上記の本発明のフィルタ組立品において、前記フィルタ本体及び前記第1混注ポートを有するフィルタと、前記アダプタ本体を有するアダプタとは別個の部品として提供され得る。前記アダプタは、前記穿刺針と連通した第2混注ポートを備え得る。前記第2混注ポートは、自閉式の弁体と、前記オスコネクタのロック機構が係合可能な係合構造とを備え、前記第2混注ポートに前記オスコネクタを接続することができる。前記フィルタは、前記フィルタ本体と連通したルアーコネクタを備え得る。前記ルアーコネクタは、前記第2混注ポートの前記係合構造に係合する係合部を備え得る。前記第2混注ポートに前記ルアーコネクタを接続することができる。このように構成された本発明のフィルタ組立品によれば、フィルタとアダプタとが別個の部品であるので、薬剤師は、輸液を濾過する必要がある場合のみ、アダプタにフィルタを接続すればよい。
上記において、一旦、前記ルアーコネクタの前記係合部を前記第2混注ポートの前記係合構造に係合させて前記ルアーコネクタを前記第2混注ポートに接続すると、前記第2混注ポートと前記ルアーコネクタとを分離することができないことが好ましい。かかる好ましい構成によれば、薬剤師がアダプタにフィルタを接続すれば、その後、フィルタが取り外されることはないので、濾過すべき輸液を、誤って濾過せずに患者に投与してしまうという事故が発生するのを防止できる。
前記第1混注ポートと前記第2混注ポートとは互換性を有することが好ましい。かかる好ましい構成によれば、輸液セットのオスコネクタを、第1混注ポート及び第2混注ポートのいずれにも全く同様に接続することができる。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。以下の説明で参照する図面において、従来の輸液療法(図15参照)を構成する部材と同じ部材には、同一の符号を付してある。
(実施形態1)
1.フィルタ組立品の構成
図1は、本発明の実施形態1にかかるフィルタ組立品1を用いた輸液療法の構成を示した分解斜視図である。フィルタ組立品1は、互いに分離した別個独立の部品であるアダプタ11とフィルタ12とを備える。輸液容器700のメスコネクタ710と、輸液セット800のオスコネクタ810とは、アダプタ11(及び必要に応じてフィルタ12)を介して接続される。
図2Aは、フィルタ12の一方向から見た斜視図、図2Bはその別の方向から見た斜視図、図2Cはその断面斜視図である。
フィルタ12は、輸液セット800のオスコネクタ810(図1参照)との接続に関与する混注ポート(第1混注ポート)110と、フィルタ本体140と、アダプタ11との接続に関与するルアーコネクタ150とを備えている。
図2Cに最もよく示されているように、第1混注ポート110は、略円筒形状を有する筒状部111と、筒状部111の先端に設けられたセプタム(隔壁部材)120と、セプタム120にかぶせられたキャップ130とを備える。
筒状部111の外周面から、環状突起113及び一対の突起116(図2B参照)が外側に向かって突出している。環状突起113は、突起116よりも基端側(フィルタ本体140側)にわずかに離間している。環状突起113は周方向に連続した突起である。環状突起113の基端側には、周方向に連続した環状の溝114が設けられている。
セプタム120は、ゴム等の弾性材料からなり、円形の平面視形状を有する薄板である。セプタム120の中央に、セプタム120を厚さ方向に貫通する直線状のスリット(切り込み)121が形成されている。
図2Bに示されているように、キャップ130は、円板形状を有する天板131と、天板131の外周端縁133から延びた円筒形状を有する周囲壁135とを備える。天板131の中央には円形の開口(貫通孔)132が形成されている。周囲壁135には、一対の孔136が形成されている。孔136は、周囲壁135を半径方向に貫通する貫通孔である。
図2Cから理解できるように、筒状部111の先端にセプタム120を取り付け、セプタム120を覆うようにキャップ130を筒状部111に装着する。筒状部111の外周面から突出した突起116がキャップ130の周囲壁135に設けられた孔136内に嵌入し、突起116と孔136の端縁とが係合する(図2B参照)。セプタム120は筒状部111の先端とキャップ130の天板131とによりその厚さ方向に挟持される。セプタム120のスリット121は、キャップ130の開口132内に露出する(図2B参照)。筒状部111に形成された環状突起113は、キャップ130の周囲壁135に隣接する。環状突起113の頂面は、周囲壁135の外周面と略同一の円筒面を構成する。
第1混注ポート110は、輸液セット800のオスコネクタ810(後述する図6A〜図6C参照)に接続可能である。オスコネクタ810の筒状のオスルアー811は、セプタム120のスリット121に挿入される。環状突起113は、オスコネクタ810のロック爪(ロック機構)832が係合する係合構造として機能する。オスコネクタ810の操作アーム835を操作して環状突起113とロック爪832との係合を解除すると、オスコネクタ810を第1混注ポート110から分離することができる。オスルアー811をセプタム120から引き抜くと、セプタム120は直ちに初期状態に復帰し、スリット121は液密に閉じられる。このように、セプタム120は、自閉式の弁体として機能する。このようなセプタム120を備えた自閉式の混注ポート110は、「ニードルレスポート」とも呼ばれる。第1混注ポート110は、従来のアダプタ900に設けられた混注ポート910(図15参照)と同じ又は互換性を有していてもよい。
図2Cに最もよく示されているように、ルアーコネクタ150は、棒状のオスルアー151と、オスルアー151を取り囲む外筒155とを備える。
オスルアー151の外周面は、先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)である。但し、オスルアー151の外周面はこれに限定されず、例えば外径がその長手方向において一定である円筒面であってもよいし、外径がその長手方向の位置によって変化する任意の曲面であってもよい。
オスルアー151内には、その長手方向に沿って流路152が形成されている。流路152は、オスルアー151の先端において開口している。
外筒155は、オスルアー151と同軸の円筒形状を有する。外筒155の内周面(オスルアー151に対向する面)の内径は、後述する第2混注ポート110’(図3B参照)のキャップ130’及び環状突起113’の外径(これは、第1混注ポート110のキャップ130及び環状突起113の外径と同じである)とほぼ同じかこれよりわずかに大きい。外筒155の内周面から、オスルアー151に向かって一対の係合突起(係合部)156が突出している。係合突起156は、フィルタ本体140とは反対側の端縁に、フィルタ本体140から離れるにしたがってオスルアー151から離間するように傾斜した傾斜面157を有する。外筒155には、その先端からフィルタ本体140に向かって所定深さのスリット状の一対の切り欠き158が形成されている。本実施形態では、係合突起156及び切り欠き158は、それぞれ2個設けられているが、これらの数は、1個又は3個以上であってもよい。係合突起156は、オスルアー151を取り囲むように周方向に連続(但し、切り欠き158を除く)していてもよい。切り欠き158は省略されてもよい。
フィルタ本体140は、第1混注ポート110とルアーコネクタ150との間に配置されている。フィルタ本体140は、第1混注ポート110の内腔112と、ルアーコネクタ150のオスルアー151の流路152と連通したフィルタ室141を有する。図示を省略しているが、フィルタ室141内には、輸液を濾過する濾過部が収納されている。オスルアー151の流路152からフィルタ室141に流入した輸液は、濾過部を通過した後、第1混注ポート110の内腔112へ流れる。濾過部は、輸液が濾過部を通過する際に輸液中の異物(例えば、浮遊物、沈殿物、細菌、真菌など)や気泡を除去する。濾過部の構成に制限はなく、例えば、輸液セットに設けられている公知のフィルタと同じものであってもよい。例えば、ポリエーテルスルホンからなる中空糸膜フィルタを用いうるが、これ以外の材料及び形状であってもよい。本実施形態では、フィルタ室141は、中空の円筒形状を有しているが、フィルタ室141の形状は任意である。
フィルタ12の、セプタム120、キャップ130及び濾過部を除く部分(以下「フィルタハウジング」という)は、硬質の材料からなることが好ましく、制限はないが、例えばポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、スチレンエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンスチレンブロック共重合体等の樹脂材料を用いることができる。本実施形態では、フィルタハウジングは、第1混注ポート110とフィルタ本体140とルアーコネクタ150とをそれぞれ別々に作成(例えば射出成形)し、その後、それらを液密に接合して製造している。但し、フィルタハウジングの製造方法は、これに限定されない。フィルタハウジングを構成する部品数は、本実施形態の3個に限定されず、これより少なくても多くてもよい。フィルタハウジングを構成する部品の一部が、他の部品と異なる材料で構成されていてもよい。
フィルタハウジングの全体が、硬質材料を用いて一体化されていなくてもよい。例えば、第1混注ポート110とフィルタ本体140とが、柔軟なチューブを介して連通されていてもよい。同様に、フィルタ本体140とルアーコネクタ150とが、柔軟なチューブを介して連通されていてもよい。
キャップ130の材料は、制限はないが、硬質の材料であることが好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の樹脂材料を用いることができる。
セプタム120の材料は、制限はないが、ゴム弾性を有する軟質の材料であることが好ましく、例えば、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等のゴム材料や、熱可塑性エラストマー等を用いることができる。
図3Aは、アダプタ11の一方向から見た斜視図、図3Bはその別の方向から見た斜視図、図3Cはその断面斜視図である。
アダプタ11は、メスコネクタ710(図1参照)との接続に関与するアダプタ本体160と、フィルタ12(図1参照)又はオスコネクタ810(図6A〜図6C参照)との接続に関与する混注ポート(第2混注ポート)110’とを備える。
アダプタ本体160は、穿刺針161と、穿刺針161に対向する略「U」字状の4つのアーム170と、各アーム170から穿刺針161に向かって突出した係合爪(係合機構)180とを備える。
穿刺針161は、メスコネクタ710のゴム栓715を穿刺できるように、鋭利な先端を備える。輸液が流れる流路162が、穿刺針161の内部に、穿刺針161の長手方向に沿って形成されている。穿刺針161の先端近傍のテーパ形状を有する部分に、穿刺針161を直径方向に貫通する2つの横孔163が形成されている。横孔163は流路162と連通している。
穿刺針161の基部に、基板165が設けられている。基板165は、穿刺針161の長手方向に直交する方向(以下「半径方向」という)に沿った薄板である。基板165の外周端縁から4つのアーム170が、穿刺針161と同じ側に延びている。各アーム170は、基板165から延びた一対の弾性部171と、一対の弾性部171の先端をつなぐ架橋部172とを含み、これらによって全体として略「U」字形状を有している。アーム170は、穿刺針161を取り囲むように、穿刺針161に対して等角度間隔で配置されている。周方向に隣り合うアーム170は、スリット175を介して離間している。スリット175は、基板165にまで及んでいる。
アーム170の架橋部172に係合爪180が設けられている。係合爪180は、架橋部172の穿刺針161に対向する面から、穿刺針161に向かって突出している。係合爪180は、穿刺針161に最も接近した頂部181に対して基板165とは反対側に摺動面183を備えている。摺動面183は、穿刺針161に近づくにしたがって基板165に近づくように傾斜している。
アーム170は、基板165との接続部分を固定端とする片持ち支持構造を有している。弾性部171は、細い棒状の部材であり、比較的容易に弾性的に曲げ変形可能である。従って、アーム170は、爪180が穿刺針161から離れる向きに弾性的に変形することができる。隣り合うアーム170間にスリット175が設けられているので、各アーム170は互いに独立して変形することができる。
アーム170の数は、4つである必要はなく、これより多くても少なくてもよい。弾性部171は、穿刺針161に平行に延びている必要はなく、例えば、基板165から離れるにしたがって穿刺針161から離れるように傾斜していてもよい。アーム170の形状は、略「U」字状である必要はなく、例えば片持ち支持構造を有する細い板状(短冊状)であってもよい。
第2混注ポート110’は、フィルタ12に設けられた第1混注ポート110(図2A〜図2C参照)と実質的に同じ構成を有している。即ち、第1混注ポート110と第2混注ポート110’とは互換性を有している。第1混注ポート110を構成する部材と、第2混注ポート110’を構成する部材との対応を理解しやすくするために、第2混注ポート110’を構成する部材には、第1混注ポート110の対応する部材の符号に「’」(ダッシュ)を付した符号を付してある。「’」付きの符号が付された第2混注ポート110’の部材は、「’」なしで同じ符号が付された第1混注ポート110の部材と同じである。重複する説明を回避するため、第2混注ポート110’の詳細な説明を省略する。第1混注ポート110の説明が、第2混注ポート110’に同様に適用される。
アダプタ11の、セプタム120’及びキャップ130’を除く部分は、樹脂材料を射出成形することにより一部品として一体的に製造されることが好ましい。使用できる樹脂材料は、制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、スチレンエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンスチレンブロック共重合体などを例示することができるが、医療用に用いられることやアーム170が弾性曲げ変形されることを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
アダプタ11は、従来のアダプタ900(図15参照)と同じであってもよい。
2.フィルタ組立品の使用方法
フィルタ組立品1は、図1に示すように、輸液容器700と輸液セット800とを接続するために使用される。以下に、フィルタ組立品1の使用方法を説明する。
最初に、電解質や栄養剤等の任意の成分を含む輸液が貯蔵された輸液容器700を準備する。輸液容器700は、可撓性を有するシートを貼り合わせた袋状物である。輸液容器700には、メスコネクタ710が取り付けられている。
次に、メスコネクタ710に、アダプタ11の穿刺針161を対向させる。そして、アダプタ11の4つのアーム170で囲まれた空間内にメスコネクタ710を挿入する。係合爪180(図3A〜図3C参照)の傾斜した摺動面183がメスコネクタ710に衝突して、係合爪180が穿刺針161から離れる向きにアーム170が適宜弾性変形する。アダプタ11をメスコネクタ710に向かって強く押し付けると、穿刺針161がメスコネクタのゴム栓を穿刺する。
図4は、メスコネクタ710にアダプタ11を接続した状態を示した断面斜視図である。穿刺針161が、メスコネクタ710の開口を封止するゴム栓715を貫通している。穿刺針161の先端近傍に設けられた横孔163が、ゴム栓715を通過し、輸液容器700側に露出している。従って、輸液容器700と、第2混注ポート110’の内腔112’とが、穿刺針161の流路162を介して連通する。セプタム120’のスリット121’は閉じられているので、輸液容器700内の輸液がスリット121’を通って外界に漏れ出ることはない。
アーム170の弾性部171は、メスコネクタ710の外径に応じて適宜弾性的に曲げ変形している。係合爪180が、メスコネクタ710の拡径した円筒状の径大部711に係合している。従って、外力(例えばメスコネクタ710とアダプタ11とを分離する向きの引張り力)や振動等がメスコネクタ710及びアダプタ11に加えられても、穿刺針161がゴム栓715から意図せずに抜け出ることはない。なお、アーム170の架橋部172に指を掛けて係合爪180と径大部711との係合を解除すれば、アダプタ11をメスコネクタ710から分離することは可能である。
図4の状態で、第2混注ポート110’を通じて、輸液容器700内に薬剤を注入する。例えば、シリンジの筒先をセプタム120’のスリット121’に挿入して、薬剤を含む薬液を輸液容器700内に注入することができる。シリンジの筒先をセプタム120’から引き抜くと、スリット121’は直ちに初期状態に復帰して液密に閉じられる。なお、薬液の注入は、アダプタ11をメスコネクタ710に装着する前に、メスコネクタ710のゴム栓715を介して行ってもよい(後述する実施形態2参照)。
次に、第2混注ポート110’に、フィルタ12のルアーコネクタ150(図1参照)を接続する。接続は、第2混注ポート110’をルアーコネクタ150の外筒155内に挿入して、押し込むことで行うことができる。
図5Aは、アダプタ11にフィルタ12を接続した状態を示した斜視図、図5Bはその断面斜視図である。
図5Bから理解できるように、第2混注ポート110’をルアーコネクタ150内に挿入すると、キャップ130’の天板131’の外周端縁133’(図3B参照)が、外筒155の内周面から突出した係合突起156の傾斜面157(図2C参照)に衝突する。第2混注ポート110’をルアーコネクタ150内に更に押し込めば、外周端縁133’は、傾斜面157上を摺動しながら、係合突起156がオスルアー151から離れる向きに外筒155を弾性的に変形させる。外筒155に設けられた切り欠き158は、外筒155の変形を容易にするので、第2混注ポート110’のルアーコネクタ150内への挿入は容易である。係合突起156が第2混注ポート110’の環状突起113’を通過し終えると、外筒155は初期形状に復帰して、係合突起156は溝114’内に嵌入する。かくして、係合突起156は環状突起113’に係合する。このように、第2混注ポート110’をルアーコネクタ150に単に押し込むだけで、両者の接続が完了する。フィルタ12及びアダプタ11に互いに逆向きの力を単に加えても、係合突起156と環状突起113’との係合を解除することはできない。
図5Aに示されているように、係合突起156が環状突起113に係合しているとき、外筒155の先端は、アダプタ11の基板165に当接又は接近している。従って、外筒155の先端に指や爪を引っかけて外筒155を外向きに変形させて係合突起156と環状突起113’との係合を解除することはできない。
即ち、図5A及び図5Bのように、ルアーコネクタ150を第2混注ポート110’に一旦接続してしまうと、両者を分離することは極めて困難である。
図5Bに示されているように、ルアーコネクタ150のオスルアー151は、セプタム120’のスリット121’を貫通し、オスルアー151の先端は第2混注ポート110’の内腔112’内に達している。従って、第2混注ポート110’とフィルタ12とが連通する。第1混注ポート110のセプタム120のスリット121は閉じられているので、輸液容器700内の輸液が第1混注ポート110の内腔112にまで流入したとしても、輸液がスリット121を通って外界に漏れ出ることはない。
以上の操作は、一般に薬剤師が行う。図5A及び図5Bのように、メスコネクタ710に、本実施形態のフィルタ組立品1を接続した輸液容器700は、患者がいる病室に運ばれる。
病室では、看護師は以下の操作を行う。
最初に、第1混注ポート110に、輸液セット800のオスコネクタ810を接続する。
オスコネクタ810について説明する。図6Aはオスコネクタ810の斜視図、図6B及び図6Cはその断面斜視図である。
略円形の基板819に、オスルアー811及びフード820が設けられている。オスルアー811は棒状の部材である。オスルアー811内には、その長手方向に沿って流路812が形成されている。オスルアー811の先端の近傍で、横孔813がオスルアー811を径方向に貫通している。横孔813は流路812と連通している。
基板819のオスルアー811とは反対側に、筒状部815が設けられている。筒状部815は、オスルアー811と同軸の、中空の円筒形状を有し、オスルアー811の流路812と連通している。筒状部815に輸液セット800のチューブ801が接続される(図1参照)。本実施形態では、筒状部815とチューブ801とは、硬質の接続筒802を介して接続される(後述する図7B参照)。但し、筒状部815とチューブ801とは、接続筒802以外の任意の部材を介して接続されてもよく、あるいは直接接続されてもよい。
フード820は、オスルアー811と同軸の中空の円筒形状を有し、オスルアー811を取り囲む。フード820の内周面(オスルアー10に対向する面)の内径は、第1混注ポート110のキャップ130及び環状突起113の外径(これは、第2混注ポート110’のキャップ130’及び環状突起113’の外径と同じである)とほぼ同じかこれよりわずかに大きい。
フード820に、略「U」字形状のスリット822が形成されている。スリット822は、フード820を半径方向に貫通する穴である。これにより、スリット822で囲まれたロックレバー830が形成される。ロックレバー830は、オスルアー811に対向し、オスルアー811と略平行に延びている。ロックレバー830は、基板819側端を固定端とし、その反対側端を自由端とする片持ち支持構造を有する。ロックレバー830の先端(自由端)から、オスルアー811に向かってロック爪(ロック機構)832が突出している。ロック爪832は、基板819とは反対側の端縁に、基板819から離れるにしたがってオスルアー811から離間するように傾斜した傾斜面833を有する。ロックレバー830のオスルアー811とは反対側の面に、操作アーム835が設けられている。操作アーム835は、筒状部815に対向するように基板819を越えて下方に延びている。操作アーム835の先端には操作部836が設けられている。操作部836を筒状部815に向かって押すと、ロックレバー830は弾性的に曲げ変形し、ロック爪832がオスルアー811から離れるように変位する。
図示していないが、オスコネクタ810は、オスルアー811の先端を覆う柔軟なカバー(例えば特許文献3,4参照)を備えていてもよい。オスコネクタ810を混注ポート110,110’に接続したとき、カバーはオスルアー811の長手方向に圧縮変形され、オスルアー811はカバーを貫通する。
第1混注ポート110とオスコネクタ810との接続は、第1混注ポート110をオスコネクタ810のフード820内に挿入して、更に押し込むことで行うことができる。
図7Aは、フィルタ12に輸液セット800のオスコネクタ810を接続した状態を示した斜視図、図7Bはその断面斜視図である。
図7Bから理解できるように、第1混注ポート110をフード820内に挿入すると、キャップ130の天板131の外周端縁133(図2B参照)が、ロックレバー830から突出したロック爪832の傾斜面833(図6C参照)に衝突する。外周端縁133は、傾斜面833上を摺動しながら、ロック爪832がオスルアー811から離れる向きにロックレバー830を弾性的に曲げ変形させる。ロック爪832が第1混注ポート110の環状突起113を通過し終えると、ロックレバー830は初期形状に復帰して、ロック爪832は溝114内に嵌入する。かくして、ロック爪832は環状突起113に係合する。フィルタ12及びオスコネクタ810に互いに逆向きの力を単に加えても、ロック爪832と環状突起113との係合を解除することはできない。但し、操作アーム835の先端の操作部836を筒状部815に向かって押せば、ロック爪832と環状突起113と係合を解除することができ、フィルタ12とオスコネクタ810とを分離することが可能である。
図7Bに示されているように、オスコネクタ810のオスルアー811は、セプタム120のスリット121を貫通し、オスルアー811の横孔813(図6B参照)は第1混注ポート110の内腔112内に露出している。従って、第1混注ポート110とオスルアー811の流路812とが連通する。セプタム120は、オスルアー811が挿入されることによって弾性変形している。
図8は、本実施形態のフィルタ組立品1(アダプタ11及びフィルタ12)を介して、輸液容器700のメスコネクタ710と輸液セット800とを接続した状態を示した正面図である。この状態で、輸液セット800の下流側端に設けられた針(図示せず)を患者の静脈に穿刺する。そして、クレンメ805を開く。輸液容器700内の輸液は、アダプタ11、フィルタ12、輸液セット800を順に流れて、患者に投与される。輸液中の異物や気泡はフィルタ本体140を通過する際に除去される。
フィルタ組立品1がフィルタ本体140を含むので、輸液セット800は、輸液を濾過するためのフィルタを備えている必要はない。看護師は、輸液セット800として、フィルタ無しの輸液セットを用いればよい。
一方、上述したように、薬剤の中には、薬剤を含む輸液をフィルタで濾過することが望ましくないものや不要であるものが存在する。このような薬剤を輸液に混入させた場合には、薬剤師は、アダプタ11にフィルタ12を装着しなければよい。薬液容器700は、アダプタ11のみが装着された状態(図4の状態)で、患者がいる病室に運ばれる。病室では、看護師は、図9に示すように、アダプタ11の第2混注ポート110’に、輸液セット800のオスコネクタ810を接続する。第2混注ポート110’は第1混注ポート110と互換性を有しているので、オスコネクタ810を、第1混注ポート110に接続する場合と同様に第2混注ポート110’に接続することができる。その後、上記と同様にして輸液を患者に投与することができる。この場合も、輸液セット800としては、フィルタ無しの輸液セットを用いることができる。
このように、本実施形態では、輸液容器700内に薬剤を注入して輸液を調製した薬剤師が、薬剤の種類に応じて、アダプタ11にフィルタ12を接続するか否かを判断する。輸液の調製に関与した薬剤師自身がフィルタ12の要否を判断するので、判断の誤りが生じる可能性は極めて低い。看護師は、輸液容器700にフィルタ12が装着されている場合にはフィルタ12の第1混注ポート110に輸液セット800を接続し(図8参照)、輸液容器700にフィルタ12が装着されていない場合にはアダプタ11の第2混注ポート110’に輸液セット800を接続する(図9参照)。いずれの場合であっても、接続される輸液セット800は、フィルタ無しの輸液セットである。従って、従来のように、看護師が、フィルタが有り/無しの2種類の輸液セットから接続すべき輸液セットを選択するという工程が不要である。このため、本実施形態では、輸液セットの誤選択が発生する可能性が低い。
また、本実施形態の輸液療法では、フィルタ有りの輸液セットは不要である。従って、従来とは異なり、フィルタが有り/無しの2種類の輸液セットを準備しておく必要がなくなるので、輸液療法のために使用する輸液セットの種類数を少なくすることができる。
更に、図7Bに示されているように、アダプタ11は、メスコネクタ710に係合する係合機構(係合爪180)を備え、ルアーコネクタ150は、アダプタ11の第2混注ポート110’に係合する係合部(係合突起156)を備え、第1混注ポート110はオスコネクタ810のロック機構(ロック爪832)が係合する係合構造(環状突起113)を備える。図示を省略するが、第2混注ポート110’も、図9に示すように第2混注ポート110’にオスコネクタ810を接続した場合にオスコネクタ810のロック機構(ロック爪832)が係合する係合構造(環状突起113’)を備える。従って、メスコネクタ710に、アダプタ11、フィルタ12、オスコネクタ810を順に接続した場合(図8参照)、及び、メスコネクタ710に、アダプタ11、オスコネクタ810を順に接続した場合(図9参照)のいずれでも、輸液容器700と輸液セット800との間に引張り力が加えられても、各部品間の接続が外れることはない。また、第1及び第2混注ポート110,110’は、セプタム120,120’を備えた自閉式ポートであるから、オスコネクタ810を取り外すと、スリット121,121’は直ちに閉じられる。従って、本実施形態では、輸液が外界に漏れ出る可能性が低減されている。このため、輸液が抗がん剤等の危険な薬剤を含んでいても、作業者が薬剤被曝をする可能性が低く、安全性が確保されている。
フィルタ12のルアーコネクタ150に設けられた係合部(係合突起156)は、オスコネクタ810のロック機構(ロック爪832)が係合する第2混注ポート110’の係合構造(環状突起113’)に係合するように構成されている。従来のアダプタ900(図15参照)も、ロック機構(ロック爪832)が係合する係合構造を備えているから、アダプタ11として、従来のアダプタ900を用いうる。この場合、本実施形態の輸液療法を行うためには、フィルタ12のみを新たに準備すればよい。即ち、従来の輸液療法の構成(図15参照)に、フィルタ12を必要に応じて使用するだけで、本実施形態の上記の効果を得ることができる。
一旦、ルアーコネクタ150を第2混注ポート110’に接続すると、その後、両者を分離することは極めて困難である。このため、薬剤師がアダプタ11にフィルタ12を接続すれば、その後、輸液容器700の搬送時にフィルタ12がアダプタ11から脱落したり、看護師がフィルタ12を誤って取り外したりすることは起こり得ない。その結果、濾過すべき輸液を、誤って濾過せずに患者に投与してしまうという事故が発生するのを防止できる。
(実施形態2)
1.フィルタ部品の構成
図10は、本発明の実施形態2にかかるフィルタ組立品2を用いた輸液療法の構成を示した分解斜視図である。輸液容器700のメスコネクタ710と、輸液セット800のオスコネクタ810とは、フィルタ組立品2を介して接続される。
図11Aは、フィルタ組立品2の一方向から見た斜視図、図11Bはその別の方向から見た斜視図、図11Cはその断面斜視図である。実施形態1のフィルタ組立品1は、アダプタ11及びフィルタ12の独立した二部品で構成されていたのに対して、本実施形態のフィルタ組立品2は一体不可分の一部品で構成される。本実施形態2のフィルタ組立品2を構成する部材のうち、実施形態1のフィルタ組立品1を構成する部材と同じ部材には、実施形態1と同じ符号を付してある。実施形態1と同じ符号が付された部材には、実施形態1の説明が適用され、これにより重複する説明を省略する。以下に、実施形態1との相違点を中心に、本実施形態2を説明する。
フィルタ組立品2は、実施形態1のアダプタ11から第2混注ポート110’を取り除いたものと、実施形態1のフィルタ12からルアーコネクタ150を取り除いたものとを、一体化させたものに相当する。即ち、フィルタ組立品2は、アダプタ本体160と第1混注ポート110(以下、本実施形態2では単に「混注ポート110」という)と、これらの間に配置されたフィルタ本体140とを備える。フィルタ本体140は、穿刺針161の流路162及び混注ポート110の内腔112と連通している。混注ポート110は、好ましくは従来のアダプタ900の混注ポート910(図15参照)と互換性を有している。
アダプタ本体160とフィルタ本体140とが、柔軟なチューブを介して連通されていてもよい。同様に、フィルタ本体140と混注ポート110とが、柔軟なチューブを介して連通されていてもよい。
2.フィルタ部品の使用方法
フィルタ組立品2は、図10に示すように、輸液容器700と輸液セット800とを接続するために使用される。以下に、フィルタ組立品2の使用方法を説明する。
実施形態1と同様に、電解質や栄養剤等の任意の成分を含む輸液が貯蔵された輸液容器700を準備する。次に、メスコネクタ710のゴム栓715を介して輸液容器700内に薬剤を注入する。例えば、穿刺針161と同様の、鋭利な先端を有する穿刺針をゴム栓715に穿刺し、当該穿刺針を通じて薬剤を含む薬液を輸液容器700内に注入することができる。
次に、メスコネクタ710にフィルタ組立品2のアダプタ本体160を接続する。メスコネクタ710とアダプタ本体160との接続は、実施形態1のメスコネクタ710とアダプタ11との接続と同様に行うことができる。
図12Aは、メスコネクタ710にフィルタ組立品2を接続した状態を示した斜視図、図12Bはその断面斜視図である。
実施形態1と同様に、穿刺針161が、メスコネクタ710の開口を封止するゴム栓715を貫通している。穿刺針161の横孔163は、ゴム栓715を通過し、輸液容器700側に露出している。従って、輸液容器700、穿刺針161の流路162、フィルタ本体140、混注ポート110の内腔112が順に連通する。混注ポート110のセプタム120のスリット121は閉じられているので、輸液容器700内の輸液が混注ポート110の内腔112にまで流入したとしても、輸液がスリット121を通って外界に漏れ出ることはない。
アダプタ本体160の係合爪180が、メスコネクタ710の径大部711に係合している。従って、外力(例えばメスコネクタ710とフィルタ組立品2とを分離する向きの引張り力)や振動等がメスコネクタ710及びフィルタ組立品2に加えられても、穿刺針161がゴム栓715から意図せずに抜け出ることはない。
以上の操作は、一般に薬剤師が行う。図12A及び図12Bのように、メスコネクタ710に、本実施形態のフィルタ組立品2を接続した輸液容器700は、患者がいる病室に運ばれる。
病室では、看護師は、実施形態1と同様に、以下の操作を行う。
最初に、図13に示すように、混注ポート110に、輸液セット800のオスコネクタ810を接続する。オスコネクタ810のオスルアー811は、セプタム120のスリット121を貫通する。これにより、混注ポート110とオスルアー811の流路812とが連通する。
オスコネクタ810のロック爪832は混注ポート110の環状突起113に係合している。従って、フィルタ組立品2及びオスコネクタ810に互いに逆向きの力を単に加えても、ロック爪832と環状突起113との係合を解除することはできない。
図14は、本実施形態のフィルタ組立品2を介して、輸液容器700のメスコネクタ710と輸液セット800とを接続した状態を示した正面図である。この状態で、輸液セット800の下流側端に設けられた針(図示せず)を患者の静脈に穿刺する。そして、クレンメ805を開く。輸液容器700内の輸液は、フィルタ組立品2、輸液セット800を順に流れて、患者に投与される。輸液中の異物や気泡はフィルタ本体140を通過する際に除去される。
フィルタ組立品2がフィルタ本体140を含むので、輸液セット800は、輸液を濾過するためのフィルタを備えている必要はない。看護師は、輸液セット800として、フィルタ無しの輸液セットを用いればよい。
一方、輸液をフィルタで濾過することが望ましくない薬液又は不要である薬液を輸液に混入させた場合には、薬剤師は、メスコネクタ710に、フィルタ組立品2ではなく、アダプタ900(図15参照)(または実施形態1のアダプタ11であってもよい)を装着する。薬液容器700は、アダプタ900のみが装着された状態で、患者がいる病室に運ばれる。病室では、看護師は、アダプタ900の混注ポート910に、輸液セット800のオスコネクタ810を接続する。混注ポート110と混注ポート910とは互換性を有しているので、オスコネクタ810を、混注ポート110に接続する場合と同様に混注ポート910に接続することができる。その後、上記と同様にして輸液を患者に投与することができる。この場合も、輸液セット800としては、フィルタ無しの輸液セットを用いることができる。
このように、本実施形態では、輸液容器700内に薬剤を注入して輸液を調製した薬剤師が、薬剤の種類に応じて、メスコネクタ710に、フィルタ組立品2及びアダプタ900のいずれを接続するかを判断する。輸液の調製に関与した薬剤師自身が判断をするので、判断の誤りが生じる可能性は極めて低い。看護師は、輸液容器700にフィルタ組立品2が装着されている場合にはその混注ポート110に輸液セット800を接続し(図14参照)、輸液容器700にアダプタ900が装着されている場合にはその混注ポート910に輸液セット800を接続する(図15参照)。いずれの場合であっても、接続される輸液セット800は、フィルタ無しの輸液セットである。従って、従来のように、看護師が、フィルタが有り/無しの2種類の輸液セットから接続すべき輸液セットを選択するという工程が不要である。このため、実施形態1と同様に、本実施形態でも、輸液セットの誤選択が発生する可能性が低い。
また、本実施形態の輸液療法でも、フィルタ有りの輸液セットは不要である。従って、輸液療法のために使用する輸液セットの種類数を少なくすることができる。
更に、アダプタ本体160は、メスコネクタ710に係合する係合機構(係合爪180)を備え、混注ポート110はオスコネクタ810のロック機構(ロック爪832)が係合する係合構造(環状突起113)を備える。従って、メスコネクタ710にフィルタ組立品2及びオスコネクタ810を順に接続した場合(図14参照)、輸液容器700と輸液セット800との間に引張り力が加えらても、各部品間の接続が外れることはない。また、混注ポート110はセプタム120を備えた自閉式ポートであるから、オスコネクタ810を取り外すと、スリット121は直ちに閉じられる。従って、本実施形態でも、輸液が外界に漏れ出る可能性を低減されている。このため、輸液が抗がん剤等の危険な薬剤を含んでいても、作業者が薬剤被曝をする可能性が低く、安全性が確保されている。
本実施形態2のフィルタ組立2は、全体が一部品で構成され、分離不能に一体化されている。従って、メスコネクタ710にフィルタ組立品2を接続した後に、フィルタ組立品2が分解されることにより、危険な薬剤を含む輸液が外界に漏れ出る可能性はない。
上記の実施形態1,2は例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
混注ポート110,110’の構成は、上記の実施形態に限定されず、任意に変更できる。例えば、オスコネクタのロック機構(ロック爪832)が係合する係合構造は、周方向に連続する環状突起113である必要はなく、例えば周方向に不連続の突起、凹み、又は穴であってもよい。係合構造は、筒状部111,111’ではなく、キャップ130,130’の周囲壁135,135’に設けられていてもよい。係合構造の位置や形状等に応じて、ルアーコネクタ150の係合部(係合突起156)が適宜変更される。係合構造に係合することができれば、係合部は、突起156ではなく、凹部であってもよい。
接続された第2混注ポート110’とルアーコネクタ150とを分離不能にするための構造は、上記の実施形態1に限定されない。例えば、アダプタ11の基板165に、第2混注ポート110’を取り囲み、且つ、第2混注ポート110’から離間した円筒形状の筒状突起を形成し、第2混注ポート110’とルアーコネクタ150とを接続すると、ルアーコネクタ150の外筒155の先端が第2混注ポート110’と当該筒状突起との間に収納されてしまう構造であってもよい。
輸液セット800の構成は任意である。例えば、混注ポート110,110’に接続されるオスコネクタが、特許文献5に記載されているように、2つのロックレバーを有していてもよい。