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JP6827246B2 - ハロゲン化ブテン化合物の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化ブテン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、ハロゲン化ブテン化合物の製造方法に関する。
ヘプタフルオロブテンに代表される7個のハロゲン原子を有するブテン化合物は、半導体用ドライエッチングガスの他、クリーニングガス、有機合成用ビルディングブロック等として期待される化合物である。
この7個のハロゲン原子を有するブテン化合物の製造方法として、例えば、非特許文献1では、CF3C≡CCF3とAgFとを反応させてCF3CF=C(CF3)Agを得た後に、アセトニトリル中でHClと反応させてCF3CF=CHCF3を得ている。
Journal of the American Chemical Society, 91, 1969, p. 6532-6534
本開示は、転化率が高く、7個のハロゲン原子を有するブテン化合物を高選択率で得ることができる方法を提供することを目的とする。
本開示は、以下の構成を包含する。
項1.一般式(1):
CX1X2X3CX4=CHCX7X8X9 (1)
[式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9は同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化ブテン化合物の製造方法であって、
触媒の存在下に、
一般式(2):
CX1X2X3C≡CCX7X8X9 (2)
[式中、X1、X2、X3、X7、X8及びX9は前記に同じである。]
で表されるハロゲン化ブチン化合物と、ハロゲン化水素とを反応させる工程
を備える、製造方法。
項2.前記一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物がCF3CF=CHCF3であり、且つ、前記一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物がCF3C≡CCF3である、項1に記載の製造方法。
項3.前記触媒が、フッ素化若しくは非フッ素化活性炭触媒、並びにフッ素化若しくは非フッ素化ルイス酸触媒よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、項1又は2に記載の製造方法。
項4.前記触媒がフッ素化若しくは非フッ素化ルイス酸触媒であり、前記ルイス酸触媒が、酸化クロム触媒、アルミナ触媒、シリカアルミナ触媒、及びゼオライト触媒よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
項5.前記一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物1モルに対して、30〜250モルのハロゲン化水素を反応させる、項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
項6.一般式(1):
CX1X2X3CX4=CHCX7X8X9 (1)
[式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9は同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化ブテン化合物と、
一般式(3):
CX1X2X3CX4X5CHX6CX7X8X9 (3)
[式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9は前記に同じである、X5及びX6は片方が水素原子を示し、他方がハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化ブタン化合物とを含有する組成物であって、
組成物全量を100モル%として、前記一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物の含有量が91.00〜99.99モル%である、組成物。
項7.クリーニングガス、エッチングガス又は有機合成用ビルディングブロックとして用いられる、項6に記載の組成物。
本開示によれば、転化率が高く、高選択率で得られる方法で、7個のハロゲン原子を有するブテン化合物を合成することができる。
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲を「A〜B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
本開示において、「選択率」とは、反応器出口からの流出ガスにおける原料化合物以外の化合物の合計モル量に対する、当該流出ガスに含まれる目的化合物の合計モル量の割合(モル%)を意味する。
本開示において、「転化率」とは、反応器に供給される原料化合物のモル量に対する、反応器出口からの流出ガスに含まれる原料化合物以外の化合物の合計モル量の割合(モル%)を意味する。
従来は、非特許文献1の方法によれば、CF3C≡CCF3とAgFとを反応させてCF3CF=C(CF3)Agを得た後に、アセトニトリル中でHClと反応させてCF3CF=CHCF3を得ているが、2段階の反応が必要になるうえに、合計収率は57%に過ぎなかった。
以上から、従来の方法によれば、収率は57%に過ぎず、また、工程数も多い反応であった。本開示の製造方法によれば、従来と比較しても、転化率が高く、高選択率で得られる方法で、7個のハロゲン原子を有するブテン化合物を合成することができる。
1.ハロゲン化ブテン化合物の製造方法
本開示のハロゲン化ブテン化合物の製造方法は、
一般式(1):
CX1X2X3CX4=CHCX7X8X9 (1)
[式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9は同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化ブテン化合物の製造方法であって、
触媒の存在下に、
一般式(2):
CX1X2X3C≡CCX7X8X9 (2)
[式中、X1、X2、X3、X7、X8及びX9は前記に同じである。]
で表されるハロゲン化ブチン化合物と、ハロゲン化水素とを反応させる工程
を備える。
本開示の製造方法において、一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物と、ハロゲン化水素との反応は、無触媒で行うと、一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物1モルに対して2モルのハロゲン化水素が付加した一般式(3):
CX1X2X3CX4X5CHX6CX7X8X9 (3)
[式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9は前記に同じである、X5及びX6は片方が水素原子を示し、他方がハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化ブタン化合物が副生成物として相当程度(例えば9.00モル%より多量)生成される。
一方、上記した一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物と、ハロゲン化水素との反応を触媒の存在下で行うことで、一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物1モルに対して2モルのハロゲン化水素が付加することは抑制され、一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物1モルに対して1モルのハロゲン化水素が付加した一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物を選択的に得ることができる。これは、トリハロゲン化メチル基(CX1X2X3及びCX7X8X9)は強力な電子吸引基の効果によるものである。その強力な電子吸引効果により、トリハロゲン化メチル基は隣接する二重結合や三重結合の電子の電子密度を下げるため、その不飽和結合への付加反応が起こりにくくなる。ハロゲン化ブチン化合物は、三重結合をもつためその反応性の高さから容易にハロゲン化水素の付加反応がおこるが、ハロゲン化ブテン化合物はトリハロゲン化メチル基の効果により、ハロゲン化水素と反応せずハロゲン化ブタン化合物にはならず、ハロゲン化ブテン化合物を選択的に得ることができる。
本開示の製造方法において使用できる基質としてのハロゲン化ブチン化合物は、上記のとおり、一般式(2):
CX1X2X3C≡CCX7X8X9 (2)
[式中、X1、X2、X3、X7、X8及びX9は同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化ブチン化合物である。
一般式(2)において、X1、X2、X3、X7、X8及びX9で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
基質であるハロゲン化ブチン化合物としては、ハロゲン化ブテン化合物を特に、高い転化率、収率及び選択率で製造することができる観点において、X1、X2、X3、X7、X8及びX9はいずれも、フッ素原子が好ましい。
上記したX1、X2、X3、X7、X8及びX9は、それぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。
上記のような条件を満たす基質としてのハロゲン化ブチン化合物としては、具体的には、CF3C≡CCF3、CCl3C≡CCCl3、CBr3C≡CCBr3等が挙げられる。これらのハロゲン化ブチン化合物は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。このようなハロゲン化ブチン化合物は、公知又は市販品を採用することができる。また、特開2012−001448号公報等の常法にしたがって合成することも可能である。
ハロゲン化ブチン化合物と反応させるハロゲン化水素としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素等が挙げられる。なお、反応の転化率、収率及び選択率の観点からは、フッ化水素が好ましい。これらのハロゲン化水素は、単独で使用することもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
ハロゲン化水素は、通常、ハロゲン化ブチン化合物(基質)とともに、気相状態で反応器に供給することが好ましい。ハロゲン化ブチン化合物(基質)と反応させるハロゲン化水素の供給量は、ハロゲン化ブチン化合物(基質)1モルに対して、30〜250モルが好ましく、35〜240モルがより好ましく、40〜230モルがさらに好ましい。この範囲とすることにより、ハロゲン化水素による付加反応をより良好に進行させつつも、ハロゲン化水素による過度な付加反応をより抑制することで、不純物の生成をより低減することができ、生成物のハロゲン化ブテン化合物の選択率が高く、高収率で回収することができる。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させる工程は、ハロゲン化水素による付加反応であり、触媒の存在下に行う。本開示の製造方法におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させる工程(付加反応)では、気相、特に固定床反応器を用いた気相連続流通式で行うことが好ましい。気相連続流通式で行う場合は、装置、操作等を簡略化できるとともに、経済的に有利である。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させる工程では、例えば、基質として、一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物では、X1、X2、X3、X7、X8及びX9は、フッ素原子であることがより好ましい。
つまり、以下の反応式:
CF3C≡CCF3 + HF → CF3CF=CHCF3
に従い、フッ化水素による付加反応であることが好ましい。
本開示の製造方法において使用される触媒としては、フッ素化若しくは非フッ素化活性炭触媒、フッ素化若しくは非フッ素化ルイス酸触媒等が好ましい。
活性炭触媒としては、特に制限はなく、破砕炭、成形炭、顆粒炭、球状炭等の粉末活性炭が挙げられる。粉末活性炭は、JIS試験(JIS Z8801)で、4メッシュ(4.75mm)〜100メッシュ(0.150mm)の粒度を示す粉末活性炭を用いることが好ましい。これらの活性炭は、公知又は市販品を採用することができる。
活性炭は、フッ素化することにより、より強い活性を示すようになるため、反応に用いる前に、予め活性炭をフッ素化したフッ素化活性炭を用いることもできる。つまり、活性炭触媒としては、フッ素化されていない活性炭及びフッ素化活性炭のいずれも使用することができる。
活性炭をフッ素化するためのフッ素化剤としては、例えば、HF等の無機フッ素化剤の他、ヘキサフルオロプロペン等のハイドロフルオロカーボン(HFC)、クロロフルオロメタン等のクロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)等の有機フッ素化剤も用いることができる。
活性炭をフッ素化する方法としては、例えば、室温(25℃)〜400℃程度の温度条件下に大気圧下で上記したフッ素化剤を流通させてフッ素化する方法を挙げることができる。
ルイス酸触媒としては、特に制限はなく、酸化クロム触媒、アルミナ触媒、シリカアルミナ触媒、ゼオライト触媒等が挙げられる。これらのルイス酸触媒は、フッ素化されていないルイス酸触媒及びフッ素化されたルイス酸触媒のいずれも採用することができる。
酸化クロム触媒については、特に制限されないが、酸化クロムをCrOmで表記した場合に、1.5<m<3が好ましく、2<m<2.75がより好ましく、2<m<2.3がさらに好ましい。また、酸化クロムをCrOm・nH2Oで表記した場合に、nの値が3以下、特に1〜1.5となるように水和していてもよい。
フッ素化された酸化クロム触媒は、上記した酸化クロム触媒のフッ素化により調製することができる。このフッ素化は、例えば、HF、フルオロカーボン等を用いて行うことができる。このようなフッ素化された酸化クロム触媒は、例えば、特開平05−146680号公報に記載されている方法にしたがって合成することができる。
以下、酸化クロム触媒及びフッ素化された酸化クロム触媒の合成方法の一例を示す。
まず、クロム塩の水溶液(硝酸クロム、塩化クロム、クロムみょうばん、硫酸クロム等)とアンモニア水とを混合することよって水酸化クロムの沈殿を得ることができる。この時の沈澱反応の反応速度により水酸化クロムの物性を制御することができる。反応速度は、速いことが好ましい。反応速度は反応溶液温度、アンモニア水混合方法(混合速度)、撹拌状態等により左右される。
この沈澱を濾過洗浄後、乾燥することができる。乾燥は、例えば、空気中、70〜200℃で、1〜100時間行うことができる。この段階の触媒を水酸化クロムの状態と呼ぶことがある。次いで、この触媒を解砕することができる。ペレットの強度、触媒の活性等の観点から、解砕された粉末(例えば、粒径は1000μm以下、特に46〜1000μmの粒径品が95%)の粉体密度が0.6〜1.1g/ml、好ましくは0.6〜1.0g/mlになるように沈澱反応速度を調整することが好ましい。粉体の比表面積(BET法による比表面積)は例えば200℃、80分の脱気条件で、100m2/g以上が好ましく、120m2/g以上がより好ましい。なお、比表面積の上限は、例えば、220m2/g程度である。
この水酸化クロムの粉体に、要すればグラファイトを3重量%以下混合し、打錠機によりペレットを形成することができる。ペレットのサイズ及び強度は適宜調整することができる。
成形された触媒を不活性雰囲気中、例えば窒素気流中焼成し、非晶質の酸化クロムとすることができる。この焼成温度は360℃以上が好ましく、結晶化抑制の観点からは、380〜460℃が好ましい。また、焼成時間は、例えば1〜5時間とすることができる。
焼成された触媒の比表面積は、触媒の活性の観点から、例えば170m2/g以上が好ましく、180m2/g以上がより好ましく、200m2/g以上がさらに好ましい。なお、比表面積の上限は、通常、240m2/g程度が好ましく、220m2/g程度がより好ましい。
次いで、酸化クロムをフッ素化することによってフッ素化された酸化クロムを得ることができる。フッ素化の温度は、生成する水が凝縮しない温度範囲とすればよく、反応熱により触媒が結晶化しない温度を上限とすればよい。フッ素化の温度は、例えば100〜460℃とすることができる。フッ素化時の圧力に制限はないが、触媒反応に供される時の圧力で行うことが好ましい。
アルミナ触媒としては、例えば、α-アルミナ、活性アルミナ等が挙げられる。活性アルミナとしては、ρ-アルミナ、χ-アルミナ、κ-アルミナ、η-アルミナ、擬γ-アルミナ、γ-アルミナ、σ-アルミナ、θ-アルミナ等が挙げられる。
また、複合酸化物としてシリカアルミナ触媒も用いることができる。シリカアルミナ触媒は、シリカ(SiO2)及びアルミナ(Al2O3)を含む複合酸化物触媒であり、シリカ及びアルミナの総量を100質量%として、例えば、シリカの含有量が20〜90質量%、特に50〜80質量%の触媒を使用することができる。
アルミナ触媒及びシリカアルミナ触媒は、フッ素化することにより、より強い活性を示すようになるため、反応に用いる前に、予めアルミナ触媒をフッ素化してフッ素化アルミナ触媒として用いることもでき、シリカアルミナ触媒をフッ素化してフッ素化シリカアルミナ触媒として用いることもできる。
アルミナ触媒及びシリカアルミナ触媒をフッ素化するためのフッ素化剤としては、例えば、F2、HF等の無機フッ素化剤、ヘキサフルオロプロペン等のフルオロカーボン系の有機フッ素化剤等を用いることができる。
アルミナ触媒及びシリカアルミナ触媒をフッ素化する方法としては、例えば、室温(25℃)〜400℃程度の温度条件下に大気圧下で上記したフッ素化剤を流通させてフッ素化する方法を挙げることができる。
ゼオライト触媒としては、公知の種類のゼオライトを広く採用することができる。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の結晶性含水アルミノ珪酸塩が好ましい。ゼオライトの結晶形は、特に限定されず、A型、X型、LSX型等が挙げられる。ゼオライト中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属は、特に限定されず、カリウム、ナトリウム、カルシウム、リチウム等が挙げられる。
ゼオライト触媒は、フッ素化することにより、より強い活性を示すようになるため、反応に用いる前に、予めゼオライト触媒をフッ素化してフッ素化ゼオライト触媒として用いることができる。
ゼオライト触媒をフッ素化するためのフッ素化剤としては、例えば、F2、HF等の無機フッ素化剤、ヘキサフルオロプロペン等のフルオロカーボン系の有機フッ素化剤等を用いることができる。
ゼオライト触媒をフッ素化する方法としては、例えば、室温(25℃)〜400℃程度の温度条件下に大気圧下で上記したフッ素化剤を流通させてフッ素化する方法を挙げることができる。
上記した触媒は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。これらのなかでも、転化率、選択率及び収率の観点から、フッ素化若しくは非フッ素化活性炭触媒、フッ素化若しくは非フッ素化酸化クロム触媒、フッ素化若しくは非フッ素化アルミナ触媒等が好ましく、フッ素化若しくは非フッ素化活性炭触媒、フッ素化若しくは非フッ素化酸化クロム触媒等がより好ましい。
また、触媒として上記したフッ素化若しくは非フッ素化ルイス酸触媒を使用する場合は、担体に担持させることも可能である。このような担体としては、例えば、炭素、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)等が挙げられる。炭素としては、活性炭、不定形炭素、グラファイト、ダイヤモンド等を用いることができる。
本開示の製造方法において、触媒の存在下にハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させるに当たっては、例えば、触媒を固体の状態(固相)でハロゲン化ブチン化合物と接触させることが好ましい。この場合、触媒の形状は粉末状とすることもできるが、ペレット状のほうが気相連続流通式の反応に採用する場合には好ましい。
触媒のBET法により測定した比表面積(以下、「BET比表面積」と言うこともある。)は、通常10〜3,000m2/gが好ましく、10〜2500m2/gがより好ましく、20〜2000m2/gがさらに好ましく、30〜1500m2/gが特に好ましい。触媒のBET比表面積がこのような範囲にある場合、触媒の粒子の密度が小さ過ぎることがないため、より高い選択率でハロゲン化ブテン化合物を得ることができる。また、ハロゲン化ブチン化合物の転化率をより向上させることも可能である。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させる工程では、反応温度の下限値は、より効率的にハロゲン化水素による付加反応を進行させて転化率をより向上させ、目的化合物であるハロゲン化ブテン化合物をより高い選択率で得ることができる観点から、通常180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。なお、触媒としてルイス酸触媒を使用する場合は、反応温度の下限値は、同様の理由により、280℃以上が好ましく、320℃以上がより好ましい。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させる反応温度の上限値は、より効率的にハロゲン化水素による付加反応を進行させて転化率をより向上させ、目的化合物であるハロゲン化ブテン化合物をより高い選択率で得ることができる観点、且つ反応生成物が分解又は重合することによる選択率の低下をより抑制する観点から、通常500℃以下が好ましく、450℃以下がより好ましく、400℃以下がさらに好ましい。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させる反応時間は、例えば気相流通式を採用する場合には、原料化合物の触媒に対する接触時間(W/F)[W:金属触媒の重量(g)、F:原料化合物の流量(cc/sec)]は、反応の転化率が特に高く、ハロゲン化ブテン化合物をより高収率及び高選択率に得ることができる観点から、1.5〜30g・sec./ccが好ましく、1.8〜20g・sec./ccがより好ましく、2.0〜10g・sec./ccがさらに好ましい。上記のW/Fは特に気相流通式反応を採用した場合の反応時間を特定したものであるが、バッチ式反応を採用する場合も、接触時間を適宜設定することができる。なお、上記接触時間とは、基質及び触媒が接触する時間を意味する。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させる反応圧力は、より効率的にハロゲン化水素による付加反応を進行させる点から、-0.05MPa〜2MPaが好ましく、-0.01MPa〜1MPaがより好ましく、常圧〜0.5MPaがさらに好ましい。なお、本開示において、圧力については特に表記が無い場合はゲージ圧とする。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素との反応において、ハロゲン化ブチン化合物と触媒とを投入して反応させる反応器としては、上記温度及び圧力に耐え得るものであれば、形状及び構造は特に限定されない。反応器としては、例えば、縦型反応器、横型反応器、多管型反応器等が挙げられる。反応器の材質としては、例えば、ガラス、ステンレス、鉄、ニッケル、鉄ニッケル合金等が挙げられる。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素との反応(ハロゲン化水素による付加反応)は、反応器に基質を連続的に仕込み、当該反応器から目的化合物を連続的に抜き出す流通式及びバッチ式のいずれの方式によっても実施することができる。目的化合物が反応器に留まると、さらに脱離反応が進行し得ることから、流通式で実施することが好ましい。本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素とを反応させる工程では、気相で行い、特に固定床反応器を用いた気相連続流通式で行うことが好ましい。気相連続流通式で行う場合は、装置、操作等を簡略化できるとともに、経済的に有利である。
本開示におけるハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素との反応を行う際の雰囲気については、触媒の劣化を抑制する点から、不活性ガス雰囲気下、フッ化水素ガス雰囲気下等が好ましい。当該不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。これらの不活性ガスのなかでも、コストを抑える観点から、窒素が好ましい。当該不活性ガスの濃度は、反応器に導入される気体成分の0〜50モル%とすることが好ましい。
このようにして得られる本開示の目的化合物は、一般式(1):
CX1X2X3CX4=CHCX7X8X9 (1)
[式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9は同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化ブテン化合物である。
一般式(1)におけるX1、X2、X3、X7、X8及びX9は、上記した一般式(2)におけるX1、X2、X3、X7、X8及びX9と対応している。また、一般式(1)において、X4で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。このため、製造しようとする一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物は、例えば、具体的には、CF3CF=CHCF3、CCl3CCl=CHCCl3、CBr3CBr=CHCBr3等が挙げられる。
ハロゲン化ブチン化合物とハロゲン化水素との反応(ハロゲン化水素による付加反応)終了後は、必要に応じ、常法にしたがって精製処理を行い、目的化合物であるハロゲン化ブテン化合物を得ることができる。なお、本開示の製造方法によれば、上記のとおり、ハロゲン化ブチン化合物1モルに対して2モルのハロゲン化水素が付加することは抑制され、ハロゲン化ブチン化合物1モルに対して1モルのハロゲン化水素が付加したハロゲン化ブテン化合物を選択的に得ることができる。
このようにして得られたハロゲン化ブテン化合物は、半導体、液晶等の最先端の微細構造を形成するためのエッチングガス等の各種用途に有効利用できる。
2.ハロゲン化ブテン組成物
以上のようにして、ハロゲン化ブテン化合物を得ることができるが、ハロゲン化ブチン化合物1モルに対して1モルのハロゲン化水素が付加したハロゲン化ブテン化合物と、ハロゲン化ブチン化合物1モルに対して2モルのハロゲン化水素が付加したハロゲン化ブタン化合物とを含有する、ハロゲン化ブテン組成物の形で得られることもある。
この本開示のハロゲン化ブテン組成物において、ハロゲン化ブテン化合物は上記した一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物、ハロゲン化ブタン化合物は上記した一般式(3)で表されるハロゲン化ブタン化合物である。
一般式(1)及び(3)において、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8及びX9で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
この本開示のハロゲン化ブテン組成物の総量を100モル%として、一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物の含有量は91.00〜99.99モル%が好ましく、92.00〜99.98モル%がより好ましい。また、一般式(3)で表されるハロゲン化ブタン化合物の含有量は0.01〜9.00モル%が好ましく、0.02〜8.00モル%がより好ましい。
なお、本開示の製造方法によれば、ハロゲン化ブテン組成物として得られた場合であっても、上記のように一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物を、反応の転化率を高く、また、高収率且つ高選択率で得ることができるため、ハロゲン化ブテン組成物中の一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物以外の成分を少なくすることが可能であるため、一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物を得るための精製の労力を削減することができる。
このような本開示のハロゲン化ブテン組成物は、半導体、液晶等の最先端の微細構造を形成するためのエッチングガスの他、有機合成用ビルディングブロック等の各種用途に有効利用できる。なお、有機合成用ビルディングブロックとは、反応性が高い骨格を有する化合物の前駆体となり得る物質を意味する。例えば、本開示のハロゲン化ブテン組成物とCF3Si(CH3)3等の含フッ素有機ケイ素化合物とを反応させると、CF3基等のフルオロアルキル基を導入して洗浄剤や含フッ素医薬中間体となり得る物質に変換することが可能である。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能である。
以下に実施例を示し、本開示の特徴を明確にする。本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜2のハロゲン化ブテン化合物の製造方法では、原料化合物は、一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物において、X1、X2、X3、X7、X8及びX9はフッ素原子とし、ハロゲン化水素はフッ化水素とし、以下の反応式:
CF3C≡CCF3 + HF → CF3CF=CHCF3
に従って、フッ化水素付加反応により、ハロゲン化ブテン化合物を得た。
実施例1〜4:活性炭触媒を用いたフッ化水素付加反応
反応管であるSUS配管(外径:1/2インチ)に、触媒として活性炭触媒(大阪ガスケミカル(株)製;比表面積1200m2/g)を10g加えた。窒素雰囲気下、200℃で2時間乾燥した後、圧力を常圧、CF3C≡CCF3(基質)及びフッ化水素と活性炭触媒との接触時間(W/F)が2g・sec/ccとなるように、反応管にCF3C≡CCF3(基質)及びフッ化水素ガスを流通させた。
反応は、気相連続流通式で進行させた。
反応管を200℃、250℃、300℃又は400℃で加熱してフッ化水素付加反応を開始した。
CF3C≡CCF3(基質)と接触させるフッ化水素ガスのモル比(HF/CF3C≡CCF3比)を150とし、接触時間(W/F)が2g・sec/ccとなるように基質とフッ化水素ガスの流量を調整し、反応開始1時間後に除害塔を通った留出分を集めた。
その後、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、商品名「GC-2014」)を用いてガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により質量分析を行い、NMR(JEOL社製、商品名「400YH」)を用いてNMRスペクトルによる構造解析を行った。
質量分析及び構造解析の結果から、目的化合物としてCF3CF=CHCF3が生成したことが確認された。実施例1では、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率は99.75モル%、CF3CF=CHCF3(目的化合物)の選択率は99.85モル%、CF3CF2CH2CF3の選択率は0.11モル%、CF3CFHCFHCF3の選択率は0.01モル%であった。実施例2では、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率は100.00モル%、CF3CF=CHCF3(目的化合物)の選択率は99.36モル%、CF3CF2CH2CF3の選択率は0.34モル%、CF3CFHCFHCF3の選択率は0.26モル%であった。実施例3では、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率は100.00モル%、CF3CF=CHCF3(目的化合物)の選択率は98.45モル%、CF3CF2CH2CF3の選択率は0.98モル%、CF3CFHCFHCF3の選択率は0.10モル%であった。実施例4では、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率は100.00モル%、CF3CF=CHCF3(目的化合物)の選択率は99.15モル%、CF3CF2CH2CF3の選択率は0.80モル%、CF3CFHCFHCF3の選択率は0.02モル%であった。
実施例5〜6:酸化クロム触媒を用いたフッ化水素付加反応
触媒として酸化クロム触媒(Cr2O3)を用い、反応温度を350℃、CF3C≡CCF3(基質)とフッ化水素ガスの酸化クロム触媒との接触時間(W/F)が4g・sec/cc又は5g・sec/ccとなるように、CF3C≡CCF3(基質)とフッ化水素ガスの合計流量を調整しCF3C≡CCF3(基質)と接触させるフッ化水素ガスのモル比(HF/CF3C≡CCF3比)が50又は200としたこと以外は実施例1〜4と同様に反応を進行させた。
質量分析及び構造解析の結果から、目的化合物としてCF3CF=CHCF3が生成したことが確認された。実施例5では、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率は97.59モル%、CF3CF=CHCF3(目的化合物)の選択率は99.98モル%、CF3CF2CH2CF3の選択率は0.01モル%、CF3CFHCFHCF3の選択率は0.00モル%であった。実施例6では、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率は80.90モル%、CF3CF=CHCF3(目的化合物)の選択率は99.96モル%、CF3CF2CH2CF3の選択率は0.03モル%、CF3CFHCFHCF3の選択率は0.00モル%であった。
比較例1〜2:触媒を用いないフッ化水素付加反応
触媒を使用せず、反応温度を200℃又は350℃、CF3C≡CCF3(基質)とフッ化水素ガスの触媒との接触時間(W/F)を20g・sec/ccとし、CF3C≡CCF3(基質)と接触させるフッ化水素ガスのモル比(HF/CF3C≡CCF3比)を200としたこと以外は実施例1〜4と同様に反応を進行させた。なお、比較例1〜2において、W/Fが20g・sec/ccとしたこととは、触媒を使用する実施例1〜6においてW/Fが20g・sec/ccとする場合と同じ流量でCF3C≡CCF3(基質)を流したことを意味する。
質量分析及び構造解析の結果から、目的化合物としてCF3CF=CHCF3が生成したことが確認された。比較例1では、CF3C≡CCF3(基質)の流量を実施例1〜6と比較して著しく多くしているにも関わらず、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率は1.92モル%、CF3CF=CHCF3(目的化合物)の選択率は90.83モル%、CF3CF2CH2CF3の選択率は8.27モル%、CF3CFHCFHCF3の選択率は0.82モル%であった。比較例2では、CF3C≡CCF3(基質)の流量を実施例1〜6と比較して著しく多くしているにも関わらず、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率は2.17モル%、CF3CF=CHCF3(目的化合物)の選択率は85.52モル%、CF3CF2CH2CF3の選択率は7.83モル%、CF3CFHCFHCF3の選択率は0.62モル%であった。このため、CF3C≡CCF3(基質)からの転化率が著しく低く、また、不純物であるCF3CF2CH2CF3が相当程度生成されており、目的化合物であるCF3CF=CHCF3の選択率も低かった。
結果を表1に示す。
Figure 0006827246

Claims (5)

  1. 一般式(1):
    CX1X2X3CX4=CHCX7X8X9 (1)
    [式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9フッ素原子を示す。]
    で表されるハロゲン化ブテン化合物の製造方法であって、
    フッ素化若しくは非フッ素化活性炭触媒、並びにフッ素化若しくは非フッ素化酸化クロム触媒よりなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒の存在下に、
    一般式(2):
    CX1X2X3C≡CCX7X8X9 (2)
    [式中、X1、X2、X3、X7、X8及びX9は前記に同じである。]
    で表されるハロゲン化ブチン化合物と、ハロゲン化水素とを反応させる工程
    を備える、製造方法。
  2. 前記触媒がフッ素化若しくは非フッ素化酸化クロム触媒である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一般式(2)で表されるハロゲン化ブチン化合物1モルに対して、30〜250モルのハロゲン化水素を反応させる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 一般式(1):
    CX1X2X3CX4=CHCX7X8X9 (1)
    [式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9 はフッ素原子を示す。]
    で表されるハロゲン化ブテン化合物と、
    一般式(3):
    CX1X2X3CX4X5CHX6CX7X8X9 (3)
    [式中、X1、X2、X3、X4、X7、X8及びX9は前記に同じである、X5及びX6は片方が水素原子を示し、他方がフッ素原子を示す。]
    で表されるハロゲン化ブタン化合物とを含有する組成物であって、
    組成物全量を100モル%として、前記一般式(1)で表されるハロゲン化ブテン化合物の含有量が91.00〜99.99モル%であり、前記一般式(3)で表されるハロゲン化ブタン化合物の含有量が0.01〜9.00モル%である、組成物。
  5. クリーニングガス、エッチングガス又は有機合成用ビルディングブロックとして用いられる、請求項に記載の組成物。
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