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JP6733248B2 - リチウム二次電池用複合活物質の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用複合活物質の製造方法 Download PDF

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JP6733248B2 JP2016056898A JP2016056898A JP6733248B2 JP 6733248 B2 JP6733248 B2 JP 6733248B2 JP 2016056898 A JP2016056898 A JP 2016056898A JP 2016056898 A JP2016056898 A JP 2016056898A JP 6733248 B2 JP6733248 B2 JP 6733248B2
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Description

本発明は、リチウム二次電池用複合活物質の製造方法に関する。
電子材料の小型軽量化、および、HEVまたはEVの開発の進展に伴い、大容量、高速充放電特性、良好なサイクル特性、かつ安全性に優れた電池の開発の要望は益々増大している。なかでも、リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)が最も有望な電池として注目されている。
しかしながら、優れた性能を示すリチウム二次電池が開発される前提として、各種性能に優れた負極材料、正極材料、電解液、セパレータ、または集電体などが開発され、且つ、それらの特性を十分に生した電池設計がなされなくてはならない。
なかでも、負極材料は基本的な電池特性を決定するものであるため、特性がより優れる材料の開発が活発に行われている。
例えば、特許文献1では、大充放電容量、高速充放電特性、および良好なサイクル特性を併せ持ったリチウム二次電池の作製が可能なリチウム二次電池用複合活物質の製造方法が開示されている。
特許第5227483号公報
一方、近年、環境保全の点や、作業環境の安全性の点から、有機溶媒の使用を控えることが求められている。言い換えれば、溶媒として水の利用が求められている。
特許文献1の実施例欄を参照すると、リチウム二次電池用複合活物質を製造する手順において、金属Siと膨張黒鉛とを混合する際の溶媒としてエタノールが使用されており、必ずしも昨今の要望を満たしていない。
また、本発明者らは、エタノールの代わりに水を使用したところ、得られるリチウムニ次電池用複合活物質の性能、特に、サイクル特性が昨今の要求レベルを満たしていないことを知見した。
本発明は、上記実情に鑑みて、製造工程において溶媒として水を使用可能であり、かつ、優れたサイクル特性を示すリチウム二次電池の作製が可能なリチウム二次電池用複合活物質の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、従来技術について鋭意検討を行った結果、水溶性結着剤を用いることにより、所望の特性を示すリチウム二次電池用複合活物質が得られることを見出した。
つまり、本発明者らは、以下の構成によって上記課題を解決できることを見出した。
(1) 黒鉛、および、リチウムイオンと化合可能な電池活物質を少なくとも含有する混合物を得る混合物生成工程と、
混合物に球形化処理を施す球形化工程と、
球形化処理を経て得られた生成物に対して焼成処理を施す焼成工程とを有し、
以下の要件1〜要件3の少なくとも1つを満たす、リチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
要件1:混合物生成工程が、黒鉛、リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、水溶性結着剤を水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して、黒鉛、リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、水溶性結着剤を含む混合物を得る工程である。
要件2:球形化工程と前記焼成工程との間に、球形化工程で得られた生成物と水溶性結着剤とを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収する混合工程をさらに有し、焼成工程にて固形物に対して焼成処理が施される。
要件3:焼成工程後に、焼成工程で得られた焼成物と水溶性結着剤とを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収し、固形物に対して焼成処理を施す混合焼成工程をさらに有する。
(2) 水溶性結着剤が、多価アルコールを含む、(1)に記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
(3) 水溶性結着剤が、糖類、グリセリン類、および、ポリアルキレングリコール類からなる群から選択される1種を含む、(1)または(2)に記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
(4) 水溶性結着剤が、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、デンプン、セルロース、グリコーゲン、アルギン酸、ぺクチン、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、または、これらのエステル誘導体、または、これらとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属との塩を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
(5) 黒鉛が膨張黒鉛である、(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
(6) リチウムイオンと化合可能な電池活物質が、周期表の13族の元素、周期表の14族の元素、周期表の15族の元素、マグネシウム、および、マンガンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載のリチウムニ次電池用複合活物質の製造方法。
(7) リチウムイオンと化合可能な電池活物質の平均粒子径が1μm以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
本発明によれば、製造工程において溶媒として水を使用可能であり、かつ、優れたサイクル特性を示すリチウム二次電池の作製が可能なリチウム二次電池用複合活物質の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明のリチウム二次電池用複合活物質(以後、単に複合活物質とも称する)の製造方法について詳述する。
なお、複合活物質の製造方法としては、所定の工程を有すると共に、以下の要件1〜要件3の少なくとも1つを満たす。
要件1:混合物生成工程が、黒鉛、リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、水溶性結着剤を水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して、黒鉛、リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、水溶性結着剤を含む混合物を得る工程である。
要件2:球形化工程と焼成工程との間に、球形化工程で得られた生成物と水溶性結着剤とを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収する混合工程をさらに有し、焼成工程にて固形物に対して焼成処理が施される。
要件3:焼成工程後に、焼成工程で得られた焼成物と水溶性結着剤とを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収し、固形物に対して焼成処理を施す混合焼成工程をさらに有する。
上記要件1〜要件3に示すように、水溶性結着剤を用いることにより、水溶媒を用いて製造した際にも優れた特性を示す複合活物質が得られることを知見している。
以下では、要件1を満たす態様を第1実施態様、要件2を満たす態様を第2実施態様、要件3を満たす態様を第3実施態様として、それぞれ詳述する。
<<第1実施態様>>
本発明の複合活物質の製造方法の第1実施態様としては、所定の成分を混合して混合物を得る混合物生成工程と、混合物に球形化処理を施す球形化工程と、得られた生成物に対して焼成処理を施す焼成工程と、を有する方法が挙げられる。なお、第1実施態様における混合物生成工程は、上記要件1を満たす工程である。
以下、各工程の手順について詳述する。
<混合物生成工程>
本工程は、黒鉛、リチウムイオンと化合可能な電池活物質(以後、単に「電池活物質」とも称する)、および、水溶性結着剤を水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して、黒鉛、リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、水溶性結着剤を含む混合物を得る工程である。
以下では、まず、本工程で使用される成分について詳述し、その後、工程の手順について詳述する。
(黒鉛)
本工程で使用される黒鉛の比表面積は、10m/g以上が好ましい。上記範囲内であれば、高表面積(好ましくは、厚みの薄い)の黒鉛表面に高度に電池活物質が分散した複合活物質が得られる。その結果として、複合活物質を用いた電池材料は、優れたサイクル特性を示す。
なかでも、本発明の製造方法にて得られる複合活物質を用いたリチウム二次電池のサイクル特性がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、比表面積は20m/g以上がさらに好ましく、30m/g以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、製造の手順が煩雑となり、合成が困難な点で、比表面積は200m/g以下が好ましい。
なお、黒鉛の比表面積は、窒素吸着によるBET法(JIS Z 8830、一点法)を用いて測定したものである。
黒鉛中においては、例えば、黒鉛面を重ねる方向でグラフェンシートが複数枚重なった層が含まれており、グラフェンシートは主にファンデルワールス力によって互いに結合している態様が挙げられる。
上記の黒鉛中に含まれる積層したグラフェンシートの層の平均厚みは、本発明の効果がより優れる点で、40nm以下が好ましく、22nm以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、製造手順が煩雑になることから、通常、4nm以上である場合が多い。
なお、上記平均厚みの測定方法としては、電子顕微鏡観察(TEM)によって黒鉛を観察し、黒鉛中の積層したグラフェンシートの層の厚みを10個以上測定して、その値を算術平均することによって、平均厚みが得られる。
なお、上記の黒鉛としては、いわゆるグラフェン(グラフェンシート)そのものを使用することもできる。
本工程で使用される黒鉛としては、市販品を使用してもよいし、公知の方法で製造してもよい。
該黒鉛としては、いわゆる膨張黒鉛や、薄片状黒鉛を使用することができる。
膨張黒鉛の製造方法としては、例えば、酸中に黒鉛(例えば、鱗片状黒鉛)を室温で浸漬した後、得られた酸処理黒鉛に加熱処理(好ましくは、700〜1000℃で処理)を施すことにより製造することができる。より具体的には、硫酸9質量部と硝酸1質量部の混酸に鱗片状天然黒鉛を1時間程度浸漬後、酸を除去し、水洗・乾燥を行う。その後、得られた酸処理黒鉛を850℃程度の炉に投入することで膨張黒鉛が得られる。なお、酸処理黒鉛の代わりに、アルカリ金属など黒鉛と層間化合物を形成した黒鉛を使用しても、膨張黒截を得ることができる。
また、薄片状黒鉛の製造方法としては、上記膨張黒鉛を溶媒に分散後、超音波処理や大きなズリ応力を与える粉辟機(例えば、石臼)などで処理することにより、膨張黒鉛のヒンジ部が破壊され、グラフェンシート枚数で50枚程度(好ましくは、10〜150枚)が積層した薄片状の黒鉛を得ることができる。
なお、上記の膨張黒鉛を構成するグラフェンシートの枚数と、それを解碎した薄片状黒鉛を構成するグラフェンシートの枚数は、基本的にほぼ同一と推測される。
(リチウムイオンと化合可能な電池活物質)
本工程で使用される電池活物質としては、リチウムイオンと化合可能な電池活物質(好ましくは、負極活物質)である。言い換えれば、リチウムイオンと化合して、リチウムイオンを吸蔵および放出し得る物質(例えば、金属、金属の炭化物、窒化物など)であればよい。例えば、リチウムイオンの吸収および放出が可能な金属もしくは非金属、または、リチウムと合金化可能な金属酸化物である。
より具体的には、Si、Sn、Al、Sb、Zn、Bi、Cd、Pb、In、Ag、Ga、Geなどの金属(リチウムと合金化可能な金属)もしくはこれら金属を含む合金(例えば、Si合金、Sb合金、Sn合金、In合金)が挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、電池活物質が周期表の13族の元素、周期表の14族の元素、周期表の15族の元素、マグネシウム、および、マンガンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく(好ましくは、これら元素の金属またはこれら金属を含む合金)、Si、Sn、Al、Sb、およびInからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することがより好ましく(好ましくは、これら元素の金属またはこれら金属を含む合金)、Si、Snの元素を含有することがさらに好ましい(好ましくは、これら元素の金属またはこれら金属を含む合金)。特に、電池活物質がシリコンであることが好ましい。
なお、該合金については、上記した金属の組み合わせからなる合金の他、リチウムイオンを吸蔵および放出しない金属を含む合金であってもよい。この場合、合金中の上記リチウムと合金化可能な金属の含有量はより多いほうが好ましい。SEM観察で得られる2次電子像で判断する粒子の均一性やサイクル特性などから判断すると、金属含有量の上限は70質量%であることが好ましく、60質量%以下がより好ましい。
使用される電池活物質の形状は特に制限されず、粉状、板状、粒状、繊維状、塊状、球状など、あらゆる形状のものが使用可能である。
使用される電池活物質の平均粒子径としては、本発明の効果がより優れる点で、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下がさらに好ましい。下限値については、特に制限はなく小さいほうが好ましい。通常の粉枠方法では、平均粒子径0.01μm程度までの微粉末を製造することが可能であり、この程度の粒径の粉末を有効に用いることができる。
なお、平均粒子径の測定方法としては、レーザー回折式の粒度分布測定器が用いられる。より具体的には、D 50:50%体積粒径を平均粒子径とする。
なお、上記所定の平均粒子径の電池活物質を得る方法としては、擾拌槽型擾拌ミル(ビーズミル等)等などの公知の装置を用いて電池活物質の粉辟を行うことによって、上記した粒径の小さい粉末を得ることが可能である。
特に、電池活物質としては、シリコン粒子が好ましく、平均粒子径100nm以下(特に、平均粒子径50nm以下が好ましい)のシリコン粒子が特に好ましい。
(水溶性結着剤(水溶性化合物))
本工程で使用される水溶性結着剤は、上述した黒鉛と電池活物質とを結着させる材料である。例えば、水溶性結着剤として使用できる糖類などは、後述する焼成工程において炭化して、複合活物質中において非晶質炭素となり、複合活物質の特性を向上させる役割を果たす。また、水溶性結着剤は水への溶解性に優れるため、上述した黒鉛および電池活物質と水溶性結着剤とを混合する際に水を使用してこれらを混合することができる。
なお、水溶性結着剤とは水に溶解し得る材料であり、より具体的には、1Lの水に10g以上溶解し得る材料である。
水溶性結着剤としては公知の材料(例えば、界面活性剤)を使用することができ、例えば、多価アルコール、アミン化合物、カルボン酸化合物、硫酸化合物(例えば、ドデシルスルホン酸)、硝酸化合物、またはそれらのエステル誘導体やアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、多価アルコールが好ましい。多価アルコールとは、複数のヒドロキシ基を含む化合物であり、いわゆる低分子化合物であっても、所定の繰り返し単位を複数含む高分子化合物であってもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、糖類、グリセリン類、または、ポリアルキレングリコール類などが挙げられる。なお、糖類としては、単糖類、ニ糖類、多糖類のいずれも用いることができる。
より具体的には、水溶性結着剤としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、デンプン、セルロース、グリコーゲン、アルギン酸、ぺクチン、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、エリスリトールなどの糖類や、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリンなどのグリセリン類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、プロピレン グリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオ一ル、1,2−ヘキシレングリコールなどのグリコール類、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。また、これらのエステル誘導体、または、これらとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属との塩であってもよい。
また、水溶性結着剤として糖類を使用する場合、本発明の効果がより優れる点で、2種以上の糖を併用することが好ましい。より具体的には、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、デンプン、セルロース、グリコーゲン、アルギン酸、ぺクチン、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、および、エリスリトールからなる群から選択される2種以上を使用することが好ましい。
なお、水溶性結着剤としては、市販品を使用することができ、例えば、糖類の原料としては、はちみつ、ケーキシロップなどを使用することができる。なお、本工程にて使用されるはちみつとしては、特に制限されないが、例えば、はちみつ、精製はちみつ、加糖はちみつ、アカシアはちみつ等が挙げられる。
(工程の手順)
本工程では、まず、上述した黒鉛、電池活物質、および、水溶性結着剤を水中にて混合する。つまり、上述した各種成分を水溶媒中にて混合する。混合処理としては、公知の撹拌処理を実施することができる。なお、混合時には、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶媒が存在していてもよい。
混合処理の条件は特に制限されず、使用される材料に応じて適宜最適な条件が選択される。
また、必要に応じて、混合処理時に超音波処理を実施してもよい。つまり、黒鉛成分と電池活物質と水溶性結着剤とを超音波処理を施しながら混合してもよい。
黒鉛と電池活物質との混合比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、黒鉛100質量部に対して、電池活物質を10〜150質量部混合することが好ましく、25〜100質量部混合することがより好ましい。
黒鉛と水溶性結着剤との混合比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、黒鉛100質量部に対して、水溶性結着剤を1〜50質量部混合することが好ましく、10〜30質量部混合することがより好ましい。
また、水の使用量は特に制限されないが、より高度な分散が図られる結果、本発明の効果がより優れる点で、黒鉛100質量部に対して、水を500〜15000質量部混合することが好ましく、1000〜7000質量部混合することがより好ましい。
次に、上記混合処理により得られた水分散液から水を除去して、黒鉛、電池活物質、および、水溶性結着剤を含む混合物を得る。言い換えると、上記混合処理により得られた水分散液から、固形分である、黒鉛、電池活物質、および、水溶性結着剤を含む混合物を回収する。
水を除去する方法は特に制限されず、公知の装置(例えば、エバポレータ)などを使用する方法が挙げられる。また、濾過などにより水と固形分とを分離する方法を実施してもよい。なお、得られた混合物中においては、本発明の効果を損なわない範囲において、水が残存していてもよい。
なお、上記混合物生成工程の後述する球形化工程の前に、必要に応じて、得られた混合物をプレスするプレス工程が含まれていてもよい。プレス工程を実施すると、黒鉛間の距離がより小さくなり、後述する球形化処理がより効率的に進行する。
なお、プレスの方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。
<球形化工程>
球形化工程は、上記混合物生成工程で得られた黒鉛、電池活物質および水溶性結着剤を含む混合物に球形化処理を施し、球状の混合物を製造する工程である。
本工程を実施することにより、黒鉛のシートがその内部に電池活物質および水溶性結着剤を取り込むように折り畳まれて球形化する。その際、黒鉛のエッジ部は内部に折り畳まれ、形成される複合活物質の表面には実質的に電池活物質が露出しない構造が得られる。
球形化処理の方法は特に制限されず、主に衝撃応力を加えられる粉碎機であれば特に限定されない。粉碎機としては、例えば、高速回転衝撃式粉碎機が挙げられ、より具体的にはサンプルミル、ハンマミル、ピンミル等を用いることができる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ピンミルが好ましい。
高速回転衝撃式粉碎機としては、高速回転するローターに試料を衝突させて、その衝撃力による微細化を達成するものが挙げられ、例えば、ローターに固定式あるいはスイング式の衝撃子を取り付けたハンマーミルタイプのハンマー型、回転する円盤にピンや衝撃へッドを取り付けたピンミルタイプの回転円盤型、試料がシャフト方向に搬送されながら粉碎する軸流型、狭い環状部での粒子の微細化を行うアニュラー型などが挙げられる。より具体的には、ハンマミル、ピンミル、スクリーンミル、ターボ型ミル、遠心分級型ミルなどが挙げられる。
なお、本工程を上記高速回転衝撃式粉碎機で行なう場合には、通常100rpm以上、好ましくは1500rpm以上、また、通常2000rpm以下の回転速度で球形化を行うことが好ましい。したがって衝突速度は20m/秒〜100m/秒程度とすることが好ましい。
粉砕と異なり、球形化処理は低い衝撃力で処理するため、本工程は通常循環処理を行うことが好ましい。その処理時間は、使用する粉碎機の種類や仕込み量等によって異なるが、通常2分以内であり、適切なピン或いは衝突板の配置がなされた装置であれば処理時間は10秒程度で終了する。
また、球形化処理は空気中で行うことが好ましい。窒素気流同処理を行うと、大気開放時に発火する危険がある。
<焼成工程>
焼成工程は、上記で得られた球状混合物に対して焼成処理を施し、略球状のリチウムニ次電池用複合活物質(複合活物質)を製造する工程である。なお、複合活物質には、上記黒鉛由来の黒給成分と、電池活物質とが少なくとも含まれる。なお、水溶性結着剤はその種類によって、複合活物質に水溶性結着剤由来の成分が含まれる。例えば、水溶性結着剤として糖類を使用した場合、糖類由来の非晶質炭素が複合活物質に含まれる。また、例えば、水溶性結着剤としてグリセリン類を用いた場合、焼成処理によりグリセリン類は揮発する場合が多い。
焼成処理の条件としては、本発明の効果がより優れる点で、焼成温度としては400℃以上が好ましく、600℃以上がより好ましい。なお、上限は特に制限されないが、複合活物質の耐熱性の点から、2000℃以下が好ましく、1500℃以下がより好ましく、1000℃以下がさらに好ましい。
また、焼成時間としては、0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。なお、上限は特に制限されないが、発明の効果が飽和する点から、5時間以下の場合が多い。
焼成処理を行う雰囲気は、炭素の酸化を防ぐ観点から、不活性雰囲気下が好ましい。
なお、上記焼成工程の後、必要に応じて、得られた複合活物質をより微細化するための粉枠処理を実施してもよい。粉碎方法としては、公知の手段が実施できる。
<任意の工程>
本発明の複合活物質の製造方法の第1実施態様においては、上述した工程以外の他のエ程が含まれていてもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、上記焼成工程で得られた焼成物と非晶質炭素の前駆体とを混合して混合物を得て、混合物に対して焼成処理を施す工程をさらに有していてもよい。本工程を実施することにより、焼成工程で得られた焼成物の表面が非晶質炭素の前駆体で覆われ、焼成処理を実施することにより、非晶質炭素で覆われた複合粒子が得られる。
非晶質炭素の前駆体としては、例えば、高分子化合物(例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)、石炭系ピッチ(例えば、コールタールピッチ)、石油系ピッチ、メソフェーズピッチ、コークス、低分子重質油、またはそれらの誘導体などが挙げられ、石炭系ピッチ(例えば、コールタールピッチ)、石油系ピッチ、メソフェーズピッチ、コークス、低分子重質油、またはそれらの誘導体などが好ましい。なかでも、非晶質炭素としては、本発明の効果がより優れる点で、石炭系ピッチなどの前駆体から得られるソフトカーボンが好ましい。
熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、ノボラック型フエノール樹脂、レゾール型フエノール樹脂などのフエノール樹脂;ビスフエノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;アニリン樹脂;シアネート樹脂;フラン樹脂;ケトン樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ウレタン樹脂などが挙げられる。また、これらが種々の成分で変性された変性物を用いることもできる。
また、熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフタルアミドなどが挙げられる。
これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、上記のような非晶質炭素の前駆体の形状は特に制限されず、粉状、板状、粒状、繊維状、塊状、球状など、あらゆる形状のものが使用可能である。これらの非晶質炭素の前駆体は、各種成分を混合する際に使用する溶剤に溶解することが好ましい。
使用される非晶質炭素の前駆体の重量平均分子量としては、本発明の効果がより優れる点で1000以上が好ましく、1,000,000以下がより好ましい。
焼成物と非晶質炭素の前駆体との混合方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができ、例えば、乾式処理または湿式処理などが挙げられる。
混合物と非晶質炭素の前駆体との混合比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、混合物100質量部に対して、非晶質炭素の前駆体を0.1〜70質量部混合することが好ましく、15〜50質量部混合することがより好ましい。
また、焼成処理の条件は使用される材料に応じて適宜最適な条件が選択されるが、例えば、上述した焼成工程の条件が挙げられる。
<リチウム二次電池用複合活物質>
上述した工程を経ることにより得られる複合活物質には、黒鉛成分、および、電池活物質が少なくとも含まれる。
複合活物質中における黒鉛成分の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、複合活物質全量に対して、15〜80質量%が好ましく、25〜75質量%がより好ましく、35〜70質量%がさらに好ましい。
複合活物質中における電池活物質の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、複合活物質全量に対して、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜50質量%がさらに好ましい。
複合活物質中に水溶性結着剤由来の成分(例えば、非晶質炭素)が含まれる場合、その含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、複合活物質全量に対して、0.1〜60質量%が好ましく、0.2〜50質量%がより好ましく、1〜40質量%がさらに好ましい。
複合活物質に上述した非晶質炭素の前駆体由来の非晶質炭素が含まれる場合、複合活物質中における非晶質炭素の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、複合活物質全量に対して、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、15〜40質量%がさらに好ましい。
複合活物質の形状は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、略球状の形状を有することが好ましい。なお、略球状とは、長径と短径との比率であるアスペクト比(長径/短径)が1〜3の範囲程度の複合活物質粒子の形状を表す。上記アスペクト比は、少なくとも100の粒子について一つ一つの粒子の長径/短径を求め、それらの算術平均した値(算術平均値)を意味する。
なお、上記における短径とは、走査型電子顕微鏡などによって観察される粒子の外側に接し、粒子を挟み込む二つの平行線の組み合わせのうち最短間隔になる二つの平行線の距離である。一方、長径とは、該短径を決定する平行線に直角方向の二つの平行線であって、粒子の外側に接する二つの平行線の組み合わせのうち、最長間隔になる二つの平行線の 距離である。これらの四つの線で形成される長方形は、粒子がちょうどその中に納まる大きさとなる。
複合活物質の粒径(D 50:50%体積粒径)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、2〜40μmが好ましく、5〜35μmがより好ましく、5〜30μmがさらに好ましい。
なお、粒径(D 90:90%体積粒径)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、10〜75μmが好ましく、10〜60μmがより好ましく、20〜45μmがさらに好ましい。
さらに、粒径(D 10:10%体積粒径)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。
D 10、D 50およびD 90は、レーザー回折散乱法により測定した累積粒度分布の微粒側から累積10%、累積50%、累積90%の粒径にそれぞれ該当する。
なお、測定に際しては、複合活物質を液体に加えて超音波などを利用しながら激しく混合し、作製した分散液を装置にサンプルとして導入し、測定を行う。液体としては作業上、水やアルコール、低揮発性の有機溶媒を用いることが好ましい。この時、得られる粒度分布図は正規分布を示すことが好ましい。
複合活物質の比表面積(BET比表面積)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、30m/g以下が好ましく、10m/g以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、0.1m/g以上が好ましい。
複合活物質の比表面積(BET比表面積)の測定方法は、試料を300℃で30分真空乾燥後、窒素吸着1点法で測定する。
<<第2実施態様>>
本発明の複合活物質の製造方法の第2実施態様としては、所定の成分を混合して混合物を得る混合物生成工程と、混合物に球形化処理を施す球形化工程と、球形化工程で得られた生成物と水溶性結着剤とを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収する混合工程と、得られた固形分に対して焼成処理を施す焼成工程と、を有する方法が挙げられる。なお、第2実施態様においては、混合工程および焼成工程において、上 記要件2を満たす。
本発明の第2実施態様においては、混合物生成工程において水溶性結着剤を使用していない点、混合工程を実施している点、および、焼成工程において混合工程にて得られた固形分に対して焼成処理を施している点以外は、第1実施態様と同様の手順を実施する。そこで、以下では、第2実施態様と第1実施態様との相違点について主に詳述する。
<混合物生成工程>
本発明の第2実施態様の混合物生成工程においては、水溶性結着剤を使用しなかった以外は、上述した第1実施態様の混合物生成工程と同様の原料および手順を実施する。
<混合工程>
混合工程は、球形化工程を経て得られた生成物と水溶性結着剤とを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収する工程である。本工程を実施することにより、生成物と水溶性結着剤との混合物を効率よく製造することができる。
混合工程の手順は、第1実施態様の混合物生成工程と同様の方法にて実施することができる。
また、球形化工程を経て得られた生成物と水溶性結着剤との混合比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、生成物100質量部に対して、水溶性結着剤を10〜60質量部混合することが好ましく、20〜40質量部混合することがより好ましい。
さらに、水分散液から水を除去する方法としては、第1実施態様の混合物生成工程に記載の方法が挙げられる。
なお、第2実施態様においては、上述した第1実施態様で述べた<任意の工程>をさらに実施してもよい。
上記手順を実施することにより、第1実施態様と同様に、黒鉛成分、電池活物質、および、水溶性結着剤由来の成分を含む複合活物質が得られる。
<<第3実施態様>>
本発明の複合活物質の製造方法の第3実施態様としては、所定の成分を混合して混合物を得る混合物生成工程と、混合物に球形化処理を施す球形化工程と、得られた生成物に対して焼成処理を施す焼成工程と、焼成工程で得られた焼成物と水溶性結着剤とを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収し、固形物に対して焼成処理を施す混合焼成工程とを有する。なお、第3実施態様においては、混合焼成工程において、上記要件3を満たす。
本発明の第3実施態様においては、混合物生成工程において水溶性結着剤を使用せずに、混合工程を実施し、混合焼成工程を実施した以外は、第1実施態様と同様の手順を実施する。
そこで、以下では、混合焼成工程について主に詳述する。
混合焼成工程においては、まず、焼成工程で得られた焼成物と水溶性結着剤とを水中にて混合する。混合方法の手順は、第1実施態様の混合物生成工程にて述べた方法が挙げられる。
また、混合焼成工程において、焼成工程を経て得られた生成物と水溶性結着剤との混合比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、生成物100質量部に対して、水溶性結着剤を10〜100質量部混合することが好ましく、20〜80質量部混合することがより好ましい。
さらに、水分散液から水を除去する方法としては、第1実施態様の混合物生成工程に記載の方法が挙げられる。
また、焼成処理の条件は使用される材料に応じて適宜最適な条件が選択されるが、例えば、上述した第1実施態様の焼成工程の条件が挙げられる。
上記手順を実施することにより、第1実施態様と同様に、黒鉛成分、電池活物質、および、水溶性結着剤由来の成分を含む複合活物質が得られる。
上記では要件1〜要件3(第1実施態様〜第3実施態様)についてそれぞれ述べたが、2つ以上の要件を同時に実施してもよい。
例えば、要件1と要件3とを同時に実施してもよい。より具体的には、混合物生成工程において、黒鉛、リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、水溶性結着剤を水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して、黒鉛、リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、水溶性結着剤を含む混合物を得る工程を実施して、かつ、焼成工程後に、焼成工程で得られた焼成物と水溶性結着剤とを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収し、固形物に対して焼成処理を施す混合焼成工程をさらに実施してもよい。
また、要件1と要件2とを同時に実施してもよいし、要件2と要件3とを同時に実施してもよい。
<<リチウム二次電池>>
上述した複合活物質は、リチウム二次電池で使用される電池材料(電極材料)に使用される活物質として有用である。
複合活物質を使用してリチウム二次電池用負極を製造する方法は特に制限されず、公知の方法を使用することができる。
例えば、複合活物質と結着剤とを混合し、加圧成形または溶剤を用いてペースト化し、銅箔上に塗布してリチウム二次電池用負極とすることができる。
なお、集電体としては銅箔以外に、電池のサイクルがより優れる点で、三次元構造を有する集電体が好ましい。三次元構造を有する集電体の材料としては、例えば、炭素繊維、スポンジ状カーボン(スポンジ状樹脂にカーボンを塗工したもの)、金属などが挙げられる。
三次元構造を有する集電体(多孔質集電体)としては、金属や炭素の導電体の多孔質体として、平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、金属発泡体、金属織布、金属不織布、炭素繊維織布、または炭素繊維不織布などが挙げられる。
使用される結着剤としては、公知の材料を使用でき、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、SBR、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、膠などが用いられる。
また、溶剤としては、例えば、水、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
なお、ペースト化する際には、上記のように必要に応じて、公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて攪拌混合してもよい。
複合活物質を用いて塗工用スラリーを調製する場合、導電材として導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブまたはその混合物を添加することが好ましい。上記工程により得られた複合活物質の形状は、比較的、粒状化(特に、略球形化)している場合が多く、粒子間の接触は点接触となりやすい。この弊害を避けるために、スラリーにカーボンブラック、カーボンナノチューブまたはその混合物を配合する方法が挙げられる。
カーボンブラック、カーボンナノチューブまたはその混合物の配合量は特に制限されないが、複合活物質100質量部に対して、0.2〜4質量部であることが好ましく、0.5〜2質量部であることがより好ましい。カーボンナノチューブの例としては、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブがある。
上記複合活物質を使用して得られる負極を有するリチウム二次電池に使用される正極、電解液、セパレー夕としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。
リチウム二次電池は、上述した負極、正極、セパレータ、電解液、その他電池構成要素(例えば、集電体、ガスケット、封ロ板、ケースなど)を用いて、常法にしたがって円筒型、角型あるいはボタン型などの形態を有することができる。
本発明のリチウム二次電池は、各種携帯電子機器に用いられ、特にノート型パソコン、ノート型ワープロ、パームトップ(ポケット)パソコン、携帯電話、携帯ファックス、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオカメラ、携帯テレビ、ポータブルCD、ポータブルMD、電動髭剃り機、電子手帳、トランシーバー、電動工具、ラジオ、テープレコーダー、デジタカメラ、携帯コピー機、携帯ゲーム機などに用いることができる。また、さらに、電気自動車、ハイブリッド自動車、自動販売機、電動カート、ロードレベリング用蓄電システム、家庭用蓄電器、分散型電力貯蔵機システム(据置型電化製品に内蔵)、非常時電力供給システムなどの二次電池として用いることもできる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(膨張黒鉛の調製)
平均粒子径1mmの鱗片状天然黒鉛を硫酸9質量部、硝酸1質量部の混酸に室温で1時間浸漬後、No3ガラスフィルターで混酸を除去して酸処理黒鉛を得た。さらに酸処理黒鉛を水洗後、乾燥した。乾燥した酸処理黒鉛5gを蒸留水100g中で擾拌し、1時間後にpHを測定したところ、pHは6.7であった。乾燥した酸処理黒鉛を850℃に設定した窒素雰囲気下の縦型電気炉に投入し、膨張黒鉛を得た。膨張黒鉛の嵩密度は0.025g/cm、比表面積は24.3m/gであった。
(混合工程)
平均粒子径0.3μmのシリコン微粉末のメタノールスラリー(固体濃度24.8質量%)をシリコンの添加量が30質量部となるように、ビーカー中の1600質量部の水に投入し、さらに、はちみつ(三洋通商社製、成分:フルクトース40.94g、グルコース35.75g、ガラクトース3.1g、マルトース1.44g、スクロース0.89g、水17.1g、その他微量成分(タンパク質、ビタミン、ミネラル))を25質量部(炭化後5.7質量部)加え、インラインミキサーで10分間、携拌を行った。
シリコン微粉末、および、はちみつが分散した水溶液に上記膨張黒鉛(70質量部)を加え、膨張黒鉛とシリコン微粉末とはちみつとを含む均一混合スラリーを調製した。エバポレーターを用い、このスラリーから水を除去し、粉末の混合物を得た。
なお、はちみつには、上記のように複数種の糖が含まれていた。
(プレス工程)
3本ローラー(EKAKT50)を用い、上記粉末の混合物のプレスを行った。この処理で開いていた膨張黒鉛の層が閉じ、層間距離が縮まり、また密度も上昇し、次の球形化工程での衝突エネルギーを上昇させることで、球形化の効率を上げることが可能となる。
(球形化工程)
ニューパワーミル、PM−2005M−1380W(大阪ケミカル株式会社)(回転速度:20000rpm、処理時間:90秒を10回)を用いて、上記で得られた粉末の混合物を球形状に造粒成形を行った。
(焼成処理(炭化処理))
窒素を流しながら(1L/min)、球状の混合物を900℃で1時間焼成することで、はちみつに含まれる糖類の炭化を同時に行った。これにより、黒鉛成分の含有量70質量部、シリコンの含有量30質量部、糖類由来の非晶質炭素の含有量5.7質量部からなる略球形の混合物を得た。
(コールタールピッチによる被覆)
得らえた略球形の混合物(100質量部)を、コールタールピッチ(炭化度45%、30質量部)をキノリン(200質量部)に溶解させた溶液中で加え、10分間撹拌した後、以下の方法を用い焼成を行い、被覆を行った。
(焼成)
窒素を流しながら(1L/min)、混合物を300℃で1時間、600℃で2時間焼成することで、コールタールピッチをソフトカーボンへ変性させた。これにより、黒鉛成分の含有量70質量部、シリコンの含有量30質量部、糖類由来の非晶質炭素の含有量5.7質量部、コールタールピッチ由来のソフトカーボンの含有量30質量部からなる略球形のリチウム二次電池用複合活物質を得た。
その物性は以下の通りである。粒度分布D 50:19μm、BET比表面積:7.6m/g、形状:略球状
10kV以下の低加速電圧にて、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて複合活物質の2次電子像から、複合活物質においては、黒鉛成分および電池活物質がソフトカーボンで覆われた構造であることが分かった。
なお、SEM観察により観察されるリチウム二次電池用複合活物質表面上に露出しているシリコンの面積率は2%以下であった。
さらに、複合活物質中には、薄片化黒鉛が観察された。なお、薄片化黒鉛の厚みは20nm程度(グラフェンシートの積総数60)であった。
(負極製造)
上記複合活物質95.5質量部、SBR(スチレンブタジエンゴム)2.5重量部、CMC(カルボキシメチルセルロース)1.5質量部、導電用カーボンブラック0.5質量部、および水100質量部を秤り取り、双腕型ミキサーを用いて3分間混合することで塗エ用スラリーを調製した。本スラリーを銅箔に塗工し、乾燥して、負極を製造した。
(正極製造)
LiNi1−x−yCoAl84質量部、PVDF含有NMP溶液(PVDF:ポリフッ化ビニリデン、NMP:メチルピロリドン)(含有量:12%)66質量部、導電用カーボンブラック8質量部、およびNMP29質量部を秤り取り、双腕型ミキサーを用いて3分間混合することで塗工用スラリーを調製した。本スラリーをアルミ箔に塗工し、乾燥して、正極を製造した。
(フルセル製造)
上記負極と正極を電極とし、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1、1.2モル/LのLiPF電解液、さらに2体積%のフルオロエチレンカーボネートを加えてフルセルを作製し、以下の電池評価を行った。
(電池評価:電極膨張測定)
上記フルセルを用いて、サイクル試験を行った。その際、充放電容量および初期不可逆容量を測定すると共に、60サイクル、100サイクルでの1サイクル目に対する容量維持率を比較した。なお、充放電のレートは0.5Cを用い、充電側でのカットオフ電圧は4.0V、放電側のカットオフ電圧は2.7Vとし、サイクル実験(100回)を行った。
なお、サイクル試験前の電極の形状は、直径14mmで厚みが55μmの円盤状であった。
また、100サイクル中の最大のクーロン効率「Maxクーロン効率」も合わせて測定した。
結果を表1にまとめて示す。
<実施例2>
はちみつの代わりに、ケーキシロップ(朝日商事社製、成分:果糖ブドウ糖液糖.水飴・香料・カラメル色素)25質量部(炭化後4.43質量部)を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、複合活物質を製造し、さらに、フルセルを製造して、各種評価を実施した。
<実施例3>
はちみつの代わりに、ジグリセリン(坂本薬品社製、25質量部(炭化後0.3質量部))を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、複合活物質を製造し、さらに、フルセルを製造して、各種評価を実施した。
Figure 0006733248
上記表1に示すように、本発明のリチウム二次電池用複合活物質を用いたフルセルは、サイクル特性に優れることが確認された。

Claims (6)

  1. 黒鉛、および、リチウムイオンと化合可能な電池活物質を少なくとも含有する混合物を得る混合物生成工程と、
    前記混合物に球形化処理を施す球形化工程と、
    前記球形化処理を経て得られた生成物に対して焼成処理を施す焼成工程とを有し、以下の要件1〜要件3の少なくとも1つを満たす、リチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
    要件1:前記混合物生成工程が、前記黒鉛、前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、水溶性結着剤である多価アルコールを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して、前記黒鉛、前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質、および、前記多価アルコールを含む混合物を得る工程である。
    要件2:前記球形化工程と前記焼成工程との間に、前記球形化工程で得られた生成物と多価アルコールとを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収する混合工程をさらに有し、前記焼成工程にて前記固形物に対して焼成処理が施される。
    要件3:前記焼成工程後に、前記焼成工程で得られた焼成物と多価アルコールとを水中にて混合し、得られた水分散液から水を除去して固形物を回収し、前記固形物に対して焼成処理を施す混合焼成工程をさらに有する。
  2. 前記多価アルコールが、糖類、グリセリン類、および、ポリアルキレングリコール類からなる群から選択される1種を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
  3. 前記多価アルコールが、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、デンプン、セルロース、グリコーゲン、アルギン酸、ぺクチン、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、または、これらのエステル誘導体、または、これらとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属との塩を含む、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
  4. 前記黒鉛が膨張黒鉛である、請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
  5. 前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質が、周期表の13族の元素、周期表の14族の元素、周期表の15族の元素、マグネシウム、および、マンガンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムニ次電池用複合活物質の製造方法。
  6. 前記リチウムイオンと化合可能な電池活物質の平均粒子径が1μm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用複合活物質の製造方法。
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