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JP6762666B2 - 野菜果実混合飲料及びその製造方法 - Google Patents

野菜果実混合飲料及びその製造方法 Download PDF

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JP6762666B2 JP2016182632A JP2016182632A JP6762666B2 JP 6762666 B2 JP6762666 B2 JP 6762666B2 JP 2016182632 A JP2016182632 A JP 2016182632A JP 2016182632 A JP2016182632 A JP 2016182632A JP 6762666 B2 JP6762666 B2 JP 6762666B2
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Description

本発明が関係するのは、野菜果実混合飲料及びその製造方法である。
従来から健康の維持のために人々が飲んでいるのは、野菜飲料であり、この野菜飲料を例示すると、トマトジュースや多種の野菜を組み合わせた飲料等である。しかし、これらの野菜飲料は、野菜が苦手な人々に忌避されている。その原因の一つは、野菜の香りや味が際立っているからである。
そのような人々にとっても飲み易くした野菜飲料は、野菜果実混合飲料である。野菜果実混合飲料は、野菜汁に果実の果汁を混合した飲料である。野菜果実混合飲料は、広く普及し、求められる味が細分化した。その結果、野菜果実混合飲料に新たに生まれた課題は、果汁を含むことによる過度な甘味である。とりわけ、野菜果実混合飲料の中でも、原材料として葡萄果汁が配合されたものは、柑橘系果汁等を主として配合した他の野菜果実混合飲料と比較して、甘味が強い傾向にある。その理由は、葡萄果汁は酸度が低く、糖度が高いためである。
まず考えられる当該課題の解決方法は、糖酸比の調整である。なぜなら、野菜果実混合飲料の甘味に寄与するのは、主に糖酸比だからである。ここで、糖酸比とは、糖度に対する酸度の割合である。具体的には、糖酸比を下げる方法は、糖度を下げる、又は酸度を上げることである。
次に考えられる解決方法は、他の成分の配合である(特許文献1乃至特許文献3)。しかし、これらの方法は、いずれも、甘味を増強する方法にすぎない。つまり、甘味を抑制する方法は、知られていない。
特表2011−254783号公報 特開2012−100562号公報 特表2013−525278号公報
本発明が解決しようとする課題は、原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料における過度な甘味を改善することである。
糖酸比の調整では、糖度を下げすぎると、濃厚感が失われ、味が薄い飲料となってしまう。他方で、酸度を上げすぎると、酸味を強く感じるようになり、飲みづらい飲料となってしまう。つまり、糖酸比を調整するだけでは、野菜果実混合飲料の過度な甘みを抑制することは非常に手間がかかり、困難である。また、前述のとおり、甘味を抑制する資材は、知られていない。
本願の発明者らが鋭意検討して見出したのは、原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料において、葡萄の果皮加工物を配合することで、過度な甘みを抑制できることである。このような飲料は、適度な甘味と酸味を感じるため、甘さが気にならず、さらにはすっきりとした味を呈する。この知見の下で本願発明者が完成させた発明は、次のとおりである。
本発明に係る野菜果実混合飲料は、その原材料が少なくとも葡萄果汁で、且つその糖酸比は、20.7至25.0である。当該飲料が含有するのは、葡萄の果皮加工物である。当該葡萄の果皮加工物は、葡萄の果皮抽出物である。当該葡萄の果皮加工物の配合量は、0.2乃至20.0w/v%である。
本発明に係る野菜果実混合飲料の製造方法を構成するのは、少なくとも、調合工程である。当該工程において、葡萄果汁及び野菜汁に加えられるのは、少なくとも、葡萄の果皮加工物である。
本発明が提供するのは、原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料であって、その過度な甘味が改善され、甘すぎず、すっきりとしたものである。
<本実施の形態に係る野菜果実混合飲料の概要>
本実施の形態に係る野菜果実混合飲料(以下、「本飲料」という。)とは、原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料であって、そこに葡萄の果皮加工物が配合されたものである。原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料とは、飲料であって、その主原材料が野菜汁と果汁であり、果汁として少なくとも葡萄果汁が配合されるものをいう。野菜汁とは、野菜の搾汁(ストレート搾汁)、その濃縮汁(ピューレ、ペースト)及び濃縮汁の還元汁、並びにそれらの加工汁である。果汁とは、果実の搾汁(ストレート搾汁)、その濃縮汁(ピューレ、ペースト)及び濃縮汁の還元汁、並びにそれらの加工汁である。野菜汁の原材料となる野菜を例示すると、トマト、ナス、パプリカ、ピーマン、ジャガイモ等のナス科の野菜、ニンジン、セロリ、アシタバ、パセリ等のセリ科の野菜、キャベツ、紫キャベツ、メキャベツ(プチヴェール)、ハクサイ、チンゲンサイ、ダイコン、ケール、クレソン、小松菜、ブロッコリー、カリフラワー、カブ、ワサビ、マスタード等のアブラナ科の野菜、ホウレンソウ、ビート等のアカザ科の野菜、レタス、シュンギク、サラダナ、ゴボウ、ヨモギ等のキク科の野菜、タマネギ、ニンニク、ネギ等のユリ科の野菜、カボチャ、キュウリ、ニガウリ等のウリ科の野菜、インゲンマメ、エンドウマメ、ソラマメ、エダマメ等の豆科の野菜、モロヘイヤ、アスパラガス、ショウガ、サツマイモ、ムラサキイモ、シソ、アカジソ、トウモロコシ等である。果汁の原材料となる果実を例示すると、レモン、オレンジ、ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、ミカン、ライム、スダチ、柚子、シイクワシャー、タンカン等の柑橘類、葡萄、リンゴ、ウメ、モモ、サクランボ、アンズ、プラム、プルーン、カムカム、ナシ、洋ナシ、ビワ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、カシス、クランベリー、ブルーベリー、メロン、スイカ、キウイフルーツ、ザクロ、バナナ、グァバ、アセロラ、パインアップル、マンゴー、パッションフルーツ、レイシ等である。葡萄果汁の原材料となる葡萄の品種を例示すると、巨峰、コンコード、マスカット、デラウェア、ピオーネ、ナイアガラ、キャンベル・アーリー等であり、より好ましくは巨峰、コンコード、ピオーネ等の果皮の色が黒、紫もしくは赤の葡萄である。このような色の果皮に通常含まれているのは、アントシアニンである。また、搾汁及び濃縮の詳細な説明のため、本明細書に取り込まれるのは、最新果汁・果実飲料辞典(社団法人日本果汁協会監修)の内容である。
本飲料の葡萄果汁の配合量は、特に限定されないが、具体的には、本飲料100L当たりBrix11の葡萄果汁に換算して0.5kg以上であり且つ50.0kg以下(0.5乃至50.0kg/100L又は0.5乃至50.0w/v%)であり、好ましくは、本飲料100L当たりBrix11の葡萄果汁に換算して1.0kg以上であり且つ20.0kg以下(1.0乃至20.0kg/100L又は1.0乃至20.0w/v%)であり、より好ましくは、本飲料100L当たりBrix11の葡萄果汁に換算して5.0kg以上であり且つ10.0kg以下(5.0乃至10.0kg/100L又は5.0乃至10.0w/v%)である。本明細書におけるBrixの詳細については、後述する。
本飲料は、各種添加剤が適宜添加されていてもよい。当該添加物は、通常、飲食品に添加されるものであり、例示すると、食塩、甘味料、酸味料、着色料、pH調整剤、酸化防止剤、香料等である。甘味料を例示すると、果糖、ブドウ糖、ショ糖、液糖や異性化液糖等の糖類である。本飲料は、好ましくは高感度甘味料を含有しない。高感度甘味料は、糖度に影響を与えず、甘味を付与するからである。高感度甘味料を例示すると、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム等である。酸味料を例示すると、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸等である。酸化防止剤を例示すると、L−アスコルビン酸、カテキン等である。
本飲料の流通形態は、好ましくは、容器詰である。容器を例示すると、PET容器、紙容器、缶等である。
<本飲料の糖酸比>
本飲料の糖酸比は、20.7以上且つ25.0以下(20.7乃至25.0)であり、より好ましくは、23.0以上且つ25.0以下(23.0乃至25.0)である。糖酸比とは、糖度を酸度で除した値である。糖酸比が高ければ、甘味が強い。他方、糖酸比が低ければ、酸味が強い。本飲料の糖酸比の調整方法は、後述する。
<本飲料の糖度>
本飲料の糖度は、9.0度以上であり、好ましくは、9.5度以上であり、より好ましくは、9.5度以上且つ11.5度以下(9.5乃至11.5度)であり、さらに好ましくは、10.6度以上且つ11.5度以下(10.6乃至11.5度)である。本飲料の糖度が9.0度より低いと、濃厚感が失われ、味が薄くなってしまう。本飲料の糖度が高すぎると、糖酸比が所定の範囲であっても、葡萄の果皮加工物を配合することによる過度な甘味の抑制効果が得られなくなってしまう。
本飲料に含まれる成分の一つは、糖であり、例示すると、グルコース、フルクトース等である。糖度の測定手段は、糖度計である。糖度計を例示すると、屈折計である。この屈折計が利用するのは、糖含量と屈折率との関係である。この屈折計の測定値は、いわゆるBrix値(%)である。Brix値が示すのは、単位重量あたりの可溶性固形分の量である。可溶性固形分に含まれるのは、厳密には、糖及び糖以外の可溶性固形分であるが、本明細書において糖度の指標をBrix値(%)とする。
<本飲料の酸度>
本飲料の酸度は、0.56%以下であり、より好ましくは、0.38%以上且つ0.56以下(0.38乃至0.56%)であり、さらに好ましくは、0.42%以上且つ0.56%以下(0.42乃至0.56%)である。本飲料に含まれる成分の一つは、酸であり、具体的には、有機酸であり、例示すると、クエン酸、リンゴ酸、乳酸や酢酸等である。酸度の測定方法は、0.1N水酸化ナトリウム標準液を用いた滴定法である。すなわち、酸度は、クエン酸当量に換算した値である。
<糖酸比の調節方法>
本飲料の糖酸比は、20.7乃至25.0であり、より好ましくは、23.0乃至25.0である。本飲料の糖酸比が20.7乃至25.0である場合、本飲料が呈するのは、適度な甘味と酸味を感じるため、甘さが気にならず、さらにはすっきりとした味である。本飲料の糖酸比が25.0より高いと、甘味を強く感じたり、甘味の後残りを感じてしまう。一方で、本飲料の糖酸比が20.7より低いと、酸味を強く感じてしまう。
糖酸比を決める要素は、糖度及び酸度である。つまり、これらの要素を調整することで、糖酸比が調整される。すなわち、糖酸比を下げる方法は、糖度を下げる、又は酸度を上げることである。糖酸比を上げる方法は、糖度を上げる、又は酸度を下げることである。
糖度を上げる方法は、原材料として用いる野菜汁及び果汁の種類や濃縮度から糖度の高いものを選択する方法、糖を配合する方法等があげられる。配合される糖を例示すると、果糖、ブドウ糖、ショ糖、液糖や異性化液糖等である。糖度を下げる方法は、原材料として用いる野菜汁及び果汁の種類や濃縮度から糖度の低いものを選択する方法等が挙げられる。
酸度を上げる方法は、原材料として用いる野菜汁及び果汁の種類や濃縮度から酸度の高いものを選択する方法、酸味料を配合する方法等があげられる。配合される酸味料を例示すると、クエン酸、酢酸、乳酸やリンゴ酸等である。酸度を下げる方法は、原材料として用いる野菜汁及び果汁の種類や濃縮度から酸度の低いものを選択する方法、原材料として用いる野菜汁及び果汁の有機酸を除去する方法等が挙げられる。有機酸の除去方法は、公知であり、例示すると、陰イオン交換やカルシウムの添加等である。陰イオン交換の具体的手法は、陰イオン交換樹脂、イオン交換膜等である。
<野菜果実混合飲料における過度な甘味>
原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料が呈するのは、過度な甘味である。過度な甘味とは、甘味を強く感じ、且つ甘味の後残りを強く感じることを指す。当該甘味は、糖酸比の上昇によって付与される。糖酸比の上昇は、果汁や甘味料を含有することでなされる。当該甘味が感じられるのは、糖酸比が20.7より高いものである。
<本飲料の葡萄の果皮加工物>
本飲料が含有する葡萄の果皮加工物は、飲料への利用に適した形に葡萄の果皮が加工されたものである。当該加工法は、葡萄を剥皮し、得られた果皮又は葡萄の搾汁残渣として得られた果皮を磨り潰す、又は抽出することである。磨り潰すとは、コミトロール、ピンミル、コロイドミル、マスコロイダー等を用いた破砕処理、摩砕処理、微細化処理等の工程を指す。その磨り潰す程度は、特に限定されない。抽出とは、葡萄の果皮を搾汁してエキスを抽出する工程や水、水蒸気、二酸化炭素、エタノール、その他の有機溶剤等の公知の抽出溶媒を用いて葡萄の果皮からエキスを抽出する工程を指す。抽出に供される葡萄の果皮は、磨り潰されたものであってもよい。本明細書において抽出によって得られた葡萄の果皮のエキスを葡萄果皮抽出物とする。市場にて一般的に入手可能な葡萄の果皮加工物を例示すると、ピールペースト、コミュニーテッド果汁、ピールエキス等である。コミュニーテッド果汁とは、果実の果肉だけではなく、果皮までまるごと磨り潰した果汁原材料である。ピールエキスは、葡萄果皮抽出物に該当する。本飲料において配合される葡萄の果皮加工物は、果皮そのものを含有しないものであることが好ましい。例示すると、ピールエキス等である。果実の果皮加工物を配合する目的は、野菜果実混合飲料の過度な甘味の抑制である。過度な甘味が抑制された結果、適度な甘味と酸味を感じるため、甘さが気にならず、さらにはすっきりとした味を呈する。
当該葡萄の果皮加工物の原材料となる葡萄の品種は、特に限定されないが、巨峰、コンコード、ピオーネ等の果皮の色が赤、紫もしくは黒の品種であることが好ましい。葡萄の果皮は一様に渋味を呈するため、特に限定されるものではない。
当該葡萄の果皮加工物の配合量は、特に限定されないが、具体的には、本飲料100L当たり0.2kg以上であり且つ20.0kg以下(0.2乃至20.0kg/100L又は0.2乃至20.0w/v%)であり、好ましくは、本飲料100L当たり1.0kg以上であり且つ6.0kg以下(1.0乃至6.0kg/100L又は1.0乃至6.0w/v%)である。葡萄果皮抽出物の形態であれば、その配合量は、Brix11に換算して本飲料100L当たり0.2kg以上であり且つ10.0kg以下(0.2乃至10.0kg/100L又は0.2乃至10.0w/v%)であり、好ましくは、Brix11に換算して本飲料100L当たり0.5kg以上であり且つ3.0kg以下(0.5乃至3.0kg/100L又は0.5乃至3.0w/v%)である。
葡萄の果皮加工物が呈するのは、渋味である。原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料に葡萄の果皮加工物を配合すれば、当該飲料の味に渋味が付与される。原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料であって、糖酸比20.7乃至25.0のものにおいて、当該果皮を配合すると、過度な甘味が抑制され、適度な甘味と酸味を感じるため、甘さが気にならず、さらにはすっきりとした味となった。その予想される作用は、当該果皮を配合することによって付与された渋味が、原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料の過度な甘味をマスキングしたためと考えられる。
当該葡萄の果皮加工物の配合量が0.2w/v%より少ないと、本飲料の過度な甘味の抑制効果が得られず、甘味を強く感じたり、甘味の後残りを感じてしまう。一方、20.0w/v%より多いと、当該葡萄の果皮加工物の渋味が際立ってしまうため好ましくない。
<本飲料の製造方法>
本飲料の製造方法(以下、「本製法」という。)を主に構成するのは、搾汁工程、調合工程、殺菌工程、充填工程、密封工程及び冷却工程である。これらの工程の一般的な説明のために本願明細書が取り込むのは、最新果汁・果実飲料辞典(社団法人日本果汁協会監修)の内容である。各工程は、適宜省略可能である。
本製法を主に構成するのは、調合工程である。この調合工程において、本飲料の糖酸比を調整して20.7乃至25.0とし、より好ましくは、23.0乃至25.0とする。調合される原材料は、少なくとも、葡萄果汁及び野菜汁に加えて、葡萄の果皮加工物である。これらの詳細は、前述のとおりである。
本発明に係る野菜果実混合飲料の詳細は、以下の実施例によって説明されるが、これらの実施例によって、本発明に係る特許請求の範囲は限定されない。
<葡萄の果皮加工物の製造方法>
実施例で配合される葡萄の果皮加工物は、葡萄果皮抽出物(ピールエキス)として配合された。葡萄果皮抽出物は、以下の工程にて製造した。まず、生の葡萄を搾汁し、搾汁残渣である果皮を回収した。回収した果皮に水を加え、再搾汁を行い、固液分離後に濃縮し、エキスとして葡萄果皮抽出物を得た。
<実施例1乃至5>
実施例1乃至5において配合する原材料は、市販の紫人参濃縮汁(Brix=63.1、糖酸比=12.3)、市販の透明人参濃縮汁(Brix=64.2、糖酸比=31.3)、市販のりんご透明濃縮果汁(Brix=69.7、糖酸比=45.3)、市販の葡萄濃縮果汁(Brix=69.3、糖酸比=22.3)、前述の葡萄果皮抽出物(Brix=48.8、糖酸比=20.1)、クエン酸(和光純薬工業株式会社製)、異性化液糖(王子コーンスターチ株式会社製)である。異性化液糖を除くこれらの原材料を表1の通りそれぞれ配合し、加水して混合し、実施例1乃至5のベースとなる調合液を得た。得られた調合液の糖酸比と糖度を測定し(測定結果:Brix=7.8、糖酸比=17.0)、同等の酸度となるようにクエン酸を加えて調整した異性化液糖を、表2に示す各実施例の糖度及び糖酸比となるように添加した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。得られたサンプルは、それぞれ糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表2に示す。
<比較例1乃至5>
比較例1乃至5において配合する原材料は、葡萄果皮抽出物を配合しないこと以外は、実施例1乃至5と同様である。異性化液糖を除くこれらの原材料を表1の通りそれぞれ配合し、加水して混合し、比較例1乃至5のベースとなる調合液を得た。得られた調合液の糖酸比と糖度を測定し(測定結果:Brix=7.8、糖酸比=17.0)、同等の酸度となるようにクエン酸を加えて調整した異性化液糖を、表2に示す各比較例の糖度及び糖酸比となるように添加した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。得られたサンプルは、それぞれ糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表2に示す。
<実施例6>
実施例6において配合する原材料は、クエン酸及び異性化液糖を配合しないこと及び追加で市販のレモン濃縮果汁(Brix=53.5、糖酸比=1.3)を配合したこと以外は、実施例1乃至5と同様である。これらの原材料を表1の通りそれぞれ配合し、加水して混合した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。実施例6は、野菜及び果実の原材料のみで実現したものある。得られたサンプルは、糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表2に示す。
Figure 0006762666
<Brixの測定方法>
本測定で採用したBrixの測定器は、屈折計(NAR−3T ATAGO社製)である。測定時の品温は、20℃であった。
<酸度の測定方法>
本測定で採用した酸度の算出方法は、0.1N水酸化ナトリウム標準液を用いた滴定法であり、滴定値よりクエン酸当量に換算して算出した。
<官能評価>
実施例1乃至6及び比較例1乃至5の官能評価において評価した項目は、「適度な甘味」、「甘さのキレ」、「濃厚感」である。評価において採用したのは、評点法である。本発明に係る原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料において、「適度な甘味」と「甘さのキレ」は、過度な甘味が抑制されたかどうかの主たる指標である。「適度な甘味」は、甘味と酸味のバランスに関する指標であって、バランスが崩れるとどちらかが強く感じてしまう。「甘さのキレ」は、甘味の後残りに関する指標であって、キレが悪いと甘味の後残りが発生し、すっきりとした味わいを妨げる。「濃厚感」は、飲料の飲み応えに関する指標であって、薄く感じるものは飲料として不適である。
「適度な甘味」は、適度な甘味と酸味を感じることで、甘さが気にならないものが高い評点となる。一方、酸味又は甘味のどちらかが強く感じるようになるにつれて低い評点となる。評価基準は以下の通りである
1点:甘味しか感じない
2点:甘味を非常に強く感じる
3点:甘味を強く感じる
4点:甘味を少し強く感じる
5点:適度な甘味と酸味を感じる
4点:酸味を少し強く感じる
3点:酸味を強く感じる
2点:酸味を非常に強く感じる
1点:酸味しか感じない
なお、本発明に係る原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料においては、4点乃至5点を甘すぎない好ましいものとする。
「甘さのキレ」は、飲用後の後味への甘味の後残りを指す。甘味の後残りが少ないほど高い評点となる。一方、後味に尾を引く感じで後残りがあるほど低い評点である。なお、「どちらでもない」は、キレが良いとも悪いとも判断がつかない状態を指すものである。評価基準は、以下のとおりである。
1点:キレがとても悪い
2点:キレが悪い
3点:どちらでもない
4点:キレが良い
5点:キレがとても良い
なお、本発明に係る原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料においては、4点乃至5点をすっきりとした好ましいものとする。
「濃厚感」は、味に厚みがあり、濃厚に感じるものほど高い評点である。一方、味に厚みがなく、薄く感じるものほど、低い評点である。なお、「どちらでもない」は、濃厚とも薄いとも判断がつかない状態を指すものである。評価基準は、以下のとおりである。
1点:とても薄く感じる
2点:薄く感じる
3点:どちらでもない
4点:濃厚に感じる
5点:とても濃厚に感じる
なお、本発明に係る原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料においては、1点乃至2点は、味が薄く、飲料として不適であるものとする。
評価は、訓練された専門パネル10名で行った。評価結果は、表2のとおりである。なお、表2に示す評点は、平均点を求め、四捨五入した値である。
Figure 0006762666
表2によれば、実施例2乃至4及び実施例6は、主たる指標である「適度な甘味」と「甘さのキレ」の2つの評点が共に良好であり、過度な甘味が抑えられた原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料であった。葡萄の果皮加工物を配合していない比較例2乃至5は、「甘さのキレ」の評点が低かった。つまり、糖酸比が20.7以上の原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料は、過度な甘味を抑制することができないことがわかる。一方、実施例2乃至4は、葡萄の果皮加工物を配合することで、過度な甘味が抑えられ、適度な甘味と酸味を感じるため、甘さが気にならず、さらにはすっきりとした味であった。つまり、糖酸比の範囲が20.7乃至25.0の原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料は、葡萄の果皮加工物を配合することで、過度な甘味が抑制できた。また、同等の糖酸比及び糖度を有し、その違いが葡萄の果皮加工物の配合の有無である実施例と比較例(実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4)を比較しても、葡萄の果皮加工物を配合した実施例3乃至4は、「適度な甘味」と「甘さのキレ」の両方の評点が、実施例2は、「甘さのキレ」の評点が優れており、過度な甘味の抑制効果が得られていることがわかる。「濃厚感」は、実施例1及び比較例1乃至比較例2で評点が低かった。本飲料において、糖度が9.5度以上であることが好ましい。したがって、実施例2乃至4のような糖酸比が20.7乃至25.0の原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料であって、糖度が9.5度以上のものは、過度な甘味が抑えられ、且つ薄くない味を呈する。実施例6は、実施例3と同等の糖酸比、糖度を野菜及び果実の原材料のみで実現したものであるが、実施例3と同様に葡萄の果皮加工物による効果が得られた。
<実施例7乃至12>
実施例7乃至12において配合する原材料は、前述の実施例1乃至6及び比較例1乃至5の作成に用いたものと同様のものを用いた。異性化液糖を除くこれらの原材料を表3の通りそれぞれ配合し、加水して混合し、実施例7乃至12のベースとなる調合液を得た。得られた調合液の糖酸比と糖度を測定し(測定結果:Brix=8.0、糖酸比=22.9)、クエン酸及び異性化液糖を、表4に示す各実施例の糖度及び酸度となるように添加した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。得られたサンプルは、それぞれ糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表4に示す。糖度及び酸度の測定は、前述の通り行った。また、官能評価も、専門パネルの人数以外は、前述の通り行った。なお、官能評価は、訓練された専門パネル9名で行った。官能評価結果は、表4の通りであり、表4に示す評点は、平均点を求め、四捨五入した値である。
<比較例6乃至10>
比較例6乃至10において配合する原材料は、葡萄果皮抽出物を配合しないこと以外は、実施例7乃至12と同様である。異性化液糖を除くこれらの原材料を表3の通りそれぞれ配合し、加水して混合し、比較例6乃至10のベースとなる調合液を得た。得られた調合液の糖酸比と糖度を測定し(測定結果:Brix=8.0、糖酸比=22.9)、クエン酸及び異性化液糖を、表4に示す各比較例の糖度及び酸度となるように添加した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。得られたサンプルは、それぞれ糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表4に示す。糖度及び酸度の測定は、前述の通り行った。また、官能評価も、専門パネルの人数以外は、前述の通り行った。なお、官能評価は、訓練された専門パネル9名で行った。官能評価結果は、表4の通りであり、表4に示す評点は、平均点を求め、四捨五入した値である。
Figure 0006762666
Figure 0006762666
本発明が産業上利用可能な分野は、野菜果実混合飲料及びその製造方法である。

Claims (6)

  1. 野菜果実混合飲料であって、
    その原材料は、少なくとも、葡萄果汁、及び葡萄の果皮加工物であり、当該野菜果実混合飲料の糖酸比は、20.7乃至25.0であり、当該野菜果実混合飲料の糖度は、9.0度以上11.5度以下であり、前記葡萄の果皮加工物の配合量は、0.2乃至20.0w/v%である。
  2. 請求項1の飲料であって、
    前記糖酸比は、23.0乃至25.0である
  3. 請求項1又は2の飲料であって、
    前記糖度は、9.5乃至11.5度である
  4. 請求項1乃至3のいずれかの飲料であって、
    前記葡萄の果皮加工物は、葡萄果皮抽出物である
  5. 請求項1乃至4のいずれかの飲料であって、
    前記葡萄果汁の配合量は、0.5乃至50.0w/v%である
  6. 野菜果実混合飲料の製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、調合工程であり、
    ここで、調合されるのは、少なくとも、葡萄果汁及び野菜汁、葡萄の果皮加工物であり、当該葡萄の果皮加工物の配合量は、0.2乃至20.0w/v%であり、それによって得られるのは、野菜果実混合飲料であって、当該野菜果実混合飲料の糖酸比は、20.7乃至25.0であり、当該野菜果実混合飲料の糖度は、9.0度以上11.5度以下である。
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