(実施形態)
以下では、本実施形態の分離装置1について、図1A〜7Bに基づいて説明する。
分離装置1は、例えば、送風機能を有する空調設備の上流側に設けられ、空気(気体)中の固体を分離する。空調設備は、例えば、上流側から下流側へ空気を送風する送風装置である。送風装置は、例えば、電動ファンである。空調設備は、送風装置に限らず、例えば、換気装置、エアコンディショナ、給気キャビネットファン、送風装置と熱交換器とを備える空気調和システム等でもよい。空調設備により分離装置1に流す空気の流量は、例えば、100m3/h〜300m3/hである。分離装置1に流れる空気の流量は、空調設備を流れる空気の流量と略同じである。
分離装置1は、図1A、1B、2、4〜6に示すように、外筒体2と、回転体3と、複数の羽根36と、モータ4と、を備える。外筒体2は、第1端21に気体の流入口23を有し、第2端22に気体の流出口24を有する。回転体3は、外筒体2の内側に配置されている。複数の羽根36は、回転体3に連結されている。分離装置1では、図2及び4に示すように、外筒体2と回転体3との間に、流入口23から流出口24に向かう流路200が形成されている。モータ4は、回転体3を回転させる。ここにおいて、分離装置1は、回転体3とモータ4の回転軸42との両方に連結されたシャフト7を備える。また、分離装置1は、シャフト7とモータ4の回転軸42とを連結する軸継手(シャフトカップリング)8を備える(図2、4及び6参照)。また、分離装置1は、内筒体5(図2、4、5A及び6参照)を更に備える。内筒体5は、外筒体2と回転体3との間で外筒体2及び回転体3から離れて配置され、複数の羽根36に連結されている。
分離装置1は、上流側から流路200に流入した空気を、回転体3のまわりで螺旋状に回転させながら、流路200の下流側に流すことができる。ここにおける「上流側」は、空気の流れる方向でみたときの上流側(一次側)を意味する。また、「下流側」は、空気の流れる方向でみたときの下流側(二次側)を意味する。分離装置1の外筒体2は、空気に含まれている固体を外筒体2の外側に排出するために、外筒体2の内外を連通させる排出孔25(図2、5A、5B、6、7A及び7B参照)を有する。また、分離装置1は、外筒体2の内側から排出孔25を通って排出された固体が入る捕集器6を更に備える。
空気中の固体としては、例えば、微粒子、塵埃等が挙げられる。微粒子としては、例えば、粒子状物質等を挙げることができる。粒子状物質としては、微粒子として直接空気中に放出される一次生成粒子、気体として空気中に放出されたものが空気中で微粒子として生成される二次生成粒子等がある。一次生成粒子としては、例えば、土壌粒子(黄砂等)、粉塵、植物性粒子(花粉等)、動物性粒子(カビの胞子等)、煤等が挙げられる。粒子状物質は、大きさの分類として、例えば、PM2.5(微小粒子状物質)、PM10、SPM(浮遊粒子状物質)等を挙げることができる。PM2.5は、粒子径2.5μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子である。PM10は、粒子径10μmで50%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子である。SPMは、粒子径10μmで100%の捕集効率を持つ分粒装置を透過する微粒子であり、PM6.5−7.0に相当し、PM10よりも少し小さな微粒子である。
分離装置1の各構成要素については、以下に、より詳細に説明する。
上述のように、分離装置1は、外筒体2と、回転体3と、複数の羽根36と、内筒体5と、モータ4と、シャフト7と、軸継手8と、捕集器6と、を備える。
外筒体2は、円筒状に形成されており、第1端21に気体の流入口23を有し、第2端22に気体の流出口24を有する。外筒体2の材質は、例えば、ABS樹脂である。
回転体3は、図4、5A及び5Bに示すように、外筒体2の内側で外筒体2と同軸的に配置されている。「外筒体2と同軸的に配置されている」とは、回転体3が、回転体3の回転中心軸30(図4参照)を外筒体2の中心軸20(図4及び7A参照)に揃えるように配置されていることを意味する。回転体3において、回転中心軸30に直交する断面(例えば、図5A及び5B参照)における外周線は、円形状である。回転体3の材質は、例えば、ポリカーボネート樹脂である。
回転体3の回転中心軸30に沿った方向において、回転体3の長さは、外筒体2の長さよりも短い。回転体3は、図4に示すように、流入口23側の第1端31と、流出口24側の第2端32と、を有する。回転体3の第1端31は、外筒体2の中心軸20に沿った方向において、外筒体2の流入口23と流出口24との間で、流入口23の近くに配置されている。また、回転体3の第2端32は、外筒体2の中心軸20に沿った方向において、外筒体2の流入口23と流出口24との間で、流出口24の近くに配置されている。
外筒体2と回転体3との間には、回転体3に連結された複数(ここでは、24枚)の羽根36が配置されている。複数の羽根36の各々の材質は、例えば、ポリカーボネート樹脂である。
複数の羽根36の各々は、図4、5A及び5Bに示すように、外筒体2の内周面27との間に隙間が形成されるように配置されている。言い換えれば、分離装置1は、複数の羽根36の各々と外筒体2の内周面27との間に隙間がある。すなわち、複数の羽根36の各々における回転体3の外周面37からの突出長さは、回転体3の径方向における回転体3の外周面37と外筒体2の内周面27との距離よりも短い。複数の羽根36の各々は、回転体3の外周面37と外筒体2の内周面27との間の空間(流路200)において回転体3の回転中心軸30と平行に配置されている。複数の羽根36の各々は、平板状である。複数の羽根36の各々は、回転体3の周方向に沿った方向に交差(本実施形態では、略直交)するように配置されている。複数の羽根36は、図5A及び5Bに示すように回転体3の周方向において略等間隔で離れて配置されている。複数の羽根36の各々は、流入口23側の第1端361と、流出口24側の第2端362と、を有する(図2及び4参照)。
上述の回転体3は、図2、4及び6に示すように、外筒体2の中心軸20(図4及び7A参照)に沿った方向において並ぶ2つの回転部材3a、3bを備える。回転部材3a、3bは、図4に示すように、有底円筒状に形成されている。より詳細には、2つの回転部材3a、3bは、流入口23側の第1端31a、31bに底壁33a、33bを有し、流出口24側の第2端32a、32bに開口34a、34bを有する。以下では、説明の便宜上、2つの回転部材3a、3bのうち流入口23に近い位置(相対的に上流側)にある回転部材3aを上流側回転部材3aと称し、流出口24に近い位置(相対的に下流側)にある回転部材3bを下流側回転部材3bとも称することもある。有底円筒状の上流側回転部材3aでは、底壁33aが、流入口23側に膨らむ形状に形成されている。これにより、分離装置1では、外筒体2の流入口23から流入する気体の圧力損失を低減することが可能となる。また、上流側回転部材3aの内側には、上流側回転部材3aに一体の補強壁38が設けられている。これにより、分離装置1では、上流側回転部材3aの機械的強度をより向上させることが可能となる。また、有底円筒状の下流側回転部材3bの内側には、下流側回転部材3bの底壁33bの中央部から開口34b側へ突出する円筒状のリブ39が設けられている。外筒体2の中心軸20に沿った方向において、リブ39の長さは、下流側回転部材3bの長さよりも短い。
分離装置1では、複数の羽根36の各々が、上流側回転部材3aの外周面から突出している羽根片36aと、下流側回転部材3bの外周面から突出している羽根片36bと、で構成されている(図4参照)。言い換えれば、分離装置1では、上流側回転部材3aに連結された複数(24枚)の羽根片36aと、下流側回転部材3bに連結された複数(24枚)の羽根片36bと、が一対一で対応し、複数(24枚)の羽根36を構成している。以下では、説明の便宜上、羽根片36aを上流側羽根片36aと称し、羽根片36bを下流側羽根片36bと称することもある。
複数の上流側羽根片36aは、回転体3の周方向において略等間隔で離れて配置されている。また、複数の下流側羽根片36bは、回転体3の周方向において略等間隔で離れて配置されている。ここにおいて、一対一に対応する上流側羽根片36aと下流側羽根片36bとは、外筒体2の中心軸20に平行な方向において一直線上に並んでいる。
回転体3は、図2、4及び6に示すように、シャフト7及び軸継手8を介してモータ4の回転軸(シャフト)42と連結されている。より詳細には、分離装置1では、回転体3がシャフト7に連結され、シャフト7が軸継手8によってモータ4の回転軸42と連結されている。分離装置1では、回転軸42とシャフト7とが、一直線上に並ぶように配置されている。
内筒体5は、円筒状に形成されている。内筒体5の材質は、例えば、ポリカーボネート樹脂である。内筒体5は、図4に示すように、内筒体5の中心軸50と外筒体2の中心軸20とが揃うように配置されている。内筒体5は、流入口23側の第1端51と、流出口24側の第2端52と、を有する。分離装置1では、図4に示すように、外筒体2の中心軸20に平行な方向において、内筒体5の長さが、回転体3、複数の羽根36及び外筒体2それぞれの長さよりも短い。ここにおいて、本実施形態の分離装置1では、内筒体5の長さが、複数の羽根36の各々の長さの2分の1の長さである。分離装置1では、内筒体5に、複数の羽根36の各々の一部が連結されている。ここで、複数の羽根36の各々の一部が、内筒体5において、内筒体5の中心軸50に平行な方向の全長に亘って連結されている。これにより、分離装置1では、複数の小流路201を有する。複数の小流路201の各々は、回転体3と回転体3の周方向において隣り合う2つの羽根36と内筒体5とで囲まれた空間であり、流路200の一部である。小流路201の流路断面積は、流入口23における流路200の流路断面積よりも小さい。本実施形態では、内筒体5が、複数の上流側羽根片36aと複数の下流側羽根片36bとのうち、複数の上流側羽根片36aのみに連結されている。
分離装置1では、内筒体5の第1端51と複数の羽根36の各々の第1端361とが内筒体5の中心軸50に平行な方向において揃っている。分離装置1では、内筒体5における第1端51側の端面と複数の羽根36の各々における第1端361側の端面とが面一となっている(図2及び4参照)。言い換えれば、分離装置1では、内筒体5における第1端51側の端面と複数の羽根36の各々における第1端361側の端面とが、一平面上にある。この一平面は、外筒体2の中心軸20に直交する仮想平面である。上述の外筒体2は、その径方向において内筒体5に重なる重複領域に、上述の排出孔25の一部が形成されている。言い換えれば、外筒体2は、外筒体2の中心軸20に平行な方向において内筒体5の第2端52と外筒体2の第2端22との間に、排出孔25の少なくとも一部が形成されている。
モータ4は、回転体3を回転体3の回転中心軸30のまわりで回転させる。回転体3の回転数は、例えば、1500rpm〜3000rpmである。モータ4は、例えば、直流モータである。モータ4は、例えば、外部の駆動回路により駆動される。
モータ4は、図2及び4に示すように、モータ本体41と、モータ本体41から一部が突出している上述の回転軸42と、を備える。回転軸42は、円柱状である。モータ4は、回転体3の内側に配置されている。より詳細には、モータ4は、下流側回転部材3bの内側に配置されている。ここにおいて、分離装置1は、モータ4及び軸継手8を収容するモータハウジング9(図2、4及び6参照)を備える。モータハウジング9は、下流側回転部材3b内に収納される。モータハウジング9は、後述のリヤカバー12に対して複数のねじによって固定されている。
モータハウジング9の材質は、例えば、アルミニウムである。モータハウジング9は、図4に示すように、ハウジング本体部90と、フランジ部95と、を有する。ハウジング本体部90は、流入口23側の第1端91に底壁93を有し、流出口24側の第2端92に開口94を有する。ここにおいて、モータハウジング9では、ハウジング本体部90の底壁93に、軸継手8の通る円形状の孔931が形成されている。また、モータハウジング9は、底壁93における孔931の周縁から流入口23側に突出した有底円筒状の軸継手収納部98を有する。モータハウジング9では、軸継手収納部98の底壁983に、シャフト7の通る円形状の孔987が形成されている。フランジ部95は、ハウジング本体部90の第2端92からハウジング本体部90の径方向外向きに突出している。フランジ部95は、モータハウジング9をリヤカバー12に対して複数のねじによって固定するために設けられている。
シャフト7(図4、5A、5B及び6参照)は、丸棒状であり、長手方向の第1端71と、第1端71とは反対側の第2端72と、を有する。シャフト7の材質は、例えば、ステンレス鋼である。シャフト7は、その軸線が回転体3の回転中心軸30と一致するように配置される。言い換えれば、シャフト7は、その軸線が外筒体2の中心軸20と一致するように配置される。シャフト7は、その一部が、回転体3内に配置される。より詳細には、分離装置1では、シャフト7の第1端71が、外筒体2の中心軸20に沿った方向において外筒体2の第1端21よりも外側に配置され、シャフト7の第2端72が下流側回転部材3bの内側に配置される。ここにおいて、シャフト7は、図4に示すように、上流側回転部材3aの底壁33aにおける中央に形成された孔35aと、下流側回転部材3bの底壁33bにおける中央に形成された孔35bと、を通っている。また、回転体3は、シャフト7に対して2つのボルト78(図4参照)と、2つのボルト78に一対一に対応する2つのナットと、によって連結されている。2つのボルト78の各々は、シャフト7において径方向に貫通した孔を通っている。これにより、回転体3は、シャフト7と一緒に回転することができる。
分離装置1は、シャフト7を回転自在に支持するための第1軸受75及び第2軸受76(図4及び6参照)を備えている。これにより、分離装置1では、モータ4によって回転体3をより安定して回転させることが可能となる。分離装置1では、第1軸受75がシャフト7の第1端71を回転自在に支持する。また、分離装置1では、第2軸受76がシャフト7の第2端72の近くの部位を回転自在に支持する。第2軸受76は、軸継手収納部98の底壁983に2本のねじによって固定されている。シャフト7の第2端72は、軸継手8によってモータ4の回転軸42と連結されている。軸継手8は、下流側回転部材3bの内側に配置されている。
分離装置1は、図1A〜6に示すように、フロントカバー(第1カバー)11と、リヤカバー(第2カバー)12と、を更に備える。また、分離装置1は、図3A、4、5A、5B及び6に示すように、ボトムカバー(第3カバー)13を更に備える。
フロントカバー11は、外筒体2の第1端21から外方に突出した第1フランジ211(図1B及び2参照)に対して、複数(例えば、4本)のねじによって着脱可能に取り付けられる。リヤカバー12は、外筒体2の第2端22から外方に突出した第2フランジ221(図1A及び2参照)に対して、複数(例えば、4本)のねじによって着脱可能に取り付けられる。ボトムカバー13は、フロントカバー11及びリヤカバー12それぞれに対して、複数(例えば、2本)のねじによって着脱可能に取り付けられる。
外筒体2の中心軸20に沿った一方向から見て、フロントカバー11の外周形状は、正方形状である。フロントカバー11は、図1A及び2に示すように、第1フレーム部111と、軸受取付部112と、4つの第1梁部113と、を備える。第1フレーム部111は、第1フランジ211に重ねて配置される。第1フレーム部111の外周形状は、フロントカバー11の外周形状と同じある。第1フレーム部111の内周形状は、円形状である。第1フレーム部111の内径は、外筒体2の内径と略同じである。第1フレーム部111は、第1フランジ211に対して複数のねじによって固定される。軸受取付部112は、円環状であって、第1フレーム部111の内側に配置されている。軸受取付部112には、上述の第1軸受75が取り付けられる。4つの第1梁部113は、第1フレーム部111と軸受取付部112とを繋いでいる。4つの第1梁部113は、軸受取付部112の周方向において略等間隔で離れて配置されている。第1軸受75は、ブッシュ軸受であり、軸受取付部112に圧入されることで軸受取付部112に取り付けられている。フロントカバー11の材質は、例えば、アルミニウムである。
外筒体2の中心軸20に沿った一方向から見て、リヤカバー12の外周形状は、正方形状である。リヤカバー12は、図1B及び2に示すように、第2フレーム部121と、ハウジング取付部122と、4つの第2梁部123と、を備える。第2フレーム部121の外周形状は、リヤカバー12の外周形状と同じである。第2フレーム部121の内周形状は、円形状である。第2フレーム部121の内径は、外筒体2の内径と同じであるのが好ましい。第2フレーム部121は、第2フランジ221に重ねて配置される。第2フレーム部121は、第2フランジ221に対して複数のねじによって固定される。ハウジング取付部122は、円環状であって、第2フレーム部121の内側に配置されている。ハウジング取付部122には、モータハウジング9のフランジ部95が重ねて配置される。ハウジング取付部122には、モータハウジング9のフランジ部95が複数のねじによって固定される。4つの第2梁部123は、第2フレーム部121とハウジング取付部122とを繋いでいる。4つの第2梁部123は、ハウジング取付部122の周方向において略等間隔で離れて配置されている。リヤカバー12の材質は、例えば、アルミニウムである。
ボトムカバー13(図3A、4、5A、5B及び6参照)は、フロントカバー11及びリヤカバー12に結合されている。ボトムカバー13は、外筒体2の下方に配置される。ボトムカバー13は、外筒体2の中心軸20に沿った方向を長手方向とする矩形板であり、長手方向の一端がフロントカバー11に対して複数のねじによって固定され、長手方向の他端がリヤカバー12に対して複数のねじによって固定されている。ボトムカバー13の長手方向の長さは、外筒体2の長さよりも長く、ボトムカバー13の短手方向の長さは、外筒体2の外径よりも長い。ボトムカバー13の材質は、例えば、アルミニウムである。
分離装置1では、外筒体2は、フロントカバー11とリヤカバー12とボトムカバー13とを含む筐体100が、図3Aに示すように、外筒体2を三方から囲んでいる。筐体100は、フロントカバー11、リヤカバー12及びボトムカバー13の他に、外筒体2の上方に配置されるトップカバー、外筒体2の径方向において外筒体2の両側に配置される一対のサイドカバーを備えていてもよい。
分離装置1は、図3A、4及び6に示すように、フロントパネル16と、リヤパネル17と、通気パネル18と、を更に備える。
フロントパネル16の外周形状は、正方形状である。フロントパネル16には、その厚さ方向に貫通する通気孔161(図1、4及び6参照)が形成されている。フロントパネル16は、フロントカバー11における外筒体2側とは反対側に重ねて配置される。フロントパネル16は、複数のねじによってフロントカバー11に固定される。通気孔161の開口形状は、円形状である。通気孔161の内径は、外筒体2の内径及び回転体3の外径よりも小さく、フロントカバー11の軸受取付部112の外径よりも大きい。フロントパネル16の材質は、例えば、アルミニウムである。
リヤパネル17の外周形状は、正方形状である。リヤパネル17には、その厚さ方向に貫通する通気孔171(図3B、4及び6参照)が形成されている。リヤパネル17は、リヤカバー12における外筒体2側とは反対側に重ねて配置される。リヤパネル17は、複数のねじによってリヤカバー12に固定される。通気孔171の開口形状は、円形状である。通気孔171の内径は、外筒体2の内径よりも小さく回転体3の外径及びリヤカバー12のハウジング取付部122の外径よりも大きい。リヤパネル17の材質は、例えば、アルミニウムである。
通気パネル18の外周形状は、略円形状である。通気パネル18の外径は、リヤカバー12におけるハウジング取付部122の外径と同じである。通気パネル18の中央部には、メッシュ181(図3B及び4参照)が設けられている。通気パネル18は、リヤカバー12における外筒体2側とは反対側においてハウジング取付部122に重ねて配置される。通気パネル18は、複数のねじによってハウジング取付部122に固定される。
分離装置1では、シャフト7に連結されている回転体3の回転方向が、モータ4の回転軸42(図2及び4参照)の回転方向と同じとなる。回転体3の回転方向は、外筒体2の流入口23側から見て、時計回りの方向(図5A及び5Bにおける矢印A1の方向)である。回転体3の回転方向は、外筒体2の流出口24側から見て、反時計回りの方向である。回転体3の回転角速度は、モータ4の回転軸42の回転角速度と同じである。
分離装置1では、モータ4の回転軸42の回転により回転体3が回転すると、回転体3と複数の羽根36と内筒体5とが同じ方向に回転する。分離装置1は、回転体3が回転することで、流路200(図2、4及び5参照)に流入した空気に対して回転中心軸30のまわりの回転方向の力を与えることが可能となる。分離装置1では、回転体3が回転することにより、流路200を流れる空気の速度ベクトルが、回転中心軸30に平行な方向の速度成分と、回転中心軸30のまわりの回転方向の速度成分と、を有することになる。
分離装置1の分離特性に関しては、回転体3の回転速度が速くなるにつれて分離効率が高くなる傾向にある。また、分離装置1の分離特性に関しては、分粒径が大きくなるにつれて分離効率が高くなる傾向にある。分離装置1では、例えば、規定粒径以上の微粒子を分離するように回転体3の回転速度が設定されているのが好ましい。規定粒径の微粒子としては、例えば、空気動力学的粒子径が、0.3μm〜10μmの粒子を想定している。「空気動力学的粒子径」とは、空気動力学的挙動が、比重1.0の球形粒子と等価になるような粒子の直径を意味する。空気動力学的粒子径は、粒子の沈降速度から求められる粒径である。分離装置1で分離されずに空気中に残る固体としては、分離装置1で分離することを想定している微粒子よりも粒径の小さな微粒子(言い換えれば、質量が小さな微粒子)を挙げることができる。
分離装置1では、外筒体2の流入口23から外筒体2内に流入した空気に含まれている固体を外筒体2の外側に排出するために、外筒体2に、外筒体2の内外を連通させる排出孔25(図2、5A、5B、6、7A及び7B参照)が形成されている。また、分離装置1は、外筒体2の内側から排出孔25を通って排出された固体が入る捕集器6を備える。分離装置1では、排出孔25から排出された固体が、例えば、重力沈降等により、捕集器6の底面に堆積する。
排出孔25は、外筒体2の第1端21と第2端22との間で、回転体3の回転中心軸30に沿った方向に細長いスリット状に形成されている。外筒体2の中心軸20に沿った方向において、排出孔25と流入口23との距離は、羽根36と流入口23との距離よりも短い。また、外筒体2の中心軸20に沿った方向において、排出孔25と流出口24との距離は、羽根36と流出口24との距離よりも長い。分離装置1では、外筒体2に流入した空気中の固体の大きさや外筒体2の中心軸20(図4及び7A参照)に沿った方向における位置に関係なく、外筒体2の内周面27付近を通っている固体を、排出孔25から排出することが可能となる。
捕集器6は、外筒体2における回転体3側とは反対側に設けられている。捕集器6は、外筒体2の外側において排出孔25を覆うように配置されている。これにより、捕集器6の内部空間は、外筒体2の内側の流路200と連通している。分離装置1では、外筒体2の内側から排出孔25を通って排出された固体が捕集器6に入る。捕集器6は、外筒体2に対して着脱可能に取り付けられている。
捕集器6は、蓋がない器である。捕集器6は、図7Aに示すように、底壁60と、周壁65と、取付フランジ66と、を備える。
底壁60は、外筒体2の中心軸20(図4及び7A参照)に平行な方向を長手方向とする長方形状に形成されている。底壁60の長手方向の長さは、外筒体2の中心軸20に平行な方向における排出孔25の長さよりも長い。底壁60は、図5に示すように、外筒体2の斜め下方に位置する。また、底壁60は、ボトムカバー13上に配置される。
周壁65は、底壁60の外周縁の全周から底壁60の厚さ方向に突出している。周壁65は、第1側壁61、第2側壁62、第3側壁63及び第4側壁64を備える。第1側壁61は、底壁60の長手方向において外筒体2の第1端21及び第2端22のうち第1端21に近い側の端縁から、底壁60の厚さ方向に突出している。第2側壁62は、底壁60の長手方向において外筒体2の第1端21及び第2端22のうち第2端22に近い側の端縁から、底壁60の厚さ方向に突出している。したがって、第1側壁61と第2側壁62とは、外筒体2の中心軸20に平行な方向において互いに対向する。第1側壁61の形状と第2側壁62の形状とは同じである。第1側壁61及び第2側壁62のそれぞれにおける底壁60側とは反対側の先端面611及び612は、外筒体2の外周面28に沿った形状に形成されている。
第3側壁63は、底壁60の短手方向において外筒体2に近い側の端縁から底壁60の厚さ方向に突出している。第4側壁64は、底壁60の短手方向において外筒体2から遠い側の端縁から底壁60の厚さ方向に突出している。したがって、第3側壁63と第4側壁64とは、外筒体2の一径方向に平行な方向において互いに対向する。第4側壁64の突出寸法は、第3側壁63の突出寸法よりも長い。第3側壁63の突出寸法は、第1側壁61及び第2側壁62の第3側壁63側の端における突出寸法と同じである。第4側壁64の突出寸法は、第1側壁61及び第2側壁62の第4側壁64側の端における突出寸法と同じである。捕集器6では、第1側壁61と第2側壁62と第3側壁63と第4側壁64とで、平面視形状が矩形枠状の周壁65を構成している。平面視において、排出孔25は、捕集器6の周壁65に囲まれている。
取付フランジ66は、第4側壁64の外周縁から第4側壁64と同一面内で外方に突出している。
分離装置1では、外筒体2の外周面28に、捕集器6が着脱可能に取り付けられる取付部26(図7B参照)が設けられている。ここにおいて、取付部26には、捕集器6の取付フランジ66がねじによって取り付けられる。取付部26は、外筒体2の外周面28から突出している。取付部26は、取付フランジ66の第1側壁61、第2側壁62、第3側壁63及び第4側壁64それぞれに一対一に対応する第1側片261、第2側片262、第3側片263及び第4側片264を備える。
第1側片261と第2側片262とは、外筒体2の中心軸20に平行な方向において互いに対向する。外筒体2の中心軸20に平行な方向から見て、第1側片261及び第2側片262の形状は、捕集器6の第1側壁61及び第2側壁62の形状と同じである。第1側片261と第2側片262との互いの対向面間の距離は、捕集器6の第1側壁61と第2側壁62との互いの外面間の距離と略同じである。外筒体2の径方向に平行な一方向から見て、第3側片263の形状は、捕集器6の第3側壁63の形状と同じである。取付部26においては、第1側片261、第2側片262及び第4側片264に対して捕集器6の取付フランジ66がねじによって固定される。分離装置1では、取付部26に捕集器6を取り付けた状態において、捕集器6の周壁65の先端面が外筒体2の外周面28に接触或いは近接する。ここにおいて、捕集器6は、周壁65の先端面が全周に亘って外筒体2の外周面28に接触しているのが好ましい。
分離装置1は、捕集器6の内部空間を複数(本実施形態では、3つ)の空間に分ける複数(本実施形態では、2つ)の仕切壁10(図2、5A、5B及び7A参照)を更に備える。複数の仕切壁10は、捕集器6の内部空間に配置されている。複数の仕切壁10の各々は、回転体3の回転中心軸30(図4参照)に沿った方向(平行な方向)に交差(本実施形態では、直交)する。ここにおいて、複数の仕切壁10の各々は、回転体3の回転中心軸30に平行な方向に直交する(つまり、仕切壁10と回転中心軸30とのなす角度が90度である)場合に限らない。複数の仕切壁10の各々は、例えば、回転体3の回転中心軸30に平行な方向に30〜150度の範囲で交差してもよい。
本実施形態の分離装置1では、複数の仕切壁10が、捕集器6内に配置され回転体3の回転中心軸30に沿った方向に並んでいる。これにより、分離装置1では、複数(2つ)の仕切壁10によって、捕集器6の内部空間が、回転中心軸30に沿った方向に並ぶ複数(3つ)の空間に分けられている。複数の仕切壁10は、一例として、回転体3の回転中心軸30に沿った方向において略等間隔で配置されている。複数の仕切壁10は、捕集器6の底壁60上に配置されている。複数の仕切壁10の各々の先端面10a(図7A参照)は、外筒体2の外周面28に沿った形状に形成されている。複数の仕切壁10の各々の先端面10aの曲率半径は、外筒体2の外周面28の曲率半径と同じであるのが好ましい。分離装置1では、仕切壁10が捕集器6と一体である。分離装置1では、捕集器6及び複数の仕切壁10の材質が合成樹脂であり、捕集器6と仕切壁10とが一体成形されている。
分離装置1では、回転体3の回転中、外筒体2の流入口23から流入した空気中の固体の一部が、流路200(図2参照)を通る途中でその遠心力等によって捕集器6に入る。
分離装置1では、外筒体2に対して捕集器6を着脱可能に取り付けてあることにより、例えば、人が捕集器6を外筒体2から取り外して捕集器6内の固体を廃棄し、その後、捕集器6を外筒体2に取り付けることができる。
分離装置1では、捕集器6に溜まった固体を廃棄する場合、例えば、ボトムカバー13をフロントカバー11及びリヤカバー12から取り外し、その後、捕集器6を外筒体2から取り外し、次に、捕集器6内の固体を廃棄し、その後、捕集器6を外筒体2に取り付け、続いて、ボトムカバー13をフロントカバー11及びリヤカバー12に取り付ける。分離装置1のメンテナンスでは、取り外した捕集器6の代わりに、交換用の捕集器6を外筒体2に取り付けてもよい。
分離装置1では、外部の空気がフロントパネル16の通気孔161(図1A、4及び6参照)及びフロントカバー11の第1フレーム部111(図1A及び2参照)の内側の空間を通して外筒体2の流入口23に流入する。外筒体2に流入した空気に含まれていた固体は、流路200(図2及び4参照)において螺旋状に回転するときに回転体3の回転中心軸30(図4参照)から外筒体2の内周面27に向かう方向の遠心力を受ける。遠心力を受けた固体は、外筒体2の内周面27へ向かい、外筒体2の内周面27付近を内周面27に沿って螺旋状に回転する。そして、分離装置1では、空気中の固体の一部が、流路200を通過する途中で排出孔25(図2、5A及び5B参照)から排出され捕集器6に捕集される。
分離装置1では、外筒体2の内側において旋回流が発生するので、外筒体2の流入口23から外筒体2内に流入した空気中の固体(塵等)の一部が、排出孔25を通して捕集器6内に捕集され、固体(塵等)が分離(除去)された空気(清浄化された空気)の一部が、外筒体2の流出口24から流出する。
分離装置1は、流路200に流入する空気中の固体を捕集器6に捕集することが可能であり、かつ、固体が分離された空気を下流側へ流すことが可能なので、空気から固体を効率良く分離することが可能となる。
ところで、本願発明者らは、特許文献1に記載された分離装置のように複数の仕切板の各々がロータに連結されている比較例1の分離装置を作製し、PM2.5と同等の粒径を有する試験用紛体を利用して固体の分離特性を測定する実験を行った。ここにおいて、試験用紛体(Test powders)としては、例えば、JIS Z 8901において規定されている「試験用紛体1」の11種(Class 11)を用いた。この11種の化学成分は、SiO2、Fe2O3、Al2O3等である。また、この11種の中位径は、1.6〜2.3μmである。実験の結果、本願発明者らは、比較例1の分離装置では分離特性の更なる向上が必要であるという結論に至った。
そこで、本願発明者らは、回転体3と、回転体3のみに連結された複数(24個)の羽根36と、回転体3及び複数の羽根36を囲む外筒体2と、を備え、外筒体2にスリット状の排出孔25を4つ設けた比較例2の分離装置における気流についてより詳細に検討した。比較例2の分離装置における外筒体2内側等での気流については、例えば、流体解析ソフトウェアを用いたシミュレーションの結果により推測することが可能である。流体解析ソフトウェアとしては、例えば、ANSYS(R) Fluent(R)等を採用することができる。
シミュレーションの結果、本願発明者らは、比較例2の分離装置では、流路200のうち回転体3の第1端31と外筒体2の第1端21との間の部分で、外筒体2の内周面27の近傍(羽根36と外筒体2の内周面27との隙間付近)において乱流が発生しやすいという知見を得た。
そこで、本願発明者らは、比較例2の分離装置に対して本実施形態の分離装置1と同様の内筒体5を設けた参考例の分離装置を考案した。そして、参考例の分離装置における気流について、上述の流体解析ソフトウェアを用いて気流のシミュレーションを行った。気流のシミュレーションの結果、参考例の分離装置では、流路200のうち回転体3の第1端31と外筒体2の第1端21との間の部分で、外筒体2の内周面27の近傍における乱流の発生を抑制できることが確認された。より詳細には、参考例の分離装置では、回転体3と回転体3の周方向において隣り合う2つの羽根36と内筒体5とで囲まれた空間内で乱流が発生しにくいことが確認された。シミュレーション結果の一例について、参考例の分離装置の圧力分布を図8Aに示し、比較例2の分離装置の圧力分布を図8Bに示す。また、本願発明者らは、参考例の分離装置及び比較例2の分離装置のそれぞれについて、上述の流体解析ソフトウェアを用いたシミュレーション結果に対して、粒子軌跡解析ソフトウェアを用いたシミュレーションを行った。粒子軌跡解析手法としては、例えば、DPM(Discrete Phase Model)を採用することができる。その結果、参考例の分離装置では、比較例2の分離装置と比べて、分離効率の向上を図ることが可能となるという結果が得られた。ここにおいて、分離効率の向上については、50%分粒径の値により評価した。一例として、比較例2の分離装置では50%分粒径が4.1μmであるのに対し、参考例の分離装置では、50%分粒径が3.8μmであった。参考例の分離装置において比較例2の分離装置よりも50%分粒径が向上する理由としては、乱流の発生が抑制されることにより、気体に含まれている固体をより効率良く分離することが可能となるからであると推考される。
本実施形態の分離装置1では、内筒体5を備え、かつ、内筒体5の長さが回転体3、複数の羽根36及び外筒体2それぞれの長さよりも短いことにより、内筒体5を備えていない構成と比べて、乱流の発生を抑制できるとともに、分離性能の向上を図ることが可能となる。
分離装置1では、内筒体5の内周面に付着した固体の凝集体(塊)が内筒体5の内周面から剥れたとしても、内筒体5の長さが回転体3、複数の羽根36及び外筒体2それぞれの長さよりも短いので、外筒体2の排出孔25から排出されやすい。
分離装置1は、例えば、住宅等に設置する空気浄化システムにおいて、空調設備の上流側に配置されたHEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)等のエアフィルタよりも上流側に配置して使用する。「HEPAフィルタ」とは、定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能をもつエアフィルタである。エアフィルタは、100%の粒子捕集効率を必須の条件とはしない。空気浄化システムは、分離装置1を備えることにより、PM2.5等の微粒子がエアフィルタへ到達するのを抑制することが可能となる。よって、空気浄化システムでは、分離装置1よりも下流側にあるエアフィルタ等の長寿命化を図ることが可能となる。例えば、空気浄化システムでは、エアフィルタに捕集される微粒子等の総質量が増加することによる圧力損失の上昇を抑制することが可能となる。これにより、空気浄化システムでは、エアフィルタの交換頻度を少なくすることが可能となる。空気浄化システムは、エアフィルタと空調設備とが互いに異なる筐体に収納された構成に限らず、空調設備の筐体内にエアフィルタを備えていてもよい。言い換えれば、空調設備が、送風装置に加えてエアフィルタを備えていてもよい。
上記の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
例えば、外筒体2の材質は、ABS等の合成樹脂に限らず、金属等でもよい。また、回転体3及び複数の羽根36の材質は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂に限らず、例えば、金属等でもよい。また、回転体3の材質と複数の羽根36の材質とは互いに異なっていてもよい。
複数の羽根36の各々は、回転体3と別部材として形成され回転体3に固定されることで回転体3に連結されていてもよい。
回転体3は、外筒体2の中心軸20に沿った方向において並ぶ2つの回転部材3a、3bを備える構成に限らず、例えば、2つの回転部材3a、3bのうちの1つのみを備える構成でもよい。また、回転体3は、2つの回転部材3a、3bの間に、少なくとも1つの回転部材(回転部材3bと同様の形状の回転部材)を備えていてもよい。この場合、2つの回転部材3a、3bの間にある回転部材にも、複数の羽根36の各々の一部を構成する羽根片が連結されているのが好ましい。
内筒体5の長さは、複数の羽根36の各々の長さの2分の1の長さに限らず、適宜変更してもよい。分離装置1では、乱流の発生を抑制する観点からは、内筒体5の長さが長いほうが好ましい。また、分離装置1では、気体中の固体を外筒体2の排出孔25から排出させる観点からは、内筒体5の長さが、複数の羽根36の各々の長さよりも短いのが好ましい。よって、内筒体5の長さは、例えば、複数の羽根36の各々の長さの5分の1〜5分の4の長さであればよい。
外筒体2は、その中心軸20に平行な方向において内筒体5の第2端52と外筒体2の第2端22との間に、排出孔25の少なくとも一部が形成されていればよい。
排出孔25は、少なくとも一部が回転体3の回転中心軸30に沿った方向(言い換えれば、外筒体2の中心軸20に沿った方向)に細長いスリット状であるのが好ましいが、これに限らない。また、排出孔25は、少なくとも一部が回転体3の回転中心軸30に沿った方向に細長いスリット状の場合、例えば、外筒体2の周方向に沿った方向に長い1乃至複数の弧状スリットを含んでもよい。
分離装置1では、外筒体2に排出孔25が1つだけ形成されているが、これに限らず、排出孔25が複数形成されていてもよい。この場合、複数の排出孔25は、外筒体2の周方向において離れて配置されているのが好ましい。また、この場合、分離装置1に捕集器6を複数設け、複数の捕集器6が複数の排出孔25と一対一で対応するように配置されていてもよい。
分離装置1では、捕集器6の取付フランジ66をねじにより取付部26に取り付けてあるが、これに限らず、外筒体2に対して捕集器6を着脱可能であればよい。要するに、分離装置1では、取付フランジ66及びねじは必須の構成要素ではない。
また、捕集器6及び複数の仕切壁10の材質は、合成樹脂に限らず、金属等でもよい。また、捕集器6と複数の仕切壁10とは互いに異なる材質でもよい。分離装置1では、捕集器6と複数の仕切壁10とが別部材で形成されて接着、溶着、嵌合、ねじ固定等によって一体化されていてもよい。
また、捕集器6内に配置される仕切壁10の数は、複数に限らず、1つでもよい。また、捕集器6内に複数の仕切壁10を配置する場合、仕切壁10の数は、2つに限らず、3つ以上でもよい。
上述の実施形態から明らかなように、第1の態様に係る分離装置1は、外筒体2と、回転体3と、複数の羽根36と、モータ4と、を備える。外筒体2は、円筒状であり、第1端21に気体の流入口23を有し、第2端22に気体の流出口24を有する。回転体3は、外筒体2の内側に配置されている。回転体3は、その回転中心軸30が外筒体2の中心軸20と揃うように配置されている。複数の羽根36は、回転体3と外筒体2との間で回転体3の外周方向において離れて配置され、回転体3に連結されている。モータ4は、回転体3を回転中心軸30のまわりで回転させる。外筒体2は、第1端21と第2端22との間において外筒体2の内外を連通させる排出孔25を有する。複数の羽根36の各々は、回転体3の回転中心軸30に沿った方向に平行に配置されている。複数の羽根36の各々は、流入口23側の第1端361と、流出口24側の第2端362と、を有する。分離装置1は、内筒体5を更に備える。内筒体5は、円筒状であり、外筒体2と回転体3との間で外筒体2及び回転体3から離れて配置され、複数の羽根36に連結されている。内筒体5は、内筒体5の中心軸50が外筒体2の中心軸20と揃うように配置されており、流入口23側の第1端51と、流出口24側の第2端52と、を有する。外筒体2の中心軸20に平行な方向において、内筒体5の長さが、回転体3、複数の羽根36及び外筒体2それぞれの長さよりも短い。分離装置1では、内筒体5の中心軸50に平行な方向の全長に亘って複数の羽根36の各々の一部が内筒体5と連結されており、内筒体5の第1端51と複数の羽根36の各々の第1端361とが内筒体5の中心軸50に平行な方向において揃っている。外筒体2は、外筒体2の中心軸20に平行な方向において内筒体5の第2端52と外筒体2の第2端22との間に、排出孔25の少なくとも一部が形成されている。
以上の構成により、分離装置1は、気体に含まれている固体を気体から分離する分離性能の向上を図ることが可能となる。
第2の態様に係る分離装置1では、第1の態様において、外筒体2の外側において排出孔25を覆うように配置され、外筒体2の内側から排出孔25を通って排出された固体が入る捕集器6を更に備える。これにより、分離装置1では、気体に含まれている固体を捕集器6において捕集することが可能となる。