以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態における住宅の玄関周辺を示す平面図である。本実施形態では、住宅に、共働きの両親(父親及び母親)とその子供とが居住していることを想定している。また、住宅の近く(例えば隣家)には、子供の祖父母が居住していることを想定している。
図1に示すように、住宅10には、玄関11や廊下12、寝室13、収納室14等が設けられている。玄関11には、屋内外を連通する玄関口15が設けられている。この玄関口15を通じて住宅10への出入りが可能となっている。玄関口15には、開き戸からなる玄関ドア16が設けられている。この玄関ドア16により玄関口15が開閉されるようになっている。なお、玄関ドア16は必ずしも開き戸である必要はなく、引き戸であってもよい。また、玄関口15が「出入口」に相当し、玄関ドア16が「出入口ドア」に相当する。
玄関ドア16には、当該ドア16を施解錠する施解錠装置19が設けられている。この施解錠装置19が施解錠手段に相当する。施解錠装置19は、玄関ドア16を電気的に施解錠する電気錠からなる。本住宅10では、この施解錠装置19による施解錠が顔認証装置30による顔認証に基づいて行われるようになっている。以下においては、かかる顔認証式の施解錠システムについて図1に加え図2を用いながら説明する。なお、図2は顔認証式施解錠システムの電気的構成を示す図である。
図1に示すように、住宅10には、玄関口15付近に複数(2つ)の顔認証用のカメラ21,22が設けられている。これらのカメラ21,22はいずれもデジタルカメラにより構成されている。これら各カメラ21,22のうち、カメラ21は屋外に設けられた屋外カメラ21である。屋外カメラ21は、例えば玄関ドア16付近の外壁に取り付けられている。屋外カメラ21は、屋外において玄関ドア16付近にいる人の顔を撮影するものである。人が屋外において玄関ドア16付近に近づくと、屋外カメラ21によりその人の顔が検出され撮影が行われるものとなっている。つまり、屋外カメラ21は、居住者が帰宅する際、居住者の顔認証を行うために用いられる帰宅時用の顔認証カメラとなっている。
一方、カメラ22は屋内に設けられた屋内カメラ22である。屋内カメラ22は、例えば玄関11の壁面に取り付けられている。屋内カメラ22は、屋内(玄関11)において玄関ドア16付近にいる人の顔を撮影するものである。人が屋内において玄関ドア16付近に近づくと、屋内カメラ22によりその人の顔が検出され撮影が行われるものとなっている。つまり、屋内カメラ22は、居住者が外出する際、居住者の顔認証を行うために用いられる外出時用の顔認証カメラとなっている。なお、屋外カメラ21及び屋内カメラ22が撮影手段に相当する。
住宅10には、顔認証装置30が設けられている。顔認証装置30は、CPU、RAM、ROM等を備えたコンピュータであり、例えば住宅10における廊下12の壁面に取り付けられている。顔認証装置30には、図2に示すように、屋外カメラ21と屋内カメラ22とが接続されている。屋外カメラ21により人の顔が撮影されると、その撮影された顔画像が屋外カメラ21より顔認証装置30に入力される。これと同様に、屋内カメラ22により人の顔が撮影されると、その撮影された顔画像が屋内カメラ22より顔認証装置30に入力される。
顔認証装置30は、制御部31と、記憶部32と、認証部33とを備える。制御部31は、本施解錠システムの制御を統括するものである。その制御部31には、記憶部32と認証部33とがそれぞれ接続されている。
記憶部32には、住宅10に居住する居住者の顔画像が予め登録顔画像として記憶(登録)されている。具体的には、記憶部32には、住宅10に居住する両親(父親、母親)及び子供の各顔画像がそれぞれ登録顔画像として記憶されている。
認証部33は、制御部31からの指令により、屋外カメラ21又は屋内カメラ22から入力される人の顔画像に基づいて、その人が居住者であるか否かの認証を行う。具体的には、認証部33では、屋外カメラ21又は屋内カメラ22から入力される人の顔画像が記憶部32に記憶されている登録顔画像と一致するか否かを判定する。
顔認証装置30(制御部31)には、施解錠装置19が接続されている。制御部31は、認証部33による認証結果に基づいて、施解錠装置19を施解錠制御する。
ここで、本住宅10には、今現在住宅10にいずれの居住者が在宅しているのかを管理する在宅管理システムが設けられている。本実施形態では、この在宅管理システムが顔認証装置30を用いて構成されており、以下においては、その点について説明する。
図1に示すように、住宅10には、玄関口15付近に複数(2つ)の人検知センサ23,24が設けられている。これら各人検知センサ23,24のうち、人検知センサ23は屋外に設けられた屋外側人検知センサ23である。屋外側人検知センサ23は、屋外において玄関ドア16付近に人がいることを検知するものであり、例えば玄関ドア16付近の外壁に取り付けられている。
一方、人検知センサ24は、屋内に設けられた屋内側人検知センサ24である。屋内側人検知センサ24は、屋内(玄関11)において玄関ドア16付近に人がいることを検知するものであり、例えば玄関11の天井面に取り付けられている。
これらの人検知センサ23,24は顔認証装置30(制御部31)に接続されている。これらの人検知センサ23,24のいずれかにより人が検知されると、その検知結果が人検知のあった人検知センサ23,24より制御部31に入力される。
制御部31は、認証部33による認証(居住者認証)によって施解錠装置19が解錠された場合に、人検知センサ23,24からの検知結果等に基づいて、居住者が玄関口15を通じて住宅10に帰宅した(入った)か又は住宅10から外出した(出た)かを判定する。また、制御部31は、屋外カメラ21又は屋内カメラ22により撮影された顔画像に基づき、その帰宅又は外出した居住者が誰であるかを特定する。そして、制御部31は、その特定した居住者が帰宅したか外出したかに関する帰宅外出情報を記憶部32に記憶する。
このように、記憶部32には、各居住者が帰宅又は外出する度にそれら居住者について帰宅外出情報が都度記憶(更新)されるようになっている。これにより、本在宅管理システムでは、記憶部32に記憶された各居住者の帰宅外出情報に基づき、住宅10における各居住者の在不在を把握(管理)することが可能となっている。
ここで、本在宅管理システムは、居住者である子供が帰宅又は外出した際に、その帰宅又は外出した旨を両親や祖父母に通知する帰宅外出通知機能を有している。以下、その通知機能に関する構成について説明する。
顔認証装置30は、通信部34を有している。通信部34は、住宅10の居住者である両親の携帯する携帯端末38との間で無線通信が可能となっている。また、通信部34は、祖父母の携帯する携帯端末39との間でも無線通信が可能となっている。これらの携帯端末38,39は、例えばスマートフォンや携帯電話機等からなり、文字や画像を表示可能なディスプレイ部38a,39aを有している。なお、携帯端末38は、両親(父親及び母親)のそれぞれが携帯しているが、図2では便宜上、一の携帯端末38のみ図示している。同様に、携帯端末39も、祖父母のそれぞれが携帯しているが、図2では一の携帯端末39のみ図示している。
通信部34は制御部31と接続されている。制御部31は、子供が帰宅したか外出したかに関する情報、すなわち子供の帰宅外出情報を通信部34を通じて両親の携帯端末38や祖父母の携帯端末39に送信する。具体的には、制御部31は、子供の帰宅外出情報を上記携帯端末38,39にメールで送信する。例えば、「○○くんが帰宅しました」、「○○くんが外出」等のメッセージ(文字)を送信する。この場合、その送信された帰宅外出情報が携帯端末38,39により受信されると、携帯端末38,39のディスプレイ部38a,39aに帰宅外出情報が表示される。これにより、仕事中の両親や、近所の祖父母は子供が帰宅したり外出したことを知ることができる。
また、本在宅管理システムでは、子供が帰宅又は外出した際における子供の顔の表情を判別し、その判別した子供の表情を両親等に通知する機能をさらに有している。以下、この機能について説明する。
顔認証装置30は、さらに表情判別部35を有している。表情判別部35は制御部31と接続されている。表情判別部35は、制御部31からの指令により、屋外カメラ21又は屋内カメラ22により撮影された居住者(子供)の顔画像に基づき、その居住者の顔の表情を判別する。具体的には、表情判別部35では、居住者の表情が「無表情」、「喜び」、「怒り」、「驚き」及び「悲しみ」の各表情のうちいずれの表情であるかを判別する。なお、これら各表情のうち「怒り」及び「悲しみ」の表情が「負の感情を表す表情」に相当する。
制御部31は、表情判別部35により判別された子供の表情(表情情報)を両親や祖父母の携帯端末38,39に通信部34を通じて送信する。つまり、本在宅管理システムでは、制御部31が、子供の帰宅外出情報に加え、子供の表情情報を上記携帯端末38,39に送信するものとなっている。具体的には、制御部31は、表情判別部35により判別された子供の表情を文字詳しくは絵文字に表し、それを子供の表情情報としてメールで送信する。より具体的には、記憶部32には、図3に示すように、「無表情」、「喜び」、「怒り」、「驚き」及び「悲しみ」の各表情を表す絵文字が予め記憶されている。そして、制御部31は、表情判別部35により判別された子供の表情に対応する絵文字を記憶部32より読み出し、その読み出した絵文字を子供の表情情報として送信する。
次に、顔認証装置30の制御部31により実行される制御処理の内容について説明する。図4は、その制御処理の内容を示すフローチャートである。なお、本制御処理は所定の周期で繰り返し実行される。
図4に示すように、まずステップS11では、施解錠制御処理を実施する。そこでまず、この施解錠制御処理の流れを図5を参照しながら説明する。図5は、施解錠制御処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、施解錠制御処理では、まずステップS31において、屋外カメラ21又は屋内カメラ22のいずれかにより人の顔が撮影されたか否かを判定する。屋外カメラ21及び屋内カメラ22のいずれによっても人の顔が撮影されていない場合には本処理を終了する。一方、屋外カメラ21又は屋内カメラ22のいずれかにより人の顔が撮影された場合には、その撮影が行われたカメラ21,22より顔画像を取得する(ステップS32)。
ステップS33では、上記取得した顔画像に基づいて、認証部33にて認証処理を実施する。認証処理では、上述したように、取得した顔画像が記憶部32に記憶された登録顔画像と一致するか否かを判定する(ステップS34)。取得した顔画像が登録顔画像と一致しない場合には、撮影された人が居住者以外の者であるため、ステップS38に進んで施錠処理を実施する。施錠処理では、施解錠装置19に施錠信号を出力し、同装置19により玄関ドア16を施錠状態とする。その後、本処理を終了する。
取得した顔画像が登録顔画像と一致する場合、つまり撮影された人が居住者であると認証された場合にはステップS35に進んで解錠処理を実施する。解錠処理では、施解錠装置19に解錠信号を出力し、同装置19により玄関ドア16を解錠する。これにより、居住者は玄関ドア16を開いて玄関口15より住宅10に出入りすることが可能となる。つまり、居住者が屋外にいる場合には、居住者は住宅10に入る(帰宅する)ことができ、また居住者が屋内にいる場合には、居住者は住宅10から出る(外出する)ことができる。解錠処理(ステップS35)の後、ステップS36に進み、解錠フラグをセットする。
続くステップS37では、所定の時間が経過するのを待つ待機処理を行う。ここで、所定の時間は、玄関ドア16が解錠されてから居住者が玄関ドア16を開いて住宅10に出入りするのに要する十分な時間(例えば30秒)に設定されている。待機処理(ステップS37)の後、ステップS38に進み、施錠処理を実施する。これにより、玄関ドア16が施錠される。その後、本処理を終了する。
図4の説明に戻って、上記施解錠制御処理(ステップS11)の後のステップS12では、解錠フラグがセットされているか否かを判定する。つまり、ここでは、上記施解錠制御処理において、認証部33により居住者認証がされて施解錠装置19が解錠された否かを判定する。解錠フラグがセットされていない場合には本処理を終了する。解錠フラグがセットされている場合にはステップS13に進む。
ステップS13では、上記認証された居住者が玄関口15を通じて住宅10に帰宅した(入った)か否かを判定する。この判定は、上記ステップS31(図5)で屋外カメラ21により居住者の顔が撮影され、かつ、その後屋内側人検知センサ24により人(居住者)の検知があったか否かに基づき行われる。屋外カメラ21により居住者の顔が撮影され、その後屋内側人検知センサ24により居住者が検知された場合には、居住者が玄関口15を通じて屋外から屋内(住宅10内)に移動したとみなすことができるため、この場合、居住者が帰宅したと判定してステップS16に進み、帰宅フラグをセットする。
一方、屋外カメラ21により居住者の顔が撮影されたものの、その後屋内側人検知センサ24により居住者が検知されなかった場合、又は、屋外カメラ21により居住者の顔が撮影されていない場合には、居住者が屋外から屋内に移動したとみなすことができないため、この場合、居住者が帰宅していないと判定しステップS14に進む。
ステップS14では、居住者が玄関口15を通じて住宅10から外出した(出た)か否かを判定する。この判定は、上記ステップS31(図5)で屋内カメラ22により居住者の顔が撮影され、かつ、その後屋外側人検知センサ23により人(居住者)の検知があったか否かに基づき行われる。屋内カメラ22により居住者の顔が撮影され、その後屋外側人検知センサ23により居住者が検知された場合には、居住者が玄関口15を通じて屋内(住宅10内)から屋外に移動したとみなすことができるため、この場合、居住者が外出したと判定してステップS15に進み、外出フラグをセットする。
一方、屋内カメラ22により居住者の顔が撮影されたものの、その後屋外側人検知センサ23により居住者が検知されなかった場合、又は、屋内カメラ22により居住者の顔が撮影されていない場合には、居住者が屋内から屋外に移動したとみなすことができないため、この場合、居住者が外出していないと判定し本処理を終了する。
なお、ステップS14及びステップS15の一連の処理が帰宅外出判定処理に相当する。
ステップS15又はステップS16の後のステップS17では、上記ステップS32(図5)において取得した居住者の顔画像に基づいて、帰宅又は外出した居住者が誰であるかを特定する居住者特定処理を行う。
続くステップS18では、上記ステップS17で特定した居住者、すなわち帰宅又は外出した居住者の帰宅外出情報(帰宅したか外出したかに関する情報)を記憶部32に記憶(更新)する。帰宅フラグがセットされている場合には、帰宅している旨の情報を記憶し、外出フラグがセットされている場合には、外出している旨の情報を記憶する。
続くステップS19では、上記ステップS17で特定された居住者、すなわち帰宅又は外出した居住者が子供であるか否かを判定する。帰宅又は外出した居住者が子供でない場合には本処理を終了する。一方、帰宅又は外出した居住者が子供である場合にはステップS20に進む。なお、子供が通知対象者に相当する。
ステップS20では、表情判別部35において、上記ステップS32で取得した居住者(子供)の顔画像に基づき、子供の表情を判別する表情判別処理を行う。
続くステップS21では、上記表情判別処理により判別した子供の表情をいずれの通知先に通知するかを決定する通知先決定処理を行う。この処理では、表情判別処理により判別された子供の表情に応じて通知先を決定する。具体的には、判別された子供の表情が「怒り」又は「悲しみ」の表情である場合には、通知先を両親及び祖父母として決定する。また、判別された子供の表情が「無表情」、「喜び」又は「驚き」である場合には、通知先を両親のみとして決定する。なお、この場合、両親が第2通知先に相当し、祖父母が第1通知先に相当する。
続くステップS22では、記憶部32に記憶されている子供の帰宅外出情報(帰宅したか外出したかに関する情報)と、上記表情判別処理により判別した子供の表情情報とを上記ステップS21で決定された通知先に通知する通知処理を実施する。具体的には、上記ステップS21にて通知先が両親及び祖父母として決定された場合には、両親及び祖父母の各携帯端末38,39に子供の帰宅外出情報及び表情情報(絵文字)をメールで送信する。また、上記ステップS21にて通知先が両親のみと決定された場合には、両親の携帯端末38にのみ子供の帰宅外出情報及び表情情報(絵文字)をメールで送信する。この場合、送信された帰宅外出情報及び表情情報が携帯端末38,39により受信されると、これら各情報が携帯端末38,39のディスプレイ部38a,39aに表示される。これにより、両親や祖父母は子供が帰宅又は外出したことを知ることができるとともに、その帰宅時又は外出時の子供の表情についても知ることができる。
ステップS22の後、各種フラグ(解錠フラグ、外出フラグ、帰宅フラグ)をリセット(消去)し、本処理を終了する。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
住宅10の玄関口15周辺に設けたカメラ21,22により玄関口15を通じて住宅10に出入りする居住者すなわち住宅10に帰宅又は外出する居住者の顔を撮影し、その撮影した居住者の顔画像に基づいて、その居住者が子供(通知対象者に相当)であるか否かを判定するようにした。そして、判定の結果、居住者が子供である場合には、撮影した顔画像に基づいて子供の顔の表情を判別し、その判別した子供の表情を両親や祖父母(通知先に相当)に通知するようにした。この場合、両親や祖父母(以下、両親等ともいう)は子供の帰宅時又は外出時の表情を知ることができるため、子供の帰宅時又は外出時の様子を伺い知ることができる。
帰宅又は外出する居住者の顔を撮影するカメラ21,22として、顔認証式の施解錠システムにて用いられる顔認証用のカメラを用いた。この場合、顔認証用カメラの有効利用を図りながら、上述の効果を得ることができる。
判別した子供の表情に応じて、その表情をいずれの通知先に通知するかを決定し、その決定した通知先に子供の表情を通知するようにした。具体的には、判別した子供の表情が怒りや悲しみの表情である場合には、通知先を両親及び祖父母として決定し、判別した子供の表情が無表情、喜び又は驚きである場合には、通知先を両親のみとして決定するようにした。この場合、子供の表情が怒りや悲しみといった負の感情を表す表情である場合には、近所の祖父母にも通知されるため、仕事中の両親が帰宅する前に祖父母に子供のもとにかけつけてもらい、子供と会話をしてもらう等、子供に事前ケアをしてもらうことが可能となる。
また、祖父母(第1通知先に相当)に対しては、判別した子供の表情が怒りや悲しみの表情(所定の表情に相当)である場合に限り、子供の表情を通知するようにした。この場合、子供が気になる表情(負の感情を表す表情)をしている場合にのみ祖父母に通知がされるため、祖父母の通知に対する感度を高めることができる。これにより、祖父母が通知を受けて子供のケアにかけつけることを促す効果を期待できる。
また、両親(第2通知先に相当)に対しては、判別した子供の表情にかかわらず、子供の表情を通知するようにした。そのため、両親は子供が帰宅又は外出する度に子供の様子を伺い知ることができ、子供の動向が気になる両親にとって安心感を得ることができる。
子供が玄関口15を通じて帰宅したか外出したかを判定し、その判定結果すなわち子供の帰宅外出情報についても両親等に通知するようにした。つまり、判別した子供の表情に加え、子供の帰宅外出情報についても両親等に通知するようにした。これにより、その通知を受けた両親等にとっては、子供が帰宅時に怒りや悲しみの表情をしている場合には外出先で何かあった(例えば先生にしかられた)と判断したり、外出時に怒りや悲しみの表情をしている場合には住宅10内(自宅)で何かあった(例えば転んでけがをした)と判断したりすることができる。このため、両親等はそれに応じて子供に適切な対応をとることが可能となる。
判別した子供の表情を文字にして両親等にメールで送信(通知)するようにしたため、両親等が仕事等で忙しくても子供の表情を一目で把握することができる。特に、本実施形態では、子供の表情を絵文字にして送信するようにしたため、子供の表情をより一層把握し易い。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、顔認証用のカメラ21,22により撮影された顔画像に基づいて表情の判別を行うようにしたが、表情の判別を行うに際しては必ずしも顔認証用のカメラ21,22を用いる必要はない。例えば、顔認証式の施解錠システムが設けられていない住宅において、玄関口15周辺にカメラ(撮影手段に相当)を設け、そのカメラにより撮影した顔画像に基づいて表情の判別を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、カメラ21,22(撮影手段)を屋外及び屋内にそれぞれ設けたが、カメラを屋外及び屋内のいずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。その場合にも、その一のカメラにより玄関口15を通じて出入りする居住者の顔を撮影することができる。
(2)上記実施形態では、屋外カメラ21で居住者が撮影されかつその後屋内側人検知センサ24により居住者が検知された場合に、居住者が住宅10に帰宅したと判定し、また屋内カメラ22で居住者が撮影されかつその後屋外側人検知センサ23により居住者が検知された場合に、居住者が住宅10から外出したと判定したが、居住者が帰宅したか外出したかを判定する方法は必ずしもこれに限らない。
例えば、屋外側人検知センサ23による居住者の検知があった後、屋内側人検知センサ24による居住者の検知があった場合には、居住者が屋外から屋内に移動したとみなすことができるため、この場合に居住者が帰宅したと判定するようにしてもよい。これと同様に、屋内側人検知センサ24による居住者の検知があった後、屋外側人検知センサ23による居住者の検知があった場合には、居住者が屋内から屋外に移動したとみなすことができるため、この場合に居住者が外出したと判定するようにしてもよい。
また、居住者が帰宅したか外出したかの判定には必ずしも人検知センサ23,24を用いる必要はなく、例えば屋外カメラ21及び屋内カメラ22を用いてもよい。屋外カメラ21により居住者が撮影され、その後屋内カメラ22により居住者が撮影された場合には、居住者が屋外から屋内に移動したとみなすことができるため、この場合に居住者が帰宅したと判定するようにする。また、屋内カメラ22により居住者が撮影され、その後屋外カメラ21により居住者が撮影された場合には、居住者が屋内から屋外に移動したとみなすことができるため、この場合に居住者が外出したと判定するようにすることが考えられる。
このように、上記の各判定方法においても、居住者が屋外から屋内に又は屋内から屋外に移動したことをもって帰宅したか外出したかを判定するようにしているため、居住者が帰宅したか外出したかの判定を精度よく行うことができる。
なお、居住者が屋外から屋内に又は屋内から屋外に移動したことを判定するには測距センサを用いてもよい。この場合、玄関口15付近に居住者までの距離を測定する測距センサを設け、その測距センサの測定結果に基づいて居住者が玄関口15を通じて屋外から屋内に又は屋内から屋外に移動したことを判定するようにする。
また、上述した各判定方法の他に、次のような判定方法も考えられる。例えば、屋外カメラ21により居住者が撮影された場合には居住者が帰宅したと判定(推定)し、屋内カメラ22により居住者が撮影された場合には居住者が外出したと判定(推定)するようにする。この方法によっても、居住者が帰宅したか外出したかの判定を行うことが可能である。ただしこの場合、居住者が屋外から屋内に又は屋内から屋外に移動したことをもって、帰宅したか外出したかの判定を行う上述した各判定方法と比べて、帰宅したか外出したかの判定を精度よく行うことが困難である。このため、この点を鑑みると、上述した各判定方法を採用するのが望ましいといえる。
(3)上記実施形態では、顔の表情の判別に際し、表情が「無表情」「喜び」「怒り」「驚き」「悲しみ」(5種類)の各表情のうちいずれの表情であるか判別するようにしたが、判別する表情の種類は必ずしもこれに限らない。例えば、判別する表情の種類を「喜び」「怒り」「悲しみ」の3種類のみとすることが考えられる。また、判別する表情の種類として、「落ち着き」「落ち込み」等、上記5種類の表情以外の表情を加えてもよい。なお、「落ち込み」の表情は「負の感情を表す表情」に相当する。
(4)上記実施形態では、通知処理(ステップS22)に際し、子供の表情情報を絵文字として送信したが、普通の文字で送信してもよい。この場合、例えば、「○○くん怒っています」、「喜んでいます」といったメッセージを送信することが考えられる。また、表情情報は必ずしも文字として送信する必要はなく、例えば音声で送信してもよい。例えば、上述のようなメッセージを音声で送信することが考えられる。この場合、その音声(音声情報)が携帯端末38,39により受信されると、その音声が携帯端末38,39のスピーカより出力される。したがって、この場合にも、子供の表情を通知することが可能となる。
(5)上記実施形態では、通知処理(ステップS22)に際し、子供の帰宅外出情報と表情情報とを通知するようにしたが、これら各情報のうち表情情報のみを通知するようにしてもよい。この場合、子供が帰宅したのかそれとも外出したのか両親等は知ることができないものの、帰宅又は外出時の子供の様子を伺い知ることができるため、その点で安心感を得ることができる。
(6)上記実施形態では、通知処理(ステップS22)に際し、両親及び祖父母(通知先)の携帯端末38,39に子供の表情情報等を送信するようにしたが、送信先は必ずしも携帯端末である必要はない。例えば、祖父母の住居にパソコン等の端末装置が設置されている場合に、その端末装置に子供の表情情報等を送信するようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、通知対象者を子供とした場合について説明したが、例えば通知対象者として子供に代えて又は加えて父親を含めてもよい。この場合、父親が帰宅又は外出した際に、その父親の表情を判別して、その父親の表情を母親の携帯端末38に送信するようにすることが考えられる。これにより、父親の帰宅時における様子を伺い知ることができるため、例えば父親が怒って帰宅した際にはなだめる等の対応をとることが可能となる。
(8)上記実施形態では、子供の表情を通知する通知先に両親に加え祖父母を含めたが、祖父母が近所にいない場合には、知人や友人等を通知先に含めてもよい。その場合にも、子供が怒っていたり悲しんでいたりする場合に、その知人や友人等に子供に対して何らかのケアを行ってもらうことが可能となる。
また、この場合、子供の表情が怒りや悲しみの表情である場合に限り、その知人や友人等に対して通知処理を行うのが望ましい。そうすれば、怒りや悲しみの表情をしている場合にだけ知人等に対しては通知がくるため、知人等の通知に対する感度が高まり、それにより知人等が通知を受けて子供の対応を積極的にしてくれることを期待できる。
(9)両親が共働きのため不在であることの多い上記実施形態の住宅10には、防犯性能を高めるため防犯システムを設けることが考えられる。この場合、防犯システムとしては、例えば住宅10又はその付近に不審者の存在を検出した場合に、その不審者に警報を発する警報システムを設けることが考えられる。ここで、このような警報システムを住宅10に設ける場合、上述した在宅管理システムと連携させることが考えられる。在宅管理システムでは、記憶部32に各居住者の帰宅外出情報が記憶されているため、制御部31は、それら各居住者の帰宅外出情報に基づいて、住宅10における各居住者の在不在を判断(把握)することができ、ひいては今現在住宅10がいずれかの居住者が在宅する在宅状態にあるか、それともいずれの居住者も在宅していない不在状態にあるかを判断することができる。
そこで、警報システムを在宅管理システムと連携させるにあたって、住宅10が在宅状態であるか不在状態であるかに基づいて、警報制御のモードを自動で切り替えるようにすることが考えられる。具体的には、住宅10が在宅状態である場合にはモードを在宅時モードに設定し、住宅10が不在状態である場合には不在時モードに設定するようにする。この場合、例えば、在宅時モードでは、警報音の音量を小さくする等、警報レベルを低くする一方、不在時モードでは、警報音の音量を大きくする等、警報レベルを高くすることが考えられる。これにより、住宅10における居住者の在不在に応じて自動で警戒レベルを変えることができるため、防犯性能を好適に確保することができる。