[go: up one dir, main page]

JP6776974B2 - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6776974B2
JP6776974B2 JP2017064350A JP2017064350A JP6776974B2 JP 6776974 B2 JP6776974 B2 JP 6776974B2 JP 2017064350 A JP2017064350 A JP 2017064350A JP 2017064350 A JP2017064350 A JP 2017064350A JP 6776974 B2 JP6776974 B2 JP 6776974B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
driving force
state
internal combustion
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017064350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018167603A (ja
Inventor
木下 剛生
剛生 木下
善仁 菅野
善仁 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2017064350A priority Critical patent/JP6776974B2/ja
Publication of JP2018167603A publication Critical patent/JP2018167603A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6776974B2 publication Critical patent/JP6776974B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、例えば、内燃機関及び電動機の少なくとも一方の出力を用いて走行可能であって、且つ、電動機の出力の少なくとも一部を用いたクランキングトルクで内燃機関を回転させることで停止している内燃機関を始動可能な車両を制御する車両制御装置の技術分野に関する。
内燃機関と電動機とを備える車両(いわゆる、ハイブリッド車両)が知られている。ハイブリッド車両は、その走行モードを、内燃機関を停止した上で電動機の出力を用いて走行するEV(Electric Vehicle)モードと、内燃機関を駆動させた上で内燃機関及び電動機の少なくとも一方の出力を用いて走行するHV(Hybrid Vehicle)モードとの間で切替可能である。走行モードがEVモードからHVモードに切り替えられる場合には、停止していた内燃機関が始動される。この場合、電動機の出力の少なくとも一部を用いたクランキングトルクで内燃機関の機関軸が回転させられる(つまり、クランキングされる)ことで、内燃機関が始動する。
特許文献1には、このような電動機の出力を用いたクランキングトルクでの内燃機関の始動を制御する車両制御装置が記載されている。具体的には、特許文献1に記載された車両制御装置は、アクセルペダルが大きく踏み込まれることに起因して車両が相対的に大きな加速度で加速しながら行われる内燃機関の始動を制御する。この際、電動機の出力の一部がクランキングトルクとして用いられるがゆえに、車両の駆動力として用いられる電動機の出力の他の一部が減少する可能性がある。その結果、内燃機関の始動に伴って加速度が落ち込む可能性がある。特許文献1では、このような加速度の落ち込みは、電動機の出力(特に、出力トルク)が、蓄電装置に蓄えられている電力に基づく制限値に達している場合に生ずると想定している。そこで、特許文献1に記載された車両制御装置は、このような状況下での内燃機関の始動に伴う加速度の落ち込みを防止するために、電動機の要求トルクの増大に対して、電動機の出力トルクを遅れて増大させ、且つ、出力トルクの増大の遅れ幅を、出力トルクを増大させ始めた初期よりも制限値(つまり、制限トルク)に近づいた際に大きくしている。その結果、加速当初は駆動要求に即したトルクが電動機から出力されるがゆえに意図した加速感が得られ、その後制限トルクによる制限を受けないように徐々に出力トルクの増大勾配が低下するがゆえに加速感の落ち込みが生じなくなる。
その他、本願発明に関連する先行技術文献として、特許文献2があげられる。
特開2010−000870号公報 特開2016−060379号公報
しかしながら、電動機の要求トルクの増大に対して電動機の出力トルクを遅れて増大させたとしても、電動機の出力の一部がクランキングトルクとして用いられる以上は、車両の駆動力として用いられる電動機の出力の他の一部が減少する可能性があることに変わりはない。特に、内燃機関を相対的に早期に始動するために相対的に大きいクランキングトルクが必要とされる場合には、電動機の出力の多くがクランキングトルクとして用いられるがゆえに、車両の駆動力として用いられる電動機の出力の他の一部が減少する可能性が相対的に高くなる。その結果、特許文献1に記載されたように要求トルクの増大に対して電動機の出力トルクを遅れて増大させたとしても、車両の加速感が悪化する可能性があることに変わりはない。むしろ、特許文献1に記載された車両制御装置では、電動機の出力トルクの増大が抑制されてしまうがゆえに、意図した加速感を実現するために必要な駆動力が確保できないばかりか、内燃機関の始動(特に、相対的に早期の始動)に必要な十分な大きさのクランキングトルクの確保すらも困難になる可能性がある。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、車両が加速するタイミングで内燃機関を始動する際に、内燃機関の始動に必要なクランキングトルクを相応に確保しながら意図した加速感を相応に実現可能な車両制御装置を提供することを課題とする。
<1>
本発明の車両制御装置の一態様は、内燃機関及び電動機の少なくとも一方の出力を走行用の駆動力として用いることで走行可能であって、且つ、前記電動機の出力の少なくとも一部を用いたクランキングトルクで前記内燃機関を回転させることで停止している前記内燃機関を始動可能な車両を制御する車両制御装置であって、前記車両の走行状態が、アクセル開度の単位時間当たりの増加量が所定量未満となる第1状態から、前記増加量が前記所定量以上となる状況下で加速する第2状態に遷移するタイミングで前記内燃機関を始動する場合に、前記クランキングトルクで前記内燃機関の始動を開始すると共に、前記内燃機関の始動を開始してから所定時間が経過するまでは前記駆動力の変動を抑制し且つ前記内燃機関の始動を開始してから前記所定時間が経過した後に前記駆動力の増加を許容する。
本発明の車両制御装置の一態様によれば、内燃機関の始動を開始してから所定時間が経過するまでは、駆動力の変動(特に、増加)が抑制されるがゆえに、相対的に大きなクランキングトルクが確保可能となる。その結果、内燃機関の相対的に早期の始動が可能となる。一方で、駆動力の変動(特に、減少)が抑制されるがゆえに、車両が定常走行を継続可能となる(或いは、それまでの加速度を維持可能となる)。このため、加速度が減少する状況が発生しないがゆえに、加速感の落ち込みが生ずることもない。
その後、内燃機関の始動を開始してから所定時間が経過した後は、駆動力の増大が許容されるがゆえに、車両が加速する。このタイミングでは、内燃機関の回転数が相応に増加しているがゆえに、内燃機関を始動するために相対的に大きなクランキングトルクが必要とされない可能性が相対的に高い。或いは、内燃機関の始動が既に完了しているがゆえに、クランキングトルクが必要でないばかりか内燃機関の出力をも駆動力として用いることができる可能性が相対的に高い。その結果、内燃機関の始動を開始してから所定時間が経過した後は、車両は、意図した加速度で加速することができる。
その結果、車両制御装置は、車両が加速するタイミングにおいて、内燃機関の始動に必要なクランキングトルクを相応に確保しながら意図した加速感を相応に実現するように内燃機関を始動することができる。
<2>
上述した車両制御装置の他の態様では、前記車両の走行状態が、前記増加量が前記所定量未満となる状況下で加速する第3状態から、前記第2状態に遷移するタイミングで前記内燃機関を始動する場合に、蓄電装置が前記電動機に供給可能な電力を用いて出力可能な前記電動機の出力の最大値から前記走行状態が前記第3状態から前記第2状態に遷移した時点における前記電動機の実際の出力を差し引くことで得られる値のトルク換算値よりも小さくなるように設定された前記クランキングトルクで前記内燃機関を始動する。
この態様によれば、車両が加速している間に内燃機関を新たに始動する必要がある場合には、クランキングトルクは、電動機の出力の最大値から電動機の実際の出力を差し引くことで得られる値のトルク換算値よりも小さくなる。その結果、電動機の出力の一部がクランキングトルクとして用いられたとしても、駆動力に用いられる電動機の出力として、第2状態に遷移した時点における電動機の実際の出力(つまり、少なくとも第1状態での走行を維持するために必要な出力)が最低限確保可能である。つまり、駆動力の変動が適切に抑制される。その結果、車両が加速している間に行われる内燃機関の始動に起因した車両の加速感の悪化が適切に抑制される。
図1は、本実施形態の車両の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、始動動作の流れを示すフローチャートである。 図3は、駆動力抑制動作の流れを示すフローチャートである。 図4は、早期始動動作の流れを示すフローチャートである。 図5は、始動動作が行われている車両の状態の具体例を示すタイミングチャートである。 図6は、始動動作の変形例の流れを示すフローチャートである。 図7は、早期始動動作の変形例の流れを示すフローチャートである。 図8は、始動動作の変形例が行われている車両の状態の具体例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の車両制御装置の実施形態について説明する。尚、以下では、本発明の車両制御装置の実施形態が適用された車両1を用いて説明を進める。
(1)車両1の構成
はじめに、図1を参照して、本実施形態の車両1の構成について説明する。ここに、図1は、本実施形態の車両1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、車両1は、車軸11と、車輪12と、「内燃機関」の一具体例であるエンジンENGと、「電動機」の一具体例であるモータジェネレータMGと、インバータ400と、「蓄電装置」の一具体例であるバッテリ500と、「車両制御装置」の一具体例であるECU(Electronic Control Unit)100とを備える。
車軸11は、エンジンENG及びモータジェネレータMGの夫々の出力の少なくとも一部を、駆動力として車輪12に伝達するための伝達軸である。車輪12は、車軸11を介して伝達される駆動力を路面に伝達する手段である。尚、以下では、特段の説明がない場合には、「駆動力」は、車両1の駆動力(つまり、車両1を走行させるために車軸11を介して車輪12に伝達される駆動力)を意味する。
エンジンENGは、ガソリンや軽油等の燃料を燃焼することで駆動する(言い換えれば、作動する)。エンジンENGの出力(以下、“エンジン出力”と称する)は、車両1が走行するための駆動力として用いられる。
モータジェネレータMGは、バッテリ500に蓄積された電力を用いて駆動する。モータジェネレータMGの出力(以下、“モータ出力”と称する)は、車両1が走行するための駆動力として用いられる。更に、モータ出力の少なくとも一部は、停止しているエンジンENGを始動するためのクランキングトルクTCとして用いられる。
インバータ400は、バッテリ500から取り出した直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMGに供給する。バッテリ500は、モータジェネレータMGが駆動するための電力をモータジェネレータMGに供給する電力供給源である。
ECU100は、車両1の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、車両1の走行モードを、EV(Electric Vehicle)モードとHV(Hybrid Vehicle)モードとの間で切替可能である。EVモードは、エンジンENGを停止した上でモータジェネレータMGの出力を用いて車両1が走行する走行モードである。HVモードは、エンジンENGを駆動させた上で(つまり、停止することなく)、エンジンENG及びモータジェネレータMGの少なくとも一方の出力を用いて車両1が走行する走行モードである。
車両1の走行モードがEVモードからHVモードへと切り替えられる場合には、ECU100は、停止していたエンジンENGを始動する。エンジンENGを始動するために、ECU100は、クランキングトルクTCをエンジンENGに出力してエンジンENGの機関軸(言い換えれば、クランクシャフト)を回転させるようにモータジェネレータMGを制御する。
(2)ECU100が行う始動動作
続いて、図2を参照しながら、停止していたエンジンENGを始動するための始動動作について説明する。図2は、停止していたエンジンENGを始動するための始動動作の流れを示すフローチャートである。
図2に示すように、ECU100は、車両1が備えるアクセル開度センサから、アクセル開度Apを取得する(ステップS1)。尚、以下の説明では、tは、アクセル開度Apが1回取得される毎に1ずつインクリメントされる変数を意味する。従って、以下の説明では、アクセル開度Ap(t)が最新のアクセル開度Apを意味しており、アクセル開度Ap(t−1)が前回取得されたアクセル開度Apを意味している。更に、ECU100は、車両1が備える車速センサから、車速Vを取得する(ステップS1)。
その後、ECU100は、ステップS1で取得したアクセル開度Ap(t)及び車速Vに基づいて、車両1が走行するために必要な駆動力の目標値(以下、“目標駆動力”と称する)を算出する(ステップS2)。尚、アクセル開度Ap(t)及び車速Vに基づく目標駆動力の算出動作としては、既存の動作を流用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
その後、ECU100は、駆動力抑制カウンタCを、初期値である0に設定する(ステップS3)。駆動力抑制カウンタCは、後述する駆動力抑制動作(ステップS7)が行われている期間の長さを示す変数である。駆動力抑制動作は、車両1の駆動力の変動(具体的には、増加及び減少)を抑制するための動作である。尚、後に詳述するように、駆動力抑制動作は、エンジンENGの始動に必要なクランキングトルクTCを確保しつつも停止しているエンジンENGの始動に伴う車両1の加速感の悪化を抑制するために行われる。
その後、ECU100は、アクセル開度増加量dApを算出する(ステップS4)。アクセル開度増加量dApは、アクセル開度Apの単位時間当たりの増加量を示す。ECU100は、アクセル開度Ap(t)からアクセル開度Ap(t−1)を差し引くことで、アクセル開度増加量dAp(t)を算出する。
その後、ECU100は、ステップS4で算出されたアクセル開度増加量dAp(t)が、所定閾値α(但し、α>0)以上であるか否かを判定する(ステップS5)。更に、ECU100は、前回算出されたアクセル開度増加量dAp(t−1)が、所定閾値α未満であるか否かを判定する(ステップS5)。尚、アクセル開度増加量dAp(t−1)は、アクセル開度Ap(t−1)からアクセル開度Ap(t−2)を差し引くことで得られる値である。
ステップS5の判定動作は、所定閾値αよりも小さかったアクセル開度増加量dApが、所定閾値α以上になるか否かを判定する動作である。所定閾値αよりも小さかったアクセル開度増加量dApが所定閾値α以上になる状況は、アクセルペダルを踏み込んでいなかった又は既に踏み込んでいたドライバが、アクセルペダルを相対的に速く踏み込む(つまり、踏み込む速度を上げた)状況に相当する。このため、所定閾値αよりも小さかったアクセル開度増加量dApが所定閾値α以上になる場合には、ドライバは、それまでは停止させていた、定常走行させていた又は相対的に緩やかに加速させていた車両1を相対的に急激に加速させようとする意思を有していると推定される。従って、所定閾値αよりも小さかったアクセル開度増加量dApが所定閾値α以上になるか否かを判定するステップS5の判定動作は、相対的に急激に加速していなかった車両1が相対的に急激に加速する必要があるか否かを判定する動作と等価であるとも言える。つまり、ステップS5の判定動作は、停止していた、定常走行していた又は相対的に緩やかに加速していた車両1が相対的に急激に加速する必要があるか否かを判定する動作と等価であるとも言える。
所定閾値αは、車両1の走行状態が、急加速状態であるのか否かを、アクセル開度増加量dApから特定できるように設定されるパラメータである。急加速状態は、非急加速状態(具体的には、停止状態、定常走行状態及び緩加速状態)と比較して車両1が相対的に急激に加速する必要がある状態である。特に、急加速状態は、エンジンENGを始動した上で車両1が加速する必要がある状態であることが好ましい。停止状態は、車両1が停止している状態である。定常走行状態は、車両1が定常走行している状態である。緩加速状態は、車両1が相対的に緩やかに加速する必要がある状態である。特に、緩加速状態は、エンジンENGを始動することなく車両1が加速可能な状態であることが好ましい。このような所定閾値αに基づくステップS5の判定は、実質的には、車両1の走行状態が、非急加速状態から急加速状態へと遷移するか否かを判定する動作と等価である。
所定閾値αは、固定値であってもよい。所定閾値αは、変動値であってもよい。所定閾値αが変動値である場合には、所定閾値αは、例えば、車速Vに基づいて設定されてもよい。
ステップS5の判定の結果、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上でない、又は、アクセル開度増加量dAp(t−1)が所定閾値α未満でないと判定される場合には(ステップS5:No)、ECU100は、後述する駆動力抑制動作(ステップS7)及び早期始動動作(ステップS8)を行わない。この場合、ECU100は、既存の方法を用いて、エンジンENGを始動してもよい。例えば、ECU100は、ステップS2で算出された目標駆動力や、バッテリ500の充電状態(いわゆる、SOC(State Of Charge))や、車両1が備える電装品の消費電力量等に基づいて、エンジンENGを始動する必要があるか否かを判定してもよい。エンジンENGが停止している状況下でエンジンENGを始動する必要があると判定された場合には、ECU100は、停止しているエンジンENGを始動してもよい。その後、ECU100は、図2に示す始動動作を終了する。その後、ECU100は、一定時間が経過した後に、図2に示す始動動作を再度行う。つまり、図2に示す始動動作は、繰り返し行われる。
他方で、ステップS5の判定の結果、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上であり且つアクセル開度増加量dAp(t−1)が所定閾値α未満であると判定される場合には(ステップS5:Yes)、ECU100は、エンジンENGを始動する必要があるか否かを判定する(ステップS6)。この場合も、ECU100は、目標駆動力や、SOCや、電装品の消費電力量等に基づいて、エンジンENGを始動する必要があるか否かを判定してもよい。
ステップS6の判定の結果、エンジンENGを始動する必要がないと判定される場合には(ステップS6:No)、ECU100は、図2に示す始動動作を終了する。
他方で、ステップS6の判定の結果、エンジンENGを始動する必要があると判定される場合には(ステップS6:Yes)、車両1の走行状態が、アクセル開度増加量dApが所定閾値α未満となる非急加速状態から、アクセル開度増加量dApが所定閾値α以上となる状況下で加速する急加速状態に遷移するタイミングで、エンジンENGを始動する必要があると推定される。
この場合、アクセル開度増加量dApが所定閾値α以上となっている(つまり、車両1が相対的に急激に加速する必要がある)ことに起因して、目標駆動力が相対的に大きくなっている可能性が高い。このため、相対的に大きい目標駆動力を満たすために、エンジンENGの始動を相対的に早く完了させることが望まれる。ここで、クランキングトルクTCが大きくなるほど、エンジンENGの始動をより早く完了することができる。しかしながら、クランキングトルクTCが大きくなるほど、モータジェネレータMGの出力であるモータ出力のうちクランキングトルクTCとして用いられる出力(以下、“クランキング用モータ出力”と称する)が大きくなる一方で、モータ出力のうち車両1の駆動力として用いられる出力(以下、“走行用モータ出力”と称する)が小さくなってしまう。その結果、車両1が相対的に急激に加速する必要がある状況下において加速度が減少してしまう(或いは、車両1が減速してしまう)可能性がある。このような加速度の減少(つまり、落ち込み)は、加速感が大幅に不足しているという印象をドライバに与えてしまう。つまり、車両1の加速感が悪化してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、車両1の走行状態が非急加速状態から急加速状態に遷移するタイミングでエンジンENGを新たに始動する必要がある場合には、加速感の悪化を抑制しながらもエンジンENGの始動を早期に完了させるために、ECU100は、駆動力抑制動作(ステップS7)及び早期始動動作(ステップS8)を行う。
駆動力抑制動作は、車両1の走行状態が非急加速状態から急加速状態に遷移した後であっても、車両1の走行状態が非急加速状態から急加速状態に遷移することで増大する目標駆動力に対して、所定期間の間は車両1の実際の駆動力の変動を抑制する(典型的には、維持する)ための動作である。駆動力抑制動作によれば、停止状態にあった車両1の走行状態が停止状態のまま維持されるか、又は、定常走行状態にあった車両1の走行状態が定常走行状態のまま維持される。このため、そもそも車両1が加速を開始しないがゆえに、加速度が落ち込むという状況が生じ得ない。或いは、緩加速状態での車両1の駆動力が維持されるがゆえに、緩加速状態での加速度もまた維持される。このため、加速度が落ち込むことがない。その結果、加速感の悪化が抑制される。
但し、駆動力の変動(特に、増大)が抑制されている以上、目標駆動力に基づく加速度に対して実際の加速度が小さくなることに変わりはない。このために、駆動力の増大が抑制されている所定期間(以下、“駆動力抑制期間”と称する)が過度に長いと、ドライバは、アクセルペダルの踏み込み量に対して加速感が不足しているという印象を抱きかねない。このため、駆動力抑制期間は、アクセルペダルの踏み込み量に対して加速感が不足していることをドライバが気にしない程度に短い期間に設定される。
早期始動動作は、エンジンENGの始動を開始してからエンジンENGの始動が完了するまでは(或いは、上述した駆動力抑制期間が経過するまで)はクランキングトルクTCを可能な限り大きくすることで、エンジンENGの始動を相対的に早く完了させるための動作である。
以下、駆動力抑制動作及び早期始動動作について順に説明する。
(3)駆動力抑制動作
図3を参照しながら、駆動力抑制動作について説明する。図3は、駆動力抑制動作の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、ECU100は、駆動力変化レートをゼロに設定する(ステップS71)。駆動力変化レートは、車両1の駆動力を変動させるか否かを示すパラメータである。駆動力変化レートがゼロに設定されている場合には、ECU100は、駆動力を変動させない。従って、ECU100は、走行用モータ出力が、急加速状態でなかった車両1の走行状態が急加速状態に遷移した時点での走行用モータ出力と一致するように、モータジェネレータMGを制御する。その結果、車両1の加速度が落ち込むことはない。
駆動力変化レートがゼロに設定されている間は、ECU100は、所定時間dTが経過する都度、駆動力抑制カウンタCに所定時間dTを加算することで、駆動力抑制カウンタCを更新する(ステップS72)。所定時間dTは、例えば、駆動力抑制動作における演算周期(つまり、ステップS72からステップS73の動作が行われる周期)に相当する。その後、ECU100は、駆動力抑制カウンタCが上限時間T0より大きいか否かを判定する(ステップS73)。
上限時間T0は、駆動力抑制期間の上限である。上限時間T0は、上述したように、アクセルペダルの踏み込み量に対して加速感が不足していることをドライバが気にしない程度に短い時間に設定される。上限時間T0は、固定値であってもよいし、変動値であってもよい。上限時間T0が変動値である場合には、上限時間T0は、例えば、車速V及びアクセル開度増加量dApに基づいて設定されてもよい。例えば、上限時間T0は、車速V及びアクセル開度増加量dApと上限時間T0との関係を規定するマップに基づいて設定されてもよい。
ステップS73の判定の結果、駆動力抑制カウンタCが上限時間T0より大きくないと判定される場合には(ステップS73:No)、ステップS71以降の動作が繰り返される。つまり、走行用モータ出力が、急加速状態でなかった車両1の走行状態が急加速状態に遷移した時点での走行用モータ出力と一致し続ける。他方で、ステップS73の判定の結果、駆動力抑制カウンタCが上限時間T0より大きいと判定される場合には(ステップS73:Yes)、ECU100は、図3に示す駆動力抑制動作を終了する。駆動力抑制動作を終了する際には、ECU100は、駆動力変化レートをゼロ以外の値に設定する。その結果、駆動力の変動が許可される。この場合、ECU100は、目標駆動力等に応じて駆動力を変動させてもよい。例えば、ECU100は、目標駆動力に見合った加速度を実現するために、駆動力を増大させるようにモータジェネレータMGを制御してもよい。更に、ECU100は、駆動力を増大させる(つまり、走行用モータ出力を増大させる)ために、クランキングトルクTCを減少させてもよい(つまり、クランキング用モータ出力を減少させてもよい)。
尚、図3のステップ73において、ECU100は、駆動力抑制カウンタCが上限時間T0より大きいか否かを判定することに加えて又は代えて、アクセル開度Ap(t)を新たに取得し、アクセル開度増加量dAp(t)を新たに算出し、新たに算出したアクセル開度増加量dAp(t)が、所定閾値α’よりも小さいか否かを判定してもよい。所定閾値α’は、所定閾値αから一定のマージンthを差し引くことで得られる値である。アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α’よりも小さい場合には、車両1の走行状態は、非急加速状態にある(或いは、車両1が減速している減速状態にある)と推定される。この場合には、車両1が相対的に急激に加速する必要性がないことから、駆動力の変動を抑制するという例外的な処理を行ってまでエンジンENGの始動を相対的に早く完了させる必要性が小さくなる。従って、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α’よりも小さい場合にも、ECU100は、図3に示す駆動力抑制動作を終了してもよい。
(4)早期始動動作
続いて、図4を参照しながら、早期始動動作について説明する。図4は、早期始動動作の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、ECU100は、アクセル開度Ap(t)が所定閾値β以上であるか否かを判定する(ステップS81)。所定閾値βは、目標駆動力を満たすために相対的に大きなエンジン出力が必要な状況と、目標駆動力を満たすために相対的に小さなエンジン出力で十分な状況とを、アクセル開度Ap(t)から特定できるように設定されるパラメータである。
ステップS81の判定の結果、アクセル開度Ap(t)が所定閾値β以上でないと判定される場合には(ステップS81:No)、ECU100は、クランキングトルクTCの目標値を、相対的に小さなクランキングトルクTClに設定する(ステップS833)。更に、ECU100は、クランキングトルクTCの増加速度の目標値であるクランキングレートTCRを、相対的に小さなクランキングレートTCRlに設定する(ステップS833)。この場合、ECU100は、相対的に小さなクランキングレートTCRlで相対的に小さなクランキングトルクTClにまで増加するクランキングトルクTCをエンジンENGに出力するように、モータジェネレータMGを制御する。その結果、クランキングトルクTCによってエンジンENGの機関軸が回転されるため、エンジンENGの回転数Neが増加していく。この際、ECU100は、モータ出力が、駆動力の変動を抑制する(つまり、駆動力を維持する)ために必要な走行用モータ出力Pv及びクランキングトルクTClを出力するために必要なクランキング用モータ出力Pcrankの総和と一致するように、モータジェネレータMGを制御する。
クランキングトルクTClが出力された後は、ECU100は、エンジンENGの回転数Neを取得すると共に(ステップS834)、取得した回転数Neが相対的に小さな所定回転数Nel以上になったか否かを判定する(ステップS835)。所定回転数Nelは、早期始動動作を終了した上で回転数Neの増加速度を低下させてもよい状況と、早期始動動作を継続して回転数Neの増加速度を維持する(つまり、エンジンENGの始動の早期の完了のために回転数Neを相対的に早く増加させる)必要がある状況とを、回転数Neから特定できるように設定されるパラメータである。
ステップS835の判定の結果、回転数Neが所定回転数Nel以上になっていないと判定される場合には(ステップS835:No)、ステップS81以降の動作が繰り返される。他方で、ステップS835の判定の結果、回転数Neが所定回転数Nel以上になったと判定される場合には(ステップS835:Yes)、ECU100は、図4に示す早期始動動作を終了する。この場合、ECU100は、クランキングトルクTCを減少させていく。更には、ECU100は、所望のタイミングで、エンジンENGの燃焼室に燃料を供給することで燃焼室内での燃料の燃焼を開始する。その結果、エンジンENGの始動が完了する。但し、早期始動動作を終了する前に既にエンジンENGの燃焼室内での燃料の燃焼が開始している場合には、ECU100は、燃焼室への燃料の供給をそのまま継続すれば十分である。
他方で、ステップS81の判定の結果、アクセル開度Ap(t)が所定閾値β以上であると判定される場合には(ステップS81:Yes)、ECU100は、クランキングトルクTCの目標値を、相対的に大きなクランキングトルクTCh(TCh>TCl)に設定する(ステップS823)。更に、ECU100は、クランキングレートTCRを、相対的に大きなクランキングレートTCRh(TCRh>TCRl)に設定する(ステップS823)。この場合、ECU100は、相対的に大きなクランキングレートTCRhで相対的に大きなクランキングトルクTChにまで増加するクランキングトルクTCをエンジンENGに出力するように、モータジェネレータMGを制御する。その結果、クランキングトルクTCによってエンジンENGの機関軸が回転されるため、エンジンENGの回転数Neが増加していく。この際も、ECU100は、モータ出力が、駆動力の変動を抑制する(つまり、駆動力を維持する)ために必要な走行用モータ出力Pv及びクランキングトルクTChを出力するために必要なクランキング用モータ出力Pcrankの総和と一致するように、モータジェネレータMGを制御する。但し、相対的に大きなクランキングトルクTChを確保するために、ECU100は、モータ出力が、バッテリ500の出力制限値Woutに相当する最大値Pmaxと一致するように、モータジェネレータMGを制御してもよい。
クランキングトルクTCが出力された後は、ECU100は、エンジンENGの回転数Neを取得すると共に(ステップS824)、取得した回転数Neが相対的に大きな所定回転数Neh(Neh>Nel)以上になったか否かを判定する(ステップS825)。所定回転数Nehは、所定回転数Nelと同様の観点から設定されるパラメータである。
ステップS825の判定の結果、回転数Neが所定回転数Neh以上になっていないと判定される場合には(ステップS825:No)、ステップS823以降の動作が繰り返される。他方で、ステップS825の判定の結果、回転数Neが所定回転数Neh以上になったと判定される場合には(ステップS825:Yes)、ECU100は、図4に示す早期始動動作を終了する。この場合、ECU100は、クランキングトルクTCを減少させていく。更には、ECU100は、所望のタイミングで、エンジンENGの燃焼室に燃料を供給することで燃焼室内での燃料の燃焼を開始する。その結果、エンジンENGの始動が完了する。但し、早期始動動作を終了する前に既にエンジンENGの燃焼室内での燃料の燃焼が開始している場合には、ECU100は、燃焼室への燃料の供給をそのまま継続すれば十分である。
(5)始動動作が行われている車両1の状態
続いて、図5を参照しながら、始動動作が行われている車両1の状態の具体例について説明する。図5は、始動動作が行われている車両1の状態の具体例を示すタイミングチャートである。
図5に示すように、時刻t50において、EVモードで車両1が定常走行している。この場合、ドライバは、車両1が定常走行するように、アクセルペダルを一定量だけ踏み込んでいる。更に、アクセル開度Apに応じた目標駆動力は、モータ出力(つまり、走行用モータ出力)によって充足される。
その後、時刻t51においてアクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上になるほどにドライバがアクセルペダルの踏み込み量を急激に増加させる。この場合、時刻t51以降は、急激にアクセル開度Apが増加していく。その結果、時刻t52の時点で、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上になると判定される。つまり、時刻t52の時点で、車両1の走行状態が、非急加速状態(図5に示す例では、定常走行状態)から急加速状態に遷移すると判定される。更に、アクセル開度Apの増加に合わせて目標駆動力も増加する。その結果、時刻t52以降は、エンジンENGを始動する必要があるほどに目標駆動力が増加する。このため、時刻t52において、上述した駆動力抑制動作及び早期始動動作が行われる。
具体的には、駆動力抑制動作により、時刻t52以降の駆動力は、時刻t52の時点での駆動力のまま維持される。その結果、時刻t52以降の加速度は、時刻t52の時点での加速度であるゼロのまま維持される。この駆動力抑制動作は、時刻t52から上限時間T0が経過した時刻t53において終了する。その結果、時刻t53以降は、目標駆動力に応じて駆動力が増加していくと共に、車両1の加速度が増加する。
更に、時刻t52の時点でアクセル開度dAp(t)が所定閾値β未満であると判定されるため、早期始動動作により、時刻t52以降は、相対的に小さなクランキングトルクTClでエンジンENGの機関軸が回転される。その結果、時刻t52以降、エンジンENGの回転数Neが増加していく。その後、時刻t54の時点でアクセル開度dAp(t)が所定閾値β以上になると判定されるため、時刻t54以降は、相対的に大きなクランキングトルクTChでエンジンENGの機関軸が回転される。その結果、時刻t54以前と比較して、時刻t54以降は、エンジンENGの回転数Neの増加速度が大きくなる。その後、時刻t53において、回転数Neが所定回転数Neh以上になったと判定される。その結果、時刻t53において早期始動動作が終了する。このため、時刻t53以降は、クランキングトルクTCが減少していくと共に、エンジンENGの回転数Neの増加速度が減少する。更に、時刻t53以降は、駆動力抑制動作が終了しているがゆえに、クランキングトルクTCの減少に合わせて駆動力が増加していく。尚、図5は、早期始動動作が終了する時刻と、駆動力抑制動作が終了する時刻とが一致する例を示している。
尚、図5は、車両1の走行状態が非急加速状態から急加速状態に遷移するタイミングでエンジンENGを新たに始動する必要がある状況において、加速感の悪化の抑制を優先するために駆動力を目標駆動力に一致させる第1比較例の始動動作が行われた場合の車両1の状態(特に、駆動力、加速度、クランキングトルクTC及び回転数Ne)を、太い点線で示している。第1比較例では、時刻t52以降は、駆動力は、増大した目標駆動力に一致するように大きくなる。その結果、加速感の悪化が抑制される。しかしながら、第1比較例では、時刻t52以降は、駆動力の増大に起因してクランキングトルクTCが過度に小さくなってしまう。その結果、エンジンENGの始動が完了するまでに相対的に長い時間がかかる。
また、図5は、車両1の走行状態が非急加速状態から急加速状態に遷移するタイミングでエンジンENGを新たに始動する必要がある状況において、エンジンENGの始動の早期の完了を優先するために、クランキングトルクTCを最大限大きくする第2比較例の始動動作が行われた場合の車両1の状態(特に、駆動力、加速度、クランキングトルクTC及び回転数Ne)を、太い一点鎖線で示している。第2比較例では、時刻t52以降は、最大限にまで大きくなったクランキングトルクTCでエンジンENGが始動されるがゆえに、エンジンENGの始動が早く完了する。しかしながら、第2比較例では、クランキングトルクTCの増加に起因して駆動力が大きく減少してしまう。その結果、時刻t52以降に加速度が落ち込んでしまう(或いは、車両1が減速してしまう)可能性がある。このため、加速感が大幅に悪化する可能性がある。
これら第1及び第2比較例と比較して、本実施形態では、車両1の走行状態が非急加速状態から急加速状態に遷移するタイミングでエンジンENGを新たに始動する必要がある状況において、加速感の悪化を抑制しながらもエンジンENGの始動を早期に完了させることができる。つまり、本実施形態では、加速感の悪化の抑制及びエンジンENGの始動の早期の完了の双方を相応に両立させることができるという点で、第1及び第2比較例を比較して有利である。
(6)変形例
続いて、変形例について説明する。
(6−1)始動動作の変形例
まず、図6を参照しながら、始動動作の変形例について説明する。図6は、始動動作の変形例の流れを示すフローチャートである。尚、図2に示す始動動作で行われる処理と同一の処理については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
図6に示すように、変形例においても、上述したステップS1からステップS4までの処理が行われる。その後、変形例においても、ECU100は、アクセル開度増加量dAp(t)が、所定閾値α以上であるか否か及びアクセル開度増加量dAp(t−1)が所定閾値α未満であるか否かを判定する(ステップS5a)。変形例では更に、ECU100は、アクセル開度増加量dAp(t−1)がゼロよりも大きいか否かを判定する(ステップS5a)。つまり、ECU100は、アクセル開度増加量dApがゼロよりも大きい状況が継続しているか否かを判定する。
アクセル開度増加量dApがゼロよりも大きい状況は、ドライバがアクセルペダルを踏み込み続けている(言い換えれば、アクセルペダルの踏み込み量が増加し続けている)状況に相当する。アクセルペダルを踏み込み続けているドライバは、車両1を加速させようとする意思を有していると推定される。従って、ステップS5の判定動作は、車両1が加速し続けている状況にあるか否かを判定する動作と等価であるとも言える。
更に、上述したように、ステップS5の判定動作は、車両1の走行状態が非急加速状態(具体的には、停止状態、定常走行状態及び緩加速状態)から急加速状態へと遷移するか否かを判定する動作と等価である。このため、ステップS5の判定動作は、実質的には、車両1の走行状態が、緩加速状態から急加速状態へと遷移するか否かを判定する動作と等価である。
ステップS5aの判定の結果、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上でない、アクセル開度増加量dAp(t−1)が所定閾値α未満でない又はアクセル開度増加量dAp(t−1)がゼロより大きくないと判定される場合には(ステップS5a:No)、ECU100は、駆動力抑制動作(ステップS7)及び早期始動動作(ステップS8a)を行わない。
他方で、ステップS5aの判定の結果、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上であり、アクセル開度増加量dAp(t−1)が所定閾値α未満であり且つアクセル開度増加量dAp(t−1)がゼロより大きいと判定される場合には(ステップS5a:Yes)、ECU100は、エンジンENGを始動する必要があるか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS6の判定の結果、エンジンENGを始動する必要がないと判定される場合には(ステップS6:No)、ECU100は、図6に示す始動動作を終了する。
他方で、ステップS6の判定の結果、エンジンENGを始動する必要があると判定される場合には(ステップS6:Yes)、車両1の走行状態が、アクセル開度増加量dApが所定閾値α未満となる状況下で加速する緩加速状態から、アクセル開度増加量dApが所定閾値α以上となる状況下で加速する急加速状態に遷移するタイミングで、エンジンENGを始動する必要があると推定される。この場合も、ECU100は、駆動力抑制動作(ステップS7)及び早期始動動作(ステップS8a)を行う。尚、変形例の駆動力抑制動作は、上述した図3に示す駆動力抑制動作と同一であるため、その詳細な説明を省略する。一方で、変形例の早期始動動作は、緩加速状態でのハイブリッド車両1の加速度を維持可能な駆動力を確保するために、クランキングトルクTCの上限値TCmaxが設定されるという点で、図4に示す早期始動動作とは異なる。以下、早期始動動作の変形例について更に説明を進める。
(6−2)早期始動動作の変形例
図7を参照しながら、早期始動動作の変形例について説明する。図7は、早期始動動作の変形例の流れを示すフローチャートである。尚、図4に示す早期始動動作で行われる処理と同一の処理については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
図7に示すように、変形例においても、ECU100は、アクセル開度Ap(t)が所定閾値β以上であるか否かを判定する(ステップS81)。ステップS81の判定の結果、アクセル開度Ap(t)が所定閾値β以上でないと判定される場合には(ステップS81:No)、変形例においても、上述したステップS833からステップS835の処理が行われる。
他方で、ステップS81の判定の結果、アクセル開度Ap(t)が所定閾値β以上であると判定される場合には(ステップS81:Yes)、ECU100は、車両1の実際の駆動力Fを算出する(ステップS821a)。この段階では、モータジェネレータMGがクランキングトルクTCを未だ出力していないため、駆動力Fは、モータ出力を駆動力に換算することで得られる値と実質的に一致する。更に、ECU100は、モータジェネレータMGの回転数Ngを取得する(ステップS821a)。
その後、ECU100は、駆動力F及び回転数Ngに基づいて、クランキングトルクTCの上限値TCmaxを設定する(ステップS822a)。上述したように、上限値TCmaxは、緩加速状態での車両1の加速度を維持可能な走行用モータ出力を確保するために設定される。ここで、緩加速状態での車両1の加速度を維持するために必要な走行用モータ出力Pvは、走行用モータ出力Pv=駆動力F×車速Vという数式から算出可能である。また、上述したように、モータ出力の最大値Pmaxは、バッテリ500の出力制限値Woutと実質的に一致する。従って、緩加速状態での車両1の加速度を維持可能な走行用モータ出力Pvを確保するためには、クランキング用モータ出力Pcrankが、Pcrank≦Pmax−Pvという条件を満たす必要がある。クランキングトルクTCとクランキング用モータ出力Pcrankとの間の関係は、TC=Pcrank×60/(2×π×Ng)という数式によって表現可能である。その結果、緩加速状態での車両1の加速度を維持可能なクランキングトルクTCは、TC≦(Pmax−Pv)×60/(2×π×Ng)という数式を満たす。従って、上限値TCmaxは、(Pmax−Pv)×60/(2×π×Ng)となる。
その後、変形例においても、上述したステップS823からステップS825の処理が行われる。但し、変形例では、ECU100は、クランキングトルクTCが上限値TCmaxを超えないように、モータジェネレータMGを制御する。
(6−3)始動動作の変形例が行われている車両1の状態
続いて、図8を参照しながら、始動動作の変形例が行われている車両1の状態の具体例について説明する。図8は、始動動作の変形例が行われている車両1の状態の具体例を示すタイミングチャートである。
図8に示すように、時刻t80において、EVモードで車両1が定常走行している。その後、時刻t81において、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上にならない程度にドライバがアクセルペダルの踏み込み量を緩やかに増加させる。この場合、時刻t81以降は、アクセル開度Apが増加していく。アクセル開度Apの増加に合わせて目標駆動力も増加する。その結果、車両1は、加速していく。但し、時刻t81の時点では、エンジンENGを始動する必要があるほどには目標駆動力が増加することはないものとする。更に、車両1が加速しているものの、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上にならない。このため、車両1の走行状態は、緩加速状態である(つまり、急加速状態に遷移していない)と推定される。従って、上述した駆動力抑制動作及び早期始動動作が行われることはない。
その後、時刻t82において、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上になるほどにドライバがアクセルペダルの踏み込み量を急激に増加させる。この場合、時刻t82以降は、時刻t82以前よりも急激にアクセル開度Apが増加していく。その結果、時刻t83の時点で、アクセル開度増加量dAp(t)が所定閾値α以上になると判定される。つまり、時刻t83の時点で、車両1の走行状態が、緩加速状態から急加速状態に遷移すると判定される。更に、アクセル開度Apの増加に合わせて目標駆動力も増加する。その結果、時刻t83以降は、エンジンENGを始動する必要があるほどには目標駆動力が増加する。このため、時刻t83において、上述した駆動力抑制動作及び早期始動動作が行われる。
具体的には、駆動力抑制動作により、時刻t83以降の駆動力は、時刻t83の時点での駆動力のまま維持される。その結果、時刻t83以降の加速度は、時刻t83の時点での加速度のまま維持される。この駆動力抑制動作は、時刻t83から上限時間T0が経過した時刻t84において終了する。その結果、時刻t84以降は、目標駆動力に応じて駆動力が増加していくと共に、車両1の加速度が増加する。
更に、時刻t83の時点でアクセル開度dAp(t)が所定閾値β以上であるため、早期始動動作により、相対的に大きなクランキングトルクTChでエンジンENGの機関軸が回転される。その結果、時刻t83以降は、エンジンENGの回転数Neが増加していく。また、図8は、クランキングトルクTChが上限値TCmaxと一致する例を示している。その結果、時刻t83の時点での加速度を維持可能な(つまり、落ち込ませない)走行用モータ出力が適切に確保される。
その後、時刻t84において、回転数Neが所定回転数Neh以上になったと判定される。その結果、時刻t84において早期始動動作が終了する。その結果、時刻t84以降は、クランキングトルクTCが減少していくと共に、エンジンENGの回転数Neの増加速度が減少する。更に、時刻t84以降は、駆動力抑制動作が終了しているがゆえに、クランキングトルクTCが減少に合わせて駆動力が増加していく。尚、図8は、早期始動動作が終了する時刻と、駆動力抑制動作が終了する時刻とが一致する例を示している。
尚、図8においても、図5と同様に、第1比較例の始動動作が行われた場合の車両1の状態が太い点線で示され、第2比較例の始動動作が行われた場合の車両1の状態が太い一点鎖線で示されている。これら第1及び第2比較例と比較して、変形例では、車両1の走行状態が緩加速状態から急加速状態に遷移するタイミングでエンジンENGを新たに始動する必要がある状況において、加速感の悪化を抑制しながらもエンジンENGの始動を早期に完了させることができる。従って、変形例においても、上述した効果が適切に享受可能である。
特に、変形例では、緩加速状態での車両1の加速度を維持可能な走行用モータ出力を確保するという観点からクランキングトルクTCの上限値TCmaxが設定される。このため、既に緩加速状態で車両1が加速している状況下においてエンジンENGを始動する必要がある場合において、加速感の悪化をより一層適切に抑制しながらもエンジンENGの始動を早期に完了させることができる。
尚、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両制御装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 車両
100 ECU
500 バッテリ
ENG エンジン
MG モータジェネレータ

Claims (1)

  1. 内燃機関及び電動機の少なくとも一方の出力を走行用の駆動力として用いることで走行可能であって、且つ、前記電動機の出力の少なくとも一部を用いたクランキングトルクで前記内燃機関を回転させることで停止している前記内燃機関を始動可能な車両を制御する車両制御装置であって、
    前記車両の走行状態が、アクセル開度の単位時間当たりの増加量が所定量未満となる第1状態から、前記増加量が前記所定量以上となる状況下で加速する第2状態に遷移するタイミングで前記内燃機関を始動する場合に、前記クランキングトルクで前記内燃機関の始動を開始すると共に、前記内燃機関の始動を開始してから所定時間が経過するまでは前記駆動力の変動を抑制し且つ前記内燃機関の始動を開始してから前記所定時間が経過した後に前記駆動力の増加を許容し、
    前記車両の走行状態が、前記増加量が前記所定量未満となる状況下で加速する第3状態から、前記第2状態に遷移するタイミングで前記内燃機関を始動する場合に、蓄電装置が前記電動機に供給可能な電力を用いて出力可能な前記電動機の出力の最大値から前記走行状態が前記第3状態から前記第2状態に遷移した時点における前記電動機の実際の出力を差し引くことで得られる値のトルク換算値よりも小さくなるように設定された前記クランキングトルクで前記内燃機関を始動する
    ことを特徴とする車両制御装置。
JP2017064350A 2017-03-29 2017-03-29 車両制御装置 Expired - Fee Related JP6776974B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017064350A JP6776974B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 車両制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017064350A JP6776974B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 車両制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018167603A JP2018167603A (ja) 2018-11-01
JP6776974B2 true JP6776974B2 (ja) 2020-10-28

Family

ID=64018369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017064350A Expired - Fee Related JP6776974B2 (ja) 2017-03-29 2017-03-29 車両制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6776974B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7075958B2 (ja) * 2020-02-28 2022-05-26 本田技研工業株式会社 車両の制御装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3785960B2 (ja) * 2001-07-31 2006-06-14 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の平滑始動方法
JP2005117717A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Nissan Motor Co Ltd 車両の駆動力制御装置
JP3941775B2 (ja) * 2003-11-28 2007-07-04 トヨタ自動車株式会社 動力出力装置およびその制御方法並びにこれを搭載する自動車
JP4258492B2 (ja) * 2005-06-01 2009-04-30 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車およびその制御方法
JP2007196763A (ja) * 2006-01-24 2007-08-09 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp ハイブリッド車両の発進制御装置及び発進制御装置付きハイブリッド車両
JP5245562B2 (ja) * 2008-06-19 2013-07-24 トヨタ自動車株式会社 車両の駆動力制御装置
JP5904271B2 (ja) * 2012-03-15 2016-04-13 日産自動車株式会社 ハイブリッド駆動電気自動車のエンジン始動制御装置及び始動制御方法
JP6060802B2 (ja) * 2013-04-30 2017-01-18 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP6156303B2 (ja) * 2014-09-18 2017-07-05 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018167603A (ja) 2018-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4315094B2 (ja) ハイブリッド車のエンジン始動制御装置
JP2018150038A (ja) ハイブリッド電気自動車用コントローラ及び方法
JP5904271B2 (ja) ハイブリッド駆動電気自動車のエンジン始動制御装置及び始動制御方法
JP2014193714A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
WO2017056729A1 (ja) 車両制御装置
JP4826657B2 (ja) 車両の制御装置
JP2013213433A (ja) 駆動制御装置
CN105143008B (zh) 变速器控制装置及变速器控制方法
EP3015332B1 (en) Vehicle control apparatus and vehicle control method
JP6776974B2 (ja) 車両制御装置
JP4661712B2 (ja) 車両の始動制御装置
WO2018078803A1 (ja) ハイブリッド車両の制御方法と制御装置
JP2012051457A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5331065B2 (ja) 車載内燃機関制御装置
JP2006246562A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2013124083A (ja) ハイブリッド電気自動車の制御装置
JP2013119301A (ja) ハイブリッド電気自動車のエンジン停止制御装置
JP2013060175A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
KR20170058472A (ko) 하이브리드 차량의 발진 제어방법
JP6319189B2 (ja) 車両制御装置
JP2010179790A (ja) 車両の制御装置
JP5040487B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動力制御装置
JP6227465B2 (ja) エンジン制御装置及びハイブリッド自動車
JP6848826B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP7258417B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200921

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6776974

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees