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JP6818971B1 - 装飾体 - Google Patents

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JP6818971B1
JP6818971B1 JP2020002491A JP2020002491A JP6818971B1 JP 6818971 B1 JP6818971 B1 JP 6818971B1 JP 2020002491 A JP2020002491 A JP 2020002491A JP 2020002491 A JP2020002491 A JP 2020002491A JP 6818971 B1 JP6818971 B1 JP 6818971B1
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Abstract

【課題】光源色に依存せず、自然光等の下でも光によって色が変化して見える造形物等の提供【課題を解決するための手段】溝部Gを有し、前記溝部G以外の部分の少なくとも一部が透過性を有する装飾体であって、前記溝部Gが前記透過性を有する部分とは異なる色の色帯部Kを含み、前記溝部Gの少なくとも一部が前記色帯部Kとの間に空隙を有する装飾体【選択図】図9

Description

本発明は、サイン等に用いられる装飾体に関する。
特許文献1に記載の発明のように、透明の基材部に複数の溝部が互いに離れて形成され、この溝部の側面が光を反射する、といった装飾体や装飾体製造方法が知られている。
特開2019−025860号公報
特許文献1は、段階0055等において、照明光の色で溝部Gが着色されて見えたり、光の色の変更により溝部Gの色が変化して見えたりする、という発明を記載している。しかし、この効果のためには光が着色されている必要があった。そのため、屋外に設置された造形物3が、自然光でこの効果を発揮することはできなかった。また、造形物3の広い面積の部分がこの効果を示すには、その部分全面が溝部Gを有していなければならず、高額の加工費用を要した。さらに、Coレーザ加工等の場合、溝幅を狭くできないため、万線状の溝部Gのピッチの微細化にも限界があり、小サイズの造形物3では細かい絵柄の再現に無理があるという問題があった。
本発明は、特許文献1に記載の発明と異なり、観察者が溝部Gを表面部F又は裏面部Rを通して見る限り、色帯部Kの色は臨界角の作用により見えず、色帯部Kの色が造形物Zの側面部分では側面Sを通して見える造形物等の提供を課題とする。なお、本明細書では装飾体・表示体・光学体を造形物と記載する。
本発明の一つの態様は、溝部を有し、前記溝部以外の部分の少なくとも一部が透過性を有する装飾体であって、前記溝部が前記透過性を有する部分とは異なる色の色帯部を含み、前記溝部の少なくとも一部が前記色帯部との間に空隙を有することを特徴とする装飾体である(段落0057等参照)。
前記溝部の側面の少なくとも一部が前記色帯部との間に空隙を有してもよい。前記溝部の前記側面のθSの絶対値が最大全部全反射側面角以下でもよい。前記装飾体のうち前記溝部以外の部分の一部の透過性が、前記透過性を有する部分の透過性より低く、前記透過性が低い部分と前記透過性を有する部分とが互いに接し、前記透過性が低い部分と前記透過性を有する部分との界面が前記溝部に平行でなくてもよい。前記色帯部が光学的透過性を有してもよく、前記色帯部が外側に露出しなくてもよい。前記色帯部の前記溝部の幅方向の厚さが100μm以下又は前記溝部の幅の1/4以下の少なくとも一方でもよい。前記装飾体が画像・文字・ロゴ・図形・模様の少なくともいずれかを表示してもよい(段落0058−0059等参照)。
本発明の別の態様は、段落0006又は0007に記載の装飾体と、前記装飾体に光を照射する照明具と、を具えることを特徴とする装飾体照明設備である。前記照明具が定められた条件に応じて動作してもよい(段落0059等参照)。
本発明の別の態様は、材料を加工する溝加工部を具え、段落0006から0008に記載の装飾体等を製造する装飾体製造装置である。さらに別の態様は、材料を加工する溝加工工程を具え、段落0006から0008に記載の装飾体等を製造する装飾体製造方法である。
本発明による造形物では、自然光で装飾体が色づいて見え、しかも溝部自体は自然光の色に光る、というこれまでにない装飾効果が得られる。また、この色は造形物正面からはほとんど見えないが、造形物の側面部分からは見え、トリッキーな効果をもたらす。さらに、溝部が形成されていない部分まで、1本の溝部だけで色の光が届く。本発明は文字等を輪郭で表示できるので、複数の平行な溝部による場合より微細な文字等を表示可能である。
第1の実施形態に係る造形物製造装置の構成例を示す図 第1の実施形態に係る造形物製造方法のフローチャート例 第1の実施形態に係る造形物の溝部の例の断面図 側面で反射が起こる場合の光路の例を示す断面図 第2の実施形態に係る造形物製造装置の構成例を示す図 第2の実施形態に係る造形物製造方法のフローチャート例 第2の実施形態に係る造形物の例の斜視図及び断面図 第3の実施形態に係る造形物の例の断面図 第4の実施形態に係る造形物の例の斜視図及び断面図
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係る造形物製造装置10の構成例を示す図である。図2は第1の実施形態に係る造形物製造方法のフローチャートの例である。以下、図1及び図2を参照して、造形物製造装置10の構成及び動作の例を説明する。造形物製造装置10は、例えば溝加工部11・充填材料調合部12・充填加工部13・被覆加工部14を具える。前記各加工部の全体を加工部15とする。第1の実施形態に係る造形物製造方法は、例えば溝加工工程S11・充填材料調合工程S12・充填加工工程S13・被覆加工工程S14を含む。各部又は各工程の順序が変更されてもよい。各部又は各工程が他の各部又は各工程を含んでもよい。各部又は各工程の一部が繰り返されてもよく、省略されてもよい。洗浄・研磨等の既知の他の部工程が適宜追加されてもよい。
溝加工部11は材料板20等を取得し、レーザ加工部111又は切削加工・金型加工・射出成形・3Dプリンティング等既知の加工装置により溝部Gを形成する(S11)。溝部Gは、材料板20の表面部F又はそれと対向する裏面部Rの少なくとも一方に開口部Pを有してもよい。充填材料調合部12は充填材料21を計量・混合攪拌する(S12)。充填材料21は既製品でもよい。充填加工部13は材料板20の溝部Gに充填材料21を充填する(S13)。充填加工部13は、例えば材料板20の溝部G以外の部分に付着した不要な充填材料21を拭き取ったり、溝部G以外の部分を覆ったりすることで、充填材料21が開口部Pからはみ出さないようにすることができる。溝部G内の充填材料21が硬化し充填部Lとなる。被覆加工部14は、別の材料板20を溝部Gの開口部P側に図3bのように接着して被覆部Tとし、溝部Gを密封してもよい(S14)。被覆部Tを有する造形物Zの表面部F及び裏面部Rは、被覆部T接着後の外側の露出面である。
上記の工程で製造された造形物Zの充填部L以外の部分が基材部Mである。その材料板20には、ABS・AS・CA・EP・MF・PA・PBS・PC・PCL・PF・PE・PES・PET・PHA・PI・PLA・PMMA・PO・PP・PS・PU・PUR・PVC・SI・UF・UP・VE等の各種樹脂やガラス等が主として用いられる。本発明に係る造形物は屋外等での設置を主要な用途の一つとするので、自立でき、たわみにくく、傷がつきにくいことが望ましい。ゆえに、材料20が樹脂である場合には硬質樹脂が望ましい。硬質樹脂とは、JIS K 7161−1等に記載のように、曲げ弾性率が700MPaを超える樹脂である。基材部Mはさらに変形しにくくてもよく、その曲げ弾性率は、好ましくは1000以上、より好ましくは1500以上、さらに好ましくは2000以上、一層好ましくは2500ないし3000以上であり、割れにくさと加工適性から好ましくは20000以下、より好ましくは10000以下、さらに好ましくは5000以下である。曲げ弾性率の数値は、単位をMPaとし、基本的にはJIS K 7171:2001又はISO178:2001に記載の方法により測定される。測定の試験片は、本来は上記規格が定める形状及び寸法通りに作製されるべきである。しかし、実際の造形物Zの各部から、上記規格の定め通りの試験片を作成することは困難な場合がある。そのようなやむを得ない事情がある場合には、測定値は、近似的な測定方法による測定値でもよく、当該材料20と同じ又は同様の製品について製造元が公表している測定値ないし公称値でもよい。また、当該JIS等の規定に適合しない事項については本発明出願時の技術常識に準拠する。以下同様である。一般に基材部Mは、大きい曲げ弾性率であるほど、低可撓性であって、衝撃等により充填部Lと剥離しやすいので、本発明の適用をより必要とする。また、基材部Mの引張強さ(JIS K 7161−1:2014・JIS K 7162:1994・JIS K 7127:1999、又はISO527−1・2・3)は、好ましくは30MPa以上、より好ましくは40MPa以上、さらに好ましくは50MPa以上、一層好ましくは60MPa以上である。基材部Mの曲げ強さ(JIS K 7171)及び圧縮強さ(JIS K 7181:2011)は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは60MPa以上、さらに好ましくは70MPa以上、一層好ましくは80MPa以上であり、好ましくは200Mpa以下、より好ましくは170Mpa以下、さらに好ましくは150Mpa以下である。測定には、株式会社島津製作所製のAG−100kNXplus等の測定装置が用いられる。ただし、室内用等では、材料板20はより薄いフィルム状でもよく、その可撓性や曲げ弾性率等は制限されない。
本発明に係る造形物Zでは、溝部Gの両側又は片側の側面Sが透過して見える必要があることが多いので、基材部Mは透過性を有するほうがよい。透過性とは光学的な透過性であり、無色透明(略全域の可視光線に対して透過性を有する)と有色透明(可視光線のうち一部の帯域と別の帯域とで透過性が異なる)の両方を含む。基材部M及び側面Sの全光線透過率(JIS K 7375:2008、一部はISO 13468−1に準拠する。)は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、一層好ましくは90%以上である。基材部M又は充填部Lが蛍光色を含む場合には、100%を超えることがあるので、上限は特に定めない。なお、本明細書において、数値範囲の上限ないし下限は、より高性能の材料及び加工方法が開発される可能性があるので、特に定めないことがある。造形物Zでは拡散性が低い方がいいので、基材部M及び側面Sのヘーズ(JIS K 7136:2000又はISO 14782)は、好ましくは0〜5%(0%以上5%以下を示す。以下同様である。)、より好ましくは0〜2%、さらに好ましくは0〜1%である。ただし本発明は、基材部Mが不透明又は略不透明な場合にも適用可能である。なお、本明細書において色とは、色相・彩度・明度・透過率・ヘーズ・屈折率・反射率等の光学的ないし視覚的要素を含む。接合された2つの材料がいずれも無色透明であっても、屈折率等が異なり、それらの接合部分が識別可能であれば、それらは互いに異なる色である。
造形物Zの厚さは特に制限されないが、例えば1mmから30mmでもよく、さらに薄いフィルムも含めて0.5mm以上・0.2mm以上でもよく、100mm以下でもよい。溝部Gの深さdGは、造形物Zの厚さの50%から90%程度が、強度・費用対効果等から一般に好適である。微細な場合には深さdGが0.4mm又は0.1mm以上でもよい。それ未満であると、温度変化等による剥離が生じにくいので、必ずしも本発明が適用されなくてもよい。溝部Gの幅wは、0.2mm以上、0.1mm以上、0.01mm以上でもよい。造形物Zが厚さ10mmであれば、深さdGが8mm、幅wが0.4mmでもよい。複数の溝部Gが互いに平行である場合、そのピッチpは、0.1mm以上でもよく、0.5mm以上でもよい。レーザ加工等、特にCoレーザ加工の場合には、加工限界から、溝部Gの深さ及びピッチは1mm以上・2mm以上・3mm以上・4mm以上・6mm以上でもよい。なお、溝部Gの深さは表面部Fに垂直な方向の長さであり、溝部Gの幅は表面部Fに平行かつ溝部Gの長さ方向に垂直な方向の長さである。また、造形物Zは平面的板状物に限られず、曲面状・球状・立方体状・円柱状・多角柱状等様々な形状でもよく、そのサイズも自由である。材料板20が楔状で、表面部Fが裏面部Rに平行でなくてもよい。
溝加工部11は、文字・ロゴ・図形・模様等の画像30のデータに基づいて溝部Gを加工してもよい。溝部Gの両側の側面Sがなす二面角のうち溝部側の角度を溝部楔角θGとする。溝部Gがレーザ加工部111によってなる場合には、図3aのように楔状になることが多い。溝部Gの幅wは、幅が最大の部分の幅であり、楔状の溝部Gでは開口部Pの幅であることが多い。楔状の溝部Gの底面部Bの幅は溝部Gの幅に対して無視できるほどに狭い。図3bのように、θGが略0で、両側の側面Sが略平行でもよい。複数の溝部Gの長さ方向が互いに平行でもよい。楔状の溝部Gの両側の側面Sがなす二分角を二等分するか、互いに平行な溝部Gの両側の側面Sと互いに平行で、それらから等距離にある面を二分面とする。二分面は平面でも曲面でもよい。二分面の各部が表面部F(ないし裏面部R)に垂直であることを溝部Gが表面部F(ないし裏面部R)に垂直であると記載する。溝部Gは表面部Fに垂直でもそうでなくてもよい。それらのなす角度が造形物Zの各部で一定でもよく、複数でもよい。二分面は仮想上の面であるため図示されない。本発明では、幅と長さが互いに異なり、溝状に長い溝部Gを中心に記載するが、幅と長さが略同一で、溝部Gが円錐・楕円錐・円柱・円錐台・角錐状等多様な形状でもよい。
充填材料調合部12は展色剤V・着色剤C・分散剤D等を混合攪拌して充填材料21としてもよい。展色剤Vが着色剤Cを兼ね、着色なしで充填材料21となってもよい。そうでない場合には、展色剤Vの色は、着色の容易さ及び発色の良好さから無色透明又は白色がよい。白色樹脂が展色剤Vであれば、ヘーズが高いため、有機顔料やコバルトヴァイオレット等の低屈折率の無機顔料が混合された場合でも、ほぼ完全な不透明性が得られる。なお、有機顔料とは有機化合物からなる顔料であり、無機顔料とは無機化合物からなる顔料である。それらの多くはSDC及びAATTCが管理運営するColour Index Internationalに登録されている。展色剤Vが透明な場合と不透明な白の場合とでは、同じ着色剤Cを混合しても、発色傾向が相違する。透明な発色が求められる場合、展色剤Vが上記基材部Mの全光線透過率及びヘーズの条件を満たしてもよい。
展色剤Vは、上記樹脂等の1つ以上からなってもよいが、溝部Gへの充填加工の容易さから、熱硬化性樹脂が特に好適である。展色剤Vが、熱硬化性樹脂とともに、その硬化を妨げない程度の比率で熱可塑性樹脂を含んでもよい。基材部Mが硬質樹脂である場合、充填部Lが基材部Mから剥離しやすい。とりわけ充填部Lと基材部Mの線膨張率が異なると、温度変化の繰り返しにより剥離が発生する。そこで本発明は、充填部Lが基材部Mの伸縮や衝撃に追従できるようにすることで、剥離の問題を解決する。そのためには、充填部Lの引張伸び率が好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、一層好ましくは50%以上であればよい。数値が大きいほど、充填部Lが変形しやすいので、充填部Lと基材部Mとの線膨張率の差による剥離を防止する効果が向上する。なお、引張伸び率は、試験片が引張により破壊に至った時の、試験片の伸びの試験片の長さに対する比である。また、充填部Lの引張伸び率は、基材部Mの引張伸び率の好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上、さらに好ましくは6倍以上・8倍以上、一層好ましくは10倍以上・15倍以上・20倍以上でもよい。この数値が大きいほど、衝撃が加わった際の基材部Mの伸びに対して、充填部Lが余裕をもって追従可能となり、また衝撃を吸収可能となるので、境界面の耐衝撃性・難剥離性が向上する。あるいは、充填部Lの引張伸び率から基材部Mの引張伸び率を減じた差が、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、一層好ましくは40%以上でもよい。充填部Lの圧縮強さが基材部Mより低くてもよい。
引張伸び率の測定方法等はJIS K7161及び関連規格に準拠するが、個々の造形物Zの充填部Lに対しては、その規定通りの測定は困難であることが多い。基材部M及び充填部Lの試験片は、JIS K 7127:1999の試験片タイプ2に基づく。ただし、充填部Lは、造形物Zから剥がされるか削ぎ落され試料となった場合、前記規格の定める通りの形状にはならない。特に溝部の長さ方向(y方向)に垂直な断面の形状が楔状の場合には、充填部Lの先端部分の厚さ(x方向の長さ)が開口部P付近より小さいため、引張時に楔状の先端部分から裂けてしまうことが多い。これでは本来の値が測定されないので、造形物Zから取り出された充填部Lの厚さが各部で異なる場合には、充填部Lのz方向の長さがx方向の長さと等しいか長い方の10%以内の差となるよう充填部Lが切断されて試験片とされる。これによりx方向の長さの各部での差が相対的に小さくなる。また、Coレーザ加工等によってなる充填部Lでは、楔状の先端部分に凹凸があり、側面Sの先端付近にも凹凸があるが、これも除去され、試験片の形状由来の測定誤差が低減される。試験片の長さは150mm未満でチャッキング可能な長さでもよく、チャック間の初期距離は95mm未満でもよい。楔状の試験片をチャックできるよう、つかみ具に適切な治具が装着されてもよい。50mm間隔の平行な2本の標線が伸びを示す基準となるが、標線の間隔は試験片の長さ及びチャックのつかみ幅に応じて50mm未満でもよい。楔状の試験片の幅ごとに、あるいは各部で引張伸び率が異なる場合には、その平均を測定値とする。試験片の数は5以上が望ましいが、可能な最大数でもよい。充填部Lの二分面は溝の長さ方向に平面であることが望ましく、曲面であれば平面に近いほうがよい。このように、造形物Zの事情により、規格に定められた条件を満たさずに測定する必要がある場合には、本来の値より低い測定値となる可能性が大きいことに留意されるべきである。つまり、充填部Lが凹部から破断することで、引張伸び率が、本来よりも小さい値で測定されるといった可能性である。そのため、なるべく試験回数を増やし、平均から極端に離れた外れ値は除外する等の対応が必要である。すなわち、複数の測定値を数値順に並べた分布図のうち第1四分位点から第3四分位点までに属する複数の測定値から暫定平均値が導かれ、暫定平均値の75〜125%の範囲の測定値のみからさらに平均値が算出される。比較対象である基材部Mの試料も同様に整形・測定される。この試験は、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターによる依頼試験でもよい。なお、充填部Lは着色剤C等を含むので、展色剤Vのみの場合より小さい引張破壊ひずみを示す傾向にある。
通常の熱硬化性樹脂は硬質樹脂で脆性が大きく、伸びしろが少ないため、上記の条件を満たすことができない。例えば注型用の不飽和ポリエステルUPは、透過率には優れるものの、引張伸び率は5%以下である。一方PMMAの引張伸び率も5%程度である。従って、通常のUP等によってなる充填部Lは、PMMAによってなる基材部Mの伸縮や衝撃に追従できず、やがて界面応力や内部破壊の蓄積により剥離する。可塑剤は熱可塑性樹脂には有効であるが、一般の熱硬化性樹脂には添加できない。しかし、伸縮性が求められる防水工事用のコーキング材やシーリング材、例えばTPC(TPEE)等のエラストマーや、UP・ビニルエステルVE・エポキシアクリレート・エポキシEPといった熱硬化性樹脂のうち一部の特殊なものは、50から200%ときわめて大きな引張伸び率を示す。本発明の発明者は、かかる樹脂が展色剤であれば、充填部Lが剥離しにくくなることを見出した。これらが他の樹脂と混合されてもよいが、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合は硬化に注意を要する。なお、赤外分光光度計・近赤外分析計(具体的な機材名としては、日本分光株式会社製FT/IR−6100又はFT/IR−670Plus等・Thermo Scientific社製Nicolet 6700・ブラン・ルーベ製450LR等が挙げられる。)等により、充填部Lの赤外吸収スペクトル等が測定可能である。その測定データと既知の物質のデータとの対照から、充填部Lの展色剤Vの樹脂の種類が特定可能である。充填部Lの組成は、ガラス転移温度からも特定可能である。また、上記熱硬化性樹脂は概して有機溶剤・アルカリ・酸に難溶であり、ケトン類・エステル類・炭化水素等にほとんど溶解しないので、それらへの影響により判別可能である。UPはEPよりも取扱が容易であり、VE・EPより安価なので本用途に好適である。EPは黄変の少なさから好適である。
シリコーン・ポリウレタン・フッ素系等の熱硬化性エラストマー(又は樹脂)は、特に大きい引張伸び率を呈する。しかしこれらは、通常では低屈折率であり、後述のように基材部Mの屈折率と視線角度によっては全反射を発生させるため、展色剤Vには適さないことがある。またこれらでは線膨張率やタックが大きい傾向にある。充填部Lの線膨張率が基材部Mの線膨張率より極端に大きくない方が、高温時に充填部Lが基材部Mに応力をかけにくい。よって、充填部Lの引張伸び率は、好ましくは5000%以下、より好ましくは1000%以下、さらに好ましくは500%以下、一層好ましくは300%以下・250%以下・200%以下でもよい。充填部Lの引張伸び率は基材部Mの引張伸び率の好ましくは1000倍以下、より好ましくは200倍以下、さらに好ましくは100倍以下、一層好ましくは50倍以下でもよい。また、ポリウレタンには熱可塑性と熱硬化性とがあるが、一般に、熱可塑性ポリウレタンは流動点が100から200℃であり、熱硬化性ポリウレタンは硬化のために100℃以上の加熱を要する。揮発成分が多い常温硬化型ポリウレタンは、硬化時に収縮のため剥離する。なお、ポリウレタンでは、引張伸び率が大きいものほどタックが残り、加水分解・熱や短波長光による黄変等の経時劣化が激しいため適さないことがある。その硬化剤のMBOCAには有害性の指摘もある。また、シリコーンを主体とする一般のシーリング材は粘度が高いので、溝部楔角が小さい溝部Gへの充填には適さないことが多い。これらの理由から、充填部Lはシリコーン・ポリウレタン・フッ素系の少なくともいずれか以外の熱硬化性樹脂によってなってもよい。ただし、シリコーン・ポリウレタン・フッ素系樹脂とUP等との混合樹脂は、屈折率及び引張伸び率の可変性により有用である。UPは不純物が多くても硬化しやすい。充填部Lの硬化前後の体積収縮率は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下、一層好ましくは3%以下である。充填材料21の動粘度は、好ましくは500以下、より好ましくは0〜200、さらに好ましくは0〜100、一層好ましくは0〜50である(単位はmm/s、測定方法は、展色剤Vが石油製品であればJIS K 2283:2000、一部ISO2909及びISO3104に、それ以外の液体であればJIS Z 8803:2011に準拠する。)。
本発明が解決すべき境界面の剥離現象の原因を考察する。(1)屋外等で温度変化により造形物Z各部が伸縮する際、基材部Mと充填部Lとで線膨張率が異なるために、伸縮のたびに残留応力が蓄積し、あるいは境界面にせん断力が働き、やがて剥離する。これは溝部Gの両端近くでよく見られる。(2)基材部Mの吸水性が比較的高いと、基材部Mの表面部Fや裏面部Rが雨水等を吸って膨張するが、内部は膨張しないので、造形部3全体にゆがみが生じたり、反ったりする。気温上昇時及び下降時の造形物Z表面と内部との温度差によっても、同様の現象が発生する。これにより、主として溝の深さ方向にせん断力がかかって、境界面が耐えきれなくなり、各部で剥離する。(3)図3aのように開口部P側が露出している場合、温度や湿度の変化により、基材部Mの開口部側が開いたり閉じたりする。すなわち基材部Mの溝部楔角が変化する。充填部L及び境界面には幅方向に軸力がかかるが、幅方向の伸縮には限界があるので剥離する。(4)造形物3は商業施設等の屋内の公共空間に設置されることもあるが、その場合も含めて人や荷物等の往来が多い場所では、振動や衝突の衝撃も多い。衝撃により、曲げモーメントやねじりモーメント等を含む多様な方向の内力が各部の境界面にかかった際、境界面が剥離してその衝撃を吸収する。このように、造形物3が受ける界面応力は、図3の溝部Gの(1)長さ(y)方向(2)深さ(z)方向(3)幅(x)方向(4)多方向とさまざまであり、それらが複合して界面剥離をもらたらすと考えられる。充填部Lの引張伸び率を大きくすることは、(1)から(4)の界面応力への耐性向上に有効であるが、とりわけ(4)の耐衝撃性の改善に大きな効果をもたらす。
充填部Lは、それ自体を基材部Mに接着する接着剤と考えることができる。その境界面の結合力が充填部Lの引張強さを上回ってもよい。つまり、充填部Lの剥離は広い範囲での溝部Gの色の消失をもたらし、その上、その部分は光を全反射するので、白く見えて目障りである。一方、充填部Lの破断(溝の長さ方向又は深さ方向に垂直な面が断面である)は、通常ごく細い筋状であり、その亀裂部分には光が届かず暗いので、ほとんど目につかない。ゆえに、剥離よりは破断の方が、造形物3の装飾性に及ぼす悪影響が少ないと言える。また、基材部Mが溝の幅方向に膨張した時、充填部Lが、二分面で2つの部分に破断して、2つの部分それぞれが両側の側面Sに接合したままであれば、剥離を避けられる。それゆえ、場合によっては、充填部Lが、基材部Mの変形に追従できない時に、破断することで剥離しないですむことが望ましい。そのためには、充填部Lの接着強さが、充填部Lの引張強さ以上であればよい。これは充填部Lの剥離にかかる応力(N)と充填部Lの引っ張り切断にかかる応力(N)との比較に相当する。具体的には、この測定は次のように行われる。造形物3が固定され、側面Sを境界として両側に分離するように、底面部B側と、必要があれば開口部P側の基材部Mが切断される。加工時の応力が充填部Lに極力かからないように加工される必要がある。次に、基材部Mが両側に分離されるが、ここで両側の基材部Mに充填部Lが引き裂かれたら、接着強さが引張強さより大きい。充填部Lが、片側のみ露出し、もう片側は基材部Mに残ったら、残った部分の先端部分の両側が10mm以上のつかみ部分として露出される。ここで、つかみ部分が測定装置のチャックに固定され、90°はく離接着強さ(JIS K 6854−1 1999)に準じる方法で剥離にかかる応力が測定され、同等の断面形状の充填部Lの引っ張り切断時の応力に比較される。あるいは、試験者が指でつかみ部分を挟んで略90°の角度で引っ張り、充填部Lの終端まで切れずに剥がせるか途中で切れるかを調べることで代替することもできる。充填部Lの引張伸び率が基材部Mの引張伸び率より大きいほど、充填部Lの伸び率が大きい。一方、充填部Lの接着強さが引張強さより大きいほど、接着された充填部Lが引っ張りに対して弱く切れやすい。よってこれらは全く異なるが、一部の伸びやすくかつ切れやすい樹脂で、接着力が強い場合には、これらが両立する。
造形物Zの長期的な耐久性のためには、展色剤V及び着色剤C等は化学的に安定し、耐光性が高いことが望ましい。着色剤Cが酸化鉄・カーボンブラック・酸化チタン等の無機顔料であれば不透明な発色となり、フタロシアニン・キナクリドン等の有機顔料であれば透明な発色が得られる。着色剤Cの種類と充填部Lに占める着色剤Cの比率によって、溝部Gの濃度・透過率・発色度合が変化する。充填作業前の充填材料21に対する着色剤Cの重量比は、通常は0.1から20%、好ましくは0.5から10%であるが、溝部Gの幅・着色剤Cの種類・展色剤Vに対する着色剤Cの比重・求める視覚的効果によってはそれ以外でもよい。充填材料調合部12は、凝集した着色剤Cをロールミル・ボールミル・ビーズミル等により粉砕してより微細な粒子とし、さらに攪拌や分散剤Dの混合等により、展色剤V中に充分に分散させることができる。ただし、粒子サイズが大きい着色剤Cによるざらざらした質感等、なめらかで透明感のある発色とは別の効果が求められる場合にはその限りではない。分散剤Dは、亜鉛・アルミニウム・カリウム・カルシウム・ナトリウム・バリウム・マグネシウム・リチウム等の金属石鹸、例えばステアリン酸石鹸・ヒドロキシステアリン酸石鹸・ベヘン酸石鹸・モンタン酸石鹸・ラウリン酸石鹸を含む既知の群から、展色剤V及び着色剤Cとの適性に応じて適宜選択され、配合率等を決められてよい。通常の顔料等と分散剤Dの組み合わせに代えて、易分散加工済の着色剤Cや分散済の塗料等が用いられてもよい。また、充填材料調合部12と充填加工部13が連携し、1つの造形物3の加工中に着色剤Cの調合を漸次変更していくことで、複数の溝部Gの色をグラデーション状に徐々に変化させてもよく、それぞれの溝部G内の一部から別の一部にかけて、色をグラデーション状に変化させてもよい。
被覆部Tのための材料板20は、無色透明で、全光線透過率又は可視光線透過率が高いほうがよいが、用途によっては有色透明でもよい。簡易的には、被覆部Tは厚さ0.5mm以下のPET等の薄い粘着性軟質フィルムでもよい。長期用途には、図3bのように板状の被覆部Tが固定されるのがよい。板状の被覆部Tは造形物3を割れにくくするだけでなく、基材部3が溝部Gの幅方向に伸縮することを抑制し、上記(3)が原因の剥離を防止する。板状の被覆部Tが、基材部Mと同一・同種・類似の材質でより薄ければ、溝部Gを有する側の材料板20と物性が近いので好ましい。例えばPMMAのキャスト板と押出し板とは同一の材質ではないが、いずれもPMMAであり、上記の各種樹脂のうちの同じ分類に属するので、同種である。また、硬質PVCとPMMAとが、近似した線膨張率であり、同じ溶剤により溶着可能であれば、その点でこれらは類似である。さらに、被覆部Tと基材部Mとで色が同等であれば、それらの境界部分は肉眼では図3bのようには識別できず、視覚的にそれらが一体化する。そして、透明樹脂の塊中に溝部Gが封じ込められ浮いているように見える。しかし、エリプソメータ・アッベ式他の屈折率計等による屈折率・結晶方向・分子量の差の測定結果等から、基材部Mと被覆部Tとの区分が時に可能である。
充填部Lは、着色剤Cの含有により、基材部M及び被覆部Tとは異なる色となる。造形物Zの複数の部分の色において、色相・彩度・明度・全光線透過率・可視光線透過率のいずれかが明らかに異なってもよい。色相では、複数の色を比較した際、マンセル色相環において近い側が25〜50歩度分離れていれば明らかに別の色と識別でき、35〜50なら主要原色のいずれかの色の色相の差に相当し、45〜50なら補色どうしに近いので、いずれも明らかに色が異なる。又は複数の色がHSV色空間のH値において離れている小さい側の角度が、90〜180°なら明らかに別の色と識別でき、120〜180°ならRGB系又はCMY系の一方の原色系等のいずれかの色の色相の差に相当し、150〜180°なら補色どうしに近いので同様に異なる。彩度では、色相にもよるが、複数の色の差が概してマンセル表色系における彩度で4以上であれば明らかに色が異なり、6以上、8以上であればより明確に異なる。明度では、複数の色の差が3以上であれば明らかに色が異なり、4以上・5以上でより明確に異なる。それらが組合わさればさらに判然と異なる。これらの測色には例えばコニカミノルタ株式会社製CM−5等の分光測色計やCR−5等の色彩色差計が用いられるが、測色範囲が狭い等の理由で測定が困難な場合には、目視比較が併用されてもよい。全光線透過率又は可視光線透過率では、複数の色の差が40%以上で明らかに色が異なり、60%以上・80%以上でより明確に異なる。求める効果によっては、造形物Zの一部と他の一部とが、上記の範囲より狭い測定値で異なってもよい。なお、異なる色の上限は、技術の進歩により、出願時に可能な範囲より拡張される可能性があるので、特に限定しない。
ここで、上記以外の、本発明が導入されるべき造形物の条件を述べる。本発明の課題は、環境要因を度外視すれば、難接着材の樹脂等が充填部Lを有する場合に特有の問題ということができる。具体的には、基材部Mのぬれ張力が充填部Lのぬれ張力に近い又はそれ以下である場合に、充填部Lが基材部Mと良好に接着されないという問題である。基材部のぬれ張力が高ければ、界面剥離は起こりにくい。さらに基材部の表面が粗面なら、より強固に接着される。溝部Gが浅く、その幅が狭ければ、温度変化に伴う充填部Lと基材部Mとの伸縮量の差が小さいので、剥離が発生しにくい。溝部Gの溝部楔角が充分に大きければ、溝部の両側の複数の側面に塗料がそれぞれ片側ずつ付着し、その間に空隙があるので、双方からの引っ張りによる剥離がない。よって必ずしも本発明が適用されなくてもよい。溝部楔角が小さくても、溝部Gの側面Sのみに展色剤V等が塗布され、溝部Gの中央が空隙であれば、基材部Mが溝の幅方向に伸縮した時に、空隙がクッションとなって剥離に至らずにすむことがある。しかし、図3のように溝部Gに空隙がなく、溝部Gのほぼ全体が充填部Lであると、基材部Mが膨張し、溝部楔角が幅方向に開いた時に、その伸びが充填部Lの伸びを超えていれば剥離する。本発明が特に必要となるのは、基材部Mのぬれ張力が比較的小さく、側面Sが平滑で、溝部Gが深く、その溝部楔角が小さい場合である。さらに、側面Sが基材部Mを透過して見える程度に基材部Mの透過率が高いことも条件の一つである。
より具体的には、次のような場合に充填部Lが剥離しやすく、又は剥離が目立ちやすく、本発明が顕著な効果を発揮する。1、溝部Gが空隙を有さない。2、基材部Mと充填部Lの線膨脹率(JIS K 7197−1991等)が、大きい方の10%以上、又は5%以上異なる。3、基材部MがPE・PMMA・PP・PS等の難接着材、基材部Mのぬれ張力が45mN/m以下、基材部Mのぬれ張力(JIS K 6768:1999又はISO8296−1987)から充填部Lのぬれ張力を減じた差が10mN/m以下、の少なくともいずれかである。なお、ぬれ張力は、試験片との接触角が0°になるぬれ張力が既知でのぬれ張力等から得られる。4、側面Sの算術平均粗さRaが好ましくは4以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0.5以下、最大高さ粗さRzが好ましくは8以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下、算術平均うねりWaが好ましくは8以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下、最大高さうねりWzが好ましくは16以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下である(JIS B 0601:2013又はISO 4287:1997)側面Sの平滑性は、上記の全光線透過率及びヘーズの値によっても定義可能である。5、深さdGがmmオーダー以上、例えば5mm以上である。溝部Gが深いほど、開口部P側とその反対側とで温度変化等による変位量が大きくなり、界面応力も増大する。溝部Gが深い造形物Zは概してx及びy方向のサイズも大きいので、溝の長さ方向の界面応力も大きくなり、結果として、浅く短い溝部の造形物では発生しなかった問題が顕在化する。6、基材部Mの側面Sに熱影響がある。7、側面Sが造形物Zの表面部F又は裏面部Rへの垂線又は法線となす溝部G側の角度が90−2arcsin(1/n)以下である(nは基材部Mの屈折率)。
上記3・4は基材部Mと充填部Lとの接着性に関連する。4・5・6・7は、レーザ加工による溝部Gで見られる特徴である。特に、Coレーザによる切断加工では、切断面は赤外線で加熱されて融解し、冷却後に硬化する。これにより切断面が、4のように平滑となるが、6の熱影響のため、押出成形・キャスト成形・機械加工の表面よりも接着性に劣る。また、この切断面には、レーザのパルスを反映した略25〜3000μm・あるいは50〜1000μm・時に100〜400μmピッチで深さ略0.05〜20μm・あるいは0.1〜5μm・時に0.2〜2μmの、溝の深さ方向に平行な複数の凹凸が形成され、融解した樹脂の流れによるとみられる略1〜4mmピッチで同程度の深さの、溝の長さ方向に略平行な複数の凹凸が形成されることが多い。この凹凸は、溝部Gの幅wの略1/20〜10倍・あるいは1/10〜3倍・時に1/4〜1倍のピッチで、略1/8000〜1/20倍・あるいは1/4000〜1/100倍・時に1/2000〜1/200倍の深さでもよい。この凹凸は、側面Sに発生する加工誤差由来の凹凸で最大である。ここで、「溝の深さ方向に平行な複数の凹凸」とは、楔状の溝部Gでは、側面Sは溝の深さ方向に対しθG/2の傾きがあるが、それについては考えず、前記複数の凹凸が、溝の深さ方向及び幅方向に平行な平面と側面Sとの交線に平行であることを示す。6について次に説明する。
基材部Mと充填部Lとが剥離し、それらの界面が密着していない状態であっても、側面Sが全反射を起こして充填部Lの色が見えない場合だけでなく、充填部Lの色が側面Sを透過して見える場合がある。以下にそれら両者の臨界となる条件を示す。
図4は楔状の溝部Gの長さ方向に垂直な断面の図である。図4では、入射角θI(θI<0)で側面Sに入射した光が、反射角−θIで反射し、この反射光が裏面部Rで屈折して視点Eに届いている。ただし、充填部Lが側面Sで剥離していなければ、側面Sでの反射光は入射光の一部であり、残りは充填部Lに吸収されるか、充填部Lを透過するか、側面Sで拡散する。図4において、視点Eからの視線が表面部Rへの垂線又は法線となす角度(以下視線角度又はθEと記載する。)は裏面部Rからの光の出射角に等しい。側面Sが表面部Fへの垂線又は法線となす角度をθS、基材部Mの屈折率をn、充填部Lの屈折率をn、空気の屈折率を1とする。右回りを正方向とするので、θS>0であれば図4aの右側の側面S又は図4bの左側の側面S、θS<0であれば図4bの右側の側面S又は図4aの左側の側面Sに対応する。被覆部T・着色剤C等は図4では省略される。被覆部Tが平面状かつその両面が互いに平行で、被覆部Tの屈折率がnであれば、被覆部Tの有無は屈折角等に影響しない。n<n又は充填部Lが側面Sで剥離している場合、反射角θIが臨界角arcsin(n/n)以上であれば、側面Sでの反射が全反射となり、充填部Lの色は視点Eに届かない。この状態を式で示すと、スネルの法則より、
(1)図4a(θS≧0)の場合
Figure 0006818971
側面Sでの反射が全反射となるようなθSの範囲は、
Figure 0006818971
充填部Lが剥離しているか、溝部Gが空隙で側面Sに基材部Mが露出しているならば、充填部Lは空気ないし真空であり、n=1なので
Figure 0006818971
θE=−90(°)までのθEがとりうる範囲のすべてにおいて、側面Sで全反射が発生して充填部Lの色が見えなくなるようなθSの範囲は、数3より
θS≦90−2arcsin(1/n)…(i)
θE=0(°)、すなわち視点Eが溝部Gを表面部Fの正面から見た時に、充填部Lの色が見えなくなるθSの範囲は、数3より
θS≦90−arcsin(1/n)…(ii)
(2)図4b(θS<0)の場合
側面Sでの反射が基材部M側から見える最大のθEとなる(図4bの最も左寄りである)視点Eは、
arcsin[(sinθE)/n]=θS
となる位置であるから、
arcsin[(sinθE)/n]≦θS
側面Sでの全反射が視点Eで観察される最大のθSでは、θE=−90(°)の時のみ反射が観察可能となるので、
θS≧arcsin(−1/n)…(iii)
図4aにおけるθS<0の場合及び図4bにおけるθS≧0の場合、すなわち図4a・bの溝部Gのそれぞれ左側の側面Sに関する場合は、上記の場合に対し左右対称の関係であり、上記各数式において各項の正負及び不等号の向きが逆になる。ゆえに、(iii)から、図4bのように溝部Gの開口部P側のみから観察される場合には、
|θS|≦arcsin(1/n
であれば、溝部Gの手前に側面Sが見えるようなθEのすべての範囲において、側面Sで全反射が発生して充填部Lの色が見えなくなるので、本発明が適用される必要がある。本明細書等では、arcsin(1/n)を最大全反射可視側面角と記載する。例えばn=1.5とすると、θSの絶対値が約41.8°以下ならば、剥離した充填部Lの色は側面Sを通しては見えない。
次に、開口部P側からだけでなく、図4aのように溝部Gの開口部Pの反対側からも観察される場合には、(i)から、
|θS|≦90−2arcsin(1/n
であれば、溝部Gの手前に側面Sが見えるようなθEのすべての範囲において、側面Sで全反射が発生して充填部Lの色がまったく見えなくなるので、本発明が適用される必要がある。本明細書等では、90−2arcsin(1/n)を最大全部全反射側面角と記載する。例えばn=1.5とすると、θSが約6.38°以下ならば、表面部F及び裏面部R側のすべてのθEに対し、剥離した充填部Lの色は側面Sを通しては見えない。二分面が表面部Fに垂直な溝部Gでは、θGが約12.76°以下ならば同様である。基材部MがPMMAで、n=1.49ならば、θSの絶対値が約5.69°以下、又は二分面が表面部Fに垂直な溝部GでθGが約11.38°以下の場合、本発明により充填部Lの剥離が生じないことで、どこから見ても充填部Lの色が鮮明に見える効果が得られる。また、(ii)から、
|θS|≦90−arcsin(1/n
であれば、少なくとも一部のθEにおいて、側面Sで全反射が発生して充填部Lの色が見えなくなるので、本発明が適用された方がよい。本明細書では、90−arcsin(1/n)を一部全反射側面角と記載する。n=1.5とすると、θSが約48.19°以下ならば、剥離した充填部Lの色は正面からは見えない。二分面が表面部Fに垂直な溝部Gでは、θGが約96.38°以下ならば同様である。なお、数3より、充填部Lの色が見えないθEの範囲は、
Figure 0006818971
である。図4aにおいて、θEがこれより小さい時、すなわち視点Eが右寄りの時には、側面Sで全反射が起こらず、充填部Lが剥離していても側面Sを透過してその色が見える。
溝部Gの幅wが深さdGに対して充分に大きければ、正面から開口部Pの充填部Lの色が見えるので、側面Sが剥離していてもさしたる支障はない。それゆえ本発明は必ずしも適用されなくてもよい。これは、溝部Gが底面部Bを有し、台形状であれば、θGが小さくてもあてはまる。深さdの幅wに対する比率を考えると、5倍以上であれば、視線Eが斜め方向から側面Sを見た時、屈折により見かけの深さが浅くなるものの幅の約2・5倍以上に見えるので、本発明が適用された場合に一定の効果を呈する。10倍以上であれば、見かけの深さが幅の約5倍以上に見えるので、本発明が明確な効果を奏する。15倍以上なら充分な効果を示し、20倍以上なら本発明が不可欠である。また、本発明が適用されるべき溝部Gの幅方向の断面は、U字状のようにθSが複数又は変化する形状でもよい。その場合、両側の側面S・底面部B・開口部Pの長さの合計のうち、表面部Fへの垂線又は法線となす角度が最大全部全反射側面角(又は一部全反射側面角)以下である範囲の長さの合計が、好ましくは1/2以上であれば本発明が明確な効果を奏し、より好ましくは4/5以上、さらに好ましくは9/10以上、一層好ましくは19/20以上であれば、溝部Gの大部分が上記条件を満たしていると見なすことができ、本発明が不可欠である。
ただし、n<21/2であると、θEが−90°に近い時、数3からθS<0となることがあるが、数3は(1)すなわちθS≧0の場合の式であるから、成立しない。θS<0の場合も同様に成立しない。つまり、屈折率が約1.41未満の材料板20、例えばPFA・FEP等の透明なフッ素樹脂によってなる造形物Zでは、図4aのように開口部Pの反対側の視点からは、θS=0を含むすべてのθSの溝部Gにおいて、充填部Lと基材部Mとが剥離していても、基材部Mの側面Sを透過して充填部Lの色が見えることがある。θSが大きいほど、θEの絶対値が小さくてもこれが成立するので、充填部Lの色が見える範囲が拡がる。よって、本発明が必須であるのは、前段落の条件に加えて、n≧21/2の場合である。とはいえ、n<21/2の場合でも、剥離した充填部Lの色が見えなくなることがあるので、本発明が適用されてもよい。
次に、充填部Lが剥離していない溝部Gにおける、充填部Lの屈折率と基材部Mの屈折率との関係について検討する。
(1)n≧nの場合
基材部Mの屈折率が充填部Lの屈折率以下であれば、臨界角の作用による全反射は起こらない。この逆も真であり、表面部F及び裏面部R側のすべての視線角度において、基材部Mから側面Sへの入射光に対し側面Sで全反射が起こらず、反射があっても部分反射であり、その側の側面Sが見えるどの視点からも側面Sを通して充填部Lの色が見えていれば、基材部Mの屈折率は充填部Lの屈折率以下である。屈折率は、アッベ屈折計(例えば株式会社アタゴNAR‐1T SOLID、ナトリウムD線、本機による測定以外の詳細はJIS K 7142:2014・一部はISO489:1999又は出願時の技術常識に準拠する。)等により測定可能である。アッベ屈折計は、臨界角法を用いて試験片表面の屈折率を測定するので、この用途に適する。その測定値は、充填部Lに含まれる着色剤C等の屈折率には基本的に影響されず、展色剤Vの屈折率を示す。一般に、SIやシリコーンゴムの屈折率は1.43以下、PETE等のフッ素樹脂やフッ素ゴムの屈折率は1.3台である。一般にPMMAの屈折率は1.49以上であり、硬質樹脂の屈折率はSIの屈折率より高い。よって、すべての視線角度で溝部の色が鮮明に見えるためには、SI・フッ素樹脂等ではなく、基材部M以上の屈折率の展色剤Vがよい。各部の屈折率を比較すると、着色剤C≧展色剤V≧基材部Mであれば、すべての視線角度で全反射が起こらず、色が常に鮮明に見える。また、真空蒸着・スパッタリング等により金属が側面Sの界面に密着していれば、屈折率の大小にかかわらず、金属光沢が生じ、臨界角による全反射とは異なる反射効果が得られる。反射防止のため、溝部Gはかかる金属膜を有さなくてもよい。これと異なり、金属パウダーを混入させた塗料等では、側面Sに密着しているのは透明樹脂等の展色剤Vであるため、その展色剤Vの屈折率が影響する。金属パウダーは拡散反射であるため、反射効果は弱い。
(2)n<nの場合
充填部Lの屈折率が基材部Mの屈折率より小さいと、θEが小さい時には全反射が起こり、充填部Lの色が見えないことがある。θS=0ならば、そのようなθEの絶対値の範囲は
Figure 0006818971
a 充填部Lの屈折率が基材部Mの屈折率に近ければ、側面Sの臨界角が90°に近づくため、界面での反射がほとんど起こらない。溝部Gの二分面が表面部Fに垂直であり、基材部Mの屈折率が1.5であるとする。基材部Mの屈折率が1.49であれば、数5よりθEの絶対値が0から約9.96°までの範囲で側面Sでの全反射が見える。この範囲内では、側面Sへの入射角の絶対値が臨界角以上であるため充填部Lの色は見えない。θEが9.96°より大きく90°未満の範囲では充填部Lの色が見える。この範囲では、裏面部R側に文字等が貼られていると、充填部Lの色に隠れて見えなくなる効果が得られる。この効果は、側面Sで全反射が起こると、側面Sに裏面部Rが映って見えるために低下する。よって、この効果のためには、充填部Lの屈折率が基材部Mの屈折率以上であればよい。あるいは次善の策として、その差が小さいほうがよく、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下、さらに好ましくは0.03以下でもよい。
b 充填部Lの屈折率と基材部Mの屈折率との差が大きいほど、側面Sでの反射が起きやすくなる。基材部Mの屈折率が1.4ならば、数5よりθEの絶対値が0から約32.6°までの範囲で側面Sでの全反射が見え、それ以外の範囲では充填部Lの色が見える。基材部Mの屈折率が1.3ならば、θEの絶対値が0から約48.4°までの範囲で側面Sでの全反射が見える。これらの場合、正面からある程度のθEまでは、光源の位置によっては、側面Sが背景を反射して充填部Lの色が見えず、側面Sが平滑で背景が近ければ背景が映って見え、背景が遠ければぼんやりと映るか光って見える。光源がしかるべき位置になければ、側面Sは暗く落ち込んで見える。θEが数5の範囲を超えると、充填部Lの色が見えるようになる。ただし、界面での反射は多少残る。全反射から充填部Lの色への転換は、臨界角の作用により、中間段階がなく急激に起こる。それは、常に充填部Lの色が見えているのとは異なる意外さを観察者に感じさせ、用途によっては有用な効果をもたらす。正面に近い視線角度では充填部Lの色が見えず、視線角度が大きくなると充填部Lの色が見える、という効果が意図される場合には、充填部Lと基材部Mの屈折率の差は0.3以下・0.2以下・0.1以下でもよく、0.05以上でもよい。
θSが、わずかではあっても一部全反射側面角以下だと、θEの絶対値が小さい時に剥離した側面Sでの全反射が発生するので、全反射が目につきやすい。つまり、図4aの場合には正面付近からの観察時に全反射が見える。全反射可視側面角でも同様に、θEの絶対値が大きい(90°に近い)時よりも小さい時に全反射が見える。図4bの場合には少なくともθEがarcsin(nsinθS)にきわめて近い時だけは全反射が見える。つまり、θSが一部全反射側面角や全反射可視側面角を下回った時の変化は、一瞬ではあれ明確に現れる。しかもそれは、表面部Fへの正対に近い、最も高頻度の観察状態で起こるから、直ちに視認される。ゆえに、この事態が望ましくない場合、側面Sが一部全反射側面角以下又は全反射可視側面角以下であるかどうかは大いに臨界的意義を有するといえる。また、剥離していない充填部Lで充填部Lの屈折率が基材部Mの屈折率をごくわずかに下回る場合でも、少なくとも正面付近から見た時だけは全反射が発生するので、同様に臨界的意義が大きい。
カドミウムレッド・ビリジアン・二酸化チタン・酸化第二鉄等の無機顔料の屈折率は高いので、使用可能な展色剤Vの選択の幅が広いが、青・紫系無機顔料や有機顔料の屈折率は概して低いので、隠蔽力等の点からは、比較的低屈折率の展色剤Vが適合することが多い。一方、透過性のある発色が求められるなら、低屈折率の着色剤Cの方が有利である。造形物Zの用途・加工方法・所望の色・実現すべき装飾効果等により、適する充填材料40はそれぞれ異なる。各条件に応じて基材部Mと着色剤Cが決定されたのちに、それらの屈折率等から展色剤Vが選定されてもよい。
《第2の実施形態》
従来、例えば実全昭51−140085号公報に記載のような立体文字が知られている。この立体文字は、発泡性の樹脂製の発泡層9に表面板8が接合され、これらが文字の形状に切り抜かれたものである。これにより、厚みを持ち、表面と側面の色が異なる、看板用途等の立体文字が得られる。この発泡層が発泡性でない透明のPMMA等であり、側面が鏡面状に研磨され、光の反射を示すものも多く知られている。しかし、これらの立体文字では、複数の文字が独立しているために、施工者は看板等の基板上の所定位置にそれぞれの文字要素を別個に取り付ける必要があり、煩雑な作業を強いられた。また、表面板8が露出しているために屋外環境では劣化しやすかった。さらに、雨水等が、表面板8とその下の層との境界部分に浸入することで、表面板8が剥離しやすかった。表面板8が塗装された塗料であっても、同様に褪色や剥離が起きやすかった。
一方、特開2019−025860号公報に記載の発明のうち、同公報図面の図3eに基づき透明樹脂板等に溝部Gによって文字等が形成された造形物3は、複数の文字等を1枚の板に表示することができる。そのため、この発明では、バラバラの文字をそれぞれ取り付けなければならない問題は解決される。しかし、同公報は、文字部分の表面部Sが基材部Mと異なる色である立体文字を開示していない。また、同公報は、同図4aのように充填部Fiを有さない溝部Gを開示し、さらに、明細書段落0027において、造形物3の表面に保護用の板を接着することを記載している。しかし、溝部Gが充填部Fiを有さない場合、溝部Gの開口部側が接着剤等によって接着されると、接着剤が溝部G内部に流れ込んでしまい、充填部がない溝部Gの全反射の効果が失われる。あるいは、溝部Gから空気が逃げ、接着剤の部分に気泡が入り、品質を低下させる。同公報はこれらの問題を記載も示唆もしていない。粘着剤付きの保護シート等が用いられればこれらの問題は起こらないが、保護シート自体の劣化や剥離のため、保護の目的には不充分である。保護板が接着されずに造形物3の前面に位置する場合には、それらを係合する外枠等が必要である。また保護板と造形物3の間に2面の反射面が介在する。そのため全体の全光線透過率が約10%低下し、文字等が暗く見え、不要な反射が増えるので不利である。
本実施形態は上記等の問題の解決を課題とする。すなわちその課題とは、立体文字等に利用可能であり、壁面等への取り付け作業が容易で、高い装飾効果等を示す装飾体、並びにその装飾体を製造する装飾体製造装置及び装飾体製造工程の提供である。図5は第2の実施形態に係る造形物製造装置50の構成例を示す図である。図6は第2の実施形態に係る造形物製造方法のフローチャートの例である。以下、図5・6を参照して、造形物製造装置50の構成及び動作の例を説明する。造形物製造装置50は、例えば溝加工部11・上面部切断部52・上面部接合部53・被覆加工部14を具える。前記各加工部の全体を加工部55とする。第2の実施形態に係る造形物製造方法は、例えば溝加工工程S11・上面部切断工程S52・上面部接合工程S53・被覆加工工程S14を含む。
溝加工部11(S11)は第1の実施形態でのそれと基本的に同様である。溝加工部11は画像30に基づいて材料板20に溝部Gを加工してもよい。溝部Gの断面形状は特に制限されず、楔状以外でもよい。溝部Gは空隙でも充填されてもよい。第1の実施形態では、溝部G(の二分面)の方向と表面部F又は裏面部Rの方向との関係は制限されない。本実施形態では、溝部Gが表面部Fに、垂直でもよく、平行でなくてもよい。z方向に平行な造形物Zの複数の断面における溝部Gと表面部F等とがなす角度を考えた際、前記複数の断面が互いに平行であって、前記角度が断面の一方の側で一定でもよい。つまり、溝部Gによってなる文字等のz方向に平行な断面形状が平行四辺形でもよい。また、前記複数の断面が1つの直線を通り、前記角度が断面の一方の側で一定でもよい。つまり、溝部Gによってなる文字等のz方向に平行な断面形状が等脚台形等でもよい。
上面部切断部52は、例えば画像30に基づき、上面部材料22を溝部Gと近似した形状に切断し、上面部Uとする(S52)。その際、上面部切断部52は、画像30に含まれる文字等の輪郭を拡張して、文字等の各構成要素の幅を太く加工してもよい。反対に、溝加工部11が画像30の文字等を細くして溝加工してもよい。図7aのように、上面部Uが溝部Gの形状に沿った形状でもよい。これは、上面部Uの形状が互いに平行な複数の溝部Gの全体の外形に近似し、上面部Uが複数の溝部Gの開口部を塞ぐ場合を含む。上面部材料22は、桜井株式会社・3M Company・トーヨーケム株式会社・株式会社中川ケミカル・リンテック株式会社等製のマーキングフィルムでもよく、より厚い樹脂板や、金属板・金属箔、紙等でもよい。上面部材料22の色は制限されない。上面部切断部52は、PVC等のフィルムをカッティングプロッタやNCルータで切断してもよく、オレフィン系等のフィルムをレーザ加工機で切断してもよい。Coレーザ等の熱加工レーザによる切断では、端部の接着剤が熱で変質し、フィルムの切断面の厚さが増すことがあるので、非熱加工レーザの方がよい。
上面部接合部53は、上面部Uを、溝加工された材料10の表面部Fの溝部Gの位置に応じて接合する(S53)。この際、図7bのように、上面部Uが溝部Gの開口部Pを塞ぐことが望ましい。この際、上面部Uは、溝部Gによってなる文字部分の外側の側面Sの肩部から、さらに外側の外周部にかけての表面部Fとの接合部分Jを有してもよい。接合部分Jの接合幅jは各部で均等でもよい。接合幅jは、上面部Uの厚さt以上が好ましく、溝部Gの幅wの1/4以上が好ましく、幅wの1/2倍以上がより好ましく、w以上がさらに好ましく、2ないし2.5倍以上が一層好ましい。また、接合幅jは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.5mm以上がさらに好ましく、1mm以上が一層好ましい。接合幅jが大きいほど、被覆部Tがない場合、接合部分Jが剥がれにくく、上面部Uによる溝部Gの保護効果が向上する。ただし、接合幅jが大きいほど上面部Uのはみ出し量が大きくなり、立体文字の効果が失われる。接合幅jは、これら2つの相反する効果の兼ね合いで決定されてもよい。また、造形物Z各部での接合幅jのばらつきの接合幅jの平均に対する割合は、1/2以下が好ましく、1/3以下がより好ましく、1/4以下がさらに好ましい。このばらつきが大きいと、接合幅jが狭い部分に穴が開いてしまう。また立体文字の効果が損なわれる。上面部接合部53は、上面部Uに転写シート(アプリケーションシート)を併用し、さらに温度管理により作業中の伸縮を抑えることで、精密かつ効率的に位置決めを行える。溝部Gに水がたまらないよう、上面部接合部53は上面部Uを水貼りしないほうがよく、水貼りする場合は極力水を減らす方がよい。なお、接合は接着剤だけでなく、粘着剤等による貼付等も含み、上面部Uが接した状態で固定されていれば接合されている。図5のように充填部Lのない溝部Gの表面部Fのみにマーキングフィルムが貼付された場合、側面Sが外気に対して露出する。そのため、特に屋外用途では、埃等が溝部Gに入り込んで汚れやすい。レーザ加工等による楔状の溝部Gでは、先端部分の幅が狭いため、清掃によってこの汚れを除去することも難しい。一方、上面部Uが開口部Pを塞いでいれば、この問題は解消する。上面部Uの最も広い面が溝部G(の二分面)となす角度は様々でよい。しかし、上面部Uが溝部Gに平行であると、上面部Uは開口部Pを塞げないので、上面部Uの最も広い面は溝部Gに平行でなくてもよい。なお、実際には造形物Zの内部は屈折して見えるので、図7aのようには見えない。図7aは屈折現象を無視し、造形物Zの内部の溝部Gを点線により透過図として図示してある。また、説明の便宜上、図7bの各部で拡大率が異なる。
被覆加工部14は、溝加工済の材料板20に別の材料板20を接着剤A等で接着し、被覆部Tとする(S14)。被覆部Tは厚さが一定の板状物でもよく、その場合上面部Uの最も広い面は表面部Fに(被覆部Tの板厚の公差等の範囲内で)平行である。被覆部Tの表面部F側が例えば凸状で、上面部Uの最も広い面が表面部Fに平行でなくてもよい。被覆部Tは、厚いほど保護性能が向上する。短期用途や屋内用途であれば被覆部Tがなくてもよい。被覆加工が行われる場合、上面部Uが溝部Gを塞いでいるので、接着剤Aが溝部Gに流れ込むことがない。そのため、溝部Gが充填されずに空隙のまま密封されるので、臨界角の作用により、溝部Gが光を反射して輝く。段落0031に記載の条件の場合、この反射効果がより高い。溝部Gは、空隙を保ったまま、側面Sの表面部分のみが着色されてもよい。これにより、第1の実施形態と異なり、溝部Gが着色された色の光を全反射して輝く。この場合も含め、上面部Uは無色透明ないし基材部M等と略同じ色で、開口部Pの蓋の役割だけを果たしてもよい。また、上面部Uが溝部Gを塞がない場合、被覆加工時に、溝部Gから漏れ出た空気が基材部Mと被覆部Tとの間に気泡として残りがちである。本実施形態はこのトラブルを回避する効果を奏する。造形物Zが被覆部Tを有する場合、上面部Uのうち開口部Pから外側にオーバーハングした張り出し部Hは、被覆加工時だけ表面部Fと密着していればよい。よって、被覆部Tがない場合より、その接合力は弱くてもよく、接合幅jは小さくてもよい。被覆部Tがない場合、及び被覆部Tがあってその厚さが均等である場合には、上面部Uにおいて溝部Gを挟んだ両側の接合部分jのうち、それぞれ最も裏面部Rから遠い部分を結ぶ直線は、表面部Fに平行である。また、上面部Uのうち対応する溝部Gの幅方向で外側の部分が、溝部Gのうち開口部Pにおける幅方向に最も外側の部分に対し幅方向で同位置かより外側にあるならば、上面部Uは溝部Gを塞いでいるといえることが、図7bから理解される。上面部Uの端部と開口部Pの端部とが幅方向において同位置であっても、接合方法によっては開口部Pを密閉することができる。なお、造形物Zが被覆部Tを有さない場合、表面部Fは上面部Uの側の露出部分であって、上面部U以外の部分である。
上面部Uのうち表面部Fに平行な面における最も外側の部分の少なくとも一部が、表面部Fの最も外側の部分より内側でもよい。図7では、z方向の高さの差を無視すると、上面部Uの輪郭は表面部Fの輪郭によって区分される領域の内部に包含されている。造形物Zが被覆部Tを有する場合、これにより被覆部Tと基材部Mとが、上面部Uの外側で上面部Uを挟まずに直接接合し、接合強度が向上する。また、溝部Gは閉領域状でもよい。すなわち、始点と終点が略一致し、円・多角形やさらに複雑な図形のように閉じた図形でもよい。さらに、図7aの文字Aにおける上面部Uの部分とその中の上面部Uがない部分との関係のように、複数の閉領域が複合してもよい(上面部Uが無色透明等の場合、図7aの文字Aは穴がなく全面上面部Uでもよく、その外側も溝部Gの形状に必ずしも従わなくてもよい。しかし、例えば上面部Uが表面部Fの全面に近い広い面積であれば、表面部Sが被覆部Tと接合する部分がほとんどなく、それらの密着が保たれない。そうならないよう、接合幅jが大きすぎない方がよい。つまり、図7aの文字Aのように複数の溝部Gが包含関係にあり、複合する閉領域状であれば、上面部Uはそれに対応する穴を有してもよい。このように、上面部Uは溝部Gの形状に対応する形状であってもよい。上面部Uが溝部Gと同相でもよい。つまり、互いの形状が連続的に変形可能でもよい。それぞれの表面部S側と裏面部R側とが別の各々面で、互いに同相である2つの形状では、穴の数が同じである。)。また、溝部Gは図7aのG0のように、始点と終点とが離れた開領域状でもよい。すなわち、上面部Uが両側の接合部分J及びそれらの間のみで、表面部Fとの接合部分を間に挟まなくてもよい。上面部Uが連続している箇所で、溝部Gが途切れて開領域状であってもよい。溝部Gの幅wは1mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましく、0.5mm以下がさらに好ましい。幅wが狭い方が密封性が高いからである。また、造形物Zが被覆部Tを有する場合は特に、図7bのように、被覆加工時の加圧等により、張り出し部Hのうち開口部Pを架橋する部分は弧状に凹みがちである。上面部U表面が平滑で正反射成分が多い場合、凹凸が特に目立つので、この凹みが小さい方が装飾効果が高い。張り出し部Hの凹みの深さdHは上面部Uの厚さt以下が好ましく、又は幅wの1/2以下が好ましく、幅wの1/4以下がより好ましく、幅wの1/8以下がさらに好ましい。
第1の実施形態のように溝部Gが充填部Lを有する場合でも、充填材料21の硬化時の収縮や表面張力により、充填部Lの上部は図3aのように凹状となることが多いので、上面部Uもそれに伴い凹状となりがちである。充填加工部14が、溝部Gに充填時に充填材料21を高く盛り上げて、硬化後に表面部Fごと研磨すれば、図3b・4のように溝部Gと表面部Fとが面一になる。しかし、この作業は手間がかかるだけでなく、表面部Fに傷が残り、充填部L及び表面部Fの開口部Pの角が研磨時に欠けやすいので好ましくない。しかし、充填加工部14が充填材料21の不要部分を拭き取るないしかき落とす場合、充填部Lの開口部P側が凹状にならないようにすることは難しい。よってこの場合にも、幅wが小さい方が、凹部の深さが小さく抑えられるので好ましい。充填部Lの開口部P側が凹状であり、かつ上面部Uに張り出し部Hがないか、張り出し部Hが隣の側面Sまで届いていないと、観察者が正面から見た場合にも、溝部Gの色が上面部Uに隠れずにはみ出して見えるので、立体文字の効果が低減する。さらに後者であれば、被覆部Tがなければ張り出し部Hがひらひら浮いている状態で見苦しく、また剥離の原因となり、被覆部Tがあれば、被覆工程において加圧により張り出し部Hが溝部Gの側に湾曲し、上面部Uの平坦性が失われる。さらに、充填部Lがない場合と同様、被覆加工時に凹部の空気が気泡となる。いずれの場合であっても、本発明の効果に対する損失である。一方、充填部Lの開口部P側が凹状であって、その部分を塞ぐ上面部Uが略平坦であれば、それらの隙間に空気が残る。この空気がクッションとなり、充填部Lと基材部Mとの膨張率の差を吸収するので、充填部Lが剥離しにくくなる。それゆえ、上面部Uが溝部Gの両側の側面Sに接合することは、溝部Gに充填部Lが充填された造形物Zにおいても有効である。上面部Uの色は充填部Lの色と異なってもよく、略同じでもよい。
上面部Uが、両側を溝部Gに挟まれた表面部Fを複数またいでもよい。また、溝部Gが開口部P側が開いたテーパー状である場合、自然な立体感のためには、立体文字の各部の側面Sが互いに略平行であればよく、テーパーの角度が小さい方がよい。一方、テーパーの角度が大きければ立体的効果が強調される。溝部Gが開領域状であるより閉領域状である方が立体文字の効果が高い。溝加工部14は、画像30を左右反転し、裏面部R側から見た場合に文字等が正像となるように加工してもよい。これにより、観察者が正面から造形物Zを見た場合のみに文字等の内部に上面部Uが見え、斜めからは上面部Uがほとんど見えない効果が得らえる。溝部Gが充填部Lを有し、その色が透過性を有するなら、表面部F及び裏面部Rの両側の対応する位置に、文字等の形状のマーキングフィルム等が接合されれば、手前と奥の両側の文字等の形状の色が見える。裏面部R側のみから観察される場合、被覆部Tは低透過率や高ヘーズでもよい。同様に、表面部F側のみから観察される場合、裏面部R側に濃色で不透明に近い板等が装着・接合されてもよい。上面部U及び基材部Mが無色透明で、それらが着色された中間層Wを間に挟んでもよい。中間層Wは張り出し部Hを有しても有さなくてもよい。溝部Gが充填部Lを有さなければ、側面Sの全反射により、裏面部R側からは溝部Gの閉領域内が中間層Wの色に見え、それ以外の部分は透明に見える。上面部Uにより開口部Pが塞がれているので、溝部G内への汚れの進入がない。あるいは被覆部Tの接合が容易である。 1箇所の溝部Gに対し、複数の上面部Uが重なってもよい。つまり例えば、溝部Gに直に接する上面部U1が無色透明で溝部Gを塞ぎ、その上に、上面部U1より一回り小さく有色の上面部U2が乗っていてもよい。これにより有色の上面部Uの形状が自由になる。
本発明の一つの態様は、表面部と、裏面部と、溝部と、上面部と、を有する装飾体であって、前記裏面部が前記表面部に対向し、前記上面部と前記溝部とが一部で互いに接し(溝部Gが充填部Lを有する場合や、溝部Gが充填部Lと上面部Uとの間に空気層等を有する場合を含む。また、上面部と溝部とが間に接着剤等を挟む場合を含む。)、前記上面部が前記溝部より前記表面部の側にあり(つまり、上面部Uが溝部Gよりz正方向にあり)、前記溝部が前記表面部又は前記裏面部の少なくとも一方に平行でなく、前記上面部のうち最も広い面が前記溝部に平行でなく、前記溝部が前記表面部又は前記裏面部の少なくとも一方を透過して観察可能であり、前記上面部が前記表面部又は前記裏面部の少なくとも一方の側から観察可能であり、前記溝部の両側の側面において、前記上面部のうち前記溝部の幅方向で最も外側の部分が、前記溝部のうち前記表面部の側であって前記幅方向に最も外側の部分に対し前記幅方向で同位置かより外側にあることを特徴とする装飾体である(段落0041−0047、0013−0017、0026等参照)。前記上面部のうち前記表面部に平行な面における最も外側の部分の少なくとも一部が、前記表面部の最も外側の部分より内側でもよく、前記上面部が前記溝部の形状に沿う形状でもよく、前記上面部の色が前記表面部又は前記裏面部の少なくとも一方の色と異なってもよく、前記上面部の最も広い面の少なくとも一部が前記表面部又は前記裏面部の少なくとも一方に平行でもよく(上面部Uが凹状等の曲面である場合等を含む。平行との差は好ましくは10°以下であり、より好ましくは5°以下であり、さらに好ましくは2°以下である。)、前記上面部の外周と前記溝部の開口部の外周との前記幅方向の距離が一定でもよく(各部でのその距離の差は、その距離の好ましくは1/5以下、より好ましくは1/10以下である。)、前記溝部が空隙でもよく、前記溝部が充填部を有してもよく、前記溝部の色が前記上面部以外の部分の色と異なってもよく、前記上面部が前記表面部及び前記裏面部に露出しなくてもよく、前記溝部又は前記上面部の少なくとも一方が画像・文字・ロゴ・図形・模様の少なくともいずれかを表示してもよい。本発明の別の態様は、材料を加工して(前記溝部を形成する溝部加工部と、前記溝部に上面部を接合させる上面部接合部と、をそなえ、それらにより)前記装飾体を製造することを特徴とする装飾体製造装置である。本発明の別の態様は、材料を加工して(前記溝部を形成する溝部加工工程と、前記溝部に上面部を接合させる上面部接合工程と、をそなえ、それらにより)前記装飾体を製造することを特徴とする装飾体製造方法である(段落0040参照)。
《第3の実施形態》
特開2019−025860号公報は、段落0021・0041等において、溝部Gの先端部分が凹凸状であり、溝部Gの深さが一定でない造形物3を記載している。かかる加工結果は、レーザ加工に付随して発生することが多い。特に、溝部の始点や終点でレーザ出力の変動が大きいため、かかる凹凸が顕著となることが多い。また、特開2019−025860号公報は記載していないが、溝部が複雑な形状であると、角の部分や曲率の大きい曲線部分で大きな凹凸が発生する。かかる凹凸は、特に立体文字において、立体的な装飾効果を低下させるため、排除又は抑制されたほうがよい。しかし、特開2019−025860号公報は、段落0041において「溝部Gの一部に凹凸があればさらに細かく光って見える。」と記載し、これを解決すべき課題とするのではなく、むしろ積極的な装飾効果を呈する特徴と認めている。それゆえ、特開2019−025860号公報は、この問題に対する解決手段も記載していない。
本実施形態は、上記等の問題の解決を課題とする。すなわちその課題とは、透過性を有する基材部に形成された溝部が略一定の深さに見える装飾体、並びにその装飾体を製造する装飾体製造装置及び装飾体製造工程の提供である。第3の実施形態に係る造形物製造装置は、造形物製造装置10又は50と同じ構成あるいはそれらを合わせた構成を有してもよく、それらのうち溝加工部11を含む一部の構成を有してもよい。第3の実施形態に係る造形物製造方法は、第1又は第2の実施形態に係る造形物製造方法のフローチャートと少なくとも一部が同じ工程を有してもよい。
本実施形態において、溝加工部11は、複数の材料板20を取得することができる。そのうち1つの上層材料板201は透過性を有する。別の下層材料板202は上層材料板201より透過性が低くてもよく、全光線透過率が低い、又はヘーズが多くてもよい。下層材料板202は例えば白・乳半・フロスト・ラメ入り・不透明又は透明な黒・青・緑等の色のPMMA板でもよい。下層材料板202は、上層材料板201との接合の容易さから、上層材料板201と同一・同種・類似の材質でもよいが、金属板等の異なる材質でもよい。
図8は溝部Gの長さ方向に平行な断面図である。溝加工部11は、上層材料板201と下層材料板202とを接着・熱圧着等により接合後、図8aのように、レーザ加工部111によって溝部Gを形成してもよい(S10)。上層材料板201と下層材料板202とがメーカにより接合済でもよい。レーザ加工部111は、溝部Gの各部の深さdGの平均を、上層材料板201の厚さより大きくしてもよい。あるいはレーザ加工部111は、溝部Gの最小の深さを上層材料板201の厚さと同等にしてもよい。本実施形態では、充填加工部13が充填加工を行っても行わなくてもよい。
製造後の造形物Zは、互いに透過性の異なる複数の層を含む(複数の層が2つの層であり、その2つの層の透過性が互いに異なる場合を含む)。溝部Gのうち、先端の凹凸状部分は、図8bのように、基材部Mのうち透過性が低い基材下層M2の範囲に収まるので隠れている。観察者には、溝部Gのうち透過性が高い基材上層M1を貫通する、深さが揃った部分のみが見える。溝部Gの凹凸状部分は、一部が基材上層M1に現れてもよいが、その割合は少ないほどよい。溝部Gの総延長のうち基材上層M1に凹凸が見える部分の長さの割合は、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。また、基材上層M1における溝部Gの深さのうち凹凸が見える部分の深さの割合は、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。いずれも下限は0%である。また、溝部Gの凹凸が小さく、溝部Gが概して同じ深さに見える場合、本実施形態の適用はあまり必要ではない。溝部Gの深さ方向の凹凸の高さ(又は凹凸のうち基材下層M2内の部分の高さ)が、1mm以上・2mm以上・3mm以上、又は幅w以上・wの2倍以上・5倍以上・10倍以上、あるいは深さdGの1/10以上・1/8以上・1/6以上の場合、本実施形態が特に必要となる。上限は深さdG又はその1/2である。
溝部Gが裏面部Rを貫通すると、屋外等においてその穴から浸水して破損の原因となるので、貫通しないほうがよい。ただし、貫通孔がφ0.5mm以下・0.3mm以下・0.1mm以下といった微小なものであれば、浸水が少ないので、許容範囲内である。また、溝部Gのこのように細い部分では、充填加工時に、充填材料21が突起状に深い部分の先端まで届かないことがある。かかる突起状部分の先端は、空気を残すため、光を全反射して目立つ。よって、前記のφの突起状部分は、深い方が基材下層M2に隠れるので好都合である。溝加工部11は、充填時の空気の残留を避けるため、図8bの一部のように突起状部分を裏面部Rまで貫通させてもよい。被覆加工部14は、充填加工部13による充填後に、裏面部R側にさらに別の材料板20を接合する等により、下層材料板202に開いた貫通孔を密封してもよい。一方、造形物Zが壁等に直接接合される場合、接着剤が貫通孔を塞げば浸水等の問題はない。のみならず、貫通穴に浸透した接着剤の投錨効果により接着力が向上するので、貫通孔があってもよい。
本発明の一つの態様は、複数の層と、溝部と、を有する装飾体であって、前記複数の層が透過性を有する層及び該透過性を有する層より透過性が低い層を含み、前記透過性を有する層が前記溝部を有し、前記溝部の少なくとも一部が、前記透過性が低い層に連続し、前記透過性が低い層に連続する前記溝部の少なくとも一部が、前記透過性が低い層において深さ方向の凹凸を有することを特徴とする装飾体である。前記深さ方向に凹凸を有する溝部における前記凹凸の少なくとも一部の深さの差が前記透過性を有する層の側から見えなくてもよく、前記溝部の少なくとも一部の深さが1mm以上でもよく、前記装飾体が画像・文字・ロゴ・図形・模様の少なくともいずれかを表示してもよい。本発明の別の態様は、前記装飾体を製造する装飾体製造装置である。本発明のさらに別の態様は、前記装飾体を製造する装飾体製造方法である。
《第4の実施形態》
特許文献1は、段階0055等において、照明光の色で溝部Gが着色されて見えたり、光の色の変更により溝部Gの色が変化して見えたりする、という発明を記載している。しかし、この効果のためには光が着色されている必要があった。そのため、屋外に設置された造形物3が、自然光でこの効果を発揮することはできなかった。また、造形物3の広い面積の部分がこの効果を示すには、その部分全面が溝部Gを有していなければならず、高額の加工費用を要した。さらに、Coレーザ加工等の場合、溝幅を狭くできないため、万線状の溝部Gのピッチの微細化にも限界があり、小サイズの造形物3では細かい絵柄の再現に無理があるという問題があった。本実施形態は、特許文献1に記載の発明と異なり、光源色に依存せず、自然光下等でも光によって色が変化して見える造形物等の提供を課題とする。
図9のように、溝部Gが有色透明のフィルムよりなる色帯部Kを挟み、この色帯部Kが両側の側面Sに接合されていなければ、造形物Zの側方等からの光が両側の側面S及び色帯部Kを透過し、入射方向の反対側に色帯部Kの色の影を投影するという効果を呈する。一方、溝部Gの側面角θSが前記の範囲内で充分に小さければ、観察者が溝部Gを表面部F又は裏面部Rを通して見る限り、色帯部Kの色は臨界角の作用により見えない。つまり、色帯部Kの色は直接は見えず、透過光が投影された影としてのみ観察可能である。ただし、色帯部Kの色は造形物Zの側面部分では側面Sを通して見え、観察者の意表を突く。色帯部Kが片側の側面Sのみに接合されれば、色帯部Kが、表面部Fからは、接合された側の側面Sを透過してだけ見える。色帯部Kは色や凹凸による模様を有してもよい。色帯部Kの深さに応じて、造形物各部で色の強さが変化する。かかる造形物Zは、例えば造形物製造装置10により製造される。その際、溝加工部11が材料に溝加工し、充填材料調合部12が色帯部Kを取得し、充填加工部13が色帯部Kを溝部G内に挿入してもよい。その後に被覆加工部14が被覆部Tを接合してもよい。これにより、色帯部Kが外側に露出せず、溝部Gから脱落しない。また、開口部Pに接する被覆部T又は底面部Bを通して色帯部Kの端部等が直接見えることがある。しかし、開口部P又は底面部Bにおいても色帯部Kが基材部Mや被覆部Tに接合されていなければ、視線角度が大きい場合に、臨界角の作用で色帯部Kの端部が見えない。つまり、溝部Gの全体又は一部が色帯部Kとの間に空隙を有してもよい。なお、溝部Gが色帯部Kとの間に空隙を有するとは、両者が互いに密着しておらず、両者の間に薄い空気の層があり、又は両者が接していても接合されておらず、結果として両者の界面での臨界角が空気との臨界角と同等である状態を指す。なお、図9の点線も図7と同様である。
色帯部Kの光の影は、造形物Zが基材下層M2を有する場合に、基材下層M2に投影されるのでより鮮明に見える。基材下層M2の色が白かそれに近い明るい色であり、全光線透過率20%以下・15%以下・10%以下で5%以上・8%以上・10%以上、可視光域の分光透過率が全域で20%以下・10%以下、さらに分光透過率の可視光域内の差が20%以下・10%以下、ヘーズ90%以上・95%以上・99%以上、マンセル表色系における明度がv5以上・v6以上・v7以上・v8以上、彩度がc4以下・c3以下・c2以下(以上分光色差計・色彩輝度計等による計測、厚さにより変動する値は2mm厚換算時)、の少なくともいずれかの場合に特に効果的である。基材上層M1と基材下層M2との接合部分は、互いに溶け合うように連続的に変化するのではなく、非連続的に切り替わる状態に近ければ、界面で透過光が鮮明に反射される。そのためには、基材上層M1と基材下層M2、さらに場合により接着剤Aの色が変化する部分の厚さは、1mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.2mm以下がさらに好ましく、0.1mm以下が一層好ましく、dGの1/5以下・1/10以下・1/20以下・1/40以下のいずれかでもよい。また、接合部分が平滑であれば透過光の反射に乱れがないので、その凹凸が1mm以下・0.5mm以下・0.2mm以下・0.1mm以下のいずれかでもよい。反対に、その凹凸が0.2mm以上・0.5mm以上・1mm以上であるか、基材上層M1と基材下層M2とが連続していれば、透過光の反射に独特なマチエールが生じる。
色帯部Kの可撓性が高い方が溝部Gへの挿入作業が容易であるから、色帯部Kの曲げ弾性率は700MPa以下でもよい。色帯部Kの厚さは100μm以下・70μm以下・50μm以下・30μm以下、又はwの1/4以下・1/5以下・1/8以下・1/10以下・1/20以下であれば、色帯部Kが楔状溝部の先端近くまで届く。癒着予防のため、色帯部Kの融点は80℃以上・100℃以上・150℃以上がよい。色帯部Kはフィルム以外にも、ビーズ状の粒体・糸状体・ダイクロイックミラーの細片・干渉膜・偏光膜等の上記作用ないし類似作用を呈する材料からなってもよい。色帯部Kの彩度がマンセル表色系においてc4以上・c6以上・c8以上であれば、鮮やかな透過光が得られる。溝部Gの各部の色帯部Kの色が互いに異なってもよい。例えば図9のように、菱形のうちx負方向側の溝部G1の色帯部K1が赤、x正方向側の溝部G2の色帯部K2が青であれば、x負方向側から光が当たった時に菱形内の基材上層M1と基材下層M2との界面が赤く見え、x正方向側から光が当たった時に菱形が青く見える。この造形物Zが北半球の屋外に南向きで設置された場合、太陽光の向きから朝は青、夕方は赤に光って見える。溝部G1は基材上層M1の裏面部R側まで達しているが、この場合x正方向側からの光は溝部G1で止まり、それよりx負方向には届かない。そのため菱形内のみが赤に染まって見える。溝部G1・2は基本的には太陽光の色か黒に見える。かかる造形物Zに人感センサ及び光源が組み合わされて門柱に設置され、人が通った時に発光したり、色が変化したりしてもよい。照明が照度センサにより夜間のみ発光してもよい。
本発明の一つの態様は、溝部を有し、該溝部以外の部分の少なくとも一部が透過性を有する装飾体であって、前記溝部が前記透過性を有する溝部以外の部分とは異なる色の色帯部を含み、前記溝部の少なくとも一部が前記色帯部との間に空隙を有することを特徴とする装飾体である。前記溝部の側面が前記色帯部の少なくとも一部との間に空隙を有してもよい。前記側面のθSの絶対値が最大全部全反射側面角以下でもよい。前記装飾体のうち前記溝部以外の部分の一部の透過性が、前記透過性を有する部分の透過性より低く、前記透過性が低い部分と前記透過性を有する部分とが互いに接し、前記透過性が低い部分と前記透過性を有する部分との界面が前記溝部に平行でなくてもよい。前記色帯部が光学的透過性を有してもよく、前記色帯部が外側に露出しなてもよい。前記色帯部の前記溝部の幅方向の厚さが100μm以下又は前記溝部の幅の1/4以下の少なくとも一方でもよい。前記装飾体が画像・文字・ロゴ・図形・模様の少なくともいずれかを表示してもよい。上記装飾体は、溝部Gに囲まれた領域が自然光で色づいて見え、しかも溝部G自体は自然光の色に光る、というこれまでにない装飾効果を奏する。さらに、溝部Gが形成されていない部分まで、1本の溝部Gだけで色の光が届く。本発明は文字等を輪郭で表示できるので、複数の平行な溝部による場合より微細な文字等を表示可能である。本発明の別の態様は、上記の装飾体と、前記装飾体に光を照射する照明具と、を具えることを特徴とする装飾体照明設備である。前記照明具が定められた条件に応じて動作してもよい。本発明の別の態様は、材料を加工する溝加工部等を具え、上記の装飾体等を製造する装飾体製造装置及び製造方法である。
《第4の実施形態》
溝加工部11が溝部G3に近接して別の溝部G4を加工し、さらに充填加工部13が溝部G3のみに有色透明の充填材料21を充填してもよい。溝部G3と溝部G4とは互いに平行でもよい。溝部G3と溝部G4がいずれも閉領域状で、互いに相似であり、溝部G3が外側でもよい。この場合、溝部G4は充填部Lを有さないので光を全反射し、その光が溝部G3の充填部Lを透過してその色の光となる。これにより、充填部Lを有する溝部Gでは得にくい反射光の効果を呈し、しかも耐光性の高い溝部Gが実現可能となる。溝部Gが透過性の低い上面部Uを有する場合には、光は溝部G3を透過してから溝部G4で反射し、再度溝部G3を透過するので、その色は薄い方がよい。また、溝部G3とG4とが近接しているほどよい。それらの間隔の深さdGに対する割合は、1以下が好ましく、1/2以下がより好ましく、1/3以下がさらに好ましく、1/4以下・1/8以下が一層好ましい。また、溝部Gの両側で基材部Mの色が相違してもよい。例えば、溝加工部が、無色透明の材料板が抜き加工し、青色透明の材料板を同様の形状で切断し、さらに、無色透明の材料板の穴の部分に青色透明の材料板の内側の部分を組み合わせてもよい。溝加工部は、加工時の切りしろを加味してそれらの輪郭を調整し、それらを過不足なく組み合わせることができる。表面部S側又は裏面部R側の少なくとも一方の接着において、被覆加工部が第3の実施形態を組み合わせてもよい。これによる造形物Zでは、溝部Gを挟んで基材部Mの色が変化し、さらに溝部G内が空隙であれば、側面Sが表面部S側又は裏面部R側からの光を全反射する。
本発明の技術的範囲は上記の範囲には限定されない。当業者にとって、上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、各実施形態は、特記されない事項を含む多くの点において互いに共通する。各実施形態は組み合わせて実施されてもよい。
本発明が提供する造形物Zは、例えば看板・店舗サイン・社名表示板・表札・案内板・広告表示板等の各種サイン、店舗等のディスプレイ、窓・壁面・オブジェといった建築構造物/自動車・電車・航空機・船舶等の乗り物/携帯情報端末・コンピュータといった家電製品等の装飾に有用である。
10・50 造形物製造装置、 11 溝加工部、 111 レーザ加工部、 12 充填材料調合部、 13 充填加工部、 14 被覆加工部、 20 材料板、 201 上層材料板、 202 下層材料板、 21 充填材料、 22 上面部材料、 30 画像、 52 上面部切断部、 53 上面部接合部、 B 底面部、 C 着色剤、 D 分散剤、 E 視点・観察者、 F 表面部、 G 溝部、K 色帯部 、 L 充填部、 M 基材部、 M1 基材上層、 M2 基材下層、 R 裏面部、 S 側面、 T 被覆部、U 上面部、 V 展色剤Z 造形物

Claims (2)

  1. 基材部と、
    前記基材部に形成された溝部と、を有する装飾体であって、
    前記基材部の少なくとも一部の全光線透過率が70%以上であり、
    前記溝部が前記全光線透過率が70%以上の基材部とは異なる色の色帯部を内部に有し、
    前記溝部の少なくとも一部が前記色帯部との間に空隙を有し、
    前記溝部の側面が前記装飾体の表面への垂線又は法線となす角度の絶対値がarcsin(1/n)°以下(nは前記全光線透過率が70%以上の基材部のナトリウムD線の屈折率)である
    ことを特徴とする装飾体。
  2. 前記溝部の側面が前記装飾体の表面への垂線又は法線となす角度の絶対値が90−2arcsin(1/n)°以下である、
    請求項1に記載の装飾体。
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