[実施形態]
以下に、本発明の遊技機の実施形態としてのスロットマシン1を説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更することができる。
なお、以下で説明されるスロットマシン1においては、一般的なスロットマシンとは異なり、ホッパーユニットが設けられていない。ただし、ホッパーユニットが設けられているスロットマシンに本発明が適用されても、本発明の作用効果は問題なく発揮される。
<スロットマシンの筐体の説明>
図1は、スロットマシン1の筐体10を示す図である。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
前面扉100は、その中央部分に透光性のリール窓200を備える。遊技者は、このリール窓200から、後述の各回転リール20の表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、電飾部101、および、スピーカ102が設けられている。
表示部としての液晶画面3は、遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
電飾部101は、所定の条件(例えば、期待度の高い演出画面が表示されている場合、あるいは、特定の役が入賞した場合)が満たされた場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。電飾部101は、例えばLEDライトである。
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)およびSE(サウンドエフェクト)を出力する。
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、ストップスイッチ40、精算スイッチ41、ベットスイッチ42、レバー43、および媒体表示部44等を備える。
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられ、遊技者が回転中の各回転リール20を停止する際に用いられる。
精算スイッチ41は、遊技者が遊技を終了(メダルを精算)するときにスロットマシン1内およびCRユニット7内のメダルのクレジット数(貯留数)である精算枚数を計算する際に用いられる。精算スイッチ41が押された場合には、その旨を示す信号が払出制御部63へと送信される。
ベットスイッチ42は、遊技者がメダルをベットする際に用いられる。
レバー43は、各回転リール20を回転させるスタートスイッチとして機能する。
媒体表示部44は、図2のとおり、スロットマシン1内のメダルのクレジット数、各ゲームにおけるメダルの払い出し枚数、およびベット数等を表示する。媒体表示部44は、後述の媒体管理部614等からの情報に基づいて、前記クレジット数等を表示する。
これらの操作部4の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。
これらに加えて、図3のとおり、スロットマシン1は回転リールユニット2および制御部6を備える。回転リールユニット2および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示略)等とともに、筐体10の内部に配置されている。
回転リールユニット2は、図4のとおりの図柄の配列を備える3つの回転リール20と、これらをそれぞれ駆動する3つのステッピングモータ21とを備える。この回転リールユニット2は、筐体10の内部の中央付近に配置されている。
本実施形態におけるステッピングモータ21は、ストップスイッチ40が操作されてから、190m秒以内に回転リール20の回転を停止させる。また、ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述の回転開始制御部611および回転停止制御部612によって、その回転および停止が制御される。
<遊技の流れの説明>
遊技者は、まず、CRユニット7からチャージされたメダルを使用して、あるいは、ベットスイッチ42を操作することによりクレジット(貯留)されているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち、遊技の開始が可能となる。
図1のとおり、本実施形態の有効ラインLは、右下がりライン1本で構成されている。本実施形態では、遊技者がMAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、1本のライン(右下がりライン)が有効化され、有効ラインLとなる。
なお、以下では、ベル、スイカ等のメダルの払い出しのある役が入賞する場合だけではなく、リプレイ、RT移行リプに対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも入賞と表現する。
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、遊技の結果(メダルの払い出し処理を含む。)を得る一連の動作をいう。
具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止したときに有効ラインL上に揃った(入賞した)図柄の組み合わせに応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
<RT状態の説明>
スロットマシン1は、図5のとおり、RT状態として、RT0〜RT4を備える。
RT0は、制御部6に設けられたRAMのクリア時、後述のRT2のときにRT0移行リプが入賞した後、あるいは、1種BBにおいて規定枚数のメダルが払い出された後に移行するRT状態である。RT0のリプレイ確率は1/7.3である。
なお、本明細書において、このリプレイ確率は、リプレイのほか、RT移行リプ等の再遊技役すべてを含めた再遊技役合成当せん確率である。前ゲームにおいて再遊技役に当せんした場合には、遊技者はメダルをベットすることなく次ゲームを遊技することができる。
RT1は、RT状態がRT0のときに、RT1移行リプのフラグが成立し、かつ、RT1移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。なお、RT1のリプレイ確率は1/7.3である。
RT2は、RT状態がRT1のときに、RT2移行リプのフラグが成立し、かつ、RT2移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT2のリプレイ確率は1/1.4である。なお、RT状態がRT2のときに、内部抽せんによりRT0移行リプが成立し、かつ、RT0移行リプが入賞した場合には、RT状態はRT2からRT0へ移行する。
RT0〜RT2移行リプは、これらを含む役のフラグが当せんフラグとして成立し、かつ、入賞することにより、遊技状態の移行を可能にする移行役の一例である。
RT3は、RT状態がRT0〜RT2のときに、後述の役のフラグ「1種BB」が成立し、かつ、1種BBが入賞しなかった場合に移行するRT状態である。すなわち、RT3は、1種BB内部中のRT状態である。1種BB内部中のRT3のリプレイ確率は1/7.3である。
RT4は、RT状態がRT3のときに1種BBが入賞した場合に移行するRT状態である。すなわち、RT4は、1種BB中のRT状態である。1種BB中のRT4のリプレイ確率は0である。なお、本実施形態において1種BBは、赤7が有効ラインL上に揃った場合に入賞となる。
これらのRT0〜RT4の切り替えは、後述のRT状態制御部617によって行われる。
<ARTの説明>
以下の説明において、一般遊技状態とは、特別遊技状態である1種BB(第1種特別役物にかかる役物連続作動装置)、ART(アシストリプレイタイム)、およびCZ(チャンスゾーン)などのいずれでもない遊技状態のことをいう。
ARTは、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態の1つである。
例えば内部抽せんにより所定の役が当せんした場合に行われるART抽せんに当せんしたのち、いったん遊技状態がARTに移行すると、ARTを遊技可能な遊技期間(ARTの残りゲーム数)が0(ゼロ)になってARTが終了するまで、後述の押し順役フラグが成立した場合に押し順役を入賞させるための押し順を報知するアシストが実行される。このアシストでは、1つの押し順役フラグにおいて押し順ごとに規定された複数の押し順役のうちの特定の押し順役を入賞させるための押し順が報知される。
また、本実施形態におけるARTは1セットが50ゲームで構成され、当該ARTのセット中に次のセットが継続されるか否かの継続抽せんが行われる。
また、ARTにおいては、内部抽せんにて高確率でリプレイが当せんするRT状態であるRT2で遊技が進行するようアシストが行われる。
具体的には、RT状態がRT2以外の場合には、RT状態がRT2となるようにアシストが行われる。例えば、ART中にRT状態がRT0へ転落しても、ベルこぼし目が入賞するためのアシストがなされてベルこぼし目が入賞することでRT状態がRT1に移行する。さらに、RT2移行リプが入賞するためのアシストがなされてRT2移行リプが入賞することでRT状態がRT2へ移行する。
一方、RT状態がRT2である場合には、RT状態がRT2に維持されるようアシストが行われる。
このように、ARTは主にRT状態がRT2の場合に実行される遊技状態であるが、RT状態がRT2以外の場合であっても、以下の場合の遊技状態はARTである。
具体的には、遊技状態制御部618が遊技状態をARTに移行させることを決定した後であって、まだRT状態がRT2とはなっていない、いわゆるART準備状態(例えばRT状態がRT1のときであってRT2移行リプが入賞する前の状態)の場合も、遊技状態はARTである。
また、ART中であってRT状態がRT2のときに役のフラグ「RT0移行リプ」が成立し、通常リプを入賞させるために報知されたアシストとは異なる押し順で遊技者がストップスイッチ40を押すことでRT0移行リプレイが入賞しRT状態がRT0へ移行してしまった場合(転落した場合)も、遊技状態はARTである。
また、1セットのART終了後にゲーム数単位でARTを継続させるための上乗せゲーム数を追加するために実行される上乗せ特化ゾーンも、遊技状態はARTである。
以上のとおり、ARTは、後述のART移行信号が生成されてから一般遊技状態移行信号が生成されるまで継続する遊技状態である。
また、前述のとおりARTは主にRT2のときに実行されるが、ART中ではないRT2もありうる。具体的には、例えば、ARTへの移行が決定されていないRT1中にRT2移行リプが入賞することにより、RT状態がRT1からRT2へ移行する場合である。
<制御部6の説明>
制御部6は、図4のとおり、主に、メイン制御部61、サブ制御部62、出制御部63、および計時部64で構成される。メイン制御部61、サブ制御部62、および払出制御部63はそれぞれ、演算に用いられるCPU(Central Processing Unit)、ならびに、遊技進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される記憶部を備える(図示略)。
なお、本実施形態において、メイン制御部61と払出制御部63との間、および、サブ制御部62と払出制御部63との間ではデータの送受信が行われるが、メイン制御部61とサブ制御部62との間ではデータの送受信は行われない。すなわち、データは、メイン制御部61からサブ制御部62へのみ送信され、サブ制御部62からメイン制御部61へは送信されない。
<メイン制御部61の説明>
メイン制御部61は、内部抽せん、回転リール20の制御等、遊技を進行させるための制御を行う。メイン制御部61は、遊技者による、ベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40への操作に基づいて、ステッピングモータ21の制御、および、回転リール20の回転開始または停止の制御を行う。
メイン制御部61は、図4のとおり、内部抽せん部610、回転開始制御部611、回転停止制御部612、遊技結果判定部613、媒体管理部614、設定値制御部615、区間制御部616、RT状態制御部617、および、遊技状態制御部618を備える。
<内部抽せん部610の説明>
内部抽せん部610は、レバー43の操作信号が出力されたときに取得される乱数と内部抽せん部610が備える内部抽せんテーブルT1とに基づいて内部抽せんを行う。そして、内部抽せんの結果を受けて、内部抽せん結果信号が生成される。
この内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転開始制御部611、回転停止制御部612、遊技状態制御部618、および、演出制御部620を備えるサブ制御部62等へ送信される。
ベットスイッチ42の操作信号は、所定の枚数のメダルがクレジットされており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ42の操作が行われた場合(ベットスイッチ42がオンされた場合)に出力される。
各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲームごとに行われる。また、本実施形態において、各スイッチへの操作は、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味する。
内部抽せんテーブルT1は、図7に示されるような各RT状態における当せんの可能性がある役の情報、および、図8のとおり役のフラグおよび押し順に対応する当せん役(入賞可能役)の情報を含む。また、図示されていないが、内部抽せんテーブルT1は、レバー43の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域を備える。
以下に、内部抽せんテーブルT1を詳細に説明する。
内部抽せんテーブルT1は、当せんの可能性がある役の情報(成立する可能性のある役のフラグの情報)を備える。内部抽せんテーブルT1において、RT状態ごとに「○」となっている欄が成立する可能性のある役のフラグであり、空欄となっている欄が成立する可能性のない役のフラグである。
例えば、図6の「純はずれ」の欄から、役のフラグ「純はずれ」は、RT0、RT1およびRT3では成立する可能性があるが、RT2およびRT4では成立しないことがわかる。なお、純はずれとは、すべての役が非当せんの状態である。
図7のとおり、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役のフラグには、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞する押し順役フラグ、および押し順に関係なく入賞可能な押し順不問役フラグが含まれる。
本実施形態において押し順役フラグは、RT0〜RT2それぞれの移行リプ1〜6、および、押し順ベル1〜12に関する役のフラグである。
小役は、入賞した場合に一定枚数のメダルの払い出しが行われる図柄の組み合わせである。また、リプレイおよびRT移行リプ等は、入賞した場合にメダルをベットすることなく次の遊技が可能となる図柄の組み合わせである再遊技役である。
また、図7のとおり、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役の情報には、役のフラグごとに設定されている1以上の当せん役の情報が含まれる。例えば、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞可能な役である押し順役の情報には、設定されている押し順役の情報、および、対応するストップスイッチ40の押し順に関する情報が含まれる。
なお、図7では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ40の押し順が、テーブルの上部の3つの文字で示されている。例えば、「左中右」は、左のストップスイッチ40a、中のストップスイッチ40b、右のストップスイッチ40cの順にストップスイッチ40が操作された状態であることを示している。
押し順役の押し順は、所定の条件が満たされた場合(例えば、遊技状態がARTとなった場合)に、アシストされる。以下では、押し順役が入賞するように押し順をアシストする機能を指示機能という。
本実施形態では、役のフラグに設定されている当せん役が、すべて同時に当せんする。例えば、内部抽せんの結果、役のフラグ「RT1移行リプ1」が成立した(当せんフラグが「RT1移行リプ1」である)場合、当せん役であるRT1移行リプおよび通常リプが同時に当せんしている。そしてこの場合に、RT1移行リプを入賞させるための押し順(左中右)どおりに遊技者がストップスイッチ40を押したときにのみ、RT1移行リプが入賞する。
役のフラグ「押し順ベル1〜6」は、1通りのストップスイッチ40の押し順によって9枚のメダルが払い出される中段ベルと、1枚のメダルが払い出されるベルこぼし目とで構成される。
また、役のフラグ「押し順ベル7〜12」は、5通りのストップスイッチ40の押し順によって9枚のメダルが払い出される中段ベルと、1枚のメダルが払い出されるベルこぼし目とで構成される。
役のフラグ「1種BB」は、RT0〜RT2のときにのみ成立する。また、この1種BBは、ART中においても当せんする可能性がある。
チェリー、スイカ、および1種BBは、遊技者によるストップスイッチ40の押し順および押下タイミングによって入賞する場合と入賞しない場合とがある当せん役である。
また、役のフラグ「全役」は、RT4のときにのみ成立する。なお、全役は、図8のとおり、遊技者によるストップスイッチ40の押し順および押下タイミングにかかわらず入賞する当せん役である。全役が入賞した場合には、例えば、左の回転リール20aの上段、中の回転リール20bの中段、および、右の回転リール20cの上段にベルが揃う。
本実施形態においては、役のフラグ「押し順ベル1〜12」、「共通ベル」、「チェリー」、および「スイカ」が獲得フラグである。また、これらの獲得フラグを構成する、中段ベル、ベルこぼし目、右下がりベル、チェリー、スイカが獲得当せん役である。
<回転開始制御部611の説明>
回転開始制御部611は、レバー43の操作信号に基づいて、ステッピングモータ21を制御して回転リール20を回転させる。なお、回転開始制御部611は、回転リール20が、例えば、80回転/分の速度で回転するように、ステッピングモータ21を制御する。
また、回転開始制御部611は、前ゲームにおける回転リール20の回転開始から一定時間(いわゆるウェイト時間である4.1秒間)が経過している場合に、遊技者によるレバー43の操作に基づいて回転リール20の回転を開始する。
<回転停止制御部612の説明>
回転停止制御部612は、回転リール検出部612a、図柄判定部612b、押し順判定部612c、および、図柄テーブルT2を備える。回転停止制御部612は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と遊技者によるストップスイッチ40の操作信号と図柄テーブルT2とに基づいて、ステッピングモータ21を制御する。これにより、遊技者がストップスイッチ40を操作したのち、190m秒以内に、対応する回転リール20の回転が停止する。
回転リール検出部612aは、回転中の回転リール20の位置を検出する。具体的には、回転リール検出部612aは、回転リール20の回転が開始されたのち、各回転リール20の基準点(図示略)の通過を検出する。各回転リール20の基準点の通過が検出されると、回転リール検出部612aは、各回転リール20の基準点が通過したことを表す検出信号を出力する。本実施形態のスロットマシン1では、すべての回転リール20の中段ラインがスロットマシン1の絶対的な位置である検出位置である。
検出信号は、各回転リール20の基準点がこの検出位置を通過するたびに検出される。回転リール検出部612aは、回転リール20の基準点が中段ラインを通過したことを示す検出信号を受信するたびに(回転リール20が1回転するたびに)、各ステッピングモータ21のステップの計測値を初期化(ゼロクリア)し、再び0(ゼロ)からステップを計測する。これにより、回転リール検出部612aは、ステップを計測する。
また、回転リール検出部612aは、計測されたステップに基づいて、スロットマシン1における絶対的な位置である検出位置からの各回転リール20の基準点のステップを検出する。この検出された基準点のステップから、回転リール20の位置が検出される。検出された回転リール20の位置は、回転リール検出部612aによって、回転リール位置検出信号として出力される。出力された回転リール位置検出信号は、回転リール検出部612aから回転停止制御部612等へ送信される。
また、回転リール検出部612aは、遊技者がストップスイッチ40を操作したときの回転リール20の位置の情報、および、回転リール20が停止したときの回転リール20の位置の情報を停止信号として出力する。出力された停止信号は、回転リール検出部612aから図柄判定部612b等へ送信される。
図柄判定部612bは、回転リール検出部612aにより出力された停止信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、すべての回転リール20が停止したときの有効ラインL上の図柄を判定する。これにより、各回転リール20の有効ラインL上の図柄が判定される。この判定結果は、図柄判定信号として図柄判定部612bから遊技結果判定部613等へ送信される。
押し順判定部612cは、遊技者が3つのストップスイッチ40のうちのいずれのストップスイッチ40をどのようなタイミングで操作したかを判定する。この判定結果は、押し順判定信号として押し順判定部612cから遊技結果判定部613等へ送信される。
なお、押し順判定信号は、前記とは異なり、6通りの押し順に関する情報であってもよいし、遊技者がストップスイッチ40を操作した際の、対応するステッピングモータ21のステップに関する情報であってもよい。
図柄テーブルT2は、当せんフラグとストップスイッチ40の操作信号が出力されたときの有効ラインL上の図柄とに応じて定められている回転リール20の停止位置の情報をも備える。
この情報には、ストップスイッチ40の押し順と、当せんフラグに対応する当せん役と、ストップスイッチ40が操作されたときの回転リール20の位置とに応じて、ストップスイッチ40が操作されてから回転リール20が停止するまでのステップの情報(図柄の滑りコマ数)が含まれる。
回転停止制御部612は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と、回転リール検出部612aにより出力された回転リール位置検出信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、回転リール20の回転停止制御を行う。
例えば、回転停止制御部612は、当せん役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うように回転リール20の引き込み制御を行い、当せん役ではない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように回転リール20の蹴飛ばし制御を行う。
<遊技結果判定部613の説明>
遊技結果判定部613は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、図柄判定部612bから出力された図柄判定信号とに基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果は、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かによって判定される。
具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、あらかじめ定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、当せん役が入賞したと判定される。この判定結果は、遊技結果判定信号として遊技結果判定部613から媒体管理部614およびサブ制御部62等へ送信される。
<媒体管理部614の説明>
媒体管理部614は、スロットマシン1内のメダルのクレジット数およびメダルの払い出し枚数など、メダルの枚数に関する情報を管理する。
具体的には、媒体管理部614は、遊技者の操作に基づいて、CRユニット7からメダルがチャージされた場合(メダルのチャージ信号を受信した場合)には、その情報に基づいてクレジット数を増加させる。
また、媒体管理部614は、メダルがベットされた場合にはベットされたメダルの枚数に応じてクレジット数を減少させる。
なお、クレジット数は、媒体管理部614にてクレジット数信号として管理される。スロットマシン1内でのクレジット数の上限は50枚である。また、クレジット数信号は媒体管理部614から払出制御部63へ送信される。
また、媒体管理部614は、内部抽せんによって獲得フラグが当せんフラグとして成立し、その獲得フラグを構成する獲得当せん役が入賞した場合には、獲得当せん役の種類に応じてクレジット数を増加させる。例えば、中段ベルが入賞するとクレジット数が9枚増加し、共通ベルが入賞するとクレジット数が12枚増加する。
図2は、クレジット数が12枚のときにメダルの払い出し枚数が9枚の獲得当せん役が入賞した例を示す図である。媒体管理部614は、9枚の払い出しがなされる獲得当せん役が入賞した場合には、同図のとおり、1枚ずつクレジット数(CREDIT)およびメダルの払い出し枚数(PAY)が増加する様子を媒体表示部44に表示させる。この場合には、最終的にはクレジット数が21枚、メダルの払い出し枚数が9枚となる。
また、媒体管理部614は、クレジット数の上限を超えてメダルが払い出された場合には、上限を超えて獲得されたメダルの枚数(オーバークレジット数)に基づいてオーバークレジット数信号を生成する。このオーバークレジット数信号は、媒体管理部614から払出制御部63へ送信される。
<設定値制御部615の説明>
設定値制御部615は、店舗の操作者の操作に基づいて複数種類の設定値のうちいずれか1つの設定値が設定されて、設定された前記設定値で遊技進行を行う。この設定値は、スロットマシン1ごとに設定される。また、設定値の情報は、演出制御部620等へ送信される。
設定値制御部615によって設定された設定値の情報は、内部抽せん部610などに送信される。なお、本実施形態において、いずれの設定値が用いられているかによって、リプレイの当せん確率、共通ベルの当せん確率、および1種BBの当せん確率が異なる。
<区間制御部616の説明>
区間制御部616は、以下の有利区間と通常区間とを含む遊技区間のうちのいずれかの遊技区間で遊技進行を実行する。
有利区間は、少なくとも、後述の遊技状態制御部618が遊技状態をARTなどの特別遊技状態へ移行させている区間と、遊技状態がARTなどの特別遊技状態へ移行しておらず、遊技状態制御部618が遊技状態を特別遊技状態へ移行させるか否かの状態移行抽せんを行うことのできる区間と、で構成される区間である。このように、有利区間は、従来のARTなどの特別遊技状態とは全く異なる概念である。
この有利区間は、前述のとおり遊技状態制御部618が遊技状態を特別遊技状態に移行させることのできる区間を含む遊技区間であるが、より詳細には、指示機能にかかる処理を行うことができる区間である。
指示機能にかかる処理とは、例えば、指示機能を発揮させる(アシストを行う)処理、CZ抽せん処理、CZ処理、AT抽せん処理(ATの継続に関する処理を含む)、AT処理、ART抽せん処理(ARTの継続に関する処理を含む)、ART処理、および所定の条件に基づく遊技状態の変更のことである。所定の条件とは、例えば、前記継続ゲーム数あるいは前記メダル差数が規定値に達した場合などである。
また、区間制御部616は、遊技区間が有利区間である間、有利区間の継続ゲーム数を計数する。また、区間制御部616は、遊技区間が有利区間であるときに遊技状態が第1特別遊技状態であるARTから第2特別遊技状態である1種BBへ移行した場合であっても、有利区間の継続ゲーム数を計数する。
前述のとおり、通常区間中に1種BBが当せんした場合にも、区間制御部616は区間移行抽せんを行う。
区間制御部616は、有利区間の継続ゲーム数が1500ゲームに到達した場合、あるいは、メダル差数が所定値(例えば2400枚)を超えた場合に有利区間を強制的に通常区間へ移行させる。
通常区間は、遊技状態制御部618が遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることができず、有利区間への移行処理のみが実行可能な区間である。
具体的には、図8のとおり、区間制御部616は遊技区間が通常区間であるときに区間移行抽せんを行う。すなわち、区間制御部616は当せんフラグに基づいて通常区間のままとするか有利区間に移行するかを決定する。本実施形態では、内部抽せんによりレア役が当せんした場合にのみ、区間移行抽せんが行われる。
具体的には、図8のとおり、遊技区間が通常区間のときにチェリーが当せんした場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は50%、有利区間に移行する確率は50%である。スイカが当せんした場合には遊技区間が通常区間のままとなる確率は70%、有利区間に移行する確率は30%である。
また、チャンス目が当せんした場合には、有利区間が必ず選択される。また、1種BBが当せんした場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は50%、有利区間に移行する確率は50%である。また、チェリー、スイカ、チャンス目、1種BB以外の役(以下、「その他の役」という。)が当せんした場合には、通常区間が必ず選択される。
また、区間制御部616は、図9のとおり、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した場合に、区間制御部616は、当せんフラグに基づいてモード抽せんを行う。
チェリーが当せんして遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した場合には、モードAが選択される確率は90%、モードBが選択される確率は9%、モードCが選択される確率は1%である。一方、スイカが当せんした場合には、モードAが選択される確率は70%、モードBが選択される確率は25%、モードCが選択される確率は5%である。
また、チャンス目が当せんした場合には、モードAが選択される確率は0%、モードBが選択される確率は80%、モードCが選択される確率は20%である。また、1種BBが当せんした場合には、モードAが選択される確率は50%、モードBが選択される確率は30%、モードCが選択される確率は20%である。
図10のとおり、モードAが選択されているときにチェリーが当せんした場合には、モードAのままとなる確率は80%、モードBに移行する確率は18%、モードCに移行する確率は2%である。また、スイカが当せんした場合には、モードAのままとなる確率は60%、モードBに移行する確率は35%、モードCに移行する確率は5%である。
また、チャンス目が当せんした場合には、モードAのままとなる確率は0%、モードBに移行する確率は70%、モードCに移行する確率は30%である。また、1種BBが当せんした場合には、モードAのままとなる確率は0%、モードBが選択される確率は50%、モードCが選択される確率は50%である。また、その他の役が当せんした場合には、モードAが必ず選択される。
図11のとおり、モードBが選択されているときにチェリーが当せんした場合には、モードAに移行する確率は0%、モードBのままとなる確率は95%、モードCに移行する確率は5%である。また、スイカが当せんした場合には、モードAに移行する確率は0%、モードBのままとなる確率は90%、モードCに移行する確率は10%である。
また、チャンス目が当せんした場合には、モードCが必ず選択される。また、1種BBが当せんした場合においても、モードCが必ず選択される。また、その他の役が当せんした場合には、モードBが必ず選択される。
図12のとおり、モードCが選択されている場合には、いずれの役が当せんしてもモードCが必ず選択される。
また、区間制御部616は、遊技区間が通常区間である場合であって区間移行抽せんに当せんした場合に、遊技区間を通常区間から有利区間へ移行させる。この場合には、区間制御部616は、区間移行信号を生成する。
また、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した場合であって特定の条件が満たされた場合には、後述の報知部621が、媒体表示部44に遊技区間が有利区間であることを表示させる。例えば、媒体表示部44は、図2のとおり、クレジット数の右下に「.」を表示することで遊技区間が有利区間であることを示す。
なお、前記特定の条件とは、例えば、出玉率に関係する当せん役に関するアシストが発生したときに、1種BBなどのボーナスを除いた役がメダルの払い出し枚数が最大で入賞したときのシミュレーション出玉率が100%以上となっている場合である。また、いったん遊技区間が有利区間に移行して、媒体表示部44に遊技区間が有利区間であることが表示された場合には、当該有利区間が終了するまでその表示が継続される。
<RT状態制御部617の説明>
RT状態制御部617は、複数のRT状態のうちの1つのRT状態を用いて遊技進行を行う。複数のRT状態には、前述のとおり、リプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率(リプレイ確率)がそれぞれあらかじめ定められている。
また、RT状態制御部617は、入賞した役など遊技進行の状況に応じて、RT状態を遷移させる。各RT状態から他のRT状態へ移行するための契機は、図5のとおり、あらかじめ定められている。
また、ART抽せんに当せんした場合において、後述の報知部621は、例えば、役のフラグ「RT2移行リプ1」が当せんした場合に、RT2移行リプが入賞するよう押し順(左中右)をアシストする。そして、RT状態制御部617は、RT2移行リプが入賞した場合に、RT1よりもリプレイ確率が高いRT2に移行させる。
また、RT状態制御部617は、現在のRT状態を示す情報を内部抽せん部610のほか、演出制御部620、報知部621等へ送信する。
<遊技状態制御部618の説明>
遊技状態制御部618は、前記RT状態と連動させて、遊技状態を、一般遊技状態と特別遊技状態(1種BB、ART、あるいはCZなど)との間で切り替える。例えば、遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態から特別遊技状態へ移行させるか否かの状態移行抽せんを行う。
遊技状態制御部618は、所定条件が満たされた場合(例えばレア役が当せんした場合)に現在のゲームで選択されているモードに応じて、遊技状態を一般遊技状態から第1特別遊技状態であるARTへ移行させるか否かのART抽せんを行う。
図13のとおり、モードAが選択されている場合に遊技状態が一般遊技状態のままとなる確率は40%、ARTに当せんする確率は60%である。モードBが選択されている場合に遊技状態が一般遊技状態のままとなる確率は20%、ARTに当せんする確率は80%である。モードCが選択されている場合にはARTに必ず当せんする。
遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態からARTに移行させることを決定した場合には、遊技状態をARTに移行させることを示す情報、およびART中に付与されるゲーム数をART移行信号として生成する。このART移行信号は、遊技状態制御部618から演出制御部620等へ送信される。なお、遊技状態が、ARTから1種BB、CZからART、あるいは、1種BBからARTに移行する場合などにも、対応する特別遊技状態移行信号が生成される。
なお、前述のとおりART準備状態の場合あるいは転落した場合も遊技状態はARTであり、ART移行信号が生成されたときから遊技状態はARTへ移行している(ARTが開始されている。)。
遊技状態制御部618は、遊技状態がARTであるときに、特定役に当せんしたことを表す内部抽せん結果信号を受信した場合、ARTの継続ゲーム数を増加させるか否かを決定するための上乗せ抽せんを行う。この抽せんの結果は、ART上乗せ抽せん結果信号として遊技状態制御部618から演出制御部620および報知部621へ送信される。
また、遊技状態制御部618は、内部抽せんにより第2特別遊技状態である1種BBに当せんした場合には、内部抽せん部610から内部抽せん結果信号を受信して、遊技状態を1種BB内部中に移行させることを示す情報等を1種BB内部移行信号として生成する。この1種BB内部移行信号は、演出制御部620等へ送信される。1種BB内部中に関する状態移行は、内部抽せんで1種BBが当せんするか否かによって判定される。
また、遊技状態制御部618は、1種BBが入賞した場合には、遊技結果判定部613から遊技結果信号を受信して、遊技状態を1種BB内部中から1種BB中に移行させることを示す情報等を1種BB移行信号として生成する。この1種BB移行信号は、演出制御部620等へ送信される。1種BB中に関する状態移行は、1種BB内部中に1種BBに入賞するか否かで判定される。
また、遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態から第3特別遊技状態であるCZに移行させるためのCZ抽せんに当せんした場合には、遊技状態をCZに移行させることを示す情報、およびCZ中に付与されるゲーム数をCZ移行信号として生成する。このCZ移行信号は、演出制御部620へ送信される。
また、遊技状態制御部618は、遊技状態を特別遊技状態であるART(あるいは、1種BB、CZなど)から一般遊技状態へ移行させる場合には、一般遊技状態移行信号を生成する。この一般遊技状態移行信号は、遊技状態制御部618から演出制御部620および報知部621へ送信される。
また、遊技状態制御部618は、これらの状態移行信号を生成したのち、現在の遊技状態から他の遊技状態へ遊技状態を移行させる。これにより、遊技状態制御部618は、遊技状態を、一般遊技状態とARTとCZと1種BBとの間で切り替える。
<サブ制御部62の説明>
サブ制御部62は、図3のとおり、演出制御部620、および、報知部621を備える。また、サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて演出内容を決定する。具体的には、サブ制御部62は、演出制御部620、報知部621、電飾部101、およびスピーカ102の制御、ならびに、決定された演出内容の出力といった制御を行う。
<演出制御部620の説明>
演出制御部620は、例えば、内部抽せん結果信号、CZ移行信号、ART移行信号、1種BB移行信号、および、通常遊技状態移行信号に応じて、1ゲームごとに、演出パターンを選択する。
演出パターンの選択は、当せんフラグ、あるいは遊技状態等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(演出テーブルT3)に基づいて行われる。演出制御部620は、選択された演出パターンに基づいて、報知部621、電飾部101、およびスピーカ102を制御して、演出を液晶画面3に表示させる。
また、演出テーブルT3は、例えば、所定の役のフラグが成立した場合、または、状態移行抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含む。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルT3に記憶されている領域の1つである。また、前兆演出とは、遊技状態が特別遊技状態に移行する期待度を示唆する演出の1つである。
また、演出制御部620は、遊技者の操作に基づいてメダルの精算が行われた場合に、精算時のクレジット数である精算枚数に応じた精算演出を行う。具体的には、演出制御部620は、精算枚数が所定枚数以上となった場合には段階的に精算演出を変更する。
また、演出制御部620は、後述の計時部64から現実の日時に基づいた情報である計時信号を受信する。そして、演出制御部620は、その計時信号に基づいて、精算枚数に応じた演出である精算演出を行うかを決定する。
具体的には、演出制御部620は、計時部64が示す日時が所定の条件を満たしている場合にのみ精算演出を行う。本実施形態においては、前記所定の条件は、例えば、夜の8時以降であることがあげられる。
また、演出制御部620は、精算演出が行われた回数が1日当たりの最大回数に達するまで精算演出を行うことができる。演出制御部620は、例えば、精算演出が行われた回数が1日当たりの最大回数である5回となるまで精算演出を行うことができる。
また、演出制御部620は、精算枚数に応じてスピーカ102から発する音声の内容を変更する。例えば、精算枚数が1000枚以上の場合には「1000枚おめでとう」という音声が発せられ、精算枚数が2000枚以上の場合には「キター!!」などのように音声の内容が変化する。
さらに、演出制御部620は、音声の内容を設定値に基づく抽せんで様々に変更することもできる。例えば、精算枚数が1000枚以上の場合において、設定値が1であれば「1000枚おめでとう」が発せられやすく、設定値が6であれば「キター!!」が発せられやすくすることができる。
また、演出制御部620は、液晶画面3に表示する精算枚数の色を変化させることができる。例えば、精算枚数が1000枚未満の場合には青色で精算枚数が表示され、精算枚数が2000枚未満の場合には赤色で精算枚数が表示され、精算枚数が2000枚以上の場合には紫色で精算枚数が表示される。
さらに、演出制御部620は、設定値に基づく抽せんを行い、その抽せん結果によって液晶画面3における精算枚数の表示色を様々に変更することもできる。具体的には、演出制御部620は、例えば、設置値が1では精算枚数が1000枚以上である場合に40%の確率で紫色で精算枚数を表示し、60%の確率で虹色で精算枚数を表示する。
一方、演出制御部620は、設定値が6では精算枚数が1000枚以上である場合に10%の確率で紫色で精算枚数を表示し、90%の確率で虹色で精算枚数を表示することができる。
また、演出制御部620は、精算枚数が所定枚数以上である場合には、精算演出として、設定値を示唆する演出を行う。この設定示唆は、設定値ごとにその内容が定められている。
例えば、設定値が1の場合には、メダルの精算枚数が1000枚未満である場合には30%の確率で設定値が奇数であることが示唆され、70%の確率で設定値が2以下であることが示唆される。また、メダルの精算枚数が1000枚以上となった場合には10%の確率で設定値が奇数であることが示唆され、90%の確率で設定値が2以下であることが示唆される。
一方、設定値が6の場合には、メダルの精算枚数が1000枚未満である場合には80%の確率で設定値が偶数であることが示唆され、20%の確率で設定値が5以上であることが示唆される。また、メダルの精算枚数が1000枚以上となった場合には60%の確率で設定値が偶数であることが示唆され、40%の確率で設定値が5以上であることが示唆される。
また、演出制御部620は、例えば精算枚数が所定枚数になった場合であって、設定値に基づく抽せんに当せんした場合には、LEDライトである電飾部101を虹色に発光させることもできる。
また、演出制御部620は、例えば精算枚数が所定枚数以上となった場合に、ギミックと呼ばれる役物(図示略)を作動させることもできる。また、設定値に基づく抽せんに当せんに当せんした場合には、演出制御部620はさらにギミックの作動領域を大きくすることもできる。
<報知部621の説明>
報知部621は、例えば、ART抽せんに当せんしたのちART中に押し順役フラグが当せんフラグとして成立した場合に、メイン制御部61から送信された信号に従って、その押し順役に含まれる複数の押し順役のうちの特定の押し順役を入賞させるための押し順をアシストする。
なお、有利区間において、1種BBが入賞した場合には、報知部621は、押し順役フラグが成立した場合であっても、正解押し順を報知しなくてもよい。
<払出制御部63の説明>
払出制御部63は、媒体管理部614との間で、クレジット数信号、およびオーバークレジット数信号等の送受信を行うとともに、スロットマシン1に外部接続されているCRユニット7との間でこれらの情報および信号等の送受信を行う。
払出制御部63は、例えば、遊技者が1000円札をCRユニット7に投入したとき、50枚分のチャージ信号(メダルが50枚チャージされたことを示す情報)をCRユニット7から受信して媒体管理部614へ送信する。
また、払出制御部63は、例えば、遊技者が1000円札をCRユニット7に投入したとき、媒体管理部614が管理しているクレジット数が10枚である場合には、40枚分のチャージ信号をCRユニット7から受信して媒体管理部614へ送信する。
また、払出制御部63は、精算スイッチ41が押されると、スロットマシン1内のクレジット数に関するクレジット数信号およびCRユニット7内のクレジット数に関するオーバークレジット数信号から、メダルの精算枚数を計算する。そして、払出制御部63は、計算されたメダルの精算枚数に基づいて精算信号を生成し、後述の演出制御部620およびCRユニット7へ送信する。
<計時部64の説明>
計時部64は、現実の日時を計測する。そして、計時部64は、これに基づいて計時信号を生成し、その計時信号を演出制御部620等へ送信する。
<CRユニット7の説明>
CRユニット7は、例えばスロットマシン1の右側において外部接続されている。CRユニット7は、遊技者が1000円札を投入したときに50枚分のチャージ信号を生成する。生成されたチャージ信号は、遊技者がCRユニット7のチャージボタン(図示略)を操作することで払出制御部63へ送信される。
また、CRユニット7は、媒体管理部614が生成したクレジット数信号およびオーバークレジット数信号を、払出制御部63を介して受信する。前述の例では、媒体管理部614は10枚のクレジット数を管理しているため、遊技者が1000円札をCRユニット7に投入したとき、CRユニット7は40枚分のチャージ信号を生成する。この場合、残り10枚分のチャージ信号はCRユニット7に維持される。
その後、CRユニット7は、40枚分のチャージ信号を払出制御部63へ送信する。これにより、CR7は、媒体管理部614が管理するクレジット数が51枚以上とならないようメダルをスロットマシン1にチャージすることができる。
また、CRユニット7は、スロットマシン1内にてクレジット数の上限(50枚)を超えてメダルが払い出される場合には、媒体管理部614にて生成されたオーバークレジット数信号を払出制御部63から受信する。これにより、オーバークレジット数は、CRユニット7に挿入されているCRカードに記憶されているメダルの枚数に加算される。
さらにCRユニット7は、遊技者が精算スイッチ41を操作すると、媒体管理部614が生成したクレジット数信号を払出制御部63から受信する。そして、精算時のクレジット数が、CRユニット7内に挿入されているCRカードに記録されているオーバークレジット数信号とともにCRカード内に記録される。その後、CRカードがCRユニット7から排出される。
次回の遊技において、遊技者がこのCRカードをCRユニット7に挿入することで、カードに記憶されたメダルの枚数に関する情報をスロットマシン1内に取り込むことができる。例えば、CRカードに700枚のメダルの枚数に関する情報が入っていれば、遊技者は次回以降にこの残りのメダルの枚数で遊技を楽しむことができる。
<精算演出処理の説明>
図14を参照して、本発明の精算演出処理について説明する。また、以下に説明される処理の順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。
まず、計時部64が、現実の日時を計測する(ステップS1)。
ついで、払出制御部63が、遊技者が精算スイッチ41を押したか否かを判定する(ステップS2)。
遊技者が精算スイッチ41を押していないと判定された場合(S2:NO)には、処理はステップS1へ戻る。
一方、遊技者が精算スイッチ41を押したと判定された場合(S2:YES)には、計時部64が、日時が所定条件を満たしているか否かを判定する(ステップS3)。
日時が所定条件を満たしていないと判定された場合(S3:NO)には、本発明の精算演出処理は終了する。
一方、日時が所定条件を満たしていると判定された場合(S3:YES)には、演出制御部620が、精算演出が行われた回数が1日当たりの最高回数に達しているか否かを判定する(ステップS4)。
精算演出が行われた回数が1日当たりの最高回数に達していると判定された場合(S4:YES)には、本発明の精算演出処理は終了する。
一方、精算演出が行われた回数が1日当たりの最高回数に達していないと判定された場合(S4:NO)には、設定値制御部615が現在の設定値を確認する(ステップS5)。
ついで、演出制御部620が、精算枚数が1000枚以上であるか否かを判定する(ステップS6)。
精算枚数が1000枚未満であると判定された場合(S6:NO)には、演出制御部620が、設定値および精算枚数に基づく抽せんを行って、その結果に応じて、精算枚数が1000枚未満用の精算演出を行う(ステップS7)。
ついで、演出制御部620が、精算演出が行われた回数を1増加させる(ステップS8)。その後、本発明の精算演出処理は終了する。
ステップS6へ戻って、精算枚数が1000枚以上であると判定された場合(S6:YES)には、演出制御部620が、精算枚数が2000枚以上であるか否かを判定する(ステップS9)。
精算枚数が2000枚未満であると判定された場合(S9:NO)には、演出制御部620が、設定値および精算枚数に基づく抽せんを行って、その結果に応じて、精算枚数が2000枚未満用の精算演出を行う(ステップS10)。その後、演出制御部620が、精算演出が行われた回数を1増加させ(ステップS8)、本発明の精算演出処理は終了する。
一方、精算枚数が2000枚以上であると判定された場合(S9:YES)には、演出制御部620が、設定値および精算枚数に基づく抽せんを行って、その結果に応じて、精算枚数が2000枚以上用の精算演出を行う(ステップS11)。その後、演出制御部620が、精算演出が行われた回数を1増加させ(ステップS8)、本発明の精算演出処理は終了する。
以上の手順により、本発明の精算演出処理が実行される。
以上をまとめると、本発明の実施形態にかかるスロットマシン1は、
複数の図柄が各々表示された複数の回転リール20と、
遊技をするにあたって、遊技者の操作に基づいてメダルをベットするベットスイッチ44と、
遊技者の操作に基づいて複数の回転リール20の回転を開始させるレバー43と、
複数の回転リール20の各々に対応して設けられるとともに、遊技者の操作に基づいて回転中の回転リール20を停止させる複数のストップスイッチ40と、
遊技者によるレバー43の操作に基づいて内部抽せんを行って、入賞した場合に遊技者がメダルを獲得することのできる当せん役である獲得当せん役で構成される複数の獲得フラグを含む複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして成立させる内部抽せん部610と、
遊技者の操作に基づいてメダルがベットされた場合にはメダルのクレジット数を減少させ、遊技者の操作に基づいてメダルがクレジットされた場合にはクレジット数を増加させ、また、内部抽せんによって獲得フラグが当せんフラグとして成立したときに遊技者の操作に基づいて獲得当せん役が入賞した場合には入賞した獲得当せん役の種類に応じてクレジット数を増加させる媒体管理部614と、
遊技者の操作に基づいて、クレジットされているメダルの精算を行う払出制御部63と、
遊技進行に基づいた演出を行う演出制御部620と、
を備え、
演出制御部620は、払出制御部63によってメダルの精算が行われた場合に、精算時のクレジット数である精算枚数に応じた精算演出を行う。
<作用効果>
本発明によれば、メダルの精算時に様々な演出が行われる興趣に富んだ遊技機を提供することができる。
[他の実施形態]
前記実施形態とは異なり、CRユニットが接続されていない遊技機において本発明が適用されてもよい。この場合には、スロットマシンには最大で50枚のメダルがクレジットされうるが、例えば、精算時にクレジットされているメダルの枚数が44枚のようにゾロ目である場合、または下ひと桁の枚数が7枚である場合などに、なんらかの演出がなされてもよい。
また、前記実施形態においては、精算枚数が1000枚未満、2000枚未満、2000枚以上で段階的に精算演出が変更される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、精算枚数が5000枚未満、8000枚未満、10000枚未満、10000枚以上で段階的に精算演出が変更されてもよい。
なお、遊技者がすでにメダルがクレジットされているカードをCRユニットに装着しても、本発明は実施されないようにしてもよい。
また、精算演出が行われた回数が1日当たりの最大回数に達するまでの回数が液晶画面等に表示されてもよい。
精算時にCRユニットから排出されるカードは、汎用的なカードであってもよいし、あらかじめ遊技者が挿入した会員カードであってもよい。CRユニットから排出されるカードが会員カードであった場合には、演出制御部は、その店舗での精算枚数あるいは払い出し枚数の総計によって演出を変化させてもよい。
前記実施形態とは異なり、スロットマシンは払出制御部を備えていなくてもよく、また、CRユニットと外部接続されていなくてもよい。この場合には、スロットマシンは、媒体管理部、これによって制御されるホッパーユニット、およびメダルが払い出される払出口を備えていればよい。
具体的には、媒体管理部は、所定数(50枚)までクレジット数を管理する。そして、獲得フラグを構成する獲得当せん役の入賞により得られたメダルは、まず、所定数までクレジットとして貯留される。クレジット数が所定数を超えた場合には、媒体管理部はホッパーユニットに所定数を超えた分のメダルを払い出させる。
前記のように媒体管理部およびホッパーユニットを備えるスロットマシンの場合において本発明を適用する場合には、媒体管理部が所定期間中(例えば、ボーナス中あるいはART中)のメダルの払い出し枚数を記憶していればよい。そして、前記所定期間中のメダルの精算枚数が所定枚数以上であるときに演出制御部が特定の精算演出を行ってもよい。
また、前記実施形態においては、払出制御部はメイン制御部およびサブ制御部のいずれでもない制御部に搭載されている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、払出制御部はメイン制御部に搭載されていてもよい。また、媒体管理部が払出制御部の機能を果たしてもよい。
また、前記実施形態には媒体管理部が管理するクレジット数の上限は50枚である例が記載されているが、媒体管理部が管理することのできるクレジット数の上限は任意に変更することもできる。
また、前記実施形態とは異なり、クレジット機能がなく、CRユニットから直接メダルがベットされてもよい。
また、1ゲームが終了するごとに、クレジットまたはCRユニットから自動でメダルがベットされてもよい。
また、クレジット数が1枚以上の場合(1枚以上の貯留メダルがある場合)に精算スイッチが操作された場合には、媒体管理部によりホッパーユニットが制御され、クレジットされているメダルがホッパーユニットから払出口へ払い出される。
なお、前述のとおり、通常区間中に1種BBが当せんした場合には、区間制御部が区間移行抽せんを行う。そしてこの場合に、区間制御部が遊技区間を通常区間から有利区間へ移行することを決定した場合であっても、1種BBの内部中では、遊技区間は有利区間へ移行することなく、待機区間へ移行させてもよい。この待機区間中においては、区間制御部は有利区間の継続ゲーム数を計数しない。また、1種BBの内部中には、所定の処理は行われない。そして、遊技状態が1種BB中へ移行したときに、遊技区間が待機区間から有利区間へ移行する。
区間制御部は、前述のとおりの強制的移行のほか、任意のタイミングで有利区間を通常区間へ移行させることができる。例えば、すべての押し順役のうちメダルの払い出し枚数が最大になる押し順役を入賞させるためのアシストを有利区間中に少なくとも1回行ったことを、有利区間を終了させるための条件とすることができる。
具体的には、報知部は、現在の遊技区間が有利区間、かつ、現在の遊技状態が一般遊技状態であって、内部抽せんによって押し順ベル1〜12のいずれかの役のフラグが成立した場合には、中段ベルを入賞させるための押し順の1つである正解押し順を少なくとも1回報知することができる。例えば、有利区間、かつ、一般遊技状態において、内部抽せんによって押し順ベル7が成立した場合には、正解押し順としてあらかじめ定められている押し順である「左右中」が報知される。
その他、例えばARTのゲーム数がすべて消化された場合、あるいは、ARTの継続抽せんに当せんしなかった場合にも、区間制御部は、有利区間を終了させることができる。
また、前記実施形態においては、遊技区間が有利区間へ移行した場合であって特定の条件が満たされた場合に、遊技区間が有利区間であることが報知される例が記載されているが、遊技区間が有利区間である場合に必ずその旨が報知されてもよい。
また、他の実施形態として、
複数の図柄が各々表示された複数の回転リールと、
遊技をするにあたって、遊技者の操作に基づいて遊技媒体をベットするベットスイッチと、
前記遊技者の操作に基づいて複数の前記回転リールの回転を開始させるスタートスイッチと、
複数の前記回転リールの各々に対応して設けられるとともに、前記遊技者の操作に基づいて回転中の前記回転リールを停止させる複数のストップスイッチと、
前記遊技者による前記スタートスイッチの操作に基づいて内部抽せんを行って、入賞した場合に前記遊技者が前記遊技媒体を獲得することのできる当せん役である獲得当せん役で構成される複数の獲得フラグを含む複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして成立させる内部抽せん部と、
前記遊技者の操作に基づいて前記遊技媒体がベットされた場合には前記遊技媒体のクレジット数を減少させ、前記遊技者の操作に基づいて前記遊技媒体がクレジットされた場合には前記クレジット数を増加させ、また、前記内部抽せんによって前記獲得フラグが前記当せんフラグとして成立したときに前記遊技者の操作に基づいて前記獲得当せん役が入賞した場合には入賞した前記獲得当せん役の種類に応じて前記クレジット数を増加させる媒体管理部と、
所定期間における前記遊技媒体の払い出し数を管理する払出制御部と、
遊技進行に基づいた演出を行う演出制御部と、
を備え、
前記演出制御部は、前記払い出し数に応じた払出演出を行う、
遊技機がある。
この遊技機においては、払出制御部が所定期間(例えば、1日)におけるメダルの払い出し枚数をカウントする。なお、この払い出し枚数には、メダルの投入枚数は考慮しない。そして、1日のメダルの払い出し枚数が所定の枚数になった場合には、演出制御部が、その枚数に応じた払出演出を行うことができる。払い出し枚数は、当せん役の入賞による払い出し枚数であってもよく、また、CRユニットに出力された払い出し枚数であってもよい。
なお、所定期間におけるメダルの払い出し枚数は、設定値の変更、および計時部(例えば、リアルタイムクロック)で計測された期間が特定期間となったこと、のいずれかで初期化されてもよい。メダルの払い出し枚数の初期化時間に関しては、計時部により計時された時刻(営業終了時刻、24時間など)を参照してもよいし、前回の設定値変更またはメダルの払い出し枚数の初期化から所定時間経過したことであってもよい。