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JP6831269B2 - セラミックヒータ - Google Patents

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JP6831269B2
JP6831269B2 JP2017036951A JP2017036951A JP6831269B2 JP 6831269 B2 JP6831269 B2 JP 6831269B2 JP 2017036951 A JP2017036951 A JP 2017036951A JP 2017036951 A JP2017036951 A JP 2017036951A JP 6831269 B2 JP6831269 B2 JP 6831269B2
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Description

本発明は、例えば、例えば半導体ウェハ等の被加工物を加熱できるセラミックヒータに関するものである。
従来、半導体製造装置では、半導体ウェハ(例えばシリコンウェハ)に対して、ドライエッチング(例えばプラズマエッチング)等の処理が行われている。このドライエッチングの精度を高めるためには、半導体ウェハを確実に固定しておく必要があるので、半導体ウェハを固定する固定手段として、静電引力によって半導体ウェハを固定する静電チャックが用いられている。
この静電チャックには、吸着面に吸着された半導体ウェハの温度を調節する機能を有するものがある。例えば、セラミック基板内に線状の発熱体を配置したセラミックヒータを用いて、吸着面上の半導体ウェハを加熱する技術がある。なお、静電チャックには、通常、セラミックヒータの吸着面(表面)と反対側の面(裏面)に、冷却用の金属ベースが接続されている。
さらに、静電チャックの加熱を精密に行うために、セラミック基板を平面視で複数の加熱ゾーン(即ち加熱領域:セグメント)に区分したセラミックヒータも開発されている。具体的には、各加熱ゾーン毎に各加熱ゾーンを個別に加熱できる発熱体を配置して、セラミック基板の温度調節機能を向上させた多ゾーンヒータ付きセラミックヒータも提案されている(特許文献1参照)。
また、近年では、より精度の高い温度制御のために、更なる多ゾーン化(マルチゾーン化)の要求が高くなっており、例えば100以上の加熱ゾーンも検討されている。
特開2005−166354号公報 特開2008−166509号公報
ところで、セラミック基板の温度調整機能(即ち温度制御性)を向上させるためには、目的の温度に制御する箇所(即ち各加熱ゾーン)毎に精度良く温度調節を行うことが望ましいが、上述のように、加熱ゾーンが多い場合には、温度制御性を向上させることが容易ではないという問題があった。
つまり、図22に示すように、発熱体が配置された各加熱ゾーン(セグメント)毎に、目的の温度(即ち目標温度)に制御する場合には、それぞれ目標温度に制御するだけでなく、各加熱ゾーン内における温度を均一化することが望まれるが、その対策は容易ではない。
詳しくは、例えば図22(b)に示すように、加熱ゾーン間(特にその境界近傍)で明瞭な温度差があるように制御することが望ましいが(実線で示す温度カーブ参照)、実際には、加熱ゾーン間(特にその境界近傍)で明瞭な温度差をつけにくい(破線で示す温度カーブ参照)という問題があった。
また、これとは別に、例えば前記特許文献2には、発熱体と金属ベースとの間に熱伝導部材を配置して、セラミックヒータの平面方向における温度分布を均一化する技術が開示されているが、この技術では、各加熱ゾーン間に温度差をつけること(即ち温度をセパレートすること)はできない。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱ゾーン内の温度を均一にするとともに、目標温度が異なる他の加熱ゾーンとの温度差を十分に確保することができるセラミックヒータを提供することにある。
(1)本発明の第1局面は、表面及び裏面を有するセラミック基板の内部に、通電により発熱する発熱層が、平面方向に沿って複数配置されているセラミックヒータに関するものである。
このセラミックヒータでは、セラミック基板の内部には、発熱層と裏面との間に、セラミック基板を構成するセラミック材料より高い熱伝導率を有する熱分散層が発熱層毎に配置されている。さらに、セラミック基板を厚み方向から見た平面視で、発熱層は、線状の発熱パターンを有するとともに、発熱パターンは屈曲する部分を有している。
このように、本第1局面では、発熱層と裏面との間に、セラミック材料より高い熱伝導率を有する(即ち熱が伝わり易い)熱分散層が発熱層毎に配置されているので、各発熱層が配置された各加熱ゾーンにおける温度を均一化することができる。
さらに、本第1局面では、熱分散層が、線状で屈曲する発熱パターンを有する発熱層毎に配置されているので、目標温度が異なる他の加熱ゾーンとの温度差を十分に確保することができる。即ち、各加熱ゾーン間の温度を分離する(即ちセパレート)することができる。
このように、本第1局面では、加熱ゾーン内の温度を均一化するとともに、他の加熱ゾーンとの温度差を十分に確保することができるという顕著な効果を奏する。
なお、発熱層と裏面との間に熱分散層を配置することにより、熱分散層を配線部(例えば一対の端子部から発熱層に到る電力の供給経路:例えば内部配線層)の一部として流用できる。そのため、セラミック基板の厚み方向において、例えば内部配線層と別に新たに熱分散層を配置するスペースを必要としないため、セラミック基板を厚くせずに熱分散層を配置できるという利点がある。
(2)本発明の第2局面では、平面視で、各発熱層において、発熱パターンのうち隣り合って配置されている線状の発熱パターンの間の領域にも、熱分散層が配置されている。
本第2局面では、同じ発熱層の発熱パターンにおいて、隣り合う発熱パターンの間に熱分散層が配置されているので、一層各加熱ゾーンにおける温度を均一化できる。
(3)本発明の第3局面では、発熱層と熱分散層との間の第1距離は、熱分散層と裏面との間の第2距離よりも短い。
本第3局面では、熱分散層は、裏面よりも発熱層に近い位置に配置されているので、一層容易に、各加熱ゾーンの均熱化ができるとともに、各加熱ゾーン間の温度を分離することができる。
(4)本発明の第4局面では、熱分散層は、平面視で、導電性を有するパッド部と、パッド部より面積が広く且つパッド部との間に間隔をあけ、パッド部の全周を囲む導電性を有する主熱分散部とを備えている。さらに、パッド部と発熱層とを電気的に接続する第1ビアと、発熱層と主熱分散部とを電気的に接続する第2ビアと、を備えている。しかも、発熱層に給電するための一対の端子部が、それぞれパッド部及び主熱分散部と電気的に接続されている。
本第4局面では、一対の端子部から、第1ビア及びパッド部と、第2ビア及び主熱分散部とを介して、発熱層(詳しくは発熱パターン)に電力を供給することによって、加熱ゾーンを加熱することができる。
また、一対の端子部から発熱層に到る電力の供給経路を短くすることができるので、電極の供給経路の構成を簡易化できる。
さらに、パッド部を囲むように、面積の大きな主熱分散部が配置されているので、加熱ゾーンにおける均熱性を高めることができる。
(5)本発明の第5局面では、熱分散層は、平面視で、導電性を有する一対のパッド部と、パッド部より面積が広く且つパッド部との間に間隔をあけ、パッド部の全周を囲む導電性を有する主熱分散部と、を備えている。さらに、発熱層は一対のパッド部と電気的に接続されており、発熱層に給電するための一対の端子部が、それぞれ一対のパッド部に電気的に接続されている。
本第5局面では、一対の端子部から、一対のパッド部を介して、発熱層(詳しくは発熱パターン)に電力を供給することによって、加熱ゾーンを加熱することができる。
また、一対の端子部から発熱層に到る電力の供給経路を短くすることができるので、電極の供給経路の構成を簡易化できる。
さらに、一対のパッド部を囲むように、面積の大きな主熱分散部が配置されているので、加熱ゾーンにおける均熱性を高めることができる。
<以下に、本発明の各構成について説明する>
・セラミックヒータの表面とは、加熱する対象である部材が配置される面(例えば静電チャックでは吸着面)であり、裏面とは、表面と反対側の面(例えば静電チャックでは金属ベースが接合される面)である。
・セラミック基板とは、セラミックを主成分(50質量%以上)とする基板(板状の部材)である。このセラミックの材料としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化イットリウム(イットリア)等が挙げられる。
・発熱層(従って発熱パターン)とは、通電によって発熱する抵抗発熱体からなる層であり、この発熱層の材料としては、タングステン、タングステンカーバイド、モリブデン、モリブデンカーバイド、タンタル、白金等が挙げられる。
・平面方向とは、セラミック基板が広がる平面の方向である。つまり、セラミック基板の厚み方向と垂直な平面が広がる方向である。
・熱分散層の平面視の外周形状は、矩形状、円形形状など、発熱層の外周に沿った形状等である。例えば、平面視で、発熱層の発熱パターンの外周のうち、隣り合う発熱パターンの凸部同士を結んだ領域の内部が挙げられる。また、平面視で、発熱パターンの外周を紐で囲むようにした場合に形成される領域の内部が挙げられる。
・熱分散層の材料としては、例えばタングステン、モリブデン等からなる導電材料を採用できるが、これに限定される訳ではない。例えば、熱分散層を給電のために用いない場合には、導電材料とは異なる材料を採用できる。
つまり、熱分散層は、セラミック基板を構成するセラミック材料より高い熱伝導率を有するものであるので、セラミック材料に応じた各種の材料を用いることができる。例えばセラミック材料にもよるが、グラファイト、SiC(炭化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)などを採用できる。
・端子部やビアやパッド部は、例えばタングステン、モリブデン等からなる導電部分である。
第1実施形態の静電チャックを一部破断して示す斜視図である。 第1実施形態の静電チャックを厚み方向に破断しその一部を模式的に示す断面図である。 セラミックヒータの複数の加熱ゾーン及び発熱層の配置を模式的に示す平面図である。 (a)は発熱パターンを示す平面図、(b)は熱分散層を示す平面図、(c)は発熱パターンと熱分散層とを重ねた状態を示す平面図である。 (a)はセラミック基板を厚み方向に(図4のA−A断面にて)破断し模式的に示す説明図、(b)はセラミック基板を厚み方向に(図4のB−B断面にて)破断し拡大して模式的に示す説明図である。 (a)は第2実施形態の発熱パターンと熱分散層とを重ねた状態を示す平面図、(b)はその熱分散層を示す平面図、(c)はセラミック基板を厚み方向に(図6(a)のC−C断面にて)破断し拡大して模式的に示す説明図である。 第2実施形態の発熱パターンと熱分散層とを重ねた状態を示す平面図である。 (a)は実験例1の基準モデルの発熱パターンを示す平面図、(b)は実験例1の基準モデルの発熱状態(温度分布)を示す説明図である。 (a)は実験例1の本発明例Aの発熱パターンと熱分散層とを重ねて示す平面図、(b)は本発明例Aの発熱状態を示す説明図、(c)は比較例1の発熱パターンと熱分散層とを重ねて示す平面図、(d)は比較例1の発熱状態を示す説明図、(e)は比較例2の発熱パターンと熱分散層とを重ねて示す平面図、(f)は比較例2の発熱状態を示す説明図である。 実験例1の基準モデル、本発明例A、比較例1、2の温度plot方向における温度を示すグラフである。 (a)は実験例2の基準モデルの発熱パターンを示す平面図、(b)は実験例1の基準モデルの発熱状態を示す説明図である。 (a)は実験例2の本発明例Aの発熱パターンと熱分散層とを重ねて示す平面図、(b)は本発明例Aの発熱状態を示す説明図、(c)は比較例1の発熱パターンと熱分散層とを重ねて示す平面図、(d)は比較例1の発熱状態を示す説明図、(e)は比較例2の発熱パターンと熱分散層とを重ねて示す平面図である。 実験例2の基準モデル、本発明例A、比較例1の温度plot方向における温度を示すグラフである。 (a)は実験例3の本発明例Bの厚み方向における発熱パターンと熱分散層との配置を示す断面図、(b)は本発明例Bの均熱性を示す実験条件における発熱状態を示す説明図、(c)は本発明例Bの熱の分離性を示す実験条件における発熱状態を示す説明図である。 (a)は実験例3の本発明例Cの厚み方向における発熱パターンと熱分散層との配置を示す断面図、(b)は本発明例Cの均熱性を示す実験条件における発熱状態を示す説明図、(c)は本発明例Cの熱の分離性を示す実験条件における発熱状態を示す説明図である。 (a)は実験例3の本発明例B、本発明例Cの均熱性を示す実験条件における温度plot方向における温度を示すグラフ、(b)は実験例3の本発明例B、本発明例Cの熱の分離性を示す実験条件における温度plot方向における温度を示すグラフである。 (a)は実験例4の本発明例Dの発熱パターンと熱分散層とを重ねて示す平面図、(b)は本発明例Dの発熱状態を示す説明図である。 (a)は実験例4の比較例3の発熱パターンと熱分散層とを重ねて示す平面図、(b)は比較例3の発熱状態を示す説明図である。 実験例4の本発明例A、D、比較例3の温度plot方向における温度を示すグラフである。 実験例1〜4の実験条件及び実験結果をまとめて示す説明図である。 他の実施形態の発熱パターンと熱分散層とを重ねた状態を示す平面図である。 従来技術の説明図である。
[1.第1実施形態]
ここでは、第1実施形態として、例えば半導体ウェハを吸着保持できる静電チャックに用いられるセラミックヒータを例に挙げる。
[1−1.全体構成]
まず、本第1実施形態の静電チャックの構造について説明する。
図1に示す様に、本第1実施形態における静電チャック1は、図1の上側にて被加工物である半導体ウェハ3を吸着する装置であり、セラミックヒータ5と金属ベース7とが積層されて接着剤層9により接合されたものである。
なお、セラミックヒータ5の図1の上方の面(上面:吸着面)が第1の主面S1(即ち表面)であり、下面が第2の主面S2(即ち裏面)である。また、金属ベース7の上面が第3の主面S3であり、下面が第4の主面S4である。
このうち、セラミックヒータ5は、円盤形状であり、吸着用電極(静電電極)11、発熱層13、熱分散層15を備えたセラミック基板(絶縁基板)17から構成されている。なお、吸着用電極11、発熱層13は、熱分散層15は、セラミック基板17に埋設されている。
金属ベース7は、セラミックヒータ5より大径の円盤形状であり、セラミックヒータ5と同軸に接合されている。この金属ベース7には、セラミック基板17(従って半導体ウェハ3)を冷却するために、冷却用流体(冷媒)が流される流路(冷却路)19が設けられている。なお、冷却用流体としては、例えばフッ化液又は純水等の冷却用液体などを用いることができる。
また、静電チャック1には、リフトピン(図示せず)が挿入されるリフトピン孔21等が、静電チャック1を厚み方向に貫くように、複数箇所に設けられている。このリフトピン孔21は、半導体ウェハ3を冷却するために第1の主面S1側に供給される冷却用ガスの流路(冷却用ガス孔)としても用いられる。
なお、リフトピン孔21とは別に、冷却用ガス孔(図示せず)を設けてもよい。冷却用ガスとしては、例えばヘリウムガスや窒素ガス等の不活性ガスなどを用いることができる。
次に、静電チャック1の各構成について、図2に基づいて詳細に説明する。
<セラミックヒータ>
図2に模式的に示すように、セラミックヒータ5(従ってセラミック基板17)は、その第2の主面S2側が、例えばシリコーンからなる接着剤層9により、金属ベース7の第3の主面S3側に接合されている。
このセラミック基板17は、複数のセラミック層23(図5(a)参照)が積層されたものであり、アルミナを主成分とするアルミナ質焼結体である。なお、アルミナ質焼結体は、絶縁体(誘電体)である。
セラミック基板17の内部には、図2の上方より、後に詳述するように、吸着用電極11、複数の発熱層13、複数の熱分散層15等が配置されている。なお、図2では、複数の発熱層13等は模式的に表示してある。
このうち、複数の発熱層13は第1平面HM1に配置され、複数の熱分散層15は第2平面HM2に配置されている。なお、第1、第2平面HM1、HM2は、セラミック基板17を厚み方向(図2の上下方向)にて所定距離だけ離れた異なる位置において、厚み方向と垂直に広がる平面(即ち平面方向に平行な平面)である。
また、後述するように、セラミック基板17は、厚み方向から見た平面視で、複数の加熱ゾーンKZ(図3参照)に区分されており、各加熱ゾーンKZに、それぞれ発熱層13及び熱分散層15が配置されている。つまり、セラミック基板17は、平面視で、複数の発熱層13及び複数の熱分散層15が配置された構成となっている。
そして、各発熱層13は、それぞれ給電用端子25に対して電気的に接続されている。詳しくは、各発熱層13は、独自に温度制御が可能なように、各発熱層13の両端(一対の端部13a、13b)が、それぞれ配線部27を介して、セラミック基板17の一方の側(即ち第2の主面S2側)にて、各一対の給電用端子25に電気的に接続されている。
この配線部27は、発熱層13に給電する構成として、後述するように、第1ビア29、第2ビア31、第3ビア33、第4ビア35、第5ビア37、内部配線層39、端子部(即ち端子パッド)40を備えており、その端子部40に給電用端子25が接合されている。なお、配線部27は、例えばタングステンからなる。
また、吸着用電極11は、電圧を印加する周知の電極用端子(図示せず)に電気的に接続されている。
<金属ベース>
金属ベース7は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属製である。金属ベース7には、前記冷却路19やリフトピン孔21以外に、前記電極用端子、給電用端子25が配置される貫通孔である貫通部41がそれぞれ形成されている。
なお、静電チャック1の第4の主面S4側には、給電用端子25を収容するために、第4の主面S4からセラミックヒータ5の内部に到るような内部孔43が複数設けられており、金属ベース7の貫通部41は、この内部孔43の一部を構成している。
また、電極用端子や給電用端子25を収容する内部孔43には、電気絶縁性を有する絶縁筒45が配置されている。
<吸着用電極>
吸着用電極11は、例えば平面形状が円形の電極から構成されている。この吸着用電極11とは、静電チャック1を使用する場合には、直流高電圧が印加され、これにより、半導体ウェハ3を吸着する静電引力(吸着力)を発生させ、この吸着力を用いて半導体ウェハ3を吸着して固定するものである。
なお、吸着用電極11については、これ以外に、周知の各種の構成(単極性や双極性の電極など)を採用できる。なお、吸着用電極11は、例えばタングステン等の導電材料からなる。
[1−2.発熱層及び熱分散層の構成]
次に、本第1実施形態の要部である発熱層13及び熱分散層15の構成について説明する。
図3に示すように、セラミック基板17(従ってセラミックヒータ5)には、平面視で、複数の加熱ゾーンKZが設定されており、各加熱ゾーンKZには、各加熱ゾーンKZの温度を独立して調節できるように、線状の発熱パターン47によって構成された前記発熱層13が1つずつ配置されている。
なお、加熱ゾーンKZの数は、例えば100以上の範囲の例えば200であるが、図3では、簡略化して示してある(即ち加熱ゾーンKZの数は少なく表示してある)。また、発熱層13(従って発熱パターン47)は、電圧が印加されて電流が流れると発熱する金属材料(タングステン等)からなる抵抗発熱体である。
一方、熱分散層15は、発熱層13と同様な導電材料からなる。詳しくは、熱分散層15は、セラミック基板17を構成するセラミック材料(即ちアルミナ)より高い熱伝導率を有する材料(例えばタングステン)からなる。
<発熱層及び熱分散層の平面形状>
図4(a)に示すように、加熱ゾーンKZには、平面視で、加熱ゾーンKZの外周より所定距離だけ離れた内側に、蛇行する形状の発熱パターン47からなる発熱層13が形成されている。なお、線状の発熱パターン47の両端には、円形の端部13a、13bが形成されている。
また、図4(b)に示すように、熱分散層15は、平面視で、その外周が矩形状であり、加熱ゾーンKZの外周より所定距離だけ離れた内側に設けられている。
この熱分散層15は、円形のパッド部15aと、パッド部15aより面積が広く且つパッド部15aとの間に帯状の間隔をあけて、パッド部15aの全周を囲む主熱分散部15bとから構成されている。
なお、パッド部15aと主熱分散部15bとの間の間隔が大きくなると、加熱ゾーンKZ内にて熱を分散させて均熱化することが難しくなる。そのため、パッド部15aと主熱分散部15bとの間の絶縁はとりつつ、熱の分散を妨げない程度の間隔とする必要がある。また、パッド部15aの面積が大きくなると、主熱分散部15bの均熱性および熱分散性の効果が減ってしまうため、できるだけパッド部15aの面積は小さくすることが好ましい。
さらに、図4(c)に示すように、熱分散層15(詳しくは主熱分散部15b)は、平面視で、発熱層13の最も外側部分を含むように、発熱層13と重なる位置に配置されている。つまり、加熱ゾーンKZの外周より所定距離だけ離れた内側にて、熱分散層15の外周よりも内側に発熱パターン47が配置されている。
また、熱分散層15は、平面視で、蛇行するように形成された発熱パターン47のうち、隣り合って配置されている発熱パターン47の間の領域にも配置されている。つまり、熱分散層15は、隣り合う発熱パターン47の間に入り込むように形成されている。
<発熱層及び熱分散層の立体配置>
図5(a)に示すように、発熱層13(従って発熱パターン47)は、セラミック基板17の平面方向(同図左右方向)に沿って配置されており、熱分散層15は、発熱層13より第2の主面S2側にて、平面方向に配置されている。
詳しくは、発熱層13と熱分散層15との間の第1距離t1は、熱分散層15と第2の主面S2(即ち裏面)との間の第2距離t2よりも短いように設定されている(即ちt1<t2)。
また、図5(b)に示すように、パッド部15aと発熱層13とを電気的に接続する第1ビア29と、発熱層13と主熱分散部15bと電気的に接続する第2ビア31と、を備えており、発熱層13に給電するための一対の端子部40は、それぞれパッド部15a及び主熱分散部15bと電気的に接続されている。
つまり、発熱パターン47の端部13aは、第1ビア29、パッド部15a、第3ビア33等を介して、一方の端子部40に接続されており、発熱パターン47の他方の端部13bは、第2ビア31、主熱分散部15b、第4ビア35等を介して、他方の端子部40に接続されている。
[1−3.製造方法]
次に、本第1実施形態の静電チャック1の製造方法について、簡単に説明する。
(1)セラミック基板17の原料として、主成分であるAl:92重量%、MgO:1重量%、CaO:1重量%、SiO:6重量%の各粉末を混合して、ボールミルで、50〜80時間湿式粉砕した後、脱水乾燥する。
(2)次に、この粉末に溶剤等を加え、ボールミルで混合して、スラリーとする。
(3)次に、このスラリーを、減圧脱泡後平板状に流し出して徐冷し、溶剤を発散させて、各セラミック層23となる各アルミナグリーンシートを形成する。
そして、各アルミナグリーンシートに対して、リフトピン孔21等となる空間、各ビアとなるスルーホールを、必要箇所に開ける。
(4)また、前記アルミナグリーンシート用の原料粉末中にタングステン粉末を混ぜて、スラリー状にして、メタライズインクとする。
(5)そして、吸着用電極11、発熱層13、熱分散層15、端子部40等を形成するために、前記メタライズインクを用いて、アルミナグリーンシート上の、吸着用電極11、発熱層13、熱分散層15、端子部40等の形成箇所に対応した箇所に、通常のスクリーン印刷法により、各未焼成パターンを印刷する。なお、各ビアを形成するために、スルーホールに対して、メタライズインクを充填する。
(6)次に、各アルミナグリーンシートを、リフトピン孔21等の必要な空間が形成されるように位置合わせして、熱圧着し、積層シートを形成する。
(7)次に、熱圧着した各積層シートを、それぞれ所定の形状(即ち円板形状)にカットする。
(8)次に、カットした各積層シートを、還元雰囲気にて、1400〜1600℃の範囲(例えば、1550℃)にて5時間焼成(本焼成)し、各アルミナ質焼結体を作製する。
(9)そして、焼成後に、各アルミナ焼結体に対して、例えば第1の主面S1側の加工など必要な加工を行って、セラミック基板17を作製する。
(10)次に、セラミック基板17の第2の主面S2上の端子部40に、端子金具(図示せず)をろう付けする。
(11)これとは別に、金属ベース7を製造する。具体的には、金属板に対して切削加工等を行うことにより金属ベース7を形成する。
(12)次に、金属ベース7とセラミック基板17とを接合して一体化する。
(13)次に、給電用端子25等を配置して、静電チャック1を完成する。
[1−4.効果]
次に、本第1実施形態の効果について説明する。
(1)本第1実施形態のセラミックヒータ5では、発熱層13と裏面(即ち第2の主面S2)との間に、セラミック材料より高い熱伝導率を有する(即ち熱が伝わり易い)熱分散層15が発熱層13毎に配置されているので、各発熱層13が配置された各加熱ゾーンKZにおける温度を容易に均一化することができる。
しかも、本第1実施形態では、平面視で、発熱層13の線状で屈曲する発熱パターン47は、各熱分散層15の外周よりも内側に配置されているので、目標温度が異なる他の加熱ゾーンKZとの温度差を十分に確保することができる。即ち、各加熱ゾーンKZ間の温度を分離(即ちセパレート)することができる。
このように、本第1実施形態では、加熱ゾーンKZ内の温度を均一化できるとともに、他の加熱ゾーンKZとの温度差を十分に確保することができるという顕著な効果を奏する。
なお、発熱層13と裏面との間に熱分散層15を配置することにより、熱分散層15を配線部27(例えば一対の端子部40から発熱層13に到る電力の供給経路:例えば内部配線層39)の一部として流用できる。そのため、セラミック基板17の厚み方向において、例えば内部配線層39と別に新たに熱分散層15を配置するスペースを必要としないため、セラミック基板17を厚くせずに熱分散層15を配置できる。
さらに、本第1実施形態では、発熱層13と金属ベース7との間、つまり、熱のやりとりが多い位置に、熱分散層15を配置することにより、均熱性および熱分散性の効果がより得やすくなるという利点がある。
(2)本第1実施形態では、平面視で、各発熱層13において、発熱パターン47のうち隣り合って配置されている線状の発熱パターン47の間の領域にも、熱分散層15が配置されている。
つまり、同じ発熱層13の発熱パターン47において、隣り合う発熱パターン47の間に熱分散層15が配置されているので、一層各加熱ゾーンKZにおける温度を均一化できる。
(3)本第1実施形態では、発熱層13と熱分散層15との間の第1距離t1は、熱分散層15と裏面との間の第2距離t2よりも短い。
つまり、熱分散層15は、裏面よりも発熱層13に近い位置に配置されているので、一層、各加熱ゾーンKZにおける均熱性が向上するとともに、各加熱ゾーンKZ間の温度を分離することができる。
(4)本第1実施形態では、一対の端子部40から、第1ビア29及びパッド部15aと、第2ビア31及び主熱分散部15bとを介して、発熱層13(詳しくは発熱パターン47)に電力を供給することによって、加熱ゾーンKZを加熱することができる。
つまり、このような簡易な給電のために構成(特に給電の経路が短い構成)によって、発熱層13(詳しくは発熱パターン47)に容易に電力を供給するができる。
また、パッド部15aを囲むように、面積の大きな主熱分散部15bが配置されているので、加熱ゾーンKZにおける均熱性を高めることができるという利点がある。
[1−5.文言の対応関係]
本第1実施形態の、セラミックヒータ5、発熱層13、熱分散層15、パッド部15a、主熱分散部15b、セラミック基板17、端子部40は、それぞれ、本発明の、セラミックヒータ、発熱層、熱分散層、パッド部、主熱分散部、セラミック基板、端子部の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、説明を省略又は簡略化する。なお、第1実施形態と同様な構成には、同様な番号を付す。
本第2実施形態は、熱分散層に2つのパッド部を備えたものである。
本第2実施形態では、図6(a)、(b)に示すように、熱分散層51は、平面視で、一対の円形のパッド部51a、51bと、各パッド部51a、51bより面積が広く且つ各パッド部51a、51bとの間に帯状の間隔をあけて、各パッド部51a、51bの全周を囲む主熱分散部51cと、を備えている。
また、図6(c)に示すように、発熱層13(従って発熱パターン47)は、一対のパッド部51a、51bと電気的に接続されており、発熱層13に給電するための一対の端子部40が、それぞれ一対のパッド部51a、51bに電気的に接続されている。
つまり、発熱パターン47の端部13aは、第1ビア29、一方のパッド部51a、第3ビア33等を介して、一方の端子部40に接続されており、発熱パターン47の他方の端部13bは、第2ビア31、他方のパッド部51b、第4ビア35等を介して、他方の端子部40に接続されている。
本第2実施形態も第1実施形態と同様な効果を奏する。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、説明を省略又は簡略化する。なお、第1実施形態と同様な構成には、同様な番号を付す。
本第3実施形態は、熱分散層にパッド部がないものである。
本第3実施形態では、図7に示すように、熱分散層61は、平面視で、矩形状であり、その熱分散層61内に、発熱層13(従って発熱パターン47)が配置されている。
つまり、熱分散層61の外周と発熱層13の上下左右の外周とが一致するように配置されている。
なお、図7には、発熱層13に給電するための構成は記載されていていないが、例えば熱分散層を回避するようにして、一対の端部13a、13bと接続するビアや内部配線層を形成すればよい。
本第3実施形態も第1実施形態と同様な効果を奏する。
[4.実験例]
次に、本発明の各構成による効果を確認するために行った実験例1〜4について説明する。
以下の実験例1〜4は、コンピュータシミュレーションによって、発熱層を発熱させた場合において、セラミック基板の熱の状態(即ち温度分布)を調べたものである。
<実験例1>
本実験例1は、各加熱ゾーンにおける均熱性を調べたものである。
本実験例1では、実験に用いるセラミックヒータのモデルとして、図8(a)に示すように、3つの同形状の加熱ゾーン(セグメント)が左右方向に連続して配置されるとともに、1つの加熱ゾーン内において、1本の蛇行する発熱パターンを備えた基準モデルを設定した。なお、この基準モデルには熱分散層は設定されていない。
詳しくは、各加熱ゾーンにおいて、同図の上下方向に延びるとともに、左右方向において等間隔に10本並列に配置されたラインを備えたモデルを設定した。なお、発熱パターンのうち上下方向に延びる部分をラインと称する。
そして、この基準モデルにおいて、左右方向に配列されたラインのうち、左のラインから順番に、「H−C−C−H−H−C−C・・」のように、発熱状態を調節した。なお、Hが発熱を示し、Cが非発熱を示している。つまり、隣り合う2本のライン同士を1組として、左右方向において(但し、左端は1本のみが発熱とし)、「2本が非発熱−2本が発熱−2本が非発熱・・」のように順次設定した。
詳しくは、このような発熱状態として、基準モデルにおいて、1つの加熱ゾーン内で温度差(セグメント内温度差)が1.50℃以上となるように、発熱量を調整した。即ち、発熱する各ラインの温度を調節した。
その状態を図8(b)の上図に示すが、発熱部分と非発熱部分とが明瞭に分かれており、均熱性が十分でないことが分かる。なお、図8(b)の上図では、ハッチングの種類(模様)によって、温度の高低を示している。つまり、図8(b)の下図の6個のブロックの模様によって温度の高低を示し、同図の右側にゆくほど温度が高いことを示している。なお、この模様の示す温度については、他の発熱状態を示す図面も同様である。
なお、図8(b)に示す発熱状態となるような各ラインの発熱状態を、発熱試験条件1とした。
次に、上述した基準モデルにおいて、さらに、図9(a)に示すように、各加熱ゾーンの各発熱パターンに重なるように、矩形状の各熱分散層(即ち3つの熱分散層:図9(a)灰色部分)を配置した本発明例Aのモデルを設定した。なお、本発明例Aとは第3実施形態に対応したモデルである。
そして、前記基準モデルにおける発熱試験条件1にて、本発明例Aのモデルを加熱した。その結果を図9(b)に示すが、セグメント内温度差は1.16℃以下であり、各加熱ゾーンにおける均熱性が優れていることが分かる。
次に、上述した基準モデルにおいて、さらに、図9(c)に示すように、加熱ゾーン間を含み、かつ、全ての加熱ゾーンの全ての発熱パターンに重なるように、矩形状の1つの熱分散層(図9(c)の灰色部分参照)を配置した比較例1のモデルを設定した。
そして、前記基準モデルにおける発熱試験条件1にて、比較例1のモデルを加熱した。その結果を図9(d)に示すが、セグメント内温度差は1.13℃以下であり、均熱性について優れていることが分かる(なお、後述する熱の分離性は劣っている)。
次に、上述した基準モデルにおいて、さらに、図9(e)に示すように、各加熱ゾーンの各発熱パターンに対して、それぞれ矩形状の2つの熱分散層(合計で6つの熱分散層:図9(e)の灰色部分)を配置した比較例2のモデルを設定した。
そして、前記基準モデルにおける発熱試験条件1にて、比較例2のモデルを加熱した。その結果を図9(f)に示すが、セグメント内温度差は1.41℃であり、本発明例Aより劣っていることが分かる。
この実験例1の結果を、図10にまとめて示す。この図10から明らかなように、均熱性については、本発明例Aは、基準モデル及び比較例2に対して優れていることが分かる。
<実験例2>
本実験例2は、各加熱ゾーン間における熱の分離性を調べたものである。
本実験例2の基準モデルは、図11(a)に示すように、実験例1と同様である。
そして、この基準モデルにおいて、3箇所の加熱ゾーンのうち、左右の加熱ゾーンの発熱パターンを全て発熱させるとともに、中央の加熱ゾーンの発熱パターンを全て発熱させないようにした。
詳しくは、基準モデルにおいて、発熱した加熱ゾーンと発熱しない加熱ゾーンとの温度差(セグメント間温度差)が2.0℃以上(詳しくは2.19℃)となるように、発熱量を調整した。その状態を図11(b)に示す。なお、図11(b)に示す発熱状態となるような発熱パターンの発熱状態を、発熱試験条件2とした。
次に、上述した基準モデルにおいて、さらに、図12(a)に示すように、各加熱ゾーンの各発熱パターンに重なるように、矩形状に各熱分散層(即ち3つの熱分散層:図12(a)の灰色部分)を配置した本発明例Aのモデルを設定した。
そして、前記基準モデルにおける発熱試験条件2にて、本発明例Aのモデルを加熱した。その結果を図12(b)に示すが、セグメント間温度差は2.11℃であり、各加熱ゾーン間における熱の分離性が優れていることが分かる。
次に、上述した基準モデルにおいて、さらに、図12(c)に示すように、加熱ゾーン間を含み、かつ、全ての加熱ゾーンの全ての発熱パターンに重なるように、矩形状に1つの熱分散層(図12(c)の灰色部分参照)を配置した比較例1のモデルを設定した。
そして、前記基準モデルにおける発熱試験条件2にて、比較例1のモデルを加熱した。その結果を図12(d)に示すが、セグメント間温度差は1.60℃であり、本発明例Aに比べて熱の分離性が低いことが分かる。
次に、上述した基準モデルにおいて、さらに、図12(e)に示すように、各加熱ゾーンの各発熱パターンに対して、それぞれ矩形状の2つの熱分散層(即ち3つの熱分散層:図12(e)の灰色部分)を配置した比較例2のモデルを設定した。
そして、前記基準モデルにおける発熱試験条件2にて、比較例2のモデルを加熱した。その結果は、前記図12(b)と同様であり、熱の分離性については優れていた(なお、上述のように、本発明例Aに比べて均熱性は劣っている)。
この実験例2の結果を、図13にまとめて示す。この図13から明らかなように、熱の分離性については、本発明例Aは、基準モデル及び比較例1に対して優れていることが分かる。
なお、図13の温度集計範囲の両端を示す一点鎖線は、各セグメントにおける一点鎖線の位置で温度を測定したことを示している。
<実験例3>
本実験例3は、熱分散層の厚み方向の位置における均熱性及び熱の分離性を調べたものである。
図14(a)に示すように、本発明例B(なお、発熱層や熱分散層の平面形状は第3実施形態に対応したモデル)として、発熱層と裏面との間に熱分散層を配置するとともに、第1距離t1を0.356mmとし、第2距離t2を0.844mmとした。即ち、t1<t2とした。
なお、セラミック基板の厚みは2.4mmとし、表面から発熱層までの距離は1.2mmとした。
本発明例Bでは、実験例1の前記図8(a)に示すように、3箇所の加熱ゾーンを設定するとともに、同様に発熱パターンを設定した。なお、図14(a)では、2つの加熱ゾーンのみを示している。
そして、前記発熱試験条件1にて、本発明例Bのモデルを加熱した。その結果を図14(b)に示すが、セグメント内温度差は1.16℃以下であり、各加熱ゾーン内における均熱性が優れていることが分かる。
また、前記発熱試験条件2にて、本発明例Bのモデルを加熱した。その結果を図14(c)に示すが、セグメント間温度差は2.11℃であり、各加熱ゾーン間における熱の分離性が優れていることが分かる。
一方、図15(a)に示すように、本発明例C(なお、発熱層や熱分散層の平面形状は本発明例Bと同様)として、発熱層と裏面との間に熱分散層を配置するとともに、第1距離t1を0.800mmとし、第2距離t2を0.400mmとした。即ち、t1>t2とした。
この本発明例Cでも、実験例1の前記図8(a)に示すように、3箇所の加熱ゾーンを設定するとともに、同様に発熱パターンを設定した。なお、図15(a)では、2つの加熱ゾーンのみを示している。
そして、前記発熱試験条件1にて、本発明例Cのモデルを加熱した。その結果を図15(b)に示すが、セグメント内温度差は1.40℃以下であり、本発明例Bに比べて各加熱ゾーン内における均熱性がやや劣っているものの、均熱性が高いことが分かる。
また、前記発熱試験条件2にて、本発明例Cのモデルを加熱した。その結果を図15(c)に示すが、セグメント間温度差は2.14℃であり、各加熱ゾーン間における熱の分離性は優れていることが分かる。
この実験例3の結果を、図16(a)及び図16(b)にまとめて示す。この図16から明らかなように、本発明例Bは、均熱性及び熱の分離性の両方が優れていることが分かる。なお、本発明例Cは、本発明例Bに比べて、均熱性がやや劣っている。
<実験例4>
図17(a)に、本発明例Dに対応した第1実施形態における発熱層と熱分散層との重ね合わせの状態を示す。
なお、実験例4に用いる本発明例Dのモデルは、前記図9(a)に示すようなモデル(本発明例A)において、二重の円(図17(b)参照)に挟まれた帯状の領域には、熱分散層が無いとしたものである(即ち第1実施形態に対応したものである)。
そして、前記発熱試験条件1にて、本発明例Dのモデルを加熱した。その結果を図17(b)に示すが、セグメント内温度差は1.26℃以下であり、各加熱ゾーン内における均熱性が優れていることが分かる。
図18(a)に、比較例3における発熱層と熱分散層との重ね合わせの状態を示す。この比較例3では、発熱層の一部(即ち各加熱ゾーンにおける同図の左角の部分)は熱分散層が重ね合されていない。
なお、実験例4に用いる比較例3のモデルは、前記図9(a)に示すようなモデル(本発明例A)において、図18(a)の形状に対応するように、矩形の熱分散層の左下が切り欠かれてL字状に凹んでおり、その部分には、熱分散層が無いものである。但し、図18(b)凹んだ部分にある円内には熱分散層があるとした。
そして、前記発熱試験条件1にて、比較例3のモデルを加熱した。その結果を図18(b)に示すが、セグメント内温度差は1.44℃以上であり、各加熱ゾーン内における均熱性は、本発明例A、Dに比べて劣っていることが分かる。
この実験例4の結果を、図19にまとめて示す。なお、図19には、上述した本発明例Aの発熱試験条件1における温度分布の状態も合わせて示す。
この図19からも明らかなように、本発明例A、Dは、比較例3に比べて均熱性が優れていることが分かる。
<実験例のまとめ>
図20に、実験例1〜4の結果をまとめて示す。なお、図20では、発熱層や熱分散層の配置による特徴が分かり易いように、各実験に使用した各モデルの形状ではなく、各モデルに対応した各実施形態等の実際の発熱層や熱分散層の形状を示している。均熱性に関しては、実験例1〜4のセグメント内温度差のうち、一番大きい温度差の結果を示した。
なお、図20の「×」は、性能が低いことを示し、「△」は「×」より性能が高いことを示し、「○」は「△」より性能が高いことを示している。
図20の実験例1、2から明らかなように、本発明例A(第3実施形態に対応した構成)は、均熱性及び熱の分離性に優れていることが分かる。それに対して、本発明ではない、基準モデル、比較例1、2では、均熱性及び熱の分離性のいずれかが、本発明例Aより劣っている。
図20の実験例3から明らかなように、本発明例B(第3実施形態に対応した構成)は、均熱性及び熱の分離性に優れていることが分かる。また、本発明例Cは、熱の分離性に優れていることが分かる。なお、本発明例Cの均熱性については、比較例2の均熱性より優れている。
図20の実験例4から明らかなように、本発明例D(第1実施形態に対応した構成)は、均熱性及び熱の分離性に優れていることが分かる。それに対して、本発明ではない、比較例3では、均熱性が、本発明例Dより劣っている。
[5.他の実施形態]
本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)熱分散層の外周形状としては、矩形状、円形形状など、発熱層の外周に沿った形状を採用できる。
(2)熱分散層は、発熱層と裏面との間の中央より発熱層側にあることが望ましいが、発熱層と裏面との中央や、中央より裏側に近い位置にあってもよい。
(3)前記実施形態において、平面視で、発熱層は、各熱分散層の外周よりも所定距離だけ離れた内側に各発熱パターンが配置されていたが、各発熱パターンの外周と対応する各熱分散層の外周とが平面視で重なっていてもよい。また、熱の分離性の効果が得られる範囲であれば、平面視で、各熱分散層の外周よりも所定距離だけ離れた外側に各発熱パターンを配置してもよい。
(4)熱分散層は、平面視で、隣り合って配置されている発熱パターンの間の領域にも配置されていることが望ましいが、図21に示すように、熱分散層(従ってその外周)が、隣り合う発熱パターンの間に入り込むように形成されていてもよい。
(5)また、セラミックヒータとしては、静電チャックに限らず、真空チャックなど他の用途に用いることができる。
(6)さらに、本発明は、金属ベースを備えない静電チャックにも適用できる。つまり、セラミックヒータに、吸着用電極や複数の発熱層を備えた静電チャックにも適用できる。
(7)また、本発明は、静電チャックなどではないセラミックヒータ単体にも適用できる。例えば、セラミック基板内に、前記各実施形態と同様な複数の発熱層を備えたセラミックヒータに適用できる。
(8)なお、前記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、前記実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、前記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1…静電チャック
5…セラミックヒータ
13…発熱層
15、51、61…熱分散層
15a、51a、51b…パッド部
15b、51c…主熱分散部
17…セラミック基板
40…端子部

Claims (5)

  1. 表面及び裏面を有するセラミック基板の内部に、通電により発熱する発熱層が、平面方向に沿って複数配置されているセラミックヒータにおいて、
    前記セラミック基板の内部には、前記発熱層と前記裏面との間に、前記セラミック基板を構成するセラミック材料より高い熱伝導率を有する熱分散層が前記発熱層毎に配置されており、
    前記セラミック基板を厚み方向から見た平面視で、
    前記発熱層は、線状の発熱パターンを有するとともに、該発熱パターンは屈曲する部分を有していることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記平面視で、前記各発熱層において、前記発熱パターンのうち隣り合って配置されている線状の発熱パターンの間の領域にも、前記熱分散層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記発熱層と前記熱分散層との間の第1距離は、前記熱分散層と前記裏面との間の第2距離よりも短いことを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記熱分散層は、平面視で、導電性を有するパッド部と、該パッド部より面積が広く且つ該パッド部との間に間隔をあけ、該パッド部の全周を囲む導電性を有する主熱分散部とを備えており、
    前記パッド部と前記発熱層とを電気的に接続する第1ビアと、前記発熱層と前記主熱分散部とを電気的に接続する第2ビアと、を備え、
    前記発熱層に給電するための一対の端子部が、それぞれ前記パッド部及び前記主熱分散部と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
  5. 前記熱分散層は、平面視で、導電性を有する一対のパッド部と、該パッド部より面積が広く且つ該パッド部との間に間隔をあけ、該パッド部の全周を囲む導電性を有する主熱分散部と、を備えており、
    前記発熱層は前記一対のパッド部と電気的に接続されており、
    前記発熱層に給電するための一対の端子部が、それぞれ前記一対のパッド部に電気的に接続される請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
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