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JP6718136B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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JP6718136B2
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Description

本発明は、排気浄化装置、特にパティキュレートフィルタに係り、詳しくはディーゼルエンジンの排ガスに含まれるパティキュレートを処理するためのパティキュレートフィルタに関する。
ディーゼルエンジンから排出される排ガスには、HC,CO,NOx等の他にパティキュレートが多く含まれており、このパティキュレートを処理するために、エンジンの排気系にはディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという)が備えられている。この種のフィルタはウォールフロー式として構成されており、多孔質の隔壁により多数のセルを区画し、隣り合うセルの入口側と出口側とを交互に目封じすることにより、排ガスを隔壁の細孔を経て流通させてパティキュレートを捕集している。
パティキュレートの捕集に従ってフィルタの隔壁には次第にパティキュレートが堆積し、この現象によるフィルタの圧損増大はエンジン性能を低下させる要因になることから、フィルタが捕集限界を超える以前に、フィルタに堆積したパティキュレートを処理する所謂フィルタの強制再生が実施される。例えば強制再生は、エンジンのメイン噴射後の膨張行程でポスト噴射を行うことにより排ガス中のHCを増加させ、そのHCをフィルタの上流側に設けた前段酸化触媒上で酸化反応させて、このときの反応熱により下流側のフィルタ上のパティキュレートを焼却除去するものである。
強制再生中のフィルタ内部の温度はパティキュレート堆積量やエンジンの排気温等により相違し、条件によってはフィルタの過昇温による性能劣化や溶損等のトラブルを引き起こすこともあった。
その対策として、例えば特許文献1に記載されたパティキュレートフィルタでは、担体の排気上流側の熱伝導率を低くし、中央から下流側の熱伝導率を高く設定することにより、特に下流側で発生する局所的な過昇温による上記不具合の防止を図っている。
実開平04−113726号公報
しかしながら、本発明者が実施した試験では、フィルタ内部の下流側で局所的な温度上昇が認められるものの、これと並行してフィルタの内外方向の中心側で局所的に温度が上昇することが確認された。このような傾向は、フィルタの内外方向の中心側で多量のパティキュレートが燃焼し、且つ燃焼に伴う熱が周囲に逃がされないためと考えられるが、特許文献1のフィルタでは、このような事態を想定していないため中心側での過昇温を抑制できなかった。
そして過昇温の回避のために対策として、例えば中心側でのパティキュレートの急激な燃焼を抑制すべくポスト噴射量を制限した場合には、相対的に温度が低いフィルタの上流側や外周側でパティキュレートの良好な燃焼が望めなくなる。結果としてパティキュレートに焼却除去が効率的に進まないままトータルとしてのポスト噴射量が増加し、燃費悪化の要因になるという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、局所的な過昇温に起因する性能劣化や溶損等のトラブルを回避しつつ、フィルタ全体をより均一に昇温させて効率的にパティキュレートを焼却除去でき、これにより強制再生時の燃料量を節減して燃費向上を達成することができる排気浄化装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、多孔質の隔壁により区画された複数のセルを介して排ガスの入口側と出口側とを連通させる担体を構成し、互いに隣接するセルの入口側及び出口側を交互に入口目封じ及び出口目封じにより目封じし、前記隔壁を経て排ガスを流通させる排気浄化装置において、前記隔壁の熱伝導率を、前記担体の長手方向において下流側、且つ内外方向において該担体を収容するケーシングの入口と出口とを結んだ範囲内に存在する排ガス流量が大の部位において最も高くし、前記担体の下流側から上流側に向けて、且つ前記排ガス流量が大の部位から外側の部位に向けて次第に低下させ、前記入口目封じおよび前記出口目封じの熱伝導率を、目封じの対象となる前記セルの入口および出口における前記隔壁の熱伝導率に倣って変化させたことを特徴とする。
このように構成した排気浄化装置によれば、フィルタ内に流入した排ガスが出口プラグにせき止められながら隔壁を流通してパティキュレートを捕集されるため、担体の長手方向の下流側でパティキュレートの堆積量が増加し、且つ担体の内外方向における排ガス流量が大の部位でパティキュレートの堆積量が増加する。よって、担体の下流側且つ排ガス流量が大の部位では、強制再生時に多量のパティキュレートが燃焼して局所的な温度上昇が生じ易くなる。本発明では、このような領域の熱伝導率が高いことから、パティキュレートの燃焼熱が速やかに担体の上流側へと放熱されると共に、外側の部位へと放熱され、これにより過昇温が抑制される。
また、担体の上流側且つ外側の部位では元々相対的に強制再生時の温度が低いが、熱伝達により昇温されるためパティキュレートの燃焼が促進される。結果としてフィルタ全体でパティキュレートの燃焼状態が均一化されて効率的に焼却除去され、強制再生時のポスト噴射量を節減可能となる。
また、目封じの対象となるセルの入口および出口における隔壁の熱伝導率に倣って、入口目封じおよび出口目封じの熱伝導率を変化させているため、より顕著な作用効果が得られる。
その他の態様として、前記担体の内外方向の中心部に前記ケーシングの入口及び出口がそれぞれ配置され、該中心部で前記隔壁の熱伝導率を高くすることが好ましい。
この態様によれば、担体の内外方向の中心部の排ガス流量が大となってパティキュレートの堆積量が増加するが、熱伝導率が高められることにより過昇温が抑制される。
その他の態様として、前記担体の下流側且つ前記排ガス流量が大の部位では、前記担体の上流側且つ外側の部位に比較して前記隔壁の熱伝導率を高めた領域を前記担体の長手方向に延長することが好ましい。
この態様によれば、隔壁の熱伝導率を高めた領域が延長されることにより、高い熱伝導率による放熱効果がより顕著に得られる。
その他の態様として、前記隔壁の熱伝導率が高い領域が、該熱伝導率が低い領域に比較して熱容量が大きくされていることが好ましい。
この態様によれば、隔壁の熱伝導率が高い領域の熱容量が大きいことから、たとえ過昇温により周辺の雰囲気温度が上昇したとしても、隔壁自体は温度上昇し難くなって性能劣化や溶損が回避される。
その他の態様として、前記隔壁の熱伝導率が高い領域が、該熱伝導率が低い領域に比較して気孔率が低められていることが好ましい。
この態様によれば、担体の下流側且つ排ガス流量が大の部位ではパティキュレートの堆積量が元々多いが、この領域の気孔率が低められることにより隔壁を排ガスが流通し難くなる。逆に担体の上流側且つ外側の部位では気孔率が高いことから、隔壁を排ガスが流通し易くなる。結果としてパティキュレートの堆積量がフィルタ全体で均一化され、強制再生時のパティキュレートの燃焼熱もフィルタ全体で均一化されて、局所的な過昇温をより抑制可能となる。
その他の態様として、前記目封じの気孔率が、前記担体において最小値であることが好ましい。
この態様によれば、目封じには気密性が要求されることから、その気孔率が担体における最小値にされる。
本発明の排気浄化装置によれば、局所的な過昇温に起因する性能劣化や溶損等のトラブルを回避しつつ、フィルタ全体をより均一に昇温させて効率的にパティキュレートを焼却除去でき、これにより強制再生時の燃料量を節減して燃費向上を達成することができる。
第1実施形態のパティキュレートフィルタを示す断面図である。 強制再生時のフィルタ内の温度分布を示す模式図である。 第2実施形態のパティキュレートフィルタを示す断面図である。 ケーシングの入口を中心部から偏芯させた別例のパティキュレートフィルタを示す断面図である。 ケーシングの入口及び出口を共に中心部から偏芯させた別例のパティキュレートフィルタを示す断面図である。
以下、本発明を車両用のパティキュレートフィルタに具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の排気浄化装置(パティキュレートフィルタ)を示す断面図、図2は強制再生時のフィルタ内の温度分布を示す模式図であり、その説明に先立って、まず本実施形態の趣旨について述べる。
[発明が解決しようとする課題]で述べたように、特許文献1に記載されたフィルタでは、フィルタ内部の排気下流側で局所的な温度上昇が生じるという観点の下に、担体の中央から下流側の熱伝導率を高く設定しているが、実際にはフィルタの内外方向の中心側でも局所的な温度上昇が生じており、このような中心側での過昇温を抑制できないという問題があった。
本発明者が実施した試験においても、図2に示すように強制再生時のフィルタ内の温度分布は、フィルタ1内の長手方向(排気流通方向)の下流側、且つ内外方向の中央部が最も温度が高く、この下流側且つ中央部から上流側に移行するほど温度が低下すると共に、外周側に移行するほど温度が低下することが確認された。
このような温度格差は、以下の要因によるものと考えられる。まず、周知のようにウォールフロー式のフィルタ1では、担体2のセル3内に流入した排ガスを目封じの出口プラグ5によりせき止めながら隔壁6の細孔を流通させてパティキュレートを捕集するため、フィルタ1の長手方向の下流側にパティキュレートが堆積し易い。また、フィルタ1の内外方向の中心側が最も排ガス流量が多いことから、中心側にパティキュレートが堆積し易い。そして、このような要因によりフィルタ1の下流側且つ中心側に堆積した多量のパティキュレートが強制再生時に燃焼するため、特に下流側且つ中心側に局所的な温度上昇が生じ易いのである。
また、フィルタ1の中心側は周囲を取り囲まれて放熱性が悪いことから、パティキュレートの燃焼熱が籠もり易い。さらにフィルタ1の下流側は上流側でのパティキュレートの燃焼熱の影響を受けるため、上流側に比較して過昇温し易い。これらの要因も、上記のような温度格差を助長している。
以上の試験結果に基づく考察を踏まえた上で、本発明者はフィルタ1の長手方向及び内外方向の部位に応じて担体2の物性を相違させる対策を見出した。本実施形態では、担体2の物性として熱伝導率、熱容量及び気孔率に着目し、これらの物性をフィルタ1の部位に応じて相違させており、以下に第1及び第2実施形態として順次説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、全体としてフィルタ1の担体2は円筒状をなし、多孔質の隔壁6により長手方向に延びる多数のセル3を区画し、各セル3を介して担体2の入口側と出口側とを連通させている。そして、互いに隣接するセル3の入口側及び出口側を交互に入口プラグ4(入口目封じ)及び出口プラグ5(出口目封じ)により目封じし、入口側を開放されたセル3と出口側を開放されたセル3とを隔壁6を介して隣接させることにより、隔壁6の細孔にパティキュレートの捕集機能を付与している。
担体2を構成する隔壁6は、熱伝導率、熱容量及び気孔率の各物性をそれぞれ相違させた5種の材料により製作され、それらの5種の材料を所期の配列で組み合わせることにより、フィルタ1の長手方向において均等な長さで3段階に物性を相違させると共に、内外方向においても均等なセル数で3段階に物性を相違させている。
以下、説明の便宜上、担体2の長手方向の部位を排ガスの流通方向に倣って上流部2a、中流部2b、下流部2cと称し、フィルタ1の内外方向の部位を中心部2d、中間部2e、外周部2fと称して区別する。また、5種の材料を第1〜5材料と称し、熱伝導率が低下し、熱容量が小さくなり、気孔率が増加するほど、大きな番号を付すものとする。従って、最も熱伝導率が高く、熱容量が大きく、気孔率が低い材料が第1材料(以下、過昇温の抑制に好適な材料と表現する場合もある)と称され、最も熱伝導率が低く、熱容量が小さく、気孔率が高い材料が第5材料(パティキュレートの燃焼促進に好適な材料と表現する場合もある)と称される。
本実施形態のフィルタ1が収容されるケーシング7は、入口7a及び出口7bが共にフィルタ1の内外方向の中心部2dに配置されている。このため、フィルタ1の中心部2d(図1中に仮想線Cで示す)の排ガス流量が最も大となり、外周側の部位ほど排ガス流量が減少する。図2に示したフィルタ1内の温度分布の試験結果は、このようなケーシング7にフィルタ1を収容したときのものである。
基本的に第1〜5材料は、図2の温度分布に倣って各物性が変化するように配列される。まず、フィルタ1の下流部2cにおいては、中心部2dが第1材料により構成され、中間部2eが第2材料により構成され、外周部2fが第3材料により構成される。また、フィルタ1の中流部2bにおいては、中心部2dが第2材料により構成され、中間部2eが第3材料により構成され、外周部2fが第4材料により構成される。さらに、フィルタ1の上流部2aにおいては、中心部2dが第3材料により構成され、中間部2eが第4材料により構成され、外周部2fが第5材料により構成される。
以上の第1〜5材料の配列により、フィルタ1の長手方向の下流部2c且つ内外方向の中心部2dでは、熱伝導率が最も高く、熱容量が最も大きく、気孔率が最も低くなる。そして、フィルタ1の上流側且つ外周側に向けて熱伝導率が次第に低く、熱容量が次第に小さく、気孔率が次第に高くなり、フィルタ1の長手方向の上流部2a且つ内外方向の外周部2fでは、熱伝導率が最も低く、熱容量が最も小さく、気孔率が最も高くなる。従って、図2の温度分布との対比から判るように、フィルタ1内において局所的な過昇温の虞がある高温域ほど、より過昇温の抑制に好適な材料で構成され、逆にパティキュレートの燃焼が進行し難い低温域ほど、よりパティキュレートの燃焼促進に好適な材料で構成される。
以上のフィルタ1の担体2は、例えば以下の手順により製作される。
本実施形態のフィルタ1の担体2はSiC(炭化ケイ素)系の焼結体からなり、まず、炭化珪素粉末、バインダーとしてのメチルセルロース、その他、有機溶媒及び水等からなる配合材料を混練して坏土を製作する。坏土の組成は、焼成後に第1〜5材料に相当する物性となるように調整し、結果として互いに組成が異なる5種の坏土が製作される。
坏土の押出成形は、担体2を構成するセル3毎に個別に行うと共に、押出成形中に坏土の種類を切り換えることにより、各セル3の長手方向の物性を変化させる。例えば中心部2dのセル3を押出成形する際には、まず第1材料を使用して長手方向の1/3を成形し、その後に第2材料を使用して長手方向の1/3を成形し、さらに第3材料を使用して長手方向の1/3を成形する。これにより、隔壁6で囲まれた断面四角状をなす中心部2dのセル3が成形される。中間部2eのセル3及び外周部2fのセル3についても同様であり、中間部2eの場合には、第2材料、第3材料、第4材料の順に使用し、外周部2fの場合には、第3材料、第4材料、第5材料の順に使用する。
このようにして全てのセル3を押出成形した後に、まず中心部2dを構成する各セル3を互いに接着し、それらのセル3の周囲に中間部2eを構成する各セル3を配置してそれぞれ接着し、それらのセル3の周囲に外周部2fを構成する各セル3を配置してそれぞれ接着する。これによりハニカム構造体が完成し、乾燥及び焼成を行う。
その後、セル3の断面に対応する形状の入口及び出口プラグ4,5を坏土により製作した上で、ハニカム構造体の互いに隣接するセル3の入口側及び出口側に入口及び出口プラグ4,5をそれぞれ挿入配置し、再び乾燥及び焼成を行うと担体2が完成する。
但し、本発明の担体2の製作方法は上記に限るものではなく、任意に変更可能である。例えば、同一部位(2a,2b,2c)を構成する複数のセル3をそれぞれ一括して押出成形した上で、互いに接着してもよい。
なお、入口及び出口プラグ4,5を同一組成の坏土で製作することなく、目封じの対象となるセル3の組成に対応する材料を使用してもよい。例えば中心部2dの第1材料からなるセル3の出口側の目封じには、第1材料で製作された出口プラグ5を用い、外周部2fの第4または第5材料からなるセル3の入口側の目封じには、第4または第5材料で製作された入口プラグ4を用いる。但し、プラグ4,5には気密性が要求されるため、気孔率に関しては全てのプラグ4,5で最小値とする。
以下に述べるように、第1〜5材料の配列によるフィルタ1内の物性の変化は、フィルタ1の下流部2c且つ中心部2dと上流部2a且つ外周部2fとの間の温度格差の縮小等を目的とした対策である。このフィルタ1内の物性変化に倣ってフィルタ1内の各部に配置されたプラグ4,5の物性も変化させることで、より顕著な作用効果が得られる。
なお、このようにして製作された担体2には、強制再生時のパティキュレートの燃焼を促進する燃焼促進剤、及びHCやCOを浄化する貴金属及び助触媒が担持されるが、本発明の要旨とは直接関係ないため詳細な説明は省略する。
次に、以上のように構成した本実施形態のパティキュレートフィルタ1による作用効果を説明する。
まず、フィルタ1内での排ガスの流通状況について述べると、排ガスはケーシング7の入口7aからフィルタ1の入口側を開放されたセル3内へと流入する。セル3内で排ガスは出口プラグ5にせき止められながら隔壁6の細孔を経て出口側を開放されたセル3内へと流通し、その後に各セル3からケーシング7の出口7bへと流出する。
隔壁6では排ガス中のパティキュレートが捕集されるが、上記のように排ガスが出口プラグ5にせき止められながら隔壁6を流通すること、及びケーシング7の入口7a及び出口7bの配置に起因して中心側の排ガス流量が多いことにより、パティキュレートの堆積量はフィルタ1内の下流側且つ中心側で最も増加し、上流側且つ外周側ほど減少する。
このようなパティキュレートの堆積量の格差が、本実施形態ではフィルタ1内での気孔率の変化により緩和される。即ち、フィルタ1の下流部2c且つ中心部2dでは気孔率が低いことから隔壁6を排ガスが流通し難くなり、逆にフィルタ1の上流部2a且つ外周部2fでは気孔率が高いことから隔壁6を排ガスが流通し易くなる。結果としてパティキュレートの堆積量は、フィルタ1内の下流側且つ中心側で減少し、上流側且つ外周側で増加し、双方間の格差が緩和されてパティキュレートの堆積量がフィルタ1全体で略均一なものとなる。
そして、フィルタ1へのパティキュレートの堆積量が増加して捕集限界を超える以前に、フィルタ1の強制再生が実施される。例えばエンジンのポスト噴射等により、HCを多量に含む排ガスがフィルタ1の上流側に設けられた前段酸化触媒に供給され、HCの酸化反応熱により下流側のフィルタ1上のパティキュレートが焼却除去される。
上記のようにフィルタ1全体のパティキュレートの堆積量が略均一であることから、パティキュレートの燃焼時の発熱量もフィルタ1全体で略均一となる。即ち、フィルタ1の下流部2c且つ中心部2dで多量のパティキュレートが燃焼して局所的に過昇温する事態が回避される。
また、パティキュレートの堆積量の均一化は、隔壁6全体を有効利用してパティキュレートを捕集した結果であり、さらに堆積量が均一化すれば、その後の強制生成時のパティキュレートの燃焼も隔壁6全体を有効に利用して行われる。結果として、フィルタ1の小型化或いは強制再生時のポスト噴射量の節減等の利点が得られる。
一方、上記のようにフィルタ1全体で発熱量が略均一であっても、フィルタ1の中心側は放熱性が悪く、フィルタ1の下流側は上流側でのパティキュレートの燃焼熱の影響を受け、共に熱的な条件が厳しいことから、これらの要因もフィルタ1内の温度格差につながる。しかし本実施形態では、フィルタ1の下流部2c且つ中心部2dほど熱伝導率が高いことから、パティキュレートの燃焼により下流部2c且つ中心部2dで発生した熱は、速やかに中流部2bを経て上流部2aへと放熱されると共に、中間部2eを経て外周部2fへと放熱される。これにより、フィルタ1の下流部2c且つ中心部2dの過昇温が一層確実に抑制される。
また、元々相対的に温度が低いフィルタ1の上流部2a且つ外周部2fはパティキュレートの燃焼が進行し難いが、下流部2c且つ中心部2dからの熱伝達により昇温されるため、堆積しているパティキュレートの燃焼が促進されて迅速且つ確実に焼却除去される。結果としてフィルタ1全体でパティキュレートの燃焼状態を均一化して効率的に焼却除去できるため、強制再生時のポスト噴射量を節減して燃費向上を達成することができる。
一方、以上のフィルタ1内の熱伝導率及び気孔率に関する対策を実施したとしても、フィルタ1の下流部2c且つ中心部2dは熱的な条件がやはり厳しいため、過昇温に至る可能性が皆無ではない。しかし本実施形態では、フィルタ1の下流部2c且つ中心部2dほど熱容量が大きく設定されていることから、たとえ周辺の雰囲気温度が上昇したとしても下流部2c且つ中心部2d自体は温度上昇し難い。このため、フィルタ1の下流部2c且つ中心部2dが性能劣化したり溶損したりする事態を未然に回避できる。
逆にフィルタ1の下流部2c且つ外周部2fは熱容量が小さいため温度上昇し易く、この要因はパティキュレートの燃焼促進に寄与する。
[第2実施形態]
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図3に基づき説明する。
第1実施形態との相違点は、フィルタ11の長手方向における上流部2a及び下流部2cの長さを変更したことにあり、その他の点は第1実施形態と相違ない。よって、重複する箇所は同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に述べる。
大略的に表現すると本実施形態のフィルタ11は、中心部2dにおいて下流部2cを延長すると共に上流部2aを短縮し、外周部2fにおいて下流部2cを短縮すると共に上流部2aを延長している。なお、他の部位についての変更はない。
結果として、過昇温の虞が高いフィルタ11の下流側且つ中心部2dでは、第1材料からなる下流部2cがフィルタ11の長手方向に延長される。このため、低い気孔率によりパティキュレートの堆積量が減少して燃焼時の過昇温が抑制され、高い熱伝導率により上流部2a且つ外周部2fへの放熱が行われ、大きな熱容量により過昇温時の温度上昇が抑制され、それらの効果が第1実施形態に比較して顕著に得られるため、強制再生時のパティキュレートの燃焼による性能劣化や溶損を一層確実に防止することができる。
また、相対的に温度が低くてパティキュレートの燃焼が進行し難いフィルタ11の下流且つ中心部2dでは、第5材料からなる上流部2aがフィルタ11の長手方向に延長される。このため、高い気孔率によりパティキュレートの堆積量が増加すると共に、小さな熱容量により温度上昇し易くなり、それらの効果が第1実施形態に比較して顕著に得られるため、強制再生時のパティキュレートの燃焼を一層促進することができる。
ところで本実施形態では、ケーシング7の入口7a及び出口7bが共にフィルタ1,11の内外方向の中心部2dに配置されていることを受けて、フィルタ1,11の中心部2dを過昇温の抑制に好適な第1材料で構成したが、フィルタ1,11の内外方向における第1〜5材料の配列は、ケーシング7の形状に応じて変更することが望ましい。
図4はケーシング7の入口7aを中心部2dから偏芯させた別例のパティキュレートフィルタ21を示す断面図である。この場合の排ガス流量が最も大となる部位は、フィルタ21の内外方向においてケーシング7の入口7aと出口7bとを結んだ範囲E内に存在し(図中に仮想線Cで示す)、その部位を中心としてフィルタ21の外周側に向けて排ガス流量が減少する。
そこで、このような排ガス流量の分布と対応するように、フィルタ21の排ガス流量が最も大となる仮想線C近傍の部位を第1材料で構成し、仮想線Cを中心としてフィルタ21の外周側に移行するほど、第2材料、第3材料、第4材料と変化させればよい。
図5はケーシング7の入口及び出口を共に中心部2dから偏芯させた別例のパティキュレートフィルタ31を示す断面図である。この場合の排ガス流量が最も大となる部位は、フィルタ31の内外方向においてケーシング7の入口7aと出口7bとを結んだ仮想線Cであり、その部位を中心としてフィルタ31の外周側に向けて排ガス流量が減少する。
そこで、このような排ガス流量の分布と対応するように、仮想線C近傍の部位を第1材料で構成し、仮想線Cを中心としてフィルタ31の外周側に移行するほど、第2材料、第3材料、第4材料、第5材料と変化させればよい。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、車両用のパティキュレートフィルタ1,11,21,31に具体化したが、その用途は車両用に限定されるものではない。例えば、発電施設の定置型エンジン用のパティキュレートフィルタに具体化してもよい。
1,11,21,31 フィルタ
2 担体
3 セル
4 入口プラグ(入口目封じ)
5 出口プラグ(出口目封じ)
6 隔壁
7 ケーシング
7a 入口
7b 出口

Claims (6)

  1. 多孔質の隔壁により区画された複数のセルを介して排ガスの入口側と出口側とを連通させる担体を構成し、互いに隣接するセルの入口側及び出口側を交互に入口目封じ及び出口目封じにより目封じし、前記隔壁を経て排ガスを流通させる排気浄化装置において、
    前記隔壁の熱伝導率を、前記担体の長手方向において下流側、且つ内外方向において該担体を収容するケーシングの入口と出口とを結んだ範囲内に存在する排ガス流量が大の部位において最も高くし、前記担体の下流側から上流側に向けて、且つ前記排ガス流量が大の部位から外側の部位に向けて次第に低下させ
    前記入口目封じおよび前記出口目封じの熱伝導率を、目封じの対象となる前記セルの入口および出口における前記隔壁の熱伝導率に倣って変化させたことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記担体の内外方向の中心部に前記ケーシングの入口及び出口がそれぞれ配置され、該中心部で前記隔壁の熱伝導率を高くしたことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記担体の下流側且つ前記排ガス流量が大の部位では、前記担体の上流側且つ外側の部位に比較して前記隔壁の熱伝導率を高めた領域を前記担体の長手方向に延長したことを特徴とする請求項1または2に記載の排気浄化装置。
  4. 前記隔壁の熱伝導率が高い領域は、該熱伝導率が低い領域に比較して熱容量が大きくされていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  5. 前記隔壁の熱伝導率が高い領域は、該熱伝導率が低い領域に比較して気孔率が低められていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の排気浄化装置。
  6. 前記目封じの気孔率は、前記担体において最小値であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の排気浄化装置。
JP2016054200A 2016-03-17 2016-03-17 排気浄化装置 Active JP6718136B2 (ja)

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