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JP6689456B2 - 透明トンネル接合を有する光起電力デバイス - Google Patents

透明トンネル接合を有する光起電力デバイス Download PDF

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Description

[0001]光起電力デバイスは、光起電力効果を示す半導体材料を用いて光を直流電流に変換することによって電力を発生させる。光子は半導体材料内に吸収されて、電子をより高いエネルギー状態に励起するので、光起電力効果は、光への露出時に電力を生成する。したがって、これらの励起された電子は材料内を移動することができ、それによって電流が発生する。
[0002]一般にセルと呼ばれる光起電力(PV)デバイス構造の基本ユニットは、小規模の電力のみを生成することができる。したがって、モジュールまたはパネルと呼ばれる、より大きな集積デバイス内で複数のセルを直列または並列に電気的に接続して、複数のセルの間で生成された総電力を集積することができる。光起電力セルは、セルを環境要因から保護するために保護裏面層および封止材料を更に含んでもよい。複数の光起電力モジュールまたはパネルを直列または並列に組み立てて、他のタイプの実用規模の発電所に匹敵するレベルに達する極めて大きな電力を生成できる、光起電力システムまたはアレイを構築することができる。光起電力モジュールに加えて、実用規模のアレイは、取付構造体、インバータを含む電気機器、変圧器、および他の制御システムを更に含む。個々のセルから多数のモジュールを含む実用規模のアレイまでの様々なレベルのデバイスを考慮すると、このような光起電力効果の実装形態は全て、エネルギー変換を達成するための1つまたは複数の光起電力デバイスを含み得る。
[0003]薄膜光起電力デバイスは、典型的には、基板上に形成された、それぞれが異なる機能を担う異なる材料の種々の層から作製される。薄膜光起電力デバイスは、前面電極および裏面電極を含み、光活性半導体層への、またはそれらの間に挟まれた他の層への電気的アクセスを提供する。
[0004]従来の薄膜太陽電池では、光を直流電流に変換するための変換効率は大きくはない。したがって、PVデバイスの分野おいて重要な領域は変換効率の改善である。
[0005]より高い効率を実現するための課題の1つは、オーミックコンタクトおよび電荷キャリア輸送のための、満足のいく裏面コンタクトを形成することが困難なことである。別の課題は、裏面での正孔−電子再結合の低減である。更なる課題は集光を改善させることである。これは、より多くの赤外線(IR)光子を取り込むことを含めて、広域スペクトルにわたって反射光を収集すること、および集光することを含む。従来の方法を用いて可視光およびIRの両方から電荷キャリアを収集することは十分に機能を果たさず非効率である。なぜなら、IR吸収に必要な吸収体層の厚さでは、電荷キャリア生成が最小限になるか、または空乏領域外で電荷キャリアが生成されるからである。拡散光、および地面ならびに近くの構造物から反射される光は、ソーラーパネルの背面によって反射されて逃げるか、または熱に変換されるので従来のPVデバイスでは集光されないが、利用可能な光である。
[0006]変換効率を更に増大させるために開発された多くの改良にもかかわらず、実現可能な最大量の太陽放射を捕捉または回収する一方で、吸収損失を最小化する、薄膜PVデバイスの改善に対する必要性が継続的に存在する。
[0007]光起電力デバイスの第1の実施形態における機能層の概略図である。 [0008]金属グリッドフィンガを追加した、図1の光起電力デバイスの底面図である。 [0009]図1の例示的な両面型の実施形態の前面(SS)照射および裏面(FS)照射についてのQE測定値を示す図である。 [0010]図1の例示的な両面型の実施形態のI−V曲線である。 [0011]光起電力デバイスの第2の実施形態における機能層の概略図である。 [0012]窒化モリブデン(MoNx/Mo)二層裏面コンタクトと、AZO/Au裏面コンタクトを有する図5の例示的実施形態との間のQEの比較の図である。 [0013]厚さ20nmのAZO/Au二層裏面コンタクトを有する図5の例示的実施形態の性能のI−V曲線である。 [0014]厚さ150nmのAZO/Au二層裏面コンタクトを有する図5の例示的実施形態の性能のI−V曲線である。 [0015]光起電力デバイスの第3の実施形態における機能層の概略図である。 [0016]多接合の実施形態における機能層の概略図である。 [0017]MoNx/Alを基準として規格化した、透明裏面コンタクトのいくつかの変形例の効率を示す図である。
[0018]光起電力(PV)デバイスにおいて使用する構造および組成物が提供される。実施形態は、n型透明裏面コンタクト層を有する薄膜光起電力デバイスを提供する。実施形態は、トンネル接合、光学反射体、および/または電子反射体を備える薄膜層を含む。
[0019]添付の図面に関連して以下に提供される詳細な説明は、実施例の説明として意図されており、実施例が構築または利用され得る唯一の形態を表すことを意図していない。本明細書は、実施例の機能、および実施例を用いて動作させるためのステップのシーケンスを述べる。しかし、同一または同等の機能およびシーケンスを、同等の代替例によって達成することができる。
[0020]以下の詳細な説明は、本発明、または本発明の用途および使用を限定することを意図していない。本明細書で使用する場合、単語「例示的」は、「例、実例または例証としての役目を果たすこと」を意味する。したがって、本明細書で「例示的」として説明されたいかなる実施形態も、他の実施形態よりも必ずしも好ましい、または有利であると解釈されるべきではない。本明細書に記載された全ての実施形態は、当業者が本発明を製造または使用することを可能にするために提供されており、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するために提供されるものではない。それに加えて、いかなる前述の技術分野、背景技術、発明の概要、または以下の詳細な説明に示される明示されたまたは暗黙の理論によっても、束縛されることは意図していない。
[0021]本明細書では、第1および第2などの関係語は、ある実体または動作を別の実体または動作から区別するためにのみ使用されてもよく、必ずしもそのような実体または動作間のいかなる実際のそのような関係または順序をも、要求または暗示するものではない。「第1」、「第2」、「第3」などの数字の序数は、単に複数のうちの異なる単数を表し、具体的に規定されていない限り、いかなる順序またはシーケンスも意味しない。いずれの請求項における文章の順序も、請求項の文言によって具体的に規定されていない限り、プロセスステップがそのような順序に従って時間的順序または論理的順序で実行されなければならないことを意味しない。プロセスステップは、特許請求の範囲の文言と矛盾せず、かつ論理的に相反しない限り、本発明の範囲から逸脱しない範囲で、任意の順序で交換することができる。
[0022]以下の明細書および特許請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「前記(the)」は、別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。本明細書で使用する場合、用語「または」は、排他的であることを意図するものではなく、別段の明確な指示がない限り、存在する言及された構成要素のうちの少なくとも1つを指し、言及された構成要素の組み合わせが存在し得る用例を含む。
[0023]以下の実施形態に記載される層のうちの各々は、2つ以上の層またはフィルムから構成されてもよい。各層は、PVデバイスの全部もしくは一部、および/または、層もしくはその下にある材料の、全部もしくは一部を覆うことができる。例えば、「層」は表面の全部または一部と接触する任意の量の材料を意味し得る。層のうちの1つを形成するためのプロセス中に、構築された層は、基板または基板構造の外側表面、典型的には上部表面の上に形成される。基板は、堆積プロセスの中に導入されたベース層と、先の堆積プロセスでベース層上に堆積されてもよい任意の他のまたは追加の層とを含むことができる。層を基板全体に堆積させ、材料の特定の部分を後で、レーザアブレーション、スクライビング、または他の材料除去プロセスによって除去することができる。
[0024]光起電力デバイスの製造は一般に、スパッタリング、スプレー、蒸着、分子線蒸着、熱分解、近接昇華法(CSS)、パルスレーザ蒸着(PLD)、化学蒸着(CVD)、電気化学蒸着(ECD)、原子層蒸着(ALD)、または蒸気輸送蒸着(VTD)を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数のプロセスを通して、機能層、または層の前駆体を順次堆積して積重物(スタック)にすることを含む。
[0025]いったん層が形成されると、以降の処理プロセスを通して層の物理的特性を変更することが望ましい場合がある。例えば、処理プロセスステップは、結晶粒構造の欠陥修復であるパッシベーションを含むことができ、更に、層内の周期構造を乱し、例えばシャント経路や短絡などの望ましい電流経路と平行ではあるが分離されている、高抵抗領域、または望ましくない電流経路を形成し得る、材料の結晶粒内の不完全性または欠陥をアニールすることを含んでもよい。
[0026]活性化プロセスは、化学ドーパントを浴溶液、スプレー、または蒸気として半導体層スタックに導入することによってパッシベーションを達成することができる。続いて、化学ドーパントの存在下で層を高温でアニールすると、粒子成長および層の中へのドーパントの取り込みが促進される。多くの材料では、粒径が大きく粒界が少ないほど層の抵抗率が下がり、それにより電荷キャリアはより効率的に流れることが可能になる。化学ドーパントの取り込みにより更に、半導体層の領域はよりn型に、またはよりp型になり、より多くの可動電荷キャリアを生成することが可能になり得る。これら特徴のそれぞれが、デバイスが生成できる最大電圧を増加させ、望ましくない導電領域を減少させることによって効率が改善する。活性化プロセスにおいて、特定の層についてのアニール温度、化学浴組成、および浸漬時間のプロセスパラメータは、その層の材料に依存する。
[0027]PVデバイスの電力出力は電流(I、または時にはJ)と電圧(V)との積であり、これはI−V曲線によって示すことができる。ゼロ電流または「開回路」では最大電圧が発生し(VOC)、ゼロ電圧または「短絡」では最大電流が発生する(ISC)。これらの積がワット(W)で与えられる総潜在的電力(P)であるが、これは現実には実現できない。実現可能な最大電力出力(PMAX)は、積IMP*VMPが最大になるIV曲線上の点によって規定される。フィルファクタ(FF)は、PMAXのPに対する比、すなわち積IMP*VMPを、積ISC*VOCで割ったものとして定義される。より高いFFは、より効率的なセルを示す。PVデバイスの変換効率は、総潜在的電力(P)をFFによって割り引いたものの総入力電力(Pin)に対する比であり、数学的には、効率=(ISC*VOC*FF)/Pin、と表すことができる。光起電力デバイスの分野における目的の1つは変換効率の改善である。CdTeを含む吸収体内の硫黄またはセレンの含有量を増加させると、バンドギャップエネルギーが変化する可能性がある。CdTeを主成分とする吸収体において、テルル対比でセレン含有量を0原子パーセント(原子%)から約40原子%に増加させると、バンドギャップエネルギーが減少し、それにより赤外線吸収が改善され、それにより電流生成量を増加させることができる。
[0028]グレーディングを用いてCdTe系合金のバンドギャップを調整して、表面再結合を減少させ、太陽スペクトルの吸収を増加させて、電力変換効率を改善させることができる。勾配は所望の勾配および材料プロファイルを有する材料を堆積することによって形成してもよく、または勾配は、材料の別個の層を堆積し、引き続きアニールを実施して所望の濃度プロファイルを形成することにより形成してもよい。高ドープコンタクト層と接触する側でのバンドギャップアライメントおよび/またはドーピングを最適化するために、各層はp−n冶金的接合から離れるにつれて勾配を有する場合がある。
[0029]1つまたは複数のバリア層またはバッファ層を追加して、ドーパントまたは汚染物質が層間で拡散することを抑制してもよい。バッファ層を利用して、半導体の形成中に生じる不規則性の数を減らしてもよい。
[0030]本開示では、層が別の層または基板の「上」に配置されるか、または配置されていると記載されている場合、それらの層は互いに直接接触しているか、またはそれらの層の間に1つ(または複数)の層またはフィーチャを有するかのどちらかであり得ることを理解されたい。更に、用語「上」は、層の互いに対する相対位置を表し、必ずしも「上部」を意味するわけではない。なぜなら上方か下方かの相対位置は見る者に対するデバイスの向きに依存するからである。そのうえ、「上部」、「下部」、「上方」、「下方」、およびこれら用語の変形が便宜上使用されており、特に指示しない限り、構成要素のいかなる特定の向きをも必要としない。しかし、各実施形態または実施例の各々において方向は一貫したままであり、例えば、もしBがAの「上」にあり、CがBの「上」にある場合、Bは必ずAとCの間にあるが、このいずれかと接触しているとは限らない。
[0031]本開示では、ある物体が「隣接する」と記載されている場合、隣接するという用語は、別の物体の「隣にある」こと、かつ他の物体に「直接接触している」ことを意味し、「上」という用語と同義ではないが、1つのオブジェクトが別のオブジェクトの「上」にあり、かつ「隣接している」場合があることを理解されたい。
[0032]本発明において本明細書および特許請求の範囲を通して使用されるような近似表現は、それが関連する基本機能に変化をもたらさない範囲で、許容範囲で変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用することができる。それに応じて、「約」、「およそ」、および「実質的に」などの1つまたは複数の用語によって修飾された値は、指定された厳密な値に限定されるべきではない。場合によっては、近似表現は値を測定するための機器の精度に対応し得る。本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲制限は組み合わせかつ/または交換してもよく、文脈または文言が別の指示をしない限り、そのような範囲は特定され、そこに含まれる全ての部分範囲を含む。
[0033]本明細書で使用する場合、用語「透明層」は、約300nm〜約900nmの範囲の波長を有する入射電磁放射の少なくとも70%の平均透過率を可能にする層を指す。この波長範囲の放射は、それが完全に可視範囲内にあるとは限らない場合があるが、本発明の目的のためには「光」と見なされる。
[0034]本明細書で使用する場合、用語「吸収体層」は、電磁放射の吸収が、吸収体層内の電子を、固体内で特定の原子に結合している低エネルギーの「基底状態」または「価電子帯」から、固体内で動き回ることができるより高い「励起状態」または「伝導帯」へと励起させる半導体層を指す。
[0035]本明細書で使用する場合、用語「有効キャリア密度」は、材料中の正孔および電子の平均濃度を指す。
[0036]本明細書で使用する場合、「n型層」は多数キャリアとして過剰な電子供与体を有する半導体層を指し、一方、「p型層」は、多数キャリアとして過剰な電子受容体(「正孔」としても知られる)を有する半導体層を指す。いずれの場合も、過剰なキャリア(電子または正孔)は、半導体を好適なドーパントで化学的にドープすることによって提供されてもよく、または材料中に存在する固有の欠陥によって生成されてもよい。化学的にドープされたn型層およびp型層は、n型ドーパントおよびp型ドーパントに加えて他の材料を有することができる。例えば、CdSeTeのp型層は、同じく化学的にドープされたp型であるCd、Se、およびTeから形成された層である。PVデバイスの接合パートナに対しては、n型およびp型の層または材料が互いに隣接して共に界面をなしている。一般に、p型材料もしくはp型層、またはn型材料もしくはn型層のいずれかが「吸収体層」として機能し、上述のように、吸収体層において電子が励起され、光起電力効果が発生する。
[0037]p型またはn型にドープされた半導体は、それぞれの多数電荷キャリアの密度に基づいて更に特徴付けられる場合がある。境界は厳密ではないが、電子受容体キャリア(すなわち「正孔」)が約1×1011cm−3〜約1×1016cm−3の範囲内に存在する場合、材料は一般にp型と考えられ、受容体キャリア密度が約1×1016cm−3より大きい場合はp+型である。同様に、電子供与体キャリアが約1×1011cm−3〜約1×1016cm−3の範囲内に存在する場合、材料はn型と考えられ、供与体キャリア密度が約1×1016cm−3より大きい場合はn+型である。境界は厳密ではなく重なり合っていてもよい。なぜなら、キャリア濃度が少なくとも2桁(すなわち100倍)大きい場合は、絶対キャリア密度に関係なく、層はp型に対してp+である(またはn型である層に対してn+である)からである。加えて、約1×1018cm−3を超える電荷密度を「++」型と考える場合があり、したがって、++層が+層の100倍を超える同型のキャリア密度を有する場合、n型またはp型のいずれの層も、第3の層に対して「+」である同型の層に対して「++」であり得る。
[0038]例示的実施形態が提示されているが、膨大な数の変形形態が存在することを理解されたい。1つまたは複数の例示的実施形態は例に過ぎず、本発明の範囲、適用可能性、または構成を多少なりとも限定することを意図していないことも理解されたい。むしろ、詳細な説明は、当業者に本発明の例示的実施形態を実施するためのロードマップを提供する。添付の特許請求の範囲に記述されている本発明の範囲から逸脱しない範囲で、例示的実施形態に記載されている要素の機能および配置に様々な変更を加えることができることを理解されたい。
[0039]以下の説明では、本明細書の一部をなし、例示、具体的実施形態、または例として示される添付の図面を参照する。ここで図面を参照して光起電力デバイスの態様が説明されるが、いくつかの図にわたって類似の番号は類似の要素を表す。
[0040]CdTe太陽電池への安定で低抵抗の裏面コンタクトの形成は困難であり得る。なぜなら、CdTeへの裏面コンタクトに使用される典型的な金属は、CdTeへの良好なオーミックコンタクトを形成するのに十分に大きな仕事関数を持たず、ショットキー障壁またはブロッキング障壁を形成する傾向があるからである。この障害を克服するための典型的なアプローチは、CdTe−裏面コンタクト界面においてCdTeにCuを高濃度でドープすることによって障壁を低減させるか、または障壁の幅を調節するかのいずれかである。そうすることで初期のデバイス性能を改善することはできるが、時間の経過と共に裏面コンタクト領域からヘテロ接合に向かって銅原子が拡散し、その結果、VOCが減少し、デバイスの劣化をもたらす。裏面コンタクトの劣化は典型的には、直列抵抗の増加および/またはブロッキング裏面ダイオードの形成に起因してフィルファクタ(FF)の低下をもたらす。
[0041]より高い効率を実現するための他の課題は、裏面での少数電子の再結合を減少させるために満足のいくオーミック裏面コンタクトを形成することの困難さ、および利用可能な光の全波長を最大限利用することである。より多くのIR光を収集するために、従来技術では、より厚い吸収体層を使用することが示されている。しかし、厚い吸収層に対してさえもIR光は過度に深く侵入するので、これらの波長から生成された電荷キャリアの効率的な収集は、電荷キャリアが接合空乏領域の外側で生成されるので実現できない。
[0042]可視光と併せてIR放射の収集を増加させるための1つの方法は、多接合デバイスを使用することである。多接合太陽電池は、太陽スペクトルのより多くの部分を捕捉することによって、単接合電池よりも高い総変換効率を実現することができる。これらのデバイスは、2つ以上のp−n接合を有し、様々な範囲のスペクトルに応答する様々なバンドギャップ特性を持つ材料を有する、モノリシック集積構造体として形成することができる。一次光源が上方からであるデバイスの場合、光がその上に入射する最上部のセルは大きなバンドギャップを有して高エネルギーの短い波長を捕捉し、一方、下部のセルはより小さなバンドギャップを有してより長い波長および反射された光子を捕捉する。多接合デバイスは、2つ(タンデム)またはそれ以上のサブセルを有し、サブセル間にはトンネル接合を有してもよい。
[0043]トンネル接合は様々な目的に役立つ。光起電力セルでは、トンネル接合は、第1のダイオードのn端子を第2のダイオードのp端子に接続することによって、またはその逆に接続することによって、連続するp−n接合間に接続を形成する。トンネル接合層は、光起電力デバイス内でオーミック電気コンタクトとして機能する。
[0044]多接合デバイスにおいてトンネル接合材料としてCdTeを使用することには課題がある。理由の1つは、CdTeを効果的にp+にドープすることが困難なことであり、これにより、いくつかの用途、例えばタンデム型セルにとって、CdTe層にトンネル接合を形成することが問題となる。この課題に対する解決策の1つは、組成変化によってもp+に調整することができるCdTeと共に使用するのに好適な材料を選択的に合わせて、良好な吸収特性を有するタンデム型電池を作製することである。
[0045]拡散光、および地面ならびに近くの構造物から反射される光は、ソーラーパネルの背面によって反射されて逃げるか、または熱に変換されるので集光されないが、利用可能な光である。この集光の課題に対する解決策の1つは、二面または両面のデバイスを作ることである。その時、光は、光起電力デバイスの一次表面または前面、ならびに二次表面または裏面の両方を通して内部吸収体層内に収集されて電流に変換され得る。しかし、両面型のCdTeベース薄膜デバイスでは歴史的に、裏面照射での変換の向上は低かった。なぜなら、層構成により、裏面で吸収された光子はヘテロ接合から一定距離を置いて生成されるからである。この問題に対する解決策の1つは、電子反射体層を有する両面デバイスを作ることである。
[0046]両面型の実施形態では、複数の薄膜半導体層(「スタック」)が前側面と裏側面との間に挟まれ、前面が太陽放射に面する「日が当たる」面である。半導体スタックの内部で、前面の最外層はn型透明導電性酸化物であり、裏側の最外層は二次透明導電性酸化物であり、これはp型またはn型であり得る。p型吸収体または界面層へのコンタクトとしてはp型透明導電層が好ましいが、それらを作製することは困難である。n型透明導電層は作製がより容易であるが、p型吸収体またはp型界面層と接触するためにはトンネル接合を必要とする。p+型界面層はn+型透明導電性酸化物に隣接している。p型吸収体層はp+型界面層とn型透明導電性酸化物との間にある。もちろん、前側面の外側(すなわち前側面の前)または裏側面の外側(すなわち裏側面の後ろ)に更に、基板、スーパーストレート、封入層、反射防止層および/または他の任意選択の層があってもよい。
[0047]光起電力デバイスは、電子反射体(ERF)層を含んで、オーミックコンタクトを提供することによって電流の流れを改善して、吸収体層と、界面層または裏面コンタクト層との間の界面で高性能な効率を実現してもよい。電子反射体は、裏面コンタクトに最も近い吸収体層の表面での電子−正孔対の再結合を低減させることによって、吸収体層と裏面コンタクトとの間の電荷損失を低減させる。
[0048]テルル化カドミウム(CdTe)またはセレン化テルル化カドミウム吸収体層と裏面電流経路との間のERF層は、吸収体よりも大きいバンドギャップを有する材料から形成してもよい。その時、バンドギャップがより大きいERF層は、電子が移動するにはより高いエネルギーを必要とする伝導帯エネルギー障壁をもたらし、それにより、ERF層を横切って裏面コンタクトの中に移動し、そこで正孔と再結合し裏面コンタクトから流出し得る傾向およびエネルギーを有する電子の数が低減する。
[0049]ERF層は、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化マンガン(MnTe)、またはテルル化マグネシウム(MgTe)の層を含んでもよい。代替として、電子反射体層は、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)、テルル化カドミウムマンガン(CdMnTe)、もしくはテルル化カドミウムマグネシウム(CdMgTe)などの三元化合物の層、または二元化合物と三元化合物との組み合わせ、または適切なバンドギャップ構造を有する他の材料の組み合わせを含んでもよい。これらおよび類似の化合物は総称して、式Cd(1−z)Teによって特徴付けることができ、ここで、MはZn、MgまたはMnを表し、zは0〜約99原子%、典型的には0〜約60.原子%である。
[0050]いくつかの構造では、ERFはドーパントを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ERFは、原子基準で最大5%の濃度のテルル化銅(CuTe)でドープされたZnTeの層を含む。代替として、電子反射体層は、ZnTeまたはテルル化カドミウム亜鉛(CZTまたはCdZnTe)を含む第1の層と、CuTeを含む第2の層とを有する、異なる組成を有する材料の二層を含むことができる。いくつかの実施形態では、電子反射体は、5nm〜25nmの間の厚さ、または約15nm〜20nmの間の厚さであってもよい。
[0051]いくつかの実施形態では、ERFは、ERFの厚さにわたってドーパントの勾配を有していてもよい。例えば、CuTeの濃度は、吸収体/ERF接合部で0.01%であり、ERFと裏面電極層との間の接合部で5%に増加し得る。ドーパントの勾配は階段状に増加してもよく、または連続的に増加してもよい。電子反射体は、共同所有の米国特許第9,269,849号でより完全に議論されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
[0052]ここで図を参照すると、図1は本発明による光起電力デバイス100の一実施形態を示し、いくつかの層が示され記載されている。記載された層、使用された材料、および/または光起電力デバイス100の層を形成するための方法は、本明細書で以下に記載され図に示された本発明の実施形態において、置換されてもよく、記載された層に加えて含まれてもよく、または存在しなくてもよい。層の各々は、単一材料から、単一材料からの多層プロセスから、または複数材料からの多層プロセスから、単層堆積で堆積されてもよいことが更に理解される。
[0053]図1の光起電力デバイス100は、基板層110、第1の透明導電性酸化物(TCO)層120、第1のp型吸収体層130、界面層140、および透明コンタクト層150を含み、透明コンタクト層150は裏面コンタクトとして機能する。光起電力デバイスは更に、例えばモジュール内の1つの光起電力セルから隣接するセルへ、またはアレイ内の1つの光起電力モジュールから隣接するモジュールへ、生成された電流を伝達するための電流経路を提供する電気的接続部を含む。代替として、電気的接続部は電流を、光生成電流が電力を供給する外部負荷デバイスに導いてもよい。一実施形態では、第1のTCO層120は、第1の導電性リードが取り付けられる前面電極として機能し、透明コンタクト層150は、第2の導電性リードが取り付けられる裏面電極として機能する。
[0054]基板層110は、その上に材料の層が配置されて光起電力デバイスが形成される表面を提供する。基板層110は、ソーダ石灰ガラス、フロートガラス、または低鉄ガラスなどの任意の好適な基板を含む。代替として、基板層110は、ポリマー、セラミック、または光起電力セルのベースを形成するための好適な構造を提供する他の材料を含んでもよい。基板は本発明にとって必須ではないが、以降の薄膜層を適用するための実用的な媒体である。本明細書では層は一般に、前面光が基板を通して入射するスーパーステート構成で説明されているが、基板が裏面コンタクト側にある真の「基板」構成も可能である。
[0055]基板層110は、完成デバイスに関しては、内部表面上および外部表面上に様々な表面被覆を有してもよい。基板層110には、光の透過率およびデバイス性能を改善させるための追加の外部層が適用されてもよく、これは反射防止被覆および/または防汚被覆を含んでもよい。基板はまた、内部表面上に、例えばバッファ層またはバリア層などの被覆を有してもよい。バリア層を使用して、基板からの、基板の中への、または基板を横切るイオンの拡散を阻止することによって、基板層110の化学的安定性を促進してもよい。バリア層は、例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素、アルミニウムドープ酸化ケイ素、ホウ素ドープ窒化ケイ素、リンドープ窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの組み合わせもしくは合金から形成されてもよい。
[0056]第1のTCO層120は、光起電力デバイスの前面電極として機能して、生成された電流を、隣接する光起電力デバイスを含み得る回路に、例えば、光起電力モジュール内の隣接するセルに伝達する、透明な導電性の材料を提供する。内部被覆は、少なくとも1つの透明導電性酸化物層と共にTCOスタックを構成する。
[0057]第1のTCO層120は、透明導電性酸化物から形成され得る。例示的な透明導電性酸化物としては、酸化スズ、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化カドミウム、および酸化ガリウムが挙げられるが、これらに限定されず、これらは、インジウム、フッ素、または他のドーパント、例えば、インジウム酸化ガリウム、インジウム酸化スズ、インジウム酸化亜鉛、スズ酸カドミウム(CdSnO)、カドミウム酸化スズ、インジウムドープ酸化カドミウム、フッ素ドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウム酸化スズ、ならびにそれらの組み合わせ、およびそれらのドープされた変形物、のような要素でドープされていてもよい。
[0058]図1に示す実施形態では、n型半導体層を形成するためにTCOはドープされる。第1のTCO層120は、基板層110または(含まれる場合には)バリア層の上に形成され得る。特定の一実施形態では、第1のTCO層120は、フッ素ドープ酸化スズ層(SnO:F)と非ドープのSnO層との二層を備える。
[0059]TCOスタックは、第1のTCO層120の表面上に適用された追加の材料層を、例えば、TCOの電気的機能を促進する、または以降の半導体材料の堆積のために改善された表面を提供する、バッファ層を更に含み得る。一実施形態では、第1のTCO層の上にバリア層が形成され、バリア層は、酸化スズ、酸化スズ亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛酸硫化物、または亜鉛酸化マグネシウムから選択された材料を含む。一実施形態では、第1のTCO層120は、1×1017〜1×1019cm−3のキャリア濃度を有するフッ素ドープ酸化スズ層(SnO:F)、およびTCO層120上に堆積された非ドープの高抵抗SnOバッファ層を備える。SnOバッファ層は約20nm〜100nmの間の厚さを有する。
[0060]いくつかの実施形態では、任意選択のn型窓層が第1のTCO層120と第1の吸収体層130との間に配置されて、p型吸収体に対するn型半導体接合パートナとして機能する。硫化カドミウムおよび他の好適なn型窓半導体を使用してもよい。他の構成では、図1に示すように、窓層は任意選択であり、省略することができ、その場合は、TCO層120がn型接合パートナとして機能してもよい。従来の窓層のない薄膜デバイスは、共同所有の米国特許出願公開第2016/0126395(A1)号で、より完全に議論されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
[0061]第1の吸収体層130は、第1のTCO層120および基板層110の上に配置される。第1の吸収体層130は、光起電力デバイス100内にp型領域を形成するためのp型半導体材料を含む。一実施形態では、第1のTCO層120と第1の吸収体層130はn−p接合を形成する。第1の吸収体層130は、第1のTCO層120を通過する光子を吸収して電荷キャリアを結集させる。第1の吸収体層130は、セレンを含むテルル化カドミウム(CdSeTe)から形成された三元合金であってもよい。第1の吸収体層130のバンドギャップがその中のSeの存在によって変化するので、第1の吸収体層130においてCdTeと共にSeを使用することにより、バンドギャップ(Eg)変動に対する更なる制御が提供される。例えば、第1の吸収体層130のバンドギャップは、Te対比でSe含有量を最大40原子%まで増加させることによって減少する。一実施形態では、第1の吸収体層130の組成は式CdSeTe(1−x)で表すことができ、ここでxは約1〜約40原子%の間(すなわち、約0.01〜約0.40)である。勾配を有する場合、最高濃度は、約15原子%〜約40原子%の間(すなわち、約0.15〜約0.40)、例えば、約15原子%〜30原子%の間(すなわち、約0.15〜約0.40)であり得る。第1の吸収体層130は、0.5μm〜8.0μmの間の厚さ、または1.0μm〜3.5μmの間の厚さ、または1.85〜2.25μmの間の厚さであってもよい。例示的な一実施形態では、第1の吸収体層130は2.1μmのCdSeTe(1−x)であり、ここでxの平均値は25原子%未満である。
[0062]第1の吸収体層130は、光起電力デバイス100上に堆積された材料層によって形成されてもよく、または、第1の吸収体層130は、光起電力デバイス100上に堆積され、アニーリングなどにより処理されて合金を形成した複数の材料層によって形成されてもよい。第1の吸収体層130内には勾配が形成されてもよく、この勾配は濃度の連続的な増加、濃度の段階的な変化などによって表される。そのような勾配は、三元合金の場合には「x」の値が吸収体の厚さ全体にわたって変化するSeに、または吸収体中のドーパントに適用され得る。
[0063]界面層は140で示される。界面層140は、銅、銀、または金で高濃度にp+にドープされたテルル化亜鉛またはテルル化カドミウム亜鉛を含み、式CdZn(1−y)Te:Dで表すことができ、式中、yは0〜約90原子%、例えば0〜約60原子%、または約30原子%〜約60原子%であってもよく、「D」は式中のドーパントを表す。
[0064]タンデム型太陽電池の場合、CuでドープされたCdZn(1−y)Te層は、図9に示すように、第1(「上部」)および第2(「下部」)の太陽電池を接続するトンネル接合のp+層を形成する。他の実施形態では、界面層140は、異なる貴金属(銀または金など)、V族材料(窒素、リン、またはヒ素など)、またはこれら両グループからの材料の組み合わせでドープされた、CdZn(1−y)Te:Dを含む。界面層140の厚さは10nm〜50nmの範囲内にある。特定の一実施形態では、界面層140は、厚さ25nm、原子量で0.01〜1.0%の銅濃度を有するCuでドープされたZnTeである。
[0065]透明コンタクト層150は透明でなければならず、かつ第1の吸収体層130に対する裏面コンタクトのための好適な電子的特性と、トンネル接合のn+層として機能する能力とを示さなければならない。所望の電子的特性のなかには、正電荷キャリア(正孔)が透明コンタクト層150の中に容易に流入できるように、仕事関数が第1の吸収体層130の電子親和力に対して良好に適合していることがある。透明コンタクト層150は、高濃度ドープn+である透明導電性酸化物(TCO)を含む。いくつかの好適なドープ酸化物は、アルミニウム、インジウム、もしくはフッ素でドープされた酸化亜鉛もしくは酸化スズ、またはスズ酸カドミウムを含む。n+に高濃度にドープが可能な他のTCOも好適であり得る。
[0066]透明コンタクト層150は界面層140と連係して透明トンネル接合として機能する。両面型の実施形態では、図1および図8に示すように、透明コンタクト層150は、裏面に入射した光が透過して吸収体に至ることを可能とし、かつ裏面コンタクトとして機能する。ORFの実施形態では、図5に示すように、透明コンタクト層150は、光を双方向に伝達する。すなわち、第1に吸収体からORFの反射面まで通過させ、第2に反射光を層150を通過させて吸収体層に再び戻す。タンデム型デバイスでは、図9に示すように、高濃度ドープ透明コンタクト層150がトンネル接合のn+層を形成し、これが第1の(「上部」)セル410と第2の(「下部」)セル420とを接続する。
[0067]したがって、透明コンタクト層150は2つ以上の目的に役立つ。第1に、透明コンタクト層150により、反射光および裏面入射光が光起電力デバイス100の裏面から入射して、第1の吸収体層130によって捕捉されて、電子および正孔を生成することが可能になる。第2に、透明コンタクト層150はn+トンネル接合層であり、これが、従来の裏面コンタクト層と裏面電極層との間に生じる意図しない電子/正孔再結合を減少させることにより、第1の吸収体層130から裏面電気的接続部への正孔のより効率的な輸送を可能にしている。第3に、透明コンタクト層は多接合デバイスで使用するための透明なオーミックコンタクトを提供する。
[0068]いくつかの実施形態では、透明コンタクト層150はAZOであり、アルミニウムのドーピングレベルは2原子%〜8原子%の範囲内であり、厚さは20nm〜1000nmの範囲内である。一実施形態では、アルミニウムのドーピングレベルは5原子%であり、透明裏面コンタクト層150は約500nmの厚さである。
[0069]図1の実施形態、および本明細書に記載の他の全ての実施形態では、透明導電層120は前面電気コンタクトとして機能し得る透明な導電性の層を指す。同様に、透明コンタクト層150も、透明な導電性の層を指し、両面またはERFの実施形態では裏面電気コンタクトとして機能することもできる。
[0070]図1は、光学的に両面性の光起電力デバイス100を示す。両面光起電力デバイス100は、第1のTCO層120を通って前面に入射する光を収集し、かつ透明コンタクト層150を通って裏面に入射する光を収集することができる。光起電力デバイス100の性能は、第1の吸収体層130および透明コンタクト層150などの層の厚さを調整すること、裏面コンタクト界面を不動態化して電子−正孔再結合を低減させること、および/または二次導体を利用することにより改善できる。そのような一実施形態を図2に示す。
[0071]図2は、二次導体180を追加した、図1のデバイスを示す。二次導体180は、光が後方から透明コンタクト層150を通って光起電力デバイス100の中に入ることを可能にするように、間隔を空けた一組の金属グリッドフィンガであってもよい。二次導体180は、より薄い透明コンタクト層150と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、デバイス裏面コンタクトは、本質的に透明コンタクト層150と二次導体180とからなる。いくつかの実施形態では、二次導体180を有する透明コンタクト層150は、アルミニウムドープ酸化亜鉛であり、アルミニウムのドープレベルは約5〜6原子%であり、500nm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、透明コンタクト層150の厚さは100nm〜300nmの間である。
[0072]いくつかの実施形態では、二次導体180は平行なワイヤを備える。いくつかの実施形態では、二次導体180は、より多くの電流を運ぶためにスタックを横断する方向により広く、シェーディングおよび掩蔽損失を最小化するために平面を横断する方向により狭い、平行な金属リボンを備える。いくつかの実施形態では、二次導体180の組成はAu、Cu、Al、およびAgから選択される1つまたは複数の材料を含む。いくつかの実施形態では、二次導体180の組成は実質的に銅を含まない。いくつかの実施形態では、二次導体180は透明コンタクト層150内に埋め込まれるか、または部分的に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、二次導体180は、透明コンタクト層150に隣接し、かつ直接接触している。いくつかの実施形態では、裏面は裏面層または封止材を更に備えることができる。いくつかの実施形態では、二次導体180は透明コンタクト層150と接触して隣接し、裏面層または封止材に埋め込まれているか、または部分的に埋め込まれている。
[0073]いくつかの実施形態では、裏面層、二次導体180、透明コンタクト層150、および界面層140の組成は全て銅を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、裏面層、二次導体180、透明コンタクト層、および界面層140の組成は全てグラファイトを実質的に含まない。
[0074]量子効率(QE)は、太陽電池内での電子−正孔対の生成とキャリア収集効率との組み合わせである。QEは、入射フォトンに対する生成された電荷キャリアの比率である。QE値は、特定の波長の光子によって照射された時に、光電デバイスが生成するであろう電流の量を示す。光電デバイス量子効率(QE)は太陽スペクトル範囲にわたって積分することができ、QEは百分率値として表すことができる。したがって、QEは、太陽光または他の入射光にさらされた時に、光起電力セルが生成する電流の量を予測することに使用できる。
[0075]図3は、厚さ2.1μmの第1の(CdSeTe)吸収体層130と、厚さ500nmのアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)透明コンタクト層150とを有する両面光起電力デバイスの前面(SS)および裏面(FS)照射についての量子効率(QE)測定値を示す。QE測定は、同一の光源で前面(SS)と裏面(FS)とを直接照射することによって行った。曲線の裏面(FS)照射部分から分かるように、透明コンタクト層150(ここではAZO)を通して、特にスペクトルの赤色および赤外の端部において、800〜900nmの間で顕著な裏側IR光吸収を伴って電流の収集が生じている。これらの結果は、両面太陽電池構成においてAZOを使用できる能力を実証しており、良好なIR吸収を示している。裏面(FS)収集は、第1の吸収体層130および透明コンタクト層150などの層の厚さを調整すること、裏面コンタクト界面を不動態化して電子再結合を低減させること、および/または二次導体を利用することにより更に改善できる。図3はまた、薄い吸収体の限界において、裏面(FS)QEが表面(SS)QEに収斂することを示している。
[0076]図4は、光起電力デバイスの性能、ならびに典型的なセル性能パラメータの値、例えば電流密度(JQE)およびフィルファクタ(FF)を示す、I−V曲線を提示している。図から分かるように、電流密度は27.8mAであり、FFは72%である。観察された非整流性のI−V曲線は、AZO透明コンタクト層150を使用してオーミックトンネル接合が形成され得ることを示す。これにより、第1のp+トンネル接合層を形成するための典型的なCdTeプロセスと、第2のn+トンネル接合層を形成するための費用効果が優れた製造プロセスとを利用して、実用的なトンネル接合が可能になる。
[0077]図5は例示的な光起電力デバイス200の図である。図5の光起電力デバイス200は図1の光起電力デバイスと同様に構成されているが、光学反射体層160が追加されている。光学反射体(ORF)層160は、光起電力セル200の効率を改善させるために透明コンタクト層150上に配置されている。光波長の一部は、第1の吸収体層130に吸収されることなく光起電力セル200を通過する。ORF層160の目的は、この吸収されない光を第1の吸収体層130の中に反射して戻すことであり、そこで光は再び吸収される機会を得てキャリア生成が増加し、それにより効率が増加する。光学反射体層160は、金属性のAu、Ag、Alまたは他の好適な材料を含む。例示的な一実施形態では、ORF層160は、20nm〜500nmの間、典型的には50nm〜200nmの間、例えば75〜150nmの間の厚さの金属性のAu層を備える。いくつかの実施形態では、ORFは、第2の層として金または銀のいずれかの薄い層を有するアルミニウムの二層として堆積されてもよい。
[0078]図5の実施形態において良好な光伝送と電気的接触の両方を得るために、透明コンタクト層150は透明界面層140と光学反射体層(ORF)160との間に配置される。透明コンタクト層150と光学反射体層160は共に裏面コンタクトを形成する。例示的な一実施形態では、透明コンタクト層150は厚さが20nm〜150nmの間の範囲内にある、5原子%のAlドープZnOである。これは、上述のように、任意選択でフッ素ドープSnO/SnOの二層であってもよい第1のTCO層とは異なることに留意されたい。
[0079]図6の曲線は、窒化モリブデン(MoNx/Mo)二層裏面コンタクトと、AZO/Au二層裏面コンタクトを有する図5の例示的実施形態との間のQEの比較である。QE曲線は、窒化モリブデン(MoNx/MoまたはMoNx/Al)などの金属酸化物裏面コンタクトではなく、AZO/Au裏面コンタクトを使用することによって、実現される長波長光において効率の向上を示している。図から分かるように、約0.8〜0.9μm(800〜900nm)の間の波長においてAZO/Au裏面コンタクトによる電流収集が強化されており、AZO/Au裏面コンタクトからの光学反射効果を明確に実証している。MoNx上に反射率の高い金属を追加しても、AZOと比較して吸収率が高いために反射によるいかなる効果をも損なうのでほとんど価値はない。
[0080]図7Aおよび図7Bは、特定の厚さのAZO/Au裏面コンタクトを有する図5の例示的実施形態の性能を比較するためのI−V曲線を示す。図7Aおよび図7Bはそれぞれ、開放電圧(VOC)、短絡電流密度(ここではJSCと表す)、およびフィルファクタ(FF)などの典型的なセル性能パラメータの値を提示している。図から分かるように、20nmと150nmのZnO:Al裏面コンタクトの間にはJSCの差はほとんど観察されない。この結果は、AZOの良好な透明性ゆえに、AZO層の厚さが電流に大きな影響を与えないことを実証している。加えて、図7Aおよび図7BのI−V曲線を図4と比較すると、光学反射体層160を追加してAZO/Au裏面コンタクトを形成することで、光学反射体層なしで500nm厚のAZO透明コンタクト層150を利用するデバイスよりも、より多くの電流および電圧を発生させることによって良好な性能となったことを示している。
[0081]他の透明コンタクト層も同等な、またはそれよりも良好な性能を示した。図10は、図5と同様にORF160を有するが、様々なORF/裏面コンタクトの組成を有する追加のPVデバイスの効率を比較している。いずれの場合でも、実験組成は、データを正規化するための対照としての役割を果たす10nmのMoNx/Al裏面コンタクトの数パーセントポイント以内にある。実験的ORF/裏面コンタクトは、20nmの金属酸化物層と120nmのアルミニウム金属層との二層である。酸化物層は、スズ酸カドミウム(CdSnO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、およびインジウムドープ酸化スズ(ITO)であった。
[0082]図8は例示的な光起電力デバイス300の図である。光起電力デバイス300は、図1に示される実施形態と同様の両面型の実施形態であり、任意選択の第1の窓層185および任意選択の電子反射体(ERF)層170が追加されている。任意選択の第1の窓層185は第1のTCO層120上に配置され、実質的に透明なn型半導体材料、例えば、CdS、CdSSe、CdSe、硫化亜鉛(ZnS)、ZnSe、ZnTe、ZnS/CdS合金、ZnSO、硫化カドミウムマグネシウム、または広バンドギャップを有し安定な他の好適な材料から形成することができる。第1の窓層185は、第1の透明導電性酸化物層120と第1の吸収体層130との間に配置される。
[0083]n型の第1の窓層185を利用する場合、任意選択の高抵抗率透明(HRT)層またはバッファ層を第1のTCO層120と第1の窓層185との間に設けて、シャント欠陥を防止すること、またはピンホールもしくは弱いダイオードの影響を減少させることなど、TCOの電気的機能を促進させてもよく、または、以降の半導体材料の堆積のために改善された表面を提供してもよい。HRT層は、SnOと、低抵抗のSnOと第1の窓層185との間の真性SnO層とを利用する二層であってもよい。または、HRT層は第1のTCO層120に対して指定されたグループのうちのいずれか1つであってもよいが、ドーピングされておらず電気抵抗は高い。一実施形態では、HRTは約25nm〜約200nmの厚さのZnOまたはSnOである。一実施形態では、HRTは約50nm〜約100nmの厚さのZnOまたはSnOである。バッファ層は、例えば、酸化スズ、酸化スズ亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛酸硫化物、または亜鉛マグネシウムで形成してもよい。n型の第1のTCO層120が存在するため、光起電力デバイス200は第1の窓層185を省略してもよい。
[0084]ERF層は、第1の吸収体層130と、トンネル接合の一部である界面層140との間に堆積される。ERF層170は、上述したように、CdZnTe(「CZT」)、CdMnTe、CdMgTe、またはCdSeTe(1−x)第1の吸収体層130よりも大きいバンドギャップを有する同様に好適な材料を含んでもよい。一実施形態では、ERF170は、テルル化銅(CuTe)でドープされたテルル化亜鉛(ZnTe)層である。この実施形態では、ERF170は、最大5原子%の濃度で存在するCuTeドーパントを有するZnTeを主成分とする。ERF170は、約5nm〜約25nmの間の厚さであり得る。
[0085]バンドギャップがより大きいERF層170は伝導帯エネルギー障壁をもたらし、それを横切って電子が移動するためには、より高いエネルギーが必要となる。これにより、電子が第1の吸収体層130を出て、電子が、集結した正孔と再結合し得る透明コンタクト層150に向かって移動することがより困難になり、代わりに、電子は第1のTCO層120に向かって反射されて電流収集に寄与し、電荷キャリア再結合が減少する。ZnO:Al層での不動態化などによる結晶格子欠陥の最小化もまた、再結合サイトの濃度を減少させることに寄与し、それにより裏面でのエネルギー収集が増加する。一実施形態では、ERF層170は光学反射体層160を有するデバイスで使用される。
[0086]図9は、タンデム型光起電力デバイス400の一実施形態を示す。光起電力デバイス400は、図1の光起電力デバイス100の要素に加えて、追加の層を含む。タンデム型光起電力デバイス400は、トンネル接合によって接続された第1の(「上部」)セル410および第2の(「下部」)セル420を備える。タンデム型薄膜太陽電池では、TCO前面コンタクトのための望ましい特性は、高いバンドギャップ、入射光の高透過率、高導電率、および低抵抗率を含む。
[0087]第1の(「上部」)セルは、基板層110、第1の透明導電性酸化物(TCO)層120、第1のTCO層120上に配置された任意選択の高抵抗透明(HRT)層195、任意選択のn型の第1の窓層185、p型の第1の吸収体層130を備える。上部セル410と下部セル420との間のトンネル接合は、トンネル接合のp+層を形成する高濃度p+ドープ界面層140と、トンネル接合のn+層を形成する高濃度n+ドープ透明コンタクト層150とを含む。いくつかの実施形態では、トンネル接合のp+層は上部セルの最後のp+のZnTe層を備え、n+層はアルミニウムでドープされた酸化亜鉛などの透明導電性酸化物を備える。
[0088]続けて図9を参照すると、第2の(「下部」)セルは、第2の透明導電性酸化物(TCO)層220、n型の第2の窓層285(任意選択)、p型の第2の吸収体層230、および金属裏面コンタクト290を備える。金属裏面コンタクト290は、金、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、または銀を含んでもよい。第2のセルは、第1のセルを透過した太陽光を受光する。
[0089]一実施形態では、第1のセルはp型の第1の吸収体層130にCdSeTe(1−x)を利用し、第2のセルは第1の吸収体のバンドギャップよりも低いバンドギャップを有するp型の第2の吸収体230を利用し、例えばバンドギャップは、第1の吸収体では約1.4〜2.2eVであり、第2の吸収体では約0.6〜1.4eVである。これらのバンドギャップは、当技術分野で公知の方法を用いてドーパントの添加によって、増加または減少させるように選択的に調整できる。例えば、CdTe吸収体にSeを使用してバンドギャップを減少させるように調整でき、Znを使用してバンドギャップを増加させるように調整できる。加えて、n−p接合を備える層に勾配を与えて、接合でのバンドギャップを調整して、表面再結合を大幅に減少させ、かつ太陽スペクトルの吸収を増加させて、電力変換効率を改善させることができる。代替実施形態では、n型吸収体を使用することができ、トンネル接合はその順序を逆にしてもよく、または不要とすることができる。
[0090]光起電力デバイス400は更に、例えばモジュール内の1つの光起電力セルから隣接するセルへ、またはアレイ内の1つの光起電力モジュールから隣接するモジュールへ、生成された電流を伝達するための電流経路を提供する電気的接続部を含む。代替として、電気的接続部は電流を、光生成電流が電力を供給する外部負荷デバイスに導いてもよい。
[0091]モノリシックに集積され直列接続された二端子デバイスでは、第2のセルはp+/n+トンネル接合を介して第1のセルに電気的に接続される。
[0092]積層型の並列接続4端子デバイスでは、トンネル接合は光を下部セルに伝達し、トンネル接合のn+層は上部セルの裏面コンタクトとして機能する。一実施形態では、第1の導電性リードが第1のTCO層120に接続され、第2の導電性リードが透明コンタクト層150に接続され、第3の導電性リードが第2のTCO層220に接続され、第4の導電性リードが金属裏面コンタクト290に接続される。
[0093]本発明の実施形態では、エネルギーバンドギャップが約1.1eV〜2.1eVの間の範囲内にあるデバイス層と、任意選択の、構造を最適化し界面再結合を減少させるためのヘテロ接合層の組成における勾配と、両面および多接合デバイスに好適な透明裏面コンタクトおよびトンネル接合層と、1つまたは複数のオーミックコンタクトを形成するための、インサイチュで、前面および裏面コンタクトの近くで、スーパーストレートまたは基板上に成長させた高濃度ドープ材料の製造と、電子と正孔の減少した再結合と、費用効果の高い構造の提供と、に対する方法、装置および/または構造が提供される。実施形態において、上述の能力は、組み合わされた場合に、デバイス内の光吸収および電荷キャリアの流れに対する制御を可能にし、よって性能が最適化される。高効率を生成する調整されたタンデム型太陽電池の例が説明される。本開示の方法および構造は、従来技術の薄膜光起電力デバイスと比較して改善された、短絡電流(JSC)、開回路電圧(VOC)、およびフィルファクタ(FF)を有する光起電力デバイスを提供することができる。
[0094]本発明の原理および動作モードがその好ましい実施形態にて記載および図示されてきた。しかし、本発明はその範囲から逸脱しない範囲で、具体的に説明および図示されたものとは別の形態で実施されてもよいと理解すべきである。
[発明の態様]
[1]
第1の透明導電性酸化物層または窓層から選択されたn型層、またはこれら両方を含むn型層、
前記n型層上に配置されたp型吸収体層、ここで前記p型吸収体層は本質的にCdSeTe(1−x)[xは約1原子%〜約40原子%である]からなる、ならびに
前記吸収体層上に配置された透明トンネル接合、ここで前記透明トンネル接合はp+型にドープされた透明界面層とn+型にドープされた透明コンタクト層とを含み、前記界面層は前記吸収体層と前記コンタクト層との間に配置され、そして前記コンタクト層は第2の透明導電性酸化物を含む、
を含む、光起電力デバイス。
[2]
前記吸収体層中のSeの量は、xが約0である最小値から約15原子%〜約30原子%の範囲内の最大値まで変化するような勾配を有する、1に記載の光起電力デバイス。
[3]
前記界面層は、銅(Cu)でドープされたCdZn(1−y)Te[yは0〜約60原子%であり得る]を含む、1または2に記載の光起電力デバイス。
[4]
前記透明コンタクト層は、フッ素ドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、スズ酸カドミウム、およびインジウムドープ酸化スズからなる導電性酸化物の群から選択される、1〜3のいずれか一項に記載の光起電力デバイス。
[5]
前記透明コンタクト層は本質的にZnOおよびAlからなる、4に記載の光起電力デバイス。
[6]
アルミニウム(Al)の濃度が約4〜6原子パーセントである、5に記載の光起電力デバイス。
[7]
前記透明コンタクト層の厚さが約0.02μm〜約1.0μmである、1〜6のいずれか一項に記載の光起電力デバイス。
[8]
前記透明コンタクト層に接触している二次導体を更に含む、1〜7のいずれか一項に記載の光起電力デバイス。
[9]
前記二次導体は金属グリッドフィンガを含み、前記透明コンタクト層は約0.02μm〜約0.20μmの厚さを有する、8に記載の光起電力デバイス。
[10]
前記第1の透明導電性酸化物層および前記吸収体層は実質的にZnを含まない、1〜9のいずれか一項に記載の光起電力デバイス。
[11]
前記透明コンタクト層上に配置された光学反射体(ORF)層を更に含む、1〜10のいずれか一項に記載の光起電力デバイス。
[12]
前記ORF層は、金、銀、およびアルミニウムからなる群から選択された材料を含む、12に記載の光起電力デバイス。
[13]
前記ORF層は50nm〜200nmの範囲内の厚さを有する、12に記載の光起電力デバイス。
[14]
前記吸収体層と前記界面層との間に配置された電子反射体層(ERF)を更に含む、1〜11のいずれか一項に記載の光起電力デバイス。
[15]
前記界面層および前記透明コンタクト層は実質的にグラファイトを含まない、1〜14のいずれか一項に記載の光起電力デバイス。
[16]
前記界面層、前記透明コンタクト層、および前記二次導体は実質的にグラファイトを含まない、1〜15のいずれか一項に記載の光起電力デバイス。
[17]
透明基板、
前記透明基板上に配置された、1つまたは複数の層の形態の上部セルn型接合パートナおよびp型接合パートナ、ここで少なくとも1つの層が、上部セルバンドギャップを有する上部セル光起電力吸収体層である、
p+型にドープされたCdZn(1−y)Teの界面層とn+型にドープされ、透明導電性酸化物を含む透明コンタクト層とを含む、透明トンネル接合、
前記透明トンネル接合上に配置された、1つまたは複数の層の形態の下部セルn型接合パートナおよびp型接合パートナ、ここで少なくとも1つの層が、前記上部セルバンドギャップよりも小さい下部セルバンドギャップを有する下部セル光起電力吸収体層である、ならびに
前記下部セル層上に配置された金属裏面コンタクト
を含む、タンデム型光起電力デバイス。
[18]
前面および裏面を画定する半導体層スタック、ここで前記半導体スタックは、透明導電性酸化物層または窓層から選択されたn型層と、前記n型層上に配置されたp型吸収体層とを含み、前記p型吸収体層は本質的にCdSeTe(1−x)[xは約1原子%〜約40原子%である]からなる、ならびに
p+型にドープされた界面層およびn+型にドープされた透明コンタクト層を含む透明トンネル接合、ここで前記界面層は前記吸収体層と前記透明コンタクト層との間に配置され、そして前記透明コンタクト層は透明導電性酸化物を含む、
を含む両面光起電力デバイス。
[19]
前記p型半導体吸収体層に隣接した前記n型透明導電性酸化物によって形成されたp−n接合、ここfr前記n型透明導電性酸化物は実質的に亜鉛を含まず、前記p型半導体吸収体層はカドミウムおよびテルルを含む、
前記p型半導体吸収体層と前記p+型界面層との間に配置された電子反射体層(ERF)と
を更に含み、
ここで前記p+型界面層は亜鉛およびテルルを含み、前記n+型透明導電性酸化物層はアルミニウムドープ酸化亜鉛を含み、そして前記n+型透明導電性酸化物層は前記両面光起電力デバイス用の裏面コンタクトである、
18に記載の両面光起電力デバイス。
[20]
前記前面は直射日光を受光するように構成された一次入射光表面であり、前記裏面は間接的な太陽光、拡散された太陽光、または反射された太陽光を受光するように構成された二次入射光表面である、18または19に記載の両面光起電力デバイス。
[21]
前記裏面を通して入射した光からの追加的な電流の生成により、透明裏面のないデバイスに比較して量子効率が改善されている、18〜20のいずれか一項に記載の両面光起電力デバイス。
[22]
800〜900nmの波長の光が、透明な裏面を持たないデバイスにおけるよりもより多く吸収される、18〜21のいずれか一項に記載の両面光起電力デバイス。
[23]
第1の透明導電性酸化物層または窓層から選択されたn型層、またはこれら両方を含むn型層、ここで前記n型層は任意に基板上に配置されていてもよい、
前記n型層上に配置されたp型吸収体層、ここで前記p型吸収体層は本質的にCdSeTe(1−x)[xは1〜約40原子%である]からなり、ならびに
前記吸収体層上に配置された透明トンネル接合、ここで前記透明トンネル接合はp+型にドープされた透明界面層とn+型にドープされた透明コンタクト層とを含み、前記界面層は前記吸収体層と前記コンタクト層との間に配置され、そして前記コンタクト層は第2の透明導電性酸化物を含む
を含む光起電力デバイス。
[24]
前記吸収体層中のSeの量が、xが約0である最小値から約15〜30原子%の範囲内の最大値まで変化するような勾配を有する、23に記載の光起電力デバイス。
[25]
前記界面層は、銅(Cu)でドープされたCdZn(1−y)Teを含み、yは0〜約60原子%であり得る、23に記載の光起電力デバイス。
[26]
前記透明コンタクト層は、フッ素ドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、スズ酸カドミウム、およびインジウムドープ酸化スズからなる導電性酸化物の群から選択される、23に記載の光起電力デバイス。
[27]
前記透明コンタクト層は本質的にZnOおよびAlからなる、26に記載の光起電力デバイス。
[28]
アルミニウム(Al)の濃度が約4〜6原子パーセントである、27に記載の光起電力デバイス。
[29]
前記透明コンタクト層の厚さが約0.02μm〜約1.0μmである、27に記載の光起電力デバイス。
[30]
前記透明コンタクト層に接触している二次導体を更に備える、23に記載の光起電力デバイス。
[31]
前記二次導体は金属グリッドフィンガを備え、前記透明コンタクト層は約0.02μm〜約0.20μmの厚さを有する、30に記載の光起電力デバイス。
[32]
前記第1の透明導電性酸化物層および前記吸収体層は実質的にZnを含まない、23に記載の光起電力デバイス。
[33]
前記界面層、前記透明コンタクト層、および前記二次導体は実質的にグラファイトを含まない、30に記載の光起電力デバイス。
[34]
前記透明コンタクト層上に配置された光学反射体(ORF)層を更に含む、23に記載の光起電力デバイス。
[35]
前記ORF層は、金、銀、およびアルミニウムからなる群から選択された材料を含む、34に記載の光起電力デバイス。
[36]
前記ORF層は50nm〜200nmの範囲内の厚さを有する、34に記載の光起電力デバイス。
[37]
前記吸収体層と前記界面層との間に配置された電子反射体層(ERF)を更に含む、23に記載の光起電力デバイス。
[38]
前記界面層および透明コンタクト層は実質的にグラファイトを含まない、23に記載の光起電力デバイス。
[39]
透明基板、
前記透明基板上に配置された、1つまたは複数の層の形態の上部セルn型接合パートナおよびp型接合パートナ、ここで少なくとも1つの層が、上部セルバンドギャップを有する上部セル光起電力吸収体層である、
p+型にドープされたCdZn(1−y)Teの界面層とn+型にドープされた透明コンタクト層とを含む透明トンネル接合、ここで前記透明コンタクト層は透明導電性酸化物を含む、
前記透明トンネル接合上に配置された、1つまたは複数の層の形態の下部セルn型接合パートナおよびp型接合パートナ、ここで少なくとも1つの層が、前記上部セルバンドギャップよりも小さい下部セルバンドギャップを有する下部セル光起電力吸収体層である、、ならびに
前記下部セル層上に配置された金属裏面コンタクト
を含むタンデム型光起電力デバイス。
[40]
前面および裏面を画定する半導体層スタック、ここで前記半導体層スタックは、透明導電性酸化物層または窓層から選択されたn型層、および前記n型層上に配置けられたp型吸収体層を含み、前記p型吸収体層は、本質的にCdSeTe(1−x)[xは1〜約40原子%である]からなる、
p+型にドープされた界面層とn+型にドープされた透明コンタクト層とを含む透明トンネル接合、ここで前記界面層は前記吸収体層と前記透明コンタクト層との間に配置され、そして前記透明コンタクト層は透明導電性酸化物を含む、
を含む両面光起電力デバイス。
[41]
前記p型半導体吸収体層に隣接した前記n型透明導電性酸化物によって形成されたp−n接合、ここで前記n型透明導電性酸化物は実質的に亜鉛を含まず、前記p型半導体吸収体層はカドミウムおよびテルルを含む、
前記p型半導体吸収体層と前記p+型界面層との間に配置された電子反射体層(ERF)
を更に備え、
ここで前記p+型界面層は亜鉛およびテルルを含み、前記n+型透明導電性酸化物層はアルミニウムドープ酸化亜鉛を含み、そして前記n+型透明導電性酸化物層は前記両面光起電力デバイス用の裏面コンタクトである、
40に記載の両面光起電力デバイス。
[42]
前記前面は直射日光を受光するように構成された一次入射光表面であり、前記裏面は間接的な太陽光、拡散された太陽光、または反射された太陽光を受光するように構成された二次入射光表面である、40に記載の両面光起電力デバイス。
[43]
前記裏面を通して入射した光からの追加的な電流の生成により、透明裏面のないデバイスに比較して量子効率が改善されている、40に記載の両面光起電力デバイス。
[44]
波長800〜900nmの光が、透明裏面のないデバイスよりもより多く吸収される、43に記載の両面光起電力デバイス。

Claims (20)

  1. 第1の透明導電性酸化物層または窓層から選択されたn型層、またはこれら両方を含むn型層、
    前記n型層上に配置されたp型吸収体層、ここで前記p型吸収体層は本質的にCdSeTe(1−x)[xは1原子%〜40原子%である]からなる、ならびに
    前記吸収体層上に配置された透明トンネル接合、ここで前記透明トンネル接合はp+型にドープされた透明界面層とn+型にドープされた透明コンタクト層とを含み、前記界面層は、銅(Cu)でドープされたCdZn(1−y)Te[yは0〜60原子%である]を含み、前記界面層は前記吸収体層と前記透明コンタクト層との間に配置され、そして前記透明コンタクト層は第2の透明導電性酸化物を含む、
    を含む、光起電力デバイス。
  2. 前記吸収体層中のSeの量は、xが1原子%である最小値から15原子%〜30原子%の範囲内の最大値まで変化するような勾配を有する、請求項1に記載の光起電力デバイス。
  3. 前記透明コンタクト層は、フッ素ドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、スズ酸カドミウム、およびインジウムドープ酸化スズからなる導電性酸化物の群から選択される、請求項1に記載の光起電力デバイス。
  4. 前記透明コンタクト層は本質的にZnOおよびAlからなる、請求項3に記載の光起電力デバイス。
  5. アルミニウム(Al)の濃度が4〜6原子パーセントである、請求項4に記載の光起電力デバイス。
  6. 前記透明コンタクト層の厚さが0.02μm〜1.0μmである、請求項1に記載の光起電力デバイス。
  7. 前記透明コンタクト層に接触している二次導体を更に含む、請求項1に記載の光起電力デバイス。
  8. 前記透明コンタクト層上に配置された光学反射体(ORF)層を更に含む、請求項1に記載の光起電力デバイス。
  9. 前記ORF層は、金、銀、およびアルミニウムからなる群から選択された材料を含む、請求項8に記載の光起電力デバイス。
  10. 前記ORF層は50nm〜200nmの範囲内の厚さを有する、請求項9に記載の光起電力デバイス。
  11. 前記吸収体層と前記界面層との間に配置された電子反射体層(ERF)を更に含む、請求項1に記載の光起電力デバイス。
  12. 両面光起電力デバイスであって、
    前面および裏面を画定する半導体層スタック、ここで前記半導体スタックは、透明導電性酸化物層を含むn型層と、前記n型層上に配置されたp型吸収体層とを含み、前記p型吸収体層は本質的にCdSeTe(1−x)[xは1原子%〜40原子%である]からなる、
    p+型にドープされた界面層およびn+型にドープされた透明コンタクト層を含む透明トンネル接合、ここで前記界面層は前記p型吸収体層と前記透明コンタクト層との間に配置され、そして前記透明コンタクト層は透明導電性酸化物を含む、
    前記p型吸収体層に隣接した前記n型層によって形成されたp−n接合、ここで前記n型層の前記透明導電性酸化物層は実質的に亜鉛を含まず、前記p型吸収体層はカドミウムおよびテルルを含む、ならびに
    前記p型吸収体層と前記p+型界面層との間に配置された電子反射体層(ERF)を含み、
    ここで前記p+型界面層は亜鉛およびテルルを含み、前記n+型透明コンタクト層はアルミニウムドープ酸化亜鉛を含み、そして前記n+型透明コンタクト層は前記両面光起電力デバイス用の裏面コンタクトである、
    両面光起電力デバイス。
  13. 第1の透明導電性酸化物層または窓層から選択されたn型層、またはこれら両方を含むn型層、ここで前記n型層は基板上に配置されている、
    前記n型層上に配置されたp型吸収体層、ここで前記p型吸収体層は本質的にCdSeTe(1−x)からなり、前記吸収体層中のSeの量が、xが1原子%である最小値から15〜30原子%の範囲内の最大値まで変化するような勾配を有する、ならびに
    前記吸収体層上に配置された透明トンネル接合、ここで前記透明トンネル接合はp+型にドープされた透明界面層とn+型にドープされた透明コンタクト層とを含み、前記界面層は前記吸収体層と前記透明コンタクト層との間に配置され、そして前記透明コンタクト層は第2の透明導電性酸化物を含む
    を含む光起電力デバイス。
  14. 前記透明コンタクト層は、フッ素ドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、スズ酸カドミウム、およびインジウムドープ酸化スズからなる導電性酸化物の群から選択される、請求項13に記載の光起電力デバイス。
  15. 前記透明コンタクト層は本質的にZnOおよびAlからなり、アルミニウム(Al)の濃度が4〜6原子パーセントである、請求項14に記載の光起電力デバイス。
  16. 前記透明コンタクト層の厚さが0.02μm〜1.0μmである、請求項13に記載の光起電力デバイス。
  17. 前記透明コンタクト層上に配置された光学反射体(ORF)層を更に含む、請求項13に記載の光起電力デバイス。
  18. 前記ORF層は、金、銀、およびアルミニウムからなる群から選択された材料を含む、請求項17に記載の光起電力デバイス。
  19. 前記ORF層は50nm〜200nmの範囲内の厚さを有する、請求項17に記載の光起電力デバイス。
  20. 前記吸収体層と前記界面層との間に配置された電子反射体層(ERF)を更に含む、請求項13に記載の光起電力デバイス。
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