JP6828875B2 - コンクリート保護方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献1では、ケイ酸塩系表面含浸材とコンクリートとの反応を促進させる反応促進剤とケイ酸塩系表面含浸材とを用いてコンクリートを補強する方法が開示されている。
かかる状況下、本発明の目的は、コンクリートに優れた耐久性を付与できるコンクリートの保護方法を提供することである。
<1> 下記工程を有するコンクリート保護方法。
工程A:保護対象のコンクリートに、ケイ酸アルカリ金属塩を含有するケイ酸塩系表面含浸材を塗布し、前記コンクリートに、下地層を形成する工程
工程B:前記下地層の上に、リチウム化合物と、ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムとを含有するコンクリート保護材を塗布し、ガラス状の保護層を形成する工程
<2> 工程Bの後に、前記下地層の上に塗布した前記コンクリート保護材を加熱する工程B’を含む前記<1>に記載のコンクリート保護方法。
<3> 前記コンクリート保護材の粘度が、前記ケイ酸塩系表面含浸材の粘度より高い前記<1>又は<2>に記載のコンクリート保護方法。
<4> 前記コンクリート保護材の粘度が、8Pa・s以上14Pa・s以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のコンクリート保護方法。
<5> 前記ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムの合計100モル部に対して、リチウム化合物の含有量が1モル部以上50モル部以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のコンクリート保護方法。
<6> 前記リチウム化合物がケイ酸リチウムである前記<1>から<5>のいずれかに記載のコンクリート保護方法。
<7> 工程Aにおける前記ケイ酸アルカリ金属塩がケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムであり、前記ケイ酸塩系表面含浸材のpHが11以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載のコンクリート保護方法。
<8> 保護対象のコンクリートが劣化した部分を含むコンクリートであって、工程Aの前に、劣化した部分を除去する工程A’を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のコンクリート保護方法。
<9> 保護対象のコンクリートが、酸劣化した部分を含むコンクリートである前記<1>から<8>のいずれかに記載のコンクリート保護方法。
なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
工程A:保護対象であるコンクリートに、ケイ酸アルカリ金属塩を含有するケイ酸塩系表面含浸材を塗布し、前記コンクリートに、下地層を形成する工程
工程B:前記下地層の上に、リチウム化合物とケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムとを含有するコンクリート保護材を塗布し、ガラス状の保護層を形成する工程
工程Aは、保護対象であるコンクリートに、ケイ酸アルカリ金属塩を含有するケイ酸塩系表面含浸材を塗布し、前記コンクリートに、下地層を形成する工程である。
また、コンクリート表面は、より緻密に改質された下地層が形成されるので、工程Bにおいてコンクリート保護材を塗布したときに、コンクリート保護材と、下地層を介したコンクリートとの接着性が強化され局所的な脆弱部などが少ない、より均一な層を形成させやすくなる。
また、劣化因子は、コンクリートと反応してコンクリートを劣化(例えば、多孔質化)させる原因となるもので、例えば酸や塩化物イオン、二酸化炭素、水などを挙げることができる。
コンクリートは、特に限定されず、普通コンクリート、舗装コンクリート、AEコンクリート、流動化コンクリート(流動化剤を用いて施工性をよくしたコンクリート)、気泡コンクリート(発泡剤を用いて多量の気泡を混入し、軽量としたコンクリート)、フライアッシュコンクリート(火力発電所における微粉石炭の燃焼によって生ずる良質な微粉灰を混入したコンクリート)、及び高炉セメントコンクリート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「コンクリート」とは、モルタルも含むものであり、「コンクリート構造物」は、モルタルを一部含む構造物も含まれる。
また、新設のコンクリート構造物のコンクリート、すなわち、劣化した部分を含まないコンクリートであっても、酸に曝露される雰囲気で使用される場合、本発明の保護方法を施すことで、高い耐久性が期待できる。
従来の樹脂による工法では、施工前にコンクリート構造物を乾燥させる必要があり、下水道処理施設や温泉処理施設などのコンクリート構造物は施工前の乾燥に時間を要した。本発明の保護方法では、湿潤条件下でも工程Aが実施可能なため、下水道処理施設や温泉処理施設などのコンクリート構造物であっても、作業期間の短縮が可能である。
また、工程A’では、コンクリートの劣化部の除去範囲は、劣化の程度に応じて適宜決定できる。コンクリートの劣化部を完全に取り除いてもよいが、コンクリート表面の突起物や付着物を除去し、コンクリート表面をある程度平滑化できれば、劣化部分を完全に取り除く必要はなく、目的や施工性等を考慮して、劣化部の除去範囲は決定される。
ケイ酸塩系表面含浸材は、本発明のコンクリート保護方法の工程Aで用いられる、ケイ酸アルカリ金属塩を含有する液体組成物である。
ケイ酸塩系表面含浸材の粘度は、2.0〜7.0mPa・sであることが好ましく、3.0〜6.5mPa・sであることがより好ましい。このような数値範囲であると、ケイ酸塩系表面含浸材がコンクリートに含浸しやすく、コンクリートとの反応が起こりやすく、下地層がより緻密になる。
なお、粘度は、振動粘度計や回転粘度計などの方法で測定することができる。
特に、保護対象が酸劣化したコンクリートである場合、酸塩基反応により劣化因子である酸を固定化することがで、より高い保護効果が得られる。
ケイ酸塩系表面含浸材の副成分としては、撥水性を付与するためのアルキルアルコキシシラン、ポリオルガノシロキサンや、充填率を向上させるためのコロイダルシリカ、塗膜養生強化のための酢酸ビニル類やアクリル共重合体等のポリマーエマルジョンが例示される。
ケイ酸塩系表面含浸材の塗布方法はどのようなものでもよく、例えば、噴霧、ローラー塗り、刷毛塗り等の方法が挙げられる。ケイ酸塩系表面含浸材の塗布量は、それぞれの濃度や形態により変更され、コンクリート表面に所望のC−S−Hゲル層を得ることができれば問わない。
また、塗布後に、自然乾燥や加熱処理等の乾燥を行ってもよい。工程Aの後は乾燥工程を設けることが好ましく、工程Bを開始するまでの時間は、3時間以上であることが好ましく、6時間以上であることがより好ましく、特に好ましくは12時間以上である。
また、ケイ酸塩表面含浸材をコンクリート内部へ浸透させるために、工程Aの後に、散水処理といった工程を行なってもよい。
工程Bは、前記下地層の上に、リチウム化合物とケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムを含有するコンクリート保護材を塗布し、ガラス状の保護層を形成する工程であり、工程Aの後に行われる。また、工程Bは、工程Aの後に行いさえすればよく、工程Aと連続して行っても、工程Aと工程Bの間に別の工程(加熱処理や散水処理等)を含んでもよい。
本発明では、コンクリート保護材を塗布し、コンクリートへの劣化因子の侵入を遮断する能力が高いガラス状の保護層を形成させることで、高い保護効果が得られやすい。
また、本発明では、コンクリート保護材と類似のケイ酸アルカリ金属塩を含有するケイ酸塩系表面含浸材を用いた下地層を形成してあるため、ガラス状の保護層は下地層と密着しやすい。
本発明のコンクリート保護材は、工程Bで用いられ、リチウム化合物と、ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムとを含有する液状組成物であり、塗布後、自然乾燥や加熱処理等の乾燥により保護層を形成しコンクリートの劣化を抑制する材料である。
コンクリート保護材を上記粘度に調製するためには、目的の粘度になるように材料を混合するほかに、粘度の低いコンクリート保護材を調製後に濃縮する、あるいは、粘度の高いコンクリート保護材を調製後に溶媒にて希釈してもよい。
また、形成される層の耐久性をより向上させるためには、前記ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムの合計100モル部に対して、リチウム化合物の含有量が1モル部以上50モル部以下であることが好ましく、リチウム化合物の含有量が10モル部以上30モル部以下であることがより好ましい。
このようなコンクリート保護材を用いることで、耐久性に優れたガラス状の保護層を厚膜で形成しやすく、保護効果をより向上させることができる。
コンクリート保護材の塗布方法はどのようなものでもよく、例えば、噴霧、ローラー塗り、刷毛塗り等の方法が挙げられる。コンクリート保護材の塗布量は、本発明の目的を損なわない範囲で、それぞれの濃度や形態に応じて適宜決定できる。また、形成されるガラス状の保護層が目的の厚さとなるように、塗布を複数回行ってもよい
本発明において、「ガラス状の保護層」とは、工程Aで形成する下地層の上に、上述したコンクリート保護材により形成される層のことであり、コンクリート内部に新たな劣化因子の侵入を抑制する役割を担う。なお、ガラス状の保護層は、下地のコンクリートを劣化させない範囲で、劣化因子が下地のコンクリートに侵入することを防ぐことができればよく、劣化因子がガラス状の保護層の内部に侵入しない場合と、ガラス状の保護層の内部で劣化因子が反応、固定化され、下地まで拡散させない場合の両方を含む。そのため、ガラス状の保護層の内部には、未反応の部分があってもよい。
また、コンクリート内部への劣化因子の侵入抑制の効果をさらに高めるためには、形成される「ガラス状の保護層」のビッカース硬さ(Hv)は、10以上であることが好ましい。
「リチウム化合物」
・メタケイ酸リチウム(粉体、santa cruz biotechnology社製)(以下、「化合物(1)」とする。)
・水酸化リチウム水和物(粉体、和光純薬工業株式会社製)(以下、「化合物(2)」とする。)
「ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムの混合液」
・ジルコン(fourshell社製、成分;ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)(以下、「組成物(1)」とする。)(pH11)
・エポキシ樹脂(日本シーカ株式会社製、エバーボンドEP−400)
・硫酸(和光純薬工業株式会社製)
・蒸留水
本発明の保護方法を実施したモルタル試験体の耐硫酸性の評価
1)コンクリート保護材(1)の調製
リチウム化合物として、化合物(1)、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムの混合液として、組成物(1)を用い、リチウム化合物とケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムとを含有するコンクリート保護材を調整した。
まず、化合物(1)4.497gを60℃に加熱した組成物(1)500mLに溶解させ、混合液を得た。次に、この混合液を60℃設定の乾燥機に放置し、混合液の体積が、乾燥機に入れる前の混合液の体積に対して60%になるまで混合液から水分を蒸発させた。その後、水を蒸発させ濃縮した混合液を、撹拌して材料の均一性を図り、コンクリート保護材(1)を得た。コンクリート保護材(1)は、容器内に密閉して保管した。
φ5cm×10cmの円柱モルタル試験体を10%硫酸溶液に14日間浸漬させて、酸劣化モルタル試験体を得た。
工程A’−1:水を入れたビーカーに酸劣化モルタル試験体を加え、酸劣化モルタル試験体を振盪し、モルタル試験体(a’)を得た。
工程A−1:ケイ酸塩系表面含浸材として、組成物(1)を用いた。工程A’−1で得たモルタル試験体(a’)上に、組成物(1)を刷毛塗により0.004ml/cm2塗布し、20℃、湿度60%の環境下で30分乾燥させてモルタル試験体(a)を得た。
工程B−1:コンクリート保護材としてコンクリート保護材(1)を用いた。工程A’−1、工程A−1を施したモルタル試験体(a)の上に、コンクリート保護材(1)を刷毛塗により厚さ0.5mmとなるように塗布し、20℃、湿度60%の環境下で3日間乾燥させて、モルタル試験体上にガラス状の保護層を形成させたモルタル試験体を得た。このモルタル試験体を、モルタル試験体(b)とした。
工程B’−1:モルタル試験体上にガラス状の保護層をより強固なものにするために、モルタル試験体(b)を、120℃、湿度30%の環境下で、1分間加熱処理した。このモルタル試験体を、試験体(1)として評価に用いた。また、得られた試験体(1)のガラス状の保護層を測定したところ、0.5mmであった。
評価は、日本下水道事業団「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」(平成24年4月)に準拠して行った。まず、5%硫酸溶液に試験体(1)を半浸漬させ、経時的な劣化の様子を観察した。5%硫酸溶液に試験体(1)を半浸漬させて1日および5日経過した後の試験体(1)の写真を図1に示す。また、試験体(1)の5%硫酸溶液への半浸漬5日経過後の重量変化率及び浸漬部位の試験体直径の変化率を求めた結果を表1に示す。
1)コンクリート保護材(2)の調製
リチウム化合物として、化合物(2)、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムの混合液として、組成物(1)を用い、リチウム化合物とケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムを含有するコンクリート保護材を調整した。
まず、化合物(2)4.196gを蒸留水100mLに常温で溶解させ、化合物(2)の水溶液を得た。次に、組成物(1)400mLに、化合物(2)の水溶液100mLを常温で撹拌、混合し、組成物(1)と化合物(2)の水溶液との混合液を得た。この混合液を60℃設定の乾燥機に放置し、混合液の体積が、乾燥機に入れる前の混合液の体積に対して60%になるまで混合液から水分を蒸発させた。さらに、水を蒸発させ濃縮した混合液を、撹拌して材料の均一性を図り、コンクリート保護材(2)を得た。コンクリート保護材(2)は、容器内に密閉して保管した。
工程B−1のコンクリート保護材としてコンクリート保護材(2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、試験体(2)を得た。また、試験体(2)のガラス状の保護層を測定したところ、0.5mmであった。
実施例1−1と同様にして、評価を行った。5%硫酸溶液に試験体(2)を半浸漬させて1日および5日経過した後の試験体(2)の写真を図1に示す。また、試験体(2)の5%硫酸溶液への半浸漬5日経過後の重量変化率及び浸漬部位の試験体直径の変化率を求めた結果を表1に示す。
実施例1−1の工程A’−1と同様の方法で、モルタル試験体(a’)を得た。これを試験体(3)として評価に用いた。
評価は、実施例1−1と同様に行った。5%硫酸溶液に試験体(3)を半浸漬させて1日および5日経過した後の試験体(3)の写真を図1に示す。また、試験体(3)の5%硫酸溶液への半浸漬5日経過後の重量変化率及び浸漬部位の試験体直径の変化率を求めた結果を表1に示す。
実施例1−1の工程A’−1と同様の方法で、モルタル試験体(a’)を得た。
次に、モルタル試験体(a’)の上に、エポキシ樹脂を刷毛塗により塗布し、乾燥させ、モルタル試験体(a’)をエポキシ樹脂で被覆した試験体(4)を得た。
実施例1−1と同様にして、評価を行った。5%硫酸溶液に試験体(4)を半浸漬させて1日および5日経過した後の試験体(4)の写真を図1に示す。また、試験体(4)の5%硫酸溶液への半浸漬5日経過後の重量変化率及び浸漬部位の試験体直径の変化率を求めた結果を表1に示す。
1)保護対象のコンクリート(c)の作製
実環境下でのコンクリート保護材の適用性を検討するため、10cm×10cm×4cmのコンクリート(c)を作製した。
なお、コンクリートは普通ポルトランドセメントを用い、水セメント比50%とし、10cm×10cm×40cmの型枠で作製した。その後28日間の水中養生後にコンクリートカッターで4cmにカットし、10cm×10cm×4cmとした。
2)コンクリート(c)の保護
工程A−2:ケイ酸塩系表面含浸材として、組成物(1)を用い、コンクリート(c)上に、組成物(1)を刷毛塗により0.004ml/cm2塗布し、20℃、湿度60%の環境下で24時間乾燥させた。
工程B−2:コンクリート保護材として、実施例1−1で調製したコンクリート保護材(1)を用い、工程A−2を施したコンクリート(c)の上に、コンクリート保護材(1)を刷毛塗により厚さ0.5mmとなるように塗布し、20℃、湿度60%の環境下で7日間乾燥させて、コンクリート(c)上にガラス状の保護層を形成させた試験体(c1)を得た。
コンクリート(c)上のガラス状の保護層を測定したところ、0.5mmであった。
3)評価
試験体(c1)を温度35℃、pH4.9〜5.9の廃液施設の大気中に5カ月間設置して、試験体(c1)の外観及び内部の観察を行った。結果を図2に示す。
実施例2−1と同様の方法で、コンクリート(c)を作製し、温度35℃、pH4.9〜5.9の廃液施設の大気中に5カ月間設置して、コンクリート(c)の外観観察を行なった。結果を図2に示す。
<比較例2−2>
実施例2−1と同様の方法で、コンクリート(c)を作製した。
次に、コンクリート(c)上に、エポキシ樹脂を刷毛塗により塗布し、20℃、湿度60%の環境下で24時間乾燥させて、コンクリート(c)表面をエポキシ樹脂で被覆した試験体(c2)を得た。試験体(c2)を温度35℃、pH4.9〜5.9の廃液施設の大気中に5カ月間設置して、試験体(c2)の外観観察を行なった。結果を図2に示す。
コンクリート保護材の含有成分であるリチウム化合物として、化合物(1)を、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムの混合液として、組成物(1)を用いた。化合物(1)と組成物(1)とをモル比1:10で均一に混合した後、60℃の炉乾燥機で乾燥させ乾燥固化させた後、120℃で1時間炉乾燥させ、乾燥固形分(1)を得た。
また、比較として、組成物(1)を、60℃の炉乾燥機で乾燥させ乾燥固化させた後、120℃で1時間炉乾燥させ、乾燥固形分(2)を得た。
さらに、乾燥固形分(1)と乾燥固形分(2)の硫酸水溶液(0.05mol/l)に2週間間浸漬後の重量変化率を求めた。図4に示すように、リチウム化合物を含有することで、硫酸水溶液に浸漬した場合の経時での重量変化が抑制できており、酸に対する耐久性が向上していることが示唆された。
塩化ビニル板に、実施例1−1で調製したコンクリート保護材(1)のみを1mm厚で塗装し、温度20℃,湿度60%の環境下にて1週間静置し、ガラス状の保護層を形成した。形成したガラス状の保護層に160℃、200℃に設定した加熱板を10、20、30秒の所定の時間押し当て加熱処理した後に、各ガラス状の保護層の硬度をビッカース硬度計にて測定した。結果を図5に示す。
ガラス状の保護層は、加熱温度を上げるに従って、硬度が増加する結果を示した。また、加熱温度200℃における加熱時間の違いによるガラス状の保護層の硬度に大きな違いは確認されなかった。保護材の強度は、200℃の加熱を行うことで、20℃に比べて2.3倍程度大きくできる。
Claims (8)
- 保護対象のコンクリートの表面に、ケイ酸アルカリ金属塩を含有するケイ酸塩系表面含浸材を塗布し、前記コンクリートの表面に、下地層を形成する工程Aと、
前記下地層の上に、リチウム化合物と、ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムとを含有するコンクリート保護材を塗布し、ガラス状の保護層を形成する工程Bと、
前記工程Bの後に、前記下地層の上に塗布した前記コンクリート保護材を加熱する工程B’と、を有し、
前記コンクリート保護材の粘度が、前記ケイ酸塩系表面含浸材の粘度より高いことを特徴とするコンクリート保護方法。 - 前記工程B’の加熱温度は60℃〜220℃である請求項1に記載のコンクリート保護方法。
- 前記コンクリート保護材の粘度が、8Pa・s以上14Pa・s以下である請求項1又は2に記載のコンクリート保護方法。
- 前記ケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムの合計100モル部に対して、リチウム化合物の含有量が1モル部以上50モル部以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のコンクリート保護方法。
- 前記リチウム化合物がケイ酸リチウムである請求項1から4のいずれか1項に記載のコンクリート保護方法。
- 工程Aにおける前記ケイ酸アルカリ金属塩がケイ酸ナトリウム及び/又はケイ酸カリウムであり、前記ケイ酸塩系表面含浸材のpHが11以上である請求項1から5のいずれか1項に記載のコンクリート保護方法。
- 保護対象のコンクリートが劣化した部分を含むコンクリートであって、工程Aの前に、劣化した部分を除去する工程A’を含む請求項1から6のいずれか1項に記載のコンクリート保護方法。
- 保護対象のコンクリートが、酸劣化した部分を含むコンクリートである請求項1から7のいずれか1項に記載のコンクリート保護方法。
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