このような組合せ秤を用いて複数品種、例えば、3品種の物品の混合計量を行う場合、上記特許文献1の図1(c)に示されているように、仕切り板によって、分散フィーダ上の円形の領域を円周方向に沿って3分割し、各分割領域へ各品種の物品をそれぞれ供給するようにしている。
しかしながら、混合計量すべき品種が多品種、例えば10品種になると、円形の分散フィーダの円周方向に沿って、品種の数に応じて10分割して各品種の物品を10台の各供給装置からそれぞれ供給しなければならず、しかも、組合せ精度を確保するためには、各分割領域の計量ユニットの数も必要となる。
したがって、強いて実施するには、分散フィーダを大径にして円周方向に沿って分割した各分割領域の周長を長くしなければならず、更に大径な分散フィーダの周囲にリニアフィーダや供給ホッパ等を配設しなければならないために、円形の分散フィーダの外方へ更に広がり、大きな占有スペースを要する非常に大型のものにならざるを得ず、現実的ではない。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、コンパクトな構成であって、多品種の物品の混合計量にも対応できる計量装置を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
(1)本発明は、供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量するための計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連と、前記複数連の各供給ホッパへ前記物品を供給する供給ユニットとを備え、
前記計量ユニットの前記複数連は、各供給ホッパが直線状に並ぶように列設され、前記供給ユニットは、前記計量ユニットの前記複数連に対向して、前記各供給ホッパへ前記物品を供給できるように近接配置されると共に、前記供給ホッパへ前記物品を供給する供給位置から離間移動可能である。
本発明によると、供給ホッパ及び計量ホッパを上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、各供給ホッパが直線状に並ぶように列設され、各供給ホッパへ物品を供給する供給ユニットが、計量ユニットの複数連に対向するように近接配置されるので、例えば、供給ホッパへ供給する物品の品種が多品種に亘る場合のように、計量ユニットの複数連を構成する連の数を多くしたい場合には、直線状に列設される計量ユニット及び供給ユニットを、直線状に増設すればよく、上記特許文献1のように分散フィーダを大径にして、分散フィーダを中心として全方向に占有スペースを広げる必要がなく、平面的にコンパクトなものとなる。
しかも、計量ユニットの複数連の各供給ホッパは、直線状に並んでいるので、対向して近接配置された供給ユニットは、前記直線に直交する方向へ物品を搬送して各供給ホッパへ物品をそれぞれ供給することができ、上記特許文献1のように、円形の分散フィーダを円周方向に沿って複数に分割し、各分割領域へ互いに異なる方向から物品をそれぞれ搬送して供給する必要がない。
また、計量ユニットの複数連に対向して近接配置される供給ユニットは、供給ホッパへ物品を供給する供給位置から離間移動可能であるので、供給ユニットを、供給位置から大きく離間移動させて、供給ユニットと計量ユニットとの間に作業者が入れる空間をあけることで、計量ユニットの供給ホッパや計量ホッパを着脱しての洗浄、あるいは、各ユニットの点検整備等を容易に行うことができる。
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記計量ユニットの前記複数連を2列備え、前記2列を挟むようにその両側に、各列にそれぞれ対応する前記供給ユニットが、前記計量ユニットの複数連に対向して近接配置される。
この実施態様によると、計量ユニットの複数連が2列に配置され、各列に対応する供給ユニットが、前記2列を挟むように、計量ユニットの複数連に対向するように近接配置されるので、同じ連数を1列のみで構成するのに比べて、列方向の長さを短くして平面スペースを有効に利用し、計量ユニット及び供給ユニットを集約して配置することができる。
(3)本発明の他の実施態様では、前記計量ホッパに供給される前記物品の重量を検出する重量センサを収納した基体を備え、前記基体の両側に、前記複数連の前記供給ホッパ及び前記計量ホッパが着脱可能に取付けられて前記2列が構成され、前記供給ユニットは、前記物品を前記供給ホッパへ振動搬送する供給フィーダを備え、前記供給ユニットは、前記複数連の前記各供給ホッパへ前記供給フィーダから前記物品を供給できるように近接配置される。
この実施態様によると、計量ホッパに供給される物品の重量を検出する重量センサは、複数連の供給ホッパ及び計量ホッパが取付けられる基体に収納され、各供給ホッパへ物品を振動搬送する供給フィーダは、供給ユニットに備えられている、すなわち、物品の重量を検出する重量センサと、物品を振動搬送する供給フィーダとは、異なる筐体に設けられている。これによって、上記特許文献1のように、計量ホッパに供給された物品の重量を検出する重量センサと、物品を供給ホッパへ振動搬送する分散フィーダ及びリニアフィーダが、同一の筐体であるセンター基体に設けられる構成に比べて、重量センサが、フィーダから受ける振動の影響を低減することができる。
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記供給ユニットは、前記供給ホッパへ供給する前記物品が貯留される貯留ホッパを備え、前記供給ユニットは、前記貯留ホッパから前記供給ホッパへ搬送される前記物品の搬送方向に沿って複数の前記供給フィーダを有し、前記搬送方向の上流側の供給フィーダが、下流側の供給フィーダよりも高位置となるように階段状に配置される。
この実施態様によると、複数の各供給フィーダを、異なる振動強度(振幅)で振動駆動することができるので、例えば、物品の品種に応じた振動強度で搬送することができる。また、高位置の上流側の供給フィーダから下流側の供給フィーダへ物品が移載される際の、段差による適度な落下衝撃によって、塊りになりやすい物品を効率よくほぐして搬送することができる。
(5)本発明の一実施態様では、前記重量センサからの重量信号が与えられると共に、前記計量ホッパに供給された前記物品の重量に基づいて、組合せ演算を行って適量組合せに選択された計量ホッパから前記物品を排出させる演算制御部を備える。
この実施態様によると、重量センサからの重量信号に基づいて算出される計量ホッパの物品の重量に基づいて、組合せ演算を行って適量組合せの計量ホッパを選択し、選択した計量ホッパの物品を排出させることができる。
(6)本発明の他の実施態様では、前記計量ユニットの前記複数連の各一連には、前記計量ホッパから排出される物品を保持して排出するメモリホッパを備え、前記演算制御部は、前記計量ホッパに供給された前記物品の重量及び前記メモリホッパに供給された前記物品の重量に基づいて、前記組合せ演算を行って適量組合せに選択されたホッパから前記物品を排出させる。
この実施態様によると、計量ホッパだけでなく、メモリホッパも組合せ演算に参加できるので、組合せ精度が向上する。
(7)本発明の更に他の実施態様では、前記複数連が、複数の部分に区分された部分連からなり、各部分連のホッパの下方に配置されて、ホッパから排出される前記物品をそれぞれ集合させる複数の第1集合シュートと、前記第1集合シュートの排出口を開閉する第1ゲートと、前記複数の第1集合シュートから排出される前記物品を集合させる単一の第2集合シュートと、前記第2集合シュートの排出口を開閉する第2ゲートとを備える。
各部分連を構成する連の数は、単数でも複数でもよく、また、前記単数または前記複数は、他の各部分連を構成する連の数と同じであってもよいし、異なってもよい。
この実施態様によると、前記複数連を複数の部分に区分した部分連毎に、ホッパから排出される物品をそれぞれ集合させて排出する第1集合シュートと、複数の第1集合シュートから排出される物品を集合させて排出する単一の第2集合シュートとを備えると共に、第1,第2集合シュートは、排出口を開閉する第1,第2ゲートをそれぞれ備えているので、複数連のホッパから排出される物品を、複数の第1集合シュートでそれぞれ集合させて第1ゲートで一旦保持し、その後、複数の第1シュートから排出される物品を、単一の第2集合シュートで集合させて第2ゲートで保持し、その後、第2ゲートを開放して下方の包装機等へ物品を排出することができる。
したがって、物品を排出した後、第2集合シュートの第2ゲートを閉止し、次に排出すべき物品が、第2ゲートに到達するまでの物品の移動距離は、第1集合シュートの第1ゲートから第2集合シュートの第2ゲートまでの距離となる。これによって、第1集合シュート及び第1ゲートを設けなかった場合の、
次に排出すべき物品の移動距離である、複数連のホッパから第2集合シュートの第2ゲートまでの距離より短くなり、その分、移動に要する時間が短くなるので、計量処理のサイクルを短くすることができる。
(8)本発明の他の実施態様では、前記部分連を少なくとも3つ以上有し、前記複数連の列方向の、外側に位置する部分連、該部分連に対応する前記第1集合シュート、及び、前記第1ゲートが、内側に位置する部分連、該部分連に対応する前記第1集合シュート、及び、前記第1ゲートに比べて、高位置に配置される。
複数連を構成する連の数が多くなって、列方向に沿って長くなると、列方向の外側に位置する部分連の各ホッパから排出される物品を、単一の第2集合シュートの中央の排出口へ集合させる外側に位置する部分連の第1集合シュート、及び、この第1集合シュートから排出される物品を集合させる第2集合シュートの傾斜角度が緩くなり、外側に位置する部分連のホッパから排出された物品を、高速で第2集合シュートの排出口へ集合させるのが難しくなる。
この実施態様によると、複数連の列方向の、外側に位置する部分連は、内側に位置する部分連に比べて、各部分連のホッパ、対応する第1集合シュート及び第1ゲートが、高位置にあるので、外側に位置する部分連の第1集合シュート及びこの第1集合シュートから排出された物品を集合させる第2集合シュートの傾斜角度をきつくすることができ、外側に位置する部分連のホッパから排出される物品を、高速で第2集合シュートの排出口へ集合させることができる。
(9)本発明の更に他の実施態様では、前記供給ユニットは、前記複数連の前記供給ホッパへ品種の異なる前記物品を供給する。
この実施態様によると、供給ユニットから複数連の供給ホッパへ品種の異なる物品を供給するので、品種の異なる物品の混合計量を行うことができる。
本発明によると、供給ホッパ及び計量ホッパを上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、各供給ホッパが直線状に並ぶように列設され、各供給ホッパへ物品を供給する供給ユニットが、計量ユニットの複数連に対向するように近接配置されるので、例えば、供給ホッパへ供給する物品の品種が多品種に亘る場合のように、計量ユニットの複数連を構成する連の数を多くしたい場合には、直線状に列設される計量ユニット及び供給ユニットを、直線状に増設すればよく、上記特許文献1のように分散フィーダを大径にして、分散フィーダを中心して全方向に占有スペースを広げる必要がなく、平面的にコンパクトなものとなる。
しかも、計量ユニットの複数連の各供給ホッパは、直線状に並んでいるので、複数連に対向して近接配置された供給ユニットから容易に物品を供給することができ、上記特許文献1のように、円形の分散フィーダを円周方向に複数に分割して互いに異なる方向から、円周方向に沿う各分割領域へ物品をそれぞれ供給する必要がない。
また、計量ユニットの複数連に対向して近接配置される供給ユニットは、供給ホッパへ物品を供給する供給位置から離間移動可能であるので、供給ユニットを、供給位置から大きく離間移動させて、供給ユニットと計量ユニットとの間に作業者が入れる空間をあけることで、計量ユニットの供給ホッパや計量ホッパを着脱しての洗浄、あるいは、各ユニットの点検整備等を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る計量装置の手前側の供給ユニット4を取り除いた状態の正面図であり、図2は、計量装置の側面図であり、図3は、供給ユニット4を離間移動させた計量装置の側面図であり、図4は、一部の供給ユニット4を離間移動させた計量装置の平面図である。
この実施形態の計量装置は、各種の食品や菓子、等の多品種、例えば、10品種の物品を所定少量ずつ組合せ計量するものであって、作業者Wが上り下り可能な階上の床面2に設置され、計量された物品を階下に設置した図示されていない包装機に投入して袋詰めする包装ラインに利用される。
なお、構造を理解し易くするために、以下の説明では、図1における横方向、図2,図3における紙面表裏方向、及び、図4の上下方向を、左右方向と呼称し、また、図1における紙面表裏方向、図2,図3における横方向、及び、図4の左右方向を、前後方向と呼称することとする。
図2ないし図4に示すように、計量装置の前後方向中央には、図示されていない支持枠を介してセンター基体1が床面2上に固定配備されている。
センター基体1の前面側(図2ないし図4の左側)と後面側(図2ないし図4の右側)のそれぞれには、左右一列状に列設した複数連ずつの計量ユニット3が、配備されている。この例では、図1,図4に示すように、各一列16連の計量ユニット3が列設されて、前後合わせて2列、計32連の計量ユニット3が備えられている。複数連を構成する連の数は、任意であり、混合する物品の品種の数等に応じた数とすればよい。
前面側の計量ユニット3群の前方側(図2ないし図4の左方側)、及び、後面側の計量ユニット3群の後方側(図2ないし図4の右方側)には、計量される多品種の物品を、直線状に並んだ各計量ユニット3の上部へ供給する供給ユニット4が、計量ユニット群3にそれぞれ対向して近接配置されている。
各一連の計量ユニット3は、供給ユニット4から搬送されてきた物品を一旦保持して排出する供給ホッパ5と、供給ホッパ5から排出された物品を保持して計量するための計量ホッパ6と、計量ホッパ6から排出された物品を保持するメモリホッパ7とを上下縦列状に配置した構造となっている。計量ユニット3の各ホッパ5,6,7は、センター基体1に従来と同様にして着脱可能に取付けられる。
なお、図示されていないが、供給ホッパ5、計量ホッパ6、メモリホッパ7の排出用のゲートを開閉するゲート駆動部や計量ホッパ6に供給された物品の重量を検出するための後述の重量センサ等が、センター基体1に収納支持されている。このセンター基体1と各供給ユニット4とは、図示しないケーブル等で接続されている。
各計量ユニット3は、上記のようにメモリホッパ7を備えており、組合せ演算に参加できるホッパ(有効ホッパ)の数を増やすことができる。
この実施形態では、前後各一列16連の計量ユニット3は、図1に示すように、左右方向に隣接する4連ずつの部分に区分された4つの部分連で構成されており、左右外側の2つ部分連が、内側の2つの部分連よりも高位置に配置されている。
各部分連における計量ホッパ6とメモリホッパ7の下方には、所定の重量となるように組合せ演算で選択された複数の計量ホッパ6、あるいは、メモリホッパ7から排出された物品を集める第1集合シュート8が配備されている。
各部分連に対応する各第1集合シュート8の下方には、各第1集合シュート8の排出口を開閉する第1ゲート9が設けられており、各第1集合シュート8で集められた物品を一時的に受け止め保持し、排出することができる。更に、複数の第1ゲート9の下方には、各第1集合シュート8から排出された物品を滑落案内して計量ユニット3群の中央下方に集める単一の第2集合シュート10と、第2集合シュート10の中央の排出口を開閉する第2ゲート11が設けられている。前側及び後側の計量ユニット3群で計量され集められた全品種の物品を、第2集合シュート10の中央の一か所に集めて、第2ゲート11で一時的に受止め保持し、第2ゲート11を開放して下方の包装機へ排出する。この第2ゲート11は、包装機側からの排出要求指令に基づいて開放制御される。
上記のように、左右外側の部分連の各ホッパ5,6,7、第1集合シュート8及び第1ゲート9を、内側の部分連の各ホッパ5,6,7、第1集合シュート8及び第1ゲート9よりも高く設置すると、左右外側の部分連の第1集合シュート8及び第2集合シュート10の傾斜角度を急角度にすることができ、排出された物品を、計量サイクルに必要な速度で、各集合ゲート8,10に沿って滑落させることができる。
供給ユニット4は、左右方向の外側の部分連とこれに隣接する内側の部分連との2つの部分連毎に1台ずつ対応しており、各部分連が4連で構成されるので、1台の供給ユニット4によって、8連分の計量ユニット3に物品を供給する。したがって、前面側の1列の計量ユニット3群の前方に2台、後面側の1列の計量ユニット3群の後方に2台の計4台の供給ユニット4が、左右に並列して配備されている。
供給ユニット4は、台枠12の上部に、物品を収容する高さの異なる4台ずつ、計8台の貯留ホッパ13と、各貯留ホッパ13の下端から繰り出された物品を計量ユニット3に向けて振動搬送する高さの異なる4台ずつ、計8台の供給フィーダ14を装備して構成されている。
各供給フィーダ14は、物品の搬送方向に沿って先下がり階段状に縦列配置された2台の第1,第2リニアフィーダ14a,14bと、各リニアフィーダ14a,14bを個別に振動駆動する加振機構15a、15bとで構成されている。このように供給フィーダ14を、2台の第1,第2リニアフィーダ14a,14bで構成することによって、物品を振動搬送する搬送距離を長くして、その間に物品を均して少量ずつ供給することができ、多品種少量の計量に好適である。
また、各リニアフィーダ14a,14b毎に、振動強度(振幅)を設定することができるので、物品の品種に応じて、適切な振動強度を設定することができる。
貯留ホッパ13から搬送方向の上流側の第1リニアフィーダ14aに投入供給された物品は、振動搬送されながらほぐされ、下流側の第2リニアフィーダ14bに移載され、第2リニアフィーダ14bによって振動搬送されて少量ずつ計量ユニット3の供給ホッパ5に送り込まれる。また、供給フィーダ14で振動搬送する際、搬送径路に形成されている第1リニアフィーダ14aと第2リニアフィーダ14bとの段差部における適度な落下衝撃によっても物品の塊がほぐされやすくなる。
各供給フィーダ14の上方には、上流側の第1リニアフィーダ14aの終端近くにおける物品の積層高さを、例えば、超音波で検知する物品検知センサ16がそれぞれ配備されており、その検知出力に基づいて、後述の制御装置によって加振機構15a,15bの振動強度等が制御され、計量ユニット3へ少量ずつ物品供給が行われるようにしている。
供給ユニット4における台枠12の下端四隅には、車輪17が備えられるとともに、床面2には、車輪17を係合案内するレール18が前後方向に沿って敷設されている。各供給ユニット4が、レール18に沿って列方向の計量ユニット3群に対して直交する方向で接近及び離間移動できるようになっている。
つまり、図3、図4に示すように、供給ユニット4を、計量ユニット3へ物品を供給する供給位置から外方に大きく離間移動させて、供給ユニット4と計量ユニット3との間に作業者が入れる空間をあけることで、計量ユニット3の各ホッパ5,6,7や供給ユニット4における各部材を着脱しての洗浄や点検整備を容易に行うことができるものとなっている。
なお、洗浄作業や点検整備等の後、供給ユニット4を計量ユニット3群に接近移動させる際、レール18近傍に突設されたストッパ19に台枠12が当接するまで接近移動させることで、供給フィーダ14の終端が供給ホッパ5に対して適正に位置決めされることになる。この位置決めされた供給位置で供給ユニット4を適宜ロック手段で固定して計量運転を開始することになる。
この実施形態では、1台の供給ユニット4を離間移動させることで、8連の計量ユニット3の正面を開放することができ、1連の計量ユニット3に対して1台の供給ユニット4を対向配備する場合に比べて、洗浄作業や点検整備等が容易となる。なお、一列の計量ユニット3群、この例では、16連の計量ユニット3に対して1台の供給ユニット4を対向配置すると、供給ユニット4の重量が大きいものになり、かえって取扱いにくいものになる。
物品を計量ユニット3の供給ホッパ5へ振動搬送する供給フィーダ14は、供給ユニット4の台枠12に設けられる一方、計量ユニット3の計量ホッパ6に供給された物品の重量を検出する重量センサは、センター基体1に設けられる、すなわち、物品の重量を検出する重量センサと、物品を振動搬送する供給フィーダ14とは、異なる筐体1,12にそれぞれ設けられる。これによって、上記特許文献1のように、物品を供給ホッパへ振動搬送する分散フィーダ及びリニアフィーダが、計量ホッパに供給された物品の重量を検出する重量センサと同一の筐体であるセンター基体に設けられる構成に比べて、重量センサが、フィーダから受ける振動の影響を低減することができる。
図5は、この実施形態に係る計量装置の制御ブロック図である。
各部を制御する制御装置41は、例えば、センター基体1内に収納されており、計量装置に対する操作、動作パラメータ等の各種の設定及び計量値等を表示する操作設定表示器42に接続されている。この制御装置41には、供給ユニット4の物品検知センサ16の検出出力及びセンター基体1に収納された複数の重量センサ40からの重量信号が与えられる。制御装置41は、供給ユニット4の各リニアフィーダ14a,14bの駆動を制御すると共に、各ホッパ5,6,7の排出用のゲート及び第1,第2ゲート9,11の開閉を制御する。
この制御装置41は、計量ホッパ6及びメモリホッパ7の物品の重量に基づいて、組合せ演算を行って適量組合せに選択されたホッパ6,7から物品を排出させる演算制御部43としての機能を有し、この演算制御部43は、計量ホッパ6へ供給される物品の重量が、所定重量範囲を超える過量である場合に、後述のようにリジェクト機構20によるリジェクトシュート21の出退動作を制御して、過量の物品を排除する。
なお、制御装置41は、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されてもよく、計量ユニット3側のセンター基体1と供給ユニット4とにそれぞれ設けるようにしてもよい。
供給ユニット4の台枠12には、図2,図3に示すように、計量ホッパ6に供給された過量の物品を排出するためのリジェクト機構20が備えられている。
図6は計量ユニット3及びリジェクト機構20を示す側面図である。
計量ホッパ6の下端には、独立して開閉作動可能な排出用の外ゲート6aと内ゲート6bが備えられており、外ゲート6aのみを外方に揺動開放させることで、計量した物品が第1送出径路(a)を介して直接下方の第1集合シュート8に送出され、内ゲート6bのみを内方に揺動開放させることで、計量した物品が第2送出径路(b)を介してメモリホッパ7へ送り込まれて一時保持されるようになっている。
すなわち、計量ホッパ6は、保持した物品を、異なる二つの排出方向に選択的に排出することが可能であり、排出された物品は、二つの経路である第1送出径路(a)、又は、第2送出径路(b)を通って第1集合シュート8、又は、メモリホッパ7へ送出される。
計量ホッパ6に供給された物品の重量が、所定重量範囲を超える過量である場合に、その過量の物品を排除するためのリジェクト機構20は、リジェクトシュート21と、これを前後水平に進退移動させる駆動機構としてのエアシリンダ22とを備え、リジェクトシュート21に投入した物品を回収する回収容器23が設けられる。
リジェクトシュート21は、計量ホッパ6の前記第1送出径路(a)に外側から対向して配備されている。通常時、図6に示すように、エアシリンダ22が短縮作動してリジェクトシュート21は、第1送出径路(a)の外側に退避しており、計量ホッパ6の外ゲート6aの開放に伴う物品の第1集合シュート8への排出を妨げることがない。
計量ホッパ6で計量された物品の重量が、所定重量範囲を超える過量である場合には、図7に示すように、エアシリンダ22が伸長作動して、リジェクトシュート21が第1送出径路(a)に進出するリジェクト状態となる。この状態で、外ゲート6aが開放作動されることで、計量ホッパ6内の過量の物品が、投入口及び排出口を有する筒状のリジェクトシュート21に排出され、過量の物品が回収容器23に流下回収される。また、回収が完了するとリジェクトシュート21は、第1送出径路(a)から退避した元の位置に戻り、計量ホッパ6の外ゲート6aが閉じられて次の物品の供給に備える。回収容器23は、異なる品種の物品が混じらないように、過量の物品を品種毎にそれぞれ回収できるように設けられている。これによって、回収された物品を、無駄なく効率的に再度の計量に供することができる。
なお、リジェクトシュート21の先端には、板材からなるガイド部材24が設けられている。このガイド部材24は、リジェクトシュート21が第1送出径路(a)から外方に退避した位置にある時、第1送出径路(a)に外方から対向した位置にあり、計量ホッパ6の外ゲート6aが開放されて排出される物品の外方への飛散をガイド部材24で阻止し、排出された物品を正しく第1集合シュート8に導くようになっている。
図1に示すように、供給ユニット4に備えられた貯留ホッパ13は、作業者にとって比較的高い位置に配備されるので、物品の補給を容易に行うために、高位置の物品供給位置と、低位置の物品補給位置とに切り換え昇降可能に構成すると便利である。
この貯留ホッパ13の昇降構造の一例が、図8に示されている。この例では、物品補給口13bを上方角部に備えた貯留ホッパ13が、台枠12に備えた支持ブラケット31に上下長孔32と2本ピン33a、33bを介して上下スライド、および、内外に反転回動可能に支持されている。
すなわち、長孔32の上部には、二股状に分岐された屈曲孔部が形成されており、貯留ホッパ13を上昇させた状態では、ピン33a、33bが屈曲孔の端部にそれぞれ支持されることで、貯留ホッパ13が供給フィーダ14の始端上に対向して起立する物品供給位置に安定保持される。この状態から貯留ホッパ13を、ピン33aを中心として外側に90度回動させた後、少し外方へ引き出すと、両ピン33a、33bが上下長孔32の直線部位に位置することになる。これによって、外方に回倒させた姿勢の貯留ホッパ13を、両ピン33a、33bと上下長孔32の案内によって、そのままの姿勢で下降させることができる。
その下降限界が低位置の物品補給位置となり、貯留ホッパ13の物品補給口13bへの物品補給や清掃を容易に行うことができる。また、貯留ホッパ13と支持ブラケット31の下部に亘って伸縮自在なダンパー34が架設され、貯留ホッパ13の回動や下降に適度の抵抗を与えるとともに、ホッパ持ち上げ操作のアシストを行うようになっている。なお、貯留ホッパ13の位置切り換え操作時に用いる取っ手13aは、隣接する2台の貯留ホッパ13に亘って装備されており、2台ずつ貯留ホッパ13の位置切り換え操作を行うようになっている。
このように、貯留ホッパ13を降ろして低い位置で楽に補給を行った後、貯留ホッパ13を持ち上げるだけで所定の物品供給位置にセットすることができ、例えば、高位置に固定された貯留ホッパまで補給用の容器などを持ち上げて補給する場合に比べて補給作業が容易となる。
この実施形態では、多品種、例えば、10品種の物品を混合計量するものであり、予め32連の計量ユニット3を、品種等を考慮して、例えば、4連、3連、2連など品種毎に連を適宜割り当て、操作設定表示器42を操作して制御装置42に割り当てた品種毎の連を登録する。登録した計量ユニット3の各連に対応する供給ユニット4の貯留ホッパ13に、対応する品種の物品を貯留して運転を行う。
制御装置41の演算制御部43は、各品種の物品にそれぞれ対応する計量ユニット3の計量ホッパ6及びメモリホッパ7の各品種の物品の重量に基づいて、組合せ演算を行う。この組合せ演算は、特に限定されず、従来公知の混合計量の組合せ演算を行えばよい。例えば、それぞれ所定重量範囲にある第1品種から第9品種までの9品種の物品について排出するホッパを決定し、それら9品種の物品の合計重量に、加算した重量が、目標組合せ重量を下限値とする許容重量範囲となる第10品種のホッパを選択し、決定した前記9品種の物品のホッパ、及び、選択した第10品種の物品のホッパを適量組合せのホッパとし、この適量組合せのホッパから物品を排出し、第1集合シュート8、第1ゲート9、第2集合シュート10及び第2ゲート11を介して包装機へ投入する。
これによって、合計重量が、許容重量範囲となる10品種の物品が混合された混合物品が、包装機で包装される。
上記のように、本実施形態によれば、供給ホッパ5及び計量ホッパ6を上下に一連に有する計量ユニット3の複数連を、各供給ホッパ5が直線状に並ぶように列設され、各供給ホッパ5へ物品を供給する供給ユニット4が、計量ユニット3の複数連に対向するように近接配置されるので、例えば、供給ホッパ5へ供給する物品の品種が多品種に亘る場合のように、計量ユニット3の複数連を構成する連の数を多くしたい場合には、直線状に列設される計量ユニット3及び供給ユニット4を、直線状に増設すればよく、上記特許文献1のように分散フィーダを大径にして、分散フィーダを中心して全方向に占有スペースを広げる必要がなく、平面的にコンパクトなものとなる。
また、計量ユニット3の複数連を、センター基体1の両側に2列備え、各列にそれぞれ対応する供給ユニット4が、計量ユニット3の複数連に対向して近接配置されるので、同じ連数を1列のみで構成するのに比べて、列方向の長さを短くして平面スペースを有効に利用し、計量ユニット3及び供給ユニット4を集約して配置することができる。
[その他の実施形態]
(1)図9に示すように、左右方向の外側及び内側に位置する部分連の高さを揃えてもよい。この図9では、計量ユニット3の左右方向の連数を2連減らし、前後方向と合せて計4連減らし、左右方向の内側の部分連は3連、外側の部分連は4連としている。
(2)上記実施形態では、多品種の物品の混合計量に適用して説明したが、本発明の計量装置は、混合計量に限らず、例えば、連数を少なくして単一品種の物品の組合せ計量に適用してもよい。
(3)上記実施形態では、各計量ユニット3にメモリホッパ7を備えて、組合せ演算に参加できる有効ホッパの数を増やしたが、メモリホッパ7は、省略してもよい。
(4)上記実施形態では、各部分連の各第1集合シュート8には、第1ゲート9を設け、各部分連のホッパから排出された物品を一時保持するようにしているが、第1ゲート9を省略し、各部分連のホッパから排出された物品を、直接に第2集合シュート10で集合させるようにしてもよい。