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JP6753167B2 - 針状体 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は、皮膚に穿刺して用いることができる針状体デバイスに関する。
経皮投与デバイスは、薬剤の投与対象に対して薬剤を皮膚から投与するための投与部を備える。投与部の一例であるマイクロニードルは、微細な針形状を有する複数の突起部と、板状の基体とを備え、複数の突起部は、基体の表面に並んでいる。マイクロニードルを用いた薬剤の投与方法では、まず、投与対象の皮膚に基体が押し付けられることによって突起部が皮膚を穿孔し、次いで、突起部によって形成された孔から、投与対象の体内に薬剤が送り込まれる。こうしたマイクロニードルの一例において、薬剤は、突起部の表面に保持される。そして、薬剤は、突起部とともに投与対象の皮内に入り、体内に拡散する(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2011/105496号
上述のマイクロニードルに薬剤を保持させる工程において、薬剤は、液体の状態で突起部の表面に塗布された後、固化されることにより、突起部の表面に保持される。それゆえに、マイクロニードルが保持可能な薬剤の量、すなわち、マイクロニードルが投与可能な薬剤の量は、突起部の表面積に応じた量に制限されてしまうため、投与可能な薬剤の量を増大させることのできる経皮投与デバイスが望まれている。なお、投与可能な薬剤の量を増大させる要請は、薬剤の保持形態に関わらず、経皮投与デバイスにおいて共通している。
本発明は、投与可能な薬剤の量を増大させることのできる経皮投与デバイス、および、経皮投与デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一局面は、基板と、基板の第1の面に形成された針状体とを備える針状体デバイスあって、針状体の表面の一部及び基板の第1の面に複数の微小凸部が並ぶことにより撥水性を備えた領域を有する針状体デバイスである。
また、本発明の他の局面は、針状体デバイスの基本金型を形成する工程と、基本金型の表面にサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凹部を形成する工程と、基本金型を母型とし転写加工により、サブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸部を表面に有する針状体デバイスの原型を成形する工程と、針状体デバイスの原型表面のサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸部の一部を除去する工程と、針状体デバイスの原型から転写成形により複製版を作製する工程と、複製版を用いて針状体デバイスを成形する工程とを含む針状体デバイスの製造方法である。
本発明によれば、投与可能な薬剤の量を増大させることのできる経皮投与デバイス、および、経皮投与デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る針状体デバイス外観図 本発明の一実施形態に係る針状体デバイスの断面図 本発明の一実施形態に係る針状体デバイスの製造工程のフローチャート 本発明の一実施形態に係る針状体デバイスの製造工程図 本発明の一実施形態に係る針状体デバイスの製造工程図 本発明の一実施形態に係る針状体デバイスの製造工程図 本発明の一実施形態に係る針状体デバイスの製造工程図 本発明の一実施形態に係る針状体デバイスの製造工程図 本発明の一実施形態に係る針状体デバイスの製造工程図 陽極酸化工程図 陽極酸化工程における金型基体表面の断面図 第一針状体の加工例を示す図 第一針状体の形態例を示す図 第一針状体の加工例を示す図 第一針状体の形態例を示す図 第一針状体の加工例を示す図 第一針状体の形態例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の加工例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の加工例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の形態例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の加工例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の形態例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の加工例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の形態例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の加工例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の形態例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の加工例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の形態例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の形態例を示す図 ダイシングを用いた第一針状体の形態例を示す図
初めに、本発明の一実施形態に係る針状体デバイス100について説明する。図1に、針状体デバイス100の外観図を示す。針状体デバイス100は、図1に例示するように、円形の基板120の一方の面に針状の構造体である針状体110を備える。図1に例示するように、1つの基板120上に形成される針状体110の数は複数でもよく、あるいは1つでもよい。また、基板120の形状も、円形に限定されない。
基板120の針状体110が形成された面上及び針状体110根本付近には、複数の微小凸部が並んで形成されることにより撥水性を備える撥水領域が形成されている。これに対して、針状体110の先端には、撥水領域が形成されていない非撥水領域110aが形成されている。
図2に、針状体デバイス100の針状体100周辺の部分断面図を示す。針状体デバイス100には撥水領域と非撥水領域110aとが形成されている。このため、図2に示すように、針状体110に薬液850を塗布した際には、薬液850は撥水領域への流入が抑えられ非撥水領域110aに保持される。したがって、非撥水領域110aの大きさを変えることにより、針状体110における薬液850の保持量を変えることができる。基板120上に複数の針状体110を形成することにより、一度の穿刺でより多くの薬剤850を皮膚内に放出させることができる。なお、針状体110は、基板120の面に対しては垂直方向に立設していなくとも良い。また、後述の陽極酸化領域を制御することで非撥水領域110aの面積を制御することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る針状体デバイス100の製造方法を図3〜図17を参照して、説明する。図3は、各工程を例示するフローチャートである。図3に示すように、針状体デバイス110の製造方法は、原版加工工程(S1)と、表面処理工程(S2)と、第一針状体成形工程(S3)と、第一針状体加工工程(S4)と、針状体複製版作製工程(S5)と、第二針状体成形工程(S6)とを含む。
<原版加工工程:S1>
まず、原版加工工程では、針状体デバイス100の基本金型が作製される。基本金型は、金型基体400と、金型基体400の表面から窪んだ金型凹部410とを備えている。金型基体400は、作製しようとする針状体デバイス100の基板120とほぼ同じ形状を有し、金型凹部410の配置された面である形成面と形成面とは反対側の面である非形成面とを有している。金型凹部410は、図4Aに示すように、例えば、マイクロドリル500で形成することができ、その表面形状を除いて、作製しようとする針状体110とほぼ同じ形状を有する。例えば、針状体110が四角錐形状を有するとき、金型凹部410も針状体110と同様の四角錐形状を有するし、針状体110が円錐形状を有するとき、金型凹部410も針状体110と同様の円錐錐形状を有する。また、針状体110が四角柱形状を有するとき、金型凹部410も針状体110と同様の四角柱形状を有するし、針状体110が円柱形状を有するとき、金型凹部410も針状体110と同様の円錐錐形状を有する。
基本金型の形成材料は特に限定されず、公知の技術によって表面にサブサブマイクロオーダーレベル(0.01μm以上0.1μm未満)からサブマイクロオーダーレベル(0.1μm以上1μm未満)の多孔質構造を加工可能な材料が用いられればよい。基本金型の形成材料は、加工適性や、材料の入手容易性等を考慮して選択されることが好ましい。金型凹部410の作製方法は、公知の方法を用いても良く、機械加工もしくは半導体製造に用いることができる微細加工を用いることもできる。基本金型の形成材料としては、例えば、アルミ、又はシリコンなどが挙げることができる。金型凹部410の形成には、作製する針状体110の形状に応じて適宜公知の製造方法を用いることができる。例えば、微細加工技術によって所望するパターン形状を有する原版を作製しても良い。ここで、微細加工技術としては、例えば、リソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、サンドブラスト法、レーザー加工法、精密機械加工法等を用いても良い。
<表面処理工程:S2>
続いて、表面処理工程では、図4Bに示すように、金型基体400表面にサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凹部403が形成される。
サブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凹部403形成には、陽極酸化技術を用いることができる。これらの処理には図5に例示する酸化槽600を用いる。図6は、アルミニウム金型基体400を用いた陽極酸化ポーラスアルミナ作製の例を示す断面図である。作用極620側にアルミニウム金型基体400を設置し電解液中で、電源640により対極610との間に直流電圧を印加することで陽極酸化を行い、金型基体400の表面に凹部403である多孔室をもつ酸化皮膜402、つまり、陽極酸化ポーラスアルミナを形成する。得られた陽極酸化ポーラスアルミナにおいては、適切な条件で陽極酸化を行うことにより、細孔配列の規則化を進行させることもできる。
また、シリコンを金型基体400として使用することができる。シリコンも陽極化成セルと呼ばれる反応槽を用いて、HF溶液中で陽極化成することにより多孔質シリコン基板が形成される。具体的には、シリコン基板を陽極620にして、対極610に白金(Pt)を用い、電源640はポテンシオスタットもしくはガルバノスタットを用いてそれぞれ定電位もしくは定電流を維持し多孔質(ポーラス)シリコン基板を形成することができる。
<第一針状体成形工程:S3>
続いて、第一針状体成形工程では、図4Cに示すように、ニッケルメッキを用いた転写を行う。つまり、前工程で得られた凹部403をもつ金型基体400を母型とし、転写加工により針状体デバイス100の原型である第一針状体デバイス300の成形を行うことができる。第一針状体デバイス300は、基板320と、基板320上の針状体310とを備える。基板320及び針状体310の表面には、凹部403に対応したサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの高さの凸部330が形成される。
まず、上記工程で製造された凹部403をもつ金型基体400を母型とし、電解メッキ法によりニッケル複製版を作製することができる。電解メッキ法には、シード層として蒸着により作製したニッケル層を用いることができる。蒸着ニッケル層は1nm程度が望ましい。蒸着ニッケル層が1nm以下であると、シード層にニッケルがメッキされにくく、金型基体400の陽極酸化によって得られたサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凹部403から転写される凸部330が得られない可能性がある。シード層の金型基体400への形成は、その表面に導電処理を施すことができるものであればなんでもよく、薄膜形成技術が望ましい。例えば、銀鏡反応や無電解メッキ、蒸着、イオンスパッタなどの方法を用いることができる。
電解メッキ時のメッキ液にはスルファミン酸ニッケル溶液を用いることができる。メッキ浴槽のpHは弱酸性が望ましく、pH4.2が望ましい。アルカリ性であるとメッキがされなくなる可能性があり、またそれ以上の酸性度であると、反りがでるからである。メッキ浴槽は温度50℃が望ましい。それより低温であるとホウ酸が析出しメッキ層形成されなくなる恐れがあり、それより高温であると金型基体400の形状および寸法に歪がでる恐れがあるからである。また、ニッケルメッキ厚は1〜5mm程度にすることが望ましい。ニッケルメッキ厚が1mm以下であると、それ自体で強度を保つことができず、金型として強度を確保しづらくなる可能性がある。また5mm以上であると後述のウェットエッチング処理にてニッケルのエッチングに時間を要する。
次に、金型基体400をウェットエッチングする。ウェットエッチングに用いることができる腐食液は、材料や要求される加工速度などによって種々の組成と温度を用いることができる。金型基体400がシリコンの場合は、加熱した水酸化カリウムを用いることができる。水酸化カリウムは90℃に加熱し、重量パーセント濃度30%の水酸化カリウム水溶液を用いることが望ましい。90℃以上だと沸騰する恐れがあり、それ以下であるとエッチング速度が遅く作業性が劣る可能性があるからである。エッチング速度は水(HO)と水酸化物イオン(oH−)が重要であり、水酸化カリウム濃度は30%以上だと水が少なく、それ以下である水酸化物イオンが少なくエッチング速度が遅くなる作業性が劣る可能性があるからである。
また金型基体400がアルミの場合は、水酸化ナトリウムを用いることができる。水酸化ナトリウム溶液を80℃に加熱し、重量パーセント濃度15%水酸化ナトリウム水溶液を用いることが望ましい。80℃以上だと沸騰する恐れがあり、それ以下であるとエッチング速度が遅く作業性が劣る可能性があるからである。エッチング速度は水(HO)と水酸化物イオン(oH−)が重要であり、水酸化カリウム濃度は15%以上だと水が少なく、それ以下である水酸化物イオンが少なくエッチング速度が遅くなる作業性が劣る可能性があるからである。
<第一針状体加工工程:S4>
続いて、第一針状体加工工程では、図4Dに示すように、前述の転写された第一針状体デバイス300の針状体310表面上のサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸部330の一部を除去した加工部310aを作製する。針状体310の凸部330は、図7Aに例示するようにマイクロドリル500などで除去することができる。このとき研削する深さは5μm以上が望ましい。5μm以下であると陽極酸化によって形成されたサブマイクロオーダーの凸部330が研削できない可能性がある。図7Bに凸部330を除去した針状体310の例を示す。図7Bは、円錐形状の針状体310を頂点側から見た図である。凸部330を除去した加工部310aは、図7Bに示すように円錐形状の針状体310の一部にのみ凸部330を残すように加工を施してもよいし、針状体310表面の凸部330を除去して基板320のみに凸部330を残してもよい。この場合、マイクロドリルの先端形状を変えることで、図7Bに例示するように針状体部310の一部のみに加工部310aを形成することができる。このとき、加工部310aは必ずしも針状体310の頂点を中心として対称に形成しなくとも良い。また、図8A、Bに例示するように、原版にシリコン基板を用い異方性エッチングによる角錐構造の針状体310を作成した場合でも加工部310aを形成することができる。さらに、図9A、Bに例示するように、針状体310の一部を過剰に研削加工し、中腹部が抉れた形状としてもよい。
加工方法は、研削できるものであれば何でも良く、図10に例示するダイシングソー700を用いてもよい。ダイシングソー700を用いることで、特にステージ710上に設置した針状体310が複数形成された針状体デバイス300の研削においてダイシングブレード720で一度に複数の針状体310を研削することができる。この場合でも、図11A、Bに例示するように四角錐状の針状体310の前面もしくは一面を処理することが出来るし、図12A、Bに例示すように四角錐状の一部を加工することができる。また、図13Aに例示する切削角度が回転軸方向に直角な平行ブレード720を用いてもよい。その場合でも、図13Bに例示するような針状体310の頂上部分、底面に近い麓部分、中腹部分など一部を加工してもよい。また稜線部分を加工してもよい。例えば、図14A、Bに例示するように四角錐の稜線部分中腹部分に加工をしてもよいし、図15A、Bに例示するように麓部分を加工してもよい。また、角錐なら何でも良く例えば三角錐の場合においても図16、図17に例示するように四角錐と同様の処理を施すことができる。
<針状体複製版作成工程:S5>
続いて、第二複製版作成工程では、図4Eに示すように、針状体デバイス300から転写成形加工を行って複製版200を作製する。具体的には、例えば、熱硬化型シリコーン樹脂溶液の1つであるPDMS(ポリジメチルシロキサン)溶液を原版に垂らし、転写させる第一針状体デバイス300を載せる。その後、25℃で48時間静置し、PDMS溶液を硬化する。PDMS溶液を加熱して硬化を促進させてもよい。たとえば100℃10分間加熱して成形することもできる。その後、原版を剥離して完全に除去し、190℃で1時間加熱しキュア(硬化)することで、PDMSから成る複製版200を得ることができる。
<第二針状体成形工程:S6>
続いて、第二針状体成形工程では、図4Fに示すように、前工程で製造した複製版200の凹部210に、針状体110の形成材料を充填して、成形物である針状体デバイス100を形成する。得られた複製版200を用いて針状体デバイス100を作製する場合には、熱圧縮成形を用いることができる。針状体デバイス100の材料として、融点が190℃のPLA(ポリ乳酸)を採用し、PLAを複製版200上に配置し、200℃で加熱してPLAを溶融し、金属の熱プレス機で溶融しPLAを圧縮して成形した針状体デバイス100を得ることができる。
その後、熱圧縮中に複製版200と成形材料であるPLAを室温まで急速に冷却して複製版200からのPLAの離型を促進する。このとき、PLAは複製版200から容易に剥離される。例えば、ピンセットでPLAの端部を摘んで複製版200から容易に剥離することができる、このとき、基板120と針状体110は、PLAにより一体成形されるため、いずれもPLA製である。
以上のように熱圧縮成形について例示したが、針状体デバイス100の形成材料の複製版凹部210への充填方法は特に限られない。針状体デバイス100の形成材料として熱可塑性樹脂を用いることができる場合には、生産性を高めることができる観点から、インプリント法、ホットエンボス法、射出成形法、押し出し成形法、もしくは、キャスティング法などを利用することが好ましい。また、UV硬化性の樹脂プラスチックを用いて成型してもよい。その場合は、温度変化を必要とせず常温硬化できるので、熱膨張率を考慮せずに成形することができる。
針状体デバイス100の形成材料は、複製版200への充填によって成形可能な材料であれば特に限定されないが、生分解性を有する材料であることが好ましい。生分解性を有する樹脂として、例えば、ポリ乳酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・カーボネート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポリエステルカーボネート、および、これらの混合物が挙げることができる。特に、ポリ乳酸や、乳酸とグリコール酸の共重合体等が用いることができることが好ましい。
なお、針状体デバイス100の表面がサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸型形状を有しているため、表面がサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸型形状を有していない場合と比較して、複製版200から成形物である針状体デバイス110が離れにくくなる。アルミ製金型からの成形物の剥離性を高めるために、すなわち、複製版200から成形物を分離し易くするために、複製版200に針状体デバイス100の形成材料を充填する前に、複製版200の内側面に、成形物の離形性を高める機能を有する離形層を形成してもよい。例えば、離形層はフッ素系樹脂から構成される。離形層は、例えば、CVD法、スピンコート法、ディップコート法等の薄膜形成方法を用いることによって、好適に形成することができる。
なお、離型後の成形物が機械加工により打ち抜かれて、針状体デバイス100が形成されてもよい。すなわち、成形物の打ち抜きによって、針状体デバイス100の基体の外形が整えられてもよいし、1つの成形物から複数の針状体デバイス100が形成されてもよい。これにより、表面にサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸型形状を有する針状体デバイス100が形成される。
[作用]
このように製造された針状体デバイス100は、針状体110の表面の一部に、液状の薬剤850が付され固化されることにより、針状体110に薬剤850が保持される。薬剤850は、皮内に投与されることにより機能する物質であれば、その種類は特に限定されず、薬剤850としては、例えば、生理活性物質や美容効果を有する化粧品組成物等が挙げることができる。
針状体デバイス100の使用に際しては、針状体110を投与対象の皮膚に押し付けることによって、針状体110が皮膚に刺さる。すなわち、針状体110の先端が皮膚に向けられて、基板120の第1面が皮膚に接触するまで、基板120を皮膚に押し付けることができる。薬剤850は、針状体110とともに皮内に入り、投与対象の体内に拡散する。
[本実施形態の効果]
本実施形態の効果について説明する。針状体デバイス100の基板120及び針状体110の表面の一部は、多数のサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸型形状を有しているため、基板120及び針状体110の表面が平面である場合と比較して表面の一部に撥水性を備える。それゆえ、基板120及び針状体110の表面内において薬剤850の保持量に偏りが生じることが抑えることができる。その結果、針状体110の保持可能な薬剤850の量を制御できるため、針状体110アレイチップによって投与可能な薬剤850の量を制御できる。また、基板120の針状体110が形成された面が撥水性を供えることにより、穿刺後の基板120への体液の付着を防ぎ、針状体110の先端にのみ体液が集まりやすくなることで、薬剤850の基板120への逆流を防ぐことができる。さらに、製造工程におけるチップ間の品質管理の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、針状体デバイス100の針状体110の表面が、多数のサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸型形状を有しているため、針状体110の表面が平面である構成と比較して表面が疎水状態となる。その結果、針状体110に薬液を塗布する際に撥水面への薬液の流入を抑えることで、針状体110の先端に保持可能な薬剤850の量を増やし、ひいては、投与可能な薬剤850の量を増大させることができる。
本発明は、医療、美容等の分野に有用である。
100 針状体デバイス
110 針状体
110a 非撥水領域
120 針状体基板
200 複製版
210 複製版凹部
300 第一針状体デバイス
310 針状体(第一針状体)
310a 加工部(第一針状体)
320 基板(第一針状体)
330 凸部
400 金型基体
402 酸化被膜
403 サブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凹部
410 金型基体凹部
420 原版基体基板
500 マイクロドリル工具
600 酸化槽
610 対極
620 作用極
630 陽極酸化槽
640 電源
700 ダイシングソー
710 ダイシングステージ
720 ダイシングブレード
730 スピンドル
850 薬液もしくは薬剤

Claims (3)

  1. 基板と、
    前記基板の第1の面に形成された針状体とを備える針状体デバイスであって、
    前記針状体の表面の一部及び前記基板の第1の面に複数の微小凸部が並ぶことにより撥水性を備えた領域を有する、針状体デバイス。
  2. 針状体デバイスの基本金型を形成する工程と、
    前記基本金型の表面にサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凹部を形成する工程と、
    前記基本金型を母型とし転写加工により、サブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸部を表面に有する前記針状体デバイスの原型を成形する工程と、
    前記針状体デバイスの原型表面のサブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凸部の一部を除去する工程と、
    前記針状体デバイスの原型から転写成形により複製版を作製する工程と、
    前記複製版を用いて前記針状体デバイスを成形する工程とを含む針状体デバイスの製造方法。
  3. 前記基本金型がアルミニウムを用いて形成され、
    前記サブサブマイクロオーダーレベルからサブマイクロオーダーレベルの凹部が陽極酸化により形成される、請求項2に記載の針状体デバイスの製造方法。
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