JP6861969B2 - 弾性波送受信プローブ、これを用いた測定装置及び測定方法 - Google Patents
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発振子として機能させる導線(21)が巻回された強磁性体コア(2)と、該強磁性体コア(2)を受振子として機能させる受信センサ(3)とから成る磁歪センサ(4)と、
前記磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)の一部を底部から突出させた、一部がベローズ(19)から成る有底筒形状の液体充填筒部(5)と、該液体充填筒部(5)に形成された、検査対象物(m)に水密状に当てるカップ部(6)とから成り、該カップ部(6)が首振り可能、かつ伸縮自在に形成されたウォーターチャンバー(7)と、を備え、
前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)を検査対象物(m)の表面に当て、この検査対象物(m)と前記液体充填筒部(5)から形成された空間に液体を充填し、該液体充填筒部(5)内に液体を充填した状態で前記磁歪センサ(4)を駆動し、発生させた弾性波を、この充填した液体を発信プローブとして該検査対象物(m)内に入力し、
検査対象物(m)の表面に当てた前記液体充填筒部(5)内の液体を受信プローブとして、該検査対象物(m)で伝播した弾性波を前記受信センサ(3)で受信するように構成した、ことを特徴とする。
発振子として機能させる導線(21)が巻回された強磁性体コア(2)と、該強磁性体コア(2)を受振子として機能させる受信センサ(3)とから成る磁歪センサ(4)と、
前記磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)の一部を底部から突出させた有底筒形状の液体充填筒部(5)と、該液体充填筒部(5)に形成された、検査対象物(m)に水密状に当てるカップ部(6)とから成るウォーターチャンバー(7)と、
前記磁歪センサ(4)と前記ウォーターチャンバー(7)とを収容する有底筒形状のホルダー(16)と、
前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)を検査対象物(m)に当てる吸着機構と、
検査対象物(m)の表面に接する2個の調節子(15)が、前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)を支持する前記ホルダー(16)と共に可動し、該ウォーターチャンバー(7)が検査対象物(m)の表面に接する角度を可変する位置調節機構(14)と、
前記磁歪センサ(4)を駆動する電流発生装置(22)と、を備え、
前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)を、前記吸着機構を用いて検査対象物(m)の表面に当て、この検査対象物(m)と液体充填筒部(5)から形成された空間に液体を充填し、前記液体充填筒部(5)内に液体を充填した状態で前記磁歪センサ(4)を、前記電流発生装置(22)で駆動し、発生させた弾性波を、この充填した液体を発信プローブとして該検査対象物(m)内に入力し、
検査対象物(m)の表面に当てた前記液体充填筒部(5)内の液体を受信プローブとして、該検査対象物(m)で伝播した弾性波を前記受信センサ(3)で受信するように構成した、ことを特徴とする。
検査対象物(m)の表面に、磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)の一部を底部から突出させた、一部がベローズ(19)から成る有底筒形状の液体充填筒部(5)と、該液体充填筒部(5)に形成された、検査対象物(m)に水密状に当てるカップ部(6)とから成り、該カップ部(6)が首振り可能、かつ伸縮自在に形成されたウォーターチャンバー(7)を当て、
検査対象物(m)と前記液体充填筒部(5)から形成された空間に液体を充填した状態で、前記磁歪センサ(4)を駆動し、発生させた弾性波を、この充填した液体を発信プローブとして該検査対象物(m)内に入力し、
検査対象物(m)の表面に当てた前記液体充填筒部(5)内の液体を受信プローブとして、該検査対象物(m)で伝播した弾性波を、前記磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)を受振子として機能させる受信センサ(3)で受信し、
受信した弾性波について、反射エコー、弾性波の周波数、位相それぞれを分析し、検査対象物(m)内部の欠陥、背面空洞の有無、その欠陥の位置までの距離を測定する、ことを特徴とする。
前記弾性波の周波数は、20KHz以下で超音波域より低い周波数域を使用する。
検査対象物(m)の表面に、磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)の一部を底部から突出させた、一部がベローズ(19)から成る有底筒形状の液体充填筒部(5)と、該液体充填筒部(5)に形成された、検査対象物(m)に水密状に当てるカップ部(6)とから成り、該カップ部(6)が首振り可能、かつ伸縮自在に形成されたウォーターチャンバー(7)を当て、
検査対象物(m)と前記液体充填筒部(5)から形成された空間に液体を充填した状態で、前記磁歪センサ(4)を駆動し、発生させた弾性波を、この充填した液体を発信プローブとして該検査対象物(m)内に入力し、
検査対象物(m)の表面に当てた前記液体充填筒部(5)内の液体を受信プローブとして、該検査対象物(m)で伝播した弾性波を、前記磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)を受振子として機能させる受信センサ(3)で受信し、
受信した弾性波について、その到達時間、波形、周波数、位相それぞれの変化を測定位置で読み取り、欠陥を検出する、ことを特徴とする。
前記弾性波の周波数は20KHz以上の超音波域を使用する。
<弾性波送受信プローブを用いた測定装置の構成>
図1は本発明の弾性波送受信プローブを用いた測定装置を示す正面図である。図2は本発明の弾性波送受信プローブを用いた測定装置を示す背面図である。
本発明の弾性波送受信プローブ1は、発振子として機能する強磁性体コア2と、この強磁性体コア2を受振子として機能させる受信センサ3とから成る磁歪センサ4と、この強磁性体コア2の一部を底部から突出させた有底筒形状の液体充填筒部5と、液体充填筒部5の開口側に形成されたカップ部6とから構成されたウォーターチャンバー7とを備えた送受信プローブである。ウォーターチャンバー7は、カップ部6を検査対象物mに水密にして当て、この液体充填筒部5内に水などの液体を充填した状態で使用する。
なお、図示例の位置調節機構14は水平方向(xy軸方向)の角度を調節する構成である。これに上下方向(伏角・仰角)への角度を調節する構成を加えて良い。より精緻に位置調節が可能になる。
図3は本発明の弾性波送受信プローブ部分を断面にした状態を示す測定装置の側面図である。図4はウォーターチャンバーの実施例を示し、(a)は平断面図、(b)は側断面図である。
ウォーターチャンバー7は、磁歪センサ4の強磁性体コア2の一部を底部から突出させた有底筒形状の液体充填筒部5と、液体充填筒部5に形成された、検査対象物mに水密状に当てるカップ部6とから成るものである。ウォーターチャンバー7は、磁歪センサ4と共に箱型のホルダー16に収容されている。
また、ベローズ19は伸縮が自在になり、検査対象物m表面と磁歪センサ4(強磁性体コア2)先端との間隔を調整することができる。
図5は磁歪センサの実施例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
ウォーターチャンバー7の液体充填筒部5内の液体を駆動させる磁歪センサ4は、発振子として機能させる導線21が巻回された強磁性体コア2と、強磁性体コア2を受振子として機能させる受信センサ3とから構成されている。図示例の強磁性体コア2は、細長い略コの字型のエレメントを複数枚に積層したものである。各エレメントの間はポリイミド樹脂等の絶縁材により絶縁処理している。積層したエレメント即ち強磁性体コア2の各脚部2aには、それぞれ導線21を巻回してある。
図6はウォーターチャンバー内に水を充填した状態を示す側断面図である。水はグレー部分で表示している。
ウォーターチャンバー7のカップ部6には、液体を注入する注入口6aと、液体を排出する排出口6bをそれぞれ具備している。この注入口6aから水などの液体を注入し、検査対象物mと液体充填筒部5から形成された空間に液体が常時充填されるようにする。なお、余分な液体は排出口6bから排出することで、水圧によりカップ部6(シールパッキン20)と検査対象物mとの接触面から液体が漏れないになっている。このときは内部の液体に気泡が入らないようにする。
なお、一旦検査対象物mと液体充填筒部5から形成された空間に液体を注入した後は、サイホンの原理を利用して、常にこの空間内に液体が充填されるように構成することもできる。
また、検査対象物mと液体充填筒部5から形成された空間に充填する液体には水を利用したが、非圧縮性流体としての特性を有するものであれば、この水以外のものでも利用できる。
同様に、検査対象物mからの弾性波について、ウォーターチャンバー7の液体(水)を受信プローブとして受信センサ3で受信する。
図7は本発明の弾性波送受信プローブを駆動させる状態を示す概略構成図である。
本発明の弾性波送受信プローブ1を衝撃弾性波法の測定に利用する方法について説明する。
先ず、検査対象物mの表面に、ウォーターチャンバー7のカップ部6を検査対象物mの表面に当てる。
この検査対象物mと液体充填筒部5から形成された空間に液体を充填する。
液体充填筒部5内に液体を充填した状態で、パルス電流等の電流発生装置22を用いて磁歪センサ4の強磁性体コア2に巻き付けた導線21に、所定電圧の電流を流す。これにより強磁性体コア2が磁化され、この磁化する過程において、強磁性体コア2の結晶は磁化方向に歪む(磁歪現)。強磁性体コア2が歪むことにより、磁歪センサ4が駆動し、弾性波が発生する。
この弾性波が非圧縮性流体の水を発信子として駆動させ、コンクリート構造物(検査対象物m)の表面に衝撃を与える。これによりコンクリート構造物中へ弾性波が入力される。
本発明の弾性波送受信プローブ1を超音波法の測定に利用する方法について説明する。
先ず、検査対象物mの表面に、ウォーターチャンバー7のカップ部6を検査対象物mの表面に当てる。
この検査対象物mと液体充填筒部5から形成された空間に液体を充填する。
液体充填筒部5内に液体を充填した状態で、この状態で、パルス電流等の電流発生装置22を用いて磁歪センサ4の強磁性体コア2に巻き付けた導線21に、所定電圧の電流を流す。これにより強磁性体コア2が磁化され、この磁化する過程において、強磁性体コア2の結晶は磁化方向に歪む(磁歪現)。強磁性体コア2が歪むことにより、磁歪センサ4が駆動し、弾性波が発生する。
この弾性波が非圧縮性流体の水を発信子として駆動させ、コンクリート構造物(検査対象物m)の表面に衝撃を与える。これによりコンクリート構造物中へ弾性波が入力される。
次に、本発明の弾性波送受信プローブ1の弾性波に関する物性の1つである弾性波伝搬速度について測定した結果を示す。
パルス電流発生装置22により磁歪センサ4の導線21に、印加電圧が150V、パルス幅が5μsの電流を流して動作させた。ピーク値(絶対値):15Aの電流を流し、強磁性体コア2の表面に貼付けた加速度センサ(図示せず)により、磁歪現象により生じる振動の計測を行った。加速度センサは、図示していないが、例えばシアノアクリレートを主成分とした接着剤により強磁性体コア2の表面に貼付けている。使用した加速度センサの周波数応答(±3dB)は、0.2〜20000Hzである。加速度センサで受信した信号は、サンプリング時間間隔0.05μs、サンプリング数200000個でデジタル化した後、波形収集装置に電圧の時刻歴応答波形として記録した。測定ごとのばらつきを把握するため、測定回数は10回に設定した。
図8は測定時にモニタリングした電流波形と加速度センサで受信した時刻歴波形を加速度に変換した振動波形を示すグラフであり、(a)は電流波形、(b)は磁歪センサの振動波形である。
ここで、図8(b)に示す加速度波形、すなわち磁歪センサ4の振動波形に着目する。先ず、縦軸の最大加速度は、約80Gと極めて大きい値になっていることが確認できる。一方、横軸の時間は、長時間(約1500μs)に渡って磁歪センサ4の振動が継続していることがわかる。
続いて、導線21に電流を流し始めた時刻、磁歪現象により磁歪センサ4が振動を開始する時刻及び両者の時刻の差(タイムラグ)の確認をした。図示するように、電流波形の立ち下がり時刻から数μs経過した後に磁歪センサ4が振動していることが確認できる。このタイムラグを算出するため、電流波形の立ち下がり及び磁歪センサ4の振動波形の立ち上がり時刻を所定の方法で求めた。
磁歪センサ4の振動成分の把握を試みた。図示するように、周波数スペクトルは、加速度波形の平均値を算出し、加速度波形の各振幅値からこの平均値を差し引き、直流成分を除去した時刻歴波形に対してFFTを行ったものである。図より、17kHzと18kHzに、単独の鋭いピークが出現していることが確認できる。なお、10回測定した加速度波形から算出した全ての周波数スペクトルにおいて、17kHzおよび18kHzに単独のピークが出現しており、再現性は極めて高かった。これより、磁歪センサ4の振動としては図9に示す周波数特性を有しており、このような特性を有する弾性波をコンクリート中へ入力しているものと推察できる。
図11は弾性波伝搬速度を測定するためのコンクリートの供試体の概要を示す概略斜視図である。
弾性波伝搬速度を測定するためのコンクリートの供試体31は、高さ1000mm×幅300mm×奥行き1000mmのコンクリート製のものを2本使用した。各供試体31においても、コンクリート表面(高さ1000mm×奥行き1000mm)から深さ50mmの位置に、外形63mmのスパイラルシース32を1本埋設した。また、いずれのスパイラルシース32の内部にも、呼び径32mmのPC鋼棒33を挿入した。スパイラルシース32に対して、PCグラウトを完全に充填したもの(充填供試体)と充填していないもの(未充填供試体)をそれぞれ作製した。なお、弾性波伝搬速度の測定は、図示するように、いずれの供試体31においても、スパイラルシース32が埋設されていないコンクリートのみの箇所で行った。
測定は、充填供試体31および未充填供試体31のスパイラルシース32が設置されていないコンクリート部分でそれぞれ実施した。本発明の弾性波送受信プローブ1は、図12に示すように、スパイラルシース32のかぶり50mm側のコンクリート表面(高さ1000mm×奥行き1000mm)にエアーコンプレッサーを使用して吸着させた。
図12は未充填供試体のコンクリート部分において計測した際のコンクリート表面に貼付けた加速度センサで受信した時刻歴波形を加速度に変換した波形を示すグラフであり、(a)は電流波形、(b)は加速度センサの振動波形である。
図12と図8(b)に示す加速度波形における最大加速度を比較すると、コンクリート表面で受信した最大加速度が、磁歪センサ表面で受信したそれよりも1.5倍程度大きくなった。
図示するように、AICkが最小値を示す時刻が、加速度センサで受信した波形の立ち上がり時刻に一致していることがわかる。この結果と上述したタイムラグ(導線21に電流を流し始めた時刻と磁歪現象により本発明の弾性波送受信プローブ1(磁歪センサ4)が振動を開始する時刻の差)から、コンクリートの弾性波伝搬速度を算出した。この算出式は数2に示すものである。なお、厳密には、水の弾性波伝搬速度も考慮してコンクリートの弾性波伝搬速度を算出する必要があるが、水が振動する部分の厚さ(磁歪センサ4とコンクリート表面との距離)がいずれの計測でも5mmと一定かつ極めて小さいため、ここではこの影響を無視して計算した。
図14に、充填供試体31および未充填供試体31で得られた弾性波伝搬速度の10 回の平均値をそれぞれ示す。また、図中には、各供試体で得られた弾性波伝搬速度の最大値と最小値をエラーバーで併せて示している。図より、両供試体ともにばらつき(ここでは、最大値から最小値を引いたものと定義)は100m/s程度と小さく、平均値の差も約80m/sと小さい。しかも、各供試体31で得られた弾性波伝搬速度の全ての値は、衝撃弾性波法や超音波法などのその他の弾性波法で測定したコンクリートの弾性波伝搬速度と概ね同程度の値であることも確認できる。
このように、本発明の弾性波送受信プローブ1は、 コンクリート中に弾性波を入力できることが裏付けられ、かつ、弾性波伝搬速度の測定も可能であることが明らかとなった。
次に、上述した充填供試体31及び未充填供試体31を用いてPCグラウト充填状況の評価への適用について試験した。
測定は、図11に示したように、充填供試体31および未充填供試体31のいずれの場合においても、シース上でそれぞれ計測を行った。本発明の弾性波送受信プローブ1の磁歪センサ4は、シース上のかぶり50mm側のコンクリート表面に設置した。加速度センサは、本発明の弾性波送受信プローブ1(磁歪センサ4)を設置したコンクリート表面と対向する面に、磁歪センサ4と加速度センサの両センサの中心が一致するように設置した。パルス電流発生装置の設定(電圧、パルス幅、電流)、加速度センサの仕様、加速度センサの固定方法、波形収集装置の設定(サンプリング時間間隔、サンプリング数など)は、上述したものと全て同じである。なお、ここでも測定ごとのばらつきを把握することを目的に、測定回数は10回に設定した。
図15は充填供試体および未充填供試体のシース上で得られた弾性波伝搬速度の10回の平均値をそれぞれ示すグラフである。
図15に、充填供試体および未充填供試体のシース上で得られた弾性波伝搬速度の10回の平均値をそれぞれ示す。図示するように弾性波伝搬速度は、数1の数式に基づき電流波形の立ち下がりおよび加速度センサで受信した波形の立ち上がり時刻を推定し、それらの結果とタイムラグの値を数2の数式にそれぞれ代入することにより算出した。図中には、各供試体で得られた弾性波伝搬速度の最大値と最小値をエラーバーでそれぞれ示している。
2 強磁性体コア
3 受信センサ
4 磁歪センサ
5 液体充填筒部
6 カップ部
6a 注入口
6b 排出口
7 ウォーターチャンバー
10 吸着パッド
14 位置調節機構
15 調節子
21 導線
22 電流発生装置
m 検査対象物
Claims (8)
- 検査対象物(m)に弾性波を入力し、該検査対象物(m)において伝播した弾性波を受信して非破壊試験をする際に用いる弾性波送受信プローブ(1)であって、
発振子として機能させる導線(21)が巻回された強磁性体コア(2)と、該強磁性体コア(2)を受振子として機能させる受信センサ(3)とから成る磁歪センサ(4)と、
前記磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)の一部を底部から突出させた、一部がベローズ(19)から成る有底筒形状の液体充填筒部(5)と、該液体充填筒部(5)に形成された、検査対象物(m)に水密状に当てるカップ部(6)とから成り、該カップ部(6)が首振り可能、かつ伸縮自在に形成されたウォーターチャンバー(7)と、を備え、
前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)を検査対象物(m)の表面に当て、この検査対象物(m)と前記液体充填筒部(5)から形成された空間に液体を充填し、該液体充填筒部(5)内に液体を充填した状態で前記磁歪センサ(4)を駆動し、発生させた弾性波を、この充填した液体を発信プローブとして該検査対象物(m)内に入力し、
検査対象物(m)の表面に当てた前記液体充填筒部(5)内の液体を受信プローブとして、該検査対象物(m)で伝播した弾性波を前記受信センサ(3)で受信するように構成した、ことを特徴とする弾性波送受信プローブ。 - 前記ウォーターチャンバー(7)は、前記カップ部(6)に液体を注入する注入口(6a)と、液体を排出する排出口(6b)をそれぞれ具備したものである、ことを特徴とする請求項1に記載の弾性波送受信プローブ。
- 検査対象物(m)について、弾性波を利用して非破壊試験をする弾性波送受信プローブを用いた測定装置であって、
発振子として機能させる導線(21)が巻回された強磁性体コア(2)と、該強磁性体コア(2)を受振子として機能させる受信センサ(3)とから成る磁歪センサ(4)と、
前記磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)の一部を底部から突出させた有底筒形状の液体充填筒部(5)と、該液体充填筒部(5)に形成された、検査対象物(m)に水密状に当てるカップ部(6)とから成るウォーターチャンバー(7)と、
前記磁歪センサ(4)と前記ウォーターチャンバー(7)とを収容する有底筒形状のホルダー(16)と、
前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)を検査対象物(m)に当てる吸着機構と、
検査対象物(m)の表面に接する2個の調節子(15)が、前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)を支持する前記ホルダー(16)と共に可動し、該ウォーターチャンバー(7)が検査対象物(m)の表面に接する角度を可変する位置調節機構(14)と、
前記磁歪センサ(4)を駆動する電流発生装置(22)と、を備え、
前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)を、前記吸着機構を用いて検査対象物(m)の表面に当て、この検査対象物(m)と液体充填筒部(5)から形成された空間に液体を充填し、前記液体充填筒部(5)内に液体を充填した状態で前記磁歪センサ(4)を、前記電流発生装置(22)で駆動し、発生させた弾性波を、この充填した液体を発信プローブとして該検査対象物(m)内に入力し、
検査対象物(m)の表面に当てた前記液体充填筒部(5)内の液体を受信プローブとして、該検査対象物(m)で伝播した弾性波を前記受信センサ(3)で受信するように構成した、ことを特徴とする弾性波送受信プローブを用いた測定装置。 - 前記吸着機構は、前記ウォーターチャンバー(7)のカップ部(6)の周囲に複数の吸着パッド(10)が取り付けられたものである、ことを特徴とする請求項3に記載の弾性波送受信プローブを用いた測定装置。
- 検査対象物(m)について、弾性波を利用して非破壊試験をする弾性波送受信プローブ(1)を用いた測定方法であって、
検査対象物(m)の表面に、磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)の一部を底部から突出させた、一部がベローズ(19)から成る有底筒形状の液体充填筒部(5)と、該液体充填筒部(5)に形成された、検査対象物(m)に水密状に当てるカップ部(6)とから成り、該カップ部(6)が首振り可能、かつ伸縮自在に形成されたウォーターチャンバー(7)を当て、
検査対象物(m)と前記液体充填筒部(5)から形成された空間に液体を充填した状態で、前記磁歪センサ(4)を駆動し、発生させた弾性波を、この充填した液体を発信プローブとして該検査対象物(m)内に入力し、
検査対象物(m)の表面に当てた前記液体充填筒部(5)内の液体を受信プローブとして、該検査対象物(m)で伝播した弾性波を、前記磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)を受振子として機能させる受信センサ(3)で受信し、
受信した弾性波について、反射エコー、弾性波の周波数、位相それぞれを分析し、検査対象物(m)内部の欠陥、背面空洞の有無、その欠陥の位置までの距離を測定する、ことを特徴とする弾性波送受信プローブを用いた測定方法。 - 前記弾性波の周波数は、20KHz以下で超音波域より低い周波数域を使用する、ことを特徴とする請求項5に記載の弾性波送受信プローブを用いた測定方法。
- 検査対象物(m)について、弾性波を利用して非破壊試験をする弾性波送受信プローブ(1)を用いた測定方法であって、
検査対象物(m)の表面に、磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)の一部を底部から突出させた、一部がベローズ(19)から成る有底筒形状の液体充填筒部(5)と、該液体充填筒部(5)に形成された、検査対象物(m)に水密状に当てるカップ部(6)とから成り、該カップ部(6)が首振り可能、かつ伸縮自在に形成されたウォーターチャンバー(7)を当て、
検査対象物(m)と前記液体充填筒部(5)から形成された空間に液体を充填した状態で、前記磁歪センサ(4)を駆動し、発生させた弾性波を、この充填した液体を発信プローブとして該検査対象物(m)内に入力し、
検査対象物(m)の表面に当てた前記液体充填筒部(5)内の液体を受信プローブとして、該検査対象物(m)で伝播した弾性波を、前記磁歪センサ(4)の強磁性体コア(2)を受振子として機能させる受信センサ(3)で受信し、
受信した弾性波について、その到達時間、波形、周波数、位相それぞれの変化を測定位置で読み取り、欠陥を検出する、ことを特徴とする弾性波送受信プローブを用いた測定方法。 - 前記弾性波の周波数は20KHz以上の超音波域を使用する、ことを特徴とする請求項7に記載の弾性波送受信プローブを用いた測定方法。
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