以下、粒子状物質の測定装置用部品100について、図面を参照しながら説明する。図1等においては、粒子状物質の測定装置用部品100に対して固定して定義した直交座標系xyzを付している。以下の説明では、この座標系を参照して方向を説明することがある。粒子状物質の測定装置用部品100は、いずれの方向が鉛直方向乃至は水平方向とされてもよい。また、z軸方向を上下方向、高さ方向または厚み方向ということがある。また、粒子状物質の測定装置用部品100について単に平面視という場合には、z軸方向から見ることを意味する。
図1、2に示すように、粒子状物質の測定装置用部品100は、内部に流路空間10を有する基部1と、流路空間10の内部に設けられたフィルタ部2とを備えている。流路空間10がフィルタ部2で複数に区切られて、複数の流路11が形成されている。図3に示すように、粒子状物質の測定装置用部品100は、さらに、基部1に静電容量形成用の一対の電極3を備えている。粒子状物質の測定装置用部品100は、例えば、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質の量を測定するために用いられる。
基部1は、ガスの流れる流路11(流路空間10)を形成するための部材である。基部1は、例えば、アルミナ等の絶縁性のセラミックスから成る。基部1は、例えば、内部に1つまたは複数の流路空間10を有している。図1に示す粒子状物質の測定装置用部品100においては、基部1は、外形が直方体形状であって、内部に2つの流路空間10を有している。流路空間10は、基部1の主面の長手方向に沿って伸びている。それぞれの流路空間10はフィルタ部2で複数に区切られており、区切られた空間の1つ1つが流路11である。2つの流路空間10は基部1の厚み(高さ)方向に配列されている。基部1は、例えば、主面の長手方向の長さ、開口を有する側面間の長さ(奥行き、y軸方向の長さ)を40mmに、短手方向の長さ、開口を有さない側面間の長さ(幅、x軸方向の長さ)を10mmに、高さ(厚み、z軸方向の長さ)を5mmに、設定できる。
流路空間10は、基部1の1つの側面からこれに対向する位置にある側面にかけて延びている。流路空間10は、基部1の1つの側面と、これに対向する位置にある側面とに開口している。そして、流路11もまた、基部1の1つの側面と、これに対向する位置にある側面とに開口している。この2つの開口のうちの一方がガスの流入する流入口4であり、他方はガスが流路11から流出する流出口5である。なお、図2においては、白抜き矢印でガスの流れを示している。また、流路空間10は、幅(x軸方向の長さ)を8mmに、高さ(底面と天井面との間隔、z軸方向の長さ)を1.2mmに設定できる。流路空間10の長さ(y軸方向の長さ)は、基部1の長さと等しく、40mmに設定できる。
フィルタ部2は、ガス中の粒子状物質を捕集するための部材である。図2および図3に示すように、フィルタ部2は、流路空間10の内部に設けられている。図2に示すように、本開示の粒子状物質の測定装置用部品100においては、フィルタ部2は板状であって、基部1の流路空間10を、流路空間10の幅方向に複数の領域に区切るように複数設けられている。そして、フィルタ部2は、流路空間10の長さ方向(y軸方向)に対して傾斜して配置されているものを含んでいる。図2に示す例においては、すべてのフィルタ部2が流路空間10の長さ方向(y軸方向)に対して傾斜して配置されている。流路空間10の長さ方向は流入口4から流出口5へ向かう方向である。本開示の粒子状物質の測定装置用部品100は、1つの流路空間10につき5つのフィルタ部2が設けられている。5つのフィルタ部2は、それぞれが並行に配列されている。フィルタ部2は、多孔質セラミックスから成る。多孔質セラミックスとしては、例えば、多孔質アルミナが挙げられる。フィルタ部2が多孔質アルミナから成ることによって、流路11を流れるガスがフィルタ部2を通過できるようになっている。このとき、フィルタ部2は、ガス中に含まれる粒子状物質の一部を捕集する(堆積させる)ことができる。そして、フィルタ部2が流路空間10の長さ方向に対して傾斜して配置されていることから、排気管内を流れてきた排気ガスの流れ方向に対して流路空間10の長さ方向が平行になるように粒子状物質の測定装置用部品100を配置すると、フィルタ部2はガスの流れに対して斜めになる。そのため、ガスがフィルタ部2内に流入しやすくなり、ガスに含まれる粒子状物質を捕集しやすくなって、粒子状物質の検知感度の高いものとなる。
フィルタ部2で区切られて設けられる流路11は、幅(フィルタ部2間の長さ)を1.2mmに、高さ(底面と天井面との間隔)を流路空間10と同じく1.2mmに設定できる。フィルタ部2の寸法は、例えば、基部1の幅方向に沿った長さを0.3mmに、基部1の厚み方向に沿った長さを流路11の底面と天井面との間隔と等しく1.2mmに、基部1の長さ方向に沿った長さを40mmに設定できる。フィルタ部2の流路空間10の長さ方向(y軸方向)に対する傾斜角度θは、例えば、3°~10°に設定すればよい。
図4および図5に示す例においては、図2に示す例に対して、隣り合う一対のフィルタ部2間に、一端部が一方のフィルタ部2の流入口4側の端部に繋がり、他端部が他方のフィルタ部2の流出口5側の端部に繋がっているフィルタ部2が設けられている。言い換えれば、フィルタ部2がジグザグ形状であり、折れ曲がり部が流入口4と流出口5とに交互に位置している。これにより、流路11は、フィルタ部2によって、ガスが流入する流入口4に繋がる第1の流路11aと、ガスが流出する流出口5に繋がる第2の流路11bとに分断されている。そして、第1の流路11aは流入口4から長さ方向に向かうにつれて幅が小さくなっており、第2の流路11bは流出口5へ長さ方向に向かうにつれて幅が大きくなっている。
このような構成により、流入口4から第1の流路11aに流入したガスの全てがフィルタ部2を通過し、第2の流路11b内を流れて流出口5から流出することになる。よって、粒子状物質の捕集効率がより向上し、粒子状物質の検知感度がより向上する。従来の粒子状物質の測定用部品は、開口の一部を閉塞部材で閉塞していたのに対して、流入口4および流出口5を閉塞していない。フィルタ部2の流入口4および流出口5において繋がっている部分(ジグザグ形状のフィルタ部2の折れ曲がり部)が閉塞部材を兼ねている。流入口4および流出口5が閉塞されていないため、流路空間10の開口面積に対する流入口4および流出口5の面積の比率が大きいものとなる。そのため、粒子状物質を含む排気ガスの流入量が大きいものとなり、粒子状物質の捕集効率の高いものとなる。そして、より小型の粒子状物質の測定装置用部品100とすることができる。
図4に示す例は、流路空間10の長さ方向に対して傾斜して配置されているフィルタ部2と、流路空間10の長さ方向に対して沿って(平行に)配置されているフィルタ部2とを有しており、これらが交互に配置されている。これに対して、図5に示す例の粒子状物質の測定装置用部品においては、すべてのフィルタ部2が流路空間10の長さ方向に対して傾斜して配置されている。隣り合うフィルタ部2は、互いに異なる方向に傾斜している。すべてのフィルタ部2が流路空間10の長さ方向に対して傾斜しているので、フィルタ部2の長さを長くでき、粒子状物質の捕集効率がさらに向上し、粒子状物質の検知感度がより向上する。なお、図4および図5に示す例においては、流路空間10の幅方向の最外部にもフィルタ部2が配置されており、基部1の流路空間10に面する内面を覆っている。このような構成によって、粒子状物質をより多く捕集することができる。図5に示す例の粒子状物質の測定装置用部品においては、すべてのフィルタ部2が流路空間10の長さ方向に対して傾斜して配置されている、と上記したが、この場合のすべてのフィルタ部2は、基部1の内面を覆うフィルタ部以外のすべてのフィルタ部を指している。
図4および図5に示す例では、第1の流路11aおよび第2の流路11bの平面視の形状、第1の流路11aおよび第2の流路11bの底面と天井面の形状は三角形である。これに対して、図6に示す例の粒子状物質の測定装置用部品100においては、第1の流路11aの形状は台形である。図5に示す例の三角形状の第1の流路11aにおける、流出口5側の角部を隅切りしたような形状である。流出口5側の折れ曲がり部が2段階に折れ曲がっていて、折れ曲がり部に流路空間10の幅方向に延びる部分を有しているともいえる。このような構成であると、フィルタ部2の流入側の第1の流路11aに面する部分の面積を増やすことができるので、より多くの粒子状物質を捕集することができる。粒子状物質の捕集効率がさらに向上し、粒子状物質の検知感度がより向上する。また、この角部が鈍角になるので、角部を起点としたフィルタ部2の割れが発生し難くなる。この点では、第2の流路11bにおいても同様に、三角形の第2の流路11bの流入口4側の角部を隅切りした形状、台形とするとよい。この場合には、粒子状物質の捕集効率の観点から、図6に示す例の粒子状物質の測定装置用部品100と同様に、第1の流路11aの幅を第2の流路11bの幅より大きくするのがよい。
図7に示す例の粒子状物質の測定装置用部品100は、図5に示す例の三角形状の第1の流路11aにおける、流出口5側の角部を丸めたような形状である。言い換えれば、ジグザグ形状のフィルタ部2の折れ曲がり部の、流路11(第1の流路11a)側の角部を丸めたものである。図6に示す例の粒子状物質の測定装置用部品100における、第1の流路11aの流出口5側の角部を丸めた形状ともいえる。そのため、同様にフィルタ部2の流入側の第1の流路11aに面する部分の面積を増やすことができるので、より多くの粒子状物質を捕集することができ、粒子状物質の捕集効率がさらに向上する。粒子状物質の検知感度がより向上する。そして、角部を有していないので、角部を起点としたフィルタ部2の割れがより発生し難くなる。この点では、第2の流路11bにおいても同様に、三角形の第2の流路11bの流入口4側の角部を丸めた形状とするとよい。この場合にも同様に、粒子状物質の捕集効率の観点から、第1の流路11aの幅を第2の流路11bの幅より大きくするのがよい。なお、図7に示す例の粒子状物質の測定装置用部品100においては、フィルタ部2の流路空間10の幅方向の最も外側に位置する部分は、基部1の流路空間10に面する内面を覆っており、流路11(第1の流路11a)側の面が流路空間10の長さ方向に対して傾斜している。この部分も、流路空間10の長さ方向に対して傾斜して配置されているという。
ここで、本開示の粒子状物質の測定装置用部品100においては、基部1の流路11の壁面がフィルタ部2の表面よりも緻密である。これにより、基部1の流路11の壁面に粒子状物質を堆積させにくくするとともに、フィルタ部2の表面に粒子状物質を堆積させやすくすることができる。これらの結果、粒子状物質の堆積をフィルタ部2に集中させやすくできるので、粒子状物質の堆積量と測定値との間のリニアリティを高めることができる。その結果、粒子状物質の測定装置用部品100の測定精度を向上させることができる。
基部1の流路11の壁面がフィルタ部2の表面より緻密であることは、例えば、以下の方法で確認できる。具体的には、基部1の流路11の壁面およびフィルタ部2の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察する。そして、得られたSEM画像に画像処理を施し、表面の気孔率を求める。結果、気孔率が小さい方をより緻密であると見なすことができる。基部1の流路11の壁面の気孔率は、例えば、3%以下に設定できる。フィルタ部2の表面の気孔率は、例えば、40〜70%に設定できる。なお、ここでいう流路11の壁面とは、流路11のうちガスに面する基部1の内表面の全体を意味している。すなわち、天井面および底面がここでいう壁面に含まれる。
基部1の流路11の壁面の気孔率を、3%以下にすることによって、基部1の内部に粒子状物質が入りにくくすることができる。その結果、粒子状物質が電極3に付着してしまうおそれを低減できるので、粒子状物質が電極3に付着することによって電極3間の静電容量を正しく測定することができなくなってしまうおそれを低減できる。その結果、粒子状物質の測定装置用部品100の測定精度をさらに向上できる。
基部1およびフィルタ部2は一体的に形成されている。基部1およびフィルタ部2が一体的に形成されていることによって、粒子状物質の測定装置用部品100の長期信頼性を向上できる。具体的には、基部1およびフィルタ部2が別々に形成された後に接合されているような場合には、例えば、基部1およびフィルタ部2の界面から剥がれが生じるようなおそれがある。特に、接合に接合材等を用いている場合には、接合材が劣化することによって、フィルタ部2を基部1に正しく固定することができなくなるおそれがある。これに対して、基部1およびフィルタ部2を一体的に形成(焼成)することによって、基部1およびフィルタ部2の界面から劣化が生じるおそれを低減できる。
特に、基部1およびフィルタ部2が同じセラミックスから成ることによって、基部1およびフィルタ部2の熱膨張率を近づけることができる。これにより、ヒートサイクル下における粒子状物質の測定装置用部品100の長期信頼性を向上できる。ここでいう、「同じセラミックスから成る」とは、基部1およびフィルタ部2を構成するセラミックスの主成分(80質量%以上を占める成分)が同じであることを意味している。
本開示の粒子状物質の測定装置用部品100においては、基部1およびフィルタ部2がアルミナから成る。アルミナは、安価に製造できることに加えて、下記に示すように表面の気孔率の調整が容易である。
気孔率が3%以下の表面を有する基部1、および、気孔率が40〜70%程度の表面を有するフィルタ部2は、例えば、以下の方法で一体的に形成できる。具体的には、基部1となる部分については、アルミナ粉末を93質量%および樹脂バインダを7質量%含むセラミックペーストを用いる。また、フィルタ部2となる部分については、アルミナ粉末を55質量%、造孔材を38質量%および樹脂バインダを7質量%含むセラミックペーストを用いる。これらのセラミックペーストをドクターブレード法を用いて所定の形状のグリーンシートに加工する。このとき、グリーンシート上に導電性ペーストを印刷することによって、静電容量形成用の電極3を形成することができる。そして、これらのグリーンシートを一軸プレス機を用いて加圧積層する。必要に応じて表面の加工を行なった後に、1500℃で焼成することによって、上記の気孔率のフィルタ部2および基部1を形成することができる。
フィルタ部2の寸法は、例えば、基部1の幅方向に沿った長さを0.3mmに、基部1の厚み方向に沿った長さを流路11の底面と天井面との間隔と等しく1.2mmに、基部1の長さ方向に沿った長さを40mmに設定できる。
電極3は、静電容量を形成するための部材である。図3に示すように、電極3は、基部1にフィルタ部2を挟むように対になって設けられている。より具体的には、本開示の粒子状物質の測定装置用部品100のように、流路11が複数設けられている場合には、それぞれの流路11に位置するフィルタ部2を挟むように電極3が設けられている。電極3は、例えば、複数のフィルタ部2を跨って覆うように設けられていてもよいし、フィルタ部2の1つ1つに対応するように設けられていてもよい。そして、図3に示すように、本開示の粒子状物質の測定装置用部品100のように流路11が上下方向に2つ設けられている場合には、電極3は、上側の流路11の上方、上側の流路11と下側の流路11との間および下側の流路11の下方に位置していてもよい。上側の流路11と下側の流路11との間に位置している電極3は、上側の流路11の上方の電極3との間で静電容量を形成することができ、また、下側の流路11の下方の電極3との間でも静電容量を形成することができる。
フィルタ部2を挟む一対の電極3の間には静電容量が形成される。フィルタ部2に粒子状物質が捕集されると、一対の電極3の間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を外部の検出装置で検知することによって、フィルタ部2に捕集された粒子状物質の堆積量を測定することができる。
本開示の粒子状物質の測定装置用部品100においては、電極3が基部1に埋設されている。これにより、電極3がガスによる腐食等の影響を受けるおそれを低減できる。また、電極3の表面に粒子状物質等が付着するおそれを低減できるので、粒子状物質の測定装置用部品100の測定精度を向上させることができる。なお、本開示の粒子状物質の測定装置用部品100においては、電極3が基部1の内部に設けられている(埋設されている)が、これに限られない。具体的には、電極3の設けられる位置は、例えば、基部1の外表面(流路11の壁面以外の面)であってもよい。
図8に示すように、本開示の粒子状物質の測定装置用部品100においては、電極3は、例えば、線状の配線パターンを有するとともに、フィルタ部2に沿って設けられている。このように、電極3がフィルタ部2に沿って設けられていることによって、フィルタ部2に捕集された粒子状物質の量と電極3間の静電容量の変化と間のリニアリティを向上させることができる。これは、電極3がフィルタ部2に沿って設けられていることによって、フィルタ部2以外(例えば、流路11の壁面)に付着した粒子状物質によって静電容量が変化することを低減できるためである。なお、電極3の平面視したときの形状は、線状に限られず、例えば、円形状であってもよいし、矩形状であってもよい。
また、電極3を線状の配線パターンにすることによって、電極3を円形状または矩形状にする場合と比較して抵抗値を大きくすることができる。そのため、この電極3に高い電圧を加えることによってヒータとして機能させることもできる。これにより、フィルタ部2に捕集された粒子状物質を加熱により除去することができる。
特に、図9に示す例のように、電極3が線状の配線パターンを有するとともに、基部1のうちフィルタ部2を挟む領域およびフィルタ部2を挟まない領域に設けられており、平面視したときに、電極3のうちフィルタ部2を挟まない領域に位置する部分が、フィルタ部2を挟む領域に位置する部分よりも幅が狭くなっていてもよい。これにより、電極3のうちフィルタ部2を挟む領域に位置する部分の幅を確保して電極3間の静電容量を良好に形成しつつ、電極3のうちフィルタ部2を挟まない領域に位置する部分の幅を狭くすることによって、抵抗値を大きくできる。これにより、静電容量形成用の電極3として有効に機能させつつも、ヒータとしても有効に機能させることができる。
図8および図9に示す例においては、電極3の端部は、基部1の幅方向(x軸方向)において流路11の外側に位置する基部1へ引き出された引き出し部3aを有している。この引き出し部3aからさらに基部1の外表面へ引き出され、外部の装置と電気的に接続される。例えば、引き出し部3aで電気的に接続され、基部1を貫通して基部1の上面に引き出される貫通導体(不図示)を備えている。基部1の上面には端子電極(不図示)が設けられており、貫通導体が電気的に接続されている。この端子電極と外部の検出装置とを電気的に接続することができる。
図8および図9に示す例においては、フィルタ部2を挟む一対の電極3のそれぞれは、複数のフィルタ部2のそれぞれに沿って設けられた部分の端部同士を接続して蛇行したミアンダ形状の1本の線状の配線パターンとなっている。そして、その1つ電極の端部が基部1の外表面に引き出されており、1対の電極3のそれぞれは、一系統の配線となっている。これに対して、図10および図11に示す例では、1対の電極3のそれぞれは、2つのミアンダ形状の線状の配線パターンで構成され、2系統の配線となっている。図10に示す例では、2つの配線パターンは流路11の幅方向(x軸方向)に並んで配置されており、図11に示す例では、2つの配線パターンは流路11の長さ方向(y軸方向)に並んで配置されている。
このように、フィルタ部2を挟んで配置されている一対の電極3のそれぞれが2系統の配線となっていると、一方の系統の電極3で粒子状物質を検知しながら、他方の系統の電極3で捕集された粒子状物質を除去することができる。そのため、粒子状物質の除去のために粒子状物質の検知を停止することなく、連続して粒子状物質の検知を行なうことができる。図10および図11に示す例においては、フィルタ部2を挟んで配置されている一対の電極3のそれぞれが2系統の配線となっているが、複数系統であればよいので、3系統以上の配線であってもよい。
電極3としては、例えば、白金またはタングステン等の金属材料を用いることができる。また、電極3を線状の配線パターンにした場合には、例えば、幅を2mm、長さを38mm、厚みを30μmに設定できる。
上述の開示の粒子状物質の測定装置用部品100においては、基部1が内部に流路11を有するような形状であったが、これに限られない。具体的には、例えば、図12に示すように、セラミックスから成る板状の部材であって主面が対向するように並置された一対の基部1と、一対の基部1の間の流路空間10を区切って流路11を形成するように設けられた多孔質セラミックスから成るフィルタ部2と、一対の基部1にそれぞれ設けられておりフィルタ部2を挟むように設けられた静電容量形成用の一対の電極3とを備えていてもよい。そして、図2、4〜7に示したように、フィルタ部2が、流路空間10の長さ方向に対して傾斜して配置されているものを含むものであってもよい。
別の粒子状物質の測定装置用部品100においては、基部1と基部1との間の流路空間10をフィルタ部2で区切ることによって流路11が形成されている。この流路11にガスを流すことによって粒子状物質をフィルタ部2で捕集するとともに、電極3間の静電容量の変化を検知することによって粒子状物質の量を測定することができる。このような粒子状物質の測定装置用部品100においても、上述の粒子状物質の測定装置用部品100と同様に、測定精度を向上できる。
より具体的には、図12に示す粒子状物質の測定装置用部品100においては、3つの基部1が2つの流路空間10を空けて並んで設けられており、この2つの流路空間10にそれぞれ7つずつのフィルタ部2が設けられている。基部1の数は2つでも3つ以上であってもよく、また、フィルタ部2の数も適宜変更することができる。
図12に示す粒子状物質の測定装置用部品100では、フィルタ部2が側壁を兼ねているが、外側のフィルタ部2の外にフィルタ部2に接する基部1を側壁として設けてもよい。これは、図3に示す粒子状物質の測定装置用部品100において、外側のフィルタ部2が基部1の側壁に接するように配置されたものと同様になる。このようにすることで、粒子状物質の測定装置用部品100の剛性が向上し、比較的強度の小さいフィルタ部2が露出する面積を小さくすることができるので、熱応力による変形や、外力による損傷を抑えることができ、信頼性の高いものとなる。また、流路11に面する壁面は全てフィルタ部2となり、捕集効率がより高く感度のよいものとなる。
図13〜図15に示す粒子状物質の測定装置用部品100においては、互いにポーラス度が異なる複数のフィルタ2を有している。粒子状物質の粒度分布を知ることのできる粒子状物質の測定装置用部品100や長時間連続して粒子状物質の捕集が可能で長寿命な粒子状物質の測定装置用部品100のような、より付加価値の高いものとすることができる。
具体的には、図13に示す例では、多孔質セラミックスから成るフィルタ部2は、気孔の大きさ、気孔径が異なる3種類のフィルタ部2a,2b,2cを有している。図13に示す例においては、相対的に気孔径の大きい第1のフィルタ部2aと気孔径の小さい第3のフィルタ部2cとこれらの中間の気孔径の第2のフィルタ部2bとを有している。
気孔径が異なる複数のフィルタ部2a,2b,2cを有していることから、それぞれのフィルタ部2a,2b,2cで捕集される粒子状物質は、それぞれ互いに平均粒径が異なるものとなる。そのため、気孔径が異なる複数のフィルタ部2a,2b,2cのそれぞれを挟む電極3で検出される静電容量から捕集された粒子状物質の粒度分布が分かり、例えば、粒子状物質を含む排気ガスを排出するエンジンにおける燃焼状態や、粒子状物質の測定装置用部品100の上流に位置するPMフィルタの状態を推測することができる。
また、図13に示す例においては、気孔径が異なる複数のフィルタ部2a,2b,2cは気孔径の大きさの順に配列されている。具体的には、図13に示す例では、図面の上下方向(z軸方向)で3段の流路空間10(流路11)が配列されており、上段には第1のフィルタ部2aが配置され、中段には第2のフィルタ部2bが配置され、下段には第3のフィルタ部2cが配置されている。すなわち、各段で同じ気孔径のフィルタ部2が図面の左右方向(流路空間10および基部1の幅方向、x軸方向)に一列に配置されている。このように配列すると、同じ気孔径のフィルタ部2を挟む電極3を並べて配置することができ、これらを図13に示す例のように1つにまとめることができる。
フィルタ部2の気孔径の大きさの種類は3つに限られず、2つでもよいし4つ以上であってもよい。また、図13に示す例においては、同じ気孔径のフィルタ部2は基部1の幅方向(x軸方向)に一列に配列されているが、複数の基部1の配置方向(z軸方向)に一列に配列してもよい。あるいは、ランダムに配列してもよいが、上記のように一列に配列してもよい。
なお、ここでいう気孔径は平均気孔径である。気孔径は、フィルタ部2の表面または断面のSEM画像を撮影し、画像解析によってこのSEM画像の範囲内の気孔について平均気孔径を算出すればよい。SEMの倍率は100倍で、1.0mm×1.3mmの視野のSEM画像を用いて行なえばよい。
フィルタ部2の気孔径は1μm〜60μmであり、フィルタ部2が上記の例のように気孔径の異なる3種類のフィルタ部2a,2b,2cを有する場合であれば、例えば、第1のフィルタ部2aの気孔径は10μm〜60μm、第2のフィルタ部2bの気孔径は5μm〜30μm、第3のフィルタ部2cの気孔径1μm〜15μmとすればよい。
また、図14および図15に示す例では、多孔質セラミックスから成るフィルタ部2は、気孔率が異なる2種類のフィルタ部2d,2eを有している。図14および図15に示す例においては、相対的に気孔率の大きい第4のフィルタ部2dと気孔率の小さい第5のフィルタ部2eとを有している。そして、流路空間10の長さ方向に垂直な断面視において、外側に位置するフィルタ部2の気孔率が、内側に位置するフィルタ部2の気孔率より大きい。なお、ここでいう「外側に位置する」とは、図14に示すように上下方向における外側であってもよい。また、「外側に位置する」とは、図15に示すように、流路空間10の幅方向における外側であってもよい。また、「外側に位置する」とは、上下方向および幅方向の全体における外側であってもよい。
流路空間10の長さ方向に垂直な断面視において、外側に第4のフィルタ部2dが配置され、内側に第5のフィルタ部2eが配置されている。図14に示す例においては、図面の上下方向(複数の基部1の配置方向、z軸方向)の外側に第4のフィルタ部2dが配置され、内側に第5のフィルタ部2eが配置されている。図面の上下方向(複数の基部1の配置方向、z軸方向)に3段の流路空間10が配列されており、上段および下段の流路空間10に第4のフィルタ部2dが配置され、中段の流路空間10に第5のフィルタ部2eが配置されている。図15に示す例においては、図面の左右方向(流路空間10および基部1の幅方向、x軸方向)の外側に第4のフィルタ部2dが配置され、内側に第5のフィルタ部2eが配置されている。上下方向(複数の基部1の配置方向、z軸方向)で3段の流路空間10が配列されており、それぞれの流路空間10に左右方向(流路空間10および基部1の幅方向、x軸方向)に6つのフィルタ部2が配置されている。この6つのフィルタ部2のうち、左右それぞれの2つが第4のフィルタ部2dであり、これらの間に位置する2つが第5のフィルタ部2eである。
粒子状物質を含むガスが粒子状物質の測定装置用部品100内の流路空間10(流路11)を流れる際には、流路空間10の中心部(流路空間10の長さ方向に垂直な断面視における内側の領域)を流れるガスの流量が、流路空間10の外周部(流路空間10の長さ方向に垂直な断面視における外側の領域)を流れるガスの流量より大きくなる傾向がある。そのため、内側のフィルタ部2の方が外側のフィルタ部2より多くの粒子状物質を捕集することになり、粒子状物質の詰まりも早くなってしまう。粒子状物質の詰まりが早いと、ヒータ加熱で粒子状物質を除去する再生を行なう頻度が高くなるので、粒子状物質の測定装置用部品100の劣化も早くなってしまう。これに対して、上記のように、流路の長さ方向に垂直な断面視において、外側に位置するフィルタ部2(第4のフィルタ部2d)の気孔率が、内側に位置するフィルタ部2(第5のフィルタ部2e)の気孔率より大きいと、気孔率の大きいフィルタ部2(第4のフィルタ部2d)の方にガスが流れやすくなり、流路の長さ方向に垂直な断面における、位置によるガス流量差が小さくなる。そのため、内側のフィルタ部2だけが早く粒子状物質により詰まってしまうことがないので、長時間の連続した粒子状物質の捕集が可能で、長寿命な粒子状物質の測定装置用部品100となる。
図14および図15においては、それぞれ上下方向の外側、左右方向の外側に位置するフィルタ部2(第4のフィルタ部2d)の気孔率が、内側に位置するフィルタ部2(第5のフィルタ部2e)の気孔率より大きいものであるが、これらを組みわせた、上下左右方向の外側、断面における外周部に位置するフィルタ部2の気孔率が、上下左右方向の内側、断面における中心部に位置するフィルタ部2の気孔率より大きいものであってもよい。基部1とフィルタ部2とが上下方向に交互に配置されている場合であれば、図14に示す例のように、上下方向の外側に第4のフィルタ部2dが配置され、内側に第5のフィルタ部2eが配置されている構造が、後述するような製造方法で容易に製造することができるのでよい。
フィルタ部2の気孔率を比較するための、気孔率の測定方法としては、例えば、水銀圧入法(JIS規格R1655:2003)、SEM画像の画像解析などが挙げられる。SEM画像の画像解析は、フィルタ部2の断面のSEM画像を撮影し、画像解析によってこのSEM画像の範囲内における気孔の面積率を算出することで行なうことができる。例えば、SEMの倍率は100倍で、1.0mm×1.3mmの視野のSEM画像を用いて行なえばよい。
フィルタ部2の気孔率が40〜70%である場合には、相対的に気孔率の大きいフィルタ部2dおよび気孔率の小さいフィルタ部2eのそれぞれの気孔率は、50〜70%および40〜60%とすればよい。
以上の粒子状物質の測定装置用部品100は、流路11は、基部1の1つの側面からこれに対向する位置にある側面にかけて延びている例で説明したが、これに限られるものではない。例えば、図16に示す例のように、流路空間10は、その一端が基部1の1つの側面に開口するとともに、他端が基部1の一端に位置する面(下面)に開口していてもよい。図16に示す例においては、流入口4が基部1の上面に設けられ、流路11は基部1の内部において、2段の流路11に別れて基部1の側面(図面の下側の側面)に設けられた流出口5まで延びている。それぞれの流路11内にフィルタ部2が設けられ、第1の流路11aと第2の流路11bとに区切られている。ガスの流れは白抜き矢印で示しており、ガスは基部1の上面に設けられた流入口4から流入し、基部1の側面に設けられた流出口5から流出する。あるいは、基部1の対向する2つの側面と基部1の一端部に位置する面(下面)とに開口していてもよい。
以上のような、セラミックスから成る緻密な基部1と多孔質セラミックスから成るフィルタ部2とが一体的に形成されている粒子状物質の測定装置用部品100の製造方法は、例えば、複数の第1のセラミックグリーンシート12を準備する工程と、複数の第2のセラミックグリーンシート22を準備する工程と、第1のセラミックグリーンシート12に電極層32を形成する工程と、第2のセラミックグリーンシート22に貫通孔112を形成する工程と、電極層32が形成された第1のセラミックグリーンシート12と貫通孔112が形成された第2のセラミックグリーンシート22を積層して積層体102を形成する工程と、積層体102を焼成する工程とを備える。
このような製造方法によれば、セラミックスから成る緻密な基部1と多孔質セラミックスから成るフィルタ部2とが一体的に形成されている、上記のような粒子状物質の測定装置用部品100を製造することができる。
図17は、粒子状物質の測定装置用部品の製造方法を工程毎に示す模式図である。図17は、図12に示す例のような粒子状物質の測定装置用部品100において、一対の基部1の間に配置されたフィルタ部2を7つから6つにしたものを製造する工程を示すものである。まず、図17(a)に示す例のように、複数の第1のセラミックグリーンシート12および複数の第2のセラミックグリーンシート22を準備する。第1のセラミックグリーンシート12は、後の焼成工程において焼結して基部1となる部分であり、第2のセラミックグリーンシート22は、同様にフィルタ部2となる部分である。緻密なセラミックスから成る基部1に対して、フィルタ部2は多孔質セラミックスから成るものである。そのため第2のセラミックグリーンシート22は、第1のセラミックグリーンシート12に対して、後の焼成工程において焼結した際に気孔が多くなる(気孔率が大きくなる)ものである。具体的には、第2のセラミックグリーンシート22は、第1のセラミックグリーンシート12と比較して、焼成工程において焼結する際に、気孔となる成分を多く含むものである。具体的には、有機バインダ成分が多いもの、造孔材を含んでいるものなどである。あるいは、焼結性を低下させて気孔を増やすために、焼結助剤成分が少ないものである。
気孔径や気孔率の調整が容易である点で、造孔材を用いるのがよい。造孔材は、後の焼成工程において焼失する粒子状のものである。造孔材としては、例えば、アクリル樹脂ビーズ(メタクリル酸エステル系共重合物)、カーボン粉末、結晶セルロースが挙げられる。造孔材の粒径は、フィルタ部2の気孔径の1倍〜1.2倍のものを用いればよい。上記したような、気孔径が1μm〜60μmのフィルタ部2を作製する場合であれば、平均粒径が1μm〜72μmの造孔材を用いればよい。気孔率の調整は、造孔材の粒径と量によって調整することができる。
第1のセラミックグリーンシート12は、基部1がアルミナ質セラミックスから成る場合であれば、まず、アルミナ粉末および焼結助剤(SiO2,MgO,CaO等の粉末)にアクリル系樹脂などの有機バインダ,トルエンやアセトン等の有機溶剤や水などの溶媒を混合してスラリーを作製する。このスラリーを用いてドクターブレード法等の成膜方法によってシート状にすればよい。第2のセラミックグリーンシート22は、第1のセラミックグリーンシート12用のスラリーに造孔材を加えたスラリーを作製すればよい。第2のセラミックグリーンシート22は、第1のセラミックグリーンシート12に対して造孔材を含むものとなる。
フィルタ部2が気孔径の異なるものを有する場合は、例えば、第2のセラミックグリーンシート22用のスラリーに加える造孔材として、平均粒径が互いに異なるものを用いて、含まれる造孔材の平均粒径が異なる、複数種の第2のセラミックグリーンシート22を作製すればよい。フィルタ部2が気孔率の異なるものを有する場合は、例えば、第2のセラミックグリーンシート22用のスラリーに加える造孔材量を互いに異ならせて、含まれる造孔材の平均粒径が異なる、複数種の第2のセラミックグリーンシート22を作製すればよい。
次に、図17(b)に示す例のように、第1のセラミックグリーンシート12に電極層32を形成する。電極層32は後の焼成工程において焼結して電極3となるものである。電極層32の形成は、電極3の主成分となる白金またはタングステン等の金属材料を主成分とする金属ペーストを第1のセラミックグリーンシート12上に塗布することで行なえばよい。金属ペーストは、金属材料の粉末に樹脂バインダおよび溶媒を加えて混練して作製することができる。金属ペーストをスクリーン印刷法等により、電極3の配線パターン形状に塗布すればよい。このとき、第1のセラミックグリーンシート12の面のうち片側だけに電極層32を形成する。
また、図17(c)に示す例のように、第2のセラミックグリーンシート22に貫通孔112を形成する。貫通孔112は流路11となる部分である。第2のセラミックグリーンシート22に、金型を用いた打ち抜き加工やレーザー加工によって貫通孔112を形成すればよい。
次に、図17(d)に示す例のように、電極層32が形成された第1のセラミックグリーンシート12と貫通孔112が形成された第2のセラミックグリーンシート22を積層して積層体102を形成する。図17(d)に示す例では、3つの基体1となる部分はそれぞれ2層の第1のセラミックグリーンシート12が積層されて形成され、フィルタ部2となる部分は2層の第2のセラミックグリーンシート22が積層されて形成されている。いずれも、1層や3層以上のセラミックグリーンシートを用いても構わない。
図17(d)に示す例は、図12に示す例のような電極3が基部1に埋設された粒子状物質の測定装置用部品100を作製する場合の積層体102であるので、電極層32は2層の第1のセラミックグリーンシート12の層間に位置している。電極層32を形成した第1のセラミックグリーンシート12の上に電極層32を形成していない第1のセラミックグリーンシート12を積層している。
図3に示す例のような粒子状物質の測定装置用部品100を作製する場合には、電極層32を形成した第1のセラミックグリーンシート12の上に電極層32を形成していない第1のセラミックグリーンシート12を重ねた上に、第2のセラミックグリーンシート22のフィルタ部2となる部分のみを重ね、さらにその周りを囲むように枠状の第1のセラミックグリーンシート12を重ねればよい。
積層体102を形成するには、電極層32が形成された第1のセラミックグリーンシート12と貫通孔112が形成された第2のセラミックグリーンシート22とを重ねて、一軸加圧プレス等で加圧して圧着することで一体化させればよい。
貫通孔112に後の焼成工程で焼失する樹脂等を充填しておくと、第1のセラミックグリーンシート12における貫通孔の上下に位置する部分の変形を抑えることができる。
そして、積層体102を焼成することで、上記のような、セラミックスから成る緻密な基部1と多孔質セラミックスから成るフィルタ部2とが一体的に形成されている粒子状物質の測定装置用部品100となる。焼成温度は、基部1およびフィルタ部2がアルミナ質セラミックスから成る場合であれば、1500℃〜1600℃とすればよい。
貫通導体を形成するには、積層体102を作製する工程の前に、必要なセラミックグリーンシートに金型を用いた打ち抜き加工やレーザー加工によって貫通孔を形成し、この貫通孔に電極層32を形成するのと同様の導体ペーストを充填しておけばよい。