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JP6794650B2 - 捺染方法 - Google Patents

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Description

本発明は、捺染方法に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルからインクの小滴を吐出して、記録媒体に付着させて記録を行う方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で記録できるという特徴を有する。インクジェット記録方法においては、用いるインクの性質、記録における安定性、得られる画像の品質をはじめとして、非常に多くの検討要素があり、インクジェット記録装置のみならず、用いるインク組成物に対する研究も盛んである。
また、インクジェット記録方法を用いて、布帛等を染色(捺染)することも行われている。従来、布帛(織布や不織布)に対する捺染方法としては、スクリーン捺染法、ローラー捺染法等が用いられてきたが、多種少量生産性ならびに即時プリント性等の観点から、インクジェット記録方法を適用することが有利であるため種々検討されている。
インク組成物を捺染に用いる場合には、インク組成物には、染料及び顔料の少なくとも一方の色材が含有される。色材が染料である場合には、布帛に対して化学結合等によって比較的強く染料が染着するが、色材が顔料である場合には、布帛の繊維等に顔料を物理的に固着させることが重要となる。
特許文献1には、顔料捺染用インクを塗布した後に、ミドルコート、オーバーコートを行って、ミドルコート剤とオーバーコート剤の処方によって、印刷面の洗濯・摩擦堅牢度を向上させる試みが開示されている。また、特許文献2に記載の技術では、生地に対する濡れ性のよいクリア液を用いて、生地の毛羽立ちに起因する捺染インクのインクだまの形成を抑制して、生地表面に色材を到達させることで、画像品質の高い印捺を行うことを試みている。
特開2010−150454号公報 特開2012−193472号公報
インク層とオーバーコート層とを層状に形成しているため、インク層の伸縮に対してオーバーコート層の伸縮が追従できず剥落を生じる。そのため、特許文献1に開示された技術では、オーバーコート層とインク層との間にミドルコート層と称する層を設けてオーバーコート層の剥落の防止を試みている。また、特許文献1には、ミドルコート剤とオーバーコート剤とを混合した層を1層設けただけでは、剥落防止作用が得られない旨の記載がある。また、該技術ではインク層を乾燥させた後にミドルコート層を形成しており、強固なインク膜を形成するとしている。
しかしながら、インク層を乾燥させてからコート層を付着させる方法は、コート層とインク層との密着が得られない場合があり、また、インク層の乾燥のために時間を要するため、捺染工程の時間を短縮することは難しかった。
一方、特許文献2に記載の技術では、クリア液による濡れ性の向上とともに、クリア液に樹脂を添加して、定着性の向上を図っている。しかしながら、クリア液をインクジェット法により塗布しているので、その吐出安定性を維持するためには、クリア液に対して添加できる樹脂の量を多くすることには限界があった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を効率よく製造することのできる捺染方法を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係る捺染方法の一態様は、
顔料を含有するインク組成物を、インクジェット法により布帛に付着させる工程と、
前記インク組成物の乾燥率が90%未満の状態で、第1樹脂を含有する処理液を前記布帛に付着させる工程と、
を含む。
このような捺染方法によれば、インク組成物中の顔料を処理液中の第1樹脂によって布帛に定着させることができ、摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を製造することができる。また、インク組成物を布帛に付着させた後、乾燥率の低い状態で処理液を付着させるので、インク組成物と処理液とが適度に混ざるため、定着性が良好で、かつ、捺染物の製造に要する時間を短かくすることができ、摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を効率よく製造することができる。
本発明に係る捺染方法において、
前記第1樹脂は、ウレタン系、スチレンアクリル系、アクリル系、及び、塩化ビニル−酢酸ビニル系から選択される少なくとも一種であってもよい。
このような捺染方法によれば、さらに、摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を製造することができる。
本発明に係る捺染方法において、
前記インク組成物は、第2樹脂を含有してもよい。
このような捺染方法によれば、さらに、摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を製造することができる。また、処理液によって、第1樹脂が供給されるので、第2樹脂の配合量を小さく抑えることができ、インク組成物をインクジェット法に適した粘度としやすい。
本発明に係る捺染方法において、
前記第1樹脂及び前記第2樹脂の少なくとも一方のガラス転移温度は、0℃以下であってもよい。
このような捺染方法によれば、より弾性率の小さい樹脂を用いるため、捺染物(布帛)のゴワゴワ感が抑制され、より風合いの良好な捺染物を製造することができる。
本発明に係る捺染方法において、
前記第1樹脂及び前記第2樹脂は、同系の樹脂であってもよい。
このような捺染方法によれば、第1樹脂と第2樹脂との相溶性が向上するため、樹脂全体の配合量を抑制することができるとともに、顔料の定着性をさらに向上することができる。
本発明に係る捺染方法において、
前記処理液を付着させる工程は、インクジェット法以外の方法で行われてもよい。
このようにすれば、処理液に対して第1樹脂を高い濃度で配合することができる。これにより、摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を製造することができる。さらに、処理液から第1樹脂が供給されるので、インク組成物に第2樹脂を配合しないようにすることができ、あるいは、インク組成物に第2樹脂を配合する場合には、その配合量を小さく抑えることができる。そのため、インク組成物のインクジェット法への適合性を向上させることができる。
本発明に係る捺染方法において、
前記処理液を付着させる工程は、前記インク組成物を付着させる工程の後、1秒以上30秒以下の時点で開始されてもよい。
このようにすれば、第1樹脂を含有する処理液を布帛に付着させる際に、インク組成物の乾燥率を90%未満の状態とすることが容易である。これにより、顔料の定着性をさらに向上することができる。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
本実施形態に係る捺染方法は、インク組成物を布帛に付着させる工程と、処理液を布帛に付着させる工程と、を含む。
1.インク組成物を布帛に付着させる工程
本実施形態の捺染方法は、インク組成物を布帛に付着させる工程を含む。本工程は、インクジェット法により行われる。以下インク組成物、インクジェット法の順に説明する。
1.1.インク組成物
本実施形態の捺染方法で使用されるインク組成物は、少なくとも顔料を含む。
1.1.1.顔料
顔料としては、特に制限されず、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用可能である。顔料としては、例えばアゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系、中空樹脂粒子、及び高分子粒子などの有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、及びニッケル等の金属類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫化亜鉛、及び酸化ジルコニウム等の金属酸化物及び硫化物、並びにファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、さらには黄土、群青、及び紺青等の無機顔料を用いることができる。
ブラック顔料として使用されるカーボンブラックとしては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学株式会社製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven
1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社製)、Color
Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ社製)等が挙げられる。
ホワイト顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 1(塩基性炭酸鉛)、4(酸化亜鉛)、5(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)、6(酸化チタン),6:1(他の金属酸化物を含有する酸化チタン)、7(硫化亜鉛)、18(炭酸カルシウム),19(クレー)、20(雲母チタン)、21(硫酸バリウム)、22(天然硫酸バリウム)、23(グロスホワイト)、24(アルミナホワイト)、25(石膏)、26(酸化マグネシウム・酸化ケイ素)、27(シリカ)、28(無水ケイ酸カルシウム)等が挙げられる。
イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、及びC.I.ピグメントヴァイオレット19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、及びC.I.バットブルー 4、60等が挙げられる。
ブラック、ホワイト、イエロー、マゼンタ及びシアン以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、及びC.I.ピグメントブラウン 3、5、25、26、及びC.I.ピグメントオレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等が挙げられる。
これら例示した顔料は、複数種を混合して用いてもよい。インク組成物中の顔料(固形
分)の合計の含有量は、使用する顔料種により異なるが、良好な発色性を得る観点から、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜15質量%である。
なお、インク組成物に調製する際には、あらかじめ顔料を分散させた顔料分散液を調製して、その顔料分散液をインク組成物に添加してもよい。このような顔料分散液を得る方法としては、分散剤を使用せずに自己分散顔料を分散媒中に分散させる方法、ポリマー分散剤を使用して顔料を分散媒に分散させる方法、表面処理した顔料を分散媒に分散させる方法などがある。
1.1.2.その他の成分
1.1.2.1.水
本実施形態に係るインク組成物は、水を含んでもよい。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インク組成物を長期保存する場合に細菌類や真菌類の発生を防止することができる。
水の含有量は、インク組成物の総量に対して、30質量%以上、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは45質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。なおインク組成物中の水というときには、例えば、原料として用いる顔料分散液、樹脂粒子分散液、添加する水を含むものとする。水の含有量が30質量%以上であることにより、インク組成物を比較的低粘度とすることができる。また、水の含有量の上限は、インク組成物の総量に対して、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以下である。なお、本明細書において「水系インク」という場合には、インクの全質量(100質量%)に対して、水を30質量%以上含有するインクのことを指す。
1.1.2.2.水溶性有機溶剤
本実施形態のインク組成物は、水溶性有機溶媒を含んでもよい。水溶性有機溶媒を含むことにより、インク組成物のインクジェット法による吐出安定性を優れたものとしつつ、長期放置時による記録ヘッドからの水分蒸発を効果的に抑制することができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、ポリオール化合物、グリコールエーテル、ベタイン化合物、ピロリドン誘導体等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、分子内の炭素数が2以上6以下であり、かつ、分子内にエーテル結合を1つ有してもよいポリオール化合物(好ましくはジオール化合物)等が挙げられる。具体例としては、1,2−ペンタンジオール、メチルトリグリコール(トリエチレングリコールモノメチルエーテル)、ブチルトリグリコール(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジプロピレングリコ−ルモノプロピルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール、3−(3−メチルフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヘキシルオキシ−1,2−プロパンジオール、2−ヒドロキシメチル−2−フェノキシメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール等のグリコール類が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選択されるグリコールのモノアルキルエーテルが好ましい。より好ましくは、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
ベタイン化合物とは、正電荷と負電荷を同一分子内の隣り合わない位置に持ち、正電荷をもつ原子には解離しうる水素原子が結合しておらず、分子全体としては電荷を持たない化合物(分子内塩)である。好ましいベタイン化合物としては、アミノ酸のN−アルキル置換体であり、より好ましくはアミノ酸のN−トリアルキル置換体である。ベタイン化合物としては、例えば、トリメチルグリシン(「グリシンベタイン」ともいう。)、γ−ブチロベタイン、ホマリン、トリゴネリン、カルニチン、ホモセリンベタイン、バリンベタイン、リジンベタイン、オルニチンベタイン、アラニンベタイン、スタキドリンおよびグルタミン酸ベタイン等が挙げられ、好ましくは、トリメチルグリシン等が例示できる。
水溶性有機溶剤は、複数種を混合して用いてもよい。また、水溶性有機溶剤の全体の配合量は、インク組成物の粘度調整、保湿効果による目詰まり防止の点から、インク組成物の全量に対して、0.2質量%以上30質量%以下、好ましくは0.4質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%以上10質量%以下である。
1.1.2.3.界面活性剤
本実施形態に係るインク組成物は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用することができ、さらにこれらは併用してもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びポリシロキサン系界面活性剤のうち少なくとも一種が好ましい。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、布帛に対する濡れ性や顔料の分散安定性が一層良好となる。
上記のアセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤としては、以下に限定されないが、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上を例示できる。また、アセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、AirProductsandChemicals.Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、S
K−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、市販されているものを用いてもよく、例えば、メガファックF−479(DIC株式会社製)、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン系界面活性剤としては、市販されているものを用いることができ、例えば、オルフィンPD−501、オルフィンPD−502、オルフィンPD−570(いずれも、日信化学工業株式会社製)、BYK−347、BYK−348(いずれも、ビックケミー株式会社製)等が挙げられる。
さらに、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル、しょ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキサイド、脂肪酸アルカノールアミド、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等を用いてもよい。
また、ノニオン系界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤は、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する点から、より好ましく用いることができる。すなわち、起泡性が小さいため、インク流路の段差部等に気泡がトラップされにくい。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、石けん、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、モノアルキルリン酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレングリコールアルキルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム系としてアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩およびアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アミン塩系としてN−メチルビスヒドロキエチルアミン脂肪酸エステル塩酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸系としてアルキルアミノ脂肪酸塩、ベタイン系としてアルキルカルボキシルベタイン、アミンオキシド系としてアルキルアミンオキシドなどが挙げられる。両性界面活性剤は、これらに限定されるものではない。
上記界面活性剤は、複数種を混合して用いてもよい。インク組成物に界面活性剤を配合する場合、界面活性剤の合計の含有量は、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、0.1〜3質量%であることが好ましい。
1.1.2.4.キレート剤
本実施形態のインク組成物は、キレート剤を含んでもよい。キレート剤は、イオンを捕獲する性質を有する。そのようなキレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)や、エチレンジアミンのニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、又はメタリン酸塩等が挙げられる。
1.1.2.5.防腐剤
本実施形態のインク組成物は、防腐剤を含有してもよい。防腐剤を含有することにより、カビや細菌の増殖を抑制することができ、インク組成物の保存性がより良好となる。これにより、例えば、インク組成物を、長期的にプリンターを使用せず保守する際のメンテナンス液として使用しやすくなる。防腐剤の好ましい例としては、プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルIB、又はプロキセルTNなどを挙げることができる。
1.1.2.6.pH調整剤
本実施形態のインク組成物は、pH調整剤を含有してもよい。pH調整剤を含有することにより、例えば、インク流路を形成する部材からの不純物の溶出を抑制したり、促進したりすることができ、インク組成物の洗浄性を調節することができる。pH調整剤としては、例えば、モルホリン類、ピペラジン類、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類、を例示できる。
1.1.2.7.その他の成分
本実施形態に係るインク組成物は、粘度調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防黴剤などの、種々の添加剤を適宜添加することができる。
1.1.2.8.インク組成物の物性
本実施形態に係るインク組成物は、記録品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、25℃における表面張力が10mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、インク組成物の20℃における粘度は、2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上5mPa・s以下であることがより好ましく、2mPa・s以上3.6mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
1.2.布帛
本実施形態の捺染方法により捺染される布帛としては、特に限定されず、例えば、疎水性繊維及び親水性繊維の少なくとも一方を含む布帛が挙げられる。また、布帛以外にも、樹脂(プラスチック)フィルム等のシート状の物であってもよい。布帛を構成する繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維およびこれらの繊維を2種以上用いた混紡品等が挙げられる。また、これらとレーヨン等の再生繊維あるいは木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡品を用いてもよい。樹脂(プラスチック)フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等が挙げられる。樹脂(プラスチック)フィルムは、複数の層が積層された積層体であってもよいし、材料の組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
1.3.インクジェット法
本実施形態の捺染方法のインク組成物は、インクジェット法により布帛に付着される。インクジェット法は、例えば、以下のようなインクジェット記録装置を用いて行われる。上記本実施形態のインク組成物は、インクジェット記録装置に好適に用いることができる。インクジェット記録装置は、上述のインク組成物を収容するインク収容容器(カートリッジ、タンク等)及びこれに接続される記録ヘッドを少なくとも有し、上述のインク組成物を記録ヘッドから吐出して布帛(捺染の対象)に画像を形成することができれば、特に限定されない。
本実施形態のインクジェット記録装置としては、シリアル型およびライン型のいずれでも使用することができる。これらの型のインクジェット記録装置には、記録ヘッドが搭載されており、布帛と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させながら、記録ヘッドのノズル孔からインク組成物の液滴を所定のタイミングで(間欠的に)かつ所定の体積(質量)で吐出させ、布帛にインク組成物を付着させて所定の画像を形成することができる。
ここで一般に、シリアル型のインクジェット記録装置では、記録媒体(布帛)の搬送方向と、記録ヘッドの往復動作の方向が交差しており、記録ヘッドの往復動作と記録媒体の搬送動作(往復動作も含む)との組み合わせによって、記録媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させる。またこの場合、一般的には、記録ヘッドには複数のノズル孔(インク組成物を吐出する孔)が配置され、記録媒体の搬送方向に沿ってノズル孔の列(ノズル列)が形成されている。また、記録ヘッドには、インク組成物の種類や数に応じて、複数のノズル列が形成される場合もある。
また、一般に、ライン型のインクジェット記録装置では、記録ヘッドは往復動作を行わず、記録媒体の搬送によって記録媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させて、記録媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させる。この場合においても、一般的には、記録ヘッドには、ノズル孔が複数配置され、記録媒体の搬送方向に交差する方向に沿って該ノズル孔の列(ノズル列)が形成されている。
インクジェット記録方式は、上述したようなシリアル型またはライン型のインクジェット記録装置を用いるものであるが、方式としては、インク組成物を微細なノズル孔より液滴として吐出して該液滴を記録媒体に付着させることができれば、特に制限されない。例えば、インクジェット記録方式としては、静電吸引方式、ポンプ圧力によりインク滴を噴射させる方式、圧電素子を用いる方式、インク液を微小電極で加熱発泡させインク滴を噴射させる方式、などを挙げることができる。
本実施形態で用いられるインクジェット記録装置には、例えば、加熱ユニット、乾燥ユニット、ロールユニット、巻き取り装置などの公知の構成を制限無く採用することができる。
なお、インクジェット記録装置によって、後述の処理液を布帛に付着させる場合には、例えば、複数のノズル列に対して、適宜の割合でインク組成物と、処理液とを割りあてて、それぞれのノズルから、インク組成物及び処理液を布帛に付着させるようにする。
2.処理液を布帛に付着させる工程
本実施形態の捺染方法は、処理液を布帛に付着させる工程を含む。本工程は、インクジェット法以外の方法で行われてもよいし、インクジェット法により行われてもよい。
2.1.処理液
本実施形態の捺染方法に使用される処理液は、少なくとも第1樹脂を含む。
2.1.1.第1樹脂
第1樹脂の機能としては、インク組成物に含まれる顔料を布帛に対して定着(固着)させることが挙げられる。また、第1樹脂は、インク組成物に第2樹脂が含まれる場合に、第2樹脂と協働して顔料の定着を向上させることができる。
第1樹脂は、樹脂エマルションの形態で供給されてもよい。処理液の第1樹脂がエマルションの形態で配合される場合には、顔料の定着性が更に向上する場合があり、画像の堅牢性がさらに良好となることがある。
このような第1樹脂としては、限定されないが、ウレタン系、スチレンアクリル系、アクリル系、及び、塩化ビニル−酢酸ビニル系から選択される少なくとも一種を例示することができる。処理液では、これらの樹脂のうち1種以上を使用することができる。これらの中でも、画像の堅牢性の点では、特に、ウレタン系樹脂が好ましい。
ウレタン系樹脂としては、分子中にウレタン結合を有するものであれば特に制限されないが、ウレタン結合に加えて、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン系樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン系樹脂、主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン系樹脂等も使用することができる。
第1樹脂は、自己反応型の、ウレタン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂を使用してもよい。このような自己反応型の樹脂としては、親水性基を有するブロック剤でブロック化したウレタン系樹脂、親水性セグメントを付与したブロック化ウレタン系樹脂、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メチロール基等の官能基を有するアクリルモノマーを共重合して得られるアクリル系樹脂等が挙げられる。
第1樹脂のガラス転移温度(Tg)は、捺染物のゴワゴワ感を抑制して風合いを良好とする観点、及び、画像の堅牢性を優れたものとする観点から、5℃以下、好ましくは0℃以下、より好ましくは−5℃以下、さらに好ましくは−10℃以下、特に好ましくは−15℃以下である。なお、Tgの下限は特に限定されないが、画像の堅牢性を優れたものとする観点では、−50℃以上であることが好ましい。
第1樹脂がエマルションで供給される場合には、樹脂粒子のD50は、30nm以上300nm以下が好ましく、40nm以上100nm以下がより好ましい。D50が上記範囲内であると、処理液中で樹脂エマルション粒子を均一に分散させることができる。また、印刷物の耐擦性が一層優れたものとなる。
これら樹脂エマルションの市販品としては、
マイクロジェルE−1002、E−5002(日本ペイント社製商品名、スチレン−アクリル系樹脂エマルション)、
ボンコート4001(DIC社製商品名、アクリル系樹脂エマルション)、ボンコート5454(DIC社製商品名、スチレン−アクリル系樹脂エマルション)、
ポリゾールAM−710(Tg:56℃)、AM−920(Tg:−20℃)、AM−2300(Tg:67℃)、AP−4735(Tg:21℃)、AT−860(Tg:60℃)、PSASE−4210E(Tg:−50℃)(アクリル系樹脂エマルション)、
ポリゾールAP−7020(Tg:85℃)(スチレン・アクリル樹脂エマルション)、ポリゾールSH−502(酢酸ビニル樹脂エマルション、Tg:30℃)、
ポリゾールAD−13(Tg:18℃)、AD−2(Tg:15℃)、AD−10(Tg:8℃)、AD−96(Tg:−4℃)、AD−17(Tg:−10℃)、AD−70(
Tg:−25℃)(エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルション)、
ポリゾールPSASE−6010(Tg:−50℃)(エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルション)(以上昭和電工社製商品名)、
ポリゾールSAE1014(商品名、スチレン−アクリル系樹脂エマルション、日本ゼオン社製)、
サイビノールSK−200(商品名、アクリル系樹脂エマルション、サイデン化学社製)、
AE−120A(JSR社製商品名、アクリル樹脂エマルション、Tg:−10℃)、
AE373D(イーテック社製商品名、カルボキシ変性スチレン・アクリル樹脂エマルション)、
セイカダイン1900W(大日精化工業社製商品名、エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルション)、
ビニブラン2682(アクリル樹脂エマルション、Tg:−30℃)、
ビニブラン2886(酢酸ビニル・アクリル樹脂エマルション、Tg:0℃)、
ビニブラン5202(酢酸アクリル樹脂エマルション、Tg:30℃)(日信化学工業社製商品名)、
エリーテルKA−5071S(Tg:67℃)、KT−8803(Tg:61℃)、KT−9204(Tg:19℃)、KT−8701(Tg:13℃)、KT−8904(Tg:10℃)、KT−0507(Tg:−27℃)(ユニチカ社製商品名、ポリエステル樹脂エマルション)、
ハイテックSN−2002(東邦化学社製商品名、ポリエステル樹脂エマルション、Tg:76℃)、
タケラックW−6020(Tg:90℃)、W−635(Tg:70℃)、W−6061(Tg:25℃)、W−605、W−635、WS−6021(Tg:−60℃、40℃)(三井化学ポリウレタン社製商品名、ウレタン系樹脂エマルション)、
スーパーフレックス870(Tg:78℃)、800(Tg:46℃)、150(Tg:40℃)、420、460(Tg:−21℃)、470、610、700(以上、第一工業製薬社製商品名、ポリウレタン樹脂エマルション)、
パーマリンUA−150(三洋化成工業株式会社製、ウレタン系樹脂エマルション)、
サンキュアー2710(日本ルーブリゾール社製、ウレタン系樹脂エマルション)、
NeoRez R−9660、R−9637、R−940(楠本化成株式会社製、ウレタン系樹脂エマルション)、
アデカボンタイター HUX−380,290K(株式会社ADEKA製、ウレタン系樹脂エマルション)、
モビニール966A、モビニール7320(日本合成化学株式会社製)、
ジョンクリル7100、390、711、511、7001、632、741、450、840、74J、HRC−1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX−7630A、352J、352D、PDX−7145、538J、7640、7641、631、790、780、7610(以上、BASF社製)、
NKバインダーR−5HN(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
処理液中の樹脂エマルションの固形分換算での含有量は、インク組成物の総質量を100質量%としたときに、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%である。樹脂エマルションの固形分換算での含有量が前記範囲であると、画像の堅牢性が良好なものとなる。また、インク組成物の長期安定性にも優れたものとなる。
2.1.2.その他の成分
処理液に配合され得るその他の成分としては、上述のインク組成物の項で述べた、顔料以外の成分が挙げられ、各成分の配合量は、例えばスプレー等によって吐出できる範囲で適宜に設計される。
2.2.乾燥率
本実施形態の捺染方法において、処理液を布帛に付着させる工程は、インク組成物の乾燥率が90%未満の状態で行われる。
ここで、乾燥率とは、処理液がインク組成物表面に付着する時点でのインク組成物の乾燥度合いをいい、捺染仕上がり時点の乾燥率を100%としたときの、インク組成物の初期状態(例えばインク収容容器中の状態)からの揮発成分(水、水溶性有機溶剤等)の質量の減少率をいう。すなわち、例えば、乾燥率が90%であれば、初期状態の揮発成分の90%が揮発した状態(揮発成分の10%が残存する状態)をいい、乾燥率が20%であれば、初期状態の揮発成分の20%が揮発した状態(揮発成分の80%が残存する状態)をいう。乾燥率は、例えば、インク組成物をTシャツ生地に付着させ、付着後の時間に対する質量の変化を実測して検量線を作成し、捺染仕上がり時点の質量を基準として求めることができる。例えば、これに限定されるものではないが、捺染仕上がり時点の質量をWe、検量線から求められる付着直後の質量をWs、付着後時間t経過後における質量Wtとしたとき、時間tにおける乾燥率を{(Wt−We)/(Ws−We)}×100として求めることもできる。なお、乾燥率が90%未満の状態で処理液を布帛に付着させる態様を、本明細書では、「wet−on−wet」と称することがある。また、乾燥率が90%以上の状態で処理液を布帛に付着させる態様を、本明細書では、「wet−on−dry」と称することがある。
処理液を布帛に付着させる工程は、インク組成物の乾燥率が90%未満の状態で行われることにより、処理液が布帛に付着した際に、インク組成物と処理液とが適度に混合される。これにより、顔料に対して第1樹脂が接触しやすくなり、顔料の定着性を高めることができる。また、乾燥率が90%未満であるため、インク組成物を乾燥するための時間は不要、又は、非常に短くて済むため、捺染物の製造に要する時間を短かくすることができ、捺染物を効率よく製造することができる。
処理液を布帛に付着させる工程は、インク組成物の乾燥率が80%未満である状態で行われることがより好ましく、さらに好ましくは60%未満、特に好ましくは30%未満、ことさら好ましくは20%以下で行われる。また、処理液を布帛に付着させる工程が行われる際のインク組成物の乾燥率の下限は、0%(乾燥していない状態)であり、好ましくは0.05%、より好ましくは0.1%である。処理液を布帛に付着させる工程が行われる際のインク組成物の乾燥率が、このような範囲であれば、インク組成物と処理液との混合が十分となり、仮にインク組成物を乾燥する工程を含むとしてもその時間を短縮することができる。
2.3.時間間隔
本実施形態の捺染方法において、処理液を付着させる工程は、インク組成物を付着させる工程の後、1秒以上30秒以下の時点で開始されてもよい。インク組成物を付着させる工程で布帛に着弾した後、インク組成物は、微小滴の状態(体積に対して表面積が大きい状態)で布帛上で乾燥することになる。しかし、1秒以上30秒以下であれば、乾燥率90%未満を容易に達成することができる。これにより、処理液とインク組成物との混合が可能であり、顔料の定着性をさらに向上することができる。
2.4.インクジェット法以外の方法
本実施形態の捺染方法における処理液を布帛に付着させる工程は、インクジェット法以外の方法で行われてもよい。そのような方法としては、処理液を各種のスプレーを用いて布帛に塗布する方法、処理液に布帛を浸漬させて塗布する方法、処理液を刷毛等により布帛に塗布する方法等が挙げられる。これらのうち、インク組成物によって形成された画像
パターンを破壊しにくい点で、非接触の方法(スプレーや浸漬)がより好ましい。また、使用するスプレーや布帛を浸漬させる構成は、公知のものを用いることができ、さらに、例えば、上述のインクジェット記録装置に連結あるいは内蔵することができる。インク組成物を吐出するヘッドの近傍にこれらを設けることで、処理液を塗布するタイミングを短くすることも可能である。
なお、処理液を布帛に付着させる工程をインクジェット法で行う場合には、処理液の表面張力及び粘度は、各成分の種類と量によって調節される。すなわち、処理液の25℃における表面張力が10mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。処理液の20℃における粘度は、2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上5mPa・s以下であることがより好ましく、2mPa・s以上3.6mPa・s以下であることがより好ましい。
3.作用効果
本実施形態の捺染方法によれば、インク組成物中の顔料を処理液中の第1樹脂によって布帛に定着させることができ、摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を製造することができる。また、インク組成物を布帛に付着させた後、乾燥率の低い状態で処理液を付着させるので、インク組成物と処理液とが適度に混ざるため、定着性が良好で、かつ、捺染物の製造に要する時間を短かくすることができ、摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を効率よく製造することができる。
しかも、インク組成物には、定着用の樹脂成分を配合する必要がなく、インク組成物の粘度を小さく抑えることができる。これにより、インクジェット法によるインク組成物の吐出を安定して行うことができる。さらに、処理液をインクジェット法以外の方法で行う場合には、処理液をインクジェット法に適する粘度まで低粘度化する必要がないため、比較的多くの第1樹脂を処理液に配合することができる。これにより、布帛への顔料の定着(固定)を強くして、捺染画像の堅牢性を非常に高くすることができる。
4.変形例
4.1.第2樹脂
本実施形態の捺染方法において、インク組成物に第2樹脂を配合してもよい。第2樹脂としては、処理液に配合される第1樹脂と同様のものを例示することができる。そのため、第2樹脂の具体例の説明は省略する。
インク組成物に対して第2樹脂を含有させる場合には、記録品質とインクジェット記録用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、25℃における表面張力が10mN/m以上40mN/m以下、好ましくは25mN/m以上40mN/m以下となるように含有量を調節する。また、同様の観点から、インク組成物の20℃における粘度が、2mPa・s以上15mPa・s以下、好ましくは2mPa・s以上5mPa・s以下、さらに好ましくは2mPa・s以上3.6mPa・s以下となるように配合量を調節する。
このようにすれば、インク組成物のみでも、第2樹脂によって布帛への顔料の固着が可能となり、さらに、処理液の第1樹脂によっても布帛への顔料の固着ができる。そのため、さらに摩擦堅牢性、洗濯堅牢性に優れた捺染物を製造することができる。また、処理液によって、第1樹脂が供給されるので、第2樹脂の配合量を小さく抑えることができ、インク組成物をインクジェット法に適した粘度としやすい。さらに、第2樹脂を配合することで、処理液に含まれる第1樹脂の量を低減することもでき、これにより処理液の粘度を抑えることができる。そのため、処理液をインクジェット法によって付着させる態様を選択しやすくなるという効果も奏することができる。
なお、第2樹脂は、第1樹脂と同種のものを用いることがより好ましい。このようにすれば、第1樹脂及び第2樹脂の相溶性が向上するため、樹脂全体の配合量を抑制することができるとともに、顔料の定着性をさらに向上することができる。
4.2.染料
本実施形態の捺染方法において、インク組成物に染料を配合してもよい。染料としては、特に例示しないが、公知のものを用いることができる。インク組成物に染料が配合されることにより、染色物の発色性をさらに高めることができる場合がある。
5.その他の工程
本実施形態の捺染方法では、上述の乾燥率は、特に加熱乾燥処理を行うことなく、例えば自然乾燥により達成することができる。しかし、必要に応じてインク組成物を付着させる工程中、又はインク組成物を付着させる工程後に、布帛を乾燥させる工程を有してもよい。係る工程は、例えば、インクジェット記録装置に、適宜加熱ユニットや乾燥ユニットを追加して行われてもよいし、インクジェット記録装置とは別に加熱及び/又は乾燥させる構成(例えば、ヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法)を用いて行われてもよい。インク組成物を乾燥させる工程を有することにより、処理液を付着させる工程の直前のインク組成物の乾燥率を調節することができる。
また、本実施形態の捺染方法では、インク組成物を付着させる工程の前に、前処理液を付着させる工程を含んでもよい。前処理液としては、例えば、インク組成物中の色材(顔料)を凝集させ、又は、インク組成物を増粘させるものが挙げられる。このような前処理液の組成としては、特に限定されるものではないが、金属塩、有機酸、カチオン性化合物等を含むものが挙げられる。
このような前処理液は、インク組成物の成分を凝集又は増粘させ、色材の凝集により発色性を高め、印刷ムラを低減し、増粘により布帛に付着した際の画像におけるブリードや滲みを抑制することができる。これにより記録される画像の印刷ムラ等を抑制することができる。前処理液を付着させる方法としては、例えば、スピンコート、スプレーコート、グラビアロールコート、リバースロールコート、バーコート、インクジェット法等のいずれの方法も使用できる。
さらに、本実施形態の捺染方法では、上記工程の他に、例えばコロナ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、紫外線照射処理、溶剤処理等を含んでも良い。これらの処理は、公知の装置を用いて実施することができる。これらの処理を行う場合には、インク組成物を付着させる工程の前に行われることがより好ましい。係る工程の前に、例えばコロナ処理を行っておくことで、布帛の表面に対するインク組成物の密着性や濡れ性をより高めることができ、顔料の密着性や耐擦性を一層向上できることがある。
5.実施例及び比較例
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
5.1.インク組成物の調製
表1の組成になるように各成分を容器に入れて、マグネチックスターラーで2時間混合および攪拌した後、さらに、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填したビーズミルにて分散処理を行うことにより十分に混合した。1時間攪拌してから、5μmのPTFE製メンブランフィルターを用いて濾過することで、各インク組成物を得た。表1中の数値は、質量%を示し、純水(イオン交換水)は各インク組成物の質量がそれぞれ100質量%
となるように添加した。
Figure 0006794650
なお、表中、シアン顔料分散液は、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3、65部をスチレン−アクリル酸系分散樹脂であるジョンクリル611(商品名:BASFジャパン株式会社製)35部、水酸化カリウム1.70部、イオン交換法と逆浸透法により精製した超純水250部を混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行い、ガラス繊維ろ紙GA−100(商品名:アドバンテック東洋社製)で濾過して粗大粒子を除き、顔料濃度が15質量%となるように調整したものを用いた。
第2樹脂としては、タケラックWS−6021(Tg:−60℃、40℃)(三井化学ポリウレタン社製商品名、ウレタン系樹脂エマルション)及びビニブラン2682(Tg:−30℃)(日信化学工業社製商品名、アクリル樹脂エマルション)を表に記載の配合で用いた。
化合物名で記載した成分は、いずれも試薬として購入したものを用いた。また、BYK−348は、ビックケミー・ジャパン社製のシロキサン系界面活性剤である。
5.2.処理液の調製
表2の組成になるように各成分を容器に入れて、マグネチックスターラーで2時間混合および攪拌した後、さらに、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填したビーズミルにて分散処理を行うことにより十分に混合した。1時間攪拌してから、5μmのPTFE製メンブランフィルターを用いて濾過することで、各処理液を得た。表2中の数値は、質量%を示し、純水(イオン交換水)は各処理液の質量がそれぞれ100質量%となるように添加した。
第1樹脂としては、インク組成物と同様に、WS−6021(Tg:−60℃、40℃)(三井化学ポリウレタン社製商品名、ウレタン系樹脂エマルション)及びビニブラン2682(Tg:−30℃)(日信化学工業社製商品名、アクリル樹脂エマルション)を表に記載の配合で用いた。
Figure 0006794650
5.3.評価試験
5.3.1.染色物の作成
布帛として、市販のTシャツ生地(商品名「HANESヘビーウェイト」、HANES社製、生地色:白、素材:綿100%)を用意し、布帛に対して、インクジェットプリンター(商品名「PX−G930」、セイコーエプソン株式会社製)を用いたインクジェット法により、上記のように調製したインク組成物を付着させて画像を印捺した。各実施例、比較例のインクの打ち込み量は表3中に記載の量とした。印捺パターン(画像)は、1440×720dpiの解像度、印刷範囲はA4サイズとし、Duty100%でベタパターンを印刷することで得られた。また、各実施例、比較例について、表3に記載したタイミングで、スプレー法によって処理液を付着させた。各実施例、比較例の処理液の付着量は表3中に記載の量とした。
なお、比較例1及び比較例2では、処理液の塗布を行わなかった。また、比較例3に関しては、インク組成物の付着後、温風ヒーターで布帛表面を加熱することにより乾燥処理を行い、スプレー法による処理液の付着を行った。なお、比較例3では、乾燥処理を行ったため、処理液の塗布タイミングの測定は行わず、表3中にNDと記載した。
また表中、インク乾燥率は、上記印刷と同条件でインク組成物をTシャツ生地に付着させ、付着後の時間に対する質量の変化を実測して検量線を作成し、係る検量線を用いて、各例のインク組成物塗布後の時間から、読み取った値を記載した。なお、インク組成物をTシャツ生地に付着させた後にヒートプレスにて170℃で1分間加熱乾燥したものを乾燥率100%とする。
5.3.2.摩擦堅牢性
染色物の摩擦堅牢性試験を、JISL0849摩擦試験機II型に準じ、学振式AB−301(テスター産業社製)により実施した(荷重200g、100往復)。摩擦布は黒色綿ブロード(綿100%)を用いた。摩擦後のパターンの表面を目視で観察し、以下の基準で評価して、表3に記載した。
◎:パターンのインクが剥げて下地が見える箇所が全く見られない
○:パターンのインクが剥げて下地が見える箇所がほとんど見られない(パターンの面積に対して1%以下)
△:パターンのインクが剥げて下地が見える箇所が一部見られる(パターンの面積に対して1%超10%以下)
×:パターンのインクが剥げて下地が見える箇所が全体にみられる(パターンの面積に対して10%超)。
5.3.3.洗濯堅牢性
印捺後のTシャツの洗濯堅牢度について、「AATCC612A」に準じて評価を行い、以下の様に判断した。
◎:洗濯堅牢度が4級以上
○:洗濯堅牢度が3級以上−4級未満
△:洗濯堅牢度が2級以上3級未満以下
×:洗濯堅牢度が2級未満。
5.3.4.風合い
印刷部と非印刷部の風合いの違いを手触りで評価した。
○:印刷部の手触りが元の生地と比べほとんど変化がない
△:印刷部の手触りがやや硬くなったように感じる
×:印刷部の手触りが明らかに硬くなった。
5.3.5.ヘッド信頼性
エプソン製インクジェットプリンターSC−S30650の複数のノズル列からインク組成物及び処理液がそれぞれ吐出されるように充填し、全ノズルが正常に吐出することを確認してから記録ヘッドをキャップして25℃で1週間静止した後、ノズル検査を行い、全360個のノズルのうち不吐出ノズルとなったノズル数を確認した。
○:不吐出ノズル数が3個以内であった
△:不吐出ノズル数が4個以上10個以内であった
×:不吐出ノズル数が10個以上であった。
5.3.6.画質(にじみ)
印刷部と非印刷部の境界の滲みを目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:滲みなし
△:若干滲みあり
×:滲みあり。
Figure 0006794650
5.4.評価結果
以上の評価結果を表3に記載した。乾燥率が90%未満で第1樹脂を含有する処理液を塗布した実施例の染色物は、いずれの評価項目も良好であった。また、各実施例では、インク組成物を付着させた後、インク組成物を積極的に乾燥させることなく、30s以内に処理液を塗布しており、工程全体に要した時間は短かった。
これに対して処理液を塗布しなかった比較例1の染色物は、画像の堅牢性が不十分となった。これは第2樹脂の量に対して、第1樹脂によって樹脂量が補われないことによると考えられる。また、処理液を塗布しなかった比較例2の染色物は、インク組成物のみに対して、堅牢性を得るために十分と考えられる量の第2樹脂を配合しており、堅牢性は得られたが、インク組成物の高粘度化によるヘッドの信頼性が悪くなった。一方、インク組成物の乾燥率が90%である比較例3では、画像の堅牢性が不十分となった。これは、インク組成物が乾燥した状態で処理液が塗布されても、両者の混合が不十分となり、いわゆる食い付きが低下したためと考えられる。
一方、実施例のうち、インク組成物中の第2樹脂の濃度が6質量%と高めの実施例6では、許容範囲ながら、ヘッドの信頼性が若干低下した。また、処理液中の第1樹脂の量の少ない実施例7では、許容範囲ながら堅牢性が若干低下した。逆に処理液中の第1樹脂の量の多い実施例8では、許容範囲ながら堅牢性が若干低下した。
実施例11、実施例12をみると、インク組成物の打ち込み量と、処理液の打ち込み量との関係において、インク組成物の打ち込み量が多く処理液の打ち込み量が少ない場合には、堅牢性が悪くなる傾向が見られ、処理液の打ち込み量が多くインク組成物の打ち込み量が少ない場合には、風合いが悪くなる傾向が見られた。このことから、堅牢性と風合いをバランスさせる場合に、打ち込み量の比率には適した範囲が存在することが示唆される。
さらに、実施例1及び実施例13をみると、アクリル系樹脂とウレタン系樹脂とを比較した場合には、ウレタン系樹脂のほうが総合的に優れることが示唆された。実施例1及び実施例14をみると、インク組成物の第2樹脂にウレタン系樹脂を用いた場合には、処理液の第1樹脂が、第2樹脂と同種の樹脂であるほうがより優れた結果となることが示唆された。逆に、実施例13、実施例15をみると、インク組成物の第2樹脂にアクリル系樹脂を用いた場合には、処理液の第1樹脂が、異種の樹脂であるほうがより優れた結果となることが示唆された。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (9)

  1. 顔料を含有するインク組成物を、インクジェット法により布帛に付着させる工程と、
    前記インク組成物の乾燥率が90%未満の状態で、第1樹脂を含有する処理液を前記布帛に付着させる工程と、
    を含み、
    前記処理液を付着させる工程は、インクジェット法以外の方法で行われ、
    前記第1樹脂の含有量が、前記処理液の総量に対して、3質量%以上である、捺染方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1樹脂は、ウレタン系、スチレンアクリル系、アクリル系、及び、塩化ビニル−酢酸ビニル系から選択される少なくとも一種である、捺染方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記インク組成物は、第2樹脂を含有する、捺染方法。
  4. 請求項3において、
    前記第1樹脂及び前記第2樹脂の少なくとも一方のガラス転移温度は、0℃以下である、捺染方法。
  5. 請求項3又は請求項4において、
    前記第1樹脂及び前記第2樹脂は、同系の樹脂である、捺染方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記処理液を付着させる工程は、前記インク組成物を付着させる工程の後、1秒以上30秒以下の時点で開始される、捺染方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
    前記処理液を付着させる工程は、スプレー塗布によって行われる、捺染方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
    前記第1樹脂の含有量が、前記処理液の総量に対して、10質量%以上である、捺染方法。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項において、
    前記処理液の付着量が10g/m以上である、捺染方法。
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