JP6807813B2 - 磁気粘性流体組成物 - Google Patents
磁気粘性流体組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6807813B2 JP6807813B2 JP2017154476A JP2017154476A JP6807813B2 JP 6807813 B2 JP6807813 B2 JP 6807813B2 JP 2017154476 A JP2017154476 A JP 2017154476A JP 2017154476 A JP2017154476 A JP 2017154476A JP 6807813 B2 JP6807813 B2 JP 6807813B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- magnetic particles
- magnetic
- base oil
- lubricating oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
しかし、磁性流体に使用されている磁性粒子は、粒子径が極めて小さいので、磁界を印加しても、粘度や降伏応力の増加幅も小さく、磁性流体は、クラッチ、ダンパー等へ適用することが困難であり、磁気シール等の用途での使用に留まっている。
磁気粘性流体は、外部から印加される磁界強度に応じて、流動性の高い状態から大きな降伏応力を有するゲル状態に、急速かつ連続的、可逆的に変化する機能性流体である。
磁気粘性流体が充填されたダンパーは、一般に、MRダンパーと呼ばれている。MRダンパーは、磁界強度を変化させることにより降伏応力の大きさを制御できることから、減衰力の調整が幅広い範囲で可能なため、自動車のダンパーへ適用した場合、自動車の車体安定性を向上させると同時に、卓越した乗り心地を実現できるとされている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
磁気粘性流体は、最近では、高層ビル、一般の戸建住宅等の建造物の免震及び制振構造分野においても注目され、振動に対する構造物の応答加速度と応答変位との両方を低減させる目的で、ダンパーなどのエネルギー吸収部材に応用されつつある。この用途にMRダンパーを適用すると、降伏応力の制御範囲が広いため、建造物の揺れ度合いに応じた減衰力を発生することができ、地震発生時に、建造物の揺れを抑制することができる。
さらに、長期にわたり磁性粒子の沈降を抑制できる安定性に優れた磁気粘性剤組成物として、特定の基油と、特定の平均粒子径である特定の磁性粒子と、特定の沈降抑制剤と、を含有する磁気粘性剤組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2に記載の磁気粘性剤組成物では、磁性粒子の長期にわたる沈降抑制について、更なる改良が求められている。
<1> 磁性粒子(A)と、潤滑油基油(B)と、水添スチレン系ブロック共重合体(C)と、を含有する磁気粘性流体組成物。
<2> 前記磁性粒子(A)は鉄を含む金属粒子であり、前記鉄の含有率は、前記金属粒子の全質量に対して、98質量%以上である<1>に記載の磁気粘性流体組成物。
<3> 前記磁性粒子(A)の累積50%粒子径が0.05μm〜50μmである、<1>又は<2>に記載の磁気粘性流体組成物。
<4> 前記潤滑油基油(B)の40℃における動粘度が2mm2/s〜5000mm2/sである、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の磁気粘性流体組成物。
<5> 前記水添スチレン系ブロック共重合体(C)の重量平均分子量は、50,000〜900,000である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の磁気粘性流体組成物。
<6> 組成物の全質量に対して40質量%〜95質量%の前記磁性粒子(A)と、組成物の全質量に対して0.1質量%〜8質量%の前記水添スチレン系ブロック共重合体(C)と、を含む、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の磁気粘性流体組成物。
<7> 清浄剤、分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、極圧剤、及び摩擦調整剤から選ばれる少なくとも1つを含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の磁気粘性流体組成物。
なお、本明細書中、数値範囲を表す「〜」は、その上限値及び下限値としてそれぞれ記載されている数値を含む範囲を表す。また、数値範囲において上限値のみ単位が記載されている場合は、下限値も上限値と同じ単位であることを意味する。
本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率又は含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本発明の磁気粘性流体組成物は、少なくとも、磁性粒子(A)と、潤滑油基油(B)と、水添スチレン系ブロック共重合体(C)(以下、「特定ブロック共重合体(C)」ともいう。)と、を含有する。
磁気粘性流体組成物は、上記成分に加え、他の成分を含んでいてもよい。
この理由は、明らかではないが、以下のように推測される。
例えば、特許文献2に記載の沈降抑制剤は、分子内に4つのアミド基を有し、かつ、側鎖に特定のアルキル基を有するので、水素結合を駆動力としてミクロンオーダーの自己組織体を形成する。この自己組織体が基油中で広がり三次元ネットワーク構造を形成することで、磁性粒子の沈降を抑制していると推察される。これに対し、本発明の磁気粘性流体組成物は、高分子化合物である特定ブロック共重合体(C)を含むため、高分子鎖同士が絡まりあい、その特定の絡まりあい構造が磁性粒子の沈降を抑制すると考えられる。
高分子鎖同士の絡まりあい構造は、水素結合によるネットワーク構造に比べて、温度変化、水分、振動等の外部要因による影響を受けにくく、強固で安定的であると考えられる。
以下、本発明の磁気粘性流体組成物に含まれる各成分の詳細について説明する。
本発明の磁気粘性流体組成物は、磁性粒子(A)を含有する。
磁性粒子としては、例えば、鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を(好ましくは主成分として)含む金属粒子、並びに、窒化鉄、炭化鉄、フェライト及びマグネタイトから選ばれる少なくとも1種の化合物を(好ましくは主成分として)含み、かつ、強磁性を示す金属化合物粒子が挙げられる。
この中でも、磁性粒子としては、鉄を主成分とする金属粒子及びフェライトを主成分とする金属化合物粒子の少なくとも一方であることが好ましく、鉄を主成分とする金属粒子であることがより好ましい。
磁性粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
また、本明細書において、「主成分」とは、磁性粒子を構成する成分のうち質量割合が最も多い成分を意味し、好ましくは、磁性粒子を構成する成分の50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。
なお、本明細書中において、不純物とは、原材料に含まれる成分、または、製造の過程で混入する成分であって、意図的に金属粒子に含有させたものではない成分を指す。
鉄含有率が上記範囲である磁性粒子としては、カルボニル鉄が挙げられる。カルボニル鉄は、ペンタカルボニル鉄(Fe(Co)5)の熱分解により製造される高純度の金属粒子である。
累積50%粒子径が0.05μm以上であると、磁界印加時の降伏応力がより高く好ましい。
また、累積50%粒子径が50μm以下であると、基油中での磁性粒子の沈降をより遅くすることができる。また装置の摩擦部位の潤滑において、装置部材の摩耗をより少なくすることができる。
なお、本明細書において、累積50%粒子径とは、磁性粒子の全体積が100%となるような累積曲線を求めたときに、その累積曲線の累積値50%に対応する粒子径(μm)を意味する。
累積50%粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(装置名:SKマイクロアナライザーLMS−2000e:(株)セイシン企業製)により測定することができる。
各種のカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
樹脂としては、炭化水素系樹脂、ワックス、ポリエチレン、ポリメタクリレート等が挙げられる。
磁性粒子の含有率が、40質量%以上であると、磁界印加時に必要なせん断応力を得られる傾向がある。また、磁性粒子の含有率が、95質量%以下であると、磁気粘性流体組成物は、流体となりやすい傾向があり、装置への充填が行いやすく、磁気粘性流体としての機能を得られやすい。
本発明の磁気粘性流体組成物は、潤滑油基油(B)を含有する。
潤滑油基油は、磁気粘性流体組成物において、上記磁性粒子(A)と、後述の特定ブロック共重合体(C)の分散媒の役割を担う。
潤滑油基油を構成する基油成分としては、特に制限されず、鉱油系潤滑油基油成分であってもよく、合成系潤滑油基油成分又は植物油系潤滑油基油成分であってもよい。
鉱油系潤滑油基油成分としては、パラフィン系潤滑油基油及びナフテン系潤滑油基油が好適である。
ポリ−α−オレフィン基油の好適な製造方法としては、エチレンの低重合又はワックスの熱分解によって炭素数6〜18のα−オレフィンを合成し、このα−オレフィン2〜9単位を重合し、水添反応を行う方法が挙げられる。
また、ポリオールエステル及びコンプレックスエステルに用いられるモノカルボン酸としては、ヤシ油脂肪酸、ステアリン酸等の直鎖飽和脂肪酸、オレイン酸等の直鎖不飽和脂肪酸、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸などが好適に用いられ、ポリカルボン酸としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の直鎖飽和ポリカルボン酸が好適に用いられる。
また、鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油及び植物油系潤滑油基油から選ばれる2種以上の潤滑油基油を混合して使用してもよい。
また、潤滑油基油(B)の粘度指数は、50以上が好ましく、80〜200がより好ましい。
なお、潤滑油基油(B)の40℃における動粘度及び粘度指数は、日本規格協会JIS K2283(2000)「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により求めることができる。
基油の40℃における動粘度が2mm2/s以上であると、引火点が高くなる傾向があり、蒸発が抑えられ傾向にあるため、MR流体として好ましい。
また、基油の40℃における動粘度が5000mm2/s以下であると、粘稠性が低くなる傾向があり、磁気粘性流体組成物の製造時に基油中への磁性粒子の安定分散がより容易になる。
本発明の磁気粘性流体組成物は、水添スチレン系ブロック共重合体(C)(特定ブロック共重合体(C))を含有する。
本発明の磁気粘性流体組成物は、特定ブロック共重合体(C)を含むことで、磁性粒子の沈降を抑制することが可能となる。
水添スチレン系ブロック共重合体としては、ビニル芳香族化合物又はそのアルキル化誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマーと、共役ジエンから選ばれる1種以上のモノマーと、を共重合させたのち、水素化処理して得られるものが挙げられる。
共役ジエンから選ばれる少なくとも1種のモノマーの共重合割合は、水添スチレン系ブロック共重合体の全質量に対して、好ましくは30質量%〜80質量%であり、より好ましくは40質量%〜70質量%である。
水添スチレン系ブロック共重合体は、共役ジエンを共重合させた後に、水素化処理しているので、共役ジエンに由来する不飽和結合は少なくなる傾向にあるが、共役ジエンに由来する不飽和結合を有するものであってもよい。
共役ジエンに由来する不飽和度は低い方が好ましく、共役ジエンに基づく繰り返し単位の合計量に対して、不飽和結合を有する共役ジエンに基づく繰り返し単位が50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。
極性基を有するモノマーは1種単独であってもよく、2種以上を併用してもよい。
重量平均分子量が50,000以上であると、磁性粒子の沈降をより抑制することが可能となる。重量平均分子量が900,000以下であると、特定ブロック共重合体(C)が均一に溶解しやすく、磁気粘性流体組成物中で均一な分散状態を保つことが可能となる。
なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算による値である。
装置:Shodex GPC−101(昭和電工社製)
カラム:Shodex GPC LF−804(昭和電工社製)3本
検出器:示差屈折検出器
移動相:THF(テトラヒドロフラン)
流量:1ml/分
試料濃度:約1.0質量%/vol%THF
注入量:100μL
特定ブロック共重合体(C)の含有率が0.1質量%以上であると、磁性粒子の沈降をより抑制する傾向がある。また、特定ブロック共重合体(C)の含有率が8質量%以下であると、特定ブロック共重合体(C)が均一に溶解しやすく、磁気粘性流体組成物中で均一な分散状態を保つことが可能となる。
特定ブロック共重合体(C)は、1種を単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
長期安定性を確保する観点から、磁気粘性流体組成物は、潤滑油組成物に用いられる一般的な潤滑油添加剤を、更に含んでいてもよい。
潤滑油添加剤としては、例えば、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、極圧剤、摩擦調整剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、金属不活性化剤、防錆剤、消泡剤、着色剤等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の磁気粘性流体組成物は、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、極圧剤、及び摩擦調整剤から選ばれる少なくとも1種の潤滑油添加剤を含むことが好ましい。
潤滑油添加剤の合計配合割合としては、磁気粘性流体組成物の全質量に対して、好ましくは0質量%〜10質量%、より好ましくは0質量%〜8質量%、更に好ましくは0質量%〜6質量%である。
清浄剤としては、金属成分がカルシウムやマグネシウムである、スルホネート、フィネート、サリシレート等が挙げられる。
上記清浄剤は、特に機械内部が高温になる環境で使用される磁気粘性流体組成物に好適である。
分散剤としては、コハク酸イミド系無灰分散剤、コハク酸アミド系無灰分散剤、又はこれらのホウ素化誘導体などが挙げられる。
コハク酸イミド系無灰分散剤としては、ビスポリプロペニルコハク酸イミド、モノプロペニルコハク酸イミド、ビスポリブテニルコハク酸イミド、モノブテニルコハク酸イミド、ビスポリペンテニルコハク酸イミド、モノペンテニルコハク酸イミドなどのポリアルケニルコハク酸イミドなどが挙げられる。
コハク酸アミド系無灰分散剤としては、ポリプロペニルコハク酸アミド、ポリブテニルコハク酸アミド、ポリペンテニルコハク酸アミドなどのポリアルケニルコハク酸アミド等が挙げられる。
通常、これらの無灰分散剤におけるポリアルケニル基の重量平均分子量は、70〜50000程度である。
また、これらのホウ素化誘導体としては、ポリアルケニルコハク酸無水物を、ホウ酸、ホウ酸エステル、ホウ酸塩などのホウ素化合物及びポリアミンなどと反応させることにより得られる無灰分散剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、亜鉛系、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。
具体的には、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール等の単環フェノール系酸化防止剤、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−エチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6’−メチレンビス(2−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)等のビスフェノール系酸化防止剤、4,4’チオビス−(2,6−ジ−t−ブチル−フェノール)、4,4’チオビス−(2−メチル−6−t−ブチル−フェノール)等の硫黄含有フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン化合物、アルキルジフェニルアミン、アルキルナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、アルキルホスファイト、アリールホスファイト類等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。
摩耗防止剤としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、各種のリン酸エステル、チオリン酸エステル、各種リン酸エステルのアミン塩などが挙げられる。
極圧剤としては、炭化水素硫化物、硫化油脂、硫化オレフィン、硫黄、リン酸エステル、亜リン酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニルなどが挙げられる。
摩擦調整剤としては、有機モリブテン化合物、多価アルコール部分エステル系、アミン系、アミド系、硫化エステル、リン酸エステル、酸性リン酸エステルやそのアミン塩、ジオール類、オレイン酸、ステアリン酸、高級アルコール、アミン、エステル、硫化油脂、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルなどが挙げられる。
本発明の磁気粘性流体組成物は、上記の成分以外に、必要に応じて、磁性粒子の安定分散の目的で用いられる界面活性剤、磁性粒子の沈降抑制の目的から水添スチレン系ブロック共重合体以外の沈降抑制剤を配合することが可能である。
界面活性剤の具体例としては、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のエステル類などが挙げられる。
また、脂肪酸アミド、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレン誘導体、グリセリン誘導体、ひまし油誘導体、アンモニウム塩等が挙げられる。
各成分の混合順序は特に制限されるものではなく、プロペラタイプの高速撹拌機、プラネタリミキサー型の撹拌装置等が好ましく用いられ、撹拌時の磁気粘性流体組成物の温度は50℃〜100℃程度であることが好ましい。
得られた各磁気粘性流体組成物の性能を評価した。結果を表1〜表3に示す。
なお、40℃動粘度、粘度指数及び重量平均分子量は、既述の方法で測定及び算出したものである。表中の「−」は、当該成分を配合していないこと又は測定していないことを意味する。
(磁性粒子(A))
・カルボニル鉄粉:ペンタカルボニル鉄(Fe(Co)5)の熱分解物、鉄含有率;99.7質量%、累積50%粒子径;6.2μm
・潤滑油基油A:ポリ−α−オレフィン、40℃動粘度;5.2mm2/s
・潤滑油基油B:ジ−2−エチルヘキシルセバケート、40℃動粘度;11.57mm2/s、粘度指数:152
・潤滑油基油C:鉱油系潤滑油基油;API(米国石油協会)の基油カテゴリー グループI、40℃動粘度;33.73mm2/s、粘度指数;108
・潤滑油基油D:鉱油系潤滑油基油;API(米国石油協会)の基油カテゴリー グループIII、40℃動粘度;20.06mm2/s、粘度指数;122
・潤滑油基油E;鉱油系潤滑油基油;API(米国石油協会)の基油カテゴリー グループI、40℃動粘度は504.0mm2/s、粘度指数;97
・ポリマーA;スチレン−水素添加された1,4イソプレンーブロック共重合体、重量平均分子量;284,000
・ポリマーB;スチレン−水素添加された3,4ブタジエンーブロック共重合体、重量平均分子量は290,000
・ポリマーC;スチレン−水素添加された1,4イソプレンーエチレンーブロック共重合体、重量平均分子量;496,000
・ポリマーD;ポリメタアクリレート、重量平均分子量;275,000
・沈降抑制剤;下記式(1)で表される化合物
式(1)中、R1はベンゼンから4個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数8の飽和の脂肪族炭化水素基(2−エチルヘキシル基)であり、R3は炭素数18の不飽和の脂肪族炭化水素基(オレイル基)である化合物。
・極圧剤;硫化オレフィン
・界面活性剤;オレイン酸
・添加剤混合物;清浄剤(カルシウムスルフォネート)、分散剤(コハク酸イミド)、酸化防止剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、摩耗防止剤(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)、極圧剤(硫化オレフィン)、及び摩擦調整剤(硫化油脂)の混合物
・ヒュームドシリカ;日本アエロジル株式会社製、ジメチルジクロロシラン表面処理、ETによる比表面積;110m2/g±20m2/g、一次粒子の平均径;約16nm
(実施例1〜14及び比較例1〜6)
実施例1〜14及び比較例1〜6の磁気粘性流体組成物は、次の方法によって沈降特性を評価した。
10mlのガラス製メスシリンダーに、磁気粘性流体組成物を10ml入れ、室温(約20℃)にて648時間又は7296時間静置した。648時間又は7296時間後にメスシリンダーの上部に分離してきた分離油量[ml]を目視で読み取り、この数値を下記式(1)に代入して、分離率を求めた。結果を表1〜表3に示す。
これに対して、水添スチレン系ブロック共重合体(C)を含まない、比較例1〜比較例6の磁気粘性流体組成物は、磁性粒子の沈降抑制に劣っていた。
Claims (7)
- 磁性粒子(A)と、潤滑油基油(B)と、水添スチレン系ブロック共重合体(C)と、を含有する磁気粘性流体組成物。
- 前記磁性粒子(A)は鉄を含む金属粒子であり、前記鉄の含有率は、前記金属粒子の全質量に対して、98質量%以上である請求項1に記載の磁気粘性流体組成物。
- 前記磁性粒子(A)の累積50%粒子径が0.05μm〜50μmである、請求項1又は請求項2に記載の磁気粘性流体組成物。
- 前記潤滑油基油(B)の40℃における動粘度が2mm2/s〜5000mm2/sである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の磁気粘性流体組成物。
- 前記水添スチレン系ブロック共重合体(C)の重量平均分子量は、50,000〜900,000である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の磁気粘性流体組成物。
- 組成物の全質量に対して40質量%〜95質量%の前記磁性粒子(A)と、組成物の全質量に対して0.1質量%〜8質量%の前記水添スチレン系ブロック共重合体(C)と、を含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の磁気粘性流体組成物。
- 清浄剤、分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、極圧剤、及び摩擦調整剤から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の磁気粘性流体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017154476A JP6807813B2 (ja) | 2017-08-09 | 2017-08-09 | 磁気粘性流体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017154476A JP6807813B2 (ja) | 2017-08-09 | 2017-08-09 | 磁気粘性流体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019033221A JP2019033221A (ja) | 2019-02-28 |
JP6807813B2 true JP6807813B2 (ja) | 2021-01-06 |
Family
ID=65523671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017154476A Active JP6807813B2 (ja) | 2017-08-09 | 2017-08-09 | 磁気粘性流体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6807813B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7288560B1 (ja) * | 2021-11-18 | 2023-06-07 | ソマール株式会社 | 磁気粘性流体及び機械装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2124497A1 (en) * | 1993-06-10 | 1994-12-11 | David Anthony Slack | Polymer enhanced grease compositions |
US7217372B2 (en) * | 2000-05-03 | 2007-05-15 | Lord Corporation | Magnetorheological composition |
JP2002327188A (ja) * | 2001-04-27 | 2002-11-15 | Kanto Kasei Kogyo Kk | 非油分離性潤滑剤組成物 |
JP5284148B2 (ja) * | 2009-03-13 | 2013-09-11 | コスモ石油ルブリカンツ株式会社 | 工業用作動油組成物 |
JP6560073B2 (ja) * | 2015-09-16 | 2019-08-14 | コスモ石油ルブリカンツ株式会社 | 磁気粘性流体組成物 |
JP6598641B2 (ja) * | 2015-11-04 | 2019-10-30 | コスモ石油ルブリカンツ株式会社 | 磁気粘性流体組成物 |
-
2017
- 2017-08-09 JP JP2017154476A patent/JP6807813B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019033221A (ja) | 2019-02-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6807814B2 (ja) | 磁気粘性流体組成物 | |
JP6353840B2 (ja) | 緩衝器用潤滑油組成物 | |
JP6055737B2 (ja) | 緩衝器用潤滑油組成物 | |
JP2010535276A (ja) | 改善された脱泡性を有する異性化基油の金属加工流体組成物及びその調製 | |
JP2010535275A (ja) | 改善されたミスト防止性を有する異性化基油の金属加工流体組成物及びその調製 | |
CN101063062B (zh) | 纳米球形添加剂和含有该纳米球形添加剂的润滑剂组合物 | |
KR20130130016A (ko) | 그리스 조성물 | |
JP6465437B2 (ja) | 磁気粘性剤組成物 | |
JP2014019713A (ja) | 緩衝器用潤滑油組成物 | |
JPWO2018030090A1 (ja) | 潤滑グリース組成物 | |
JP6598641B2 (ja) | 磁気粘性流体組成物 | |
EP2015319B1 (en) | Magnetorheological fluid with a fluorocarbon thickener | |
JP5907743B2 (ja) | 緩衝器油組成物 | |
JP6692146B2 (ja) | 磁気粘性流体組成物 | |
JP6807813B2 (ja) | 磁気粘性流体組成物 | |
WO2014030608A1 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP5441480B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
WO2015025976A1 (ja) | 緩衝器用潤滑油組成物 | |
WO2013055419A1 (en) | Gear lubricant | |
KR20200096240A (ko) | 윤활제 조성물 및 그 윤활제 조성물을 함유하는 윤활유 조성물 | |
JP6560073B2 (ja) | 磁気粘性流体組成物 | |
JP5476077B2 (ja) | 樹脂潤滑用グリース組成物 | |
JP2024143641A (ja) | 磁気粘性流体組成物 | |
JP6857317B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP5476076B2 (ja) | 樹脂潤滑用グリース組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201208 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6807813 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |