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JP6787666B2 - 製菓製パン練り込み用油脂組成物とそれを用いた焼成品の製造方法 - Google Patents

製菓製パン練り込み用油脂組成物とそれを用いた焼成品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼成品の生地への練り込みに使用される製菓製パン練り込み用油脂組成物とそれを用いた焼成品の製造方法に関する。
従来、製パンにおけるソフトさ、口溶け、ヒキのない食感については長く検討されてきた。ソフトさを得るための技術としては、酵素、乳化剤、または食品素材を使用すること、あるいは油脂組成物の配合を調整することなどが行われている(特許文献1〜5)。
特許文献1には、ソフトで団子にならず、喉ごしの良いパン等を得ることを目的として、油中水型乳化物の水相中にトレハロースを配合することが提案されている。しかし、トレハロースはイーストに分解されないため、特有の甘みがパン等に付加され、特に食パンに使用した場合には風味を損なうおそれがある。
特許文献2には、製品のソフト化、老化防止に加えて食感面でのくちゃつきを改善することを目的として、グルコースオキシダーゼとαアミラーゼを含有する製パン改良剤が提案されている。しかし、くちゃつきは軽減できるが、ヒキのない食感については十分な改善効果がみられていない。
特許文献1、2などに提案されている、酵素、乳化剤、または食品素材を使用した改良剤は、製品表示上の制約や、最終製品の味に影響を与える等の問題があった。
特許文献3には、製パンの作業性、ソフトさ、歯切れを改善することを目的として、酵素、乳化剤、食品素材を使用せず、油脂配合のみの観点から、油脂の結晶を調整した油脂組成物が提案されている。しかし、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上で構成される3飽和トリグリセリドの含有量については言及されておらず、ソフトさやヒキのない食感を得る技術には更なる改善の余地があった。
特許文献4には、生地に練り込む際の作業性、泡立ち、低温領域での可塑性などの改善を図ることを目的として、1位と2位または2位と3位にパルミチン酸、3位または1位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドPPOと、1位と3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドPOPとの質量比(PPO/POP)、PPOおよびPOPの合計量であるP2Oの含有量などの油脂組成を特定範囲とすることが提案されている。しかし、PPO/POPの数値が低く、またはP2Oの量が少ないため、油脂組成全体を考慮すると結晶量が少ない配合となっている。そのため、パンが口中で団子になりやすく、くちゃつきのある食感となりやすい。
特許文献5には、クロワッサン、パイ、デニッシュなどのペストリー食品の製造に使用するのに適した広い温度域における可塑性、伸展性を有し、かつ、得られるペストリー食品の浮きが良好で、かつ口溶けなどの食感も良好な実質的にトランス酸を含有しないロールイン用可塑性油中水型乳化物を目的として、可塑性油中水型乳化物中、ラウリン系ハードバターを5〜50質量%、パーム油起源の非選択的エステル交換油脂3質量%以上、乳脂肪を1質量%以上含有し、油相のSFCが10℃で40%以上、35℃で10%以下であり実質的にトランス酸を含まないロールイン用可塑性油中水型乳化物が提案されている。しかし、PPO/POPの数値が高いため、他の油脂組成も併せて考慮すると、焼成品のソフトさに影響し、口溶け、すなわち口中でのダマになりやすさに問題がある。あるいは、実施例によってはP2Oの量が少ないため結晶量が少なく、パンがくちゃつきのある食感となりやすい。また、用途についても生地と重ねて層状に折り込むロールイン用で、生地中に練り込んで分散させる練り込み用途については記載されていない。
特開2002−153208号公報 特開平9−135656号公報 特開2003−210107公報 国際公開第2010/26928号 特開2008−193974号公報
特許文献3〜5に記載の技術は、油脂配合の観点からパンのソフトさなどの特性の改良を図るものであるが、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量などについては触れられておらず、またPPO/POPやP2Oなどの数値および油脂組成全体を併せて考慮すると、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感がいずれも良好な製菓製パンを得るには更なる改善の余地があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、可塑性油脂として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができる、製菓製パン練り込み用油脂組成物とそれを用いた焼成品の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物は、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が15質量%以下である油脂のみを含有し、以下の(a)〜(d)の条件を満たすことを特徴としている:
(a)PPOとPOPとの質量比(PPO/POP)が1.0超2.2以下(PPOは、1位と2位または2位と3位にパルミチン酸、3位または1位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドであり、POPは、1位と3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドであり、Pはパルミチン酸、Oはオレイン酸を示す。);
(b)P2Oの含有量が油脂全量に対して6.5〜15.5質量%(P2Oの含有量は、PPOおよびPOPの合計量である。);
(c)構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が油脂全量に対して0.1〜7.5質量%;および、
(d)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸量が油脂全量に対して2.0〜25質量%。
本発明の焼成品の製造方法は、前記製菓製パン練り込み用油脂組成物を含有する可塑性油脂を生地に練り込み、この生地を焼成することを特徴としている。
本発明によれば、可塑性油脂として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができる。
以下の記述において、P2Oは、PPOおよびPOPを示す。PPOは、1位と2位または2位と3位にパルミチン酸、3位または1位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドを示し、POPは、1位と3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドを示し、Pはパルミチン酸、Oはオレイン酸を示す。LLLは、1位と2位と3位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドを示し、MLLは、1位または3位にミリスチン酸、2位と3位または1位と2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドを示し、LMLは、1位と3位にラウリン酸、2位にミリスチン酸が結合されたトリグリセリドを示し、Lはラウリン酸、Mはミリスチン酸を示す。
本明細書において「口溶け」とは、口中でのダマになりにくさを言う。「ヒキ」とは、焼成品を口中に含んだ際に、パン様の繋がりが残存する食感を言う。「パサつき」とは、パンを食べる際に、生地が乾燥してボソボソとしているように感じられ、咀嚼時に、飲み込みにくくなることを指す。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が15質量%以下である油脂のみを含有し、(a)PPO/POP、(b)P2Oの含有量、(c)構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量、(d)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸量を特定範囲としたことを特徴としている。このような油脂組成としたことにより、低融点であり、口に入れると油脂が素早く溶解する特性を持ち、かつ結晶量が適度にあることから、可塑性油脂(B)として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができる。
また、このような特性を持つことから、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)を可塑性油脂(B)として生地に練り込んだ焼成品は、パサつき感がなく、トップのフレーバーリリースに優れている。また、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)を用いた可塑性油脂(B)は、10℃程度、例えば5〜10℃の低温における生地への分散性に優れている。
1.油脂
本発明において、油脂中のトリグリセリドとは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造を有するものである。トリグリセリドの1位、2位、3位とは、脂肪酸が結合した位置を表す。なお、トリグリセリドの構成脂肪酸の略称として、S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸、を用いる。
飽和脂肪酸Sは、油脂中に含まれるすべての飽和脂肪酸である。また、各トリグリセリド分子に結合している2つまたは3つの飽和脂肪酸Sは、同一の飽和脂肪酸であってもよいし、異なる飽和脂肪酸であってもよい。
飽和脂肪酸Sとしては、特に限定されないが、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)などが挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数である。
不飽和脂肪酸Uは、油脂中に含まれるすべての不飽和脂肪酸である。また、各トリグリセリド分子に結合している2つまたは3つの不飽和脂肪酸Uは、同一の不飽和脂肪酸であってもよいし、異なる不飽和脂肪酸であってもよい。
不飽和脂肪酸Uとしては、特に限定されないが、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)などが挙げられる。なお、上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)に使用される油脂は、1位、2位、3位のすべてに飽和脂肪酸Sが結合した3飽和トリグリセリド(SSS)を含み、1分子のグリセロールに2分子の飽和脂肪酸Sと1分子の不飽和脂肪酸Uが結合した2飽和トリグリセリドとして、1位および3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ2位に不飽和脂肪酸Uが結合した対称型トリグリセリド(SUS)と、1位と2位、または2位と3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ3位または1位に不飽和脂肪酸Uが結合した非対称型トリグリセリド(SSU)とを含む。また、1分子のグリセロールに2分子の不飽和脂肪酸Uと1分子の飽和脂肪酸Sが結合した2不飽和トリグリセリド(UUS、USU)を含んでよく、1位、2位、3位のすべてに不飽和脂肪酸Uが結合した3不飽和トリグリセリド(UUU)を含んでよい。
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)に使用される油脂としては、特に限定されないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、魚油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、カカオ脂、豚脂(ラード)、牛脂、乳脂、それらの分別油またはそれらの加工油(硬化およびエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)などが挙げられる。本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)における、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が15質量%以下である油脂のみを含有すること、および(a)PPO/POP、(b)P2Oの含有量、(c)構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量、(d)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸量を満たすために、これらの油脂は、2種以上を併用することが好ましい。
2.製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が15質量%以下である油脂のみを含有する。このような油脂のみを含有することで、低融点であり、口に入れると油脂が素早く溶解する特性を持ち、かつ結晶量が適度にあることから、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)における油脂組成の条件(a)〜(d)と相俟って、可塑性油脂(B)として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができる。このような点を考慮すると、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が12質量%以下である油脂のみを含有することが好ましい。
(a)本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、PPOとPOPとの質量比(PPO/POP)が1.0超2.2以下である。この範囲内であると、トリグリセリドの対称性が良く、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)における油脂配合および油脂組成の条件と相俟って、可塑性油脂(B)として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができ、特に焼成品のソフトさが良好で、口溶けも良好である。
(b)本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、P2Oの含有量が油脂全量に対して6.5〜15.5質量%である。P2Oの含有量をこの範囲内とすることで、結晶量が適度なものとなり、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)における油脂配合および油脂組成の条件と相俟って、可塑性油脂(B)として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができ、特にヒキのない食感が良好である。
(c)本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が油脂全量に対して0.1〜7.5質量%である。この範囲内とすることで、低融点であり、口に入れると油脂が素早く溶解する特性を持ち、かつ結晶量が適度にあることから、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)における油脂配合および油脂組成の条件と相俟って、可塑性油脂(B)として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができる。また、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量は、生地への分散性が向上する点から、油脂全量に対して1.0〜6.0質量%が好ましい。
(d)本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸量が油脂全量に対して2.0〜25質量%である。2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドは、ラウリン酸の分子量が小さいことに起因し、分子運動がおこりやすい。そのため固化後に油脂中で、分子同士が離れやすい状態となり、その結果として、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)における油脂配合および油脂組成の条件と相俟って、可塑性油脂(B)として生地に練り込むことで、口溶け、ソフトさが良好となる。また、低温下での良好な物性を得ることができ、10℃程度の低温における生地への分散性に優れている。
2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。2位がラウリン酸であるトリグリセリドとしては、例えば、SLS型トリグリセリド、SLU型トリグリセリド(位置異性体も含む)、ULU型トリグリセリドなどが挙げられるが、特に限定されない。なお、「L」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるラウリン酸を意味する。本発明の効果を得る点から、2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸である場合、炭素数4〜20の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸である場合、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸など)であることが好ましい。2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸である場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜20の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数16〜18の不飽和脂肪酸)であることが好ましい。
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、LLL、MLL、およびLMLの合計量が油脂全量に対して1.5〜7質量%であることが好ましい。LLL、MLL、およびLMLの合計量をこの範囲内とすることで、口溶けとソフトさのバランスが良好となり、口溶けが良くかつソフトさが良好となる。すなわち、飽和脂肪酸の中でもLLLやMLL、LMLといったトリグリセリドを含有することで、口溶けとソフトさのバランスが取れ、従ってフレーバーリリースが良好な製菓製パンを得ることができる。
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、35℃における固体脂含量が8質量%以下の油脂のみを含有することが好ましい。このような油脂のみを含有することで、低融点であり、口に入れると油脂が素早く溶解する特性を持つことから、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)における油脂配合および油脂組成の条件と相俟って、可塑性油脂(B)として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができる。特にヒキのない食感が良好となる。また、作業性の面では、10℃程度の低温における生地への分散性が良好となる。
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物は、ヨウ素価が50〜60のエステル交換油脂を含有することが好ましい。このようなエステル交換油脂を含有することで、低融点であり、口に入れると油脂が素早く溶解する特性を持つことから、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)における油脂配合および油脂組成の条件と相俟って、後述の可塑性油脂(B)として生地に練り込むことで、ソフトさ、口溶け、ヒキのない食感に優れた製菓製パンを得ることができる。特にヒキのない食感が良好となる。
ヨウ素価が50〜60のエステル交換油脂としては、パーム系油脂を原料に含むエステル交換油脂が好ましい。パーム系油脂としては、例えば、パーム油、パーム分別油、これらの硬化油などが挙げられ、これらはエステル交換油脂の原料として1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。パーム分別油としては、硬質部、軟質部、中融点部などを用いることができる。
上記エステル交換油脂のエステル交換反応には、エステル交換触媒として化学触媒や酵素触媒が用いられる。化学触媒としてはナトリウムメチラートや水酸化ナトリウムなどが用いられ、酵素触媒としてはリパーゼなどが用いられる。リパーゼとしてはアスペルギルス属、アルカリゲネス属などのリパーゼが挙げられ、イオン交換樹脂、ケイ藻土、セラミックなどの担体上に固定し固定化したものを用いても、粉末の形態として用いても良い。また位置選択性のあるリパーゼ、位置選択性のないリパーゼのいずれも用いることができるが、位置選択性のないリパーゼを用いることが好ましい。
エステル交換反応に化学触媒を用いる場合、触媒を油脂質量の0.05〜0.15質量%添加し、減圧下で80〜120℃に加熱し、0.5〜1.0時間攪拌することでエステル交換反応が平衡状態となって完了し、エステル交換油脂を得ることができる。また酵素触媒を用いる場合、リパーゼなどの酵素触媒を油脂質量の0.01〜10質量%添加し、40〜80℃でエステル交換反応を行うことによりエステル交換反応が平衡状態となって完了し、エステル交換油脂を得ることができる。エステル交換反応はカラムによる連続反応、バッチ反応のいずれの方法で行うこともできる。エステル交換反応後、必要に応じて脱色、脱臭などの精製を行うことができる。
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、油脂の構成脂肪酸としてトランス酸を含んでもよく、含まなくてもよいが、トランス酸の摂取量が多くなると、人体に摂取された際のLDLコレステロールが増加しうる。よって、これを抑制しやすい点から、本発明においては、油脂の構成脂肪酸中のトランス酸の含有量は、油脂の構成脂肪酸全体の質量に対して10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることが最も好ましい。
2.可塑性油脂(B)
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、油相中に本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)を含有する可塑性油脂(B)を調製し、これを原材料とする生地を用いて焼成品を得ることができる。
この可塑性油脂(B)は、油相中に本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)を含有するものである。
可塑性油脂(B)における本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)の含有量としては、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%である。
この可塑性油脂(B)は、水相を実質的に含有しない形態と、水相を含有する形態をとることができる。水相を含有する形態としては油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型が挙げられ、油相の含有量は、好ましくは60〜99.4質量%、より好ましくは65〜98質量%であり、水相の含有量は、好ましくは0.6〜40質量%、より好ましくは2〜35質量%である。水相を含有する形態としては油中水型が好ましく、例えばマーガリンが挙げられる。
また水相を実質的に含有しない形態としてはショートニングが挙げられる。ここで「実質的に含有しない」とは日本農林規格のショートニングに該当する、水分(揮発分を含む。)の含有量が0.5質量%以下のことである。
この可塑性油脂(B)には、水以外に、従来の公知の成分を含んでもよい。公知の成分としては、特に限定されないが、例えば、乳、乳製品、蛋白質、糖質、塩類、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、香辛料、着色成分、フレーバー、乳化剤、酒類、酵素、粉末油脂などが挙げられる。乳としては、牛乳などが挙げられる。乳製品としては、脱脂乳、生クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズなど)、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白濃縮ホエイパウダー、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウムなどが挙げられる。蛋白質としては、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、小麦蛋白などの植物蛋白などが挙げられる。糖質としては、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースなど)、二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロースなど)、オリゴ糖、糖アルコール、ステビア、アスパルテームなどの甘味料、デンプン、デンプン分解物、多糖類などが挙げられる、抗酸化剤としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物などが挙げられる。香辛料としては、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロンなどが挙げられる。着色成分としては、カロテン、アナトー、アスタキサンチンなどが挙げられる。フレーバーとしては、バターフレーバー、ミルクフレーバーなどが挙げられる。乳化剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
この可塑性油脂(B)は、公知の方法により製造することができる。例えば水相を含有する形態のものは、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)を含む油相と水相とを適宜に加熱し混合して乳化した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサスなどの冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。水相を含有しない形態のものは、本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)を含む油相を加熱した後、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサスなどの冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。冷却混合機において、必要に応じて窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込むこともできる。また急冷捏和後に熟成(テンパリング)してもよい。
3.生地および焼成品
本発明の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)は、可塑性油脂(B)としてパンや菓子などの焼成品の生地に練り込んで使用することができる。可塑性油脂(B)を含有する生地を焼成することによってパンや菓子などの焼成品が得られる。生地への可塑性油脂(B)の練り込みや、焼成は、例えば公知の条件および方法に従って行うことができる。
生地は穀粉を主成分とし、穀粉としては、通常、焼成品の生地に配合されるものであれば、特に限定されないが、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉など)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉などが挙げられる。
生地における可塑性油脂(B)の配合量は、焼成品の種類によっても異なり特に限定されないが、生地に配合される穀粉100質量部に対して、好ましくは2〜40質量部であり、より好ましくは2〜30質量部である。
生地には、穀粉と可塑性油脂(B)以外にも、通常、焼成品の生地に配合されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、焼成品の生地に配合される範囲を考慮して特に制限なく配合することができる。具体的には、例えば、水や、前述したような乳、乳製品、蛋白質、糖質の他、卵、卵加工品、澱粉、塩類、乳化剤、乳化起泡剤(乳化油脂)、イースト、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果物類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆蛋白、膨張剤、甘味料、調味料、香辛料、着色料、フレーバー、酵素などが挙げられる。
可塑性油脂(B)を添加した生地を用いた焼成品のパンや菓子としては、例えば、食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パン、フランスパン、ライブレッドなどのパン類、シュトーレン、パネトーネ、クグロフ、ブリオッシュ、ドーナツなどのイースト菓子、デニッシュ、クロワッサン、パイなどのペストリー、バターケーキ、パウンドケーキ、スポンジケーキ、ビスケット、クッキー、ドーナツ、ブッセ、ホットケーキ、ワッフルなどのケーキなどが挙げられる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(1)測定方法
油脂のヨウ素価は、基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.3.4.1−2013ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」で測定した。
油脂の固体脂含量(SFC)は、基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.2.9−2013 固体脂含量(NMR法)」で測定した。
P2Oの含有量(PPOおよびPOPの合計量)、PPOとPOPとの質量比(PPO/POP)、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量、LLL、MLL、およびLMLの合計量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)で測定し、それぞれ脂肪酸量を用いて計算にて求めた。トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」で測定した。なお、P2Oの含有量、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量、トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸量、LLL、MLL、およびLMLの合計量は、油脂全量を基準としている。
(2)評価
<製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)および可塑性油脂(B)の作製>
表1および表2に示す配合比にて各油脂を混合し、実施例および比較例の製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)を得た。なお、各油脂の35℃における固体脂含量(%)、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量(質量%)は表3に示すとおりである。
製菓製パン練り込み用油脂組成物(A)81.2質量部を75℃に調温し、乳化剤0.2質量部を添加後、溶解させ油相とした。一方、水16.5質量部に脱脂粉乳1.0質量部および食塩1.0質量部を添加し、80℃で加熱殺菌して水相を得た。
次に、該油相に該水相を添加し、プロペラ攪拌機で撹拌して、油中水型に乳化した後、ミルクフレーバーを0.1質量部添加し、撹拌後、コンビネーターによって急冷捏和して、下記の配合割合のマーガリンを可塑性油脂(B)として得た。得られたマーガリンは熟成(テンパリング)後に5℃で保管した。
〈マーガリンの配合〉
製菓製パン練り込み用油脂組成物(A) 81.2質量部
乳化剤 0.2質量部
水 16.5質量部
脱脂粉乳 1.0質量部
食塩 1.0質量部
ミルクフレーバー 0.1質量部
<食パンの作製>
イーストを分散させた水、イーストフード、および強力粉をミキサーボールに投入しフックを使用して、下記条件にてミキシング、発酵を行い、中種生地を得た。
その後、本捏配合のマーガリン以外の全材料および中種生地を添加し低速3分、中低速3分でミキシングした後、マーガリンを投入し、さらに低速3分、中低速4分でミキシングしパン生地を得た。捏上温度は28℃であった。
その後、20分のフロアータイムをとった後、生地を分割し、再度20分のベンチタイムをとった。生地の成型は、モルダーで伸展し、ロール型に成型後、ワンローフ型に入れ、38℃、湿度80%で45分間のホイロをとり、その後200℃で30分焼成した。
〈食パン配合〉
・中種配合
強力粉 70質量部
イースト 2.5質量部
イーストフード 0.1質量部
水 40質量部
・本捏配合
強力粉 30質量部
上白糖 6質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 2質量部
マーガリン(可塑性油脂(B)) 5質量部
水 25質量部
<評価>
以下の各評価において、パネルは、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準嗅覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判断された20〜40代の男性4名、女性6名を選抜した。
[ヒキ]
焼成した食パンを放冷後、20℃で2日保存し、試食したときにヒキ(パン様の繋がりが残存する食感)を感じるかをパネル10名で以下の基準により評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、ヒキがないと評価した。
○:パネル10名中5〜7名が、ヒキがないと評価した。
△:パネル10名中3〜4名が、ヒキがないと評価した。
×:パネル10名中ヒキがないと評価したのは2名以下であった。
[口中でのダマになりやすさ]
焼成した食パンを放冷後、20℃で2日保存し、試食したときに口中でのダマになりやすさを感じるかをパネル10名で以下の基準により評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、口中でダマになりにくいと評価した。
○:パネル10名中5〜7名が、口中でダマになりにくいと評価した。
△:パネル10名中3〜4名が、口中でダマになりにくいと評価した。
×:パネル10名中、口中でダマになりにくいと評価したのは2名以下であった。
[パサつき感]
焼成した食パンを放冷後、20℃で2日保存し、試食したときのパサつきをパネル10名で以下の基準により評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、パサつきが無いと評価した。
○:パネル10名中5〜7名が、パサつきが無いと評価した。
△:パネル10名中3〜4名が、パサつきが無いと評価した。
×:パネル10名中パサつきが無いと評価したのは2名以下であった。
[口あたりのソフトさ]
焼成した食パンを放冷後、20℃で2日保存し、試食したときの口あたりのソフトさをパネル10名で以下の基準により評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、ソフトさがあると評価した。
○:パネル10名中5〜7名が、ソフトさがあると評価した。
△:パネル10名中3〜4名が、ソフトさがあると評価した。
×:パネル10名中ソフトさがあると評価したのは2名以下であった。
[トップのフレーバーリリース]
焼成した食パンを20℃で2日保存し、試食したときのトップのフレーバーリリースをパネル10名で以下の基準で評価し、その平均点により評価した。
評価基準
点数
4点:トップのフレーバーリリースが非常に速く、風味を強く感じる。
3点:トップのフレーバーリリースが速く、風味を強く感じる。
2点:トップのフレーバーリリースがやや遅く、風味が若干薄れる。
1点:トップのフレーバーリリースが遅く、風味が弱い。
平均点
◎:平均点が3.5以上
〇:平均点が3以上3.5未満
△:平均点が2以上3未満
×:平均点が2未満
[10℃での生地への分散性]
食パン作製時に10℃でマーガリンを生地に添加したときのマーガリンの塊がなくなる時間を目視により評価した。
評価基準
◎:1分超〜1分45秒以内で分散した。
○:1分45秒超〜2分30秒以内で分散した。
△:2分30秒超〜3分30秒以内で分散した。
×:3分30秒超で分散した。
上記の評価結果を表1および表2に示す。また製菓製パン用油脂組成物(A)の組成等も併せてこれらの表に示し、各油脂の35℃における固体脂含量(%)、構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量(質量%)は表3に示した。
Figure 0006787666
Figure 0006787666
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Claims (5)

  1. 構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が15質量%以下である油脂のみを含有し、かつ、ヨウ素価が50〜60のエステル交換油脂を25質量%〜55質量%含有し、以下の(a)〜(d)の条件を満たす製菓製パン練り込み用油脂組成物:
    (a)PPOとPOPとの質量比(PPO/POP)が1.0超2.2以下(PPOは、1位と2位または2位と3位にパルミチン酸、3位または1位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドであり、POPは、1位と3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドであり、Pはパルミチン酸、Oはオレイン酸を示す。);
    (b)P2Oの含有量が油脂全量に対して6.5〜15.5質量%(P2Oの含有量は、PPOおよびPOPの合計量である。);
    (c)構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が油脂全量に対して2.8〜7.5質量%;および、
    (d)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸量が油脂全量に対して2.0〜25質量%。
  2. LLL、MLL、およびLMLの合計量が油脂全量に対して1.5〜7質量%である、請求項1に記載の製菓製パン練り込み用油脂組成物(LLLは、1位と2位と3位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドであり、MLLは、1位または3位にミリスチン酸、2位と3位または1位と2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドであり、LMLは、1位と3位にラウリン酸、2位にミリスチン酸が結合されたトリグリセリドであり、Lはラウリン酸、Mはミリスチン酸を示す。)。
  3. 35℃における固体脂含量が8質量%以下の油脂のみを含有する、請求項1または2に記載の製菓製パン練り込み用油脂組成物。
  4. 構成脂肪酸の全てが炭素数16以上である3飽和トリグリセリドの含有量が12質量%以下である油脂のみを含有する、請求項1から3のいずれかに記載の製菓製パン練り込み油脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の製菓製パン練り込み用油脂組成物を含有する可塑性油脂を生地に練り込み、この生地を焼成する焼成品の製造方法。
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