JP6736317B2 - ロタキサン化合物 - Google Patents
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Description
しかしながら、その多くはポリロタキサン構造をネットワークの主鎖骨格として用いる必要があるので、ロタキサンは、従来の化学架橋型ネットワークとは異なる新しいタイプの高分子材料として注目を集めながらも、その汎用性や使用用途には制限があった。
「1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子、及び前記1個の鎖状分子のうちのいずれか1個以上の分子が、それぞれ、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個以上の反応性基を有する、ロタキサン化合物」
によって、多様な構造のロタキサンネットワークポリマー等の合成が可能になることを考えだし、更なる検討の結果、本発明を完成するに至った。
1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子、及び前記1個の鎖状分子のうちのいずれか1個以上の分子が、それぞれ、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個以上の反応性基を有する、ロタキサン化合物。
項2.
前記1個以上の環状分子のうちのいずれか1個以上の分子が、それぞれ、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個以上の反応性基を有する、項1に記載のロタキサン化合物。
項3.
前記1個の鎖状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個以上の反応性基を有する、項1又は2に記載のロタキサン化合物。
項4.
前記1個以上の環状分子のうちの一部又は全部が、1個以上の置換基を有していてもよく、且つ
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよいクラウンエーテルである、
項1〜3のいずれか1項に記載のロタキサン化合物。
項5.
1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個の反応性基を有し、且つ、
鎖状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個の反応性基を有する
ロタキサン化合物を含有する、
1個以上の不飽和結合を有するポリマーの連結剤。
項6.
項1〜4のいずれか1項に記載のロタキサン化合物、及びゴム化合物を含有する組成物。
項7.
(1)1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個の反応性基を有し、且つ、
鎖状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個の反応性基を有する
ロタキサン化合物と、
(2)1個以上の不飽和結合を有するポリマーと
の共有化合物を含有する、
ロタキサンネットワークポリマー。
項8.
項1〜4のいずれか1項に記載のロタキサン化合物と、ゴム化合物の共有結合物である、ロタキサンゴム化合物。
項9.
1個以上のニトリルオキシド基を有し、且つ更に1個以上の置換基を有していてもよく、且つ
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよい、21〜42員のクラウンエーテル。
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10〜40℃の範囲内の温度を意味する。
念のために注記するにすぎないが、本明細書中に記載の化合物(これは、「化合物」との明記がないものも包含する。)は、特に記載が無い限り、フリー体、塩、溶媒和物、又はイオン等の形態にあると解釈されることを排除されず、その形態は、技術常識に基づいて解釈され得る。塩を構成するアニオンの例は、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、及びテトラフルオロホウ酸イオンを包含する。
本明細書中、用語「原料ゴム(raw rubber)」は、ゴム製品を製造するための天然ゴム又は合成ゴムを意味する。
本明細書中、用語「ゴム化合物」は、ゴムを構成する主成分である化合物を意味する。ゴム化合物の例は、シス-1,4-ポリイソプレン等のゴム炭化水素を包含する。
本発明のロタキサン化合物は、
1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子、及び前記1個の鎖状分子のうちのいずれか1個以上の分子が、それぞれ、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個以上の反応性基を有する。
本発明のロタキサン化合物は、当業者が通常ロタキサンについて理解する通り、前記環状分子と前記鎖状分子が共有結合を介することなく、空間的な結合で結ばれた分子である。
このことに基づき、本発明のロタキサン化合物を使用して、様々な構造のポリマー化合物、特にロタキサンネットワークポリマーを合成できる。
本発明のロタキサン化合物は、その構成分子として環状分子を含有する。
当該環状分子は、後記で説明する鎖状分子が貫通する環(本明細書中、当該環を、主環と称する場合がある。)として、好ましくは21〜42員、より好ましくは21〜30員、特に好ましくは24員の環を1個有する。
前記1個以上の環状分子のうちの一部又は全部が、1個以上の置換基を有していてもよく、且つ
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよいクラウンエーテルである、ロタキサン化合物
を包含する。
1個以上のニトリルオキシド基を有し、且つ更に1個以上の置換基を有していてもよく、且つ
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよい、21〜42員のクラウンエーテル
を包含する。
前記置換基の例は、(1)メルカプトメチル基、(2)メルカプト基、(3)アミノメチル基、(4)アミノ基、(5)水酸基、(6)ヒドロキシルメチル基、(7)カルボキシル基、(8)カルボキシルメチル基、(9)ハロゲン、(10)エーテル基、(11)チオエーテル基、(12)カルバメート基、(13)アミド基、(14)ペプチド基、(15)ビニル基、(16)アリル基、(17)エチニル基、(18)アルデヒド基、(19)アクリレート基、及び(20)メタクリレート基を包含する。
当該エーテル基の例は、フェニル基、及びケト基からなる群より選択される1個以上の置換基を有していてもよいポリエーテル基を包含する。
nは、2〜8の整数を表す。
環構成酸素原子のうちの1〜3個は、NH、NR、又はSに置き換えられていてもよい。
−CHR−CHR−部の一部(例、2個)、又は全部は、置換基を有していてもよい環(例、ベンゼン環)を形成していてもよい。]
で表される化合物である。
前記環状分子のより好適な例は、1個以上の置換基をそれぞれ有していてもよい、ジベンゾ−24−クラウン−8、24-クラウン-8、ベンゾ-24-クラウン-8、及びジシクロヘキシル-24-クラウン-8を包含する。
当該副環の例は、ベンゼン環を包含する。
式:−A−CN+O−
[式中、Aは、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素部を表す]
で表される部分を有する。
(1)アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数2〜6のアルキル基[例、t−ブチル基])、及びアリール基(例、フェニル、ナフチル)からなる群より選択される1個以上(例、1個、2個)の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜6(好ましくは炭素数1)のアルカン(例、メタン、エタン)、又は
(2)1個以上(例、1個、2個、3個、4個、5個)の置換基(例、炭素数1〜4のアルコキシ基[例、メトキシ基、エトキシ基])で置換されていてもよい芳香族炭素環(例、ベンゼン環、ナフタレン環)である。
熱安定性の観点から好ましくは、Aは、1個以上(例、1個、2個)のアリール基(例、フェニル、ナフチル)で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルカンである。
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよい、21〜42員のクラウンエーテルは、新規化合物であり、本発明は当該化合物もまた提供する。
本発明のロタキサン化合物は、その構成分子として鎖状分子を含有する。
当該鎖状分子は、一般的なロタキサン化合物と同様に、前記主環の内径よりも大きい外径を有する嵩高い基(本明細書中、ブロック基と称する場合がある)の2個を、前記環状分子の主環の内径より小さい外径を有するリンカーが連結している分子構造を有する。
当該リンカーは、前述したロタキサン化合物の運動性が失われない限り、置換基(例、オキソ基)を有していてもよい。
当該嵩高い基の好適な例は、1個以上のC1−6アルキル基で置換されていてもよいアリール基(例、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,5-ジニトロフェニル基、4−tert-ブチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、tert-ブチル基、トリチル基、ナフチル基、アントラセニル基)を包含する。
(1)前記1個以上の環状分子のうちのいずれか1個以上(好ましくは、全て)の分子が、それぞれ、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個以上(好ましくは、1個)の反応性基を有し、且つ
(2)前記1個の鎖状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個以上(好ましくは、1個)の反応性基を有する。
環状エーテル構造である環Aは、1個以上の置換基を有していてもよく、且つ
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよいクラウンエーテル環状分子を表し、
Rは、置換基を表し、
nは、2〜8の整数を表す。
mは1、又2以上の繰り返し数を表し、
鎖状構造である鎖Bは、m個の−N+H2−部を有する鎖状分子を表し、
B1、及びB2は、同一又は異なって、ブロック基を表し、及び
X−は、−N+H2−部と対をなすアニオンを表す。
m個の環A、及び鎖Bのうちの1個以上は、1個以上のニトリルオキシド基を有する。]
で表される化合物である。
X−で表されるアニオンの例は、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、及びテトラフルオロホウ酸イオンを包含する。
本発明のロタキサン化合物は、後記の方法、又はこれに準じる方法により、製造できる。
得られた本発明のロタキサン化合物は、所望により単離、又は精製できる。
精製方法の例は、再結晶、及びカラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段を包含する。
本発明のロタキサン化合物の製造方法の一態様は、
(1)環状分子(例、1個以上の置換基を有していてもよく、且つ環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよい、21〜42員のクラウンエーテル)に、ニトロ基を導入し、ニトロ基を有する環状分子1−1を得る工程;
(2)主鎖の一方の末端1Aにブロック基を有し、主鎖の他方の末端1Bに共有結合可能な基(例、水酸基)を有し、且つ当該ブロック基(末端1A)、及び当該共有結合可能な基(末端1B)の間に−N+H2−部を有する鎖状分子1−2(当該鎖状分子は、塩[例、ヘキサフルオロリン酸]であることができる。)を用意する工程;
(3)環状分子1−1と、鎖状分子1−2を混合して、当該環状分子1の主環内に当該鎖状分子2を静電相互作用により保持させる工程;
(4)前記鎖状分子1の末端1Bの基と反応可能な基、及びニトロ基を有する化合物1−3を前記鎖状分子と反応させて、ブロック基、及びニトロ基を有する鎖状化合物1−4を得る工程;及び
(5)環状分子1−1、及び鎖状化合物1−4がそれぞれ有するニトロ基をニトリルオキシド基に変換する工程
を含む。
工程(5)の反応は、環状分子1−1、及び鎖状化合物1−4に、イソシアネート、及びアミンを作用させることで実施される。
本発明のロタキサン化合物の製造方法の一態様は、
(1)環状分子(例、1個以上の置換基を有していてもよく、且つ環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよい、21〜42員のクラウンエーテル)であって、ニトリルオキシド基を有する環状分子2−1を用意する工程;
(2)任意の部位にニトリルオキシド基を有し、主鎖の一方の末端2Aにブロック基を有し、且つ主鎖の他方の末端2Bに共有結合可能な基(例、水酸基)を有し、且つ当該ブロック基(末端2A)、及び当該共有結合可能な基(末端2B)の間に−N+H2−部を有する鎖状分子2−2(当該鎖状分子は、塩[例、ヘキサフルオロリン酸]であることができる。)を用意する工程;
(3)環状分子2−1と、鎖状分子2−2を混合して、当該環状分子2−1の主環内に当該鎖状分子2−2を静電相互作用により保持させる工程;及び
(4)前記鎖状分子2−1の末端2Bの基と反応可能な基を有する化合物2−3を前記鎖状分子と反応させて、本発明のロタキサン化合物を得る工程。
本発明のロタキサン化合物は、前記の製造方法におけるニトリルオキシド基の導入方法に換えて、別の公知のニトリルオキシド基の導入方法を採用して、製造してもよい。
ニトリルオキシド化合物は、
(3−1)目的とするニトリルオキシド化合物に対応する構造を有するホルミル体から、オキシム体を製造する工程、及び
(3−2)当該オキシム体をニトリルオキシド化合物に変換する工程
を含む方法が挙げられる。
ヒドロキシルアミン、又はその塩の使用量は、例えば、ホルミル体のホルミル基1モルに対して、好ましくは1〜5モル、より好ましくは1〜1.5モルであることができる。
塩基の使用量は、例えば、ホルミル体のホルミル基1モルに対して、好ましくは1〜5モル、より好ましくは1〜1.5モルであることができる。
使用可能な溶媒としては、特に制限されるものではないが、その例は、メタノール、エタノール等のアルコール;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;酢酸エチル等のエステル;水、及びこれらの組み合わせを包含する。
塩基の使用量は、好ましくは、オキシム体1モルに対して1〜10モル、より好ましくは1〜5モルであることができる。
臭素化剤の例は、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)、臭素、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノン(TBCO)を包含し、なかでもNBS、臭素が好ましく用いられ得る。
本発明の組成物は、1種以上の、前記した本発明のロタキサン化合物を含有する。当該組成物は液体であっても固体であってもよい。また、当該組成物は、前記した本発明のニトリルオキシド化合物のみから構成されていてもよい。
分子内にニトリル基(C≡N)を有する化合物である、PAN(ポリアクリロニトリル)化合物;
それぞれ分子内に炭素−炭素二重結合(C=C)を有する化合物である、NR(天然ゴム)化合物、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)化合物、及びポリノルボルネン化合物;及び
分子内にニトリル基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物である、NBR(ニトリルゴム)化合物等
を包含する。
本発明の連結剤は、
本発明の1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個の反応性基を有し、且つ、
鎖状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個の反応性基を有する
ロタキサン化合物を含有する。
すなわち、本発明の連結剤は、不飽和結合を有するポリマーの連結に使用できる。
本発明の連結剤を用いて、不飽和結合を有するポリマーを連結することにより、ロタキサンネットワークポリマーを製造できる。
当該ゴム化合物の例は、
分子内にニトリル基(C≡N)を有する化合物である、PAN(ポリアクリロニトリル)化合物;
それぞれ分子内に炭素−炭素二重結合(C=C)を有する化合物である、NR(天然ゴム)化合物、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)化合物、及びポリノルボルネン化合物;及び
分子内にニトリル基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物である、NBR(ニトリルゴム)化合物等
を包含する。
当該反応に使用できる有機溶媒は、特に限定はされないが、ポリマー及び本発明のロタキサン化合物が共に溶解し易いものであることが好ましい。その具体例は、クロロホルム、及びDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、並びにそれらの組み合わせ等を包含する。
当該反応に使用できる不活性ガスは、特に限定はされないが、その例は、アルゴン、及び窒素等を包含する。
当該反応に使用できる混練装置は、特に限定はされはないが、その例は、二軸混練機、密閉式混練機、バンバリーミキサー、及びインターミックス等の混練機;並びに二軸押出機、単軸押出機、及び多軸押出機等の押出機等を包含する。
当該反応の温度は、具体的には、好ましくは、例えば、0〜150℃の範囲であることができる。
ポリマーがNBR、NR、EPDM等のように、不飽和結合として1個以上の炭素−炭素二重結合を少なくとも有するものである場合、当該反応の好適な温度は、例えば、20〜100℃である。PAN等のように、不飽和結合として三重結合のみを有するものである場合には、当該反応の好適な温度は、例えば、60〜150℃であることができる。
(1)不飽和結合を有するポリマーの連結方法、
(2)本発明のロタキサン化合物と、1個以上の不飽和結合を有するポリマーとの共有化合物であるロタキサンポリマー化合物、及びその製造方法
ロタキサンネットワークポリマー、及びその製造方法、並びに
(3)本発明のロタキサン化合物と、ゴム化合物の共有結合物である、ロタキサンゴム化合物、及びその製造方法
もまた提供する。
本発明のロタキサンポリマー化合物は、本発明のロタキサン化合物と、1個以上の不飽和結合を有するポリマーとの共有化合物である。
当該ロタキサンポリマー化合物は、前記の記載を含む本明細書の記載から理解可能である。
当該ロタキサンポリマー化合物の製造方法は、前記の記載を含む本明細書の記載から理解可能である。
当該ロタキサンポリマー化合物は、ニトリルオキシド基に由来する、イソオキサゾリン環を有することができる。
本発明のロタキサンネットワークポリマーは、
(1)1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個の反応性基を有し、且つ、
鎖状分子が、ニトリルオキシド基、及びアジド基からなる群より選択される1個の反応性基を有する
ロタキサン化合物と、
(2)1個以上の不飽和結合を有するポリマーと
の共有化合物
を含有する。
当該ロタキサンネットワークポリマーは、前記の記載を含む本明細書の記載から理解可能である。
当該ロタキサンネットワークポリマーの製造方法は、前記の記載を含む本明細書の記載から理解可能である。
当該ロタキサンネットワークポリマーは、ニトリルオキシド基に由来する、イソオキサゾリン環を有することができる。
本発明のロタキサンゴム化合物は、本発明のロタキサン化合物と、ゴム化合物の共有結合物である。
当該ロタキサンゴム化合物、及びその製造方法は、前記の記載を含む本明細書の記載において、1個以上の不飽和結合を有するポリマーがゴム化合物である場合として、理解可能である。
(1)1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子が、イソオキサゾリン環を介してゴム化合物と連結されてあり、且つ、
鎖状分子が、イソオキサゾリン環を介してゴム化合物と連結されている。
DMAP: 4−ジメチルアミノピリジン
DB24C8: ジベンゾ−24−クラウン−8
DIC: ジイソプロピルカルボジイミド
Bu3P: トリ(t−ブチル)ホスフィン
THF: テトラヒドロフラン
iPrOH: 2−プロパノール
TEA: トリエチルアミン
次のスキーム1に示した方法、及び条件により、ニトリルオキシド[2]ロタキサン2-2を合成した。
スキーム1
<(1)ニトロアルカン1-1の合成>
アルゴン雰囲気下で水酸化カリウム 2.2 g (40 mmol) を1,3-プロパンジオール 52 mLに溶解させ、ジフェニルニトロエテン 4.5 g (20 mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液 30 mLを加え、10時間室温にて撹拌した。1N塩酸とジエチルエーテルを加えて、抽出した後、水、Brineにて2回ずつ有機層を洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムによって乾燥させ、溶媒留去することで無色オイルのニトロアルカン1-1 4.21 g ( yield: 67%) を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K): δ(ppm) 1.91 (2H, m, -CH2), 3.50 (2H, t, J= 4.0 Hz, -CH2), 3.84 (2H, t, J= 4.0 Hz, -CH2), 5.36 (2H, s, -CH2NO2), 7.37 (10H, m, Ar-H)
ニトロアルカン1-1 4.21 g (14 mmol)をジクロロメタン 24 mLに溶かし、無水グルタル酸 1.45 g (13 mmol)とDMAP 0.16 g (10 mol%)を加え、還流条件下で2時間撹拌した。反応を停止させるため、1N塩酸を加え30分程撹拌した。ジエチルエーテルによって抽出したのち、硫酸マグネシウムを加えることでニトロアルカン1-2 (yield: 47%) を得た。
1H-NMR (400 MHz, 6d-DMSO, 298 K): δ(ppm) 12.1 (1H, s, -COOH), 7.31-7.24 (10H, m, Ar), 5.75 (2H, s, -CH2NO2), 4.13 (2H, t, J= 4.0 MHz, -CH2COO-), 3.39 (2H, t, J= 4.0 MHz, -CH2O-), 2.24 (4H, m, -CH2), 1.86 (2H, t, -CH2-), 1.68 (2H, t, -CH2-).
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K): δ(ppm) 0.94 (22H, m, -CH2-), 1.55 (2H, m, -CH2-), 2.17 (6H, s, -CH3), 2.33 (4H, m, -CH2COO-), 3.07 (2H, s, -CH2NH2-), 3.44 (2H, m, -CH2O-), 3.62 (8H, m), 3.82 (8H, m), 4.08 (8H, m), 4.22 (2H, m, -CH2O-), 4.49 (2H, m, -CH2NH2-), 5.34 (2H, s, -CH2NO2), 6.85-7.33 (13H, m, Ar-H)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K): δ(ppm) 0.94 (22H, m, -CH2-), 1.55 (2H, m, -CH2-), 2.17 (6H, s, -CH3), 2.33 (4H, m, -CH2COO-), 3.07 (2H, s, -CH2NH2-), 3.44 (2H, m, -CH2O-), 3.62 (8H, m), 3.82 (8H, m), 4.08 (8H, m), 4.22 (2H, m, -CH2O-), 4.49 (2H, m, -CH2NH2-), 6.85-7.33 (13H, m, Ar-H)
<ニトリルオキシド[2]ロタキサン 2-2のNRへの修飾>
天然ゴム(NR) 58 mg ( 0.83 mmol) をクロロホルム 1.0 mLに溶解し、ニトリルオキシド[2]ロタキサン2-2 110 mg (82 μmol) を加え40℃26時間加熱撹拌した。溶媒を除去後、分取BPCにて精製して、ロタキサン修飾NRを得た。
<イソオキサゾリン[2]ロタキサン2-3の合成>
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K): δ(ppm) 0.94 (22H, m, -CH2-), 1.55 (2H, m, -CH2-), 2.17 (6H, s, -CH3), 2.33 (4H, m, -CH2COO-), 3.07 (2H, s, -CH2NH2-), 3.44 (2H, m, -CH2O-), 3.62 (8H, m), 3.82 (8H, m), 4.08 (8H, m), 4.22 (2H, m, -CH2O-), 4.49 (2H, m, -CH2NH2-), 6.85-7.33 (13H, m, Ar-H)
<ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン3-3の合成>
次のスキーム2に示した方法、及び条件により、軸成分1-0の末端にニトリル-N-オキシド基を有するロタキサン3-3を合成した。具体的には、カルボン酸含有ナフトアルデヒドB(後記スキーム中の化合物B)をエンドキャップ剤として、アルデヒド含有[2]ロタキサン3-1を合成した。さらに、ヒドロキシルアミン塩酸塩と酢酸ナトリウム三水和物とを反応させることで、オキシム[2]ロタキサン3-2を合成した。そして、NCSとトリエチルアミンを加え4時間撹拌することでニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン3-3を合成した。目的物の生成は、1H-NMR、MALDI-TOF-MS、及びIRスペクトルによって確認された。
<ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン3-3の合成>
実施例4−1と類似の方法で、以下に記載する通り、ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン3-3の合成を行った。
カルボン酸含有ナフトアルデヒドB 92 mg (0.30 mmol)を脱水ジクロロメタン 0.50mLに溶解させ、30分間撹拌した。また、軸成分1-0 0.10 g (0.22 mmol)の脱水ジクロロメタン溶液 0.5 mLにDB24C8 0.12 g (0.25 mmol)を加え、室温にて撹拌した。これらを混合し、さらにトリブチルホスフィン 39μLを加えて、室温で12時間撹拌した。反応溶液をヘキサン:ジエチルエーテル(=1:1) で再沈殿し、分取GPCによって精製することでアルデヒド3-1 0.26 g ( yield: 47%) を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K):δ(ppm) 10.9 (s, 1H, -CHO), 9.26 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 8.06 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.61 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.41 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.30 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.11( s, 2H, N-H), 6.91-6.75 ( m, 11H), 4.52 (s, 2H), 4.25-4.21 (m, 10H), 3.82 (m, 10H), 3.64-3.42 (m, 8H), 3.06 (s, 2H), 2.36 (t, 2H, J = 4.8 Hz), 2.18 (m, 6H), 1.91 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 1.63-1.60 (m, 2H), 1.59-0.94 (m, 20H).
アルデヒド3-1 0.26 g (0.22 mmol) をエタノール:THF (2:1)溶液に溶解し、酢酸ナトリウム三水和物 48 mg ( 0.35 mmol)とヒドロキシアミン塩酸塩 26 mg (0.37 mmol)水溶液1 mLをかわえて5時間撹拌した。超純水を加えて、反応を停止しクロロホルムにて抽出した。超純水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加えて有機層を乾燥させ、溶媒を留去することで黄色オイルであるオキシム[2]ロタキサン3-2 0.12 g ( yield: 52%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K):δ(ppm) 8.86 (s, 1H, -NOH), 8.82 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.86 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.51 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.37 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.22 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.10( s, 2H, N-H), 6.98-6.75 ( m, 11H), 4.52 (s, 2H), 4.37-4.07 (m, 10H), 3.92-3.73 (m, 10H), 3.62-3.40 (m, 8H), 3.06 (s, 2H), 2.38-2.27 (t, 2H, J = 4.8 Hz), 2.22 (m, 6H), 1.87 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 1.57 (m, 2H), 1.43-0.82 (m, 20H).
オキシム[2]ロタキサン3-2 0.12 g (0.11 mmol) のクロロホルム溶液3 mlにNCS 50 mg (0.16 mmol) とトリエチルアミン 56 μLを加え、5時間撹拌した。MALDI-TOF-MSにより目的物の生成を確認したのち、超純水にて2回洗浄して、白色固体のニトリルオキシド[2]ロタキサン3-3を得た。
H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K):δ(ppm) 7.95 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.86 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.51 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.37 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.22 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.10( s, 2H, N-H), 6.98-6.75 ( m, 11H), 4.52 (s, 2H), 4.37-4.07 (m, 10H), 3.92-3.73 (m, 10H), 3.62-3.40 (m, 8H), 3.06 (s, 2H), 2.38-2.27 (t, 2H, J = 4.8 Hz), 2.22 (m, 6H), 1.87 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 1.57 (m, 2H), 1.43-0.82 (m, 20H).
<ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン 4-3の合成>
次のスキームに示した方法、及び条件により、輪成分と軸成分にニトリル-N-オキシド基を導入した二官能性ニトリル-N-オキシド含有ロタキサンの合成を行った。まず、アルデヒド含有クラウンエーテル4-0を合成した。その後、前記の3-3の合成と同様の合成法にて二官能性ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン4-3を合成した。反応の進行、及び目的物の生成が、1H-NMR、及びMALDI-TOF-MSによって確認された。
<ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン 4-3の合成>
実施例5−1と類似の方法で、以下に記載する通り、ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン 4-3の合成を行った。
カルボン酸含有ナフトアルデヒドB 0.28 mg (0.58 mmol)を脱水ジクロロメタン 0.50mLに溶解させ、30分間撹拌した(溶液1A)。脱水ジクロロメタン 0.5 mLに輪成分4-r 0.28 g (0.87 mmol)を加え、室温にて撹拌した。さらに、トリブチルホスフィン 16μLと溶液1Aを加えて、室温で12時間撹拌した。反応溶液をヘキサン:ジエチルエーテル (=1:1) で再沈殿し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:アセトニトリル=50:1) によって精製することで化合物4-0 0.23g ( yield: 68%) を得た。
10.9 (s, 1H, -CHO), 9.28 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 8.04 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.62 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.43 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.30 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 6.89-6.79 ( m, 7H), 5.01 (s,2H, l), 4.52 (s, 2H), 4.25-4.21 (m, 10H), 3.82 (m, 10H), 3.64-3.42 (m, 8H), 3.06 (s, 2H), 2.36 (t, 2H, J = 4.8 Hz), 2.18 (m, 6H), 1.91 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 1.63-1.60 (m, 2H),
カルボン酸含有ナフトアルデヒドB 0.14 g (0.50 mmol)を脱水ジクロロメタン 0.25 mLに溶解させ、DIC 0.12 mlを30分間撹拌した(溶液1B)。軸成分4-a 0.15 g (0.33 mmol)の脱水ジクロロメタン溶液 0.25 mLにDB24C8 0.30 g (0.39 mmol)を加え、室温にて撹拌した。さらに、トリブチルホスフィン 39μLと溶液1Bを加えて、室温で12時間撹拌した。反応溶液をヘキサン:ジエチルエーテル(=1:1) で再沈殿し、分取GPCによって精製することで化合物4-1 0.20 g ( yield: 11%) を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K):δ(ppm) 10.9 (s, 2H, -CHO), 9.26 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 8.06 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.77 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.61 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.41 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.30 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.11( s, 2H, N-H), 6.91-6.75 ( m, 11H), 5.01 (s,2H), 4.52 (s, 2H), 4.25-4.21 (m, 10H), 3.82 (m, 10H), 3.64-3.42 (m, 8H), 3.06 (s, 2H), 2.36 (t, 4H, J = 4.8 Hz), 2.18 (m, 6H), 1.91 (m, 4H), 1.75 (m, 4H), 1.63-1.60 (m, 4H), 1.59-0.94 (m, 20H).
アルデヒド4-1 50 mg (37 μmol) をエタノール:THF (2:1)溶液に溶解し、酢酸ナトリウム三水和物 15 mg ( 0.11 mmol)とヒドロキシアミン塩酸塩 8 mg (0.11 mmol)水溶液1 mLをかわえて室温で7時間撹拌した。MALDIにて生成を確認後、水を加えて反応を停止させクロロホルムで抽出した。蒸留水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加えて有機層を乾燥させた。溶媒流去を行って、白色オイルとして化合物4-2 49 mg ( yield: 98%) を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K):δ(ppm) 8.86 (s, 2H, -NOH), 8.82 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.85 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.77 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.56 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.37 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.35-7.31 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.07 ( s, 2H, N-H), 6.91-6.75 ( m, 11H), 5.02 (s,2H), 4.48 (s, 2H), 4.15-4.05 (m, 10H), 3.91-3.80 (m, 10H), 3.64-3.41 (m, 8H), 3.06 (s, 2H), 2.38 (t, 4H, J = 4.8 Hz), 2.16 (m, 6H), 1.88 (m, 4H), 1.85 (m, 4H), 1.55 (m, 4H), 1.43-0.81 (m, 20H).
化合物4-2 0.15 mg (0.11 mmol) のクロロホルム溶液3 mlにNCS 0.12 g (0.33 mmol) とトリエチルアミン 0.12 mLを加え、室温で5時間撹拌した。MALDI-TOF-MSにより目的物の生成を確認したのち、蒸留水にて2回洗浄をした。分取GPCにて精製を行って、固体のニトリルオキシド[2]ロタキサン4-3を得た。
H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K):δ(ppm) 7.94 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.80 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.59 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.42 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 7.29 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 6.90 ( m, 11H), 5.02 (s,2H), 4.48 (s, 2H), 4.20-4.06 (m, 10H), 3.89-3.82 (m, 10H), 3.72-3.41 (m, 8H), 3.06 (s, 2H), 2.41-2.27 (t, 4H, J = 4.8 Hz), 2.16 (m, 6H), 1.89 (m, 4H), 1.73 (m, 4H), 1.57 (m, 4H), 1.43-0.81 (m, 20H).
<ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン3-3の安定性試験>
IR測定における、ニトリル-N-オキシド由来の顕著なピークの観測によりニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン3-3は0 °C下で10日間安定であることが分かった。2週間経過したあたりでは、ニトリル-N-オキシド由来のピークの減少、及びイソシアネート由来と考えられるピークの出現が観察された。
<ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン 3-3の反応試験>
次のスキームに示した条件で、ニトリル-N-オキシド[2]ロタキサン 3-3を、アリルトリメチルシランと反応させることにより、その反応性の評価を行った。1H-NMRにより、反応がほぼ完全に進行したことが確認された。
<トリメチルシランロタキサン3-4の合成>
実施例7−1の反応試験と類似の方法で、トリメチルシランロタキサン3-4の合成を行った。
ニロリルオキシド[2]ロタキサン 3-3 5.0 mg (3.7 μmol) のクロロホルム溶液 0.5 mLにアリルトリメチルシラン 4.2μL (37 μmol)を加えて、24時間撹拌した。未反応のアリルトリメチルシランを溶媒とともに留去して、トリメチルシランロタキサン3-4を得た。
H-NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K):δ(ppm) 8.04 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.88 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.51 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.37 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.22 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.11 ( s, 2H, N-H), 6.97-6.84 ( m, 11H), 4.52 (s, 2H), 4.37-4.07 (m, 10H), 3.92-3.73 (m, 10H), 3.62-3.40 (m, 8H), 3.06 (s, 2H), 2.98 (m, 2H), 2.38-2.27 (t, 2H, J = 4.8 Hz), 2.22 (m, 6H), 1.87 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 1.57 (m, 2H), 1.40-0.85 (m, 20H).
<ロタキサンゴムの合成>
次のスキームに示した条件で、ニトリル-N-オキシド3-3を分子量の低いポリブタジエン(PBD, Mw 5000)と反応させて、ロタキサンゴムを得た。反応の進行、及び目的物の生成は、1H-NMR、及びIRにて確認した。1H-NMR分析により、反応が定量的に進行したことが確認された。
<ニトリルオキシド[2]ロタキサン3-3のPBDへの修飾反応>
実施例8ー1の合成と同様の方法で、ニトリルオキシド[2]ロタキサン 3-3 20 mg (19 μmol)のクロロホルム溶液0.5mLにポリブタジエン21mgを加え、50℃、24時間加熱撹拌して、粘性体を得た。これをメタノール中で再沈殿させて、白色オイルとして修飾物を得た。
汎用高分子である、PBD、NR、及びSBR(スチレン・ブタジエンゴム)等の原料ゴムのそれぞれと、2官能性ニトリル-N-オキシド4-3(0.5-2.0 mol%)とを、触媒の不存在下で、CHCl3中、50℃で24時間加熱攪拌した。その結果、それぞれ、CHCl3等の各種溶媒に不溶な架橋体が得られた。これにより、ロタキサン型の2官能性ニトリル-N-オキシドが架橋剤として有効に作用することが確認された。
<ニトリルオキシド[2]ロタキサン4-3のPBDへの架橋反応>
実施例9−1と同様の方法で、ニトリルオキシド[2]ロタキサン4-3のPBDへの架橋反応の架橋反応を実施した。ニトリルオキシド[2]ロタキサン 4-3 20 mg (3.7 μmol)のクロロホルム溶液 0.5 mLにポリブタジエン 17mgを加え、50℃、24時間加熱撹拌して、粘性体を得た。これをメタノール中で再沈殿させて、白色オイルとして架橋物を得た。
次のスキームに示した方法、及び条件により、化合物5−5の前駆体である化合物5−4を合成した。目的物の生成は、1H-NMR、MALDI-TOF-MS、及びIRスペクトルによって確認された。
Claims (8)
- 1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子、及び前記1個の鎖状分子のうちのいずれか1個以上の分子が、それぞれ、1個以上のニトリルオキシド基を有する、ロタキサン化合物であって、
下記式(2):
環状エーテル構造である環Aは、1個以上の置換基を有していてもよく、且つ
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよいクラウンエーテル環状分子を表し、
Rは、置換基を表し、
nは、2〜8の整数を表し、
mは1、又2以上の繰り返し数を表し、
鎖状構造である鎖Bは、m個の−N + H 2 −部を有する鎖状分子を表し、
B 1 、及びB 2 は、同一又は異なって、ブロック基を表し、
X − は、−N + H 2 −部と対をなすアニオンを表し、
m個の環A、及び鎖Bのうちの1個以上は、1個以上のニトリルオキシド基を有する。]
で表されるロタキサン化合物。 - 前記1個以上の環状分子のうちのいずれか1個以上の分子が、それぞれ、1個以上のニトリルオキシド基を有する、請求項1に記載のロタキサン化合物。
- 前記1個の鎖状分子が、1個以上のニトリルオキシド基を有する、請求項1又は2に記載のロタキサン化合物。
- 1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子が、1個のニトリルオキシド基を有し、且つ、
鎖状分子が、1個のニトリルオキシド基を有する
ロタキサン化合物であって、
下記式(2):
環状エーテル構造である環Aは、1個以上の置換基を有していてもよく、且つ
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよいクラウンエーテル環状分子を表し、
Rは、置換基を表し、
nは、2〜8の整数を表し、
mは1、又2以上の繰り返し数を表し、
鎖状構造である鎖Bは、m個の−N + H 2 −部を有する鎖状分子を表し、
B 1 、及びB 2 は、同一又は異なって、ブロック基を表し、
X − は、−N + H 2 −部と対をなすアニオンを表し、
m個の環Aの1個以上が、1個のニトリルオキシド基を有し、
鎖Bは、1個のニトリルオキシド基を有する。]
で表されるロタキサン化合物を含有する、
1個以上の不飽和結合を有するポリマーの連結剤。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のロタキサン化合物、及びゴム化合物を含有する組成物。
- 1個以上の環状分子、及び前記1個以上の環状分子を貫通している1個の鎖状分子からなり、
前記1個以上の環状分子が、1個のニトリルオキシド基を有し、且つ、
鎖状分子が、1個のニトリルオキシド基を有する
ロタキサン化合物であって、
下記式(2):
環状エーテル構造である環Aは、1個以上の置換基を有していてもよく、且つ
環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよいクラウンエーテル環状分子を表し、
Rは、置換基を表し、
nは、2〜8の整数を表し、
mは1、又2以上の繰り返し数を表し、
鎖状構造である鎖Bは、m個の−N + H 2 −部を有する鎖状分子を表し、
B 1 、及びB 2 は、同一又は異なって、ブロック基を表し、
X − は、−N + H 2 −部と対をなすアニオンを表し、
m個の環Aの1個以上が、1個のニトリルオキシド基を有し、
鎖Bは、1個のニトリルオキシド基を有する。]
で表されるロタキサン化合物と、
1個以上の不飽和結合を有するポリマーと
の共有化合物を含有する、
ロタキサンネットワークポリマー。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のロタキサン化合物と、ゴム化合物の共有結合物である、ロタキサンゴム化合物。
- 1個以上のニトリルオキシド基を有し、且つ更に1個以上の置換基を有していてもよく、且つ環構成酸素原子のうちの1〜3個がNH、又はSに置き換えられていてもよい、21〜42員のクラウンエーテル。
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