JP6834230B2 - バリア性フィルム - Google Patents
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Description
特許文献2には、プラスチックフィルム基材/CVDによる下地層/原子層堆積法によるガスバリア層という構成のガスバリア性積層体が提案されている。
特許文献3には、基材/PVD層/原子層堆積法による層/ポリシラザン層という構成のガスバリア性フィルムにより、高温高湿時のバリア性低下を抑制することが提案されている。
特許文献4には、基材/密着層(アクリル樹脂とテトラエトキシシランの加水分解物)/原子層堆積法によるセラミック膜/保護層(加水分解物)という構成のガスバリアフィルムが提案されている。
特許文献1に記載のガスバリアフィルムにおける保護層ではドライ成膜によるバリア層に比べてバリア性が低いため、原子層堆積法による層を保護する層としては不十分であった。また、加水分解物のエージングは通常3日から5日間程度の時間がかかるため、リードタイムが長くなる欠点があった。
特許文献2に記載のガスバリア性積層体では、原子層堆積法による層が保護されておらず、高温高湿や接触により劣化し易かった。
特許文献3に記載のガスバリア性フィルムを製造するためには、少なくとも3種類の膜を成膜できる設備が必要となり高コストになる懸念があった。また、実施例では基材にブリードウト防止層と平滑層をさらに設けていることから、所望の性能を得るために実質的には基材上に5層設ける必要があった。
特許文献4に記載のガスバリアフィルムでは、加水分解物のエージングに通常3日から5日間程度の時間がかかるため、リードタイムが長くなる欠点があった。
したがって、依然として、透明性に優れ、かつ耐湿耐熱性および耐候性に優れたバリア性フィルムが要望されている。
樹脂基材と、第1の化学気相蒸着層と、原子層堆積膜と、第2の化学気相蒸着層とをこの順に備えるバリア性フィルムであって、
前記第1の化学気相蒸着層が、ケイ素および酸素を含み、
前記原子層堆積膜が、アルミニウムおよび酸素を含み、
前記第2の化学気相蒸着層が、ケイ素および酸素を含む、バリア性フィルムが提供される。
本発明によるバリア性フィルムは、樹脂基材と、第1の化学気相蒸着層と、原子層堆積膜と、第2の化学気相蒸着層とをこの順に備えるバリア性フィルムである。バリア性フィルムは、樹脂基材と第1の化学気相蒸着層との間に、第3の化学気相蒸着層をさらに備えても良い。
本発明によるバリア性フィルムを構成する樹脂基材としては、下記の化学気相蒸着層を担持できるものであれば特に限定されず、公知の種々の樹脂基材を用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。
本発明によるバリア性フィルムを構成する原子層堆積膜は、原子層堆積法(ALD法)により形成される無機酸化物の膜である。
本発明によるバリア性フィルムを構成する化学気相蒸着層は、化学気相成長法(CVD法)により形成される蒸着膜である。本発明において、化学気相蒸着層は、物理気相成長法(PVD法)により得られる蒸着膜に比べて、厚膜な蒸着層を形成し易く、また屈曲性に優れるため、バリア性フィルムの蒸着層としてより好適である。
また、第1および第2の化学気相蒸着層は、ケイ素、酸素、炭素、および窒素の4元素の合計100%に対して、窒素の割合が、好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.5%以下である。第1および第2の化学気相蒸着層中の窒素の割合が低いことで、屈折率を低く抑えることができる。
第3の化学気相蒸着層の厚さは、好ましくは10nm以上500nm以下であり、より好ましくは30nm以上300nm以下であり、さらに好ましくは50nm以上200nm以下である。
上記のような厚さの化学気相蒸着層を備えることで、バリア性フィルムは、高温高湿環境下での保存後であっても水蒸気バリア性に優れる。化学気相蒸着層の厚さは、CVD法による蒸着の際の成膜時間もしくはフィルム搬送速度を調節することで、所望の範囲に調節することができる。
バリア性フィルムが、樹脂基材上に易接着層を備えていてもよい。但し、耐湿耐熱性の観点から、樹脂基材上に易接着層を備える場合、第1の化学気相蒸着層が易接着層上に直接設けられていないことが好ましい。また、耐湿耐熱性の観点から、樹脂基材の少なくとも一方の面上に、易滑剤を含む層が設けられていないことが好ましい。
本発明によるバリア性フィルムの製造方法において、化学気相蒸着層は、以下のようにして形成することができる。樹脂基材上に、有機珪素化合物の1種以上を含む成膜用モノマーガスを原料とし、キャリアガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、かつ、プラズマ発生装置等を利用するプラズマ化学気相成長法を用いて珪素酸化物を含む第1〜第3の化学気相蒸着層を形成することができる。
本発明によるバリア性フィルムは、高度なバリア性を要求される様々な分野の製品に適用することができる。例えば、包装製品や、太陽電池、有機発光ダイオード、および表示装置等の電気・電子製品に用いることができる。
本発明によるバリア性フィルムは、包装材料として好適に用いることができる。例えば、医薬品、化粧品、化学品、飲食品等の用途に用いることができる。バリア性フィルムは、透明性に優れ、かつ高温高湿環境下での保存後であっても水蒸気バリア性に優れたものであるため、内容物の視認性や高度な水蒸気バリア性が要求される、包装材料として好適に用いることができる。
本発明によるバリア性フィルムは、電気・電子製品の基材・カバー材として特に好適に用いることができる。例えば、有機太陽電池、有機発光ダイオードに用いることができる。バリア性フィルムは、透明性に優れ、かつ高温高湿環境下や紫外線が照射される環境下の保存後であっても、水蒸気バリア性に優れたものであるため、光の透過性や高度な水蒸気バリア性が要求される、電気・電子製品の基材・カバー材として特に好適に用いることができる。
[実施例1]
(フィルム層構成:PET/CVD−A/ALD/CVD−A)
樹脂基材として二軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製:A4100、厚さ50μm、片面に易接着層有り)を用意した。該PETフィルムの易接着層の無い面上に、下記の条件Aで第1の化学気相蒸着層、下記の条件で原子層堆積膜、下記の条件Aで第2の化学気相蒸着層をこの順に成膜して、バリア性フィルムを得た。
第1〜第3の化学気相蒸着層の成膜には、平行平板型の電極構造を有するプラズマCVD装置(アネルバ製、型番:PED−401)を使用した。上部電極と下部電極の距離は28mmとした。直径325mmの下部電極に40kHzの高周波電力が投入されるように設計している。また下部電極はチラーにより温度設定が可能である。上部電極はガスを導入するためシャワーヘッドになっている。成膜に用いる原料を導入するためのバブラーを設置し、ウォーターバスにより温度を設定できるようにした。バブラーからニードルバルブを介して、プラズマCVD装置内にガス化した原料が導入される。ニードルバルブの調整によりバブラーの圧力を変更できる。
樹脂基材をプラズマCVD装置の真空チャンバーに入れ、下部電極上に設置した。また、膜厚を測定するため、表面が鏡面加工されたシリコンウエハを一部マスキングした状態で樹脂フィルム上の一部に設置した。下部電極の温度は18℃とした。チャンバーを閉めて1Pa以下まで減圧したあと、Arガスをキャリアガスとし、バブリングにより、原料のHMDSOをプラズマCVD装置の真空チャンバー内に供給した。Arガスの流量を3sccm、バブラーの温度を30℃、バブラーの圧力を160Torrとした。このときHMDSOの流量は、1.5sccmと算出された。別途、酸素ガスを50sccm供給し、Arガス及びHMDSOと混合した上で真空チャンバー内に導入した。排気量を調整して真空チャンバー内の圧力を15Paに調整したのち、放電電力を100Wとし、成膜を行った。成膜時間は5分間とした。成膜時間経過後放電を止めて、1Pa以下まで減圧したのちベントして大気圧に戻した。
樹脂基材の第1の化学気相蒸着層上に原子層堆積法でAlOx膜を成膜した。この際、原料ガスはTMA(トリメチルアルミニウム)、パージガスとしてAr、反応ガスとして酸素を用いた。原子層堆積用の成膜装置に基材を入れステージに設置した。膜厚を測定するため、表面が鏡面加工されたシリコンウエハを一部マスキングした状態で基材上の一部に設置した。基材設置後に1Paまで減圧した。成膜は各ガスの導入を切り替えて、1.TMA0.5秒、2.Ar4秒、3.酸素1秒、うち放電0.5秒、4.Ar4秒を1サイクルとして125サイクル実施した。なお、成膜時のステージの設定温度は80℃、成膜時の圧力は100Pa、使用した電源の周波数は13.56MHzである。成膜後1Paまで減圧したのちベントして大気に戻した。
(フィルム層構成:PET/CVD−D/CVD−A/ALD/CVD−A)
樹脂基材として二軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製:A4100、厚さ50μm、片面に易接着層有り)を用意した。該PETフィルムの易接着層の無い面上に、下記の条件Dで第3の化学気相蒸着層を成膜した。続いて、実施例1と同様の条件で第1の化学気相蒸着層、原子層堆積膜、第2の化学気相蒸着層をこの順に成膜して、バリア性フィルムを得た。
成膜する基材をプラズマCVD装置の真空チャンバーに入れ、下部電極上に設置した。また、膜厚を測定するため、表面が鏡面加工されたシリコンウエハを一部マスキングした状態で基材上の一部に設置した。下部電極の温度は18℃とした。チャンバーを閉めて1Pa以下まで減圧したあと、Arガスをキャリアガスとし、バブリングにより、原料のHMDSOをプラズマCVD装置の真空チャンバー内に供給した。Arガスの流量を50sccm、バブラーの温度を39℃、バブラーの圧力を160Torrとした。このときHMDSOの流量は、51.5sccmと算出された。別途、酸素ガスを50sccm供給し、Arガス及びHMDSOと混合した上で真空チャンバー内に導入した。排気量を調整して真空チャンバー内の圧力を20Paに調整したのち、放電電力を100Wとし、成膜を行った。成膜時間は30秒とした。成膜時間経過後放電を止めて、1Pa以下まで減圧したのちベントして大気圧に戻した。膜厚測定の便宜上、大気圧に戻しているが、基材を真空チャンバー内に設置したままで、第1の化学気相蒸着層を成膜することもできる。
(フィルム層構成:PET/CVD−B/ALD/CVD−B)
樹脂基材として二軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製:A4100、厚さ50μm、片面に易接着層有り)を用意した。該PETフィルムの易接着層の無い面上に、下記の条件Bで第1の化学気相蒸着層、実施例1の条件で原子層堆積膜、下記の条件Bで第2の化学気相蒸着層をこの順に成膜して、バリア性フィルムを得た。
樹脂基材をプラズマCVD装置の真空チャンバーに入れ、下部電極上に設置した。また、膜厚を測定するため、表面が鏡面加工されたシリコンウエハを一部マスキングした状態で樹脂フィルム上の一部に設置した。下部電極の温度は18℃とした。チャンバーを閉めて1Pa以下まで減圧したあと、Arガスをキャリアガスとし、バブリングにより、原料のHMDSOをプラズマCVD装置の真空チャンバー内に供給した。Arガスの流量を3sccm、バブラーの温度を30℃、バブラーの圧力を160Torrとした。このときHMDSOの流量は、1.5sccmと算出された。別途、酸素ガスを50sccm供給し、Arガス及びHMDSOと混合した上で真空チャンバー内に導入した。排気量を調整して真空チャンバー内の圧力を17Paに調整したのち、放電電力を100Wとし、成膜を行った。成膜時間は5分間とした。成膜時間経過後放電を止めて、1Pa以下まで減圧したのちベントして大気圧に戻した。
(フィルム層構成:PET/CVD−E/CVD−C/ALD/CVD−C)
樹脂基材として二軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製:A4100、厚さ50μm、片面に易接着層有り)を用意した。該PETフィルムの易接着層の無い面上に、下記の条件Eで第3の化学気相蒸着層を成膜した。続いて、下記の条件Cで第1の化学気相蒸着層、実施例1の条件で原子層堆積膜、下記の条件Cで第2の化学気相蒸着層をこの順に成膜して、バリア性フィルムを得た。
成膜する基材をプラズマCVD装置の真空チャンバーに入れ、下部電極上に設置した。また、膜厚を測定するため、表面が鏡面加工されたシリコンウエハを一部マスキングした状態で基材上の一部に設置した。下部電極の温度は18℃とした。チャンバーを閉めて1Pa以下まで減圧したあと、Arガスをキャリアガスとし、バブリングにより、原料のHMDSOをプラズマCVD装置の真空チャンバー内に供給した。Arガスの流量を50sccm、バブラーの温度を39℃、バブラーの圧力を160Torrとした。このときHMDSOの流量は、51.5sccmと算出された。排気量を調整して真空チャンバー内の圧力を20Paに調整したのち、放電電力を100Wとし、成膜を行った。成膜時間は15秒とした。成膜時間経過後放電を止めて、1Pa以下まで減圧したのちベントして大気圧に戻した。
樹脂基材をプラズマCVD装置の真空チャンバーに入れ、下部電極上に設置した。また、膜厚を測定するため、表面が鏡面加工されたシリコンウエハを一部マスキングした状態で樹脂フィルム上の一部に設置した。下部電極の温度は18℃とした。チャンバーを閉めて1Pa以下まで減圧したあと、Arガスをキャリアガスとし、バブリングにより、原料のHMDSOをプラズマCVD装置の真空チャンバー内に供給した。Arガスの流量を3sccm、バブラーの温度を30℃、バブラーの圧力を160Torrとした。このときHMDSOの流量は、1.5sccmと算出された。別途、酸素ガスを10sccm供給し、Arガス及びHMDSOと混合した上で真空チャンバー内に導入した。排気量を調整して真空チャンバー内の圧力を15Paに調整したのち、放電電力を100Wとし、成膜を行った。成膜時間は5分間とした。成膜時間経過後放電を止めて、1Pa以下まで減圧したのちベントして大気圧に戻した。
(フィルム層構成:PET/CVD−F/CVD−B/ALD/CVD−A)
樹脂基材として二軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製:A4100、厚さ50μm、片面に易接着層有り)を用意した。該PETフィルムの易接着層の無い面上に、下記の条件Fで第3の化学気相蒸着層を成膜した。続いて、実施例2の条件Bで第1の化学気相蒸着層、実施例1の条件で原子層堆積膜、実施例1の条件Aで第2の化学気相蒸着層をこの順に成膜して、バリア性フィルムを得た。
成膜する基材をプラズマCVD装置の真空チャンバーに入れ、下部電極上に設置した。また、膜厚を測定するため、表面が鏡面加工されたシリコンウエハを一部マスキングした状態で基材上の一部に設置した。下部電極の温度は18℃とした。チャンバーを閉めて1Pa以下まで減圧したあと、Arガスをキャリアガスとし、バブリングにより、原料のHMDSOをプラズマCVD装置の真空チャンバー内に供給した。Arガスの流量を50sccm、バブラーの温度を39℃、バブラーの圧力を160Torrとした。このときHMDSOの流量は、51.5sccmと算出された。別途、酸素ガスを50sccm供給し、Arガス及びHMDSOと混合した上で真空チャンバー内に導入した。排気量を調整して真空チャンバー内の圧力を23Paに調整したのち、放電電力を20Wとし、成膜を行った。成膜時間は5分とした。成膜時間経過後放電を止めて、1Pa以下まで減圧したのちベントして大気圧に戻した。
(フィルム層構成:PEN/ALD)
樹脂基材としてPENフィルム(帝人(株)製、Q65HA、厚み125μm)を用意した。該PENフィルムの易接着層のある面上に、実施例1と同様の条件で原子層堆積膜のみを成膜して、バリア性フィルムを得た。
(フィルム層構成:PET/ALD)
樹脂基材として二軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製:A4100、厚さ50μm、片面に易接着層有り)を用意した。該PETフィルムの易接着層の無い面上に、実施例1と同様の条件で原子層堆積膜のみを成膜して、バリア性フィルムを得た。
上記の実施例および比較例で製造したバリア性フィルムに下記の測定を行った。
バリア性フィルムのバリア性として水蒸気透過率(WVTR)を測定した。
WVTRが0.1g/m2/day以上のサンプルは、MOCON社製PERMATRAN−W 3/31を用いて、40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
WVTRが0.1g/m2/day未満のサンプルは、Technolox社製DELTAPERMを用いて、ISO 15106−5に準拠して、40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
バリア性フィルムを85℃85%RHで120時間保管した後に、上記のバリア性の測定を行った。
キセノンウエザーオーメーター(ATLAS社製Xenon Weather−Ometer Ci5000)を使用して、ISO 4892−2に基づく条件で、バリア面側から120時間の照射試験を実施した後に、上記のバリア性の測定を行った。
バリア性フィルムの膜厚は、シリコンウエハ上に形成された化学気相蒸着層または原子層堆積膜の存在する部分と存在しない部分の段差を小阪研究所製サーフコーダET4000Lにて測定することで確認した。
全光線透過率(Tt)は、ヘーズメーター(村上色彩技術研究所製HM−150)でJIS K7361に準拠して測定した。
ヘーズ(HAZE)は、ヘーズメーター(村上色彩技術研究所製HM−150)でJIS K7136に準拠して測定した。
X線光電子分光分析装置(KRATOS社製ESCA−3400)を用いて、X線銃:MgKα、20mA、10kVの条件で、元素組成を分析した。深さ方向の組成を確認する際のイオンスパッタ条件は、0.3kV、30mAとして、スパッタする時間を制御して各深さの元素組成を分析した。
・CVD−Aの組成 Si:O:C=33.4:65.7:0.9
・CVD−Bの組成 Si:O:C=33.3:65.6:1.1
・CVD−Cの組成 Si:O:C=32.4:60.7:6.9
・CVD−Dの組成 Si:O:C=30.2:47.0:22.8
・CVD−Eの組成 Si:O:C=28.6:40.3:31.1
・CVD−Fの組成 Si:O:C=32.4:43.1:24.5
・ALDの組成 Al:O:C=36.5:60.1:3.4
なお、第1〜第3の化学気相蒸着層において、ケイ素、酸素、炭素、および窒素の4元素の合計100%に対して、窒素の割合は0.4%であった。
また、原子層堆積膜において、アルミニウム、酸素、炭素、および窒素の4元素の合計100%に対して、窒素の割合は0.5%であった。
11 樹脂基材
12 第1の化学気相蒸着層
13 原子層堆積膜
14 第2の化学気相蒸着層
15 第3の化学気相蒸着層
Claims (9)
- 樹脂基材と、第1の化学気相蒸着層と、原子層堆積膜と、第2の化学気相蒸着層とをこの順に備えるバリア性フィルムであって、
前記第1の化学気相蒸着層が、ケイ素、酸素および炭素を含み、
前記原子層堆積膜が、アルミニウム、酸素および炭素を含み、
前記第2の化学気相蒸着層が、ケイ素、酸素および炭素を含み、
前記第1の化学気相蒸着層および前記第2の化学気相蒸着層は、ケイ素、酸素、および炭素の3元素の合計100%に対して、ケイ素の割合が27%以上40%以下であり、酸素の割合が55%以上75%以下であり、炭素の割合が0.1%以上15%未満であり、
前記原子層堆積膜は、アルミニウム、酸素、および炭素の3元素の合計100%に対して、アルミニウムの割合が30%以上42%以下であり、酸素の割合が50%以上70%以下であり、炭素の割合が0.1%以上10%未満である、バリア性フィルム。 - 前記第1の化学気相蒸着層および第2の化学気相蒸着層が窒素を含み、ケイ素、酸素、炭素、および窒素の4元素の合計100%に対して、窒素の割合が1%以下である、請求項1に記載のバリア性フィルム。
- 前記バリア性フィルムが、前記樹脂基材と前記第1の化学気相蒸着層との間に、第3の化学気相蒸着層をさらに備え、第3の化学気相蒸着層が、ケイ素、酸素および炭素を含み、炭素の割合が15%以上40%以下である、請求項1または2に記載のバリア性フィルム。
- 前記バリア性フィルムが、前記樹脂基材上に易接着層を備え、前記第1の化学気相蒸着層が、前記易接着層上に直接設けられていない、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
- 前記樹脂基材の少なくとも一方の面上に、易滑剤を含む層が設けられていない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
- 水蒸気透過率が1.0×10−2g/m2/day以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
- 全光線透過率が85%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
- 85℃85%RHで120時間保管した後の水蒸気透過率が1g/m2/day以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
- ISO 4892−2に準拠して、キセノンウエザーオーメーターで120時間の照射試験した後の水蒸気透過率が1g/m2/day以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のバリア性フィルム。
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