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JP6799854B2 - 無機繊維の生体溶解性評価装置および評価方法 - Google Patents

無機繊維の生体溶解性評価装置および評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、無機繊維の生体溶解性評価装置および評価方法に関し、特に、無機繊維の生体溶解性を生体外で簡便にかつ生体内環境により近い条件で評価することができる無機繊維の生体溶解性評価装置および評価方法に関する。
従来、耐熱性のシール材等としてアスベストが使用されていた。しかし、アスベストは人体に吸入されて肺に疾患を引き起こす肺毒性を有するため使用が禁止され、これに代わりにセラミック繊維等の無機繊維が使用されている。セラミック繊維等は、耐熱性がアスベストに匹敵する程高く、適切な取り扱いをすれば健康上の問題はないと考えられているが、より高い安全性が求められている。
そこで、人体に吸入されても問題を起こさないまたは起こしにくい生体溶解性繊維を目指して、様々な無機繊維の開発が行われている(特許文献1〜5参照)。
このような無機繊維の生体安全性は、その肺毒性を指標として評価されている。これまでの知見により、無機繊維の肺毒性は、その細さ(吸入性)、長さ(生体内保持・蓄積性)および生体残留性(非分解性)に依存すると考えられている。具体的には、繊維が細い程(1μm以下)、また、繊維が長い程(10μm以上)、肺胞内に繊維が滞留・蓄積するため、肺毒性が大きいと言われている。
例えば、EUでは人造鉱物繊維の使用に関する規制区分が定められており、発癌性を有する繊維は使用禁止、発癌性を有する可能性のある繊維については使用を制限する方向で進められている(EU 指令97/69/EC)。本指令において、使用制限のない安全な「生体溶解性繊維」と認められるためには、所定の動物実験(繊維の溶解性に関する試験または発がん性に関する試験)により基準を満たしていることを示さなければならない。
特開第2012−148947号公報 特開第2016−037427号公報 特開第2009−120998号公報 特開第2004−183154号公報 特開第2003−089547号公報
しかしながら、上記のEU指令において「生体溶解性繊維」と認められるための発がん性に関する試験では、腹膜内投与試験もしくは長期吸入試験による発癌性・腫瘍性評価が必要とされるため、上市を目指すすべての繊維製品について実施するには時間的な負担や経済的な負担が大きい。また、繊維の溶解性に関する試験では、短期吸入試験または気管内注入による短期の生体内滞留試験が行われるが、吸入試験の実施には特殊な装置や設備を要し、経済的な負担を伴う。さらに、これら動物実験の結果をどの程度ヒトに適用し得るのかという根本的な問題や動物愛護の観点などからも、動物実験の代替となり得る生体外での無機繊維の肺毒性評価方法の確立が望まれている。
この点、特許文献1〜5では、これらの文献で提案されている無機繊維の生体溶解性を評価する簡易的な方法として、生理食塩水や疑似体液が用いられている(例えば、特許文献1の表2、特許文献3の表2参照)。しかしながら、体液は無機塩の他にタンパク質・有機酸等の有機物を含んでおり、これらの成分が生体内における無機繊維の溶解性に影響を及ぼす(主として溶解速度を低下させる)ことは広く知られている。疑似体液として単純な生理食塩水を用いる場合、体内よりも無機繊維の溶解速度は大きいと推測される。すなわち、実際よりも無機繊維の溶解性を過大に評価する可能性があり、安全性の観点からは望ましくない。そのため、これらの文献および他の先行研究において、タンパク質や有機酸の代替成分としてグリシンやクエン酸等の特定の低分子量有機化合物が添加されている。また、防腐性を付与する目的でホルムアルデヒドやメタノールが添加されるなど、その組成はヒトの体液組成とはかけ離れていた。また、これまでの生体外での評価手法では、気道内環境や肺胞内環境等、ヒトの呼吸器系の特徴についてはほとんど考慮されておらず、肺毒性の評価を行うための条件として生体内の環境を十分に再現できておらず、動物実験の代替として採用するためにはさらなる改善の余地があった。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、無機繊維の生体溶解性を生体外で簡便にかつ生体内環境により近い条件で評価することができる無機繊維の生体溶解性評価装置および評価方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の一局面では、無機繊維の生体溶解性を評価する装置であって、
鉛直方向に延びる中空の本体部と、
前記本体部の上端に配設された疑似体液供給部材と、
前記本体部の下端に配設され、直径20μm以下の円筒状の孔を有する分離膜を含むフィルタ部材と
を備え、
前記本体部の雰囲気ガスが、酸素濃度16〜20%、二酸化炭素濃度4%であり、
前記疑似体液供給部材から供給される疑似体液が前記分離膜上に載置された無機繊維試料に滴下されることを特徴とする無機繊維の生体溶解性評価装置が提供される。
ここで、前記分離膜がトラックエッチング膜であってもよい。
また、前記疑似体液が、細胞培養液を主成分とし、細胞培養用血清を添加成分として含んでもよい。
また、前記疑似体液が、10〜100mL/dの速度で滴下されるように制御されてもよい。
また、本発明の別の局面では、前記無機繊維の生体溶解性評価装置を用いて、前記分離膜上に載置された無機繊維試料に疑似体液を滴下し、前記分離膜上に残留した無機繊維試料を定量することを特徴とする無機繊維の生体溶解性評価方法が提供される。
本発明によれば、生体外で簡便にかつ生体内環境により近い条件で評価することができる無機繊維の生体溶解性評価装置および評価方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る無機繊維の生体溶解性評価装置の模式図。 実施例の試験例1について、疑似体液の滴下速度10mL/dでの7日間の滴下試験前後の試料Fの電子顕微鏡(Mini−SEM)観察結果。上段:試験前、下段:試験後。 実施例の試験例2について、疑似体液の滴下速度10mL/dでの7日間の滴下試験前後の試料Iの電子顕微鏡(Mini−SEM)観察結果。上段:試験前、下段:試験後。 試料Fおよび試料Iにおける、滴下速度10mL/dでの滴下期間と試料減率との関係をプロットしたグラフ。 試料Fにおける総滴下量と試料減率との関係をプロットしたグラフ。 試料Iにおける総滴下量と試料減率との関係をプロットしたグラフ。 実施例の試験例2における滴下速度10mL/dでの結果を反応速度論についての関係式に適用して得られたグラフ。 滴下期間と溶解速度定数(μg/cm・d)との関係をプロットしたグラフ。 滴下期間を7日間として滴下速度を変化させた場合の、1日当たりの滴下量と溶解速度定数(ng/cm・h)との関係をプロットしたグラフ。
以下、本発明の実施形態について、必要に応じて、添付の図面を参照して例示の実施例により説明する。
ヒトの呼吸器系の構造(例えば、US EPA(2004) Air quality criteria for particulate matter. EPA report no. EPA/600/P-99/002aF参照)においては、一般に、有効径が5μmより大きな粒子は上気道に、1〜5μmの粒子は下気道に沈着し、粘膜線毛の「粘液(粘膜線毛)エスカレータ」と呼ばれる働きにより気道上部へと排出される。その排出スピードは、気管でおよそ1cm/min、上部気管支で1mm/min、下部気管支で0.5mm/minであるとされている(津田修治、6.6 呼吸器毒性、日本トキシコロジー学会教育委員会編「トキシコロジー」pp.175-185、朝倉書店、東京、2002)。肺胞内には粘液層はなく、マクロファージが生体防御を担う。すなわち、肺胞内に到達した異物をマクロファージが貪食し、消化(分解)する。マクロファージの大きさは10〜20μmであり、通常は、それよりも大きな粒子・繊維はマクロファージに貪食されないため、分解されず肺胞内に滞留する。したがって、一般に、長さが20μm以上の粒子・繊維は、より長期間生体に対して影響を及ぼし得るため、毒性が高いと考えられている。上記のEU指令における無機繊維の生体内溶解性に関する試験でも、(動物体内に吸入/注入された試料には様々な長さの繊維が含まれているが)長さ20μm以上の繊維を対象として動物体内における半減期を求めることとされている。
無機繊維の繊維長は20μm以上の場合が多いため、繊維の生体溶解性がその肺内滞留性を決める主因子であると考えられている。繊維構成成分としてアルカリ金属・アルカリ土類金属の含有量が多いものは、肺胞内で溶解・断片化するため滞留性が低く、「生体溶解性」繊維とされている。しかし、上述したように、肺胞内における繊維の除去機構には繊維の物理化学的「溶解」と、マクロファージの関与する「分解」の二つのプロセスがある。マクロファージは異物を貪食し、細胞内で分解するだけでなく、細胞外へ活性酸素種を放出するため、長さ20μm以上の繊維についてもマクロファージによる分解促進は起こり得る。
したがって、無機繊維の肺内滞留性を生体外で評価する手法の確立にあたっては、次の二つのアプローチが考えられる。
1) 気道内環境における無機繊維の溶解性評価
2) 肺胞内環境(マクロファージ)による無機繊維の分解性評価
さらに、2)においては、実際にマクロファージを用いる手法と、マクロファージの放出する活性酸素を人為的に添加する、細胞を用いない手法が考えられる。これまでの概観から、2)の方が実際の肺胞内環境をより忠実に再現しているともいえるが、無機繊維の生体安全性という観点からは、1)で繊維の溶解性が確認されれば、2)の分解が生体内で生じても生じなくても、生体内における繊維の滞留性は低いことが推測される。そこで、本発明者は、1)について鋭意検討した結果、より簡便にかつ気道内環境により近い条件で無機繊維の生体溶解性を生体外で評価できる手法として、本発明を完成するに至った。
このように、本発明は、上記のような課題を解決したものであり、無機繊維の生体溶解性を生体外で簡便にかつ生体内環境により近い条件で評価することができる装置および評価方法としてこれまでに提案されていなかった新たなコンセプトを提供するものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る無機繊維の生体溶解性評価装置の模式図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る無機繊維の生体溶解性評価装置1(以下、単に「評価装置1」とも称する。)は、鉛直方向に延びる中空の本体部2と、本体部2の上端21に配設された疑似体液供給部材3と、本体部2の下端22に配設され、直径20μm以下の円筒状の孔を有する分離膜42を含むフィルタ部材4とを備えている。
本体部2は、中空の略筒状に形成されており、上端21および下端22が開口されている。本体部2を構成する材料としては、特に制限されないが、例えばプラスチック材、ガラス材、金属材料等を用いることができる。
本体部2の上端21には、疑似体液供給部材3が配設されている。本実施形態では、疑似体液供給部材3は、本体部2の開口した上端21を封止する封止部材としての役割も果たしている。疑似体液供給部材3は、図1の図中に拡大して示すように、上下方向に貫通した貫通孔31を有し、貫通孔31には、後述する疑似体液が送液される送液管32が挿入されている。送液管32の一方の端部32aは本体部2の内部に配置され、もう一方の端部は送液手段6を介して疑似体液を貯留する貯留手段7に接続されている。これにより、貯留手段7に貯留された疑似体液は、送液手段6によって送液管32内を通過して、端部32aから滴下可能とされている。このようにして、本実施形態に係る評価装置1では、疑似体液供給部材3から供給される疑似体液が分離膜42上に載置された無機繊維試料5に滴下される。
本体部2の下端22には、フィルタ部材4が配設されている。フィルタ部材4は、基体41と、基体41に配置された分離膜42とを含んでいる。分離膜42は、直径20μm以下の円筒状の孔を有する。分離膜42としては、孔径の均一性が高いものが好ましく、例えば、トラックエッチング膜を用いることができるが、これに限定されない。なお、分離膜42の孔径は、上述したヒトの呼吸器系の構造や欧州での認定基準に基づけば、20μm程度であることが好ましく考慮されるが、20μm以下(例えば、15μm、12μm、10μm、8μm、5μm)であってもよい。また、評価対象とする無機繊維試料5の繊維径分布が予めわかっている場合には、当該繊維径分布を考慮して分離膜42の孔径を適宜調整することもできる。
一般的なろ過膜(例えば、メンブレンフィルタ)では、多数の微小孔が形成された膜表面で粒子を捕捉するため、ケーキ形成を生じ、当該膜が有する孔径よりも小さな粒子も捕捉される。一方、本発明で使用する分離膜42、例えばトラックエッチング膜は、円筒状の孔構造を有するため、孔内部で閉塞は生じ得るが、通常ケーキは形成されない。一般的なろ過では、粒子を捕捉することが目的のため、孔径より大きな粒子が確実に捕捉されれば、孔径より小さな粒子が捕捉されても問題にはならない。これに対して、本発明では、孔径の均一性が高い分離膜42を用い、孔径より小さな粒子の捕捉率を低くすることにより、孔径よりも大きな粒子のみをより確実に捕捉する。
なお、本実施形態では、フィルタ部材4の下端に、無機繊維試料5、分離膜42を通過した疑似体液を回収する回収手段8が配設されている。
本実施形態に係る評価装置1では、本体部2の雰囲気ガスは、酸素濃度16〜20%、二酸化炭素濃度4%とされている。本体部2の雰囲気ガス条件は、単に、生体内の気道内ガス環境により近い条件とする観点だけでなく、無機繊維試料5に滴下される疑似体液のpHを適切に調整する観点からも、考慮されるべき重要な要素のひとつである。
体液のpHは炭酸緩衝系により7.4に保たれており、生体内(生体組織中)の酸素濃度は20%、二酸化炭素濃度は5%である(なお、大気中では、酸素濃度20%、二酸化炭素濃度0.04%である)。一方、気道内や肺胞内ではガス交換が行われるため、酸素濃度、二酸化炭素濃度共に体内および大気中の値とは異なる。ヒトの呼気中での測定値は、酸素濃度は約16%、二酸化炭素濃度は約4%である。したがって、本実施形態に係る評価装置1においては、本体部2の雰囲気ガスは、酸素濃度16〜20%、二酸化炭素濃度4%とする。
また、本実施形態に係る評価装置1では、上述した本体部2の雰囲気ガス条件と相関する条件として、疑似体液の組成が調整される。
気道粘膜表面には粘液層があり、気道液が1日当たり10〜100mL分泌されている(玉置淳、日呼吸会誌 36 (1998) 217-223)。気道液成分としては、水(84〜94%)、タンパク質(1〜5%)、脂質(0.8〜3.1%)、炭水化物(0.9〜1.1%)、無機塩(0.7〜1.1%)という報告(同上)や、水95%、核酸0.028%、タンパク質1%、脂質0.84%、炭水化物0.95%、無機物質1.13%という報告(臨床検査法提要(改訂第31版) p.1736、金原出版、1998)があるが、詳細な調査例は本発明者が知る限りにおいて存在しない。また、粘液の主成分は分子量20万〜200万の糖タンパク質ムチンであり、微粒子の沈着・排出、抗菌効果があることが知られている。
従来の無機繊維の溶解性試験で使用されていた疑似体液や生理食塩水の組成は、特許文献1や3のほかに、例えば、Seal A., et. al., Ann Occp. Hyg. 43 (1999) 143-153.およびPotter R. M. and Mattson S. M., Glastech. Ber. 64 (1991) 16-28.などの文献を参照することができる。これらの従来の疑似体液や生理食塩水の組成は、上述したように、腐敗を避けるためにホルムアルデヒドやメタノールを加えたり、タンパク質や有機酸の役割をグリシンやクエン酸などの特定の低分子量有機化合物で代替したり、さらには、繊維の溶解を促進するために硫酸が添加されたりするなど、実際の体液組成とはかけ離れていた。
このような状況に鑑み、本発明の一実施形態では、疑似体液は、細胞培養液を主成分とし、細胞培養用血清を添加成分として含むことが好ましい。細胞培養液としては、例えば、E−MEM、α−MEM等が挙げられるが、これらに限定されない。E−MEMはヒト血漿組成を基に開発されており、その塩類組成はヒト血漿組成とほぼ等しい。このE−MEMを基に他の細胞培養液を開発されている。本用途のためには、体液のpH挙動と一致するように、炭酸塩濃度が体液とほぼ等しい溶液を用いることが望ましい。また、細胞培養用血清としては、例えば、動物由来の血清が挙げられ、例えば、ウシ胎児血清(FBS)、ウシ血清、ウマ血清、ヒツジ血清、ヤギ血清、ブタ血清等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本実施形態に係る評価装置1では、疑似体液は、10〜100mL/dの速度で滴下されるように制御される。これにより、評価装置1において、気道液の分泌量の要素と併せて気道内環境がより忠実に再現され、生体内環境により近い条件での無機繊維の生体溶解性の評価が可能となる。
以下、上記に例示されるような評価装置を用いて無機繊維の生体溶解性を評価する方法について説明する。
一実施形態において、上記の無機繊維の生体溶解性評価装置1を用いて、分離膜42上に載置された無機繊維試料5に疑似体液を滴下し、分離膜42上に残留した無機繊維試料を定量する。
評価装置1において生体溶解性が評価される無機繊維試料5としては、例えば、セラミック繊維、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ウォラストナイト(ケイ酸カルシウム繊維)、ロックウール等が挙げられるが、これらに限定されない。中でも、耐熱性に優れる繊維を試料とすることが好ましく、例えば、セラミック繊維が挙げられる。
本実施形態では、疑似体液供給部材3から供給される疑似体液が分離膜42上に載置された無機繊維試料5に滴下される。
本発明において、分離膜42上へ疑似体液を滴下する方式を採用した理由は、気道内は完全湿式(液体中)環境ではなく、吸入された繊維は気道粘膜上に吸着した半湿潤(乾燥)状態になると考えられるためである。
無機繊維の生体溶解性を評価する従来の手法のひとつとして、特許文献3〜5に記載されるような振とう試験法がある。この振とう試験では、典型的には、所定の組成を有する疑似体液もしくは生理食塩水が収容された容器に繊維試料が入れられ、所定の速度・時間で水平振とうが行われた後、溶解せずに残留した繊維試料の質量を測定することにより、試験前後の質量減少率が算出される。このような振とう試験法は、ある溶液に対する繊維の溶解性を簡易的に評価する手法としては有用であるが、上記のような生体安全性を担保するための動物実験を代替し得る方法ではない。無機繊維の溶解には、用いる疑似体液の組成に加え、繊維と接する液量が重要である。実際の気道・肺胞内の状況である半湿潤状態では、完全湿式(液体中への浸漬)と比較して接する液量が少ないため、すぐに飽和し、溶解速度は小さくなると推測される。したがって、完全湿式状態にさらに振とうを加えた試験方法では、実際の生体内よりも無機繊維の溶解性を過大に評価する恐れがある。生体外における試験結果よりも実際の体内における溶解速度が小さいということは、無機繊維の生体内滞留性が増加し、肺毒性を引き起こす可能性が大きくなる、ということである。すなわち、生体に対するリスクを過少評価することになり、生体安全性を担保するための試験という観点からは、このようなリスクの過少評価につながる試験条件は取り入れるべきではない。
また、本発明において、分離膜42上へ疑似体液を滴下する方式を採用した別の理由は、上述したように、20μm以下の粒子・繊維については、肺胞内でマクロファージによる貪食・分解作用により除去され、生体内蓄積性はほぼないと考えられるためである。このことは、上記のEU指令における「生体溶解性」確認試験方法からも支持され得るものである。つまり、本発明に係る無機繊維の生体溶解性の評価方法の特徴のひとつは、疑似体液に対する無機繊維試料の溶解性を、分離膜上に残留した試料の質量減量として求めることにある。
この点に関して、例えば、特許文献1、2では、メンブレンフィルタ上に置かれた繊維試料に所定の組成を有する生理食塩水を滴下し、繊維試料およびフィルタを通ったろ液を回収し、このろ液に含まれる繊維の溶出成分をICP発光分析装置により定量し、繊維試料の溶解度を算出している。このような液体試料中の成分分析には、高価な分析装置を必要とすることに加え、試料調製やデータの解析等の手間を要し、また実験者の技量等も影響し得る。同時に、直径20μm以下の粒子・繊維についても、溶解/残留分を求めることになる。仮に、生体内での分解挙動として、溶解に伴い直径20μm以下の粒子に崩壊する無機繊維を想定する。生体内では、直径20μm以下の粒子はマクロファージにより除去されるため、このような分解挙動を示す無機繊維の肺内滞留性は低い(すなわち、生体溶解性は高い)。しかし、従来法(溶出成分の化学的定量)では、直径20μm以下の粒子であっても残留分として測定されるため、実際よりも生体溶解性は低く判定される。一方、本発明では、直径20μm以下の円筒状の孔を有する分離膜を用いることにより、分離膜上に残留した繊維試料の残留率から、より簡便に繊維試料の生体溶解性を評価するものである。したがって、このような分解挙動を示す繊維の場合も、直径20μm以下の粒子は分離膜上に残留しないため、より実際の状態に近い結果が得られると考えられる。
分離膜上に残留した繊維試料は、一般に公知の手法を適用して定量することができる。例えば、残留した繊維試料を分離膜から取り出し、適切な溶媒で適宜洗浄し、乾燥させた後、その質量を測定し、試験前の質量からの減少率を算出して、繊維試料の生体溶解性を評価することができる。本法では、試料が無機繊維であることを活かし、試料を純水で洗浄(吸着した無機塩を除去)後、分離膜ごと高温で処理することにより有機物を除去し、簡便に無機繊維のみの重量測定を可能にした。
このように、本発明の評価装置および評価方法によれば、無機繊維の生体溶解性を生体外で簡便にかつ生体内環境により近い条件で評価することができ、汎用性も高いので、動物実験の代替として、あるいは動物実験を実施する前のスクリーニング法として実用性に優れていると考えられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例では、図1に例示した評価装置1において、本体部2としてガラス製のシリンジ、疑似体液供給部材3としてゴム栓と送液チューブ、フィルタ部材4の分離膜42としてポリカーボネート製のトラックエッチング膜(直径25mm、孔径10μm。以下、単に「フィルタ」とも称する。)を用いて、無機繊維の生体溶解性評価装置を構成した。いずれも、オートクレーブやエチレンオキサイドガス等汎用的な滅菌法による滅菌が可能である。供給瓶に疑似体液を貯留し、ローラーポンプを用いて送液チューブを通して疑似体液がフィルタ上に滴下されるようにした。フィルタ部材の下端には、繊維試料、フィルタを通過した疑似体液を回収するための回収瓶を配置した。シリンジ内の雰囲気条件としては、37℃、酸素濃度16%、二酸化炭素濃度4%の半湿潤環境とした。
疑似体液としては、血清を添加した細胞培養液(E−MEM+10%FBS)を用いた。ヒト血漿(生化学辞典(第3版)、東京化学同人(1998)、p.734参照)と比較した疑似体液の主要成分の組成を以下の表1に示す。タンパク質濃度がヒト血漿での約1/10である点を除いて、本実施例の疑似体液がヒト血漿の主要成分とほぼ合致していることがわかる。また、前述した気道液の組成例とも、よく一致している。
<試験例1>
繊維試料として、生体溶解性が確認されている市販の繊維製品「ファインフレックス(登録商標)−E」(ニチアス製。以下、「試料F」とも称する。)を用いた。
プレス圧力210kg/cmで2回プレスを行って粉砕した0.1gの試料Fを、2mLの10%FBSでフィルタ上にロードし、疑似体液の滴下速度を10〜100mL/dの範囲に設定して、7日間滴下した。その後、フィルタ上に残留した試料を2mLの超純水で洗浄し、るつぼを用いて830℃で3h熱処理して有機物を除去した。この試料の質量を測定し、試験前の質量からの減少率(以下、「試料減率」とも称する。)を算出した。
その結果、疑似体液の滴下速度が10〜約50mL/dの範囲において、1日当たりの滴下量の増加に伴い試料減率がほぼ直線的に増加する傾向が確認された。これより、本実施例で用いた装置構成および試験条件では、疑似体液の滴下速度の適用範囲は、最大で50mL/dであることが示唆された。
ここで、疑似体液の滴下速度が遅い程試料減率が低いということは、実際の生体内環境において、気道液の分泌量が少ない個体での繊維の溶解性が低く、肺毒性のリスクがより高いことを意味している。したがって、本実施例で用いた装置構成および試験条件では、安全性の観点を考慮した疑似体液の滴下速度のより厳しい設定値としては、10mL/dを採用することが望ましいことが示唆された。
なお、生体内で気道液中に分泌され粘液層を構成するムチンの影響を考慮し、上記の疑似体液に増粘剤を添加して同様の滴下試験を行った結果、試料Fを用いた滴下速度10mL/dの条件では、増粘剤の添加による影響はほとんど見られないことが確認された。
また、製造元の資料によれば試料Fの平均繊維径は4μmであると報告されているため、繊維長がフィルタ孔径(10μm)以上であってもフィルタを通過する可能性がある。つまり、試料減率として、疑似体液に溶解しない状態でフィルタを通過した試料(摺り抜け試料)も含まれている可能性がある。そこで、そのような摺り抜け試料による質量減率への影響を調べるため、疑似体液の代わりに超純水を用いて、滴下速度10mL/dで7日間の滴下試験を実施したところ、試料減率は約0.03であった。したがって、本実施例で用いた装置構成および試験条件での試料Fの試料減率は、主として疑似体液中への試料の溶解によるものであり、摺り抜け試料による質量減率への影響は誤差の範囲内と見なし得ることが確認された。
図2は、滴下速度10mL/dで7日間の滴下試験前後の試料Fの電子顕微鏡(Mini−SEM)観察結果である。図2の上段は試験前、下段は試験後の顕微鏡写真であり、それぞれ、左側の写真のスケールバーの1目盛りは300μmである。右側の写真は、左側の写真の一部分を拡大したものであり、スケールバーの1目盛りは20μmである。図2の右下の顕微鏡写真より、試験後の試料Fの一部について、溶解痕とみられる斑模様が観察された。
<試験例2>
繊維試料として、試料F、および生体溶解性繊維が確認されている市販の繊維製品「イソウール」(イソライト工業製。以下、「試料I」とも称する。)を用いて、疑似体液の滴下速度を10mL/d、30mL/d、50mL/dとして7日間、滴下速度10mL/dで14日間、および滴下速度10mL/dで28日間の滴下試験を行った。
図3は、滴下速度10mL/dで7日間の滴下試験前後の試料Iの電子顕微鏡(Mini−SEM)観察結果である。図3の上段は試験前、下段は試験後の顕微鏡写真であり、それぞれ、左側の写真のスケールバーの1目盛りは200μmである。右側の写真は、左側の写真の一部分を拡大したものであり、スケールバーの1目盛りは30μmである。試料Iにはもともと繊維表面の粗いものが含まれるため、試験前後で目立った外観の変化は見られなかった。
図4は、試料Fおよび試料Iにおける、滴下速度10mL/dでの滴下期間と試料減率との関係をプロットしたグラフである。図4より明らかなように、試料Fおよび試料Iのいずれも、滴下期間の増加に伴い試料減率は直線的に増加した。図4に示す近似直線の傾きより、滴下速度10mL/dのときの1日当たりの試料減率は、試料Fについては約0.65%、試料Iについては約0.85%と算出された。また、図4の近似直線から推定される半減期は、それぞれ、試料Fが約62日、試料Iが約56日となった。
なお、図4から推定された試料Fおよび試料Iの半減期が、欧州での動物実験の気管内注入試験による半減期の基準値である40日よりも長い結果となっているが、これは、主に試験プロトコルの違いによるものであると考えられる。つまり、試験例の結果から示されるように、本実施例で得られる試料減率は、疑似体液の滴下量と滴下期間に依存する。滴下量は、単位時間当たりの量という速度の観点だけでなく、繊維試料当たりの量という濃度の観点でも重要な因子である。したがって、フィルタの直径に対する繊維試料のロード量を調整するなど、試験条件を精査することによって、生体内における半減期と直接相関する分解速度(試料減率)が得られると考えられる。
ここで、繊維の重量半減期の考え方を導入すると、以下のようにして、疑似体液に対する繊維試料の単位面積当たりの溶出量を見積もることができる。
繊維の初期長さをL、初期繊維径をD、そして疑似体液による溶解後の繊維長をL、繊維径をDとすると、繊維の初期体積Vおよび溶解後の体積Vは、それぞれ、以下の式で示される。

=π・(D/2)・L
=π・(D/2)・L

ここで、繊維においては、L~L>>Dの関係であるので、V=に1/2・Vなるのは、(D/2)=1/2・(D/2)の場合とみなすことができる。
これをDについて整理すると、

=2・[1/2・(D/2)1/2
=(1/2)1/2・D

となる。
そのときの繊維径の減少量(半径分)は、

[1−(1/2)1/2]・1/2・D

となる。
また、繊維径が小さいので、初期表面積と体積半減時の表面積が異なることを考慮して補正すると、

[1+(1/2)1/2]・1/2・[1−(1/2)1/2]・1/2・D
=1/4・(1−1/2)・D
=1/8・D

となる。
このときの単位表面積当たりの溶出量をEとすると、繊維密度ρより、

E=1/8・D・ρ ・・・(1)

となる。
以上より、試料Fについて、D=2.8μm(電子顕微鏡像より求めた初期の平均繊維径実測値)、ρ=2.52g/cmと仮定すると、単位表面積当たりの溶出量Eは、8.82×10−5(g/cm)と算出される。また、試料Iについて、D=7.4μm(電子顕微鏡像より求めた初期の平均繊維径実測値)、ρ=2.37g/cmと仮定すると、単位表面積当たりの溶出量Eは、2.19×10−4(g/cm)と算出される。
図5および図6は、それぞれ、試料Fおよび試料Iにおける総滴下量と試料減率との関係をプロットしたグラフである。図5および図6から理解されるように、試料Fおよび試料Iのいずれも、総滴下量が同じであっても滴下期間が長い方が、試料減率が大きくなることが確認された。このことは、無機繊維の生体溶解性評価においては、疑似体液の総滴下量(mL)よりも、1日当たりの滴下量(mL/d)および滴下期間がより重要な因子となり得ることを示唆している。
一方、図5と図6を比較すると、図6(試料I)では、総滴下量が200mL以下での試料減率が図5(試料F)よりも低いことから、試料Iは、疑似体液の滴下初期の分解量が試料Fよりも小さいことがわかる。また、試料Iでは、滴下期間を7日間として滴下速度を変化させた場合の結果の試料減率の増加が試料Fよりも小さいことから、疑似体液の滴下速度による影響は小さいことがわかる。
ここで、反応速度論の考え方を導入すると、以下のように説明される。
繊維の溶解反応量は、繊維表面積Aに依存しており、繊維質量をW、反応時間をtとすると、溶解速度定数kは、以下の式で示される。

dW/dt=−kA ・・・(2)

また、繊維の初期質量をW、初期繊維径をD、繊維密度をρとし、繊維の溶解においてはその前後で繊維長には変化がなく一定であり、繊維径が均一に小さくなると仮定した場合、上記式(2)は以下の式で表すことができる。

1−(W/W1/2=(2k/D・ρ)・t ・・・(3)
この考え方を本試験例2における滴下速度10mL/dでの結果に適用すると、図7に示すグラフが得られる。図7に示す近似直線の傾きより、試料Fについての溶解速度定数kは、k=1.301μg/cm・d、試料Iについての溶解速度定数kは、k=4.185μg/cm・dと算出された。そして、これらの溶解速度定数の値を用いて、繊維体積が半減する溶出量から半減期を算出すると、それぞれ、試料Fが67.8日、試料Iが52.3日となり、図5および図6のグラフの外挿値とほぼ同じ結果が得られた。
図8は、滴下期間と溶解速度定数(μg/cm・d)との関係をプロットしたグラフである。図8より、試料Fと試料Iとでは、滴下試験における時間経過に伴う溶解速度定数の変化の度合いが異なることが確認された。
図9は、滴下期間を7日間として滴下速度を変化させた場合の、1日当たりの滴下量と溶解速度定数(ng/cm・h)との関係をプロットしたグラフである。図9より、試料Fでは、1日当たりの滴下量が増加する程溶解速度定数が増大する傾向が確認された。一方、試料Iでは、1日当たりの滴下量が増加しても、溶解速度定数はほとんど変化せず、疑似体液の1日当たりの滴下量が試料の溶解性に及ぼす影響が小さいことが確認された。
このように、本発明の評価装置および評価方法により、生体溶解性が確認されている市販の繊維製品について、疑似体液中での溶解に伴う試料の質量減量を簡便に確認できることに加えて、異なる繊維試料における疑似体液への溶解挙動の違いが確認できることがわかった。すなわち、本発明の評価装置および評価方法によれば、従来の試験法では困難であった、無機繊維の生体内での溶解挙動の推定が可能であり、異なる繊維間での違い(具体的には、疑似体液の滴下量の影響の受けやすさ、時間経過に伴う溶解定数の低下の度合いなど)を確認することができることがわかった。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な形態はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。
1 無機繊維の生体溶解性評価装置
2 本体部
3 疑似体液供給部材
4 フィルタ部材
41 基体
42 分離膜
5 無機繊維試料
6 送液手段
7 貯留手段
8 回収手段

Claims (5)

  1. 無機繊維の生体溶解性を評価する装置であって、
    鉛直方向に延びる中空の本体部と、
    前記本体部の上端に配設された疑似体液供給部材と、
    前記本体部の下端に配設され、直径20μm以下の円筒状の孔を有する分離膜を含むフィルタ部材と
    を備え、
    前記本体部の雰囲気ガスが、酸素濃度16〜20%、二酸化炭素濃度4%であり、
    前記疑似体液供給部材から供給される疑似体液が前記分離膜上に載置された無機繊維試料に滴下されることを特徴とする無機繊維の生体溶解性評価装置。
  2. 前記分離膜がトラックエッチング膜であることを特徴とする請求項1に記載の無機繊維の生体溶解性評価装置。
  3. 前記疑似体液が、細胞培養液を主成分とし、細胞培養用血清を添加成分として含むことを特徴とする請求項1または2に記載の無機繊維の生体溶解性評価装置。
  4. 前記疑似体液が、10〜100mL/dの速度で滴下されるように制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機繊維の生体溶解性評価装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の無機繊維の生体溶解性評価装置を用いて、前記分離膜上に載置された無機繊維試料に疑似体液を滴下し、分離膜上に残留した無機繊維試料を定量することを特徴とする無機繊維の生体溶解性評価方法。
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