JP6711352B2 - インサイチュハイブリダイゼイション用のプローブ試薬 - Google Patents
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Description
たとえば特許文献1は、2段階の核酸増幅を経て、ターゲットの核酸分子を増感しつつ間接的に蛍光検出する方法の発明であり、プローブを複数種類のカクテルとして用いることが開示されている。具体的に説明すれば、図5(A)に示すように、ターゲットの核酸分子N1を含んでいると思われるサンプル(DNA溶液等)を用意し、第1の固体支持体S1に固定した別の核酸群N2sに対してヒンジの核酸N3を介して前記ターゲットの核酸N1を捕捉させる。
また、プローブを複数種類のカクテルとして用いる技術としてAffitrix社製のキット「QuantiGene」が知られており、該キットは40種類程度のZ型プローブを含み、図4に示した機構によりmRNAの蛍光標識の増感を実現する。特許文献1の技術を応用して、キット化されたものと推測される。
本発明に係るインサイチュハイブリダイゼイション用のプローブ試薬は、配列が異なる複数の核酸分子と、前記核酸分子に結合可能な、または、結合した1つまたは2つ以上の蛍光体ナノ粒子を含む。
核酸分子は、染色体上の特定領域(例;HER2遺伝子の領域)の配列(プローブ配列)の一部を有する核酸分子である。ここで、「配列が異なる複数の核酸分子」とは、各核酸分子が染色体上の特定領域(例;HER2遺伝子の領域)から重複しないように選択した塩基配列を有する複数の核酸分子であることを意味する。
蛍光体ナノ粒子には、半導体成分を含む主として無機質の半導体ナノ粒子と、蛍光体集積ナノ粒子とが含まれる。ここで、蛍光体集積ナノ粒子を用いることで、蛍光体自体と比較して、1粒子当たりの発する蛍光の量、すなわち所定の生体分子を標記する輝点の輝度を高めることができる。
本発明に使用可能な半導体ナノ粒子の例としては、II−VI族化合物、III−V族化合物、又はIV族元素を成分として含有する量子ドット(それぞれ、「II−VI族量子ドット」、「III−V族量子ドット」、「IV族量子ドット」ともいう。)のいずれかを挙げることができる。単独でも複数種を混合したものを用いてもよい。量子ドットは、市販されているものでもよい。具体的には、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、InP、InN、InAs、InGaP、GaP、GaAs、Si、Geが挙げられるが、これらに限定されない。上記量子ドットをコアとし、その上にシェルを設けた量子ドットを用いることもできる。以下、シェルを有する量子ドットの表記法として、コアがCdSe、シェルがZnSの場合、CdSe/ZnSと表記する。例えば、CdSe/ZnS、CdS/ZnS、InP/ZnS、InGaP/ZnS、Si/SiO2、Si/ZnS、Ge/GeO2、Ge/ZnS等を用いることができるが、これらに限定されない。量子ドットは必要に応じて、有機ポリマー等により表面処理が施されているものを用いてもよい。例えば、表面カルボキシ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)、表面アミノ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)等が挙げられる。
半導体ナノ粒子の製造方法としては、液相法による方法を採用できる。液相法の製造方法としては、沈殿法、共沈法、ゾル−ゲル法、均一沈殿法、還元法などがある。そのほかに、逆ミセル法、超臨界水熱合成法なども半導体ナノ粒子を作製する上で優れた方法である(例えば、特開2002−322468号、特開2005−239775号、特開平10−310770号、特開2000−104058号公報等を参照。)。
半導体前駆体を還元する還元剤としては、従来周知の種々の還元剤を反応条件に応じて選択し用いることができる。本発明においては、還元力の強さの観点から、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム(LiBH(sec−C4H9)3)及び水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム、水素化トリエチルホウ素リチウムなどの還元剤が好ましい。特に、還元力の強さから水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)が好ましい。
半導体前駆体の分散用溶媒としては、従来周知の種々の溶媒を使用できるが、エチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、トルエン、デカン、ヘキサンなどの炭化水素類溶媒を使用することが好ましい。本発明においては、特に、トルエン等の疎水性の溶媒が分散用溶媒として好ましい。
界面活性剤としては、従来周知の種々の界面活性剤を使用でき、陰イオン、非イオン、陽イオン、両性界面活性剤が含まれる。なかでも第四級アンモニウム塩系である、テトラブチルアンモニウムクロリド、ブロミド又はヘキサフルオロホスフェート、テトラオクチルアンモニウムブロミド(TOAB)、またはトリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミドが好ましい。特に、テトラオクチルアンモニウムブロミドが好ましい。
蛍光体集積ナノ粒子は、下記蛍光体を集積したものである。このような蛍光体集積ナノ粒子を用いることで、蛍光体自体と比較して、1粒子当たりの発する蛍光の量、すなわち所定の生体分子を標記する輝点の輝度を高めることができる。
本明細書において「蛍光体」とは、外部からのX線、紫外線または可視光線の照射を受けて励起し、励起状態から基底状態に到る過程において光を発光する物質一般を指す。したがって、本発明にいう「蛍光体」は、励起状態から基底状態に戻るときの遷移態様の如何を問うものでなく、励起一重項からの失活に伴う発光である狭義の蛍光を発する物質であってもよいし、三重項からの失活に伴う発光である燐光を発する物質であってもよい。
また、本発明にいう「蛍光体」は、励起光を遮断してからの発光寿命によって限定されるものでもない。したがって、硫化亜鉛やアルミン酸ストロンチウム等の蓄光物質として知られている物質であってもよい。このような蛍光体は、有機蛍光体(蛍光色素)および無機蛍光体に大別することができる。
蛍光体としての使用可能な有機蛍光体の例としては、フルオレセイン系色素分子、ローダミン系色素分子、Alexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、カスケード(登録商標、インビトロジェン社)系色素分子、クマリン系色素分子、NBD(登録商標)系色素分子、ピレン系色素分子、Texas Red(登録商標)系色素分子、シアニン系色素分子、ペリレン系色素分子、オキサジン系色素分子等、有機蛍光色素として知られている物質を挙げることができる。
無機蛍光体を集積して蛍光体集積ナノ粒子を作製する場合に、使用可能な無機蛍光体としては、上述した半導体ナノ粒子が挙げられる。
蛍光体を集積した蛍光体集積ナノ粒子の製造方法は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。一般的には、樹脂またはシリカを母体として蛍光体をまとめ上げる(当該母体の内部または表面に蛍光体を固定化する)製造方法を用いることができる。蛍光体集積ナノ粒子の粒子径は、蛍光観察できる範囲の平均粒子径であれば制限がないが、好適に蛍光観察する観点から、前記蛍光体集積ナノ粒子の平均粒子径が40nm以上300nm以下であることが好ましい。
有機蛍光体を用いた蛍光体集積ナノ粒子の製造方法として、蛍光体である蛍光色素を樹脂からなる母体の内部または表面に固定した、直径がナノメートルオーダーの樹脂粒子を形成させる方法を挙げることができる。この蛍光体集積ナノ粒子の調製方法は特に限定されるものではないが、例えば、蛍光体集積ナノ粒子の母体をなす樹脂(熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂)を合成するための(コ)モノマーを(共)重合させながら、蛍光体を添加し、当該(共)重合体の内部または表面に当該蛍光体を取り込ませる方法を用いることができる。
無機蛍光体を用いた蛍光体集積ナノ粒子の製造方法として、蛍光体である前述の半導体ナノ粒子をシリカからなる母体の内部または表面に固定した、シリカナノ粒子を形成させる方法が挙げられる。この製造方法は、ニュー・ジャーナル・オブ・ケミストリー 33巻 561ページ(2009)に記載されているCdTe内包シリカナノ粒子の合成を参考にすることができる。
蛍光体集積ナノ粒子の平均粒子径は、40nm以上300nm以下であることが好ましい。母体となる粒子の平均粒子径が40nmを下回ると、蛍光集積体ナノ粒子に起因して蛍光観察で観察されるべき輝点が全く観察されない、または観察されにくくなる。逆に、母体となる粒子の平均粒子径が300nmを上回ると、蛍光観察において観察される輝点が大きくなりすぎ、非特異的な輝点と特異的な輝点との判別が困難で正確に輝点をカウントすることが困難となる。
製造した色素粒子の平均粒子径の測定は、当該分野で知られた方法により行うことができ,例えば、ガス吸着法、光散乱法、X線小角散乱法(SAXS)、透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して平均粒子径を計測する方法等により測定できる。TEMを用いる場合、粒子径分布が広い場合には、視野内に入った粒子が全粒子を代表しているか否かに注意を払う必要がある。吸着法は、N2吸着等によりBET表面積を評価するものである。
DNAプローブである核酸分子と蛍光体ナノ粒子との間の結合は、下記表1に例示されるような、公知のいかなる結合を介して結合してもよいが、DNAプローブである核酸分子と蛍光体ナノ粒子とを核酸分子同士の結合以外の結合で結合することが好ましい。核酸分子同士の結合では、非特異的な結合が生じやすいからである。核酸分子同士の結合以外の結合の例としては後述するように、ハプテン−抗ハプテン抗体間の結合、第1生体分子−第2生体分子間の結合、第1結合基−第2結合基間の結合などが挙げられる。
この実施形態においては、第1結合部および第2結合部は、表1中のA、B、Cいずれかの異なるグループに含まれるもの同士となり、第3結合部は第1結合部と同一のグループに属する第2結合部として挙げられている結合部となり、第4結合物は第2結合部と同一のグループに属する第1結合部として挙げられている結合部となる。例えば、図1,3に例示されているように、核酸分子が有する第1結合部としてグループAのハプテンを選択し、介在分子が有する第3結合部としてグループAの抗ハプテン抗体を、第4結合部としてグループBのビオチンを選択し、蛍光体ナノ粒子が有する第4物質としてグループBのストレプトアビジンを選択することができる。核酸分子と蛍光体ナノ粒子とが、表1に例示されるような結合を「介して」結合するとは、上述したような直接法および間接法の両方の結合様式を包含している。
(ハプテン(抗原性低分子))
ハプテンは、抗原性低分子とも呼ばれ、動物等に注射しても抗体が生成されず(免疫原性を欠き)、抗体との抗原抗体反応のみ起こす(反応原性のみを有する)物質を意味する。つまり、ハプテンは、特異抗体と反応はするが、抗体やリンパ球の増殖や分化を誘導しない性質をもつ物質であり、上記反応原性のみを有する重量平均分子量(Mw)1000未満の低分子が含まれる。
核酸分子にハプテンを結合させる場合、以下の方法を用いることができる。なお、核酸分子自体も抗原性低分子であるため、核酸分子と抗ハプテン抗体による結合を利用する場合には、核酸以外の上記ハプテンで核酸分子を標識する必要はない。
核酸をハプテンで標識する方法としては、例えば、PCRラベリング法、或いは、ニックトランスレーション法、ランダムプライム法を使用することができる。PCRラベリング法では、核酸分子を鋳型としてハプテン(例;DIG等)で標識された核酸基質(例;dUTP−DIG,dUTP−FITC等)を使用したPCRを行うことで核酸分子をハプテンで標識することができる。ニックトランスレーション法では、ハプテンで標識された核酸基質(例;dUTP−DIG等)を使用してニックトランスレーションを行うことにより核酸分子をハプテンで標識することができる。ランダムプライム法では、長さの異なるプライマーと鋳型となる核酸分子との間で2本鎖を形成させて、この2本鎖のDNAに対して、ハプテンで標識された核酸基質(例;dUTP−DIG)等の存在下でklenowEnzymeを作用させることにより、核酸分子をハプテンで標識することができる。標識した核酸分子は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)等により夾雑物と分離して該当する部分をゲル切り出し及び溶出等を行うこと等で精製することができる。
PCRを用いた上記方法以外の方法で核酸分子にハプテンを結合させる場合、以下の方法を用いることができる。
ハプテンに対する抗体としては、上記ハプテンと特異的に結合可能な抗体が含まれる。上記ハプテンの例に対応する抗体の例としては、抗DIG抗体、抗FITC抗体、抗DNP抗体を好適に用いることができる。
[抗ハプテン抗体と蛍光体ナノ粒子との結合]
抗ハプテン抗体が結合した蛍光体ナノ粒子の調製する方法は、ハプテンに対する抗ハプテン抗体の結合性が損なわれない限り特に限定されない。
還元時のpH(還元pH)がアルカリ側になるにつれて抗体分子に含まれるジスルフィド結合(S―S結合)の還元量が増加していくことから、還元剤の還元能が発揮できるpH範囲内で、抗体1分子中にSH基が極力少なく導入されるように還元pHを調節することが抗体の反応性を損ねない観点から好ましい。還元pHとしては、例えば、2−メルカプトエタノールを使用する場合はpH7.0〜8.5である。還元反応の条件としては、4℃〜8℃で8時間〜36時間である。また、抗体1モルに対し、還元剤のモル濃度を100,000,000,000〜10,000,000,000,000モルとするのが好ましい。抗体分子中のSH基の定量は、例えば、公知のSH基定量試薬(例: 5,5'−Dithiobis(2−nitrobenzoic acid)同仁品コード:D029 製品名:DTNB)等のSH基定量キットを使用する方法等の公知の方法により行うことができる。
抗ハプテン抗体へチオール基が導入されたか否か、蛍光体ナノ粒子の表面へ上記官能基が導入されたか否かの確認は、例えば、チオール基または上記官能基の導入処理の前後で、FT−IRにより結合に該当する波長ピークと面積を計測する方法で行うことができる。
SH基を導入した抗体と官能基を導入した蛍光体ナノ粒子との結合は、反応効率を高める観点から、蛍光体ナノ粒子1モルに対して、還元後のSH基を有する抗体を100,000モル〜100,000,000モル用いることが好ましい。結合反応の温度と時間は、結合反応を十分に行う観点から、室温(1〜40℃)で1時間〜12時間放置することが好ましい。なお、結合反応の停止は、反応液にメルカプトエタノール等の還元剤を30〜50nmol程度添加することで行うことができる。
[抗ハプテン抗体と蛍光体ナノ粒子との間にリンカーを介在させる場合]
抗ハプテン抗体と蛍光体ナノ粒子との間に親水性高分子のリンカーを介在させてもよい。該リンカーの一端部と抗ハプテン抗体とを結合する場合、該リンカーの一端部にマレイミド等の官能基を導入するとともに、抗ハプテン抗体にSH基等の官能基を設けて、これら官能基同士の結合反応によりリンカーの一端部と蛍光体ナノ粒子との結合を行うことができる。
PCR法を利用する方法の場合、上述したハプテン標識用の核酸基質(例;dUTP−ハプテン)の代わりに、リンカーを介してハプテン部分と核酸部分とが結合した核酸基質(例;dUTP−リンカー−ハプテン)を使用してPCRを行うことで、核酸分子に対してリンカーを介してハプテンを結合させることができる。上記核酸基質としては、「Fluorescein-12-dUTP」(ロッシュ・ライフサイエンス社製)等が例示される。
リンカーを製造する場合に、リンカーとして使用可能な親水性高分子の例としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フィコール、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸交互共重合体、ジビニルエーテル−無水マレイン酸交互共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタアクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアスパルトアミド、合成ポリアミノ酸により形成される群から選択された1種類または2種以上の親水性高分子を用いることができる。前述の例示された親水性高分子の中では、ポリエチレングリコール(PEG)が、オキシエチレン単位の数により鎖長を設定しやすい観点から好ましい。
リンカーの長さについては、下記化学式で示すように、リンカーが抗体や蛍光体ナノ粒子に結合した状態で、親水性高分子に由来する部分の長さを意味する。リンカーの長さは、30オングストローム以上、1000オングストローム以下であることが望ましく、15オングストローム以上65オングストローム以下が特に好ましい。リンカーは1つの蛍光体ナノ粒子に1個または2個以上結合していてもよく、リンカーが蛍光体ナノ粒子に2個以上結合している場合には、1個の蛍光体ナノ粒子に対して長さの異なる複数のリンカーが結合されていてもよい。例えば、1個の蛍光体ナノ粒子に対して2種以上の第2結合部(例えばDIGおよびFITC)を結合させる場合、それぞれを長さの異なるリンカーで結合させるようにすることが好ましい。
核酸分子と蛍光体ナノ粒子との結合は、第1生体分子と第1生体分子に特異的に結合可能な第2生体分子との結合を介した結合によることとしてもよい。
第1生体分子を核酸分子に結合させる方法としては、第1生体分子を有する核酸基質を使用した、PCRラベリング法、ニックトランスレーション法、ランダムプライム法を使用することができる。PCRラベリング法では、核酸分子を鋳型として第1生体分子(例;ビオチン等)で標識された核酸基質(例;dUTP−ビオチン等)を使用したPCRを行うことで核酸分子を第1生体分子で標識することができる。ニックトランスレーション法では、第1生体分子で標識された核酸基質(例;dUTP−ビオチン等)を使用してニックトランスレーションを行うことにより核酸分子を第1生体分子で標識することができる。または、ランダムプライム法では、長さの異なるプライマーを鋳型となる核酸分子に2本鎖を形成させて、これにクレノー酵素を第1生体分子で標識された核酸基質(例;dUTP−ビオチン)等の存在下で作用させることにより、核酸分子を第1生体分子で標識することができる。
第2生体分子と蛍光体ナノ粒子との結合は特に限定されず、第2生体分子がアビジン等のタンパク質である場合には、前述した抗体と蛍光体ナノ粒子との結合と同様に第2生体分子を蛍光体ナノ粒子に結合させることができる。また、上述したように抗体と蛍光体ナノ粒子との間にリンカーを介在させる方法により第2生体分子を蛍光体ナノ粒子に結合させてもよい。
核酸分子と蛍光体ナノ粒子との結合に、ハプテン−抗ハプテン抗体間の結合や、第1生体分子−第2生体分子間の結合を使用しない場合、例えば第1結合基と第2結合基とを核酸分子と蛍光体ナノ粒子とにそれぞれ導入して、第1,2結合基間の結合を介して核酸分子と蛍光体ナノ粒子とを結合させることも可能である。第1結合基と第2結合基には、結合可能な公知の官能基同士の組合せを利用することができる。例えば、第1試薬と第2試薬が分包されているプローブ試薬を用いる場合、第1試薬に含まれる核酸分子に導入する第1結合基と、第2試薬に含まれる蛍光体ナノ粒子に導入する第2結合基の組合せとして好ましいものとしては、混合するだけで常温で速やかに反応が進行する“クリックケミストリー”で使用されているような、アジドーアルキンのヒュスゲン付加環化反応による結合を利用することが望ましい。一方、第1試薬と第2試薬が分包されているものではなく、あらかじめ核酸分子と蛍光体ナノ粒子とが直接的または間接的に結合しているプローブ試薬を用いる場合は、前記アジドーアルキンのヒュスゲン付加環化反応による結合の他、所定の反応条件の下で共有結合が形成される各種の反応、例えばマレイミド基−チオール基の反応を利用することも可能である。なお、蛍光体ナノ粒子と核酸分子とを直接結合させる上記態様に限らず、介在分子を用いる等して、ハプテン−抗ハプテン抗体間の結合、第1生体分子−第2生体分子間の結合を介在させて上記核酸分子と蛍光体ナノ粒子とを結合させてもよい。
蛍光体ナノ粒子が蛍光体集積ナノ粒子である場合、蛍光体集積ナノ粒子へのアジ基導入(アジ化)は、公知のアジド化試薬(ジアゾ基転移試薬)を用いて行うことができる。また、核酸分子への炭素間三重結合の導入(アルキン修飾)は、「EdU(5-エチニル-2′デオキシウリジン)」(ライフテクノロジー社製)等を用いたニックトランスレーション法等により行うことができる。
マレイミド基を有する核酸分子は、マレイミド等を有する核酸の基質を用いて核酸分子に対してニックトランスレーションを行うか、核酸の5’末端または3’末端をマレイミド化する試薬により核酸分子にマレイミド基等を導入することができる。
以下、上記核酸プローブ試薬を用いた免疫染色(病理診断のためのデータ提供用の免疫染色)について述べる。FISH、免疫染色の方法それ自体は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
検体スライドは、例えばがんが疑われる被験者(ヒト、イヌ、ネコ等)の組織について一般的な病理組織診断に用いる方法で調製することができる。まず、被験者の組織を、ホルマリン等を用いて固定し、アルコールで脱水処理した後、キシレン処理を行い、高温のパラフィン中に浸しパラフィン包埋を行い、組織試料を作製する。続いて、上記組織試料を3〜4μmの切片にし、スライドガラス上に載置したものを検体スライドとする。
特に近年、上記がんが疑われる被験者としてCDXマウス、PDXマウスといったモデル動物が病理組織の検査に供されるケースもあり、創薬研究で利用されるモデル動物として、注目されている。これらのモデル動物の組織についても、一般的な病理組織診断に用いる方法で、検体スライドは調製することができ、購入することもできる。ここで、CDXマウスとは患者から取り出した腫瘍細胞に由来する培養細胞をマウスに植え付け、マウス内で成長させることによって作製されたモデル動物であり、PDXマウスとは患者から取り出した腫瘍組織または腫瘍細胞をマウスに植え付け、マウス内で成長させることによって作製されたモデル動物、である。
キシレンまたはその他の脱パラフィン剤を入れた容器に検体スライド上の組織切片を浸漬させ、パラフィンを除去する(図2,図3参照)。このときの温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。次いで、エタノールを入れた容器に該切片を浸漬させ、キシレンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。次いで、水を入れた容器に該切片を浸漬させ、エタノールを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また、必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
プローブをハイブリダイゼーション反応に供する前に、前処理(加熱処理、酸処理)、酵素処理による処理など、プローブ試薬が効率的に組織切片上の核酸に到達できるようにするための前処理を施すことが知られている。これらの処理条件や組合せは、切片の種類・厚さ・スライド調整条件などにより、最適条件が異なるので、適宜手順を決定する必要がある。すべての処理を必ず実施する必要があるわけではなく、例えば酵素処理を実施しないという選択肢もありうる。
まず、検体スライドをプロテアーゼ溶液に一定時間浸漬する。次いで、洗浄緩衝液に浸漬して洗浄し、この操作を2回繰り返す。
プロテアーゼとしては、タンパク質の加水分解に適したプロテイナーゼ、例えばペプシン、プロテイナーゼK等がしばしば使用される。なお、脱タンパク質の効率をどうするかは、ハイブリダイゼーション、すなわち、目的とする染色体との反応を最高にするプロテアーゼ濃度と分解時間との組合せを検討した上で、形態学的詳細(morphological detail)が損なわれないような条件設定で行われる。なお、最適の条件は組織型及び固定方法により異なる。また、プロテアーゼ処理後の付加的固定は有用である。
なお、固定処理は、通常、固定処理を全く実施せずに染色してみて、切片が剥がれたと思われる工程の後ろで固定処理を実施するプロセスとして追加し改善するため、全く実施しなくともよい場合もあれば、数か所で実施する場合もありうる。したがって、前処理以外の各ステップ以外のステップでも、必要に応じて核染色の前後で固定処理を実施しても構わない。例えば、ハイブリダイゼーションの前および/または後に検体の固定処理を行ってもよい。
[DNA変性処理]
上記の固定処理の後、切片上に存在するDNAを変性する(二本鎖DNAから一本鎖DNAにする)ため、例えば以下のような手順の処理を行う。まず、検体スライドを変性溶液(ホルムアミド/SSC溶液等)に72℃程度で所定の時間、浸漬する。その後、検体スライドを取り出し、ホルムアミドを除去するため、濃度を徐々に高めた数段階のエタノール(例えば70%エタノール水溶液、80%エタノール水溶液および100%エタノール)に浸漬する。その後、検体スライドを風乾等により乾燥させる。
配列の異なる複数の核酸分子(DNAプローブ)を含むプローブ試薬を用いて、公知のFISH(例えば「アジレントFISH General PurposeReagentsプロトコル」や、「臨床FISHプロトコール―目で見る染色体・遺伝子診断法 (細胞工学別冊―実験プロトコールシリーズ」等)と同様に、ハイブリダイゼーション処理を行うことができる。ここで、用語「ハイブリダイゼーション」は、二本鎖分子の形成のための二本のDNA又はDNAとRNA相補鎖の結合過程、または形成された2本鎖の分子を意味する。
また、染色体上の目的遺伝子と相補鎖を形成した配列の異なる複数の核酸分子(例;DNAプローブA,B)に対して蛍光体ナノ粒子をそれぞれ結合させることができれば、上記とは別のハイブリダイゼーションの態様であっても構わない。例えば、表1に例示された各結合(ハプテンー抗ハプテン抗体間の結合、第1生体分子−第2生体分子間の結合、第1結合基―第2結合基間の結合)、またはこれらの結合の組合せを利用して、核酸分子と蛍光体ナノ粒子とを動的に結合してもよい。
ハイブリダイゼーション処理の後、通常はさらに、細胞数をカウントするための核染色処理を行う。核染色試薬としてはDAPIが一般的であるが、これ以外にもHoechst 33258、Hoechst 33342などのビスベンズイミド誘導体やその他の核染色試薬を用いてもよい。例えば、核染色試薬としてDAPIを用いる場合は、次のような手順で核染色を行うことができる。まず、ハイブリダイゼーション処理を行った検体スライドを脱イオン水、リン酸液緩衝生理食塩水(PBS)で順次洗浄する。次いで、DAPI染色試薬(2μg/PBS)に一定時間浸漬する。
FISHによる染色処理および核染色処理を終えた検体スライドは、PBSで数回洗浄し、風乾または脱水処理を行った後、組織切片上に封入剤を滴下し、カバーガラスを被せ、乾燥させる封入処理を行う。封入剤としては公知の油系封入剤(Entellan(登録商標)new等)または水系封入剤(Aquatex(登録商標)等)を使用することができる。以上の処理により作製された封入済みの検体スライドが、病理診断等を行うためのプレパラートとなる。
[明視野観察]
明視野観察は、細胞または組織内の染色対象とする細胞器官の分布情報を取得するために必要に応じて行われる。明視野観察は、一般的な方法として、例えば、上記染色後、ヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色)や前述したようなDAPI染色を行った後に顕微鏡で観察を行うことが好ましい。
染色した上記切片に対し蛍光顕微鏡を用いて、広視野の顕微鏡画像から蛍光の輝点の数又は発光輝度を計測する。用いた蛍光物質の吸収極大波長及び蛍光波長に対応した励起光源及び蛍光検出用光学フィルターを選択する。輝点数又は発光輝度の計測は、市販の画像解析ソフト、例えば、株式会社ジーオングストローム社製の全輝点自動計測ソフトG−Countを用いて行うことができる。なお、顕微鏡を使用した画像解析自体は周知であり、例えば、特開平9−197290に開示される手法を用いることができる。顕微鏡画像の視野は、3mm2以上であることが好ましく、30mm2以上であることがさらに好ましく、300mm2以上であることがさらに好ましい。顕微鏡画像から計測された輝点数、及び/又は発光輝度に基づいて、目的とする特定の遺伝子のコピー数や発現したタンパク質を評価する。具体的には、例えば、遺伝子についてはコピー数が1〜2つであれば正常であり、3つ以上であれば異常(増殖)が生じていると評価することができる。
(1)本発明に係るインサイチュハイブリダイゼイション用のプローブ試薬は、配列が異なる複数の核酸分子と、前記核酸分子に結合可能な、または、結合した1つまたは2つ以上の蛍光体ナノ粒子を含むものである。
(7)前記ハプテンが、ジゴキシゲニン(DIG)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)および2,4−ジニトロフェノール(DNP)からなる群から選択された1種または2種以上であり、前記抗ハプテン抗体が、抗DIG抗体、抗FITC抗体および抗DNP抗体から選択された1種または2種以上であれば、核酸分子がどの程度のハプテンにより標識されたのかをDIG、FITCまたはDNPに対してそれぞれ励起光を照射すること等により、発する蛍光を定量することにより確認することができる。そのため、標識に用いるハプテンの量、ハイブリダイゼーション後に添加する蛍光体ナノ粒子の量を調節しやすくなり、その結果、輝点から得られるシグナルの強度の調整もしやすくなる。また、上記のように励起させて上記核酸分子が目的遺伝子にハイブリダイズしたか否か確認することができる。なお、励起光を受けて蛍光を発するハプテンとして、上記FITC以外のハプテンを用いてもよい。たとえば、Cy3をハプテンとして用いて抗Cy3抗体を用いて検出する系なども例示できる。
[比較例1]
以下の通りにプローブ試薬の調製を行った。
[DNAプローブの調製]
(PCR法によるゲノムからのHER2遺伝子由来の核酸分子の増幅およびFITC標識)
HER2遺伝子の一部のDNA配列をコードする下記フォワードプライマー(FP1:5’-cgatgtgactgtctcctccc−3')とリバースプライマー(RP1:5'−atcctactccatcccaagcc−3')のセット(1)を使用してHER2遺伝子由来の塩基数210bpの核酸分子(DNAプローブi)を調製した。このPCRを行う際に、PCR用の核酸基質として「Fluorescein−12−dUTP」(1mM,ロシュ・アプライド・サイエンス社)(下記式参照)を使用することにより、上記DNAプローブを、リンカーを介してFITCで標識した。
・5×GoTaq(登録商標) DNA polymerase buffer(promega社製)・・・5μL
・GoTaq(登録商標) DNA polymerase (5U/μL)(promega社製)・・・0.25μL
・ヒトゲノムDNA(100ng/μL)(Takaraバイオ社製)・・・0.25μL
・dATP(10mM)・・・0.50μL
・dGTP(10mM)・・・0.50μL
・dCTP(10mM)・・・0.50μL
・dTTP(1mM)・・・3.25μL
・FITC−dUTP(1nM, ロシュ・アプライド・サイエンス社製)・・・1.75μL
・Forward primer(5'-cgatgtgactgtctcctccc-3')・10μM・・0.50μL
・Reverse primer(5'-atcctactccatcccaagcc-3')・10μM・・0.50μL
・純水(Nuclease free water)・・・12.00μL
次に、上記PCRの反応物の残り全部を「QIAquick PCR Purification Kit」(QIAGEN社製)を使用して精製し、塩基数210bpのFITCで標識されたHER2遺伝子由来のDNAプローブiを得た。
ビオチン標識の抗FITC抗体として「biotin付抗FITC抗体」(Vector社 :cord BA-0601)を購入した。
「Qdot(登録商標) 655 Streptavidin Conjugate」(ライフテクノロジー社)を購入した。
次に、前述のように用意したプローブ試薬Aを使用して以下の通りにFISHを行い、HER2遺伝子のコピー数の測定等を行った。
HER2陽性染色対照標本の検体スライド(パソロジー研究所社製「HER2−FISHコントロールスライド Code PS−09006」)を、以下の(1)〜(4)の順で処理することで脱パラフィン処理を行った。(1)ヘモディー(Hemo−De)に常温で10分間浸漬する。(2)検体スライドを新しいHemo−Deに常温10分間浸漬する。同じ操作を3回繰り返す。(3)検体スライドを100%エタノールで常温で5分間浸漬し、2回洗浄し、脱水処理を行う。(4)検体スライドを風乾または45〜50℃のスライドウォーマー上で乾燥させる。
DNAプローブの到達性を向上させるために、上記検体スライドに対し以下の(1)〜(6)の順で前処理を行い、細胞膜及び核膜の蛋白質の除去を行った。(1)検体スライドを0.2mоl/L HClで室温、20分間処理する。(2)検体スライドを精製水に3分間浸漬する。(3)検体スライドを洗浄緩衝液(2xSSC:standard sailine citrate)に3分間浸漬する。(4)検体スライドを80℃の前処理溶液(1N NaSCN)に30分間浸漬する。(5)検体スライドを精製水に1分間浸漬する。(6)検体スライドを洗浄緩衝液(2xSSC)に5分間浸漬し、この浸漬操作を2回繰り返す。
前処理を行った検体スライドに対して、以下の(1)〜(4)の処理をこの順で行うことで酵素処理を行った。(1)前処理した検体スライドを取り出し、ペーパータオルにスライドグラスの下端をつけて余分な洗浄緩衝液を取り除く。(2)検体スライドを37℃に加温したプロテアーゼ溶液に10〜60分間浸漬する。この浸漬処理は、細胞膜及び核膜のタンパク質、特にコラーゲンの分解をするために、25mg プロテアーゼ(2500−3000Units/mg)[ペプシン]/1M NaCl[pH2.0]50mLで37℃、60分間)で処理ことが望ましい。(3)検体スライドを洗浄緩衝液に5分間浸漬する。この操作を2回繰り返す。(4)検体スライドを風乾または45〜50℃のスライドウォーマー上で2〜5分間乾燥させる。
検体の固定処理として、前処理を行った検体スライドに対して以下の(1)〜(3)の処理を行った。(1)検体スライドを10%中性緩衝ホルマリン(和光純薬工業社製「4%パラホルムアルデヒド・リン酸緩衝液」、製品番号163−20145)に常温で10分間浸漬する。(2)検体スライドを洗浄緩衝液に5分間浸漬する。これと同じ操作を2回繰り返す。(3)検体スライドを風乾または45〜50℃のスライドウォーマー上で2〜5分間乾燥させる。
上記乾燥を行った検体スライドに対して以下の処理(1)〜(3)を、この順で行うことで、検体スライドに対して上記調製したDNAプローブi 1μL(10〜50ng)を用いてハイブリダイゼーション処理を行った。
(2)ペーパーボンド(コクヨ社)でカバーグラスをシールする。
(3)ハイブリダイザー(ダコ社)に検体スライドを配置して、80℃を10分、45℃を1時間の変性およびハイブリダイゼーションを行う。
上記ハイブリダイゼーション処理を行った検体スライドに対して以下の(1)〜(6)の処理をこの順で行うことで、検体スライドの洗浄処理を行った。(1)ポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液(1×SSC/0.1%NP−40)をコプリンジャーに入れる。ポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液が63℃になるまで温浴槽で予備加熱をする(63℃の温浴槽に少なくとも30分間置く)。(2)ポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液を入れたコプリンジャーをもうひとつ用意し、室温に維持する。(3)ピンセットでペーパーボンドのシールを取り除く。室温に維持されたポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液が入ったコプリンジャーの中に検体スライドを入れて、カバーグラスを剥がす。(4)検体スライドを63℃に保たれたポストハイブリダイゼーション洗浄緩衝液の中に入れて10分間浸漬し、洗浄する。(5)Tris wash buffer(HER2 FISH PharmDx「ダコ」)を用いて室温で3分間浸漬し、2回洗浄する。(6)コプリンジャーから検体スライドを取り出し、遮光下(締め切った引出や締め切ったキャビネットの棚等で風乾する。
[検体の固定]
検体の固定処理として、ハイブリダイゼーションを行った検体スライドに対して以下の(1)〜(3)の処理を行った。(1)検体スライドを10%中性緩衝ホルマリン(和光純薬工業社製「4%パラホルムアルデヒド・リン酸緩衝液」、製品番号163−20145)に常温で10分間浸漬する。(2)検体スライドを洗浄緩衝液に5分間浸漬する。これと同じ操作を2回繰り返す。(3)検体スライドを風乾または45〜50℃のスライドウォーマー上で2〜5分間乾燥させる。
ブロッキングはIn Situ Hybridization Blocking Solution(Vector、MB1220)に室温で30分間浸漬することで行った。
その後、「biotin付抗FITC抗体」(Vector社 :cord BA-0601、1mg/mL)を上記In Situ Hybridization Blocking Solution(Vector, MB1220)で200倍希釈し、室温で30分間浸漬することで、ビオチン標識された抗FITC抗体のDNAプローブへの結合を行った。
浸潤したスライドの洗浄は、In Situ Hybridization Blocking Solution(Vector, MB1220)で2回実施した。
「Qdot(登録商標) 655 Streptavidin Conjugate」(ライフテクノロジー社、1uM)は上記In Situ Hybridization Blocking Solution(Vector, MB1220)で50倍希釈して20nMとし、100μL検体スライド上に滴下し、室温で60分間結合反応を行った。PBSで5分間浸漬し、3回洗浄を行った。
[DAPI染色]
上述のようにFISHを行った検体スライドを以下のように観察した。
[蛍光顕微鏡観察]
蛍光顕微鏡観察は、上述のようにFISHを行った切片を、蛍光顕微鏡Zeiss imager(カメラ:MRmモノクロ・冷却機能付、対物レンズ×60油浸)を用いて、蛍光顕微鏡観察(600倍)を行い、蛍光の測定、蛍光画像(蛍光静止画像)および輝点数の計測を行った。
HER2発現細胞の染色像について調べたところ、各細胞の1核あたりの輝点数は0であった(表3参照)
[DNAプローブの調製]
(PCR法によるゲノムからのHER2遺伝子由来の核酸分子の増幅およびFITC標識)
比較例1と同様にプライマーセット(1)を使用してPCRを行い、FITC標識されたHER2遺伝子由来の塩基数210bpの核酸分子(DNAプローブi)を調製した。
ビオチン標識の抗FITC抗体として比較例1の「biotin付抗FITC抗体」(Vector社 :cord BA-0601)を使用した。
[スルホローダミン101内包ポリメラミン粒子(平均粒子径:280nm)の製造]
蛍光色素として、スルホローダミン101(シグマアルドリッチ社製)20.3mgを水22mLに加えて溶解した。その後、この溶液に乳化重合用乳化剤のエマルゲン(登録商標)430(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、花王社製)の5%水溶液を2mL加えた。この溶液をホットスターラー上で撹拌しながら70℃まで昇温させた後、この溶液にメラミン樹脂原料ニカラックMX−035(日本カーバイド工業社製)を0.81g加えた。
一方、ストレプトアビジン(和光純薬工業社製)とN−スクシミジル Sアセチルチオ酢酸(N-Succinimidyl S-acetylthioacetate、略称:SATA)を用いて、ストレプトアビジンに対してチオール基の付加処理を行い、ゲル濾過を行って蛍光体集積ナノ粒子(PID)に結合可能なストレプトアビジンを別途用意した。
ストレプトアビジン溶液(0.04mg含有)と、EDTAを2mM含有したPBSを用いて上記0.67nMに調整した上記蛍光体集積ナノ粒子(PID)740μLとを混合し、室温で1時間反応させた。
比較例1のFISHのハイブリダイゼーションにおいて、プローブ試薬Bを使用したこと、すなわち、SA標識されたQdotの代わりにSA標識された蛍光体集積ナノ粒子(PID)を使用したこと以外は比較例1と同様にFISHおよび観察等を行った。
HER2発現細胞の染色像について調べたところ、各細胞の1核あたりの輝点数は0であった(表3参照)。
[DNAプローブの調整]
[PCR法によるゲノムからの複数種類のHER2遺伝子由来の核酸分子の増幅およびFITC標識]
HER2遺伝子の一部のDNA配列をコードする下記表2のプライマーのセット1〜5を使用して、HER2遺伝子由来の塩基数の核酸分子(DNAプローブi〜v)を調製した。また、DNAプローブi〜vを調製するための各PCRでは、PCR用の核酸基質として「dUTP−12−FITC」(ロシュ・アプライド・サイエンス社製)を使用して上記DNAプローブi〜vをそれぞれFITCで標識した。
ビオチン標識の抗FITC抗体として比較例1の「biotin付抗FITC抗体」(Vector社 :cord BA-0601)を使用した。
「Qdot(登録商標) 655 Streptavidin Conjugate」(ライフテクノロジー社)を購入した。
上述したFITC標識されたDNAプローブi〜vの混合溶液、ビオチン標識された抗FITC抗体の溶液、およびSA標識されたQdotの分散液を分けて有するプローブ試薬Cを作製した。
比較例1において、使用したプローブ試薬Aの代わりに上記プローブ試薬Cを使用してFISHおよび観察等を行った。なお、使用した5種類のDNAプローブの総量(μg)は、約5倍量(約250ng)であった。
HER2発現細胞の染色像について調べたところ、各細胞の1核あたりの輝点数は25であった(表3参照)。なお、使用した5種類のDNAプローブの総量(μg)を50ngとした染色試験も行ったところ、同様の結果が得られた。
[PCR法によるゲノムからの複数種類のHER2遺伝子由来の核酸分子の増幅およびFITC標識]
HER2遺伝子の一部のDNA配列をコードする上記プライマーのセット1〜5を使用してHER2遺伝子由来の核酸分子(DNAプローブi〜v)を調製した。また、各PCRでは、PCR用の核酸基質として「dUTP−12−FITC」(ロシュ・アプライド・サイエンス社製)を使用して上記DNAプローブをFITC標識した。
ビオチン標識の抗FITC抗体として比較例1の「biotin付抗FITC抗体」(Vector社 :cord BA-0601)を使用した。
実施例2では、比較例2で製造したストレプトアビジン(SA)で標識された蛍光体集積ナノ粒子(PID)を使用した。
上述したFITC標識されたDNAプローブi〜vの混合溶液、ビオチン標識された抗FITC抗体の溶液、およびSA標識されたPIDの分散液を分けて有するプローブ試薬Dを作製した。
比較例2において使用したプローブ試薬Bの代わりに上記プローブ試薬Dを使用してFISHおよび観察等を行った。なお、使用したDNAプローブi〜vの総量(μg)は、比較例1の約5倍量(約250ng)であった。
HER2発現細胞の染色像について調べたところ、各細胞の1核あたりの輝点数は33であった(表3参照)。
比較例3は、比較例1とは異なり、比較例1においてDNAプローブとQdotとの間に比較例1より長いリンカーを介在させるとともに、DNAプローブ、PEGリンカーおよびQdotとを結合させて一体となったものをプローブ試薬として使用した例である。以下のように、プローブ試薬の調製、FISHおよび観察等を行った。
[PCR法によるゲノムからのHER2遺伝子由来の核酸分子の増幅およびチオール標識]
比較例1で行ったPCR法において、dUTP−FITCの代わりに、以下のように調製した「Thiol−11−dUTP」を使用した(比較例1のdUTP−FITCと同じ濃度で使用した)こと以外は同様にPCRを行うことで、チオール標識されたHER2遺伝子由来のDNAプローブi’を調製した。
ルミプローブ社製「Amino−11−dUTP」1μLと、N−スクシミジル Sアセチルチオ酢酸(SATA)とを混合してチオール基付加処理として5℃で1時間インキュベートして反応を行った後、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、Thiol−11−dUTP溶液を得た。
一端にマレイミド基、他端にビオチンを有するPEGリンカー「EZ-Link maleimide-PEG11 Biotin」(code21911,サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を上記DNAプローブi’(5μg)と混合して室温で30分間反応させることによりDNAプローブi’のチオール基とPEGリンカーのマレイミド基との結合反応を介して、DNAプローブi’にPEGリンカーを結合させた。なお、前記PEGリンカーの長さ(リンカーに由来する部分の長さ)は55.5オングストロームであった。
比較例1のストレプトアビジン(SA)を有するQdotを、上記のDNAプローブi’およびPEGリンカーの複合体の溶液に添加し、室温で30分間反応させて、上記PEGリンカーのビオチン部分に対してQdotのSA部分を結合させてプローブ試薬Eを作製した。
比較例1のFISHにおいてプローブ試薬Eを使用したこと、すなわち、比較例1で行った、FITC標識されたプローブ試薬i、ビオチン標識された抗FITC抗体、SA標識されたQdotをこの順で分けて添加する操作(プローブ試薬Aの使用)の代わりとして、DNAプローブi’にPEGリンカーおよびQdotが結合したもの(プローブ試薬E)を使用してFISHおよび観察等を行ったこと以外は、比較例1と同様にFISH,観察等を行った。なお、比較例3で使用したDNAプローブの総量(μg)は、比較例1と同程度であった。
HER2発現細胞の染色像について調べたところ、各細胞の1核あたりの輝点数は3であった(表4参照)
比較例4は、比較例2とは異なり、比較例2においてDNAプローブとPIDとの間に比較例2より長いリンカーを介在させるとともに、DNAプローブ、PEGリンカーおよびPIDとを結合させて一体となったものをプローブ試薬として使用した例である。以下のように、プローブ試薬の調製、FISHおよび観察等を行った。
[PCR法によるゲノムからのHER2遺伝子由来の核酸分子の増幅およびチオール標識]
比較例2で行ったPCR法において、dUTP−FITCの代わりに、比較例3で調製した「Thiol−11−dUTP」を使用した(比較例2のdUTP−FITCと同じ濃度で使用した)こと以外は同様にPCRを行うことで、チオール標識されたHER2遺伝子由来のDNAプローブi’を調製した。
一端にマレイミド基、他端にビオチンを有するPEGリンカー「EZ-Link maleimide-PEG11 Biotin」(code21911,サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を上記DNAプローブi’(5μg)と混合して室温で30分間反応させることにより、DNAプローブi’のチオール基とPEGリンカーのマレイミド基との結合反応を介して、上記DNAプローブi’にPEGリンカーを結合させた。なお、前記PEGリンカーの長さ(リンカーに由来する部分の長さ)は55.5オングストロームであった。
比較例2で調製したストレプトアビジン(SA)を有するPIDを、DNAプローブi’とPEGリンカーとの複合体の溶液に添加し、室温で30分間反応させて、上記PEGリンカーのビオチン部分に対して、PIDのSA部分を結合させてプローブ試薬Fを作製した。
比較例2のFISHにおいてプローブ試薬Fを使用したこと、すなわち、比較例2で行った、FITC標識されたプローブ試薬i、ビオチン標識された抗FITC抗体、SA標識されたPIDをこの順で添加する操作(プローブ試薬Bの使用)の代わりとして、DNAプローブi’にPEGリンカーおよびPIDが結合したもの(プローブ試薬F)を使用してFISHおよび観察等を行ったこと以外は、比較例2と同様にFISH・観察等を行った。なお、比較例4で使用したDNAプローブi’の総量(μg)は、比較例2と同程度であった。
HER2発現細胞の染色像について調べたところ、各細胞の1核あたりの輝点数は4であった(表4参照)。
実施例3は、実施例1とは異なり、実施例1においてDNAプローブとQdotとの間に実施例1より長いリンカーを介在させるとともに、DNAプローブ、PEGリンカーおよびQdotとを結合させて一体となったものをプローブ試薬として使用した例である。以下のように、プローブ試薬の調製、FISHおよび観察等を行った。
(PCR法によるゲノムからの複数種のHER2遺伝子由来の核酸分子の増幅およびチオール標識)
実施例1で行ったPCR法において、dUTP−FITCの代わりに、比較例3で調製したThiol−11−dUTPを使用した(比較例2のdUTP−FITCと同じ濃度で使用した)こと以外は同様にPCRを行うことで、チオール標識されたHER2遺伝子由来のDNAプローブi’〜v’を調製した。
一端にマレイミド基、他端にビオチンを有するPEGリンカー「EZ-Link maleimide-PEG11 Biotin」(code21911,サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を、上記DNAプローブi’〜v’(5μg)とそれぞれ混合して室温で30分間反応させることにより、上記DNAプローブi’〜v’のそれぞれにPEGリンカーを結合させた。なお、各PEGリンカーの長さ(リンカーに由来する部分の長さ)は55.5オングストロームであった。
実施例1のストレプトアビジン(SA)を有するQdotを、各DNAプローブi’〜v’とPEGリンカーとが結合した複合体の溶液にそれぞれ添加し、室温で30分間反応させて、DNAプローブi’〜v’のPEGリンカーのビオチン部分に対して、SAを介してQdotをそれぞれ結合させたもの(プローブ試薬G)を作製した。
実施例1のFISHにおいてプローブ試薬Gを使用したこと、すなわち、実施例1で行った、FITC標識されたプローブ試薬i、ビオチン標識された抗FITC抗体、SA標識されたQdotをこの順で添加する操作(プローブ試薬Cの使用)の代わりとして、DNAプローブi’〜v’にPEGリンカーおよびPIDがそれぞれ結合したもの(その混合物)(プローブ試薬G)を使用してFISHおよび観察等を行ったこと以外は、実施例1と同様にFISH,観察等を行った。なお、実施例3で使用したDNAプローブi’〜v’の総量(μg)は、実施例1の約5倍(約250ng)程度であった。
HER2発現細胞の染色像について調べたところ、各細胞の1核あたりの輝点数は40であった(表4参照)。なお、使用した5種類のDNAプローブの総量(μg)を50ngとした染色試験も行ったところ、同様の結果が得られた。
実施例4は、実施例2とは異なり、実施例2においてDNAプローブとPIDとの間に実施例2より長いリンカーを介在させるとともに、DNAプローブ、PEGリンカーおよびPIDとを結合させて一体となったものをプローブ試薬として使用した例である。以下のように、プローブ試薬の調製、FISHおよび観察等を行った。
[PCR法によるゲノムからの複数種のHER2遺伝子由来の核酸分子の増幅およびチオール標識]
実施例3と同様にして、チオール標識されたHER2遺伝子由来のDNAプローブi’〜v’を調製した。
実施例3と同様にして、上記DNAプローブi’〜v’のそれぞれにPEGリンカーを結合させた。
実施例2のストレプトアビジン(SA)を有するPIDを、各DNAプローブi’〜v’とPEGリンカーとが結合した複合体の溶液にそれぞれ添加し、室温で30分間反応させて、DNAプローブi’〜v’のPEGリンカーのビオチン部分に対して、SAを介してPIDをそれぞれ結合させたもの(プローブ試薬H)を作製した。
実施例2のFISHにおいてプローブ試薬Hを使用したこと、すなわち、実施例2で行った、FITC標識されたプローブ試薬i、ビオチン標識された抗FITC抗体、SA標識されたPIDをこの順で添加する操作(プローブ試薬Dの使用)の代わりとして、DNAプローブi’〜v’にPEGリンカーおよびPIDがそれぞれ結合したもの(その混合物)(プローブ試薬H)を使用してFISHおよび観察等を行ったこと以外は、実施例2と同様にFISH,観察等を行った。なお、実施例4で使用したDNAプローブi’〜v’の総量(μg)は、実施例2の約5倍(約250ng)程度であった。
HER2発現細胞の染色像について調べたところ、各細胞の1核あたりの輝点数は47であった(表4参照)。
検体スライドを以下の通り変更した以外は、比較例2と同様に実施し、HER2発現細胞の染色像での核当たりの輝点数は0であった。なお、検体スライドは、HER2陽性染色対照標本の検体スライド(パソロジー研究所社製「HER2−FISHコントロールスライド Code PS−09006」)の代わりに、Oncotest GmbH社から購入した検体スライド(PDX-mouse, FFPE block, tumor entity, Breast)を使用した。
[実施例5]
検体スライドを比較例5と同様に変更した以外は、実施例2と同様に実施し、HER2発現細胞の染色像での核当たりの輝点数は21であった。
2・・・抗ハプテン抗体
3・・・第1生体分子(ビオチン等)
4・・・第2生体分子(ストレプトアビジン等)
5・・・蛍光体ナノ粒子(量子ドット、又は蛍光体集積ナノ粒子)
6・・・パラフィン
7・・・細胞切片
8・・・スライドグラス
9・・・プローブ試薬
10・・・リンカー
11・・・励起光
12・・・蛍光
F1,F2・・・フォワードプライマー
R1,R2・・・リバースプライマー
PR1,PR2・・・ハプテン標識されたプローブ
HG・・・ヒトゲノム
R1・・・染色対象の遺伝子を含む特定の領域
Claims (2)
- 配列が異なる複数の核酸分子と、前記核酸分子に結合可能な1つまたは2つ以上の蛍光体ナノ粒子を含み、
各核酸分子に対して第1結合部が直接的に又はリンカーを介して間接的に結合した前記複数の核酸分子と、
各蛍光体ナノ粒子に対して第2結合部が直接的に又はリンカーを介して間接的に結合した前記1つまたは2つ以上の蛍光体ナノ粒子と、
第3結合部および第4結合部を有する介在分子と、を分包して有し、
前記第1結合部と前記第3結合部とが特異的に結合しえ、前記第2結合部と前記第4結合部とが特異的に結合しえ、
前記第1結合部と前記第3結合部が、ハプテンと抗ハプテン抗体の組み合わせであり、前記第2結合部と前記第4結合部が、ビオチンとストレプトアビジンの組み合わせである、
インサイチュハイブリダイゼイション用のプローブ試薬。 - 前記ハプテンが、ジゴキシゲニン(DIG)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)および2,4−ジニトロフェノール(DNP)からなる群から選択された1種または2種以上であり、前記抗ハプテン抗体が、抗DIG抗体、抗FITC抗体および抗DNP抗体から選択された1種または2種以上である、請求項1に記載のプローブ試薬。
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