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JP6811721B2 - 熱化学に基づく抗体不活性化法およびシステム - Google Patents

熱化学に基づく抗体不活性化法およびシステム Download PDF

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JP6811721B2 JP2017553317A JP2017553317A JP6811721B2 JP 6811721 B2 JP6811721 B2 JP 6811721B2 JP 2017553317 A JP2017553317 A JP 2017553317A JP 2017553317 A JP2017553317 A JP 2017553317A JP 6811721 B2 JP6811721 B2 JP 6811721B2
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ターン,レイ
ジャーン,ウエンジュン
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ベンタナ メディカル システムズ, インコーポレイテッド
ベンタナ メディカル システムズ, インコーポレイテッド
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Description

[0001]本発明は、アッセイ、例えば限定されるわけではないが組織化学アッセイのため、タンパク質性結合実体(例えば抗体)を不活性化し、そして/または除去するための方法、組成物、およびシステムに関し、より詳細には、タンパク質性結合実体(例えば抗体)を不活性化しそして/または除去するための熱化学に基づく処理および組成物に関する。
[0002]多くの診断法は、同じ試料中の複数のターゲットの評価を必要とする。これは、分子技術に関しては、比較的容易に、そしてルーチンに行われるが、顕微鏡的視覚化に頼る顕微鏡的技術に関しては、同じことは言えない。これらの技術は、典型的には、ターゲット分析物を視覚化するため、一次/二次抗体対の使用に頼る。しかし、単一の試料を多数の一次/二次抗体対で染色する能力は、二次抗体および異なる一次抗体間の交差反応性の可能性があるため、非常に限られている。
[0003]続く染色サイクルにおけるこうした交差反応性の防止を補助するため、多様な方法が用いられてきている。例えば、Nakane(J Histochem Cytochem, 1968, 16:557−60)は、水不溶性DAB沈殿物が形成された後、最初の染色サイクルから、抗原−一次抗体−二次抗体−ペルオキシダーゼ複合体を除去するかまたは溶出させるために、酸洗浄を用いた。しかし、この技術は、組織試料品質の劣化を引き起こすようであった。Negoescuら(J Histochem Cytochem, 1994, 42:433−437)は、最初の染色サイクル後、一次抗体上の過剰な結合部位をブロッキングするため、二次ポリクローナル一価F(ab)抗体を用いた。しかし、この技術は、注意深く制御された実験を必要とし、そして時間が掛かり、そしてF(ab)二次抗体のアフィニティが低いため、このアプローチは限定されたものである(Tornehaveら, 2000, Histochem Cell Biol 113:19−23)。WangおよびLarsson(Histochemistry, 1985, 83:47−56)は、ホルムアルデヒド蒸気処理を用いて、組織に結合した抗原−抗体複合体に存在する二次抗体上の抗原結合部位を不活性化した。しかし、この方法は、ホルムアルデヒド感受性抗原を検出不能にするリスクと関連した。
[0004]KolodziejczykおよびBaertschi(J Histochem Chytochem, 1986, 34:1725−1729)は、染色写真を撮影した後に、過剰な熱(例えば130℃)を用いて、免疫グロブリンを除去した。次いで、新たな染色を行い、そして新たな写真を撮影し、そして最初の画像セットに比較した。この技術は、異なる染色サイクル間に、組織保護の数日間(例えば5〜7日間)を必要とし、そして続く抗原との同時局在を決定するために、どこの写真を撮影するべきかを予測することが困難でありうる。Lanら(J Histochem Cytochem, 1991, 43:97−102)は、マイクロ波処理を用いて、すでに結合している抗体分子を変性させて、2つの一次抗体を用いて、そしてアルカリホスファターゼおよびHRP酵素視覚化システムを用い、核および細胞質抗原を検出した。Tornehaveら(Histochem Cell Biol, 2000, 113:19−23)、TothおよびMezey(J Histochem Cytochem, 2007, 55:545)、ならびにOsmanら(Euro J Histochem, 2013, 57:e22)は、現在のおよび続く染色サイクルの間のマイクロ波処理は、抗体が同種である際の、二重間接的免疫蛍光染色を可能にすると示唆した。しかし、この方法は、交差反応染色シグナルの完全な無効化に関して徹底的には評価されてきておらず、そしてマイクロ波処理は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料において、抗原のいくつかを破壊することが示された(Bauerら, Histochem Cell Biol, 2001, 116:227−232; Osmanら, Euro J Histochem, 2013, 57:e22)。マイクロ波処理技術では、特定のフルオロフォアに関して、蛍光の喪失もまた報告された(TothおよびMezey, 2007; Bauerら, 2001)。Piriciら(J Histochem Cytochem, 2009, 57:567−575)は、マイクロ波処理技術が、何らかのデリケートな生検を、特にこれらが以前の熱仲介法によって抗原回復されている場合、ポリリジンスライドから除去する傾向があることを示した。
[0005]Piriciら(J Histochem Cytochem, 2009, 57:567−575)およびGendusaら(J Histochem Cytochem, 2014, 62:519−531)は、以前のIHC染色サイクルに由来するすでに結合している抗体複合体を取り除く努力の中で、異なるpH、モル浸透圧濃度、界面活性剤、および変性特性を持つ、いくつかの緩衝剤を研究した。以前の染色サイクルに由来する一次抗体を不活性化するために緩衝剤を使用することは魅力があるものであったが、緩衝剤は一貫しては働かないことが見出された。例えば、Piriciは、グリシン−HCl/SDS pH2緩衝剤が有効であることを見出したが、Gendusaは無効であることを見出した。Gendusaは、2−メルカプトエタノール/SDS pH6.75緩衝剤が有効であることを見出したが、Piriciは無効であることを見出した。また、いくつかの緩衝剤は、H&E染色を脱色させるか、または核タンパク質ターゲットの染色を減少させることが見出された。変性剤を含む他の緩衝剤は、生体に有害であると決定された。
[0006]さらに、これらの方法はいずれも、Ventana BenchMarkおよびLeica BONDシリーズ自動化スライド染色装置を含めて、スライド用の熱供給原を有する現存する自動化スライド染色装置とは適合しない。方法は、これらの自動化プラットホームには現在提供されていない特殊な試薬を必要とするか、またはデバイスは必要な温度に到達可能な熱供給源を含有しない。さらに、商業的に入手可能な自動化スライド染色装置はいずれも、マイクロ波を通じてスライドを加熱可能なモジュールを含有しない。
[0007]抗体不活性化緩衝剤が抗体不活性化の優れた候補ではないという、上述のような証拠にもかかわらず、本発明者らは、驚くべきことに、続く染色サイクルにおいて、交差反応性の防止を補助するように、染色サイクル間で実行するための熱化学プロセスを発見した。例えば、該処理は、試料中の抗体(または抗体−抗体複合体、例えば一次抗体−二次抗体複合体)の量を減少させ、そして/または前記抗体(または抗体−抗体複合体)が続く染色サイクルで検出される能力を減少させる(例えば抗体複合体の溶出を促進する等)ことを補助しうる。まず、第一の外因性タンパク質性結合実体(PBE)、例えば抗体と試料を、そのターゲット近傍にPBEの沈着を生じる方式で接触させる(またはともにインキュベーションする)ことも可能である。次いで、試薬と試料を、PBEの近傍に検出可能部分の特異的沈着を生じる方式で接触させる(またはともにインキュベーションする)ことも可能である。次いで、試料を熱化学プロセス/方法(熱殺(heat−kill)法)で処理して、PBEが試料中でさらに検出される能力を減少させる(例えば試料からPBEを溶出させる、試料中のPBEを変性させる等)ことも可能である。
[0008]本発明の熱化学プロセスまたは方法(熱殺法)は、スライド上の試料を、緩衝剤(例えばクエン酸緩衝剤)を含む溶液の体積と接触させ、そして熱供給源(例えば熱パッド)を加熱することによって、スライドおよび試料および緩衝剤を含む溶液を加熱する工程を含む。熱供給源は、スライドのごく近傍にあって(例えば直接接触してまたはスライドとほぼ直接接触して)もよい。熱供給源の加熱は、スライド、試料、および緩衝剤を効率的に加熱する(例えば温度を第一の温度から第二の温度に上昇させる)。熱供給源を、出発熱供給源温度(例えば18℃〜42℃)からターゲット熱供給源温度に(またはターゲット熱供給源温度より高く)、例えば80℃〜98℃に加熱し(例えば特定の速度で、例えば緩慢な速度で、例えば1分あたり約5〜8℃から1分あたり約12〜15℃で)、ここでターゲット熱供給源温度(またはターゲット熱供給源温度より高い温度)は、緩衝剤を含む溶液の沸点未満である。熱供給源を、ターゲット熱供給源温度(またはターゲット熱供給源温度より高い温度)に、特定の長さの時間に渡って、保持してもよい。
[0009]緩衝剤を含み、試料/スライド上に沈着される溶液の体積は、約500μlから約2〜4mlまでの範囲であってもよい。この体積は、約5μl/cm〜500μl/cmの緩衝剤被覆(例えばスライドのその領域を覆う溶液の体積)の体積対表面積比を提供してもよい;が、本発明はこの体積または表面積被覆に限定されない。スライドを多量の熱い緩衝剤に浸すことを特徴とするベンチトップ法と比較して、本発明で用いる溶液の体積は比較的少ない。産業において、スライドおよび試料をある長さの時間に渡って、ターゲット試料温度に加熱する(例えば緩慢な速度で)際に、本発明で用いるもののような少ない体積は、タンパク質性結合実体(例えば抗体)を不活性化し、そして/または除去する能力に影響を及ぼすであろう、システムを無効にするような問題を提示するであろうと広く考えられている。例えば、加熱プロセスは、溶液の体積の多すぎる蒸発を促進し、これが望ましくない抗体を有効に溶出させる能力に影響を及ぼしうる(例えば抗体は小体積中で凝集しうる)。しかし、驚くべきことに、このプロセスにおいて、望ましくないタンパク質性結合実体(例えば抗体)を不活性化し、そして/または除去するために、小体積を使用可能であり、単一の固体支持体上の同じ試料において、少なくとも2つのターゲットの検出が可能になることが発見された。
[0010]本発明は、単一の固体支持体上の同じ試料において、少なくとも2つのターゲットを検出するための自動化法を特徴とする。先に論じたように、方法は、第一の外因性タンパク質性結合実体(PBE)と試料を、そのターゲット近傍にPBEの沈着を生じる方式で接触させる工程を含む。例えば、これは、試料と一次抗体をインキュベーションする工程を含んでもよい。方法はさらに、試薬と試料を、PBEの近傍に検出可能部分の特異的沈着を生じる方式で接触させる工程も含む。例えば、これは、試料と、一次抗体に特異的な二次抗体(例えば一次抗体の種に特異的な二次抗体、抗体上のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)に特異的な二次抗体等)をインキュベーションする工程を含んでもよい。二次抗体は、例えば検出可能部分で、標識されていてもよい。二次抗体/検出可能部分は、PBE近傍に沈着してもよい。
[0011]方法はさらに、試料を処理して、第一のPBEが試料においてさらに検出される能力を減少させる工程を含む。いくつかの態様において、試料を、緩衝剤(例えばクエン酸緩衝剤)を含む溶液の体積と接触させ、そして固体支持体を熱供給源(例えば熱パッド)に接触させる(または曝露する)。図1Aは、試料を含む固体支持体(例えばガラススライド)の例を示し、ここで固体支持体は、熱供給源(例えば熱パッド)の上にある。緩衝剤を含む溶液の体積が、固体支持体上の試料の上にある。熱の方向は、熱供給源から固体支持体/試料に、緩衝剤を含む溶液に向かうことも可能である。
[0012]いくつかの態様において、緩衝剤はクエン酸緩衝剤を含む。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、熱供給源が、緩衝剤を含む溶液を第二の緩衝剤温度に加熱する前には、出発緩衝剤温度(緩衝剤を含む溶液の沸点未満)である。熱供給源を、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度(緩衝剤を含む溶液の沸点未満)に、ある長さの時間に渡って、加熱する(図1Bを参照されたい)。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、熱供給源は、試料を含む固体支持体(例えばスライド)と直接接触しているかまたはごく近傍にあるため、熱供給源は、スライドおよび試料(および緩衝剤を含む溶液)を、熱供給源のものと類似の温度に加熱することが可能であると考えられる。先に論じたように、熱供給源からの熱が、固体支持体/試料を加熱し、そして固体支持体/試料からの熱が、緩衝剤を含む溶液を加熱する。
[0013]方法はさらに、第二のPBE(そして場合によって第三のPBE、第四のPBE、第五のPBE等)で上記工程を反復し、そしてPBEとのインキュベーションの間の処理工程を反復する工程を含む。処理は、最後のPBEインキュベーション後には行う必要はない。各検出可能部分は、PBEのターゲット位置に対応する位置で、試料において検出される(例えば視覚化される)ことが可能である。いくつかの態様において、試料は、各熱化学処理後、洗浄される(1回、2回、3回、3回より多く)。方法は、試料形態が、訓練を受けた読み取り者によって決定されるように許容可能であるままであるように、試料の品質を維持すべきである。
[0014]いくつかの態様において、緩衝剤は、クエン酸緩衝剤を含む。いくつかの態様において、クエン酸緩衝剤を含む溶液は、5〜7のpHを有する。いくつかの態様において、クエン酸緩衝剤を含む溶液は、5〜6.5のpHを有する。いくつかの態様において、クエン酸緩衝剤を含む溶液は、5mM〜20mMのクエン酸濃度を有する。いくつかの態様において、クエン酸緩衝剤を含む溶液は、さらに界面活性剤を含む。いくつかの態様において、界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシル硫酸アンモニウム(ADS)、ドデシル硫酸水素(HDS)、およびドデシル硫酸tris(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む。いくつかの態様において、界面活性剤の割合は、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、または0.6%である。
[0015]いくつかの態様において、溶液の体積は独立したパドル(freestanding puddle)である。いくつかの態様において、溶液の体積は、5μl/cm〜500μl/cmの体積対表面積比で、試料を覆う。いくつかの態様において、溶液の体積は、10μl/cm〜200μl/cmの体積対表面積比で、試料を覆う。いくつかの態様において、溶液の体積は、5μl/cm〜100μl/cmの体積対表面積比で、試料を覆う。いくつかの態様において、試料は、処理および新規PBEの添加の間に、洗い流される(例えば1回、2回、3回、3回より多く)。
[0016]いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は18℃〜42℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は20℃〜37℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は22℃〜30℃である。いくつかの態様において、熱供給源は熱パッドを含む。いくつかの態様において、熱供給源は固体支持体と直接接触している。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は18℃〜42℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は20℃〜37℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は22℃〜30℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は15℃〜42℃である。
[0017]いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は80℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は85℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は90℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は95℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は97℃である。いくつかの態様において、熱供給源が出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで加熱される時間の長さは、少なくとも3分間である。いくつかの態様において、熱供給源が出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで加熱される時間の長さは、少なくとも4分間である。いくつかの態様において、熱供給源が出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで加熱される時間の長さは、少なくとも8分間である。
[0018]いくつかの態様において、熱供給源が出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで加熱される時間の長さは、少なくとも10分間である。いくつかの態様において、熱供給源が出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで加熱される時間の長さは、少なくとも16分間である。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり9〜11℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり8〜12℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり8〜15℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり5〜15℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度に、またはそれより高い温度に、少なくとも15秒間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度に、またはそれより高い温度に、少なくとも30秒間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度に、またはそれより高い温度に、少なくとも1分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度に、またはそれより高い温度に、少なくとも2分間ある。
[0019]いくつかの態様において、方法は、試料を第一の一次抗体とインキュベーションし、そして試料を、第一の一次抗体に特異的な第一の二次抗体と、第一の一次抗体がターゲットに結合する部位で検出可能部分が沈着する方式で、インキュベーションし;試料を処理して、上述のように試料中で一次抗体がさらに検出される能力を減少させ、少なくとも第二の一次抗体および第二の一次抗体に特異的な第二の二次抗体とのインキュベーションを反復し;そして一次/二次抗体とのインキュベーションの各反復間で処理を反復する工程を含む。
[0020]いくつかの態様において、第一の一次抗体および第二の一次抗体は、各々、タグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)を含む。いくつかの態様において、第一の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)および第二の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)は同じである。いくつかの態様において、第一の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)および第二の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)は異なる。いくつかの態様において、第二の二次抗体は第一の二次抗体と同じであるが、二次抗体は異なる検出可能標識を有する。
[0021]本発明の方法は自動化されている。いくつかの態様において、本発明の方法は、閉鎖システム中(例えば自動化法)で行われ、ここで、方法は手動工程を含まない。例えば、方法は、閉鎖システム中で行われ、そして熱化学処理工程が閉鎖システム中に組み込まれる(熱化学処理は手動工程ではない)。
[0022]本発明はまた、本発明の方法を実行するようにプログラムされたシステムおよび自動化スライド染色装置も特徴とする。
[0023]本発明はまた、本発明の方法を用いて得られる標識組織試料を含む組成物などの組成物も特徴とする。本発明はまた、組織試料を含むスライドを含む組成物も特徴とし、組織試料は、一次抗体、二次抗体、および標識を含み、組織試料は上述のように処理される。
[0024]本発明をいかなる理論または機構に限定することを意図しないが、本発明の方法、組成物、およびシステムは、自動化染色デバイス(例えばVENTANA Benchmark、Dako、Leica Bond等)における自動化アッセイに有益でありうると考えられる。こうした自動化デバイスはすでに、緩衝剤および試薬を分配し、そして試料を多様な温度(例えば37℃〜90℃、37℃〜95℃、37℃〜99℃等)に加熱するよう適応している一方、こうした自動化デバイスは、試料をマイクロ波処理するか、または試料を130℃などの非常に高い温度に加熱するようには適応していない。
[0025]図1Aは、熱供給源(120)(例えば熱パッド)の上に位置する、試料を含む固体支持体(110)(例えばガラススライド)の模式図を示す。溶液の体積(130)(例えばパドル)、例えばクエン酸緩衝剤は、試料/固体支持体の上に位置する。熱パッドからの熱は、上方に向かう。いくつかの態様において、熱パッドは固体支持体を加熱する。次いで、熱は、上方の試料に移り、次いで、溶液の体積、例えば緩衝剤に移る。溶液の体積は、独立したパドルであってもよい。矢印は、熱(140)の方向を指す。図1Bは、ある時間に渡る、熱供給源の加熱の模式図である。熱供給源は、出発熱供給源温度(151)で始まる。熱供給源をターゲット熱供給源温度(152)(またはターゲット熱供給源温度より高い温度)まで、ある長さの時間に渡って加熱する。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度(またはターゲット熱供給源温度より高い温度)で、ある長さの時間保持される。数値(153)は、出発熱供給源温度からターゲット熱温度までの時間を指す。数値(154)は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度にある時間を指す。 [0026]図2Aは、対照としてのCD20 IHC染色(201)を示す(実施例1)。図2Bは、ウサギ抗CD20/ヤギ抗ウサギHRP適用後、熱化学処理工程(熱殺工程)を用いた際のCD20染色を示す(実施例1)。 [0027]図3Aは、対照としてのCD20 IHC染色(201)を示す(実施例2)。図3Bは、ウサギ抗CD20/ヤギ抗ウサギHRP適用およびDAB検出後、熱化学処理工程(熱殺工程)を適用した際のCD20染色を示す(実施例2)。 [0028]図4Aは、対照CD20 IHC染色(201)を示す(実施例3)。図4Bは、一次および二次抗体適用後だが、二次抗体の再適用(および続くDAB検出)前に、熱化学処理工程(熱殺工程)を適用した後の染色を示す(実施例3)。 [0029]図5Aは、対照CD20染色(201)を示す。図5Bは、FoxP3対照染色(202)を示す。図5Cは、CD20一次および二次抗体を適用した後だが、FoxP3一次抗体を適用する前に、熱化学処理(熱殺)工程を行った後の、FoxP3染色を示す(実施例4.1)。 [0030]図6Aは、CD3の対照染色(203)を示す。図6Bは、熱殺工程5サイクル後のCD3染色を示す。CD3染色は、対照のものに匹敵した。図6Cは、CD8の対照染色(204)を示す。図6Dは、熱殺工程5サイクル後のCD8染色を示す。CD8染色は、対照のものに匹敵した。図6Eは、CD68の対照染色(205)を示す。図6Fは、熱殺工程5サイクル後のCD68染色を示す。CD68染色は、対照のものに匹敵した(実施例5)。 [0031]図7Aは、結腸試料におけるCD3染色を示す。上部左パネルは、対照CD3染色(203)を示す。上部右パネルは、CD3に関する一次抗体を用いなかった対照を示す。下部左パネルおよび下部右パネルは、熱殺工程を用いた際の結果を示す。 図7Bは、乳房試料におけるHER2染色を示す。上部左パネルは、対照HER2染色(206)を示す。上部右パネルは、HER2に関する一次抗体を用いなかった対照を示す。下部左パネルおよび下部右パネルは、熱殺工程を用いた際の結果を示す。 図7Cは、頭部/頸部扁平上皮癌(HNSCC)試料におけるケラチン5染色を示す。上部左パネルは、対照ケラチン5染色(207)を示す。上部右パネル、下部左パネルおよび下部右パネルは、熱殺工程を用いた際の結果を示す。 図7Dは、乳房試料におけるKi−67染色を示す。上部左パネルは、対照Ki−67染色(208)を示す。上部右パネルは、Ki−67に関する一次抗体を用いなかった対照を示す。下部左パネルおよび下部右パネルは、熱殺工程を用いた際の結果を示す。 図7Eは、乳房試料におけるER染色を示す。左パネルは、対照ER染色(209)を示す。中央パネルおよび右パネルは、熱殺工程を用いた際の結果を示す。 図7Fは、HNSCC試料におけるPDL1染色を示す。上部左パネルは、対照PDL1染色(210)を示す。上部右パネル、下部左パネルおよび下部右パネルは、熱殺工程を用いた際の結果を示す(実施例8)。 [0032]図8Aは、CD20の対照染色(201)を示す。図8Bは、対照FoxP3染色(202)を示す。図8Cは、熱殺工程を行った後のFoxP3染色を示す(実施例9)。 [0033]図9は、表1の実験3の結果を示す(実施例11を参照されたい)。図9Aは、DAPI染色(212)(核染色)を示す。図9Bは、自己蛍光(DCC)(100ms曝露)を示す。図9Cは、R6Gを用いたPD−L1陽性染色(211)(別のスライド)を示す(染色は、膜の輪郭を示す)。図9Dは、R6G後、熱殺/熱脱活性化工程を用いたPD−L1染色(500ms曝露)を示す。500msの延長した曝露時間であっても、自己蛍光バックグラウンドレベルを超えて交差反応シグナルは検出されなかった。
用語
[0034]別に説明しない限り、本明細書で用いるすべての技術的および科学的用語は、開示する発明が属する分野の一般の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。単数形の用語、「a」、「an」、および「the」は、文脈が別の意を明らかに示さない限り、複数の指示対象を包含する。同様に、単語「or」は、文脈が別の意を明らかに示さない限り、「and」を包含するよう意図される。「含む(comprising)」は「包含する(including)」を意味する。したがって、「AまたはBを含む」は、「Aを包含する」または「Bを包含する」または「AおよびBを包含する」を意味する。
[0035]本開示の態様の実施および/または試験に適した方法および材料を以下に記載する。こうした方法および材料は例示のみであり、そして限定することを意図されない。本明細書に記載するものと類似のまたは同等の他の方法および材料が使用可能である。例えば、開示が属する業に周知の慣用的な方法が多様な一般的なまたはより特定の参考文献に記載され、これらには、例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989; Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第3版, Cold Spring Harbor Press, 2001; Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates, 1992 (および2000年までの補遺); Ausubelら, Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, 第4版, Wiley & Sons, 1999; HarlowおよびLane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1990;ならびにHarlowおよびLane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999が含まれ、これらの開示は、その全体が本明細書に援用される。
[0036]本明細書に言及するすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、すべての目的のためにその全体が本明細書に援用される。矛盾する場合、用語の説明も含めて本明細書が統制するであろう。
[0037]本明細書に記載するものと類似のまたは均等の方法および材料を、開示する技術の実施または試験に使用可能であるが、適切な方法および材料を以下に記載する。材料、方法、および実施例は例示のためのみのものであり、そして限定することを意図されない。
[0038]開示の多様な態様の検討を容易にするため、特定の用語の以下の説明を提供する:
[0039]タンパク質性結合実体:本明細書において、用語「結合実体」は、特定の分子構造に特異的に結合可能な任意のタンパク質性分子を指すものとする。例には、抗体およびその抗原結合性断片、ならびに操作特異的結合構造が含まれ、これにはADNECTIN(第10 FN3フィブロネクチンに基づく足場; Bristol−Myers−Squibb Co.)、AFFIBODY(黄色ブドウ球菌(S. aureus)由来のプロテインAのZドメインに基づく足場; Affibody AB、スウェーデン・ソルナ)、AVIMER(ドメインA/LDL受容体に基づく足場; Amgen、カリフォルニア州サウザンドオークス)、dAb(VHまたはVL抗体ドメインに基づく足場; GlaxoSmithKline PLC、英国ケンブリッジ)、DARPin(アンキリンリピートタンパク質に基づく足場; Molecular Partners AG、スイス・チューリッヒ)、ANTICALIN(リポカリンに基づく足場; Pieris AG、ドイツ・フライジング)、NANOBODY(VHH(ラクダ(camelid)Ig)に基づく足場; Ablynx N/V、ベルギー・ヘント)、TRANS−BODY(トランスフェリンに基づく足場; Pfizer Inc.、ニューヨーク州ニューヨーク)、SMIP(Emergent Biosolutions, Inc.、メリーランド州ロックビル)、およびTETRANECTIN(C型レクチンドメイン(CTLD)に基づく足場、テトラネクチン; Borean Pharma A/S、デンマーク・オーフス)が含まれる。こうした操作特異的結合構造の説明は、Wurchら, 画像化および療法のための、全抗体の代替物としての新規タンパク質足場の開発:発見研究および臨床検証に関する状態, Current Pharmaceutical Biotechnology, Vol. 9, pp. 502−509(2008)に概説される。
[0040]本明細書において、用語「抗体」は、望ましい生物学的または結合活性を示す抗体の任意の型を指す。したがって、これは最も広い意味で用いられ、そして特に、限定されるわけではないが、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、ヒト化抗体、全長ヒト抗体、キメラ抗体およびラクダ化(camelized)単一ドメイン抗体を含む。
[0041]本明細書において、別に示さない限り、「抗体断片」または「抗原結合性断片」は、抗体の抗原結合性断片、例えば全長抗体によって結合される抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体断片、例えば1またはそれより多いCDR領域を保持する断片を指す。抗体結合性断片の例には、限定されるわけではないが、Fab、Fab’、F’(ab’)、およびFv断片;ディアボディ;直鎖抗体;一本鎖抗体分子、例えばsc−Fv;ナノボディおよび抗体断片から形成される多重特異性抗体が含まれる。
[0042]一次抗体は、抗体または結合実体の前述の例のいずれであってもよい。二次抗体は、一次抗体に結合可能な結合剤、例えば一次抗体上のタグ(例えばハプテン)に結合可能な結合剤、一次抗体に直接結合可能な結合剤等である。
[0043]接触:2またはそれより多い部分の間の関連、特に直接物理的関連を可能にする配置、例えばどちらも固体型および/または液体型のもの(例えば、生物学的試料、例えばスライドに付着した生物学的試料の、組成物、例えば本明細書に開示するプローブを含有する溶液と接触した配置)。
[0044]検出可能標識:試料中のターゲット(例えばタンパク質または核酸)の存在および/または量を示すシグナル(例えば視覚的、電気的、または他のシグナル)を生じうる分子または物質。検出可能標識は、一般の当業者に周知である。
[0045]ハプテン:ハプテンは、抗体と特異的に結合可能であるが、典型的には、キャリアー分子と組み合わせた場合を除いて、免疫原性であることが実質的に不可能である分子、典型的には小分子である。多くのハプテンが知られ、そして分析法にしばしば用いられており、例えばジニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、ローダミン、またはその開示の全体が本明細書に援用される米国特許第7,695,929号に開示されるものがある。他のハプテンが、本出願の譲受人であるVentana Medical Systems, Inc.によって特に開発されてきており、これには、オキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラン、トリテルペン、尿素、チオ尿素、ロテノイド、クマリン、シクロリグナン、およびその組み合わせより選択されるハプテンが含まれ、特定のハプテンの例には、ベンゾフラザン、ニトロフェニル、4−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2(3H)−オン、および3−ヒドロキシ−2−キノキサリンカルバミドが含まれる。複数の異なるハプテンを、多量体キャリアーにカップリングさせてもよい。さらに、化合物、例えばハプテンを、リンカー、例えばNHS−PEGリンカーを用いて、別の分子にカップリングしてもよい。
[0046]組織化学(例えば免疫組織化学(IHC)):試料中のターゲット分子の存在または分布を、検出可能な特異的結合剤、例えば抗体とターゲット分子の相互作用を検出することによって決定する方法。例えば、試料を、抗体−抗原結合を許す条件下で、抗体と接触させる。抗体にコンジュゲート化された検出可能標識によって(直接検出)、または一次抗体に特異的に結合する、二次抗体にコンジュゲート化した検出可能標識によって(例えば間接的検出)、抗体−抗原結合を検出することも可能である。
[0047]多重化、多重化された、多重化する:本発明の態様は、同じ試料中で多数のターゲットが、望ましいように、例えば実質的に同時にまたは連続して、検出されることを可能にする。
[0048]特異的結合:定義されるターゲットに優先的に結合する剤の結合を指す用語(例えば一次抗体に対する二次抗体、特定のタンパク質または抗原に対する抗体等)。イムノアッセイ形式を用いて、特定のタンパク質と特異的に反応する抗体を選択してもよい(例えば、HER2タンパク質またはERタンパク質に特異的に結合する抗体)。イムノアッセイ形式および条件の説明には、HarlowおよびLane, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, ニューヨーク(1988)を参照されたい。
[0049]被験体:任意の多細胞脊椎動物、例えばヒトまたは非ヒト哺乳動物(例えば獣医学的被験体)。
[0050]細胞試料:病理学的、組織学的、または細胞学的解釈のために採取される、損なわれていない細胞を含有する任意の試料、例えば細胞培養物、体液試料または外科標本。
[0051]組織試料:試料を得た被験体内に存在していたような、細胞間の横断面空間関係を保持する細胞試料。「組織試料」は、初代組織試料(すなわち被験体によって産生される細胞および組織)および異種移植片(すなわち被験体内に移植される外来性細胞試料)の両方を含むものとする。
[0052]細胞学的試料:試料の細胞が、試料がもはや細胞試料を得た被験体において存在していたような細胞の空間的関係を反映しないように、部分的にまたは完全に脱凝集されている、細胞試料。細胞学的試料の例には、組織掻爬(例えば子宮頸部掻爬)、細針吸引物、被験体の洗浄によって得られた試料等が含まれる。
[0053]染色:名詞で用いた場合、用語「染色」は、明視野顕微鏡、蛍光顕微鏡、電子顕微鏡等を含む、顕微鏡分析のため、細胞試料中の特定の分子または構造を視覚化するために使用可能な、任意の物質を指すものとする。動詞として用いた場合、用語「染色する」は、細胞試料上の染色剤の沈着を生じる、任意のプロセスを指すものとする。
発明の説明
[0054]ここで図1〜9を参照して、本発明は、続く染色サイクルにおいて、検出可能タンパク質(例えばタンパク質性結合実体(PBE))の交差反応性の防止を補助するための、熱化学(熱殺)プロセス、方法、組成物、およびシステムを特徴とする。本発明は、検出可能タンパク質の量を減少させ、そして/または続く染色サイクルのため、検出可能タンパク質を不活性または検出不能にすることも可能である(例えば訓練を受けた読み取り者が、あるとしても多くの交差反応性を見ないであろうように)。熱化学処理法は、試料と検出可能タンパク質のインキュベーションに続いて、試料上に沈着している検出可能(例えば可視)標識またはマーカーが試料上にあり続けることを可能にする(または検出可能標識の大部分があり続ける)。
[0055]試料が細胞試料、例えば組織試料(例えばFFPE組織試料)に限定されないことに注目されたい;いくつかの態様において、試料は細胞不含である。さらに、本発明は免疫組織化学適用に限定されない。
[0056]試料を、まず、第一の外因性タンパク質性結合実体(PBE)、例えば抗体と、ターゲット近傍にPBEの沈着が生じる方式で接触させてもよい。次いで、試料を、試薬と、PBEの近傍に検出可能部分の特異的沈着が生じる方式で接触させてもよい。次いで、試料を熱化学プロセス/方法(熱殺法)で処理して、PBEが試料中でさらに検出される能力を減少させてもよい(例えば、PBEを試料から溶出させる、試料中のPBEを変性させる等)
熱化学処理
[0057]本発明の熱化学プロセスまたは方法(熱殺法)は、緩衝剤(例えばクエン酸緩衝剤)を含む溶液の体積と、スライド上の試料を接触させ、そして熱供給源(例えば熱パッド)を加熱することを通じて、スライドおよび試料および緩衝剤を含む溶液を加熱する工程を含む。熱供給源の加熱は、スライド、試料、および緩衝剤を効率的に加熱する(例えば、温度を、出発緩衝剤温度から、第二の温度に上昇させる)。
[0058]図1Aは、熱供給源(例えば熱パッド)の上に位置する、試料を含む固体支持体(例えばガラススライド)の模式図を示す。緩衝剤を含む溶液の体積(例えばパドル)は、試料/固体支持体の上に位置する。熱供給源からの熱は、熱供給源から、固体支持体/試料に、緩衝剤を含む溶液に向いていてもよい。
[0059]いくつかの態様において、熱供給源は熱パッドを含む。いくつかの態様において、熱供給源は固体支持体と直接接触している。いくつかの態様において、熱供給源は固体支持体と間接的に接触している。いくつかの態様において、熱供給源は固体支持体のごく近傍にある。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、熱供給源は、試料を含む固体支持体(例えばスライド)と直接接触しているか、間接的に接触しているか、またはごく近傍にあるか、いずれかであるため、熱供給源は、スライドおよび試料および緩衝剤を含む溶液を、ある温度、例えば熱供給源のものと類似の温度に加熱することが可能であると考えられる。
[0060]いくつかの態様において、溶液の緩衝剤はクエン酸を含む。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、5〜7のpHを有する。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、5〜6.5のpHを含む。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、少なくとも4.5のpHを有する。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、少なくとも5のpHを有する。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、少なくとも5.5のpHを有する。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、5〜10、5〜9、5〜8.3、5〜8、5〜7、5〜6.5、5.5〜8、5.5〜7、5.5〜6.5、5.8〜6.3、4〜9、4〜8、5〜6、4〜7.5、5.5〜6.2、5.9〜6.9等のpHを有する。
[0061]いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、5mM〜20mMのクエン酸濃度を有する。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、1mM〜50mMのクエン酸濃度を有する。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、8mM、10mM、12mM、14mM、15mM、18mM等のクエン酸濃度を有する。いくつかの態様において、緩衝剤はクエン酸および酢酸を含む。いくつかの態様において緩衝剤はクエン酸および酢酸であり、そしてクエン酸は5mM〜20mMの濃度である。緩衝剤は、酢酸、MES、クエン酸、リン酸クエン酸、リン酸、tris、ホウ酸、重炭酸/炭酸、および炭酸緩衝剤からなる群より選択される1またはそれより多くであることも可能である。
[0062]いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、キレート剤、例えばクエン酸、EGTA、EDTA、ホスホネート等を含む。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、界面活性剤をさらに含む。界面活性剤には、限定されるわけではないが、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシル硫酸アンモニウム(ADS)、ドデシル硫酸水素(HDS)、およびドデシル硫酸tris(ヒドロキシメチル)アミノメタン等、またはその組み合わせが含まれる。いくつかの態様において、界面活性剤の割合は、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.01%〜5%、0.05%〜3%、0.1%〜1%等である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液は、洗剤(detergent)、例えばColaterge LFD−Cをさらに含む。いくつかの態様において、洗剤の割合(例えばw/v)は、1%〜15%、例えば3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、1%〜3%等である。本発明は前述の界面活性剤、緩衝剤、およびその濃度に限定されない。
[0063]固体支持体上に(例えば固体支持体のすべてまたは一部、例えば試料の上に)沈着される、緩衝剤を含む溶液の体積は、約500μlから約2〜4mlの範囲であってもよい。この体積は、ある体積対表面積比を提供し、ここで溶液の特定の体積は、固体支持体(例えばスライド)の特定の領域を覆う。例えば、いくつかの態様において、溶液は、固体支持体(例えばスライド)のすべてまたは一部のいずれかの上の、5μl/cm〜500μl/cm被覆の体積対表面積比を提供し、例えば5μl〜500μlが固体支持体(または固体支持体上の試料の領域)の各平方センチメートルを覆う。本発明はこの体積または表面積被覆に限定されない。溶液の体積は、独立したパドルであってもよい。いくつかの態様において、溶液の体積は、5μl/cm〜500μl/cmの体積対表面積比で試料を覆う。いくつかの態様において、溶液の体積は、10μl/cm〜200μl/cmの体積対表面積比で試料を覆う。いくつかの態様において、溶液の体積は、5μl/cm〜100μl/cmの体積対表面積比で試料を覆う。
熱供給源および緩衝剤を含む溶液の加熱
[0064]熱供給源は、出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、ある長さの時間に渡って加熱される。熱供給源の加熱は、出発緩衝剤温度から第二の温度への、緩衝剤を含む溶液の温度の上昇を生じる。出発熱供給源温度、ターゲット熱供給源温度、出発緩衝剤温度、および/または第二の温度は、各々、緩衝剤を含む溶液の沸点未満であることも可能である。図1Bは、熱供給源のある時間に渡る加熱の模式図を示す。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、熱供給源が、試料を含むスライドに直接接触しているかまたはごく近接しているかいずれかであるため、熱供給源は、スライドおよび試料(および緩衝剤)を熱供給源のものと類似の温度に加熱することが可能であると考えられる。
[0065]熱供給源は、出発熱供給源温度(例えば18℃〜42℃)からターゲット熱供給源温度(またはターゲット熱供給源温度より高い温度)、例えば80℃〜98℃に、加熱され(例えば特定の速度、例えば緩慢な速度、例えば1分あたり約5〜8℃から1分あたり約12〜15℃で)、ここでターゲット熱供給源温度(またはターゲット熱供給源温度より高い温度)は、緩衝剤を含む溶液の沸点未満である。熱供給源は、特定の長さの時間、ターゲット熱供給源温度(またはターゲット熱供給源温度より高い温度)に保持されることも可能である。
[0066]いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は50℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は45℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は42℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は40℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は37℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は35℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は32℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は30℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は28℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は25℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は22℃未満である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は18℃〜42℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は20℃〜37℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は22℃〜30℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は15℃〜42℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は20℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は25℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は30℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は32℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は37℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は40℃である。いくつかの態様において、出発緩衝剤温度は45℃である。
[0067]いくつかの態様において、出発熱供給源温度は50℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は45℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は42℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は40℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は37℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は35℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は32℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は30℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は28℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は25℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は22℃未満である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は18℃〜42℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は20℃〜37℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は22℃〜30℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は15℃〜42℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は20℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は25℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は30℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は32℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は37℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は40℃である。いくつかの態様において、出発熱供給源温度は45℃である。
[0068]いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は75℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は76℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は77℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は78℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は79℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は80℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は81℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は82℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は83℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は84℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は85℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は86℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は87℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は88℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は89℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は90℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は91℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は92℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は93℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は94℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は95℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は96℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は97℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は98℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は99℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は100℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は75℃〜100℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は80℃〜100℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は80℃〜98℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は85℃〜100℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は85℃〜98℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は85℃〜95℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は少なくとも75℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は少なくとも80℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は少なくとも85℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は少なくとも90℃である。いくつかの態様において、ターゲット熱供給源温度は少なくとも95℃である。
[0069]いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は、ターゲット熱供給源温度と同じである。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は75℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は76℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は77℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は78℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は79℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は80℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は81℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は82℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は83℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は84℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は85℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は86℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は87℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は88℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は89℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は90℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は91℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は92℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は93℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は94℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は95℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は96℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は97℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は98℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は99℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は100℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は75℃〜100℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は80℃〜100℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は80℃〜98℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は85℃〜100℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は85℃〜98℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は85℃〜95℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は少なくとも75℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は少なくとも80℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は少なくとも85℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は少なくとも90℃である。いくつかの態様において、緩衝剤を含む溶液の第二の温度は少なくとも95℃である。
[0070]いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも1分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも2分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも3分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも4分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも5分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも6分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも7分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも8分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも9分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも10分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも12分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも14分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも16分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも18分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、少なくとも20分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、2〜20分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、4〜20分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、8〜20分間である。いくつかの態様において、熱供給源を出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に加熱する時間の長さは、8〜16分間である。
[0071]いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり9〜11℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり8〜12℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり8〜15℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり5〜15℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり10〜15℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり5〜20℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり8〜20℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり少なくとも5℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり少なくとも8℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり少なくとも10℃の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり20℃未満の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり15℃未満の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり12℃未満の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり10℃未満の速度で加熱される。いくつかの態様において、熱供給源は、出発熱供給源温度から、少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり5℃未満の速度で加熱される。
[0072]いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも15秒間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも30秒間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも1分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも2分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも3分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも4分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも5分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも8分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、少なくとも10分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、2分間〜10分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、2分間〜16分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、2分間〜20分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、5分間〜10分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、5分間〜16分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、5分間〜20分間ある。いくつかの態様において、熱供給源は、ターゲット熱供給源温度またはそれより高い温度に、8分間〜20分間ある。
[0073]いくつかの態様において、試料は、処理および新規PBEの添加の間に洗浄される(1回、2回、3回、3回より多く等)。
ターゲット試料温度または加熱温度への試料の加熱
[0074]いくつかの態様において、方法は、5またはそれより高いpHを有する緩衝剤を含む溶液の存在下での試料の加熱を含み、ここで試料は、ターゲット試料温度まで加熱される(例えば試料が沈着している支持体は、特定の試料ターゲット試料温度まで加熱され、ここで試料が沈着している支持体の温度は、試料の温度と同じである可能性が高い)か、または試料は加熱試料温度まで加熱され、例えば試料は加熱試料温度の存在下でインキュベーションされ、例えば加熱試料温度は、試料が曝露される温度を指す。加熱試料温度は、例えば試料がどのくらい長く加熱試料温度に曝露されたかに応じて、必ずしも試料を同じ温度に到達させなくてもよい。
[0075]試料を、ターゲット試料温度で、または加熱試料温度の存在下で、ある長さの時間に渡って加熱してもよい。時間は、第一のPBEが試料中でさらに検出される能力を減少させる(例えば第一のPBEの存在を減少させる、第一のPBEの活性および/または検出可能性を減少させる)ために十分であってもよい。ターゲット試料温度および加熱試料温度は、緩衝剤を含む溶液の沸点未満である。いくつかの態様において、ターゲット試料温度および/または加熱試料温度は、70℃〜100℃、75℃またはそれより高い、80℃またはそれより高い、90℃またはそれより高い等である。
[0076]試料がターゲット試料温度にあるかまたは加熱試料温度に加熱される時間の長さは、1〜20分間(例えば1〜16分間、2〜16分間、4〜16分間、5〜16分間、6〜16分間、18分間またはそれ未満、10分間またはそれ未満、8分間またはそれ未満等)である。本発明の方法に用いる自動化スライド染色装置は、スライド/試料をターゲット試料温度に加熱するためにさらなる時間を必要とする可能性もあり、例えばスライド/試料は、ターゲット試料温度に、上記の明記する時間(保持時間)に渡ってあってもよいが、スライド/試料をターゲット試料温度にする機械の加熱工程は、保持時間よりも長いであろう。
[0077]いくつかの態様において、試料は、90℃のターゲット試料温度まで、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、10分間を超える等の期間に渡って、上昇される。例として、試料は37℃であり、そして8分間の期間に渡って90℃に上昇される(温度はゆっくりと90℃まで上昇する)。いくつかの態様において、試料は、90℃〜99℃のターゲット試料温度まで、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、10分間を超える等の期間に渡って、上昇される。いくつかの態様において、試料は、80℃〜90℃のターゲット試料温度まで、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、10分間を超える等の期間に渡って、上昇される。いくつかの態様において、試料は、75℃〜85℃のターゲット試料温度まで、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、10分間を超える等の期間に渡って、上昇される。いくつかの態様において、試料は、75℃〜90℃のターゲット試料温度まで、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、10分間を超える等の期間に渡って、上昇される。いくつかの態様において、試料は、80℃〜99℃のターゲット試料温度まで、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、10分間を超える等の期間に渡って、上昇される。
[0078]いくつかの態様において、試料は加熱試料温度で、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、12分間、13分間、14分間、15分間、10分間を超える、12分間を超える、14分間を超える等の間、加熱される(例えば試料は加熱試料温度に曝露される)。
[0079]いくつかの態様において、特定の抗体(一次抗体)は、不活性化のために、特定のターゲット試料温度または加熱試料温度、処理時間(ターゲット試料温度または加熱試料温度での保持時間)、および/またはpH組み合わせを必要とし、例えばすべての抗体が、不活性化のために、必ずしも同じターゲット試料温度または加熱試料温度、pH、および保持時間の組み合わせを必要としない可能性もある。処理の時間および温度のさらなる例を以下の表1に示す。本発明は、これらの実施例に限定されない。
表1
Figure 0006811721
Figure 0006811721
[0080]いくつかの態様において、本発明の熱化学処理(熱不活性化)法は、試料を、例えば98℃の温度(例えば100℃の名目上の温度または98℃の実際の温度)に加熱する工程を含むが、本発明は、これらの温度に限定されない。例えば、いくつかの態様において、方法は、試料を99℃の名目上の温度に加熱する工程を含む。いくつかの態様において、方法は、試料を98℃の名目上の温度に加熱する工程を含む。いくつかの態様において、方法は、試料を97℃の名目上の温度に加熱する工程を含む。いくつかの態様において、方法は、試料を96℃等の名目上の温度に加熱する工程を含む。いくつかの態様において、実際の温度は99℃である。いくつかの態様において、実際の温度は98℃である。いくつかの態様において、実際の温度は97℃である。いくつかの態様において、実際の温度は96℃である。いくつかの態様において、実際の温度は95℃等である。
[0081]いくつかの態様において、試料は、該温度に12分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に11分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に10分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に9分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に8分間またはそれ未満の間、加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に13分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に14分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に15分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に16分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に17分間加熱される。いくつかの態様において、試料は、該温度に18分間または18分間より長く加熱される。
[0082]いくつかの態様において、加熱時間は、機械がターゲット試料温度まで上昇し始める時間とともに、試料が該温度にある時間の量を表す。いくつかの態様において、加熱時間は、試料が該温度にある時間の量を表す。いくつかの態様において、加熱時間は、機械がターゲット試料温度まで上昇し始める時間、試料が該温度にある時間の量、および試料がアッセイの次の工程の準備ができたために冷却されはじめる時間の量を表す。
タンパク質性結合実体(PBE)
[0083]いくつかの態様において、方法は、第二のPBE(そして場合によって第三のPBE、第四のPBE、第五のPBE等)で工程を反復し、そしてPBEとのインキュベーションの間の処理工程を反復する工程を含む。処理は、最後のPBEインキュベーション後には行う必要はない。各検出可能部分は、PBEのターゲット位置に対応する位置で、試料において検出される(例えば視覚化される)ことが可能である。方法は、試料形態が、訓練を受けた読み取り者によって決定されるように許容可能であるままであるように、試料の品質を維持すべきである。
[0084]いくつかの態様において、方法は、試料を第一の一次抗体とインキュベーションし、そして試料を、第一の一次抗体に特異的な第一の二次抗体と、第一の一次抗体がターゲットに結合する部位で検出可能部分が沈着する方式で、インキュベーションし;試料を処理して、上述のように試料中で一次抗体がさらに検出される能力を減少させ、少なくとも第二の一次抗体および第二の一次抗体に特異的な第二の二次抗体とのインキュベーションを反復し;そして一次/二次抗体とのインキュベーションの各反復間で処理を反復する工程を含む。
[0085]いくつかの態様において、第一の一次抗体および第二の一次抗体は、各々、タグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)を含む。いくつかの態様において、第一の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)および第二の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)は同じである。いくつかの態様において、第一の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)および第二の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)は異なる。いくつかの態様において、第二の二次抗体は第一の二次抗体と同じであるが、二次抗体は異なる検出可能標識を有する。
[0086]いくつかの態様において、単一の固体支持体上の同じ試料において、少なくとも2つのターゲット(例えば2つ、3つ、4つ、5つ等)を検出する方法は、PBEがPBEのターゲットに結合する部位で、検出可能部分を沈着させる方式で、第一の外因性タンパク質性結合実体(PBE)と試料をインキュベーションする工程を含んでもよい。例えば、これは、試料を、第一の一次抗体および第一の一次抗体に特異的な第一の二次抗体(例えば第一の一次抗体上のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)に特異的な二次抗体、一次抗体の種に特異的な二次抗体等)とインキュベーションする工程を含んでもよい。二次抗体は、例えば検出可能部分で標識されていてもよい。検出可能部分は、PBEがターゲット(例えば一次抗体が結合するターゲット)に結合した部位で沈着可能である。いくつかの態様において、試料を一次抗体、二次抗体(例えば一次抗体に特異的なタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)を含む二次抗体(例えば二次抗体は抗種、抗ハプテン等であってもよい))、および二次抗体に特異的な(例えば標識された)三次抗体(例えば三次抗体は抗タグ(例えば抗ハプテン)等であってもよい)とインキュベーションする。
[0087]先に論じたように、第一のPBEは第一の一次抗体を含んでもよい。試料を、第一の抗体に特異的な二次抗体(例えば標識を含む)とインキュベーションしてもよく、そして標識が試料上(一次抗体の位置、例えばターゲット部位)に沈着される。さらに、第二のPBE(および場合によって続くPBE)もまた、一次抗体を含んでもよく、そして試料を、これらの一次抗体に特異的な二次抗体(例えば標識を含む)とインキュベーションしてもよい。いくつかの態様において、一次抗体は、各々タグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)を含む(そして二次抗体はそれぞれのタグに特異的である)。いくつかの態様において、二次抗体は、抗種抗体であり、そしてタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)を含み、そして標識されている三次抗体を用いて、検出可能部分を試料上に沈着させる。いくつかの態様において、第一の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)および第二の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)は同じである。いくつかの態様において、二次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)は同じである。いくつかの態様において、第一の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)および第二の一次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)は異なる。いくつかの態様において、二次抗体のタグ(例えばハプテン、エピトープタグ等)は異なる。いくつかの態様において、第一の二次抗体は、第二の二次抗体と、二次抗体が異なる検出可能標識を有することを除いて、同じである。いくつかの態様において、三次抗体は同じ(例えば抗タグ、例えば抗ハプテン、例えば同じタグ/ハプテンに向けられる)であるが、検出可能標識が異なる。
自動化システム
[0088]本発明の方法は自動化されている。いくつかの態様において、本発明の方法は、閉鎖システム(例えば自動化システム)中で行われ、ここで、方法は手動工程を含まない。例えば、本明細書において、用語「閉鎖システム」は、あらかじめプログラムされた自動化法を指すことも可能である。用語「閉鎖システム」は、各工程が自動化され、例えば各工程が手動工程での中断なしに行われる方法を指すことも可能である。例えば、方法は、閉鎖システム中で実行されてもよく、そして熱化学処理工程が閉鎖システム中に組み込まれる(熱化学処理は手動工程ではない)。
[0089]本発明はまた、本発明の方法を実行するようプログラムされたシステムおよび自動化スライド染色装置も特徴とする。例えば、本発明は、本発明の方法を実行するようプログラムされた自動化スライド染色装置を特徴とする。いくつかの態様において、自動化スライド染色装置は、プロセッサおよびプロセッサにカップリングしたメモリを含む。メモリは、プロセッサによって実行された際、プロセッサに多様な作業を実行させるコンピュータ読み取り可能命令を保存する。こうした作業には、限定されるわけではないが:スライド染色装置に、少なくとも第一の外因性PBE(例えば一次抗体、一次抗体および標識二次抗体)と試料を、そのターゲット近傍にPBEの沈着を生じる方式でインキュベーションさせるかまたは接触させる命令;スライド染色装置に、試薬と試料を、PBEの近傍に検出可能部分の特異的沈着を生じる方式で接触させる命令;スライド染色装置に、クエン酸緩衝剤を含む溶液の体積と試料を接触させる命令であって、クエン酸緩衝剤を含む溶液が、該クエン酸緩衝剤を含む溶液の沸点未満である、出発緩衝剤温度である、前記命令;スライド染色装置に、固体支持体と熱供給源を接触させる命令;およびスライド染色装置に、熱供給源を、出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで、ある長さの時間に渡って加熱させる命令であって、クエン酸緩衝剤を含む溶液が、出発緩衝剤温度から第二の緩衝剤温度に上昇し、ターゲット熱供給源温度および第二の緩衝剤温度が、該クエン酸緩衝剤を含む溶液の沸点未満である、前記命令が含まれてもよい。いくつかの態様において、作業には:スライド染色装置に、第二のPBEまたはさらなるPBEでプロセスを反復させる命令が含まれる。いくつかの場合、作業には:スライド染色装置に、熱化学処理後(例えば続くPBEの適用前)、試料を洗浄させる命令が含まれる。
[0090]いくつかの態様において、スライド染色装置は、第一のPBEを試料上に分配するための少なくとも第一の分配装置を含む。いくつかの態様において、スライド染色装置は、第二のPBEを試料上に分配するための少なくとも第二の分配装置を含む。いくつかの態様において、スライド染色装置は複数の抗体分配装置を含む。いくつかの態様において、スライド染色装置は、緩衝剤を含む溶液を試料上に分配するための分配装置をさらに含む。いくつかの態様において、スライド染色装置は熱供給源(例えば熱パッド)を含む。いくつかの態様において、スライド染色装置は、洗浄緩衝剤を試料上に分配するための分配装置を含む。
[0091]本発明はまた、スライド上に沈着した試料上に、緩衝剤を含む溶液を分配するように適応した緩衝剤リザーバー;熱供給源;少なくとも第一の一次抗体および第二の一次抗体と試料を接触させるように適応した少なくとも1つの抗体分配装置(例えば第一の一次抗体用の第一の抗体分配装置、第二の二次抗体用の第二の抗体分配装置、複数の抗体分配装置等);ならびに第一の一次抗体および第二の一次抗体の両方に結合可能な二次抗体;ならびに構成要素(例えば緩衝剤リザーバー、熱供給源、抗体分配装置等)が本発明の方法を実行するように命令するよう適応したコントロールモジュールを含むシステムも特徴とする。抗体はあらかじめ希釈されていてもよい。
[0092]本発明はまた、本発明の方法を用いて得た標識組織試料を含む組成物などの組成物も特徴とする。本発明はまた、組織試料を含むスライドを含み、組織試料は一次抗体、二次抗体および標識を含み、組織試料は、5またはそれより高いpHを有する緩衝剤を含む溶液の存在下で、ターゲット試料温度または加熱試料温度(例えば緩衝剤を含む溶液の沸点未満)でインキュベーションされる。
[0093]本発明はまた、多重標識の自動化法も特徴とする。いくつかの態様において、方法は、本明細書に記載するような熱化学処理を用いて、第一の一次抗体、および第一の検出可能標識を含む二次抗体で標識した細胞試料を含有するスライドを加熱する工程を含む。次いで、熱殺細胞試料を、第二の一次抗体、および第二の検出可能標識を含む第二の二次抗体で標識する。いくつかの態様において、二次抗体は、検出標識の同一性のみが異なる。
[0094]本発明はまた、単一細胞試料の多重標識のための自動化法も特徴とする。いくつかの態様において、方法は、複数の標識工程、および各標識工程の間に実行される熱殺工程を含み;各標識工程は、細胞試料を、一組の1またはそれより多い一次抗体および検出可能に標識された二次抗体と、各一次抗体がそのターゲットに特異的に結合し、各二次抗体が一次抗体に結合するために十分な条件下で接触させる工程を含み、各二次抗体は組のうち単一の一次抗体にのみ結合可能であり;そして各熱殺工程は本明細書に記載する通りである。
[0095]いくつかの態様において、一次抗体および検出可能に標識された二次抗体の組の少なくとも2つは、異なる検出可能標識を含有する同じ二次抗体を含む。いくつかの態様において、同じ二次抗体は種特異的二次抗体である。いくつかの態様において、同じ二次抗体はアイソタイプ特異的二次抗体である。いくつかの態様において、同じ二次抗体は抗タグ抗体(例えば抗ハプテン抗体、抗エピトープタグ抗体等)である。
[0096]本発明はまた、固定細胞試料中の一次/二次抗体対を排除する方法も特徴とする。いくつかの態様において、方法は、本発明記載の熱化学処理法を含む。
[0097]本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、本発明の方法、組成物、およびシステムは、自動化染色デバイス(例えばVentana BenchMark、Dako、Leica Bond等)における自動化アッセイに有益でありうると考えられる。こうした自動化デバイスは、すでに、緩衝剤および試薬を分配し、そして試料を多様な温度(例えば37℃〜90℃、37℃〜95℃、37℃〜99℃等)に加熱するように適応しており、一方、こうした自動化デバイスは、試料をマイクロ波処理するか、または試料を非常に高い温度、例えば130℃に加熱するようには適応していない。
[0098]以前論じたように、本発明の方法は自動化され、例えば自動化染色装置において特徴付けられる。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、いくつかの態様において、方法は、試料をマイクロ波処理に供することなく;いくつかの態様において、方法は、ホルムアルデヒド蒸気処理を伴わず;いくつかの態様において、方法は試料の品質の劣化を引き起こさない。
[0099]本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、本発明の組成物および方法は、高いモル浸透圧濃度、極端なpH、および/またはカオトロピック剤を含まない緩衝剤を利用すると考えられる。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、本発明の組成物および方法は、組織形態維持を補助し、そして/または同じ種由来の一次抗体を用いる場合は交差反応性の減少を補助すると考えられる。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、本発明の組成物および方法は、異なる種由来の一次抗体を選択する必要性を排除すると考えられる。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、本発明の組成物および方法は、自動化スライド染色システムにおける、免疫組織化学アッセイを可能にすると考えられる。
[00100]本発明は、以下の実施例によってさらに記載されうる。
[00101]以下の例は、本発明の方法、組成物、およびシステムを用いた実験の限定されない例を記載する。
[00102]実施例1:抗原(Ag)/一次抗体(1 st Ab)/二次抗体(2 nd Ab)複合体が形成された後の熱殺工程:扁桃腺スライド上の抗原/一次抗体/二次抗体複合体の不活性化。実施例1において、抗原はCD20であり、一次抗体はウサギ抗CD20であり、そして二次抗体はヤギ抗ウサギHRPである。DAB検出を用いる(二次抗体のHRPを検出するため)。設計:一次抗体(ウサギ抗CD20)結合後、ヤギ抗ウサギHRPを適用し、その後、本発明記載の処理工程(例えば熱化学処理工程、「熱殺」工程)を行い、そしてDAB検出を用いる。(対照実験は、DAB検出工程前に熱殺工程を行わなかった。)結果を図2に示す。図2Aは、二次抗体の適用およびDAB検出工程の間に熱殺工程を用いなかった、対照実験を示す。図2Bは、熱殺工程(熱殺工程は、95℃のターゲット熱供給源温度を用いた;この例では、熱パッド/試料は95℃でおよそ2.6分間であり、そして90℃を超えて約250秒間であった)が、CD20/ウサギ抗CD20/ヤギ抗ウサギHRP複合体を不活性化可能であることを示す。この例では、自動化染色機械をプログラムして、95℃のターゲット熱供給源温度に到達させ、そして時間設定のためのプログラミングパラメータは8分間であったことに注目されたい。この特定の自動化染色機械での温度および時間設定は、熱パッド/試料が95℃でおよそ2.6分間、そして90℃を超えて約250秒間であることを可能にした。他の機械は、特定のターゲット熱供給源温度(および期間)を達成するために、例えば95℃の熱供給源温度で約2〜3分間を達成するために、異なるプログラミングパラメータを必要とする可能性があり、いくつかの機械は、熱パッドが緩慢な加熱速度を有する場合、より長い時間設定を必要とする可能性もある(例えば熱パッドは、出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度に到達するまで、より長い時間を必要としうる)ことに注目されたい。本発明は、本明細書記載のターゲット熱供給源温度、期間、またはプログラミングパラメータに限定されない。90℃のターゲット熱供給源温度(熱供給源は90℃で約2.5分間であり;機械は90℃になるようにプログラムされ、そして機械の時間設定は8分間であった)、および90℃のターゲット熱供給源温度(熱供給源は90℃で約10.6分間であり;機械は90℃になるようにプログラミングされ、そして機械の時間設定は12分間であった)、および95℃のターゲット熱供給源温度(熱供給源は95℃で約9.3分間であり;機械は90℃になるようにプログラミングされ、そして機械の時間設定は12分間であった)は、CD20/ウサギ抗CD20/ヤギ抗ウサギHRP複合体を不活性化可能であった(データ未提示)。この熱殺条件は、HRP酵素活性の喪失を示し、必ずしもCD20/ウサギ抗CD20/ヤギ抗ウサギHRP複合体の変性/溶出を示さない可能性もあることに注目されたい。
[00103]実施例2:抗原/一次抗体複合体が形成された後(二次抗体の前)の熱殺工程:扁桃腺スライド中の抗原/一次抗体複合体の不活性化。実施例2において、抗原はCD20であり、そして一次抗体はウサギ抗CD20である。設計:ウサギ抗CD20を適用し、その後、本発明記載の熱殺工程を行う。次いで、二次抗体(ヤギ抗ウサギHRP)を適用し、その後、DAB検出工程が続く。(対照実験は、一次抗体インキュベーション後および二次抗体インキュベーション前に熱殺工程を含まなかった。)結果を図3に示す。図3Aは、一次抗体インキュベーション後および二次抗体インキュベーション前に、熱殺工程を用いなかった対照実験を示す。図3Bは、一次抗体適用後であるが、二次抗体適用前の熱殺工程(100℃で6分間のターゲット熱供給源温度)が、CD20 IHC染色を排除したことを示す。本実施例では、熱殺工程は、97℃のターゲット熱供給源温度を含んだ。試料は、約90秒間、ターゲット熱供給源温度にあった(試料はまた、約2.3分間、90℃を超えていた)。機械が実際には100℃にプログラムされていたが、実際に達成した温度は97℃だったことに注目されたい。
[00104]実施例3:抗原/一次抗体/二次抗体複合体が形成された後の熱殺工程:熱殺工程後にヤギ抗ウサギHRPを再適用することによって、100℃で12分間が抗原/一次抗体/二次抗体複合体(例えばCD20/ウサギ抗CD20/ヤギ抗ウサギHRP)を不活性化可能であるかどうかを決定する。設計:扁桃腺/結腸症例上で、3つの濃度の一次抗体CD20(1.04、0.52、および0.26μg/mL)を試験する。結果を図4に示す。図4Aは、熱殺工程を伴わない対照実験を示す(抗体濃度は1.04μg/mLであった)。図4Bは、一次抗体および二次抗体の適用後であるが、二次抗体の別の適用(およびそれに続くDAB検出)の前に行った、熱殺工程(97℃のターゲット熱供給源温度)の結果を示す。図4Bの熱殺工程は、ヤギ抗ウサギHRPをDAB検出とともに再適用した際に染色がないことによって立証されるように、抗原/一次抗体/二次抗体複合体を不活性化した。他の濃度の抗体(0.52μg/mLまたは0.26μg/mL)を用いた際も結果は同じであった:ヤギ抗ウサギHRPをDAB検出とともに再適用した際に染色がまったく観察されなかったため、上記の熱殺工程は、抗原/一次抗体/二次抗体複合体を不活性化した。
[00105]実施例4.1:2つのターゲット(CD20およびFoxP3)の検出間の熱殺工程:例えば、第二の染色サイクルにおいて、FoxP3シグナルがあり、そしてCD20シグナルがないことを立証することによって、熱殺条件が、第一の抗原−CD20/一次抗体−ウサギ抗CD20抗体/二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP複合体を不活性化可能であるが、FoxP3(抗原−FoxP3/一次抗体−ウサギ抗FoxP3抗体/二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP/DAB)の検出を可能にするかどうかを決定する。設計:一次抗体−ウサギ抗CD20抗体および二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP複合体を適用し、次いで熱殺工程(97℃のターゲット熱供給源温度)を実行し、次いで一次抗体−ウサギ抗FoxP3抗体および二次抗体−ヤギ抗ウサギHRPを適用し、そして続いて検出工程を実行する(例えばDAB)。結果を図5に示す。図5Aは、対照としてCD20染色を示す(熱殺工程なし、FoxP3染色なし)。図5Bは、対照としてFoxP3染色を示す(熱殺工程なし、CD20染色なし)。図5Cは、上述のような熱殺工程を用いた際のFoxP3染色の結果を示す(例えばCD20一次および二次抗体を適用した後だが、FoxP3一次抗体を適用する前)。図5Cは、上述のような熱殺工程を用いた際、FoxP3が対照に匹敵する染色を示したことを示す。結果は、最初の染色サイクルにおける一次抗体−ウサギ抗CD20抗体/二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP複合体が、成功裡に不活性化され、したがって、一次抗体−ウサギ抗CD20抗体(第一のサイクル)への二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP(第二のサイクル)の交差反応性から生じるCD20染色はなかったことを示唆する。結果はまた、FoxP3抗原が熱殺工程によって負に影響を受けなかったことも示唆する。
[00106]実施例4.2:2つのターゲット(CD20およびCD3)の検出間の熱殺工程:熱殺条件が、第一の抗原−CD20/一次抗体−ウサギ抗CD20抗体/二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP複合体を不活性化可能であるが、CD3(第二の抗原−CD3/一次抗体−ウサギ抗CD3/二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP/DAB)の検出を可能にするかどうか決定する、例えば、第二の染色サイクルにおいて、CD3シグナルがあるがCD20シグナルがないことを立証する。設計:一次抗体−ウサギ抗CD20抗体および二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP複合体を適用し、次いで、熱殺工程(97℃のターゲット熱供給源温度)を行い、次いで第二の染色サイクル試薬(一次抗体−ウサギ抗CD3抗体、二次抗体−ヤギ抗ウサギHRPおよびDAB)を適用する。結果:実施例4.1および図5のFoxP3同様、CD3は熱殺工程の下で、対照に匹敵する染色を示した(データ未提示)。結果は、第一の染色サイクル中の一次抗体−ウサギ抗CD20抗体/二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP複合体が成功裡に不活性化され、したがって一次抗体−ウサギ抗CD20抗体(第一のサイクル)への二次抗体−ヤギ抗ウサギHRP(第二のサイクル)の交差反応性からのCD20染色はないことを示唆する。結果はまた、CD3抗原が、熱殺工程によって負に影響を受けなかったことを示唆する。
[00107]実施例5:抗原(CD3、CD8、CD20、CD68、およびFoxP3)に対する熱殺工程の影響:熱殺工程が抗原に対して負の影響を有するかどうかを評価する。設計:CD3、CD8、CD20、CD68およびFoxP3ターゲット各々のIHC染色に対して、1〜5回の熱殺サイクルを試験した。図6は、5サイクルの熱殺工程(97℃のターゲット熱供給源温度)の結果を示す。図6AはCD3の対照染色を示す。図6Bは上述の熱殺工程の5サイクル後のCD3染色を示す。CD3染色は、対照のものに匹敵した(熱殺工程はCD3染色に負の影響を持たなかった)。図6Cは、CD8の対照染色を示す。図6Dは、上述の熱殺工程の5サイクル後のCD8染色を示す。CD8染色は、対照のものに匹敵した(熱殺工程はCD8染色に負の影響を持たなかった)。図6Eは、CD68の対照染色を示す。図6Fは、上述の熱殺工程の5サイクル後のCD68染色を示す。CD68染色は、対照のものに匹敵した(熱殺工程はCD68染色に負の影響を持たなかった)。
[00108]実施例6.1:核における複合体検出に対する熱殺工程の影響:熱殺が核において抗原−FoxP3/ウサギ抗FoxP3/ヤギ抗ウサギHRP複合体を不活性化可能であるかどうかを評価する(結腸試料中)。設計:多様な熱殺条件:95℃のターゲット熱供給源温度(95℃で約2.5分間)、95℃のターゲット熱供給源温度(95℃で約9.3分間)、100℃のターゲット熱供給源温度(100℃で約90秒間)、および100℃のターゲット熱供給源温度(100℃で90秒間より長く)を試験する。FoxP3(ウサギ)一次抗体を適用し(1μg/mL)、次いで二次抗体(ヤギ抗ウサギ−HRP)を適用し、その後、熱殺工程を行う。次いで、二次抗体(ヤギ抗ウサギHRP)を再適用し、その後、検出する(DAB)。結果(未提示):以下の熱殺条件が抗原−FoxP3/ウサギ抗FoxP3/ヤギ抗ウサギHRP複合体を不活性化した(FoxP3染色は観察されなかった):95℃のターゲット熱供給源温度(95℃で約2.5分間)、95℃のターゲット熱供給源温度(95℃で約9.3分間)、100℃のターゲット熱供給源温度(100℃で約90秒間)、および100℃のターゲット熱供給源温度(100℃で90秒間より長く)。これは、熱殺工程後に染色がなかったことで立証されるように、95℃のターゲット熱供給源温度が十分である(例えば約2.5分間、9.3分間等)ことを立証する。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、抗原の局在(例えば膜対核)ではなく、抗原の存在量が、必要とされる熱殺条件の厳しさを支配しうる可能性がある。例えば、より低い存在量の抗原(例えばFoxP3)は、高い存在量の抗原(例えばCD20)と同程度に厳しい熱殺条件は必要としない可能性もある。
[00109]実施例6.2:細胞質における複合体検出に対する熱殺工程の影響:熱殺が、細胞質における抗原−CD68/ウサギ抗CD68/ヤギ抗ウサギHRP複合体を不活性化しうるかどうかを評価する(扁桃腺または結腸試料中)。設計:多様な熱殺条件を試験する。CD68(ウサギ)一次抗体を適用し(1μg/mL)、次いで二次抗体(ヤギ抗ウサギHRP)を適用した後、熱殺工程を行う。次いで、二次抗体(ヤギ抗ウサギHRP)を再適用した後、検出する(DAB)。結果(未提示):以下の熱殺条件が抗原−CD68/ウサギ抗CD68/ヤギ抗ウサギHRP複合体を不活性化した(CD68染色は観察されなかった):95℃のターゲット熱供給源温度(95℃で約2.5分間)、95℃のターゲット熱供給源温度(95℃で約9.3分間)、100℃のターゲット熱供給源温度(100℃で約90秒間)、および100℃のターゲット熱供給源温度(100℃で90秒間より長く)。これは、熱殺工程後に染色がなかったことで立証されるように、95℃のターゲット熱供給源温度が十分であることを立証する。本発明をいかなる理論または機構に限定することも望ましくないが、抗原の局在(例えば膜対核)ではなく、抗原の存在量が、必要とされる熱殺条件の厳しさを支配しうる。例えば、より低い存在量の抗原(例えばCD68)は、高い存在量の抗原(例えばCD20)と同程度に厳しい熱殺条件は必要としない可能性もある。
[00110]実施例7:他の緩衝剤での熱殺を評価する:他の緩衝剤(例えばTrisに基づく反応緩衝剤)は、抗原(例えば膜マーカーCD3、CD8およびCD20)に影響を有するかどうか評価する。設計:工程1:熱殺工程を試料に適用する(Trisに基づく反応緩衝剤を用いた1サイクルの95℃のターゲット熱供給源温度)。工程2:6μg/mL CD3、CD8またはCD20(ウサギ)を用いて、マーカーに関して通常のIHCを行い、次いでヤギ抗ウサギHRP、および検出のためのDABを適用する。結果(未提示):1サイクルのTrisに基づく反応緩衝剤での95℃8分間は、対照に比較して、CD3、CD8およびCD20染色を減少させた。
[00111]実施例8:他のマーカーで、クエン酸緩衝剤での熱殺を評価する:クエン酸に基づく緩衝剤(例えばVentana Medical Systems, Inc.のCC2)を用いて、多数の組織タイプ上の多数のマーカーに対する、熱殺工程の有効性をさらに確認した。設計:結腸上のCD3(SP162)、乳房上のHER2(4B5)、頭部および頸部SCC上のケラチン5、乳房上のKi−67、乳房上のER、頭部および頸部SCC上のPDL1(SP263)。
表2
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[00112]結果を図7に示す。図7Aは、結腸試料におけるCD3染色を示す。上部左パネルは対照CD3染色を示す。上部右パネルは、CD3に対する一次抗体を用いない対照を示す。下部左パネルは、熱殺工程が80℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。下部右パネルは、熱殺工程が85℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。どちらの熱殺条件も有効であった。図7Bは、乳房試料におけるHER2染色を示す。上部左パネルは対照HER2染色を示す。上部右パネルは、HER2に対する一次抗体を用いない対照を示す。下部左パネルは、熱殺工程が80℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。下部右パネルは、熱殺工程が85℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。どちらの熱殺条件も有効であった。図7Cは、頭部/頸部扁平上皮癌(HNSCC)試料におけるケラチン5染色を示す。上部左パネルは対照ケラチン5染色を示す。上部右パネルは、熱殺工程が90℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。下部左パネルは、熱殺工程が90℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。下部右パネルは、熱殺工程が95℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。3つの熱殺条件は有効であった。図7Dは、乳房試料におけるKi−67染色を示す。上部左パネルは対照Ki−67染色を示す。上部右パネルは、Ki−67に対する一次抗体を用いない対照を示す。下部左パネルは、熱殺工程が80℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。下部右パネルは、熱殺工程が85℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。どちらの熱殺条件も有効であった。図7Eは、乳房試料におけるER染色を示す。左パネルは対照ER染色を示す。中央パネルは、熱殺工程が90℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。右パネルは、熱殺工程が95℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。どちらの熱殺条件も有効であった。図7Fは、HNSCC試料におけるPDL1染色を示す。上部左パネルは対照PDL1染色を示す。上部右パネルは、熱殺工程が80℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。下部左パネルは、熱殺工程が85℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。下部右パネルは、熱殺工程が90℃のターゲット熱供給源温度を用いた際の結果を示す。3つの熱殺条件は有効であった。
[00113]実施例9:フルオロフォア・コンジュゲート化TSA検出に対する熱殺有効性を評価する:熱殺条件(クエン酸緩衝剤(CC2)、97℃のターゲット熱供給源温度)がフルオロフォアコンジュゲート化TSA(TSA−蛍光)検出に対して働く(上述のようなDAB検出に加えて)ことを確認する。設計:CD20(ウサギ、膜マーカー)初代抗体(1μg/mL)を適用し、次いで二次抗体(ヤギ抗ウサギHRP)を適用し、その後、1サイクルの熱殺工程(クエン酸緩衝剤(CC2)と97℃のターゲット熱供給源温度を用いる)を行った。次いで、FoxP3(ウサギ、核マーカー)一次抗体(1μg/ml)を適用し、そして次いで、二次抗体(ヤギ抗ウサギHRP)を適用した後、TSA−Cy5検出を行った。同じ二次抗体を使用することに注目されたい。図8は、結果を示す。図8Aは、CD20の対照染色を示す。図8Bは、対照FoxP3染色を示す。図8Cは、上述のように熱殺工程を行った後のFoxP3染色を示す。上述のような熱殺工程(クエン酸緩衝剤(CC2)、97℃のターゲット熱供給源温度)は、核染色(FoxP3)のみの存在によって立証されるように、CD20/GaR−HRP複合体を不活性化した。CD20の指標である膜染色は観察されなかった。
[00114]実施例10:五重蛍光IHC(同種一次抗体および抗種二次抗体を用いる)。熱殺条件(90℃のターゲット熱供給源温度、5分間)を、各マーカーに対するウサギ一次抗体、各マーカーの二次抗体のためのヤギ抗ウサギHRP、および検出のためのフルオロフォアコンジュゲート化TSA(TSA−蛍光)(CD3に関するTSA−DCC、CD8に関するTSA−テキサスレッド、CD20に関するTSA−FITC、CD68に対するTSA−R6G、およびFoxP3に対するTSA−Cy5)を用いて、五重(CD3、CD8、CD20、CD68、FoxP3)蛍光IHCアッセイ(扁桃腺試料上)に適用した。結果(未提示):熱殺工程による同種一次抗体での完全自動化五重化の最初の実行は、働くことを示した。
[00115]実施例11:PD−L1での多重化アッセイにおける熱殺工程の評価:NSCLC試料(NSCLC症例150637)を、PD−L1抗体クローンSP142、7μg/mlを用いた多重化アッセイに用いた。多重化(五重化)アッセイにおいて、異なる順序で(例えば三番目、四番目)でPD−L1抗体を試験した。以下の表3は、実行した14の異なる実験を列挙する。PD−L1は、実験1〜3、7〜9、および13において、三番目にあった。PD−L1は、実験2〜6、10〜12、および14において、四番目にあった。90103(他の「抗体」(Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5)として用いる)は、PD−L1抗体の希釈剤である(がPD−L1抗体を含まない)ことに注目されたい。熱殺プロセスの有効性を、高感度および低自己蛍光の蛍光分子であるR6G、ならびに潜在的な続く蛍光分子シアニン5(Cy5)およびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)で評価した。表3に示す、第一の検出で用いる「検出分子」(蛍光1)はクエン酸であり、そして第二の検出(蛍光2)および第三の検出(蛍光3)はチラミド(チラミドシグナル増幅、TSA)であった。実験1、4、7、10、13、および14は、16分間のPD−L1インキュベーション時間を用いた。実験2、5、8、および11は、24分間のPD−L1インキュベーション時間を用いた。実験3、6、9、および12は、32分間のPD−L1インキュベーション時間を用いた。
表3
Figure 0006811721
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[00116]図9は、表3の実験3の結果を示す。図9Aは、DAPI染色(核染色)を示す。図9Bは、自己蛍光(DCC)(100ms曝露)を示す。図9Cは、R6GでのPD−L1陽性染色(別のスライド)を示す(染色は、膜の輪郭を示す)。図9Dは、本発明の熱殺/熱不活性化工程後、R6Gを用いたPD−L1染色を示す(500ms曝露)。500msの長期曝露時間であっても、自己蛍光バックグラウンドレベルを超えては、交差反応シグナルは検出されなかった。結果は、表1の実験6および実験9に関して同じであった(データ未提示)。
[00117]本発明が、本明細書で用いた特定のPD−L1抗体に限定されないことに注目されたい。例えば、いくつかの態様において、PD−L1抗体はクローンSP263である。また、本発明は、本明細書で用いた特定のインキュベーション時間(例えば16分間、24分間、32分間)に限定されない。いくつかの態様において、抗体を、16分間未満(例えば5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、11分間、12分間、13分間、15分間)インキュベーションする。いくつかの態様において、抗体を16分より長く(例えば17分間、18分間、19分間、20分間、21分間、22分間、23分間、25分間、26分間、27分間、28分間、29分間、30分間、31分間)インキュベーションする。いくつかの態様において、抗体を32分間より長くインキュベーションする。
[00118]熱化学処理(熱不活性化)のための最適な条件は、いくつかの要因に応じうる。例えばより高い感度の検出系(例えばTSA、FITC)が、よりストリンジェントなHD条件の使用から利益を受ける可能性もある。いくつかの態様において、特定のマーカーが特定の組織または試料において高発現している場合、よりストリンジェントなHD条件が有益である可能性もある。いくつかの態様において、抗体−ターゲット複合体が非常に安定である場合、よりストリンジェントなHD条件が有益である可能性もある。したがって、抗体/マーカー特異的研究は、最適な熱化学処理(熱不活性化)条件を決定するために、有益である可能性もある。
[00119]本明細書に記載するものに加えて、本発明の多様な修飾が、前述の説明から当業者には明らかであろう。こうした修飾もまた、付随する請求項の範囲内に属すると意図される。本出願に引用する各参考文献は、その全体が本明細書に援用される。
[00120]本発明の好ましい態様を示し、そして記載してきているが、当業者には、付随する請求項の範囲を超えない修飾が実行可能であることが容易に明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ限定される。請求項で言及される参照番号は例示であり、そして特許庁が再検討するのを容易にするためのみのものであり、そしていかなる点でも限定するものではない。いくつかの態様において、本特許出願に提示する図は、角度、寸法比等を含めて、縮尺通りに描かれている。いくつかの態様において、図は例示のみであり、そして請求項は、図の寸法によって限定されない。いくつかの態様において、句「含む」を用いて本明細書に記載される本発明の記載には、「からなる」として記載可能である態様が含まれ、そしてこうしたものとして、句「からなる」を用いて、本発明の1またはそれより多い態様を請求するための明細書記載要件が満たされる。
[00121]以下の請求項に言及する参照番号は、本特許出願の検討を容易にするためだけのものであり、そして例示であり、そしていかなる点でも、図中の対応する参照番号を有する特定の特徴に、請求項の範囲を限定することを意図されない。

Claims (15)

  1. 単一の固体支持体上の同じ試料において、少なくとも2つのターゲットを検出するための自動化法であって:
    a.少なくとも第一の外因性タンパク質性結合実体(PBE)と試料を、そのターゲット近傍に第一のPBEの沈着を生じる方式で接触させ;
    b.試薬と試料を、第一のPBEの近傍に検出可能部分の特異的沈着を生じる方式で接触させ;そして
    c.5〜7のpHを持つクエン酸緩衝剤を含む溶液と試料を接触させ、そして熱供給源と固体支持体を接触させ、ここでクエン酸緩衝剤を含む溶液は、5μl/cm〜500μl/cmの体積対表面積比で試料を覆い、クエン酸緩衝剤を含む溶液は、該クエン酸緩衝剤を含む溶液の沸点未満である出発緩衝剤温度である;そして
    出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで、ある長さの時間に渡って熱供給源を加熱する、ここでクエン酸緩衝剤を含む溶液は、出発緩衝剤温度から第二の緩衝剤温度に上昇され、ターゲット熱供給源温度および第二の緩衝剤温度は、該クエン酸緩衝剤を含む溶液の沸点未満である
    ことによって、試料を処理し
    d.第一のPBEの代わりに、第二のPBEまたはさらなるPBEで(a)〜(c)を反復する;
    ここで、
    該(b)によって、第一のPBEの近傍に特異的に沈着した検出可能部分は、該第一のPBEのターゲットの位置に対応する位置で、試料中で検出されることが可能であり、そして該(c)によって、試料において、第一のPBEがさらに検出される能力を減少させ、
    該(d)における(b)によって、第二のPBE、またはさらなるPBEの近傍に特異的に沈着した各検出可能部分は、第二のPBE、またはさらなるPBEのターゲットの位置に対応する位置で、試料中で検出されることが可能であり、そして該(d)における(c)によって、試料において、第二のPBE、またはさらなるPBEがさらに検出される能力を減少させる
    工程を含む、前記方法。
  2. 熱供給源からの熱が固体支持体および試料を加熱し、そして固体支持体および試料からの熱が緩衝剤を加熱する、請求項1の方法。
  3. クエン酸緩衝剤を含む溶液が5〜6.5のpHを有する、請求項1または2の方法。
  4. 出発緩衝剤温度が18℃〜42℃である、請求項1〜3のいずれか1項の方法。
  5. 出発熱供給源温度が18℃〜42℃である、請求項1〜4のいずれか1項の方法。
  6. ターゲット熱供給源温度が少なくとも80℃である、請求項1〜5のいずれか1項の方法。
  7. 熱供給源が、出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで、1分あたり5〜15℃の速度で加熱される、請求項1〜6のいずれか1項の方法。
  8. クエン酸緩衝剤を含む溶液が、5mM〜20mMのクエン酸濃度を有し、および/または
    クエン酸緩衝剤を含む溶液が、さらに界面活性剤を含み、および/または
    溶液が独立したパドル(freestanding puddle)の形態を有する、
    請求項1〜6のいずれか1項の方法。
  9. 熱供給源が、ターゲット熱供給源温度にまたはそれより高い温度に、少なくとも15秒間あり、および/または
    熱供給源が出発熱供給源から少なくともターゲット熱供給源温度に加熱される時間の長さが、少なくとも3分間である、請求項1〜8のいずれか1項の方法。
  10. 第一のPBEが第一の一次抗体を含み、そして(b)が、試料を、第一の一次抗体に特異的な第一の二次抗体と、第一の一次抗体近傍に第一の二次抗体の特異的沈着を生じる方式でインキュベーションする工程を含み;そして第二のPBEが第二の一次抗体を含み、そして(d)が、試料を、第二の一次抗体に特異的な第二の二次抗体と、第二の一次抗体近傍に第二の二次抗体の特異的沈着を生じる方式でインキュベーションする工程を含む、請求項1〜9のいずれか1項の方法。
  11. 第一の一次抗体がタグを含む、請求項10の方法。
  12. 閉鎖システム中で行う、請求項1〜11のいずれか1項の方法。
  13. 熱供給源、プロセッサ、およびプロセッサにカップリングしたメモリを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実行するための、自動化スライド染色装置であって、メモリが、プロセッサによって実行された際に、プロセッサに:
    A.スライド染色装置に、少なくとも第一の外因性タンパク質性結合実体(PBE)と固体支持体上の試料を、そのターゲット近傍に第一のPBEの沈着を生じる方式で接触させるよう命令し;
    B.スライド染色装置に、試薬と試料を、第一のPBEの近傍に検出可能部分の特異的沈着を生じる方式で接触させるよう命令し;
    C.スライド染色装置に、クエン酸緩衝剤を含む溶液と試料を接触させるよう命令し、ここでクエン酸緩衝剤を含む溶液は、該クエン酸緩衝剤を含む溶液の沸点未満である出発緩衝剤温度である;
    D.スライド染色装置に、熱供給源を、出発熱供給源温度から少なくともターゲット熱供給源温度まで、ある長さの時間に渡って加熱するよう命令し、ここで熱供給源からの熱が固体支持体および試料を加熱し、そして固体支持体および試料からの熱が緩衝剤を加熱し、クエン酸緩衝剤を含む溶液は、出発緩衝剤温度から第二の緩衝剤温度に上昇され、ターゲット熱供給源温度および第二の緩衝剤温度は、該クエン酸緩衝剤を含む溶液の沸点未満である;
    E.スライド染色装置に、試料を洗浄溶液で洗浄するよう命令し;そして
    F.スライド染色装置に、(A)〜(D)を、第一のPBEの代わりに、第二のPBEまたはさらなるPBEで反復するよう命令する
    工程を含む作業を実行させる、コンピュータ読み取り可能命令を保存する、前記自動化スライド染色装置。
  14. A.クエン酸緩衝剤を、スライド上に沈着した試料上に分配するように適応した緩衝剤リザーバー;
    B.試料を含むスライドを加熱するように適応した熱供給源であって、出発熱供給源温度からターゲット熱供給源温度まで加熱される、前記熱供給源;
    C.試料と
    i.少なくとも第一のPBEとしての第一の一次抗体および第二のPBEとしての第二の一次抗体;そして
    ii.第一の一次抗体および第二の一次抗体の両方に結合可能な試薬としての二次抗体
    を接触させるように適応した少なくとも1つの抗体分配装置;ならびに
    D.請求項1に記載の方法を実行するために(A)〜(C)を命令するように適応したコントロールモジュール
    を含む、システム。
  15. 第一の一次抗体用の第一の抗体分配装置および第二の一次抗体用の第二の抗体分配装置、ならびに二次抗体用の第三の抗体分配装置を含む、請求項14のシステム。
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