JP6766818B2 - リチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタ - Google Patents
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Description
このような非水溶媒を含む非水電解液を4.2V以上の高電圧で使用する場合、溶媒の一部が分解されてしまうことがある。60℃以上の高温から−40℃以下の極低温の「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で使用する場合、引火点、凝固点、電気伝導率、あるいは粘度などの物性が電池特性に大きな影響を与えてしまうことが分かり、上記課題の改善が求められていた。
特許文献2には、非水溶媒がフッ素化鎖状カルボン酸エステルと、金属リチウムとリチウムイオンとの平衡電位を基準として+1.0〜3.0Vの範囲で分解される被膜生成化合物と、を含む二次電池用非水電解液が開示されており、高温条件下において電池容量の低下を抑制することが示されている。
また特許文献3には、非水溶媒が50〜90%の2,2−ジフルオロエチルアセテートを含むリチウムイオン電池用電解液が開示されており、高温条件下、高電圧においてサイクル特性が向上することが示されている。
また特許文献5には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとプロピオン酸メチルを容積比で3:3:3:1で混合した溶媒に、LiPF 6を1Mになるように溶解し、ビニレンカーボネートを2質量%添加した非水電解液を用いたリチウム二次電池において、−30℃での出力特性が向上することが開示されている。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、非水溶媒にリチウム塩が0.8〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、10〜20体積%のフッ素化鎖状エステル、及び20〜40体積%のメチルエチルカーボネートを含有し、前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量が30〜40体積%であり、このことにより、前記非水電解液の引火点は20℃以上となり、かつ、電気伝導率が8mS/cm以上となることを見出した。しかも、各種カーボネートと、フッ素化鎖状エステルと、を特定の比率で含有する混合溶媒を用いることにより、−40℃以下であっても凝固することなく、「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で液体状態を維持したまま使用でき、優れた電池性能を示す耐電圧も向上することも見出し、本発明を完成した。なお、このような作用効果は、前記特許文献1〜5の技術では全くなしえなかったものであり、また、前記特許文献1〜5にはまったく示唆されていないものである。
(1)非水溶媒にリチウム塩が0.8〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、10〜20体積%のフッ素化鎖状エステル、及び20〜40体積%のメチルエチルカーボネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、および10〜20体積%のエチルプロピオネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。
本発明の第1の観点に係る非水電解液は、非水溶媒にリチウム塩が0.8〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、10〜20体積%のフッ素化鎖状エステル、及び20〜40体積%のメチルエチルカーボネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液である。
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、および10〜20体積%のエチルプロピオネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液である。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液に使用されるリチウム塩としては、下記のものが好適に挙げられる。
リチウム塩としては、LiPF6、LiPO2F2、LiBF4等の無機リチウム塩、LiN(SO2F)2〔LiFSI〕、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩、リチウム メチルサルフェート〔LMS〕、リチウムエチルサルフェート〔LES〕、又はFSO3LiなどのS=O基を有するリチウム塩、及びリチウム ビス(オキサラト)ボレート〔LiBOB〕、リチウム ジフルオロ(オキサラト)ボレート〔LiDFOB〕、リチウム テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート〔LiTFOP〕、又はリチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート〔LiDFOP〕などのシュウ酸骨格を有するリチウム塩が好適に挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、LiPF6、LiPO2F2、LiN(SO2F)2、リチウム メチルサルフェート、リチウムエチルサルフェート、又はリチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートを用いることがより好ましく、最も好ましくは、LiPF6、LiPO2F2、LiN(SO2F)2、リチウム メチルサルフェート、又はリチウムエチルサルフェートである。リチウム塩の濃度は、第1の観点に係る非水電解液においては、前記の非水溶媒に対して、0.8M(mol/L)以上であり、1.0M以上が好ましく、1.1M以上がより好ましい。またその上限は、1.5M以下であり、1.45M以下が好ましく、1.4M以下がより好ましい。また、第2の観点に係る非水電解液における、リチウム塩の濃度は、前記の非水溶媒に対して、0.9M(mol/L)以上であり、1.0M以上が好ましく、1.1M以上がより好ましく、1.15M以上がさらに好ましく、1.2M以上が特に好ましい。またその上限は、1.5M以下であり、1.45M以下が好ましく、1.4M以下がより好ましい。
また、これらの電解質塩としては、LiPF6を少なくとも含むものが好ましく、LiPF6とLiN(SO2F)2とを少なくとも含むものがより好ましく、LiPF6とLiN(SO2F)2とに加えて、これら以外のリチウム塩を含むものがさらに好ましい。「温度幅が100℃にもおよぶ広い温度範囲」で、LiPF6及び/又はLiN(SO2F)2以外のリチウム塩、例えばLiPO2F2が非水溶媒中に占める割合は、0.001M以上であると、広い温度範囲での電池特性が向上し、0.3M以下であると広い温度範囲での電池特性の向上効果が低下する懸念が少ないので好ましい。好ましくは0.01M以上、特に好ましくは0.03M以上、最も好ましくは0.04M以上である。その上限は、好ましくは0.3M以下、さらに好ましくは0.25M以下、特に好ましくは0.2M以下である。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液に使用される非水溶媒としては、広い温度範囲で電気化学特性が相乗的に向上するという観点より、環状カーボネート、鎖状カーボネート、及び鎖状エステルを含有する混合溶媒を用いる。
エチレンカーボネートの含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、5体積%以上、好ましくは7体積%以上、より好ましくは9体積%以上である。また、エチレンカーボネートの含有量の上限としては、凝固点を低くするという観点より、非水溶媒全体に対して、25体積%以下、好ましくは22体積%以下、より好ましくは20体積%以下、さらに好ましくは17体積%以下、特に好ましくは15体積%以下である。
プロピレンカーボネートの含有量は、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、5体積%以上、好ましくは7体積%以上、より好ましくは9体積%以上である。また、プロピレンカーボネートの含有量の上限としては、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、25体積%以下、好ましくは20体積%以下、より好ましくは17体積%以下、更に好ましくは15体積%以下である。
更に、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの合計含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、20体積%以上、好ましくは22体積%以上である。また、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの合計含有量の上限としては、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、30体積%以下、好ましくは27体積%以下である。
前記「その他の環状カーボネート」としては、特に4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、2−プロピニル 2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−カルボキシレート、及び4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オンから選ばれる1種又は2種以上がより好適である。
メチルエチルカーボネートの含有量は、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、20体積%以上、好ましくは23体積%以上、より好ましくは30体積%以上、特に好ましくは33体積%以上である。また、メチルエチルカーボネートの含有量の上限としては、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、40体積%以下、好ましくは37体積%以下である。
ジメチルカーボネートの含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、20体積%以上、好ましくは23体積%以上である。また、ジメチルカーボネートの含有量の上限としては、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、非水溶媒全体に対して、30体積%以下、好ましくは27体積%以下である。
中でも高温環境下での電気化学特性向上の観点より、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルアセテート、又は2,2−ジフルオロエチルアセテートがより好ましい。
本発明の第2の観点に係る非水電解液において、エチルプロピオネートの含有量は、電気伝導率向上の観点より、非水溶媒全体に対して、10体積%以上、好ましくは12体積%以上である。また、エチルプロピオネートの含有量の上限としては、高温環境下での電気化学特性向上の観点より、20体積%以下、好ましくは18体積%以下である。
その他の添加剤の具体例としては、以下の(A)S=O基含有化合物又は(B)リチウム塩化合物が好適に挙げられる。
本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記のリチウム塩及び該非水電解液にその他の添加剤を添加することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒及び非水電解液に加える添加剤は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
さらに、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、上記各成分を上記した割合にて含有するものであるため、凝固点が好ましくは−45℃以下であり、より好ましくは−48℃以下、更に好ましくは−50℃以下であり、低温環境下における電気特性にも優れたものである。
加えて、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、上記各成分を上記した割合にて含有するものであるため、25℃における電気伝導率が好ましくは8mS/cm以上であり、より好ましくは8.1mS/cm以上、更に好ましくは8.3mS/cm以上であり、更により好ましくは9mS/cm以上であり、特に好ましくは9.1mS/cm以上、最も好ましくは9.3mS/cm以上であり、電気伝導率にも優れたものである。
そのため、本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液は、リチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタの非水電解液として、特に、幅広い温度範囲使用されるリチウム二次電池又はリチウムイオンキャパシタの非水電解液として、好適に用いられるものである。
本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極及び非水溶媒にリチウム塩が溶解されている前記本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液からなる。非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物、又は、鉄、コバルト、ニッケル及びマンガンから選ばれる一種又は二種以上を含むリチウム含有オリビン型リン酸塩が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で用いるか又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1−xNixO2(0.01<x<1)、LiNixMnyCozO2(x+y+z=1)、Li2MnO3とLiMO2(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体、LiNi1/2Mn3/2O4、LiFePO4、LiMnPO4、及びLiMn1−xFexPO4(0.01<x<1)から選ばれる1種以上が好適に挙げられ、2種以上がより好適である。これらのリチウムとの複合金属酸化物又はリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄の一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W、及びZrから選ばれる一種又は二種以上の元素で置換したり、又はこれらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。
充電時の電圧としては、高電圧化の観点から、正極電位が4.3V(vs.Li/Li +)以上が好ましく、4.35V(vs.Li/Li+)以上がより好ましく、4.4V(vs.Li/Li+)以上が特に好ましい。
更にNiを含む正極活物質の場合にNiの触媒作用により正極表面での非水溶媒の分解が起き、電池の抵抗が増加しやすい傾向にある。特に高温環境下での電気化学特性が低下しやすい傾向にあるが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電気化学特性の低下を抑制することができるので好ましい。特に、正極活物質中の全遷移金属元素の原子濃度に対するNiの原子濃度の割合が、10atomic%を超える正極活物質を用いた場合に上記効果が顕著になるので好ましく、20atomic%以上が更に好ましく、30atomic%以上が特に好ましい。具体的には、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O 2、LiNi0.5Mn0.3Co0.2Mn0.3O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2等が好適に挙げられる。
正極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.5g/cm3以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは2g/cm3以上であり、より好ましくは、3g/cm3以上であり、更に好ましくは、3.6g/cm3以上である。なお、その上限としては、4g/cm3以下が好ましい。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することがより好ましく、格子面(002)の面間隔(d0 02)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが更に好ましい。
負極の集電体を除く部分の密度を1.5g/cm3以上の密度に加圧成形したときの負極シートのX線回折測定から得られる黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比I(110)/I(004)が0.01以上となると一段と広い温度範囲での電気化学特性が向上するので好ましく、0.05以上となることがより好ましく、0.1以上となることが更に好ましい。また、過度に処理し過ぎて結晶性が低下し電池の放電容量が低下する場合があるので、ピーク強度の比I(110)/I(004)の上限は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
また、高結晶性の炭素材料(コア材)はコア材よりも低結晶性の炭素材料によって被膜されていると、広い温度範囲での電気化学特性が一段と良好となるので好ましい。被覆の炭素材料の結晶性は、TEMにより確認することができる。
高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において非水電解液と反応し、界面抵抗の増加によって低温もしくは高温における電気化学特性を低下させる傾向があるが、本発明に係るリチウム二次電池では広い温度範囲での電気化学特性が良好となる。
負極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.1g/cm3以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは1.5g/cm3以上であり、より好ましくは1.7g/cm3以上である。なお、その上限としては、2g/cm3以下が好ましい。
電池用セパレータとしては、特に制限はないが、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層もしくは積層の微多孔性フィルム、織布、又は不織布等を使用できる。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極、負極及び非水溶媒にリチウム塩が溶解されている前記本発明の第1の観点に係る非水電解液および第2の観点に係る非水電解液からなる。リチウムイオンキャパシタ(LIC)と呼ばれる。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には少なくともLiPF6等のリチウム塩が含まれる。また、負極としては、上述したリチウム二次電池と同様なものを用いることができる。
〔非水電解液の物性測定〕
<引火点の測定>
表1、表2に記載の非水電解液の引火点をタグ密閉式の引火点試験機(田中科学機器製作株式会社製;型式ATG−7)を用いてJIS K−2265の規格に基づき測定した。
<凝固点の測定>
表1、表2に記載の非水電解液の凝固点を自動凝固点計(株式会社電気化学システムズ製;型式CP−2BX)を用いてJIS K−0065の規格に基づき測定した。
<電気伝導率の測定>
表1、表2に記載の非水電解液の電気伝導率を電気伝導率計(東亜ディーケーケー株式会社製;型式CM−30R)を用いて25℃の環境下で測定した。
各物性値を表1〜2に示す。
LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2;92質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。また、ケイ素(単体);7質量%、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質);85質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.6g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表1又は表2に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート電池を作製した。
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.4V(正極の充電電位が4.5V(vs.Li/Li+))まで3時間充電し、−20℃に恒温槽の温度を下げ、1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電して、初期の−20℃の放電容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を85℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.4Vまで3時間充電し、4.4Vに保持した状態で2日間保存を行った。2日間の保存後、恒温槽から取り出した直後に電池膨れを確認した。具体的には、比較例3のラミネート電池の保存前後の厚み変化を100とした場合の相対値を求めた。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電した。
<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の−20℃の放電容量を求めた。
<高温充電保存後の低温特性>
高温充電保存後の低温特性を下記の−20℃放電容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の−20℃放電容量維持率(%)=(高温充電保存後の−20℃の放電容量/初期の−20℃の放電容量)×100
電池特性を表1〜2に示す。
なお、表1〜3中、「EC」はエチレンカーボネート、「PC」はプロピレンカーボネート、「DMC」はジメチルカーボネート、「EP」はエチルプロピオネート、「MEC」はメチルエチルカーボネート、「TFEMC」は2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、「DFEA」は2,2−ジフルオロエチルアセテート、「TFEA」は2,2,2−トリフルオロエチルアセテート、「DFEMC」は2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、「VC」はビニレンカーボネート、「FEC」は4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、「TCDD」はテトラヒドロ−4H−シクロペンタ[d][1,3,2]ジオキサチオール−2,2−ジオキシド、「TOD錯体」はビス(ジフルオロホスホリル)(2,5,8,11−テトラオキサドデカン)ジリチウムの略称である。
〔リチウムイオンキャパシタの作製〕
比表面積600〜3000m2/gの活性炭粉末;92質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、正極シートを作製した。また、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。上記のように作成得られた正極と負極を加熱真空乾燥した後、負極については、負極活物質の単位質量あたり372mAh/gの電気量となるリチウムイオンを、電気化学的に吸蔵させた。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表3に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート電池を作製した。
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.3V(正極の充電電位が4.4V(vs.Li/Li+))Vまで3時間充電し、−20℃に恒温槽の温度を下げ、10Cの定電流下終止電圧3Vまで放電して、初期の−20℃のセル容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を85℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.3Vまで3時間充電し、4.3Vに保持した状態で2日間保存を行った。2日間の保存後、恒温槽から取り出した直後に電池膨れの有無を確認した。具体的には、比較例11のラミネート電池の保存前後の厚み変化を100とした場合の相対値を求めた。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦10Cの定電流下終止電圧3Vまで放電した。
<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の−20℃のセル容量を求めた。
<高温充電保存後の低温特性>
高温充電保存後の低温特性を下記の−20℃セル容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の−20℃セル容量維持率(%)=(高温充電保存後の−20℃のセル容量/初期の−20℃のセル容量)×100
キャパシタ特性を表3に示す。
上記実施例1〜14のリチウム二次電池は何れも、本願発明の非水電解液と異なる組成比で混合した非水溶媒を含む非水電解液を用いた場合の比較例1〜8のリチウム二次電池に比べ、広い温度範囲での電気化学特性が顕著に向上している。以上より、本発明の効果は、本願発明の特定の組成の非水電解液を用いた場合に特有の効果であることが判明した。
また、実施例15〜25と比較例9〜16の対比からリチウムキャパシタを用いた場合にも同様な効果であることが判明した。
〔非水電解液の物性測定〕
<引火点の測定>
表4、表5に記載の非水電解液の引火点をタグ密閉式の引火点試験機(田中科学機器製作株式会社製;型式ATG−7)を用いてJIS K−2265の規格に基づき測定した。
<凝固点の測定>
表4、表5に記載の非水電解液の凝固点を自動凝固点計(株式会社電気化学システムズ製;型式CP−2BX)を用いてJIS K−0065の規格に基づき測定した。
<電気伝導率の測定>
表4、表5に記載の非水電解液の電気伝導率を電気伝導率計(東亜ディーケーケー株式会社製;型式CM−30R)を用いて25℃の環境下で測定した。
各物性値を表4〜5に示す。
LiNi0.33Mn0.33Co0.34O2;93質量%、アセチレンブラック(導電剤);4質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。また、ケイ素(単体);5質量%、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質);85質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.6g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表4、表5に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート電池を作製した。
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.35Vまで3時間充電し、−20℃に恒温槽の温度を下げ、1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電して、初期の−20℃の放電容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を60℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.3Vまで3時間充電し、4.35Vに保持した状態で14日間保存を行った。14日間の保存後、恒温槽から取り出した直後に電池膨れの有無を確認した。具体的には、保存前のラミネート電池の厚みを100%とした場合に保存後の厚みが110%以上を膨れ有りとした。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電した。
<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の−20℃の放電容量を求めた。
<高温充電保存後の低温特性>
高温充電保存後の低温特性を下記の−20℃放電容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の−20℃放電容量維持率(%)=(高温充電保存後の−20℃の放電容量/初期の−20℃の放電容量)×100
電池特性を表4〜5に示す。
なお、表4〜6中、「EC」はエチレンカーボネート、「PC」はプロピレンカーボネート、「DMC」はジメチルカーボネート、「EP」はエチルプロピオネート、「MEC」はメチルエチルカーボネート、「MP」はメチルプロピオネート、「VC」はビニレンカーボネート、「FEC」は4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、「TCDD」はテトラヒドロ−4H−シクロペンタ[d][1,3,2]ジオキサチオール−2,2−ジオキシド、「TOD錯体」はビス(ジフルオロホスホリル)(2,5,8,11−テトラオキサドデカン)ジリチウムの略称である。
〔リチウムイオンキャパシタの作製〕
比表面積600〜3000m2/gの活性炭粉末;92質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに打ち抜き、正極シートを作製した。また、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質)95質量%を、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。上記のように作成得られた正極と負極を加熱真空乾燥した後、負極については、負極活物質の単位質量あたり372mAh/gの電気量となるリチウムイオンを、電気化学的に吸蔵させた。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表6に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート電池を作製した。
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで3時間充電し、−20℃に恒温槽の温度を下げ、10Cの定電流下終止電圧3Vまで放電して、初期の−20℃のセル容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を60℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.3Vまで3時間充電し、4.3Vに保持した状態で7日間保存を行った。14日間の保存後、恒温槽から取り出した直後に電池膨れの有無を確認した。具体的には、保存前のラミネート電池の厚みを100%とした場合に保存後の厚みが110%以上を膨れ有りとした。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦10Cの定電流下終止電圧3Vまで放電した。<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の−20℃のセル容量を求めた。
<高温充電保存後の低温特性>
高温充電保存後の低温特性を下記の−20℃セル容量の維持率より求めた。
高温充電保存後の−20℃セル容量維持率(%)=(高温充電保存後の−20℃のセル容量/初期の−20℃のセル容量)×100
キャパシタ特性を表6に示す。
上記実施例26〜33のリチウム二次電池は何れも、本願発明の非水電解液と異なる組成比で混合した非水溶媒を含む非水電解液を用いた場合の比較例17〜24のリチウム二次電池に比べ、広い温度範囲での電気化学特性が顕著に向上している。以上より、本発明の効果は、本願発明の特定の組成の非水電解液を用いた場合に特有の効果であることが判明した。
また、実施例34〜37と比較例25〜32の対比からリチウムキャパシタを用いた場合にも同様な効果であることが判明した。
Claims (13)
- 非水溶媒にリチウム塩が0.8〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、及び10〜20体積%のフッ素化鎖状エステルを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとフッ素化鎖状エステルとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。 - 非水溶媒にリチウム塩が0.9〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、
前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜25体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、20〜40体積%のメチルエチルカーボネート、および10〜20体積%のエチルプロピオネートを含有し、
前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量が30〜40体積%であり、
前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液(ただし、非水溶媒にリチウム塩が1.1〜1.5M(mol/L)の量にて溶解されている非水電解液において、前記非水溶媒が、非水溶媒全体に対して、5〜20体積%のエチレンカーボネート、5〜25体積%のプロピレンカーボネート、20〜30体積%のジメチルカーボネート、10〜20体積%のエチルプロピオネート、および30〜40体積%のメチルエチルカーボネートを含有し、前記非水溶媒中における、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計含有量が20〜30体積%であり、ジメチルカーボネートとエチルプロピオネートとの合計含有量が30〜40体積%であり、前記非水電解液の引火点が20℃以上であることを特徴とするリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液を除く。)。 - 前記フッ素化鎖状エステルが、2,2−ジフルオロエチルアセテート(DFEA)、2,2,2−トリフルオロエチルアセテート(TFEA)、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート(DFEMC)、2,2,2−トリルオロエチルメチルカーボネート(TFEMC)、メチルトリフルオロアセテート、エチルトリフルオロアセテート、2,2−ジフルオロエチルトリフルオロアセテート、及び2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロアセテートからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
- 前記非水電解液の凝固点が−45℃以下である請求項1または2に記載のリチウム二次電池用又はリチウムイオンキャパシタ用非水電解液。
- さらに、非水溶媒全体に対し0.1〜5体積%の量にてビニレンカーボネートを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解液。
- さらに、非水溶媒全体に対し1〜10体積%の量にてフルオロエチレンカーボネートを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解液。
- 前記リチウム塩が、LiPF6、(FSO2)2NLi、LiPO2F2、リチウム メチルサルフェート、リチウム エチルサルフェート、FSO3Li、リチウム ジフルオロ(オキサラト)ボレート、リチウム テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート、リチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、及びリチウム ビス(オキサラト)ボレートからなる群より選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水電解液。
- 正極、負極、及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウム二次電池において、該非水電解液が請求項1〜7のいずれか一項に記載の非水電解液であることを特徴とするリチウム二次電池。
- 前記正極が、正極活物質として、リチウム複合金属酸化物およびリチウム含有オリビン型リン酸塩から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8に記載のリチウム二次電池。
- 前記負極が、負極活物質として、リチウム金属、リチウム合金、リチウムを吸蔵および放出可能な炭素材料、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、ならびに、チタン酸リチウム化合物から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8または9に記載のリチウム二次電池。
- 正極、負極、及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウムイオンキャパシタにおいて、該非水電解液が請求項1〜7のいずれか一項に記載の非水電解液であることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
- 前記正極が、正極活物質として、活性炭を含むことを特徴とする請求項11に記載のリチウムイオンキャパシタ。
- 前記負極が、負極活物質として、リチウム金属、リチウム合金、リチウムを吸蔵および放出可能な炭素材料、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、ならびに、チタン酸リチウム化合物から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項11または12に記載のリチウムイオンキャパシタ。
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