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JP6761456B2 - 多段分配堰及び分配装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を自然流下にて2か所以上に分配するのに用いて好適な多段分配堰及び分配装置に関するものである。
従来、水処理施設(浄水場、下水処理場など)、食品、機械、化学などの製造プラントなどにおける水、薬品(凝集剤、pH調整剤、消毒剤など)、汚泥、調味料、その他の化学物質などの液体を、自然流下にて、2か所以上に均等分配して注入(滴下)する分配装置が存在する。
上記従来の分配装置では、複数の分配堰を並列に設置し、各分配堰を越流させることによって、当該分配装置に流入してきた液体を複数に分配することが行われていた。そして従来の分配堰は、単一の堰幅を有する四角堰、または単一の角度を有する三角堰によって構成されていた。
図5は、従来例として、特許文献1の図3に相当する分配装置100を示す概略斜視図である。同図に示すように、分配装置100は、添加剤供給ポンプからの添加剤を安定して流す流路室101と、この流路室101に隣接して配置され且つ仕切板109で仕切られて形成された複数の小室(図では6つの小室)107と、を備えて構成されている。流路室101と各小室107との間にはそれぞれ、同一形状寸法のV字状の開口を有する分配堰として三角堰111が設けられており、各分配堰111を越流する流体の流量が同一になることで、流路室101に流入した添加剤が各小室107に等量ずつ流れ込み、導管105及びバルブ113を介してそれぞれの注水ノズルに供給される。
ところで、一部の浄水場の次亜塩素酸ナトリウム溶液の注入設備においては、当該次亜塩素酸ナトリウム溶液の流量が、例えば0.11〜1.8L/min(流量範囲1:20)程度と広範囲に変化し、これを自然流下にて6か所程度に均等分配して注入する必要があった。この例の場合、分配後の最小流量が0.018(L/min)とかなり少量であり、また分割数も6分割と多い。
実験によると、分配堰による均等分配の精度は、堰幅と越流水深によって決定される。例えば小流量の場合は、分配堰を越流する流体の水深(越流水深)を所定水深以上にしなければ分配の精度が出ない。即ち、分配堰において小流量においても均等分配可能な越流水深を確保するためには、分配堰が四角堰の場合は堰幅を小さく、三角堰の場合はその角度を小さく鋭角な三角堰とする必要がある。
特開2001−286705号公報 特開2008−238013号公報 特開2008−246329号公報 特開2016−195973号公報 実開昭55−107202号公報
しかし、上述のように、小流量時に対応するために、四角堰の堰幅を小さくしたり、三角堰の角度を小さくしたりすると、大流量時にも対応させるためには、分配堰の堰高をかなり高くすることが必要になる。分配堰の高さを高くした場合、この分配堰を取り付ける分配装置も大型化され、設置スペースの増加、製作コストの増加につながるという問題が生じる。
以上説明したように、分配堰による流体の均等分配の精度は、堰幅と堰高によって決定されるが、流量範囲が広範囲の場合、小流量の均等分配を確保するために堰幅を狭くした場合、大流量では越流水深が深くなってしまう。一方、大流量の均等分配に最適な堰幅を確保した場合、小流量では越流水深が浅過ぎて均等分配の精度が得られない。これらのことから、分配可能な流量範囲が制限されてしまうという問題があった。
ところで、特許文献3の図5(ニ)に開示の堰の第1移流部12は、細長い四角形の開口の下部に円形の開口を接続した形状となっており、この堰の下流側に設置した別の堰によって、円形の開口部分を常に水没させることで、円形の開口からの分配量に対する四角形の開口からの分配量の比率を小さくし、これによって、第1移流部12が傾いた場合に分配量に影響が出る上部の各四角形の開口からの分配量の違いを少なくすることで、できるだけ均等分配ができるようにしている。しかし、この第1移流部12において、前記別の堰を設置せず且つ円形の開口部分が水没しないような小流量に対しては、円形の開口の越流水深が浅くなり過ぎて均等分配の精度が得られないという、上記と同様の問題が生じる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、液体の流量が広範囲に変動しても、簡単な構成で、均一に精度よく分配することができる多段分配堰及び分配装置を提供することにある。
本発明は、流路室内に、当該流路室を分割するように設置され、当該流路室に導入された流体の流れを整流する整流板と、前記流路室内の前記整流板よりも下流側に設置され、堰幅または堰角度が異なる四角形状または三角形状の開口を上下2段以上組み合わせて形成した多段分配堰と、を有することを特徴とする分配装置にある。
ここで堰角度とは、開口の左右の辺が下側から上側に向かって広がっていく角度、または上記左右の辺を下方に延長して交差する頂点における三角形の頂点角度を言うものとする。
本発明によれば、小流量を分配するのに好適な開口と、大流量を分配するのに好適な開口とを組み合わせることで、広範囲の流量域にわたって精度の良い液体の分配が可能になり、同時に堰高を低くできてコンパクトな多段分配堰を得ることができる。
また本発明は、堰の上段に設けられ、所定の幅と高さの四角形状の第1の開口と、前記堰の中段に設けられ、前記第1の開口よりも狭い幅と低い高さの四角形状の第2の開口と、前記堰の下段に設けられ、前記第2の開口よりも更に狭い幅と低い高さの四角形状の第3の開口と、を有し、前記第1の開口、前記第2の開口、前記第3の開口が、上下でつながって多段階とした開口形状を形成し、前記堰での流量に応じて各開口により流体を越流させることを特徴とする多段分配堰にある。
また本発明は、上記特徴に加え、当該多段分配堰の上流側に、流路室内に、当該流路室を分割するように設置され、当該流路室に導入された流体の流れを整流する整流板を配置することを特徴とする。
また本発明は、上記多段分配堰を、複数並列配置して構成されたことを特徴とする分配装置にある。
また本発明は、越流用の複数の分配堰を形成することで、供給される液体を複数均等に分配する分配装置において、矩形状のケースの流路室内に、当該流路室を分割するように、前記供給される液体の上流側に設置されて当該流路室に供給される液体の流れを整える整流板を設け、前記各分配堰は、上側に設けられ、所定の幅と高さの四角形状又は三角形状の第1の開口と、下側に設けられ、前記第1の開口よりも狭い幅の四角形状又は三角形状の第2の開口と、をつなげた多段階の開口からなる多段分配堰で構成され、前記整流板で整流された液体が前記各多段分配堰に導入されることを特徴とする分配装置にある。
本発明によれば、下段の第2の開口を小流量の分配に好適な開口にでき、上段の第1の開口を大流量の分配に好適な開口にでき、これによって広範囲の流量域にわたって精度の良い液体の均等分配が可能になり、同時に堰高を低くできてコンパクトな分配装置を得ることができる。
また本発明は、上記特徴に加え、前記多段階の開口は、前記第2の開口よりも更に狭い幅の四角形状又は三角形状の第3の開口を、前記第2の開口のさらに下側につなげて形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、下段の第3の開口を小流量の分配に好適な開口にでき、中段の第2の開口を中流量の分配に好適な開口にでき、上段の第1の開口を大流量の分配に好適な開口にでき、これによって広範囲の流量域にわたって、より精度の高い液体の均等分配が可能になり、同時に堰高を低くできてコンパクトな分配装置を得ることができる。
また本発明は、上記特徴に加え、堰幅または堰角度が異なる四角形状または三角形状の開口を上下2段以上組み合わせて形成したか、または四角形状の開口と三角形状の開口とを上下2段以上組み合わせて形成した多段分配堰を複数並列配置すると共に、矩形状のケースの流路室内に、当該流路室を分割するように、前記多段分配堰と、当該多段分配堰の上流側に設置されて前記流路室に供給される液体の流れを整える整流板と、を設けて構成されていることを特徴としている。
また本発明は、上記特徴に加え、前記複数配置された多段分配堰の下流側にそれぞれ設置した小室の底面に、各多段分配堰によって分配された分配液を滞留することなく配管に流入させる傾斜が設けられたことを特徴としている。
本発明によれば、簡単な構成で、流体を広範囲の流量域で精度よく分配させることが可能になり、同時に堰高を低くできてコンパクト化を図ることができる。
堰(多段分配堰)50を用いて構成された分配装置1の概略斜視図である。 多段分配堰50A〜Hの各種形状を示す図である。 実験に用いた多段分配堰50A,50Bと分配堰80,90を示す図である。 多段分配堰50A,50Bと分配堰80,90の実験結果を示す図である。 従来の分配装置100の一例を示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる分配堰(以下「多段分配堰」という)50(50−1〜6)を用いて構成された分配装置1の概略斜視図である。この図は、分配装置1の側壁の一部を切欠いた状態を示している。同図に示すように、分配装置1は、矩形状のケース11の流路室13内に、この流路室13を2つに分割するように整流板15を設置し、さらに流路室13内の整流板15よりも下流側に、本実施形態に係る多段分配堰50(50−1〜6)を設置して構成されている。なお以下の説明において、この多段分配堰50は、浄水場や下水処理場などの水処理設備において、次亜塩素酸ナトリウム溶液を複数に分配して所望の処理工程に供給する場合に使用するものとして説明するが、他の各種液体や用途にも同様に使用できることは言うまでもない。
流路室13の整流板15よりも上流側には、送水手段としての送水管17の先端が挿入されており、ポンプ等から送水されてきた液体(流体)が流路室13内に導入される。整流板15は、多数の小孔15aを有する平板であり、前記送水管17から流路室13内に導入された流体の流れを整えてその下流側に流出させる。
多段分配堰50は、この実施例では6つの多段分配堰50−1〜6によって構成されている。各多段分配堰50−1〜6の下流側は小室仕切板51によって仕切られることで、複数(6つ)の小室53が形成されている。各小室53の底面には、それぞれ配管55が接続されている。配管55の先端側は、分配液を使用するそれぞれの注入点に引き出されている。なお、各小室53の底面は、配管55を接続している接続部分を最下点としてすり鉢状(錐状)に下方向に向けてなだらかに傾斜する凹状面となっており、これによって、この底面に液体が溜まらないようにし、小室53に流入した液体が確実に安定して滴下していく構成となっている。
各多段分配堰50−1〜6には、それぞれその上辺中央部分を切り欠いた開口61が形成されている。各多段分配堰50−1〜6の開口61は同一形状寸法であり、三角形状の第1の開口61aの下側に四角形状の第2の開口61bを接続した形状を有している。この開口61は、下記する図2(c)に示す開口61の構成と同様の構成を有しているが、開口61の各種例や作用効果については後述する。
以上のように構成された分配装置1において、ポンプ等によって図示しない貯留槽に貯留されていた次亜塩素酸ナトリウム溶液を、送水管17を用いて、分配装置1の整流板15よりも上流側の流路室13内に導入する。流路室13内に導入された流体は、整流板15の多数の小孔15aを通過することによって、その流れが整えられ、各多段分配堰50−1〜6の開口61における越流水深の変動が抑制される。そして各開口61を均等に越流することで越流流体は等分配される。等分配された越流流体は、各小室53に流入し、敷設された各配管55内を通り自然流下にて各注入点に注入し、滴下される。
図2(a)〜(h)は、本発明の実施形態にかかる多段分配堰50A〜Hの各種形状を示す図である。以下各実施形態について説明する。図2(a)に示す多段分配堰50Aは、堰の上側に設けられ、所定の幅と高さの四角形状の第1の開口61aと、前記堰の下側に設けられ、前記第1の開口61aよりも狭い幅と低い高さの四角形状の第2の開口61bとを、上下でつなげて多段階とした開口、即ち多段階開口61の形状となっている。
このように越流用の開口61を構成すれば、流量が少ない場合、流体は、第2の開口61bのみを越流するが、第2の開口61bはその幅(堰幅)が狭いので、少ない流量でも、堰による均等分配の精度が得られる越流水深を確保することができる。即ち、小流量でも、各多段分配堰50Aを越流する流体を精度よく均等にすることができる。
一方、流量が多くなると、流体は、第2の開口61bの水深を超え、第1の開口61aをも用いて越流するが、第1の開口61aはその幅(堰幅)が広いので、第2の開口61bに比べて、流量が増加する割には水深が深くならない。従って、大流量を分配する場合でも、堰高を低くできる。
即ち、この多段分配堰50Aを用いれば、小流量を分配するのに好適な第2の開口61bと、大流量を分配するのに好適な第1の開口61aとを組み合わせることで、広範囲の流量域にわたって精度の良い液体の分配が可能になり、同時に堰高を低くできてコンパクトな多段分配堰50A及び分配装置1を得ることができる。
図2(b)に示す多段分配堰50Bは、堰の上側に設けられ、所定の幅と高さの四角形状の第1の開口61aと、前記堰の中央に設けられ、前記第1の開口61aよりも狭い幅と低い高さの四角形状の第2の開口61bと、前記堰の下側に設けられ、前記第2の開口61bよりもさらに狭い幅と低い高さの四角形状の第3の開口61cとを、上下でつなげて多段階とした開口61の形状となっている。
このように越流用の開口61を構成すれば、流量が少ない場合、流体は、第3の開口61cのみを越流するが、第3の開口61cはその幅(堰幅)が狭いので、少ない流量でも、堰による均等分配の精度が得られる越流水深を確保することができる。一方、流量が少し多くなると、流体は、第3の開口61cの水深を超え、第2の開口61bをも用いて越流するが、第2の開口61bはその幅(堰幅)が広いので、第3の開口61cに比べて、流量が増加する割には水深が深くならない。さらに流量が多くなると、流体は、第2の開口61bの水深を超え、第1の開口61aをも用いて越流するが、第1の開口61aはその幅(堰幅)がさらに広いので、第2の開口61bに比べて、さらに流量が増加する割には水深が深くならない。従って、上記図2(a)に示す多段分配堰50Aに比べて、さらにきめ細かく精度よく流体を分配することができる。
図2(c)に示す多段分配堰50Cは、堰の上側に設けられ、所定の幅と高さの三角形状の第1の開口61aと、前記堰の下側に設けられ、前記第1の開口61aよりも狭い幅で同じ高さの四角形状の第2の開口61bとを、上下でつなげて多段階とした開口61の形状となっている。この多段分配堰50Cにおいても、上記図2(a)に示す多段分配堰50Aで説明した作用効果と同様の作用効果を有し、小流量から大流量まで、精度よく流体を分配することができ、また堰高を低くすることができる。
図2(d)に示す多段分配堰50Dは、堰の上側に設けられ、所定の幅と高さの三角形状の第1の開口61aと、前記堰の中央に設けられ、前記第1の開口61aよりも狭い幅と低い高さの四角形状の第2の開口61bと、前記堰の下側に設けられ、前記第2の開口61bよりもさらに狭い幅と低い高さの四角形状の第3の開口61cとを、上下でつなげて多段階とした開口61の形状となっている。この多段分配堰50Dにおいても、上記図2(b)に示す多段分配堰50Bで説明した作用効果と同様の作用効果を有し、小流量から大流量まで、精度よく流体を分配することができ、また堰高を低くすることができる。
上記図2(c),(d)に示す多段分配堰50C,50Dにおいては、小流量時は均等分配に必要な越流水深を確保し易い四角形状の開口、大流量時は広い流量範囲を持つ三角形状の開口としたので、小流量〜大流量の均等配分が、より低い高さで実現可能となる。
次に、図2(e)に示す多段分配堰50Eは、堰の上側に設けられ、所定の幅(堰角度)と高さの三角形状の第1の開口61aと、前記堰の下側に設けられ、前記第1の開口61aよりも小さい幅(堰角度)と低い高さの三角形状の第2の開口61bとを、上下でつなげて多段階とした開口61の形状となっている。ここで、三角形状の第1,第2の開口61a,61bの角度(堰角度)とは、開口の左右の辺が下側から上側に向かって広がっていく角度、または上記左右の辺を下方に延長して交差する頂点における三角形の頂点角度を言うものとする。そしてこの多段分配堰50Eにおいても、上記図2(a)に示す多段分配堰50Aで説明した作用効果と同様の作用効果を有し、小流量から大流量まで、精度よく流体を分配することができ、また堰高を低くすることができる。
図2(f)に示す多段分配堰50Fは、堰の上側に設けられ、所定の幅(堰角度)と高さの三角形状の第1の開口61aと、前記堰の中央に設けられ、前記第1の開口61aよりも小さい幅(堰角度)と高い高さの三角形状の第2の開口61bと、前記堰の下側に設けられ、前記第2の開口61bよりも小さい幅(堰角度)と低い高さの三角形状の第3の開口61cとを、上下でつなげて多段階とした開口61の形状となっている。この多段分配堰50Fにおいても、上記図2(b)に示す多段分配堰50Bで説明した作用効果と同様の作用効果を有し、小流量から大流量まで、精度よく流体を分配することができ、また堰高を低くすることができる。
即ち、上記図2(e),(f)に示す多段分配堰50E,50Fにおいては、下段の三角形状の開口の堰角度を小さくすることで堰幅を小さくし、小流量の場合の均等分配に必要な越流水深を確保している。そして、下段の堰角度の小さい開口から上段の堰角度の大きい開口(即ち下側から上側に向かって広がっていく角度の異なる複数の開口)を多段に組み合わせることで、小流量〜大流量の均等配分を、低い高さで実現可能としている。
次に、図2(g)に示す多段分配堰50Gは、堰の上側に設けられ、所定の幅と高さの四角形状の第1の開口61aと、前記堰の下側に設けられ、前記第1の開口61aよりも狭い幅と低い高さの三角形状の第2の開口61bとを、上下でつなげて多段階とした開口61の形状となっている。この多段分配堰50Gにおいても、上記図2(a)に示す多段分配堰50Aで説明した作用効果と同様の作用効果を有し、小流量から大流量まで、精度よく流体を分配することができ、また堰高を低くすることができる。
図2(h)に示す多段分配堰50Hは、堰の上側に設けられ、所定の幅と高さの四角形状の第1の開口61aと、前記堰の中央に設けられ、前記第1の開口61aよりも狭い幅と低い高さの三角形状の第2の開口61bと、前記堰の下側に設けられ、前記第2の開口61bよりも小さい幅(堰角度)と高い高さの三角形状の第3の開口61cとを、上下でつなげて多段階とした開口61の形状となっている。この多段分配堰50Hにおいても、上記図2(b)に示す多段分配堰50Bで説明した作用効果と同様の作用効果を有し、小流量から大流量まで、精度よく流体を分配することができ、また堰高を低くすることができる。なお、JIS B 8302の規格により、図2(a)〜(h)の多段分配堰50A〜Hの開口61の縁には45°の傾斜面(テーパ面)が設けられている。
図3は、越流水深と流量の関係を測定するのに用いた本発明にかかる多段分配堰50A,50Bと、従来の分配堰80,90を示す図、図4は、それらの実験結果を示す図である。図3(a)に示す多段分配堰50Aは前記図2(a)と同様の形状の多段分配堰50Aであり、図3(b)に示す多段分配堰50Bは前記図2(b)と同様の形状の多段分配堰50Bであり、図3(c)に示す分配堰80は三角堰であり、図3(d)に示す分配堰90は四角堰である。各図には、開口の幅(mm)、高さ(mm)、堰角度(度)が表示されている。
そして上記各分配堰50A,50B,80,90について、堰の越流水深と、堰を越流する流量との関係を測定した。その結果を図4に示す。堰の越流水深を、上限40mm、下限5mmとした場合、
〔多段分配堰50Aの流量適用範囲〕
0.021〜1.94(L/min)で、(1:92)
〔多段分配堰50Bの流量適用範囲〕
0.014〜7.4(L/min)で、(1:529)
〔分配堰80の流量適用範囲〕
0.099〜16(L/min)で、(1:162)
〔分配堰90の流量適用範囲〕
0.048〜0.82(L/min)で、(1:17)
であった。
以上のことからわかるように、従来の分配堰80の場合は、堰の越流水深が下限5mmのときの流量は0.099(L/min)と多く、流量が少ないとき(例えば0.05(L/min)以下が求められるとき)の分配精度が維持できなかった。
また従来の分配堰90の場合は、堰の越流水深が上限40mmのときの流量は0.82(L/min)と少なく、大流量の分配を行うことができなかった。大流量の分配を行う場合は、堰の越流水深の上限をもっと高くしなければならず、それは装置の大型化につながる。
これに対して、本願にかかる多段分配堰50Aの場合は、堰の越流水深が下限5mmのときの流量は0.021(L/min)と少なく、流量が少ないときの分配精度を維持することができた。同時に、堰の越流水深が上限40mmのときの流量は1.94(L/min)と多く、大流量の分配を行うことができた。
また、本願にかかる多段分配堰50Bの場合は、堰の越流水深が下限5mmのときの流量は0.014(L/min)と、多段分配堰50Aに比べてさらに少なく、流量が少ないときの分配精度をさらに効果的に維持することができた。同時に、堰の越流水深が上限40mmのときの流量は7.4(L/min)と、多段分配堰50Aに比べてさらに多く、さらに大流量の分配を行うことができた。
以上のことから、本発明に係る多段分配堰は、異なる堰幅(堰角度)や形状の堰を多段に組み合わせることによって、小流量から大流量までの大きな流量範囲を持つ液体を精度よく等分配することが可能になることがわかった。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
上記実施形態では、本発明を浄水場や下水処理場などの水処理施設に用いた例を説明したが、本発明にかかる多段分配堰やこれを用いた分配装置は、食品、機械、化学などの製造プラントなどにおける水、薬品(凝集剤、pH調整剤、消毒剤など)、汚泥、調味料、その他の化学物質などの液体を、自然流下にて分配する設備であれば、どのような設備にも適用することができる。また図1に示す分配装置1の構成に種々の変更が可能である。
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
1 分配装置
11 ケース
13 流路室
15 整流板
15a 小孔
17 送水管(送水手段)
50(50−1〜6,50A〜H) 多段分配堰(堰、分配堰)
51 小室仕切板
53 小室
55 配管
61 開口
61a 第1の開口
61b 第2の開口
61c 第3の開口

Claims (8)

  1. 流路室内に、
    当該流路室を分割するように設置され、当該流路室に導入された流体の流れを整流する整流板と、
    前記流路室内の前記整流板よりも下流側に設置され、堰幅または堰角度が異なる四角形状または三角形状の開口を上下2段以上組み合わせて形成した多段分配堰と、
    を有することを特徴とする分配装置。
  2. 堰の上段に設けられ、所定の幅と高さの四角形状の第1の開口と、
    前記堰の中段に設けられ、前記第1の開口よりも狭い幅と低い高さの四角形状の第2の開口と、
    前記堰の下段に設けられ、前記第2の開口よりも更に狭い幅と低い高さの四角形状の第3の開口と、を有し、
    前記第1の開口、前記第2の開口、前記第3の開口が、上下でつながって多段階とした開口形状を形成し、前記堰での流量に応じて各開口により流体を越流させることを特徴とする多段分配堰。
  3. 請求項2に記載の多段分配堰であって、
    当該多段分配堰の上流側に、
    流路室内に、当該流路室を分割するように設置され、当該流路室に導入された流体の流れを整流する整流板を配置することを特徴とする多段分配堰。
  4. 請求項2又は3に記載の多段分配堰を、複数並列配置して構成されたことを特徴とする分配装置。
  5. 越流用の複数の分配堰を形成することで、供給される液体を複数均等に分配する分配装置において、
    矩形状のケースの流路室内に、当該流路室を分割するように、前記供給される液体の上流側に設置されて当該流路室に供給される液体の流れを整える整流板を設け、
    前記各分配堰は、
    上側に設けられ、所定の幅と高さの四角形状又は三角形状の第1の開口と、
    下側に設けられ、前記第1の開口よりも狭い幅の四角形状又は三角形状の第2の開口と、をつなげた多段階の開口からなる多段分配堰で構成され、
    前記整流板で整流された液体が前記各多段分配堰に導入されることを特徴とする分配装置。
  6. 請求項5に記載の分配装置であって、
    前記多段階の開口は、前記第2の開口よりも更に狭い幅の四角形状又は三角形状の第3の開口を、前記第2の開口のさらに下側につなげて形成されたことを特徴とする分配装置。
  7. 堰幅または堰角度が異なる四角形状または三角形状の開口を上下2段以上組み合わせて形成したか、または四角形状の開口と三角形状の開口とを上下2段以上組み合わせて形成した多段分配堰を複数並列配置すると共に、
    矩形状のケースの流路室内に、当該流路室を分割するように、前記多段分配堰と、当該多段分配堰の上流側に設置されて前記流路室に供給される液体の流れを整える整流板と、を設けて構成されていることを特徴とする分配装置。
  8. 請求項4乃至7の内の何れかに記載の分配装置であって、
    前記複数配置された多段分配堰の下流側にそれぞれ設置した小室の底面に、各多段分配堰によって分配された分配液を滞留することなく配管に流入させる傾斜が設けられたことを特徴とする分配装置。
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