JP6800008B2 - 樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
[1]ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)と、式(1)で表されるエステル化合物(B)とを含み、
成分(A)/成分(B)[重量比]が70/30〜97/3であることを特徴とする樹脂組成物。
R1OOC−(CH2)m−COOR2 (1)
[R1及びR2は、互いに異なって、それぞれ式(2)で表される基を示す。mは0〜8の整数を示す。]
−(R3O)nR4 (2)
[R3は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。R4は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基又は炭素数7〜15のアルキルアリール基を示す。nは、0〜6の整数を示す。]
[2]ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)の含有量が20重量%以上である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)及びポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート)からなる群より選択される少なくとも一種である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)及びエステル化合物(B)100重量部に対して充填材(C)を1〜50重量部含有する、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[5]エステル化合物(B)が、ベンジルメチルジエチレングリコールアジペート及びベンジルメチルジプロピレングリコールアジペートからなる群より選択される少なくとも一種である、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[6]成形体である、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物は、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー自体と比較して成形性が悪化することなく、特定の化合物を含むにも関わらずそのブリードアウトが抑制されており、さらに引き裂き強度が改善されている。
本発明の樹脂組成物におけるポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)は、3−ヒドロキシアルカノエートを必須のモノマー成分として含有するコポリマーである。特に、下記一般式(3)で示される繰り返し単位を含むコポリマーであることが好ましい。
[−CHR−CH2−CO−O−] (3)
本発明の樹脂組成物におけるエステル化合物(B)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
R1OOC−(CH2)m−COOR2 (1)
−(R3O)nR4 (2)
本発明の樹脂組成物における充填材(C)としては、特に限定されず、例えば、無機充填材、有機充填材のいずれも使用することができる。充填材(C)を含有することにより、樹脂組成物の機械物性向上や表面平滑性、金型転写性向上等の成形上のメリットを享受できる傾向がある。
本発明の樹脂組成物は、上記ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)、エステル化合物(B)、更に必要に応じて充填材(C)の他に、酸化防止剤;紫外線吸収剤;染料、顔料などの着色剤;可塑剤;滑剤;無機充填材;有機充填材;または帯電防止剤などの他の成分を含有してもよい。これらの他の成分の添加量としては、本発明の効果を損なわない程度であればよく、特に限定されない。
本発明の樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形体は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法を適用することにより製造することができる。例えば、まず、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)、エステル化合物(B)、更に必要に応じて充填材(C)や他の成分を添加し、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練して、まずは樹脂組成物を作製し、それをストランド状に押し出してからカットすることにより、円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状などの粒子形状の樹脂組成物からなるペレットを得ることができる。
国際公開第2013/147139号に記載の方法に準じ、KNK−631株および炭素源としてパーム核油を用いて、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマーであるP3HB3HHを得た。重量平均分子量は65万、3HH組成は11.4モル%であった。
[ポリ乳酸]
NatureWorks社製Ingeo 4043D
[ポリブチレンサクシネート;PBSと称する場合がある]
昭和電工社製ビオノーレ 1001MD
[エステル化合物(B)]
エステル化合物−1:ベンジルメチルジエチレングリコールアジペート(大八化学工業社製DAIFATTY−101)
エステル化合物−2:グリセリンジアセトモノラウレート(理研ビタミン社製リケマールPL−012)
エステル化合物−3:アセチルクエン酸トリブチル(旭化成ファインケム社製ATBC)
エステル化合物−4:ジイソノニルアジペート(DIC株式会社製モノサイザーW−242)
[充填剤(C)]
充填材−1:炭酸カルシウム(白石カルシウム社製RK−75NC)
充填材−2:シリカ(東ソー・シリカ社製Nipsil LP)
(樹脂組成物の製造)
ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)としてP3HA−1、エステル化合物(B)としてエステル化合物−1を、表1に示した配合比率(以下、表中の配合比は、重量部を示す)で、同方向噛合型2軸押出機(東芝機械社製:TEM−26SS)を用いて、シリンダー設定温度140〜160℃、スクリュ回転数100rpmで溶融混練し、樹脂組成物を得た。この際、樹脂温度(ダイスから出てくる溶融した樹脂を直接K型熱電対で測定)は162℃であった。溶融した樹脂組成物をダイスからストランド状に引き取り、ペレット状にカットした。得られたペレットを80℃で除湿乾燥し、水分を除去した。
上記で得られたペレットを原料として、横幅が150mm、リップ幅が0.25mmのT型ダイスを装着した単軸押出機(東洋精機製作所製:20C200型ラボプラストミル)を用いて、シリンダー設定温度は140〜160℃、チルロールの設定温度は47℃として、厚み100μmのフィルムを得た。この際の成形性および得られたシートについて、以下の評価を行なった。結果を表1に示した。
前記成形体の製造において、得られたペレットを押出機に投入した際に、ペレットがスクリュに食い込む場合を○(成形性良好)、食い込まない場合を×(成形性不良)と評価した。
フィルムを23℃、湿度50%雰囲気下にて1ヶ月保存した後、フィルムを重ね合わせた際にフィルム同士がくっつかない場合を○(ブリードアウトがない又は抑制されている)、くっつく場合を×(ブリードアウトが顕著である)とした。
フィルムを23℃、湿度50%雰囲気下にて1ヶ月保存した後、エルメンドルフ引き裂き強度測定器(熊谷理機工業社製)を用い、JIS 8116に準拠して、MD方向の引き裂き強度を測定した。
樹脂組成物の配合比を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物のペレットおよびフィルムを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
なお、PLAやPBSを用いた場合(比較例)は、溶融時のシリンダー設定温度を200℃、水槽及びチルロールの設定温度を30℃としてペレット及びフィルムを作製した。評価結果を表1に示す。
エステル化合物−2またはエステル化合物−3またはエステル化合物−4を使用している比較例2と4と5は、エステル化合物がフィルムからブリードアウトしているためフィルム同士がくっついてしまった。エステル化合物−2の量が少ない比較例3は、ブリードアウトしていないが、引き裂き強度の改善効果が小さい。エステル化合物−1が過剰量となっている比較例4は、エステル化合物がペレットからブリードアウトしているため押出機のスクリュに食い込まずフィルムを作製できなかった。PLAとエステル化合物−1の組み合わせである比較例5は、得られたペレットがブロッキングしているため押出機のスクリュに食い込まずフィルムが作製できなかった。PBSとエステル化合物−1の組み合わせである比較例6は、PBSのみの比較例7よりも引き裂き強度が低下している。更にエステル化合物がフィルムからブリードアウトしているためフィルム同士がくっついてしまった。
このように本発明の樹脂組成物は、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマーからなる成形体の欠点である引き裂き強度が改善されるとともに、フィルム成形などの成形性を悪化させず、またブリードアウトが起こり難いことがわかる。
Claims (5)
- ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)と、エステル化合物(B)とを含み、
前記エステル化合物(B)が、ベンジルメチルジエチレングリコールアジペート及びベンジルメチルジプロピレングリコールアジペートからなる群より選択される少なくとも一種であり、
成分(A)/成分(B)[重量比]が70/30〜97/3であることを特徴とする樹脂組成物。 - ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)の含有量が20重量%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)及びポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー(A)及びエステル化合物(B)100重量部に対して充填材(C)を1〜50重量部含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 成形体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
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