JP6787017B2 - トーションビームの構造及びトーションビーム式サスペンション - Google Patents
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Description
このようなトーションビーム式サスペンションのトーションビームに対しては、旋回時のロール荷重や路面の凹凸などに起因して左右の車輪相互間に生じる車両上下方向の相対変位を捩じれによって吸収し、捩じれ反力によって規制する必要があるため、トーションビームには適度な捩じり剛性が要求されている。
また、剛性の高い縦壁部の板厚は一定に形成されているため、適度な値が要求される捩じり剛性の調整が困難であった。したがって、鋼板よりも強度の低いアルミニウム部材などを用いて、捩じり剛性の要求性能が低い軽自動車や小型車両のトーションビームに適用する場合に、鋼板と同等の強度を確保するため板厚を厚くしてしまうと、捩じり剛性が高くなり過ぎる可能性があった。
このような構成にした理由として、トーションビーム式サスペンションにおいて、トーションビームよりも車両後方側のトレリングアームの箇所には、スプリング取付部及びアブソーバ取付部が設けられているので、車両後方側の剛性は車両前方側の剛性よりも高い。また、本発明のトーションビームは、車両後方側の下端部が最も高い剛性を有しているので、車両後方側の剛性が高い。そのため、トーションビーム式サスペンションが車両上下方向に曲げられた場合、当該接合部付近においては、剛性の低い車両前方側の壁部が外側へ膨らんで開くように変形し、高い応力が発生することになるので、このような応力の発生を抑える必要性を有するからである。
図1〜図6は本発明の実施形態に係るトーションビームの構造及びトーションビーム式サスペンションを示すものである。なお、図において、矢印Frは車両前方、矢印Oは車両外側方向、矢印Uは車両上方をそれぞれ示している。また、図2において、矢印F1はタイヤ接地点Gの上下力(上下荷重)、矢印F2はタイヤ接地点Gの前後力(前後荷重)、矢印F3はタイヤ接地点Gの横力(横荷重)の方向をそれぞれ示している。
トーションビーム3は、トレリングアーム4に入力される横力、前後力、上下力に対して高い剛性を有しているが、ロール荷重(左右の車輪2が上下逆位相でストロークした場合)の時は、トーションビーム3を捩じりながらストロークするため、適度な剛性が要求されている。主に、横力、前後力、上下力に対する剛性はトレリングアーム4部の剛性が支配し、ロール荷重に対する剛性はトーションビーム3部の剛性が支配している。それに加えて、トーションビーム3には、繰り返し荷重に対する耐久強度と大荷重に対する静強度も要求されている。
このようなトーションビーム3は、アルミニウム押出し材に限られず、ダイカスト製、鋳造製でも良い。しかも、トーションビーム3の材質は、トレリングアーム4と同様、アルミニウムに限られず、マグネシウムなどの軽金属材料、樹脂材料でも良い。
なお、本発明における「折り曲げ」とは、外側に向かって折り曲げられているような状態の形状のことを指すのであって、必ずしも折り曲げる工程は必要無いものと理解されたい。すなわち、プレス等の加工によって折り曲げられた後の部材の形状を指しても良いし、押出し成形、ダイカスト、鋳造により当初より折り曲げられている部材の形状を指しても良い。
そのため、車両後方側に位置する壁部32の下端部32aには、厚肉部32Aが設けられており、該厚肉部32Aは、トーションビーム3のうちで、板厚tが最も厚く形成され、板厚t1を有している。しかも、トーションビーム3のうちで、車両上部33の板厚t2が最も薄く形成されている。そして、トーションビーム3の板厚tは、図5の矢印で示すように、最も薄い板厚t2の車両上部33から車両前方側及び車両後方側に位置する壁部31,32の下端部31a,32aに向かって徐々に増加するように形成されている。
また、トーションビーム3の車両前方側に位置する壁部31の下端部31a及びトレリングアーム4の車両前方側に位置する壁部41の下端部41aは、車両上下方向の高さが略同一に位置している。
本実施形態のトーションビーム3の構造は、車両幅方向に沿って配置され、車両下側が開口した断面略U字形状を有しており、トーションビーム3の開口側の壁部31,32の下端部31a,32aが、車両前後方向で車両外側へ向けてそれぞれ折り曲げられ、トーションビーム3のうちで、車両後方側に位置する壁部32の下端部32aが最も高い剛性を有している。具体的には、トーションビーム3の車両後方側に位置する壁部32の下端部32aには厚肉部32Aが設けられており、この厚肉部32Aの板厚t1は、トーションビーム3の板厚tのうちで、最も厚く形成されている。
したがって、本実施形態のトーションビーム3の構造によれば、タイヤ2から大きな力がトーションビーム3に加わった際に、最初に塑性変形する車両後方側の壁部32の静強度を効率良く向上させることができる。その理由として、トーションビーム3を備えたトーションビーム式サスペンション1においては、トーションビーム3よりも車両前方側に車体締結部が設けられ、トーションビーム3よりも車両後方側にタイヤ締結部が設けられているので、タイヤ2からの入力により、トーションビーム3が車両上下方向及び車両前後方向へ曲げ変形しようとする。しかし、トーションビーム3の車両後方側に位置する壁部32の下端部32aに設けられた厚肉部32Aが、車両上下方向及び車両前後方向に対するトーションビーム3の曲げ変形を抑えるため、トーションビーム3の静強度を高めることができるからである。
しかも、トーションビーム3の前後両側の壁部31,32には、板厚tの差による段差が存在していないので、トーションビーム3の板厚tの差による応力集中を無くすことができ、さらに板厚tの変化による捩じり剛性を容易に調整することができる。
また、車両後方からの衝突の場合、トーションビーム3が車両上部33で潰れる変形を生じやすくなるため、強度的に弱い接合部が車両前後方向に折れるように破損するのを防ぎ、さらに破損部の破面が車両前方に位置する燃料タンクに接触するのを防ぐことができる。しかも、トーションビーム3とトレリングアーム4とを溶接で接合する際に溶接の開始点が車両上部33である場合、作業性の観点から車両上側から車両前側及び車両後側に2パスで溶接を行うことになる。その際、トーションビーム3の車両上部33の板厚t2を最も薄くすることで、トーションビーム3とトレリングアーム4との間の隙間を車両上部33以外の部分よりも大きくすることが可能になるため、溶接時に発生するガスを逃がしやすくすることができる。
これにより、本実施形態のトーションビーム式サスペンション1では、トーションビーム3とトレリングアーム4との接合部であるアーム接合部3a及びビーム接合部4aにおいて、車両前方側の剛性を上げつつ、車両前方側及び車両後方側の剛性差を小さくすることができる。その結果、本実施形態のトーションビーム式サスペンション1によれば、サスペンションが車両上下方向に曲げられた際に、当該接合部3a,4aの付近において車両前方側の壁部31,41が外側へ膨らんで開くような変形を抑え、高い応力の発生を抑制することができる。
さらに、車両前方側の壁部31,41の下端部31a,41aの高さが同一であると、高さが同一でない場合と比べ、ロール剛性をより適切にでき、車両走行中の空気抵抗を減らし、騒音を抑制することができる。
例えば、既述の実施の形態では、トーションビーム式サスペンション1にスタビライザが取付けられていない構造となっているが、スタビライザが取付られている構造に適用しても良い。
2 車輪
3 トーションビーム
3a アーム接合部
4 トレリングアーム
4a ビーム接合部
31 車両前側の壁部
31a 下端部
32 車両後側の壁部
32a 下端部
32A 厚肉部
33 車両上部
41 車両前側の壁部
41a 下端部
42 車両後側の壁部
42a 下端部
43 車両上部
t1 厚肉部の板厚
t2 車両上部の板厚
Claims (7)
- 車両幅方向に沿って配置され、車両下側が開口した断面略U字形状を有するトーションビームと、車両幅方向の左右両側部に配置されるトレリングアームとが接合されるトーションビーム式サスペンションにおいて、
前記トーションビームの開口側の下端部は、車両前後方向で車両外側へ向けて折り曲げられ、前記トーションビームのうちで、車両後方側に位置する前記下端部が最も高い剛性を有し、
前記トーションビーム及び前記トレリングアームには、前記トーションビーム及び前記トレリングアームの一部が接合される接合部を有し、
前記トレリングアームの車両前方側に位置する前記接合部は、車両後方側に位置する前記接合部よりも高い剛性を有していることを特徴とする、トーションビーム式サスペンション。 - 前記トレリングアームの車両前方側に位置する前記接合部の車両上下方向の長さは、車両後方側に位置する前記接合部の車両上下方向の長さよりも大きく形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のトーションビーム式サスペンション。
- 前記トーションビーム及び前記トレリングアームの車両前方側の下端部は、車両上下方向の高さが略同一に位置していることを特徴とする、請求項1または2に記載のトーションビーム式サスペンション。
- 前記トーションビームの車両後方側に位置する下端部には厚肉部が設けられ、該厚肉部は、前記トーションビームのうちで、板厚が最も厚く形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンション。
- 前記トーションビームのうちで、車両上部の板厚が最も薄く形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンション。
- 前記トーションビームの板厚は、前記車両上部から車両前方側及び車両後方側の前記下端部に向かって徐々に増加するように形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンション。
- 前記トーションビームは、軽合金製又は樹脂製のトーションビームであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンション。
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