に設けられているスパークプラグ1によって点火し、燃焼する。この混合気の燃焼による燃焼室900の圧力の増加によってピストン93が押し下げられ、ピストン93に連結するクランクシャフト94が回転する。このクランクシャフト94の回転トルクは、エンジン90の外部に伝達され、例えば、エンジン90を搭載する車両のタイヤを回転する。
燃焼室900の混合気が燃焼した後の排気は、排気系95が有する排気口951を通って排気ポート950に排出される。燃焼室900からの排気の排出タイミングは、排気口951に設けられている排気弁952の開閉によって制御される。排気ポート950を流れる排気は、大気に排出される。
次に、スパークプラグ1の構成について、図2,3に基づいて説明する。スパークプラグ1は、ハウジング11、接地電極13、絶縁碍子15、中心電極20、融解部材25、及び、ターミナル19を備える。スパークプラグ1は、図1に示すように、シリンダヘッド921が有する取付孔922に挿通され、シリンダヘッド921とねじ締結されている。なお、図2,3には、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたときの燃焼室900側の方向を「燃焼室方向」とし、燃焼室900とは反対側の方向を「ターミナル方向」として示す。
ハウジング11は、筒状の金属部材であって、ハウジング第一筒部111、及び、ハウジング第二筒部112を有する。ハウジング第一筒部111とハウジング第二筒部112とは、一体に形成されている。
ハウジング第一筒部111は、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたとき、ハウジング11の燃焼室900側に位置する部位である。ハウジング第一筒部111は、径方向外側の外壁にシリンダヘッド921とねじ結合可能なねじ溝を有する。ハウジング第一筒部111は、内壁に絶縁碍子15の外壁と係合可能なハウジング突部113を有する。
ハウジング第二筒部112は、ハウジング第一筒部111のターミナル19側に設けられている。ハウジング第二筒部112の外径は、ハウジング第一筒部111の外径に比べ大きい。ハウジング第二筒部112は、ハウジング第二筒部112のハウジング第一筒部111側の段差面にガスケット114が設けられている。ガスケット114は、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたとき、燃焼室900と外部との気密を維持する。ハウジング第二筒部112の内径は、ハウジング第一筒部111の内径に比べ大きい。
接地電極13は、ハウジング第一筒部111の燃焼室900側の端部に設けられる。接地電極13は、金属から略L字状に形成されている。接地電極13は、ハウジング第一筒部111と接続する側とは反対側の端部と、中心電極20の放電部211と、の間に所定の間隔の放電隙間210が形成されるよう設けられている。
絶縁碍子15は、ハウジング11の内側に位置する筒状の部材である。絶縁碍子15は、ハウジング11と中心電極20との絶縁を維持する。絶縁碍子15は、小内径部151、大内径部152、大外径部153、及び、ターミナル支持部154を有する。小内径部151、大内径部152、大外径部153、及び、ターミナル支持部154は、一体に形成されている。
小内径部151は、ハウジング第一筒部111の内側であって、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたとき、絶縁碍子15の燃焼室900側に位置する部位である。小内径部151は、筒状に形成されており、内側には一定の断面積を有する柱状空間が形成されている。小内径部151は、燃焼室900から離れるにしたがって外径が大きくなるよう形成されている。小内径部151の大内径部152側の端部は、外壁に段差面155を有する。段差面155にはハウジング突部113のターミナル方向の傾斜面115に当接可能なシール部材156が設けられている。
大内径部152は、ハウジング第一筒部111の内側であって、小内径部151のターミナル19側に設けられている。大内径部152は、筒状に形成されており、内側には小内径部151の内側の断面積に比べ大きい一定の断面積を有する柱状空間が形成されている。大内径部152は、外径が小内径部151の大内径部152側の端部の外径と同じになるよう形成されている。
大外径部153は、ハウジング第二筒部112の内側であって、大内径部152のターミナル19側に設けられている。大外径部153は、外径が大内径部152の外径に比べ大きくなるよう形成されている。大外径部153は、筒状に形成されており、内側には大内径部152の内側の断面積と同じ大きさの一定の断面積を有する柱状空間が形成されている。
ターミナル支持部154は、大外径部153の大内径部152とは反対側に設けられている筒状の部位である。ターミナル支持部154は、内側にターミナル19が設けられる。ターミナル支持部154は、ターミナル19を所定の位置に支持する。ターミナル支持部154の外壁には、周方向に形成されている溝を複数有する。
中心電極20は、スパークプラグ1の燃焼室900側の絶縁碍子15の内側に位置する金属からなる部材である。中心電極20は、電極部材21、及び、「蓋部」としての蓋部材22を有する。電極部材21と蓋部材22とは、別体に形成されている。中心電極20は、接地電極13との間に混合気を点火可能な火花を生成可能である。
電極部材21は、放電部211、「収容部」としての筒部212、係合部213、及び、接続端子部214を有する。
放電部211は、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたとき、中心電極20の燃焼室900側に位置する部位である。放電部211は、先端が比較的細くなるよう形成されている。放電部211は、ターミナル19を介して高電圧が印加されると、混合気を点火可能な火花を放電隙間210に生成可能である。
筒部212は、放電部211のターミナル19側に設けられる部位である。筒部212は、筒状に形成されている。
係合部213は、筒部212のターミナル19側に設けられる部位である。係合部213は、外径が筒部212の外径に比べ大きい環状に形成されている。係合部213の燃焼室方向の端面215は、小内径部151の大内径部152側の端面157に当接可能に形成されている。これにより、電極部材21をターミナル支持部154の開口から絶縁碍子15の内側に挿入するとき、端面215と端面157とが当接し、電極部材21の燃焼室方向への移動が規制される。
接続端子部214は、係合部213のターミナル19側に設けられる部位である。接続端子部214は、外径が係合部213の外径に比べ小さい筒状に形成されている。接続端子部214は、絶縁碍子15内に設けられるシール部材16と電気的に接続するよう形成されている。
電極部材21は、筒部212の内部,係合部213の内部、及び、接続端子部214の内部が連通するよう形成されている。電極部材21内には、融解部材25及び蓋部材22が設けられる。
蓋部材22は、電極部材21のターミナル19側の開口から電極部材21の内部に挿入されている部材である。蓋部材22は、電極部材21のターミナル19側の開口において電極部材21の内部を液密に維持するよう塞ぐ。ここで、便宜的に、電極部材21の内部であって、蓋部材22によって液密に維持されている空間を収容空間200という。収容空間200は、放電部211のターミナル19側の端面216、筒部212の内壁面217、及び、蓋部材22の燃焼室900側の端面221によって形成される。収容空間200は、液体状態である融解部材25の体積に比べ大きい内容積を有する。
融解部材25は、収容空間200に収容されている。融解部材25は、スパークプラグ1を使用する環境において燃焼室900で発生する混合気の燃焼熱が伝わると、融解可能な材料であって電気伝導性を有する、例えば、アルミニウムから形成されている。固体状態である融解部材25を収容空間200に収容すると、図3に示すように、融解部材25のターミナル19側の端面251と蓋部材22の端面221との間には隙間250が形成される。
中心電極20のターミナル19側には、シール部材16が設けられている。第一実施形態では、シール部材16は、ガラス粉末と銅粉との混合物であって、抵抗体17と中心電極20とを電気的に接続しつつ、絶縁碍子15と溶着され中心電極20と絶縁碍子15との間の隙間における燃焼室900の気密を維持する。
抵抗体17は、シール部材16のターミナル19側に設けられている。抵抗体17は、ターミナル19を介して供給される高圧電流によるノイズを低減する。
抵抗体17のターミナル19側には、シール部材18が設けられている。第一実施形態では、シール部材18は、ガラス粉末と銅粉との混合物であって、抵抗体17と中心電極20とを電気的に接続しつつ、絶縁碍子15と溶着されている。
ターミナル19は、シール部材18の抵抗体17とは反対側に設けられている。ターミナル19は、シール部材18と電気的に接続している。ターミナル19は、シール部材18と接続する側とは反対側の端部がターミナル支持部154の外部に露出している。ターミナル19は、外部から供給される高圧電流を受電する。
次に、スパークプラグ1の作用について、図4〜7に基づいて説明する。
図4には、エンジン90を搭載する車両の速度及びスパークプラグ1における特定の部材の温度の時間変化を示す。図4(a)には、車両の速度の時間変化(実線L1a)を示す。図4(b)には、融解部材25の温度の時間変化(実線L1b)を示す。図4(c)には、絶縁碍子15の小内径部151の大内径部152側の端部の温度の時間変化(実線L1c)を示す。図4(c)には、燃焼前の混合気がプレイグニッションするおそれがある絶縁碍子の温度を温度Tigで示す。
図4(b)には、比較例として、融解部材を有しない中実状の中心電極を備えるスパークプラグにおける中心電極の温度の時間変化(点線L0b)を示す。また、図4(c)には、比較例のスパークプラグにおける絶縁碍子の小内径部の大内径部側の端部の温度の時間変化(点線L0c)を示す。
図5〜7には、融解部材25の状態に応じた熱の移動を表した模式図を示す。図5〜7には、図4(c)において温度変化が示されている絶縁碍子15の小内径部151の大内径部152側の端部を指す領域を二点鎖線で囲まれる領域A150で示す。また、絶縁碍子15の小内径部151の燃焼室900側の端部を指す領域を二点鎖線で囲まれる領域A151で示す。なお、図5〜7には、スパークプラグ1をシリンダヘッド921に取り付けたときの燃焼室900側の方向を「燃焼室方向」とし、燃焼室900とは反対側の方向を「ターミナル方向」として示す。
燃焼室900において混合気が燃焼すると、スパークプラグ1では、絶縁碍子15及び中心電極20に混合気の燃焼熱が伝わる。具体的には、図5に示すように、燃焼室900の燃焼熱は、絶縁碍子15の領域A151、及び、中心電極20の放電部211に伝わる(図5の実線矢印F51)。領域A151及び放電部211に伝わる熱は、中心電極20の筒部212及び融解部材25に伝わる(図5の実線矢印F52)。エンジン90の始動直後では、融解部材25は固体状態である。
筒部212及び融解部材25に伝わる熱は、ターミナル方向に移動する(図5の実線矢印F53)。融解部材25のターミナル19側の端部252に伝わる熱は、筒部212や領域A150を介して(図5の実線矢印F54)ターミナル方向に移動し、外部に放出される。これにより、燃焼室900に位置するスパークプラグ1の部位の温度上昇は抑制される。
一方、図4(a)に示すように、車両の加速によって速度が増加すると、燃焼室900では、混合気の燃焼熱が一時的に大量に発生する。大量に発生する燃焼室900の燃焼熱が絶縁碍子15の領域A151及び放電部211を介して筒部212及び融解部材25に伝わると、図4(b)に示すように、融解部材25の温度は上昇する(図4の時刻t0から時刻t1までの間)。融解部材25の温度が上昇すると、ターミナル方向に移動する熱が絶縁碍子15の領域A150に伝わるため、図4(c)に示すように、領域A150の温度も上昇する。
燃焼室900の燃焼熱によって融解部材25の温度が融解部材25の融点である660度まで上昇すると、融解部材25は融解し始めるため、融解部材25の温度は、中心電極20から熱が伝わっても一定となる(図4の時刻t1から時刻t2までの間)。このとき、絶縁碍子15の領域A151及び放電部211を介して融解部材25に伝わる熱(図6の実線矢印F51、F62)は融解部材25の融解に利用されるため、図4(b)に示すように、融解部材25の温度変化は0となる。
融解部材25の温度変化が0になると、スパークプラグ1の燃焼室側では、小内径部151の領域A151と融解部材25との温度差が大きくなるため、絶縁碍子15の領域A151から融解部材25に移動する熱量は、領域A151から固体状態の融解部材25に移動する熱量に比べ多くなる。これにより、領域A151に熱は溜まりにくくなるため、領域A151は高温になりにくい。
また、融解部材25の温度変化が0になると、融解部材25と絶縁碍子15の領域A150との温度差が小さくなるため、融解部材25から筒部212を介して領域A150に伝わる熱量は、ほぼ0となる。これにより、図6の実線矢印F63に示すように、領域A151及び放電部211の熱は、筒部212を通ってターミナル方向に移動する。筒部212を通ってターミナル方向に移動する熱は、図6の実線矢印F64に示すように、領域A150に伝わる。したがって、図4(c)に示すように、領域A150の温度上昇の度合いが緩やかになる。
融解部材25が全て液体になると、図7に示すように、絶縁碍子15の領域A151及び放電部211の熱の一部は、液体状態である融解部材25を介して絶縁碍子15の領域A150の近傍まで伝わる(図7の実線矢印F73)。液体状態である融解部材25や筒部212を介して領域A150の近傍まで伝わった熱は、領域A150を介して(図7の実線矢印F74)ターミナル方向に移動する。これにより、融解部材25が全て液体となる図4の時刻t2以降において、融解部材25及び領域A150の温度が再び上昇する。このとき、融解部材25の体積は固体状態の融解部材25の体積に比べ大きいため、液体状態の融解部材25と筒部212との接触面積は、固体状態の融解部材25と筒部212との接触面積に比べ大きい。したがって、図4(b)、(c)の時刻t2から時刻t3に示す温度上昇の度合いは、時刻t0から時刻t1に示す温度上昇の度合いに比べ緩やかになる。
図4の時刻t3において車両の加速が終了し減速し始めると、燃焼室900において発生する燃焼熱は比較的少なくなる。これにより、融解部材25及び絶縁碍子15の領域A150の温度は低下する。このとき、液体状態である融解部材25が660度において固化するため、時刻t3以降において、領域A150の温度の低下の度合いも一端緩やかになる(図4の時刻t4から時刻t5までの間)。
その後、車両が一定の速度で走行する定常状態になると、図5に示す経路で固体状態である融解部材25を介して燃焼室900の燃焼熱が外部に放出される。
スパークプラグ1では、このようにして、混合気の燃焼熱を外部に放出する。
従来、スパークプラグでは、例えば、当該スパークプラグを有するエンジンを搭載する車両の加速によって燃焼熱が一時的に大量に発生すると、スパークプラグの温度が急激に上昇する。図4(b)、(c)に示す比較例のスパークプラグでは、大量に発生する燃焼熱が伝わると絶縁碍子の温度も急激に上昇する(図4(b)参照)。このため、図4(c)に示すように、絶縁碍子の温度が温度Tig以上となるため、プレイグニッションが発生する。また、燃焼熱が一時的に大量に発生するときに絶縁碍子の温度が温度Tigより小さくなるよう中心電極の熱伝達率を上げると、中心電極を移動する熱量が多くなるため、中心電極や中心電極の周りにある部材が熱によって破損するおそれがある。
一方、第一実施形態によるスパークプラグ1では、燃焼熱が大量に発生すると、中心電極20に収容されている固体状態である融解部材25が融解する。融解部材25の融解が続いている間、融解部材25の温度は変化しないため、燃焼熱によって加熱される絶縁碍子15の領域A151と融解部材25との温度差が大きくなる。これにより、絶縁碍子15の熱が比較的多く融解部材25に伝わるため、絶縁碍子15の温度上昇が抑制され、絶縁碍子15に溜まる熱による混合気のプレイグニッションの発生を防止することができる。
また、融解部材25の温度が変化しなくなると、絶縁碍子15の領域A150と融解部材25との温度差が小さくなるため、領域A150への熱の伝わり方が緩慢になる。これにより、大量に発生する燃焼熱の短時間での伝達によってスパークプラグ1の温度が過度に上昇することを防止できる。
第一実施形態によるスパークプラグ1では、このように、融解部材25の融解によって、絶縁碍子15に溜まる熱による混合気のプレイグニッションの発生を防止しつつ、かつ、スパークプラグ1の過度の温度上昇を防止し中心電極20や絶縁碍子15の熱による破損を防止することができる。
また、スパークプラグ1では、スパークプラグ1が比較的低温のとき固体状態である融解部材25の体積は、液体状態である融解部材25の体積に比べ小さい。このため、スパークプラグ1が比較的低温のときの融解部材25と中心電極20との接触面積は、スパークプラグ1が比較的高温となったとき液体状態となった融解部材25と中心電極20との接触面積に比べ小さい。これにより、スパークプラグ1が比較的低温のときの融解部材25を介した伝熱量は、融解部材25が液体状態であるときの融解部材25を介した伝熱量に比べ小さくなるため、例えば、エンジン90の始動直後などスパークプラグ1が比較的低温のときスパークプラグ1の温度を比較的上昇しやすい。したがって、スパークプラグ1は、絶縁碍子15の温度が低いために未燃カーボンが発生しやすい時間を短くすることができるため、エンジン90における良好な燃焼状態を早期に実現することができる。
スパークプラグ1では、中心電極20に収容される融解部材25の体積を変更することが可能である。これにより、スパークプラグ1が所定の温度に到達するまでにかかる時間などスパークプラグ1の昇温特性を調整することができる。すなわち、スパークプラグ1は、スパークプラグ1の燃焼室900側からターミナル19側への熱の伝わり方をエンジン90の特性に応じて制御することができる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態によるスパークプラグを図8に基づいて説明する。第二実施形態は、中心電極の構成が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態によるスパークプラグ2は、ハウジング11、接地電極13、絶縁碍子15、中心電極30、融解部材25、及び、ターミナル19を備える。
中心電極30は、スパークプラグ2の燃焼室900側の絶縁碍子15の内側に位置する金属からなる部材である。中心電極30は、電極部材21、及び、「中空部材」としての収容部材32を有する。電極部材21と収容部材32とは、別体に形成されている。中心電極30は、接地電極13との間の放電隙間310に混合気を点火可能な火花を生成可能である。
収容部材32は、電極部材21が有する筒部212の内部,係合部213の内部及び接続端子部214の内部に収容されている。収容部材32は、筒部321、係合部322、及び、蓋部323を有する。収容部材32は、融解部材25に比べ電気伝導性が高く、比較的熱伝導性が高い材料から一体に形成されている。
筒部321は、有底筒状に形成されている。筒部321は、筒部212に収容されている。筒部321の外壁は、放電部211の端面216及び筒部212の内壁面217に当接している。筒部321は、融解部材25を収容可能な収容空間300を有する。収容空間300は、融解部材25の融解後の体積に比べ大きい内容積を有する。
係合部322は、筒部321のターミナル19側に設けられる部位である。係合部322は、筒部321のターミナル方向の開口を塞ぐよう形成されている。係合部322は、係合部213に収容されている。
蓋部323は、係合部322のターミナル19側に設けられる部位である。蓋部323は、接続端子部214に収容されている。
融解部材25は、収容空間300に収容されている。収容空間300において融解部材25が固体状態であると、図8に示すように、融解部材25のターミナル19側の端面251と係合部322の燃焼室900側の端面324との間には、隙間250が形成される。
第二実施形態によるスパークプラグ2は、スパークプラグ2を使用する温度領域において融解可能な融解部材25を収容部材32の内部に収容している。これにより、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、スパークプラグ2では、融解部材25は、電極部材21に収容されている収容部材32内に収容されている。これにより、中心電極30の強度を維持することができる。また、収容部材32は、融解部材25に比べ電気伝導性が高い材料から形成されている。これにより、融解部材25の電気伝導性が低い場合でも電極部材21及び収容部材32の電気伝導性によって、接地電極13と中心電極30との間に混合気を点火可能な火花を確実に生成することができる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態によるスパークプラグを図9に基づいて説明する。第三実施形態は、中心電極の構成が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態によるスパークプラグ3は、ハウジング11、接地電極13、絶縁碍子15、中心電極40、「融解部材」としての第一融解部材41、「融解部材」としての第二融解部材42、及び、ターミナル19を備える。
中心電極40は、スパークプラグ3の燃焼室900側の絶縁碍子15の内側に位置する金属からなる部材である。中心電極40は、電極部材21、蓋部材22、及び、区画部材43を有する。電極部材21と蓋部材22と区画部材43とは、別体に形成されている。中心電極40は、接地電極13との間の放電隙間410に混合気を点火可能な火花を生成可能である。
区画部材43は、収容空間200に収容されている。区画部材43は、筒部212の内壁面217に固定され、筒部212に対して相対移動不能となっている。区画部材43は、収容空間200を燃焼室900側の第一収容空間431とターミナル19側の第二収容空間432とに区画する。
第一融解部材41は、第一融解部材41の融解後の体積に比べ大きい内容積を有する第一収容空間431に収容されている。第一融解部材41は、スパークプラグ3を使用する環境において燃焼室900で発生する混合気の燃焼熱が伝わると融解可能な材料から形成されている。固体状態である第一融解部材41を第一収容空間431に収容すると、図8に示すように、第一融解部材41のターミナル19側の端面411と区画部材43の燃焼室900側の端面433との間には放電隙間410が形成される。
第二融解部材42は、第二融解部材42の融解後の体積に比べ大きい内容積を有する第二収容空間432に収容されている。第二融解部材42は、スパークプラグ3を使用する環境において燃焼室900で発生する混合気の燃焼熱が伝わると融解可能な材料であって、第一融解部材41に比べ低い融点を有する材料から形成されている。固体状態である第二融解部材42を第二収容空間432に収容すると、図8に示すように、第二融解部材42のターミナル19側の端面421と蓋部材22の端面221との間には隙間420が形成される。
第三実施形態によるスパークプラグ3は、スパークプラグ3を使用する温度領域において融解可能な第一融解部材41及び第二融解部材42を中心電極40の内部に収容している。これにより、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、スパークプラグ3では、比較的高温となりやすい燃焼室900側に融点が高い第一融解部材41が設けられ、比較低低温となるターミナル19側に第一融解部材41に比べ融点が低い第二融解部材42が設けられている。これにより、スパークプラグ3におけるターミナル19方向への熱の移動にあわせて第一融解部材41及び第二融解部材42が融解することができる。したがって、第三実施形態は、大量に発生する燃焼熱の短時間での伝達によってスパークプラグ3の温度が過度に上昇することを確実に防止できる。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態によるスパークプラグを図10に基づいて説明する。第四実施形態は、融解部材を収容する部材が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第四実施形態によるスパークプラグ4は、ハウジング11、接地電極53、絶縁碍子15、中心電極20、融解部材25、及び、ターミナル19を備える。
接地電極53は、ハウジング第一筒部111の燃焼室900側の端部に設けられる。接地電極53は、金属から略L字状に形成されている。接地電極53は、ハウジング第一筒部111と接続する側とは反対側の端部と、中心電極20の放電部211と、の間に所定の間隔の放電隙間210が形成されるよう設けられている。
接地電極53は、融解部材25を収容する収容空間500を有する。収容空間500の内容積は、収容空間500に収容されている液体状態である融解部材25の体積に比べ大きい。
第四実施形態によるスパークプラグ4は、スパークプラグ4を使用する温度領域において融解可能な融解部材25を接地電極53の内部に収容している。燃焼熱が一時的に大量に発生するとき、接地電極53に収容されている融解部材25の融解が続いている間、融解部材25の温度は変化しない。これにより、燃焼熱によって加熱される接地電極53と融解部材25との温度差が大きくなるため、接地電極53の熱が比較的多く融解部材25に伝わる。したがって、接地電極53の温度上昇が抑制され、接地電極53に溜まる熱による混合気のプレイグニッションの発生を防止することができる。
また、接地電極53の温度上昇が抑制されると、接地電極53とハウジング11との温度差が小さくなるため、接地電極53からハウジング11への熱の伝わり方が緩慢になる。これにより、大量に発生する燃焼熱の短時間での伝達によってスパークプラグ4の温度が過度に上昇することを防止できる。したがって、第四実施形態は、ハウジング11の熱による破損を防止することができるため、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(第五実施形態)
次に、第五実施形態によるスパークプラグを図11に基づいて説明する。第五実施形態は、融解部材を収容する部材が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第五実施形態によるスパークプラグ5は、ハウジング61、接地電極13、絶縁碍子15、中心電極20、融解部材25、及び、ターミナル19を備える。
ハウジング61は、筒状の金属部材であって、ハウジング第一筒部611、及び、ハウジング第二筒部112を有する。
ハウジング第一筒部611は、スパークプラグ5をシリンダヘッド921に取り付けたとき、ハウジング61の燃焼室900側に位置する部位である。ハウジング第一筒部611は、径方向外側の外壁にシリンダヘッド921とねじ結合可能なねじ溝を有する。ハウジング第一筒部611は、内壁に絶縁碍子15の外壁と係合可能なハウジング突部613を有する。ハウジング第一筒部611は、燃焼室900側の端部に接地電極13が設けられている。
ハウジング第一筒部611のターミナル19側には、外径がハウジング第一筒部611の外径に比べ大きいハウジング第二筒部112が設けられている。
ハウジング第一筒部611は、接地電極13側の端部に融解部材25を収容する収容空間600を有する。収容空間600の内容積は、液体状態である融解部材25の体積に比べ大きい。
第五実施形態によるスパークプラグ5は、スパークプラグ5を使用する温度領域において融解可能な融解部材25をハウジング第一筒部611の内部に収容している。燃焼熱が一時的に大量に発生するとき、ハウジング第一筒部611に収容されている融解部材25の融解が続いている間、融解部材25の温度は変化しない。これにより、燃焼熱によって加熱されるハウジング第一筒部611と融解部材25との温度差が大きくなるため、ハウジング第一筒部611の熱が比較的多く融解部材25に伝わる。したがって、ハウジング第一筒部611の温度上昇が抑制され、ハウジング第一筒部611に溜まる熱による混合気のプレイグニッションの発生を防止することができる。
また、ハウジング第一筒部611の温度上昇が抑制されると、ハウジング第一筒部611とハウジング第二筒部112との温度差が小さくなるため、ハウジング第一筒部611からハウジング第二筒部112への熱の伝わりが緩慢になる。これにより、大量に発生する燃焼熱の短時間での伝達によってスパークプラグ5の温度が過度に上昇することを防止できる。したがって、第五実施形態は、ハウジング61の熱による破損を防止することができるため、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(第六実施形態)
次に、第六実施形態によるスパークプラグを図12,13に基づいて説明する。第六実施形態は、蓋部材の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第六実施形態によるスパークプラグ6は、ハウジング11、接地電極13、絶縁碍子15、中心電極70、融解部材25、及び、ターミナル19を備える。
中心電極70は、スパークプラグ6の燃焼室900側の絶縁碍子15の内側に位置する金属からなる部材である。中心電極70は、電極部材21、及び、蓋部材72を有する。電極部材21と蓋部材72とは、別体に形成されている。中心電極70は、接地電極13との間の放電隙間710に混合気を点火可能な火花を生成可能である。
蓋部材72は、電極部材21のターミナル19側の開口から電極部材21の内部に挿入されている部材である。蓋部材72は、蓋部721及び突出部722を有する。
蓋部721は、電極部材21のターミナル19側の開口において電極部材21の内部を液密に維持するよう塞ぐ。ここで、便宜的に、電極部材21の内部であって、蓋部721によって液密に維持されている空間を収容空間700という。
突出部722は、蓋部721の燃焼室900側の端面723に設けられている。突出部722は、蓋部721から放電部211に向かって延びるよう形成されている略円柱状の部位である。突出部722の径方向外側の側壁724と筒部212の内壁面217との間には、隙間725が形成されている。
融解部材25は、液体状態である融解部材25の体積に比べ大きい内容積を有する収容空間700に収容されている。融解部材25は、固体状態である融解部材25を収容空間700に収容すると、図12に示すように、融解部材25のターミナル19側の端面251と突出部722の放電部211側の端面726との間に隙間250が形成される。
第六実施形態によるスパークプラグ6では、燃焼室900で発生する混合気の燃焼熱によって融解部材25が融解すると、図13に示すように、液体となった融解部材25が隙間725に入り込む。これにより、液体状態の融解部材25と電極部材21との接触面積が、第一実施形態における液体状態の融解部材25と電極部材21との接触面積に比べ大きくなるため、融解部材25を介した伝熱が促進される。したがって、第六実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、混合気のプレイグニッションの発生を確実に防止することができる。
(第七実施形態)
次に、第七実施形態によるスパークプラグを図14に基づいて説明する。第七実施形態は、蓋部材の形状が第六実施形態と異なる。なお、第六実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第七実施形態によるスパークプラグ7は、ハウジング11、接地電極13、絶縁碍子15、中心電極80、融解部材25、及び、ターミナル19を備える。
中心電極80は、スパークプラグ7の燃焼室900側の絶縁碍子15の内側に位置する金属からなる部材である。中心電極80は、電極部材21、及び、蓋部材82を有する。電極部材21と蓋部材82とは、別体に形成されている。中心電極80は、接地電極13との間の放電隙間810に混合気を点火可能な火花を生成可能である。
蓋部材82は、電極部材21のターミナル19側の開口から電極部材21の内部に挿入されている部材である。蓋部材82は、蓋部721及び突出部822を有する。
突出部822は、蓋部721の燃焼室900側の端面723に設けられている。突出部822は、蓋部721から放電部211に向かって延びるよう形成されている略円柱状の部位である。電極部材21の内壁面217に対向する突出部822の側壁824は、図14に示すように、凹凸状に形成されている。突出部822の側壁824と筒部212の内壁面217との間には、隙間825が形成されている。
融解部材25は、電極部材21の内部であって、蓋部721によって液密に維持されている空間である収容空間800に収容されている。融解部材25は、固体状態である融解部材25を収容空間800に収容すると、図14に示すように、融解部材25のターミナル19側の端面251と突出部822の放電部211側の端面826との間には隙間250が形成される。
第七実施形態によるスパークプラグ7では、燃焼室900で発生する混合気の燃焼熱によって融解部材25が融解すると、液体となった融解部材25が隙間825に入り込む。隙間825を形成する突出部822の側壁824は凹凸状に形成されているため、液体状態の融解部材25と電極部材21との接触面積が第六実施形態に比べ大きくなる。これにより、融解部材25を介した伝熱が第六実施形態に比べ促進される。したがって、第七実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、混合気のプレイグニッションの発生を確実に防止することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、ハウジング、接地電極、または、中心電極のいずれか一つに融解部材が収容されるとした。しかしながら、二つ以上にそれぞれ収容されてもよい。
上述の実施形態では、収容空間は、液体状態である融解部材の体積に比べ大きい内容積を有するとした。しかしながら、収容空間の内容積はこれに限定されない。
第二実施形態の構成を第三〜七実施形態に適用してもよい。また、第三実施形態の構成を第四〜七実施形態に適用してもよい。
第三実施形態では、収容空間を二つ有するとした。収容空間は三つ以上あってもよい。また、第三実施形態では、燃焼室側の第一融解部材の融点がターミナル側の第二融解部材の融点に比べ高いとした。しかしながら、融解部材の融点と当該融解部材が収容される位置との関係はこれに限定されない。
上述の実施形態では、融解部材は、電気伝導性を有するとした。しかしながら、融解部材は、電気伝導性を有していなくてもよい。また、融解部材は、アルミニウムでなくてもよい。例えば、アルミニウム合金など、スパークプラグを使用する温度領域において融解可能な材料から形成されていればよい。
上述の実施形態では、中心電極に収容される溶解部材の体積によって溶解し始める温度や時間を調整し、スパークプラグの燃焼室側からターミナル側への熱の伝わり方をエンジンの特性に応じて制御することができるとした。しかしながら、溶解し始める温度や時間を調整する方法はこれに限定されない。溶解部材の融点によって調整してもよい。
固体状態である融解部材と融解部材の周りの壁面との間の隙間は、燃焼室から離れた側に形成されるとした。しかしながら、隙間は、燃焼室側に形成されてもよいし、液体状態である融解部材の固化の状況によって固体状態である融解部材が複数に分離してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1,2,3,4,5,6,7・・・スパークプラグ
11,61・・・ハウジング
13,53・・・接地電極
15・・・絶縁碍子
20,30,40,70,80・・・中心電極
210,310,410,710,810・・・放電隙間
25・・・融解部材
41・・・第一融解部材(融解部材)
42・・・第二融解部材(融解部材)
90・・・エンジン(内燃機関)

Claims (8)

  1. 内燃機関(90)のスパークプラグであって、
    前記内燃機関に固定可能な筒状のハウジング(11,61)と、
    前記ハウジングの一端に設けられる接地電極(13,53)と、
    前記ハウジングの内側に設けられる筒状の絶縁碍子(15)と、
    前記絶縁碍子の内側に設けられ、前記接地電極との間の放電隙間(210,310,410,710,810)に前記内燃機関の燃料を点火可能な火花を生成可能な中心電極(20,30,40,70,80)と、
    前記ハウジング、前記接地電極、及び、前記中心電極の少なくとも一つに収容され、前記スパークプラグを使用する温度領域において融解可能な材料から形成されている融解部材(25,41,42)と、
    を備え
    前記融解部材を収容する前記ハウジング、前記接地電極、及び、前記中心電極の少なくとも一つは、液体状態である前記融解部材の体積に比べ大きい内容積を有し前記融解部材を収容可能な収容空間(200,300,431,432,500,600,700,800)を有し、
    前記中心電極は、複数の前記収容空間を有し、
    前記融解部材は、複数の前記収容空間の第一収容空間(431)に収容される第一融解部材(41)、及び、前記第一収容空間に比べ前記接地電極から離れた位置に形成されている複数の前記収容空間の第二収容空間(432)に収容され前記第一融解部材に比べ融点が低い第二融解部材(42)を有するスパークプラグ。
  2. 前記中心電極は、前記接地電極との間に前記放電隙間を形成する放電部(211)を有する電極部材(21)、及び、前記電極部材内に収容され前記融解部材を形成する材料に比べ電気伝導性が高い材料から形成される中空部材(32)を有し、
    前記融解部材は、前記中空部材内に収容されている請求項に記載のスパークプラグ。
  3. 前記中心電極は、前記接地電極との間に前記放電隙間を形成する放電部(211)、筒状に形成され前記放電部の前記接地電極とは反対側に設けられ前記融解部材を収容可能な収容部(212)、前記収容部の前記放電部とは反対側の開口を塞ぐ蓋部(721)、及び、前記収容部内に位置し前記蓋部から前記放電部に向かって延びるよう形成され前記収容部の内壁面(217)との間に隙間(725,825)を形成する突出部(722,822)を有し、
    前記融解部材は、液体状態であるとき、一部が前記隙間に位置する請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記突出部は、前記収容部の内壁面に対向する側壁(824)が凹凸状に形成されている請求項に記載のスパークプラグ。
  5. 内燃機関(90)のスパークプラグであって、
    前記内燃機関に固定可能な筒状のハウジング(11,61)と、
    前記ハウジングの一端に設けられる接地電極(13,53)と、
    前記ハウジングの内側に設けられる筒状の絶縁碍子(15)と、
    前記絶縁碍子の内側に設けられ、前記接地電極との間の放電隙間(210,310,410,710,810)に前記内燃機関の燃料を点火可能な火花を生成可能な中心電極(20,30,40,70,80)と、
    前記ハウジング、前記接地電極、及び、前記中心電極の少なくとも一つに収容され、前記スパークプラグを使用する温度領域において融解可能な材料から形成されている融解部材(25,41,42)と、
    を備え
    前記中心電極は、前記接地電極との間に前記放電隙間を形成する放電部(211)、筒状に形成され前記放電部の前記接地電極とは反対側に設けられ前記融解部材を収容可能な収容部(212)、前記収容部の前記放電部とは反対側の開口を塞ぐ蓋部(721)、及び、前記収容部内に位置し前記蓋部から前記放電部に向かって延びるよう形成され前記収容部の内壁面(217)との間に隙間(725,825)を形成する突出部(722,822)を有し、
    前記融解部材は、液体状態であるとき、一部が前記隙間に位置するスパークプラグ。
  6. 前記突出部は、前記収容部の内壁面に対向する側壁(824)が凹凸状に形成されている請求項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記融解部材は、電気伝導性を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  8. 前記融解部材は、アルミニウム、または、アルミニウムを主成分とする合金から形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
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