JP6816876B2 - Ro52/TRIM21タンパク質に対する自己抗体が認識するエピトープおよびその利用 - Google Patents
Ro52/TRIM21タンパク質に対する自己抗体が認識するエピトープおよびその利用 Download PDFInfo
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Description
[1] 対象における間質性肺炎の、診断、発症の予測、重症度の診断、および重症化の予測からなる群より選択される少なくとも一つのための方法であって、Ro52/TRIM21タンパク質に対する抗体が対象から得られた試料中に存在するかどうかを決定する工程を含む、方法。
[2] 対象が、自己免疫疾患の患者である、1に記載の方法。
[3] 自己免疫疾患が、膠原病である、2に記載の方法。
[4] 膠原病が、関節リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、混合性結合組織病 (mixed connective tissue disease :MCTD)からなる群より選択されるいずれかである、3に記載の方法。
[5] Ro52/TRIM21タンパク質に対する抗体が、Ro52/TRIM21タンパク質のC-Cドメインに対するものである、1〜5のいずれか1項に記載の方法。
[6] Ro52/TRIM21タンパク質に対する抗体が、配列番号23のアミノ酸配列の全部、または少なくとも9アミノ酸長の一部からなるペプチドに対するものである、1〜5のいずれか1項に記載の方法。
[7] Ro52/TRIM21タンパク質を認識可能な、ヒトモノクローナル抗体。
[8] Ro52/TRIM21タンパク質のC-Cドメインを認識可能である、7に記載の抗体。
[9] 配列番号23のアミノ酸配列の全部、または少なくとも9アミノ酸長の一部からなるペプチド。
[10] 9に記載のペプチドに対する、抗体。
[11] 7〜10のいずれか1項に記載された抗体またはペプチドを含む、間質性肺炎の検査キット。
[12] 7〜10のいずれか1項に記載された抗体またはペプチドを含む、医薬組成物。
本発明により、間質性肺炎の診断、発症の予測、および/または重症度の予測のための方法が提供される。
本発明は、間質性肺炎の患者の血清に存在するRo52/TRIM21タンパク質に対する自己抗体が認識するエピトープ、すなわち抗Ro52/TRIM21抗体が認識可能なペプチドを提供する。このようなペプチドは、具体的には、配列番号23のアミノ酸配列の全部、または一部からなるペプチドである。
本発明はRo52/TRIM21タンパク質を認識可能な、ヒトモノクローナル抗体を提供する。Ro52/TRIM21は、単にRo52、またはTRIM21(tripartite motif containing 21)と表記されることもある。Ro52/TRIM21タンパク質は、分子量約52KDの細胞内タンパク質であり、Ring finger、B Box、Coiled Coil(C-C)、およびPRYSPRYRYの各ドメインを有する。このタンパク質に対する自己抗体は、シェーグレン症候群(SjS)、全身性エリテマトーデス(SLE)等の自己免疫疾患の患者の血清中に広く認められる。
本発明は、対象における間質性肺炎の、診断、発症の予測、重症度の診断、および重症化の予測からなる群より選択される少なくとも一つのための方法であって、Ro52/TRIM21タンパク質に対する抗体が対象から得られた試料中に存在するかどうかを決定する工程を含む方法を提供する。
本発明のペプチドおよび抗体は、間質性肺炎の検査のためのキットの構成要素として用いることができる。キットは、少なくとも抗原としての本発明のペプチドを含み、他に、コントロールとして用いるための本発明の抗体、対象から試料を採取するための器具、試料を保存するための容器、試料希釈液、免疫アッセイを行うための器具(例えばELISAのためのプレート)および試薬、免疫アッセイのためのインストラクションを記録した媒体(例えば、文書、CD)等を含んでいてもよい。また、キットには、キットの使用目的、例えば対象における間質性肺炎の、診断、発症の予測、重症度の診断、および重症化の予測からなる群より選択される少なくとも一つのためのキットである旨の表示がされていてもよい。
4名の抗Ro52/TRIM21抗体価強陽性である、間質性肺炎を発症した皮膚筋炎患者4名の末梢血リンパ球より、ISAAC (Immunospot-array assay on a chip) 法(Jin et al, Nature Medicine 2009;15:1088-1092)を用いて、Ro52/TRIM21タンパク質に結合する抗体を産生するリンパ球を特定し、抗体cDNAをクローニングし、遺伝子導入により抗体産生細胞を得て、ヒトモノクローナル抗体を13種類作製した。得られた抗体の名称を下表にまとめた。なお、表中、「100, 112」は、100番の患者と112番の患者のリンパ球を混合したものから抗体を得たという趣旨である。100番と112番からは、単独ではISAAC法を行うのに十分なリンパ球数を確保できなかったため、混合してISSAC法に供した。
C-Cドメインに結合する11種の抗体(うち2抗体がP23と結合する抗体)のRo52/TRIM21タンパク質内での結合部位の相同性を確認するため、抗原としてリコンビナントRo52/TRIM21タンパク質(Prospec-Tany TechnoGene社のRo52/SS-A, Human, Recombinant、商品コード:PRO-328)を用い、異なる2抗体を競合させてELISAを行い、これらの抗体の結合部位に相同性があるかどうかを確認した。
1. Maxisorp plate に5μg/mL/wellのリコンビナントRo52/TRIM21タンパク質を50μL添加し、4℃で一晩静置し、ペプチドをウェルにコートした。
2. ペプチドが入った液を除去後、PBST(1%Tween20入りPBS)で2回ウェルを洗浄した。
3. 3% BSA/PBSTを350μLずつウェルに添加し、室温で1時間静置し、ブロッキングを行った。
4. 3% BSA/PBSTを除去後、PBSTで2回ウェルを洗浄した。
5. 1μg/mLに調整したモノクローナル抗Ro52抗体を50 μLずつウェルに添加し、室温で1時間静置した。
6. 5.の抗体を除去後、PBSTで2回ウェルを洗浄した。
7. 1μg/mLに調整した、5.とは異なるモノクローナル抗Ro52抗体をペルオキシダーゼ標識したものを50μLずつウェルに添加し、室温で1時間静置した。
8. 7.の抗体を除去後、PBSTで2回ウェルを洗浄した。
9. TMB solutionを50μLずつウェルに添加し、30分静置した。
10. Stop solutionを50μLずつウウェルに添加し、450nmの吸収を測定した。
ペプチド23(P23)に結合する自己抗体を有する患者群(P23(+)群)と抗体を有さない(P23(-)群)で、間質性肺炎の発症率や重症度を比較した。
1. Maxisorp plate に5μg/mL/wellのP23(RIHAEFVQQKNFLVEE 配列番号23)、あるいは5μg/mL/wellのHIVペプチド(RYLRDQQLL 配列番号62)を50μL添加し、4℃で一晩静置し、ペプチドをウェルにコートした。
2. ペプチドが入った液を除去後、PBST(1%Tween20入りPBS)で2回ウェルを洗浄した。
3. 3% BSA/PBSTを350μLずつウェルに添加し、室温で1時間静置し、ブロッキングを行った。
4. 3% BSA/PBSTを除去後、PBSTで2回ウェルを洗浄した。
5. 200倍希釈した患者血清を50μLずつウェルに添加し、室温で1時間静置した。
6. 患者血清を除去後、PBSTで2回ウェルを洗浄した。
7. アルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgGFc(1000倍希釈)を50μLずつウェルに添加し、室温で1時間静置した。
8. アルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgGFcを除去後、PBSTで2回ウェルを洗浄した。
9. アルカリフォスファターゼ基質をバッファーに1 mg/mLになるように溶解し、50μLずつウェルに添加した。
10. 室温で30分静置し、405nmの吸収を測定した。
ユーロライン検査で血清抗Ro52抗体陽性の皮膚筋炎、強皮症等の膠原病患者のうち、P23(+)群、P23(-)群それぞれの間質性肺炎(IP)の発症率をFisher検定で比較したところ、両群の間に有意差がみられた(p=0.008)。
上記2群につき、間質性肺炎の重症度の指標として汎用されているKL-6の値について、KL-6の測定歴のある患者を対象にしてその2群について比較した。
SEQ ID NO.:60 Ro52/TRIM21タンパク質のアミノ酸配列
SEQ ID NO.:61 Ro52/TRIM21タンパク質のC-Cドメインのアミノ酸配列
SEQ ID NO.:62 HIV由来のペプチドのアミノ酸配列
Claims (12)
- 対象における間質性肺炎の、診断、発症の予測、重症度の診断、および重症化の予測からなる群より選択される少なくとも一つのための方法であって、Ro52/TRIM21タンパク質に対する抗体が対象から得られた試料中に存在するかどうかを決定する工程を含む、方法。
- 対象が、自己免疫疾患の患者である、請求項1に記載の方法。
- 自己免疫疾患が、膠原病である、請求項2に記載の方法。
- 膠原病が、関節リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、混合性結合組織病からなる群より選択されるいずれかである、請求項3に記載の方法。
- Ro52/TRIM21タンパク質に対する抗体が、Ro52/TRIM21タンパク質のC-Cドメインに対するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- Ro52/TRIM21タンパク質に対する抗体が、配列番号23のアミノ酸配列の全部、または少なくとも9アミノ酸長の一部からなるペプチドに対するものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 対象における間質性肺炎の、診断、発症の予測、重症度の診断、および重症化の予測からなる群より選択される少なくとも一つのための指標として用いられる、Ro52/TRIM21タンパク質を認識可能な、ヒトモノクローナル抗体。
- Ro52/TRIM21タンパク質のC-Cドメインを認識可能である、請求項7に記載の抗体。
- 配列番号23のアミノ酸配列の全部、または少なくとも9アミノ酸長の一部からなるペプチドを認識可能である、請求項7に記載の抗体。
- 請求項7〜9のいずれか1項に記載の抗体を検出するための、配列番号23のアミノ酸配列の全部、または少なくとも9アミノ酸長の一部からなるペプチド。
- 請求項7〜9のいずれか1項に記載された抗体を検出するための抗原を含む、間質性肺炎の検査キット。
- 抗原が、配列番号23のアミノ酸配列の全部、または少なくとも9アミノ酸長の一部からなるペプチドである、請求項11に記載のキット。
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