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JP6752598B2 - 光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブ - Google Patents

光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブ Download PDF

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JP6752598B2 JP2016053414A JP2016053414A JP6752598B2 JP 6752598 B2 JP6752598 B2 JP 6752598B2 JP 2016053414 A JP2016053414 A JP 2016053414A JP 2016053414 A JP2016053414 A JP 2016053414A JP 6752598 B2 JP6752598 B2 JP 6752598B2
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Description

本発明は、光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブに係り、特に、コンプライアント機構を用いた計測に好適な光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブに関する。
微小穴で代表される微小部の径や深い凹部の深さや傾き等の正確な測長には、プローブを用いた接触及び非接触方式の測定が多く用いられる。例えば、特許文献1では、タッチ・プローブを用いた測長において、測定子を支持する支持部材の着座機構を必要としない、簡単なタッチ・プローブを実現するために、測定子が被測定物に当接すると、測定子を有するレバーが、固定接点台とその上方の第1、第2接点レバーを接続する第1、第2支点部を中心に回動する。そして、回動支点となる支点部に対応して設けた接点部が開いて、測定子が被測定物に接触したことを検出している。
従来のタッチ・プローブの他の例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載のタッチ・プローブは、細穴の奥や突起部を有するような被測定物でも高精度、高速に測定可能なように、タッチ・プローブがプローブ本体と、プローブ本体の先端部に形成され、被測定物に接触する測定子と、変位機構と、変位検出部を有している。変位機構は、プローブ本体の軸方向に垂直でかつ互いに直交する2方向に変位可能であり、変位検出部は、2方向の各変位を検出する変位機構内に設けられている。なお、プローブ本体と変位機構が、一体に形成される場合もある。
特許文献3には、タッチ・プローブが、固定部材とフィーラと光源を含む検出システムと、光学画像センサと、光学マスクを有することが開示されている。そして、フィーラは、1個以上の弾性エレメントにより、固定部材に対して静止位置に保持され、変位力に応じて静止位置から移動可能であり、光源は、固定部材に対するフィーラの変位によって駆動される。また、光学画像センサは、光源によって発された光を受像し、光学マスクは、光源と光学画像センサ間の光路上に設けられている。
特公平5−23681号公報 特開2012−211879号公報 特開2013−171040号公報
しかしながら、タッチ・プローブを用いて微細孔や深い穴等を正確に測定する際は、タッチ・プローブを水平方向にして測定する場合には、プローブ(測定子)及びプローブを保持するスタイラスの自重による影響をキャンセルしなければならない。また、深い穴等の計測で多用される、スタイラスを垂直にして測定する場合には、スタイラスが鉛直軸から傾いて取り付けられることを防止する、もしくは傾いて取り付けられた場合にはその傾き量を正確に把握する必要がある。
また、これらの影響を無くしたとしても、タッチ・プローブ内部の各部品の取付け誤差やガタつき、摩擦により、測定対象品との接触圧等が変化し、測定誤差の要因になる。また、タッチ・プローブの構成部品が多い場合、長期にわたる使用では、タッチ・プローブの各構成部品のガタつきや摩擦の増加により、集積誤差が増大し、計測精度が低下する恐れがある。これらの不具合を改善するためには、タッチ・プローブの構成部品をできるだけ減らし、もしくは一体化して、ガタつきや摩擦を低減することが望ましいが、現状はまだ不十分である。
たとえば上記特許文献1では、垂直下向きにして用いるタッチ・プローブの3次元変位を高精度に測定するため、水平面内の2方向に関する接点が開き、被測定物に接触したことを検出できる。しかしながら、この特許文献1では、接点を開く構造が複雑で多数の部品を接続しているので、接続後のタッチ・プローブの調整に多大な時間を必要とする恐れがある。また、長期の使用における接続部の摩耗の影響等については、考慮されていない。
特許文献2では、特許文献1に記載のタッチ・プローブと同様の方法で使用されるタッチ・プローブが開示されている。この公報では、水平面内2方向にタッチ・プローブが移動可能であるので、初期設定時に鉛直軸からのタッチ・プローブの軸の傾き調整等を行って、初期値を把握する必要がある。また、軸方向にはバネで押圧しているので、タッチ・プローブに余分な押圧力が発生する恐れがある。また、特許文献3では、フィーラと呼ばれる測定子をバネと磁石で支持しているので、構造が複雑になり、タッチ・プローブを構成する部品点数が増大し、各部品間のガタつきや摩擦による測定誤差を誘引する恐れがある。
本発明は、上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブにおいて、部品点数を減らすことを通じて、タッチ・プローブを構成する各部品間の摩擦やガタつきを減らし、高精度な測定を行うことにある。本発明の他の目的は、上記目的に加えて、光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブにおいて、使用環境が良くない場合やこれまでは測定が困難な条件下でも、より正確な測定を実現することにある。
上記目的を達成するための本発明の特徴は、反射部と透過部が自身の長手方向(X方向)に規則的に配列された光学スケールと、光学スケールに対向して配置された受光部と、前記光学スケールが取り付けられたバネ機構を有し、前記光学スケールが、前記受光部に対して実質的にX方向に相対移動する測長器において、前記バネ機構は実質的に平行な間隔を置いた2枚の板バネを有し、前記バネ機構の板バネ厚さ方向(X方向)の剛性が、直交する板バネ幅方向(Y方向)の剛性に比べて十分低く形成されており、前記バネ機構が実質的にX方向にのみ変位可能としたことにある。
そしてこの特徴において、前記バネ機構は、前記2枚の板バネが、一体形成されたコンプライアンス機構であることが望ましく、前記バネ機構は、2枚の板バネの延びる長手方向(Z方向)両端部付近に、X方向に切り欠いた形状を有して全体が籠型形状であってもよい。また、前記バネ機構に、測定子と、測定子を有するスタイラスとのうちいずれかを取り付け可能な測定子取付け部を有し、前記測定子取付け部に直接、または前記スタイラスを介して取り付けられた測定子の変位と前記測定子の被測定物に対する接触圧とのうち少なくともいずれかを、前記バネ機構の変位で検出可能とするのがよく、前記バネ機構は、丸棒に穴あけ加工した後、放電加工で成形して、加工による残留歪及び残留応力を実質的に無くすことが好ましい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、被測定物と接触する接触子を有する測定子を端部に保持する軸と、前記測定子と連動して移動する光学スケールを固定して保持するスケール側ベース部と、前記光学スケールの変位を検出する受光部を固定して保持する受光部側ベース部と、前記スケール側ベース部と前記受光部側ベース部の間に形成されるバネ機構を備えたタッチ・プローブにおいて、前記バネ機構が、実質的に平行な間隔を置いた2枚の板バネを有する籠型構造であり、前記バネ機構の板バネ厚さ方向(X方向)の剛性が、直交する板バネ幅方向(Y方向)の剛性に比べて十分低く形成されており、前記バネ機構は実質的にX方向にのみ変位可能としたことにある。
そしてこの特徴において、前記バネ機構は、前記2枚の板バネが、一体形成されたコンプライアンス機構であり、前記バネ機構に光学スケールを取り付けることが望ましい。
本発明によれば、光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブにおいて、コンプライアント機構を有する一体型の2枚の平行板バネを変位計測に用いているので、タッチ・プローブの部品点数が減り、それにより、タッチ・プローブを構成する各部品間の摩擦やガタつきが実質的に無くなり、高精度な測定を行える。また、光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブにおいて、上記構成に加え密封式とすることにより、密封にOリングや防水ブーツを使用しているので防水性とともに防振性も向上し、使用環境が良くない場合やこれまでは測定が困難な条件下でも、より正確な測定を実現できる。
本発明に係る光学式測長器の一実施例の正面図および底面図である。 図1に示した光学式測長器が備えるバネ機構の斜視図である。 図1に示した光学式測長器が備える、各構成部品の斜視図と断面図である。 図1に示した光学式測長器が備える光学スケールと受光部の模式図である。 本発明に係る光学式測長器が備えるバネ機構の動作原理を説明する図である。 本発明に係る光学式測長器の動作結果の一例を示すグラフである。 本発明に係る光学式測長器が備えるバネ機構の動作例を説明する図である。 本発明に係る光学式測長器を用いた測定例を示す図である。 本発明に係る光学式測長器を用いた他の測定例を示す図である。
以下、本発明に係る光学スケールを有する測長器およびタッチ・プローブ100のいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。図1は、本発明に係るタッチ・プローブ100の一実施例の図であり、図1(a)はその正面図、図1(b)はその底面図である。図2は、タッチ・プローブ100が備えるバネ機構50の斜視図である。なお、図1では主要部のみを示しており、保護及び防水キャップとなる円筒状ケースを取り去って、タッチ・プローブ100の内部を示している。
タッチ・プローブ100は、詳細を図2に示すバネ機構50と、測定系を構成する光学スケール21および受光部22、それらの制御回路から主として構成される。バネ機構50は、X方向に配列された2枚の実質的に平行な板バネ55、56を有しており、各板バネ55,56は、その長手方向(Z方向)両端部付近に、半円形状の切り欠き部である半円状ノッチ53、54を有している。平行に配列された2枚の板バネ55、56間には、Y方向に貫通する矩形の開口52が形成されている。
ここで、ノッチ53、54は、半円形状に限るものではなく、楕円形状、角部が丸まった四角形状等であってもよい。いずれの場合にも、角部に応力集中が生じないよう、角部は丸まった形状にすることが望ましい。ノッチ53、54の最小厚さはtであり、板バネ55、56に求められるバネ定数に応じて厚さtは設定される。
板バネ55、56では、板バネ55、56の配列方向に直交する方向であるY方向の幅Wが、その長手方向(Z方向)に一定であり、Y方向およびZ方向中間部には、長手方向に延びる長丸穴状の開口51が形成されている。開口51は、板バネ55、56が面外に変形するのを防止するために形成されており、板バネ55、56の強度を損なわない程度の大きさである。
2枚の平行配置された板バネ55、56の両端部には、ベース部10、40が形成されている。図1、2で左側に位置するベース部40は、測定系を構成する受光部22をバネ機構50に取り付けるために設けられている。一方、図1、2で右側に位置するベース部10は、光学スケール21を取り付けるために設けられている。
図3に、バネ機構50に取り付ける各取付け部材を示す。図3(a)は、受光部側ベース部40に取り付ける基板支持板25の斜視図であり、上面視T字状をしている。T字の横棒部が固定部251であり、この固定部251に形成された貫通穴が固定穴253である。固定穴253に、図示しないネジを挿通し、受光部側ベース部40に形成したネジ穴401にネジ止めすることにより、基板支持板25はベース部40に固定される。T字の縦棒部である延長部252の下面側には、基板30を取り付けるための2個の脚23、24が互いに間隔を置いて形成されており、この基板取付け脚23、24には、図で下側から基板30をネジ止めするための取付けネジ穴254または貫通穴が形成されている。基板取付け脚23、24の下側には、CPUやメモリ等の回路素子31〜33が両面に配置された基板30が取り付けられており、基板取付け脚23、24の長さは、回路素子31、32と延長部252が干渉するのを防止する高さになっている。基板30の一方端側には、図4に概略を示す受光部22が配置されている。これにより、受光部22は、基板30を介してベース部40に固定される。なお、本実施例では、基板支持板25を受光部側ベース部40に取り付けるのにネジ止めしているが、より強固に固定するために、ネジと接着剤または接着剤単独、ロー付、溶着等により固定してもよい。
図3(b)は、光学スケール21をスケール側ベース部10に取り付けるためのスケール支持板20の斜視図である。スケール支持板20は、段付きの板であり、長手方向一方端の下面に、図4に概略を示す光学スケール21が、接着等により取り付けられている。スケール支持板20の他端部の段付き部202には、固定穴201が形成されており、ネジを固定穴201に挿通し、スケール側ベース部10の上面に形成したネジ穴101にネジ止めすることにより、光学スケール21はベース部10に固定される。なお、本実施例では、スケール支持板20をベース部10に取り付けるのにネジ止めしているが、より強固に固定するために、ネジと接着剤または接着剤単独、ロー付、溶着等により固定してもよい。
図4に、測定系を模式的に示す。光学スケール21は、ガラス等の透明な材質からなるスケール基板214と、このスケール基板214上に形成した反射部211と透過部212からなるパターン213とを有している。通常反射部211と透過部212は同一幅であり、パターン213は光学スケール21の長手方向に規則的に多数繰り返し配置されている。光学スケール21の長手方向は、バネ機構50の板バネ55、56の変位方向であるX方向に合わせられている。
一方、スケール基板214に対向し、基板30上に配置される受光部22は、LED等からなる発光素子222と、発光素子222が発光した反射光を受光するフォトセンサ等の受光素子221と、発光素子222および受光素子221を制御し、パターン213を検出する制御基板223を有している。受光素子221は、多数のフォトダイオードのアレイ等で実現される。
図1に戻り、スケール側ベース部10のさらに右側の端部には、順に測定子側軸4、Oリング溝3、直方体状の測定子取付け部1が設けられている。測定子取付け部1には、X方向に貫通する測定子取付け穴2が形成されており、用途に応じた形状の測定子や測定子(または後述する接触子)を備えたスタイラス(後述)を取り付け可能となっている。Oリング溝3は、この図1では図示しないケース80を、本タッチ・プローブ100に取り付ける際にシールするために使用するOリング用である。なお、ベース部10と測定子側軸4は、中実な形状である。
タッチ・プローブ100の受光部側ベース部40よりも左側の端部には、順に、Oリング溝41、この図1では図示しない防護用及び防水用のケース80を取り付けるためのカバー取付け部42、タッチ・プローブ100を測長器に取り付けるための取付け用フランジ43、タッチ・プローブ100をネジ込んで測長器等に取り付けるのに使用するネジ部44を有する固定部45が設けられている。Oリング溝41は、ケース80との水密を保持するために用いるOリングを保持する。ベース部40、カバー取付け部42、固定部45を貫通して貫通穴46が設けられており、受光部22が搭載される基板30の端部に形成した端子部34からの配線等を、挿通できる構成となっている。
本実施例のタッチ・プローブ100は、例えば微小穴径を測定する測長器に使用される。その際、タッチ・プローブ100の貫通穴46に挿通した信号線を、測長器本体側に設けた制御装置に接続し、本体側制御装置とタッチ・プローブ100間で、測定の開始・停止の指令や測定結果の収集・解析のためのデータを送受信する。
ここで、バネ機構50の測定子が取り付けられる側の端部をシールする防水ブーツ81の詳細を、図3(c)に断面で示す。防水ブーツ81は、折り曲げられた構造で、大径側は円筒状のケース80に接続している。小径側は、測定子側軸4に当接し、当接部にはシール環82が配置されている。この防水ブーツ81と、2個のOリング溝3、41に配設したOリングにより、バネ機構50の内部は、完全に水密になる。また、これらOリングと防水ブーツ81は、その弾性変形性による減衰作用の結果、柔軟に構成した本実施例の板バネ55、56で発生する恐れのあるハンチング現象等の不安定挙動を防止する。
次に本実施例に使用するバネ機構50の製造方法の概略を、図2を用いて説明する。バネ性があり加工性に富む、例えばプリハードン鋼の丸棒を準備し、2つのベース部10、40間を除いて、機械加工により、各部を成形する。その際、固定部45の貫通穴46や測定子取付け穴2も、所定寸法に仕上げておく。なお、プリハードン鋼を使用することにより、所望のバネ性能を得られることはもちろんのこと、比較的安価にバネ機構50を形成できる効果もある。次に、2つのベース部10、40間を、面落としする。すなわち、断面形状が角部に丸みを帯びた長方形となるように、ベース部10、40間を加工し、上面側であって端部のベース部10、40位置に、スケール支持板20を取り付けるためのネジ穴101と基板支持板25を取り付けるためのネジ穴401を加工する。
2つのベース部10、40間の長手方向適宜位置に、長手方向に垂直な2方向から、貫通穴を明ける。この貫通穴を開始点としてワイヤ放電加工により、2枚の平行な板バネ55、56を形成するための直方体状の開口52を加工する。次に、この開口52に直交する方向に、同様にワイヤ放電加工で、開口52よりは小さな長丸形状の開口51を加工する。これにより、2枚の板バネ55、56がベース部10、40と一体品として籠型に成形され、コンプライアント機構(コンプライアンス機構とも称する)を形成する。ここでコンプライアント機構とは、従来の剛体とジョイントで構成される機構とは異なり、構造の適切な場所に柔軟性を付加することにより、構造全体で機構の性能を得るメカニズムのことを言う。これにより、ワイヤ放電加工のため、加工時の残留歪や残留応力が極限まで低減され、バネとして使用する場合の障害がなくなるとともに、疲労破壊への耐性も増す。なお、上記加工において板バネ55、56部は、長手方向(Z方向)の両軸端側は必要なバネ定数に応じて、ノッチ53、54として形成される。ノッチ53、54の形状は、板バネ55、56の荷重(応力)、撓み特性を保証するものであって、高精度な計測、特に直線性における精度、繰り返し測定における精度を保持するうえで重要である。そのため、ノッチ53、54を、曲線を含む2次元形状として最適化し、曲線や曲面を含む形状であっても容易に加工可能なワイヤ放電加工で、最適形状を実現している。ノッチ53、54以外の部分は、バネの変位を拡大させるとともに、板バネ55、56の面外へのねじれ変形等の変形の発生を抑止する。
以上の放電加工により、2枚の板バネ55、56は、一体品として成形されるとともに、板バネ55、56の厚さ方向(X方向)には変位できるが、その直角方向(Y方向)には変位できない1次元の変位のみが可能になる。それは、板バネ55、56の厚さ方向(X方向)の剛性が、板バネの幅方向(Y方向)の剛性に比べて十分低くなるように形成されているからである。したがって、本実施例のタッチ・プローブ100を垂直方向にして使用する場合の位置決めが容易になるとともに、接触圧の設定および検出が容易になる。
図5以下を用いて、上記のように構成した本実施例のタッチ・プローブ100の動作及び使用例について、説明する。図5は、タッチ・プローブ部100が備えるバネ機構50の動作原理を説明する図である。図6は、バネ機構50の板バネ55、56の特性の一例を示すグラフである。図7は、バネ機構50の動作例を説明する図である。
2枚の実質的に平行に形成された板バネ55、56は、端部に形成されたベース部40、10間に長さLで延びる平行板バネである。この板バネ55、56のスケール側ベース部10に荷重Fが加わると、両板バネ55、56は、受光部側ベース部40を固定位置として、回転することなく、ベース部10側だけがX方向にδだけ変位する。すなわち、両板バネ55、56は、平行を保ったままX方向にだけ変位し、紙面貫通方向であるY方向には変位しない。ベース部10には光学スケール21が、ベース部40には受光部22が取り付けられているので、変位δを光学スケール21と受光部22の相対変位として、検出可能になる。なお、変位δは板バネ55、56のバネ定数に関係し、バネ定数の大きさは板バネ55、56のノッチ53、54の板厚tに依存する。
図6は、上記方法を用いて作成した、バネ機構50における板バネ55、56の特性を試験した結果の一例である。図7に示すタッチ・プローブ100において、±X軸へ測定子8を両振れさせたときの、一方側(+X側または−X側)の変位―荷重特性を示している。他方側でも同じ結果を示していた。横軸のストロークS(μm)は、振れ範囲を示し、縦軸は荷重F(N)である。想定通り、強い線形性を示している。
図7は、図6の試験結果をタッチ・プローブ100内の板バネ55、56の挙動として示した図である。理解を容易にするため、タッチ・プローブ100内部に取り付ける測定系を省いている。測定子側軸4の先端部に形成された測定子取付け部1の測定子取付け穴2には、両端部に接触子8a、8bが形成された測定子8がX方向を長手方向として、取り付けられている。接触子8a、8bは半球状であり、荷重方向に従い、接触子8aまたは8bが被測定物に接触する。
図7(a)は、上向き(+X方向)に荷重Fが加わり、最大ストロークδだけ変位した場合である。板バネ55、56は互いに平衡を保ったまま、主としてノッチ53、54で弾性変形し、接触子8bがδだけ変位する。図7(b)は、図7(a)と同様の図であり、荷重Fが加わらない平衡位置の場合である。加工による残留歪や残留応力がないので、板バネ55、56は、タッチ・プローブ100内で互いに実質的に平行な関係で、平衡位置を保つ。図7(c)は、上記図7(a)、(b)と同様の図で、下向き(−X方向)に荷重Fが加わり、最大ストロークδだけ変位した場合である。板バネ55、56は、図7(a)と対称な変形をして、互いに実質的に平行な関係を保ちながら、弾性変形している。
本実施例に示した通り、板バネ55、56は平行バネを構成し、その剛性を使用目的や環境に応じた最適値に合致させているので、荷重除去後には、図7(b)で示した平衡点に復帰する。また、板バネ55、56で形成される籠型の平行バネは、一体構造のため、強度および剛性を適宜に設定することが可能である。
図8及び図9に、上記タッチ・プローブ100を測長器として使用した例を、模式的に示す。図8は、軸受の内径を測定する場合であり、図9は穴径に対して深さが著しく深い深穴における形状計測の例である。図8において、図示しない測長器に固定して取り付けたタッチ・プローブ100の先端には、スタイラス110を介して球状の例えばルビーからなる接触子111が取り付けられている。一方、断面図で示した被測定物の軸受112は、X−Y方向に移動可能で移動量を検出できるX−Yテーブル113上に取り付けられている。X−Yテーブル113をY方向に移動させて中心位置を設定したのち、X方向に移動させて、接触子111を軸受112の内面114に当接させる。この時の接触子111と軸受112の当接は、板バネ55、56の平衡点からの変位量で把握できる。なお、現実の測定では、板バネ55、56が微小変位したところで初期位置とすることもあるので、X−Yテーブル113を停止させたときの板バネ55、56による変位δを初期値として測定する。次に、X−Yテーブル113をX方向に移動させ、接触子111を軸受112aの内面114に、反対側で当接させる。その際、バネ機構50の変位δを初期値の値とほぼ同じ値になるように当接させる。X−Yテーブル113の移動量ΔXと接触子の径dが既知であれば、軸受の内径Dは、D=ΔX+d−(δ−δ)で求められる。ここで、X−Yテーブル113の移動量ΔXは、本実施例の測長器と同程度の測定精度を有する他の測長器で、測定する。なお、軸受112の反対側の内面114を測定する際には、δが必ずしもδとほぼ同じ値にする必要はないが、ほぼ同じ値にすると、スケールからの外れや過大な接触圧の発生を防止できる。
図9は、測定対象物が深穴123を有する場合に、長さLaのスタイラス120をタッチ・プローブ100の先端に取り付けて、深穴123を測定する場合である。スタイラス120の先端には、接触子121が取り付けられている。例えば特許文献1では、深穴123への接触をスタイラスの上端部に形成した接点の動作タイミングで検出していた。そのため、接点の動作が間欠的であり、接点部分の隙間の影響で動作タイミングが実際とは異なる、または、接触を正確に把握できない範囲があった。また、スタイラスの傾きの影響も無視できず、接触位置の高精度な測定には改善が望まれていた。
それに対して本実施例では、バネ機構50が平行板バネ55、56で構成されているので、測定子8のX方向移動量を連続的に把握でき、接触子121と深穴123の内面122との接触を、接触した時点及び位置で、正確に測定できる。さらに接触子121をX方向に移動させれば、接触子121の深穴内面122への接触圧も測定できる。また、一方向(X方向)にしか接触子121を移動させないので、スタイラス120の傾きの影響を低減できる。
以上説明したように本発明の実施例によれば、タッチ・プローブがコンプライアント機構を有しているので、この機構による摺動を用いて、物体形状を小さな接触力で探針できる。そして、小さな接触力であるから、物体への接触力による変形を微小に留めることができる。また、コンプライアント機構による摩擦やガタつきがない摺動により、タッチ・プローブが有する摺動機構が外力源として測定点に作用して、接触へ影響するのを排除できる。これにより、正確な測定を効率よく実行できる。また、タッチ・プローブは2枚の平行な板バネを有するバネ機構に既存のエンコーダを組み込んだだけなので、部品点数が少なく、3次元測定器や他の光学装置に比べて、安価に実現できる。要するに上記実施例によれば、基本的に、コンプライアント機構を有する一体型の2枚の平行板バネを使用するだけで、微小変位を測定することが可能なので、多数の部品を使用する際の部品相互間のガタつきや摩擦の影響を排除できる。
1…測定子取付け部、2…測定子取付け穴、3…Oリング溝、4…測定子側軸、8…測定子、8a、8b…接触子、10…(スケール側)ベース部、20…スケール支持板、21…光学スケール、22…受光部(光学式エンコーダ)、23、24…基板取付け脚、25…基板支持板、30…基板、31、32、33…回路素子、34…端子部、40…(受光部側)ベース部、41…Oリング溝、42…カバー取付け部、43…取付け用フランジ、44…ネジ部、45…(タッチ・プローブ)固定部、46…貫通穴、50…バネ機構(コンプライアンス機構)、51、52…開口、53、54…(半円状)ノッチ、55、56…板バネ、80…(円筒状)ケース、81…防水ブーツ、82…シール環、100…タッチ・プローブ、101…ネジ穴、110…スタイラス、111…測定子、112、112a…測定対象(軸受)、113…X−Yテーブル、114…軸受内面、120…スタイラス、121…接触子、122…深穴内面、123…深穴、201…固定穴、202…段付き部、211…反射部、212…透過部、213…パターン、214…スケール基板、221…受光素子(フォトセンサ)、222…発光素子(LED)、223…制御基板、251…固定部、252…延長部、253…固定穴、254…取付けネジ穴、401…ネジ穴、d…接触子径、D…軸受内径、F…荷重、L…バネ長さ、La…スタイラス長さ、S…ストローク、t…厚さ、X、Y、Z…方向、δ、δ、δ…変位、ΔX…移動量

Claims (6)

  1. 反射部と透過部が自身の長手方向(X方向)に規則的に配列された光学スケールと、光学スケールに対向して配置された受光部と、前記光学スケールが取り付けられたバネ機構とを有し、前記光学スケールが、前記受光部に対して実質的にX方向に相対移動する測長器において、
    前記バネ機構は、2つのベース部の間に実質的に平行な間隔を置いた2枚の板バネを有し、
    前記2枚の板バネの延びる長手方向(Z方向)両端部に、X方向に切り欠いた形状を有し、かつ、前記2つのベース部の間は、長手方向に垂直な断面形状が角部に丸みを帯びた長方形の形状を有する前記バネ機構全体が籠形形状であり、前記バネ機構の板バネ厚さ方向(X方向)の剛性が、直交する板バネ幅方向(Y方向)の剛性に比べて十分低く形成されて、前記バネ機構が実質的にX方向にのみ変位可能であることを特徴とする光学スケールを有する測長器。
  2. 前記バネ機構は、前記2枚の板バネが、一体形成されたコンプライアンス機構であることを特徴とする請求項1に記載の光学スケールを有する測長器。
  3. 前記バネ機構は、測定子と、測定子を有するスタイラスとのうちいずれかを取り付け可能な測定子取付け部を有し、前記測定子取付け部に直接、または前記スタイラスを介して取り付けられた測定子の変位と前記測定子の被測定物に対する接触圧とのうち少なくともいずれかを、前記バネ機構の変位で検出可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の光学スケールを有する測長器。
  4. 前記バネ機構は、丸棒に穴あけ加工した後、放電加工で成形して、加工による残留歪及び残留応力を実質的に無くしたことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の光学スケールを有する測長器。
  5. 被測定物と接触する接触子を有する測定子を端部に保持する軸と、前記測定子と連動して移動する光学スケールを固定して保持するためのスケール側ベース部と、前記光学スケールの変位を検出する受光部を固定して保持するための受光部側ベース部と、前記スケール側ベース部と前記受光部側ベース部の間に形成されるバネ機構を備えたタッチ・プローブにおいて、
    前記バネ機構が、2つのベース部の間に実質的に平行な間隔を置いた2枚の板バネを有し、
    前記2枚の板バネの延びる長手方向(Z方向)両端部に、X方向に切り欠いた形状を有し、かつ、前記2つのベース部の間は、長手方向に垂直な断面形状が角部に丸みを帯びた長方形の形状を有する前記バネ機構全体が籠形形状であり、前記バネ機構の板バネ厚さ方向(X方向)の剛性が、直交する板バネ幅方向(Y方向)の剛性に比べて十分低く形成されており、前記バネ機構は実質的にX方向にのみ変位可能であることを特徴とするタッチ・プローブ。
  6. 前記バネ機構は、前記2枚の板バネが、一体形成されたコンプライアンス機構であり、前記バネ機構に光学スケールを取り付けたことを特徴とする請求項に記載のタッチ・プローブ。
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