JP6826501B2 - 再生セルロース繊維、それを含む繊維構造物及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)試料(アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液)4〜5mL程度をガラス製のバイアル瓶に入れて、110℃で20時間加熱して乾燥させる。
(2)約50mg程度の乾燥試料を約0.7mL程度の重水に溶解する。
(3)試料の重水溶液に対してFT−NMR装置(日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用いて1H−NMR分析を行い、高分子主鎖中のメチレン基炭素とメチン基炭素の存在比率から、アクリル酸成分(A)とマレイン酸成分(M)の組成比を求める。測定回数は16回とし、平均値を求める。
繊維pHは3.0〜6.0であることが好ましく、より好ましくは3.0〜5.5であり、さらに好ましくは3.0〜5.0である。
(a)繊維(原綿)を105℃で2時間定温送風乾燥機内に放置し、その後秤量瓶にいれ、デシケータに1時間入れ室温(20±5℃)になったら、絶乾質量を測定する。
(b)上記で得られた乾燥後の原綿を800℃で灰化し、灰を硝酸で溶解してJIS K 0102の吸光光度法により鉄を定量分析し、鉄の質量を算出する。
(c)下記式により、繊維中の鉄の含有量を算出する。
鉄の含有量(質量%)=(吸光光度による鉄の質量/繊維の絶乾質量)×100
[紡糸用ビスコース液の調製]
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL400」、重量平均分子量が50000のアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウムを40質量%含む水溶液、粘度:1990mPa・s、アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム中のマレイン酸の含有量が45質量%)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロース100質量%に対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加し、混合機にて攪拌混合を行い、紡糸用ビスコース液を調製した。温度は20℃に保った。原料ビスコースとしては、セルロース8.5質量%、水酸化ナトリウム5.7質量%、二硫化炭素2.8質量%を含むビスコース原液を用いた。なお、実施例及び比較例において、粘度は、東京計器株式会社製のB型粘度計を用い、20℃で測定した。また、カルボキシル基を含有する化合物(以下において、単に化合物とも記す。)の重量平均分子量は、後述するとおりに測定算出した。
[紡糸条件]
得られた紡糸用ビスコース液を、2浴緊張紡糸法により、紡糸速度60m/分、延伸率50%で紡糸して、繊度1.4dtexのビスコースレーヨンの糸条を得た。第1浴(紡糸浴)としては、硫酸100g/L、硫酸亜鉛15g/L、硫酸ナトリウム350g/Lを含むミューラー浴(50℃)を用いた。また、ビスコースを吐出する紡糸口金には、円形ノズル(孔径0.06mm、ホール数4000)を用いた。紡糸中、単糸切れ等の不都合は生じず、混合ビスコースの紡糸性は良好であった。
[精練、油剤付与及び乾燥条件]
上記で得られたビスコースレーヨンの糸条を、繊維長38mmにカットし、精練処理を行った。精練工程では、熱水処理後に水洗を行い、水硫化ソーダをシャワーして脱硫を実施した。得られた処理綿を再度水洗し、次亜塩素酸ソーダで漂白し、酸洗い後水洗した後、油剤をシャワーにて付与して、圧縮ローラーで余分な水分と油剤を繊維から落とし、乾燥処理(60℃、7時間)を施し、繊維Aを得た。
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL400」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して15質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Bを得た。
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL400」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して20質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Cを得た。
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックTL400」)に代えて、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL213」、重量平均分子量が10000のアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウムを36質量%含む水溶液、粘度:100〜200mPa・s、アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム中のマレイン酸の含有量が40質量%)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して15質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Dを得た。
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックT L213」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例4と同様にして、繊維Eを得た。
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL400」)に代えて、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL200」、重量平均分子量が60000のアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウムを40質量%含む水溶液、粘度:2100mPa・s、アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム中のマレイン酸の含有量が30質量%)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Fを得た。
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックT L200」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して20質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例6と同様にして、繊維Gを得た。
実施例1のアクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液に代えて、ポリアクリル酸の水分散液(荒川化学の「タマノリG−37」、重量平均分子量1500000〜2000000のポリアクリル酸未中和物を8.5質量%含む水分散液、粘度3000〜6000mPa・s)を、ポリアクリル酸がセルロースに対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Hを得た。
実施例1のアクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液に代えて、スチレン−マレイン酸共重合体塩(荒川化学の「ポリマロン1318」、重量平均分子量40000のスチレン−マレイン酸共重合体塩を15質量%含む水分散液、粘度85)を、ポリアクリル酸がセルロースに対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Iを得た。
原料ビスコースをそのまま紡糸用ビスコース液として用いた以外は、実施例1と同様にして、繊維Jを得た。
<アクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維の作製>
精練工程において、水硫化ソーダをシャワーして脱硫を実施し、脱硫後の繊維を0.3〜0.5質量%の炭酸ソーダ水溶液に30分間浸漬し、遠心脱水機で1分間脱液後、水洗し、再度遠心脱水機による脱水を1分間行い、60℃、7時間で乾燥処理を行い、カルボキシル基のHをNa型に置換した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を作製した。
<鉄イオンの担持>
塩化鉄6水和物(Fe3+)を使用して鉄イオンの濃度が0.10質量%の鉄イオンを含む水溶液(pH3)を調製し、得られた鉄イオンを含む水溶液に、繊維との浴比が1:20になるように、乾燥後のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を浸漬し、室温(25℃)で5分間放置した。その後繊維をイオン交換水で洗浄し、遠心脱水機で脱水を1分間行い、乾燥処理(60℃、7時間)を施し、繊維Kを得た。
鉄イオンを含む水溶液中のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維の浸漬時間を30分間に変更した以外は、実施例8と同様にして、繊維Lを得た。
鉄イオンを含む水溶液中の鉄イオンの濃度を0.30質量%になるように変更した以外は、実施例9と同様にして、繊維Mを得た。
<アクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維の作製>
精練工程において、水硫化ソーダをシャワーして脱硫を実施し、脱硫後の繊維を0.3〜0.5質量%の炭酸ソーダ水溶液に30分間浸漬し、遠心脱水機で1分間脱液後、水洗し、再度遠心脱水機による脱水を1分間行い、60℃、7時間で乾燥処理を行い、カルボキシル基のHをNa型に置換した以外は、実施例3と同様にしてアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を作製した。
<鉄イオンの担持>
塩化鉄6水和物(Fe3+)を使用して鉄イオンの濃度が0.60質量%の鉄イオンを含む水溶液(pH3)を調製し、得られた鉄イオンを含む水溶液に、繊維との浴比が1:20になるように、乾燥後のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を浸漬し、室温(25℃)で30分間放置した。その後繊維をイオン交換水で洗浄し、遠心脱水機で脱水を1分間行い、乾燥処理(60℃、7時間)を施し、繊維Nを得た。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、以下の条件で測定し、重量平均分子量(Mw)を求めた。重量平均分子量を算出する際には、GPCで得られたチャート上の分子量300以上の部分を重合体と定義して求めた。
カラム:GF−7MHQ(昭和電工株式会社製)。
移動相:リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5g、及び、リン酸二水素ナトリウム2水和物46.2g(いずれも試薬特級)に純水を加えて全量を5,000gとし、その後0.45ミクロンのメンブランフィルターで濾過した水溶液。
検出器:UV 214nm(日本ウォーターズ(株)30 製、モデル481型)。
ポンプ:L−7110(日立(株)製)。
流量:0.5mL/min。
温度:35℃。
検量線:ポリアクリル酸ソーダ標準サンプル(創和科学株式会社製)。
(1)1mol/Lの塩酸水溶液(pH0.1)50mLに試料1.2gを浸漬、撹拌して5分間放置した。その後、再び撹拌して水溶液のpHが2.5になるように調整した。これにより、試料(繊維)におけるカルボキシル基はすべてH型として存在することになる。次に、試料を水洗し、定温送風乾燥機で105℃、2時間乾燥させて、絶乾にした。試料を水洗することにより、繊維に付着している過剰の塩酸がすべて除去されることになる。
(2)ビーカーにイオン交換水100mL、塩化ナトリウム0.4g、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20mLを入れた。
(3)(1)で作製した試料1gを精秤[W1(g)]し、撹拌子に巻きつかない大きさまで細かく切断して、(2)で準備したビーカーに入れ、スターラーで15分間撹拌した。これにより、試料(繊維)におけるカルボキシル基は全て塩型に変換されることになる。撹拌した試料は吸引ろ過した。ろ過液を60mL採って、指示薬にフェノールフタレインを使用して0.1mol/Lの塩酸水溶液で滴定し、滴定量をX1(mL)とした。
(4)下記式に基づいてカルボキシル基の総量Y(mmol/g)を算出した。このように、水酸化ナトリウムの総量から残余の水酸化ナトリウムの量を差し引くことにより求めた水酸化ナトリウムの量は、試料(繊維)における全体のカルボキシル基の量に対応することになる。
カルボキシル基の総量Y(mmol/g)=[[(0.1×20)−(0.1×X1)]×(120/60)]/W1
(1)試料を水洗し、定温送風乾燥機で105℃、2時間乾燥させて、絶乾にした。
(2)ビーカーにイオン交換水100mL、塩化ナトリウム0.4g、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20mLを入れた。
(3)試料1gを精秤[W2(g)]し、撹拌子に巻きつかない大きさまで細かく切断して、(2)で準備したビーカーに入れ、スターラーで15分間撹拌した。撹拌した試料は吸引ろ過した。ろ過液を60mL採って、指示薬にフェノールフタレインを使用して0.1mol/Lの塩酸水溶液で滴定し、滴定量をX2(mL)とした。
(4)下記式に基づいてH型カルボキシル基の量Z(mmol/g)、塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)、H型カルボキシル基の量の割合(%)及び塩型カルボキシル基の量の割合(%)を算出した。
H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)=[{(0.1×20)−(0.1×X2)]×(120/60)]/W2
塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)=カルボキシル基の総量Y(mmol/g)−H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)
H型カルボキシル基の量の割合(%)={H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)]
/{カルボキシル基の総量Y(mmol/g)]×100
塩型カルボキシル基の量の割合(%)={塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)]
/{カルボキシル基の総量Y(mmol/g)]×100
まず、0.1NのNaOHと0.1NのHClを使用して純水のpHを7.0±0.5になるように調整し、5分間沸騰し、pH標準液を調製した。次に、試料5.0gを精秤してビーカーに入れ、そこに常温まで冷却したpH標準液を50mL入れ、フタをして30分間放置した。その後、pH標準液のpHを測定機で測定し、試料のpHとした。
消臭性能の評価は、社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)の消臭加工繊維製品認定基準(平成23年4月1日改訂版)で定める方法に準用して行った。ガス種としては、アンモニアを用いた。アンモニアに対する消臭性認定基準は、減少率70%以上である。なお、アンモニアの濃度の測定において、測定対象のアンモニア濃度の高低に応じて、GASTEC社のガス検知管3L(測定範囲0.5〜78ppm)及び3La(測定範囲2.5〜200ppm)を適宜に選択して用いた。
具体的には、社団法人繊維評価技術評議会で規定している機器分析(検知管法)に準じ、次のように評価した。所定の量の試料を5Lのテドラーバックに入れて密封した。次に、シリンジを用いて規定の初期濃度になるようにアンモニアガス3Lをテドラーバックに注入した。アンモニアガスを注入してから2時間後に、テドラーバックのアンモニアの濃度を検知管により測定した。同様に空試験を行い、下記式によりアンモニアの減少率を求めた。アンモニアの初期濃度は、100ppmであった。
減少率(%)=[(2時間後の空試験における測定値−2時間後の試料を用いた場合の測定値)/2時間後の空試験における測定値}×100
<評価2>
具体的には、社団法人繊維評価技術評議会で規定している機器分析(検知管法)に準じ、次のように評価した。所定の量の試料を5Lのテドラーバックに入れて密封した。次に、シリンジを用いて規定の初期濃度になるようにアンモニアガス3Lをテドラーバックに注入した。アンモニアガスを注入してから30分後に、テドラーバックのアンモニアの濃度を検知管により測定した。同様に空試験を行い、下記式によりアンモニアの減少率を求めた。アンモニアの初期濃度は、100ppmであった。
減少率(%)=[(30分後の空試験における測定値−30分後の試料を用いた場合の測定値)/30分後の空試験における測定値}×100
(1)試料に対して、付着オイル等を取り除くため炭酸ソーダ3g/Lにて浴比1:50、温度70℃、時間10分で染色前精練を行った。
(2)酢酸1g/Lにて浴比1:50、常温、時間10分でpH調整をし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(3)カチオン染色浴(Nichilon Red TR(日成化成株式会社製)1%owfと酢酸1g/Lの組成)にて、浴比1:50、温度150℃、1時間カチオン染色を行い、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(4)ソルジンSD(日成化成株式会社製)5g/Lにて浴比1:50、温度70℃、10分間ソーピングし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(5)反応染色浴(Sumifix Supra Red 4BNF (住友ケムテックス株式会社製)1%owf、芒硝50g/L、炭酸ソーダ4g/Lの組成)にて、浴比1:50、温度50℃、1時間で反応染色をし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(6)センカノールC−100(センカ株式会社製)1.5g/Lにて、浴比1:50、温度70℃、10分間ソーピングし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(7)酢酸1g/Lにて浴比1:50、常温、時間10分でpH調整をし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(8)送風乾燥機を使用し60℃、7時間で乾燥させた。
試験試料:原綿
洗濯方法:JIS L 0217(103)に準じて行った。
使用洗剤:中性洗剤(JAFET標準洗剤)
洗濯回数:10回
(1)試料(アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液)4〜5ml程度をガラス製のバイアル瓶に入れて、110℃で20時間加熱して乾燥させた。
(2)約50mg程度の乾燥試料を約0.7ml程度の重水に溶解した。
(3)試料の重水溶液に対してFT−NMR装置(日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用いて1H−NMR分析を行い、高分子主鎖中のメチレン基炭素とメチン基炭素の存在比率から、アクリル酸成分とマレイン酸成分の組成比を求めた。測定回数は16回とし、平均値を求めた。
(1)試料(スチレン−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液)4〜5ml程度をガラス製のバイアル瓶に入れて、110℃で20時間加熱して乾燥させた。
(2)約50mg程度の乾燥試料を約0.7ml程度の重水に溶解した。
(3)試料の重水溶液に対してFT−NMR装置(日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用いて1H−NMR分析を行い、高分子主鎖中のメチレン基炭素とメチン基炭素の存在比率から、スチレン成分とマレイン酸成分の組成比を求めた。測定回数は16回とし、平均値を求めた。
(a)繊維(原綿)を105℃で2時間定温送風乾燥機内に放置し、その後秤量瓶にいれ、デシケータに1時間入れ室温(20±5℃)になったら、絶乾質量を測定した。
(b)上記で得られた乾燥後の原綿を800℃で灰化し、灰を硝酸で溶解してJIS K 0102の吸光光度法により鉄を定量分析し、鉄の質量を算出した。
(c)下記式により、繊維中の鉄の含有量(存在量)を算出した。
鉄の含有量(質量%)=(吸光光度による鉄の質量/繊維の絶乾質量)×100
(a)砒素として換算した濃度が約1ppmの砒酸(五価)の水溶液を原液として用いた。原液における砒素濃度を初期砒素濃度とした。
(b)原液100mLと試料1.0gをポリプロピレン容器に入れ、所定時間振盪させた後、試料を取り除き、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS、島津製作所製、「ICPM−8500」)を使用して残液中の砒素濃度を測定した。残液中の砒素濃度を吸着後砒素濃度とした。
(c)下記式により、砒素除去率を算出した。
砒素除去率(%) = 100−{(吸着後砒素濃度/初期砒素濃度)×100}
Claims (13)
- カルボキシル基を含有する化合物を含む再生セルロース繊維であり、
前記カルボキシル基を含有する化合物は、アクリル酸−マレイン酸共重合体であることを特徴とする再生セルロース繊維。 - 前記再生セルロース繊維は、セルロースに対してアクリル酸−マレイン酸共重合体を1〜35質量%含む請求項1に記載の再生セルロース繊維。
- 前記アクリル酸−マレイン酸共重合体は、マレイン酸を5〜95質量%含む請求項1又は2に記載の再生セルロース繊維。
- 前記アクリル酸−マレイン酸共重合体は、重量平均分子量が5000〜500000である請求項1〜3のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。
- 繊維pHが4.0〜8.0である請求項1〜4のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。
- 前記再生セルロース繊維において、カルボキシル基の総量は0.3〜1.6mmol/gである請求項1〜5のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。
- 前記再生セルロース繊維において、カルボキシル基の総量に対するH型カルボキシル基の量の割合は、45〜100%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。
- さらに鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン及び銀からなる群から選ばれる一種以上の金属を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。
- 前記再生セルロース繊維は、アンモニア消臭率が70%以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維を含む繊維構造物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維の製造方法であって、
セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、前記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出し、凝固再生させてビスコースレーヨン糸条とし、
かつ必要に応じて前記ビスコースレーヨン糸条をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することを特徴とする再生セルロース繊維の製造方法。 - 前記アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液は、粘度が50〜5000mPa・sである請求項11に記載の再生セルロース繊維の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維を含む繊維構造物の製造方法であって、
セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、前記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出し、凝固再生させてビスコースレーヨン糸条とし、前記ビスコースレーヨン糸条を含む繊維構造物を作製し、
かつ必要に応じて前記繊維構造物をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することを特徴とする繊維構造物の製造方法。
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JP2018009276A (ja) | 2018-01-18 |
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