JP6722096B2 - ガラス基板、及びガラス基板積層体 - Google Patents
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Description
たとえば、熔融ガラスを生成した後成形工程に供給するまでの間の熔融ガラスは極めて高温状態になるため、熔融、清澄、供給、攪拌を行う装置は、耐熱性の高い白金族金属である白金を含有する部材が用いられる(例えば、特許文献1)。
このように、ガラス基板に混入する白金族金属の異物(凝集物)の量を低減することが好ましい。しかし、成形前の熔融ガラスの温度は極めて高く、特に、清澄工程を行う清澄管では、白金族金属の揮発を誘発する原因である酸素を清澄管の気相空間雰囲気から排除することはできず、白金族金属の揮発を完全になくすことはできない。また、清澄管において、白金族金属の揮発物の凝集を生じさせる原因である装置内壁面の温度差を0にすることもできず、白金族金属の揮発を完全になくすことはできない。このため、製造過程で熔融ガラス中に白金族金属の異物(凝集物)が混入することを完全に阻止することは難しい。
(第1の形態)
ガラス基板の製造方法は、
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスの導入により、前記熔融ガラスの表面と壁に囲まれた気相空間が形成される空間を有し、前記壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成されたガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する工程であって、前記熔融ガラスの処理時、前記気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が異物として前記熔融ガラスに混入する熔融ガラス処理工程と、を備え、
前記熔融ガラスに混入した凝集物のうち、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合が70%以上になるように、前記熔融ガラスに混入した凝集物の大きさを小さくする凝集物処理工程と、を備える。
ガラス基板の製造方法は、
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスからなる液相と、前記熔融ガラスの液面と壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成されたガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する工程であって、前記熔融ガラスの処理時、前記気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が異物として前記熔融ガラスに混入する熔融ガラス処理工程と、
前記熔融ガラス処理工程で熔融ガラスに混入した凝集物のうち、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合が70%以上になるように、前記熔融ガラスに混入した凝集物の大きさを小さくする凝集物処理工程と、を備える。
ガラス基板の製造方法は、
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスの導入により、前記熔融ガラスの表面と壁に囲まれた気相空間が形成される空間を有し、前記壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成されたガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する工程であって、前記熔融ガラスの処理時、前記気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が異物として前記熔融ガラスに混入する熔融ガラス処理工程と、を備え、
前記熔融ガラスに混入した凝集物の大きさが小さくなるように、前記熔融ガラスにおける前記凝集物の溶解度を調整する凝集物処理工程、を備える。
ガラス基板の製造方法は、
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスからなる液相と、前記熔融ガラスの液面と壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成されたガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する工程であって、前記熔融ガラスの処理時、前記気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が異物として前記熔融ガラスに混入する熔融ガラス処理工程と、を備え、
さらに、前記凝集物に与える熱量が、前記熔融ガラスに混入した前記凝集物の大きさを小さくすることができる最小熱量以上となるように、前記凝集物に与える熱量を制御する凝集物処理工程、を備える。
前記ガラス基板の製造方法において、前記気相空間と接する前記壁の最高温度と最低温度との差を5℃以上にし、前記気相空間は酸素を含む、第1の形態〜第4の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記凝集物処理工程は、前記凝集物を含む前記熔融ガラスの温度を、前記熔融ガラス処理工程において凝集物が熔融ガラスに混入する領域における熔融ガラスの温度と比べて高くなるように昇温させる、前記第1の形態〜前記第5の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。あるいは、前記凝集物処理工程において、前記熔融ガラスの温度は最高温度となる。
前記凝集物処理工程では、前記凝集物の熔融ガラスへの溶解度を、前記熔融ガラス処理工程において凝集物が熔融ガラスに混入する領域における前記溶解度に比べて高くする、前記第1の形態〜前記第6の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。あるいは、前記凝集物処理工程は、前記凝集物の熔融ガラスへの溶解度高めることで、前記熔融ガラスに混入した凝集物の大きさを小さくする、前記第1の形態〜前記第6の形態のいずれか1つの形態のガラス基板の製造方法。詳細には、前記凝集物処理工程は、前記凝集物の熔融ガラスへの溶解度高めるように熔融ガラスを加熱制御することで、前記熔融ガラスに混入した凝集物の大きさを小さくする、前記第1の形態〜前記第6の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記ガラス処理装置は、清澄管を有する清澄装置であり、
前記熔融ガラスは、前記清澄管を流れ、
前記清澄管内の前記気相空間は、前記熔融ガラスの流れの方向に沿って形成され、前記凝集物処理工程は、前記清澄管で行われる、前記第1の形態〜前記第7の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記熔融ガラス処理工程では、前記熔融ガラスに含まれる酸化スズを用いて前記熔融ガラス中の泡数を低減する清澄処理を行い、前記熔融ガラスは、前記ガラス処理装置を流れ、前記気相空間と接する前記壁には、前記熔融ガラスの流れの方向に沿って温度分布を形成させ、前記気相空間には、前記熔融ガラスの流れの方向に沿って酸素濃度分布を形成させる、前記第1の形態〜前記第8の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記凝集物処理工程は、前記ガラス処理装置で行われ、前記熔融ガラスは、前記ガラス処理装置を流れ、前記ガラス処理装置を流れる熔融ガラスのうち、前記気相空間における熔融ガラスの流れ方向において、酸素濃度が最も高くなる領域と対応する位置を流れる熔融ガラスに対して行われる、前記第1の形態〜前記第9の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記気相空間中の酸素濃度を、0%超であって、1.0%以下にし、前記気相空間と接する前記壁の最高温度と最低温度の差を、5℃以上であって、100℃以下にする、前記第1の形態〜前記第10の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記凝集物処理工程における前記熔融ガラスの温度を、1670℃〜1730℃の温度範囲とするように熔融ガラスの温度を制御する、前記第1の形態〜前記第11の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記熔融ガラス処理工程において凝集物が熔融ガラスに混入する領域における前記熔融ガラスの温度を、1580℃〜1660℃の温度範囲とするように熔融ガラスの温度を制御する、前記第1の形態〜前記第12の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記熔融ガラス処理工程は、前記凝集物処理工程を含む、前記第1の形態〜前記第13の形態のいずれか1つの形態に記載のガラス基板の製造方法。
前記ガラス基板は、ディスプレイ用ガラス基板である、前記第1の形態〜前記第14の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
前記凝集物処理工程開始時の前記熔融ガラス中に溶けている白金族金属の濃度を、0.05〜20ppmにする、前記第1の形態〜前記第15の形態のいずれか1つの形態に記載のガラス基板の製造方法。
前記凝集物処理工程では、ガラス基板の[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])が0.2〜0.5となる範囲で前記熔融ガラスの前記白金族金属の飽和溶解度を調整する、前記第1の形態〜前記第16の形態のいずれか1つの形態に記載のガラス基板の製造方法。
前記ガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が0〜0.5質量%である、前記第1の形態〜前記第17の形態のいずれか1つの形態に記載されたガラス基板の製造方法。
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスの導入により、前記熔融ガラスの表面と壁に囲まれた気相空間が形成される空間を有し、前記壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成されたガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する工程であって、前記熔融ガラスの処理時、前記
気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が異物として前記
熔融ガラスに混入する熔融ガラス処理工程と、
前記熔融ガラス処理工程において、前記熔融ガラスに混入した凝集物の少なくとも一部を前記熔融ガラスに溶解させる凝集物処理工程と、を備え、
前記凝集物処理工程開始時の前記熔融ガラス中に溶けている白金族金属の濃度を、0.05〜20ppmにする、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
前記熔融ガラスの導入によって前記熔融ガラスの表面と壁に囲まれる気相空間が形成され、前記気相空間に接する壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成されたガラス処理装置を用いて前記熔融ガラスを処理する工程であって、前記熔融ガラスの処理時、前記気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が前記熔融ガラスに混入する熔融ガラス処理工程と、
前記熔融ガラス処理工程で前記熔融ガラスに混入した凝集物の少なくとも一部を前記熔融ガラスに溶解させる凝集物処理工程と、を備え、
前記凝集物処理工程では、新たに作製されるガラス基板に含まれる前記凝集物の欠陥個数が許容レベルになるように、前記ガラス処理装置を用いて作製したガラス基板において検出された前記凝集物の欠陥個数に基づいて前記熔融ガラスの温度を調整することで前記凝集物白金族金属の飽和溶解度を調整することを特徴とするガラス基板の製造方法。
ここで、記凝集物処理工程では、前記凝集物の飽和溶解度を調整するために、前記熔融ガラスの温度を1660〜1750℃の範囲で調整することが好ましい。
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
前記熔融ガラスの導入によって前記熔融ガラスの表面と壁に囲まれる気相空間が形成され、前記気相空間に接する壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成されたガラス処理装置を用いて前記熔融ガラスを処理する工程であって、前記熔融ガラスの処理時、前記気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が前記熔融ガラスに混入する熔融ガラス処理工程と、
前記熔融ガラス処理工程で前記熔融ガラスに混入した凝集物の少なくとも一部を前記熔融ガラスに溶解させる凝集物処理工程と、を備え、
前記凝集物処理工程では、ガラス基板に含まれる前記凝集物の欠陥個数が許容レベルになるように、ガラス基板の[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])を0.2〜0.5の範囲で調整することにより、前記熔融ガラスの前記白金族金属の飽和溶解度を調整することを特徴とするガラス基板の製造方法。
ここで、前記[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])は、前記ガラス基板が含有する酸化錫の含有量及びガラス原料に含まれる酸化物の含有量の少なくともいずれかを調節することにより調整されることが好ましい。
(第22の形態)
前記ガラス基板積層体の前記ガラス基板の体積の合計は0.1m3以上であり、
前記ガラス基板積層体が含む全白金族金属の凝集物は、最小長さが2μm以下である線状物であり、前記凝集物は、50μmを超える最大長さの凝集物を含み、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合は、70%以上であり、最大長さが30μm以下である凝集物の個数の割合は、90%以上であり、
前記ガラス基板の[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])は0.2〜0.5である、ことを特徴とするガラス基板積層体。
(第23の形態)
ガラス基板が含む白金族金属の凝集物は、最小長さが2μm以下である線状物であり、前記凝集物は、50μmを超える最大長さの凝集物を含み、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合は、70%以上であり、最大長さが30μm以下である凝集物の個数の割合は、90%以上であり、
前記ガラス基板の[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])は0.2〜0.5である、ことを特徴とするガラス基板。
(第24の形態)
ガラス基板製造装置は、
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解装置と、
前記熔融ガラスの導入により、前記熔融ガラスの表面と壁に囲まれた気相空間が形成される空間を有し、前記壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された、前記熔融ガラスを処理する装置であって、前記熔融ガラスの処理時、前記気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が異物として前記熔融ガラスに混入するガラス処理装置と、
前記熔融ガラス処理工程で熔融ガラスに混入した凝集物のうち、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合が70%以上になるように、前記熔融ガラスに混入した凝集物の大きさを小さくする処理手段と、を備える。
(第25の形態)
ガラス基板製造装置は、
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解装置と、
前記熔融ガラスの導入により、前記熔融ガラスの表面と壁に囲まれた気相空間が形成される空間を有し、前記壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された、前記熔融ガラスを処理する装置であって、前記熔融ガラスの処理時、前記気相空間に存在する、前記壁から揮発した白金族金属の揮発物の凝集物が異物として前記熔融ガラスに混入するガラス処理装置と、を備え、
前記熔融ガラスに混入した凝集物の大きさが小さくなるように、前記熔融ガラスにおける前記凝集物の溶解度を調整する手段、を備える。
また、前記第1の形態〜前記第21の形態のガラス基板の製造方法、前記第22の形態のガラス基板積層体、前記第23の形態のガラス基板、及び前記第24、25の形態のガラス基板製造装置のいずれか1つの形態における前記ガラス基板は、650℃以上の歪点を有するガラス基板である。
このように、ガラス基板に混入する白金族金属の異物(凝集物)の大きさを小さくすることにより、ガラス基板に歪が生じ難く、ガラス基板の主表面の凹凸を作りにくくすることができる。このため、従来の問題を改善して、ガラス基板の製造歩留まりを改善する。
以降の説明では、凝集物の溶融ガラスに対する溶解度が、凝集物が熔融ガラスに溶解して大きさを小さくすることができる最小溶解度以上となるように、溶解度を調整する条件を制御する例として、凝集物に与える熱量が、熔融ガラスに混入した凝集物の大きさを小さくすることができる最小熱量以上となるように、凝集物に与える熱量を制御する例を挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係るガラス基板製造方法の工程の一例を示すフローチャートである。ガラス基板の製造方法は、図1に示されるように、主として、熔解工程S1と、清澄工程S2と、攪拌工程S3と、成形工程S4と、徐冷工程S5と、切断工程S6とを備える。
図2は、本実施形態に係るガラス基板製造装置200の構成の一例を示す模式図である。ガラス基板製造装置200は、熔解槽40と、清澄管41と、攪拌装置100と、成形装置42と、移送管43a,43b,43cとを備える。移送管43aは、熔解槽40と清澄管41を接続する。移送管43bは、清澄管41と攪拌装置100を接続する。移送管43cは、攪拌装置100と成形装置42を接続する。
熔解槽40では、ガラス原料は、その組成等に応じた温度に加熱されて熔解される。これにより、熔解槽40では、例えば、1500℃〜1620℃の高温の熔融ガラスGが得られる。なお、熔解槽40では、少なくとも1対の電極間に電流を流すことで、電極間の熔融ガラスGが通電加熱されてもよく、また、通電加熱に加えてバーナーによる火焔を補助的に与えることで、ガラス原料が加熱されてもよい。
清澄工程S2では、熔融ガラスGの清澄を十分に行なうという観点からは、移送管43aの内部を流れる熔融ガラスGの温度は、降温されることなく、順次昇温されることが好ましい。熔解工程S1の後、熔融ガラスGは1630℃以上まで3℃/分以上の速度で昇温されることが好ましい。
移送管43aを流れる熔融ガラスGの最高温度は1620℃〜1690℃であり、1640℃〜1670℃であることが好ましい。また、移送管43aと清澄管41を接続する領域である清澄管入口での熔融ガラスGの温度は、1610℃〜1680℃であり、1630℃〜1660℃であることが好ましい。さらに、清澄管41と移送管43bとを接続する領域である清澄管出口での熔融ガラスGの温度は、1530℃〜1600℃であり、1540℃〜1580℃であることが好ましい。
清澄管41において清澄された熔融ガラスGは、清澄管41から移送管43bを通過して攪拌装置100に流入する。熔融ガラスGは、移送管43bを通過する際に冷却される。
具体的には、攪拌装置100では、清澄管41を通過する熔融ガラスGの温度よりも低い温度で、熔融ガラスGが攪拌される。例えば、攪拌装置100において、熔融ガラスGの温度は、1250℃〜1450℃である。例えば、攪拌装置100において、熔融ガラスGの粘度は、500ポアズ〜1300ポアズである。熔融ガラスGは、攪拌装置100において攪拌されて均質化される。
攪拌装置100で均質化された熔融ガラスGは、攪拌装置100から移送管43cを通
過して成形装置42に流入する。熔融ガラスGは、移送管43cを通過する際に、熔融ガ
ラスGの成形に適した粘度となるように冷却される。例えば、熔融ガラスGは、1100〜1300℃まで冷却される。
なお、本実施形態の攪拌工程S3は、清澄工程S2の後に行なわれるが、攪拌工程S3は、清澄工程S2の前に行われてもよい。この場合、攪拌工程S3時の熔融ガラスGの温度は、清澄管41内の熔融ガラスGの温度と同等か高くてもよい。
ラスからシートガラスが連続的に成形される。
具体的には、成形装置42に流入した熔融ガラスGは、成形炉(図示せず)の内部に設置されている成形体52に供給される。成形体52の上面には、成形体52の長手方向に沿って溝が形成されている。熔融ガラスGは、成形体52の上面の溝に供給される。溝から溢れた熔融ガラスGは、成形体52の一対の側面を伝って下方へ流下する。成形体52の側面を流下した一対の熔融ガラスGは、成形体52の下端で合流して、シートガラスGRが連続的に成形される。
し、かつ、歪みおよび反りが生じないように徐々に冷却される。
切断工程S6では、徐冷工程S5で徐冷されたシートガラスが所定の長さに切断されて、ガラスシートが得られる。ガラスシートは、さらに、所定のサイズに切断されて、ガラス基板が得られる。
本実施形態は、複数枚のガラス基板を積層して形成されたガラス基板積層体及びガラス基板を提供する。
本実施形態のガラス基板積層体は、その体積の合計は0.1m3以上であり、このガラス基板積層体が含む全白金族金属の凝集物のうち、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合は、70%以上である、ことを特徴とする。このようなガラス基板積層体は、後述するように、ガラス基板に歪が生じ難く、ガラス基板の主表面の凹凸を作りにくくすることができる。このため、上記積層体の各ガラス基板は、ディスプレイ用ガラス基板に好適であり、特に、画面表示において高精細が求められるディスプレイパネル用ガラス基板において有効である。
また、本実施形態のガラス基板は、ガラス基板が含む白金族金属の凝集物のうち、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合は、70%以上であることを特徴とする。このような構成のガラス基板により、後述するように、ガラス基板に歪がより生じ難く、ガラス基板の主表面の凹凸をより作りにくくすることができる。
なお、ガラス基板積層体及びガラス基板は、含有する白金族金属の凝集物のうち、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合が90%以上であることがより好ましい。また、ガラス基板積層体及びガラス基板は、含有する白金族金属の凝集物のうち、最大長さが30μm以下である凝集物の個数の割合が90%以上であることがより好ましい。
ガラス基板に用いるガラスは、歪点が600℃以上であるガラスが、後述するガラス基板の製造方法に適している。上記歪点は650℃以上であることがより好ましく、690℃以上であることがよりいっそう好ましく、730℃以上であることが特に好ましい。
ディスプレイ用ガラス基板としては、無アルカリガラス、または、アルカリ微量含有ガラスが用いられる。ディスプレイ用ガラス基板は、高温時における粘性が高い。例えば、102.5ポアズの粘性を有する熔融ガラスの温度は、1500℃以上である。なお、無アルカリガラスは、アルカリ金属酸化物(R2O)を実質的に含まない組成のガラスである。アルカリ金属酸化物を実施的に含まないとは、原料等から混入する不純物を除き、ガラス原料としてアルカリ金属酸化物を添加しない組成のガラスであり、例えば、アルカリ金属酸化物の含有量は0.1質量%未満である。
熔解槽40では、図示されない加熱手段によりガラス原料が熔解され、熔融ガラスGが生成される。ガラス原料は、所望の組成のガラスを実質的に得ることができるように調製される。ガラスの組成の一例として、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板等のディスプレイ用ガラス基板として好適な無アルカリガラスは、SiO2 50質量%〜70質量%、Al2O3 0質量%〜25質量%、B2O3 0質量%〜15質量%、MgO 0質量%〜10質量%、CaO 0質量%〜20質量%、SrO 0質量%〜20質量%、BaO 0質量%〜10質量%を含有する。なお、BaO 0質量%〜10質量%に代えて、BaO 0質量%〜20質量%としてもよい。ここで、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計の含有量は、5質量%〜30質量%である。
次に、本実施形態における清澄装置の清澄管41の構成について詳細に説明する。なお、清澄装置は、清澄管41の他に、通気管41a、加熱電極41b、及び、清澄管41の外周を囲む図示されない耐火物保護層及び耐火物レンガを含む。図3は、清澄管41を主に表す外観図である。図4は、清澄管41の内部を表す断面図と清澄管の温度プロファイルの一例を示す図である。
このような清澄管41の内部を流れる熔融ガラスGの温度は、清澄管41を流れる電流を制御することで制御することができる。
加熱電極41bは清澄管41に一対設けられるが、加熱電極41bの数は特に制限されない。加熱電極41bの電流量を制御することで、清澄管41の気相空間41cと接する壁の温度は、例えば1500〜1750℃の範囲に制御される。
このため、脱泡処理の途中から、あるいは脱泡処理の終了後から、熔融ガラスGに混入する白金族金属の異物(凝集物)の大きさを低減させる凝集物処理工程を行う。
脱泡処理の終了後から凝集物処理工程を行う場合、白金族金属の異物(凝集物)を含む熔融ガラスGの温度を、白金族金属の異物(凝集物)が熔融ガラスGに混入する領域における熔融ガラスの温度と比べて高くなるように熔融ガラスGを昇温させることが好ましい。
また、脱泡処理工程の途中から凝集物処理工程を行う場合、脱泡処理工程と凝集物処理工程が同時に行われる。脱泡処理工程の途中から凝集物処理工程を行なう場合、脱泡処理工程と凝集物処理工程が同時に行われる場合がある。脱泡処理工程の途中から凝集物処理工程を行う場合、凝集物処理工程において熔融ガラスが最高温度となる。すなわち、脱泡処理工程(熔融ガラス処理工程)は、凝集物処理工程を含んでもよい。
また、本実施形態では、上記凝集物処理工程において、熔融ガラスに混入した白金族金属の異物(凝集物)の熔融ガラスへの溶解度を、熔融ガラス処理工程において白金族金属の異物(凝集物)が熔融ガラスに混入する領域における溶解度に比べて高くなるように溶解度を制御することも好ましい。異物(凝集物)の熔融ガラスGへの溶解度を高くする場合、熔融ガラスGの温度を上昇させることで、凝集物の熔融ガラスへの溶解度を高める、あるいは、熔融ガラスGの温度を上昇させ及び/又は処理時間を長くすることで、異物(凝集物)の熔融ガラスGへの溶解量を高めることができる。
凝集物処理工程前は、最大長さが100μm以上である白金族金属の異物(凝集物)の割合が80%を超える。また、本実施形態では、凝集物処理工程前の白金族金属の異物(凝集物)とは、最大長さの最小長さに対する比であるアスペクト比が100を超える白金族金属の異物を指す。例えば、白金族金属の異物(凝集物)の最大長さが50μm〜300μm、最小長さが0.5μm〜2μmである。
凝集物の溶解度を調整するための条件としては、例えば、
(a)熔融ガラスに溶けている白金族金属の濃度、
(b)熔融ガラスの温度あるいは温度分布(凝集物に与える熱量)、
(c)気相空間の圧力、
(d)熔融ガラスの酸素活量、が挙げられる。
凝集処理工程開始時の熔融ガラスに溶けている白金族金属の濃度が低いほど、白金処理工程において、熔融ガラス中の白金族金属の異物が溶解する溶解度は上昇する。熔融ガラスの白金族金属の濃度は、例えば、清澄管内の熔融ガラスをサンプリングし、冷却後粉砕してICP定量分析を用いた測定により求めることができる。
白金族金属の濃度を低くし過ぎると、白金族金属の凝集物の溶解度が大きくなる反面、熔融ガラスと接する清澄管の壁から熔融ガラスに白金族金属が溶出して、清澄管の熔損を起こす場合がある。
このようなデメリットの発生を抑える観点から、白金族金属の濃度は、調整されている。
これにより、ガラス基板の製造工程中、白金族金属の凝集物が熔融ガラスに混入しても、白金族金属の凝集物の欠陥個数を許容レベルにしたガラス基板を製造することができる。
清澄管41において、熔融ガラスに混入した白金族金属の凝集物の溶解度は、熔融ガラスの温度を高くすることで増加させることができる。熔融ガラスの温度あるいは温度分布
については、上述しているので説明を省略する。
・リボイル泡の増加
清澄管41において熔融ガラスの温度を高くし過ぎると、脱泡処理工程において過剰に脱泡されるため、熔融ガラスの酸素活量は低くなり、その結果、熔融ガラスは還元状態になる。この状態で、吸収処理工程が行われると、以下のメカニズムに従って、熔融ガラス中にリボイル泡が過剰に発生して、ガラス基板にリボイル泡の気泡が残存する場合がある。リボイル泡は、具体的には、熔融ガラスに不純物として含まれる硫黄や炭素に起因して生じたSO2あるいはCO2等を含む泡である。熔融ガラスの還元状態が時間的に長くなる場合、熔融ガラスに溶存しているSO3、CO3が容易に還元されることでSO2、CO2が生成しやすい。このSO2、CO2はSO3、CO3に比べて熔融ガラスに溶解されにくいために気泡となりやすい。このようなリボイル泡が多く発生すると、ガラス基板に泡欠陥として残り、ガラス基板の品質を低下させる場合がある。なお、ガラス基板に残存した泡は、例えば、レーザ顕微鏡または目視により検出される。
・ガラス成分の揮発量の増加
清澄管41において熔融ガラスの温度を高くし過ぎると、熔融ガラスの成分、例えばB2O3が気相空間に多く揮発する。この結果、ガラス組成が局部的に変化してガラスの熱膨張係数や粘度等のガラス特性が局所的に変わり、脈理等のスジをガラス基板に発生させる。
・白金族金属の揮発量の増加
清澄管41において、熔融ガラスの温度を高くし過ぎると、熔融ガラスに接する気相空間の温度も高くなり、さらには、熔融ガラスの脱泡処理によって気相空間に放出された酸素の量が多くなり、その結果、気相空間を囲む清澄管の壁から白金族金属が揮発しやすくなる。白金族金属の揮発量が増えると、気相空間の白金族金属の濃度が高くなり、凝集および凝集物の熔融ガラスへの混入が起きやすくなる。
・清澄管の熔損
清澄管41において、熔融ガラスの温度を高くし過ぎると、熔融ガラスに接する清澄管41の壁が熔損してしまう場合がある。
このようなデメリットの発生を抑える観点から、清澄管41における熔融ガラスの温度あるいは温度分布の調整が行われる。
白金族金属の凝集物の溶解度は、清澄管41の気相空間41cの圧力を高くすることで増加させることができる。気相空間の圧力とは、気相空間に含まれる気体の全圧を意味する。
気相空間41cの圧力の調整は、例えば、気相空間41c内の気体が通気管41aを通って清澄管41の外側に吸引される量(吸引量)や、清澄管41内へのガス、例えば不活性ガスの供給量、熔融ガラスから放出されるガスの放出量を調整することによって行うことができる。吸引量は、例えば、清澄管41の通気管41aの出口を吸引装置と接続したり、上記出口を狭める等して、気相空間41cと清澄管41の外側の大気との圧力差の大きさを調節することで調整できる。熔融ガラスから放出されるガスの放出量は、例えば、熔融ガラスに含まれる清澄剤の量、ガラス成分の配合比を調整することで調整できる。なお、気相空間41cの圧力が、清澄管41の外側の大気圧より高いまたは低いことは、例えば、通気管41aから放出されるガス量によって求めることができる。
熔融ガラス中の異物を熔融ガラスに溶かすために、気相空間41cの圧力を高くする方法は、上述したように、清澄管41内へのガスの供給量、例えば不活性ガスの供給量、あるいは熔融ガラスから放出されるガスの放出量を調整することによって行うことができる。気相空間41cの圧力は例えば0.8〜1.2atmの範囲で調整されることが好ましい。
・清澄不良
気相空間41c内の圧力を高くし過ぎると、脱泡処理工程において、熔融ガラス中に発生した泡が熔融ガラスの表面から放出され難くなり、清澄不良を招く場合がある。
・白金族金属の揮発量の増加
気相空間41c内の圧力を高くし過ぎると、清澄管41の外側の大気との圧力差が大きくなって、気相空間41内の気流の流速が上昇する。このため、気相空間41c内の白金族金属の濃度が上昇せず飽和状態になり難いため、清澄管41の壁からの白金族金属の揮発量が増加する。
このようなデメリットの発生を抑える観点から、気相空間の圧力の調整が行われる。
清澄管41において、白金族金属の凝集物の溶解度は、熔融ガラスの酸素活量を上昇させることにより、増加させることができる。熔融ガラスの酸素活量とは、熔融ガラスに溶存する酸素量(気泡として熔融ガラス中に存在するものを除く)を意味する。本実施形態では、酸素活量の指標として、[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])が用いられる。ここで、[Fe2+]及び[Fe3+]は、熔融ガラスに含まれるFe2+及びFe3+の活量であり、具体的には、質量百分率表示含有量であり、分光光度法を用いて計測することができる。
例えば、清澄工程における脱泡処理工程では、熔融ガラスの温度が高くなって、熔融ガラスに溶存する酸素が気泡となって脱泡されるため、熔融ガラスの酸素活量は低下する。一方、清澄工程において、熔融ガラスの温度が低くなると、清澄剤が酸素を取り込むため、酸素活量は増大する。
熔融ガラスの酸素活量は、例えば、熔解工程において、熔融ガラスに含まれる清澄剤、酸化物の量を調整することのほか、熔融ガラスに含まれる清澄剤あるいはガラス原料の酸化物の量を調整することのほか、清澄工程において、凝集物処理工程開始前の熔融ガラスの温度を調整すること、あるいは凝集物処理工程開始前に熔融ガラス内に酸素含有ガスをバブリングすることによって調整することができる。
熔融ガラス中の酸素活量の調整は、熔融ガラスの温度あるいは温度分布の調整とともに行われてもよい。また、熔融ガラス中の酸素活量を調整は、気相空間41cの圧力の調整とともに行われてもよい。熔融ガラス中の酸素活量を調整は、上述したように、熔融ガラスに含まれる清澄剤あるいはガラス原料の酸化物の量を調整することのほか、清澄工程において、凝集物処理工程開始前の熔融ガラスの温度を調整すること、あるいは、凝集物処理工程開始前に熔融ガラス内に酸素含有ガスをバブリングすることによって調整することができる。凝集物処理工程中、酸素活量の指標である[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])を例えば0.2〜0.5の範囲で調整することが好ましい。
・白金族金属の揮発量の増加
熔融ガラスの酸素活量を大きくし過ぎると、脱泡処理工程において熔融ガラスから気相空間に放出される酸素量が増加し、気相空間の酸素濃度が上昇するため、白金族金属が容易に酸化されて揮発しやすくなる。白金族金属が揮発しやすくなると、白金族金属の凝集物が生成しやすく、熔融ガラスに混入しやすくなる。
・酸素泡の熔融ガラス中の残存
熔融ガラスの酸素活量を大きくし過ぎると、吸収処理工程において、還元された清澄剤が酸素を取り込めなくなり、酸素を含んだ泡(酸素泡)が熔融ガラス中に生成され、ガラス基板において泡として残るため、ガラス基板の品質を低下させやすくなる。
このようなデメリットの発生を抑える観点から、熔融ガラスの酸素活量の調整によって白金族金属の凝集物の溶解量を大きくする際には、適宜条件パラメータ(熔融ガラスの温度等)を組み合わせて調整することが好ましい。
ガラス基板中の白金族金属の凝集物の欠陥は、ガラス基板の表面に斜め方向からレーザ光等の光を入射させ、その反射光を受光することを、ガラス基板の各位置で行ない、受光により得られた画像から白金族金属の凝集物の形状に合致する領域を特定することにより、検出することができる。凝集物の欠陥は、このように装置を用いて行う代わりに目視によって検出してもよい。この凝集物の欠陥個数の許容レベルは、単位質量で表したとき、例えば0.02個/kg以下である。上記許容レベルは、ガラス基板のユーザが求める、歪みや主表面の凹凸に関するスペックに応じて変化する。
例えば、ガラス基板において検出された欠陥個数が許容レベルを超えていた場合は、熔融ガラスの温度を高くして、熔融ガラスにおける白金族金属の飽和溶解度を高くし、これにより、熔融ガラスに混入した凝集物の溶解を促進させる。一方、ガラス基板において検出された欠陥個数が許容レベルにある場合は、許容レベルにある欠陥個数の上限値と対応する熔融ガラスの温度より高い範囲内で低くすることができる。このように熔融ガラスの温度を調整することで、白金族金属の飽和溶解度を適正な範囲に調整することができ、これにより、ガラス基板に含まれる凝集物の欠陥個数を許容レベルにしつつ、リボイル泡の増加等に起因して生じるガラス基板の品質の低下を抑制できる。
熔融ガラスの温度調整は、具体的に、ガラス処理装置が清澄管を含む清澄装置である場合は、清澄管に電流を流して通電加熱することによって行うことができる。電流量は、加熱電極に印加される電圧の大きさによって調整することができる。また、熔融ガラスの温度調整は、通電加熱に代えてまたは通電加熱と組み合わせて、清澄管の周囲に配した図示されないヒータによって間接的に調整されてもよい。ヒータは、例えば、耐火物保護層や耐火物レンガの内部または外側に配置される。また、熔融ガラスの温度調整は、耐火物保護層や耐火物レンガを用いて清澄管からの放熱量を調整することで行われてもよい。
なるように、熔融ガラスの温度調整に代えて、又は温度調整に加えて、上述した熔融ガラスの酸素活量の指標であるガラス基板の[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])を0.2〜0.5の範囲で調整することにより記白金族金属の飽和溶解度を調整することが好ましい。
凝集物処理工程後に熔融ガラス、ガラス基板、又はガラス基板積層体に含まれる白金族金属の異物(凝集物)のうち、最大長さが50μm超である異物(凝集物)の個数の割合は30%未満に減少する。
例えば、環境負荷低減のために、熔融ガラスの清澄剤として酸化スズが用いられることが好ましいが、酸化スズは、As2O3やSb2O3と比較して、清澄効果(酸化反応)が得られる温度が高い。このため、酸化スズを清澄剤とした用いた場合、As2O3やSb2O3を清澄剤とした用いた場合と比較して清澄管41の温度を高くして、熔融ガラスGの温度を高くする必要がある。すなわち、清澄剤として酸化スズを使用するため、従来よりも清澄管41の揮発(酸化)が生じ易くなり、白金族金属の揮発及び凝集の問題が生じ易い。このように、清澄剤として酸化スズを用いることで、白金族金属の異物(凝集物)が熔融ガラスに混入する量が増加したとしても、本実施形態のように、白金族金属の異物の大きさを低減することができるので、ガラス基板に歪が生じ難く、ガラス基板の主表面の凹凸を作りにくくすることができるといった効果が顕著になる。すなわち、表示不良を引き起こすような異物(凝集物)の量を十分に低減できる。
例えば、ディスプレイパネルに用いるガラス基板には、薄膜トランジスタが形成されるが、薄膜トランジスタの動作に悪影響を与えないように、ガラス基板には、無アルカリガラスあるいはアルカリ微量含有ガラスを用いることが好ましい。無アルカリガラスあるいはアルカリ微量含有ガラスは、ソーダガラス等のアルカリ含有ガラスと比較して、粘性が高いため、清澄工程において泡の浮上速度が遅く、清澄することが難しい。このため、清澄効果を十分に得るためには、清澄管41の温度を高くして、熔融ガラスGの温度を高くする必要がある。つまり、製造する対象が無アルカリガラスあるいはアルカリ微量含有ガラスであるため、アルカリガラスよりも清澄管41の揮発(酸化)が生じやすくなっており、白金族金属の揮発及び凝集の問題が生じ易い。このように、無アルカリガラスあるいはアルカリ微量含有ガラスを用いるために、清澄管41の温度を高くして、白金族金属の異物(凝集物)が熔融ガラスに混入する量が増加したとしても、本実施形態のように、白金族金属の異物の大きさを低減することができるので、ガラス基板に歪が生じ難く、ガラス基板の主表面の凹凸を作りにくくすることができるといった効果が顕著になる。すなわち、表示不良を引き起こすような異物(凝集物)の量を十分に低減できる。
なお、ディスプレイ用ガラス基板には、ガラス基板の歪点が600℃以上、より好ましくは650℃以上であることが求められるが、ガラス基板の歪点が600℃以上であると、表示不良を引き起こすような大きさの異物(凝集物)の量を十分に低減できる本実施形態の効果が顕著となる。また、高精細ディスプレイ用ガラス基板には、より歪点が高いことが求められ、歪点が690℃以上であることが好ましく、730℃以上であることがより好ましい。このように歪点が690℃以上、730℃以上であると、本実施形態の上述した効果がより顕著になる。
また、本実施形態で用いられる酸化スズを含む熔融ガラスの粘度は、1500℃以上の温度、例えば1500℃〜1700℃、あるいは1550℃〜1650℃の温度において、粘度が102.5ポアズであることが好ましい。この場合、本実施形態の上述した効果がより顕著になる。
また、本実施形態で製造されるガラス基板の板厚を0.005mm〜0.8mm、好ましくは0.01mm〜0.5mm、より好ましくは0.01mm〜0.2mmとする場合、本実施形態の上述した効果がより顕著になる。このような板厚の薄いガラス基板を製造すると、異物(凝集物)がガラス表面にあらわれて表面凹凸を形成し易くなる。本実施形態では、このような板厚に起因する問題を上述した効果により解消することができる。
本実施形態の効果を確認するために、図1に示す凝集物処理工程S2Bを含んだ製造工程でガラス基板を作製した(実施例)。凝集物処理工程S2Bでは、凝集物に与える熱量の制御を行なった。
ガラス基板の作製条件は下記の通りである。
ガラス基板のガラスの組成は、SiO2 60.7質量%、Al2O3 17質量%、B2O3 11.5質量%、MgO 2質量%、CaO 5.6質量%、SrO 3質量%、SnO2 0.2質量%、であり、歪点は660℃であり、板厚は0.4mmであった。
また、図1に示す凝集物処理工程S2Bを行わず、脱泡処理工程S2A後、吸収処理工程S2Cを行った従来の製造工程でガラス基板を上述の作製条件で作製した。 具体的には、下記表1に示す例1〜5では、清澄管41における熔融ガラスGの最高温度を1670℃〜1720℃にし、熔融ガラスGの温度が1670℃以上となる時間を40分とした。一方、例6,7では、熔融ガラスGの最高温度を1670℃未満にし、熔融ガラスGの温度が1670℃以上となる時間を0分とした。
41 清澄管
41a 通気管
41b 加熱電極
41c 気相空間
42 成形装置
52 成形体
43a,43b.43c 移送管
100 攪拌装置
200 ガラス基板製造装置
Claims (2)
- 複数枚の、ディスプレイに用いるガラス基板が積層されて形成されるガラス基板積層体であって、
前記ガラス基板積層体の前記ガラス基板の体積の合計は0.1m3以上であり、
前記ガラス基板積層体が含む全白金族金属の凝集物は、最小長さが2μm以下である線状物であり、前記凝集物は、50μmを超える最大長さの凝集物を含み、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合は、70%以上であり、最大長さが30μm以下である凝集物の個数の割合は、90%以上であり、
前記ガラス基板の[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])は0.2〜0.5である、ことを特徴とするガラス基板積層体。 - ディスプレイに用いるガラス基板が含む白金族金属の凝集物は、最小長さが2μm以下である線状物であり、前記凝集物は、50μmを超える最大長さの凝集物を含み、最大長さが50μm以下である凝集物の個数の割合は、70%以上であり、最大長さが30μm以下である凝集物の個数の割合は、90%以上であり、
前記ガラス基板の[Fe3+]/([Fe2+]+[Fe3+])は0.2〜0.5である、ことを特徴とするガラス基板。
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