JP6688362B2 - ブレスレットを取り付けるための装置 - Google Patents

Description

本発明は時計学または宝石の分野に関する。より具体的には、本発明は、ベルトまたはブレスレットを対象物、具体的には腕時計ケースに取り付けるための方法に関する。

一般に、革または金属製のベルトまたはブレスレットは、腕時計ケースのホーンに、管から形成されるバーによって取り付けられる。管の内部には、平行して移動する２つのピストンが取り付けられる。弾性部材は２つのピストン間に配置され、ピストンを管の外側に駆動することを目的とする。このバーは、この目的のためにブレスレットの１つの端部に設けられるハウジング内部に取り付けられる。ピストンはケースのホーン内でピストンに対向して作られたブラインドボアで係合する。

このようにケースに取り付けられたベルトまたはブレスレットを取り外すには、弾性部材によって行使される応力に対向してピストンを管内部で押し返し、それによってピストンをボアから取り除くように設計される道具が必要となる。腕時計の装着者は、常にそのような道具を携帯するわけではなく、さらに道具が使いづらいこともある。このような取り付け装置を備えるブレスレットが一般に、ケースに常に取り付けられるのは、このような理由からである。

道具を用いずにブレスレットをケースから取り外すことができる取り付け装置もある。このような装置は、通常、前述の種類のバーと、バー上に管を通じて取り付けられるピストンを起動する部材を含む。この起動部材は、たとえば、特許文献１に記載するような、ピストンの１つと一体化した放射状の指針である。指針は、管内に形成された軸方向のスロットを通じて摺動可能に取り付けられ、スロットに沿って移動することによって、管内部のピストンの１つが押される。

特許文献２は、ベルトをケースに取り付けるための装置を有する腕時計ケースを開示する。中央のホーンは円筒形の通路を有し、通路はホーンの全長にわたって長手方向のスリットであり、ベルトを取り付けるためのバーを挿入可能である。バーの形状は円筒形であり、全長に沿って平坦な部分を有し、バーが通路に挿入されたときにバーを通過させることができ、バーが規定の角度位置にあるときにバーを所定の位置に保持することができる。

前述したこのような取り付け装置は、一般に、ユーザの要望に応じて交換可能なブレスレットまたはベルトに用いられる。ただし、このような取り付け装置にも欠点がある。特に、このような取り付け装置では、たとえば、管に開口を設けることや、ピストンを変形するなど、バーに重大な構造的修正が必要となることに留意されたい。これらの変更にはかなりの余分な製造費用が発生する。これらの取り付け装置はまた、突出要素、つまり、起動部材を含み、これらの起動部材は腕時計の装着者に絡まることもあり、また装着者を傷つけることもある。

スイス特許第３２７８３８号 スイス特許第６１４５８９号

本発明により、ブレスレットまたはベルトを腕時計ケースに取り付けるための下記の装置を提示することによって、前述の欠点を克服することが可能となる。本装置は、一方では、少なくとも１つのホーンによって腕時計ケースに固定されるバーと、他方では、ブレスレットの端部と一体化する挿入部とを備える。バーおよび挿入部は補完的であり、一方を他方の内部に嵌合することによって協働し、ブレスレットが交換可能となるように取り外し可能な組み立て手段を形成する。

本発明によれば、バーは少なくとも１つの平坦な部分を有する２つの円筒形の軸によって形成される。平坦な部分は、少なくとも１つの挿入部に形成される少なくとも１つのハウジングと連結または嵌合することによって協働するように構成される。少なくとも１つのハウジングは、少なくとも１つの平坦な部分を受容するための実質的に長方形の開口を有する。各軸は第１の位置Ａから第２の位置Ｂまで移動するために伸縮自在である。第１の位置Ａでは、軸は配備位置にあり、挿入部はバー軸上に配置可能である。第２の位置Ｂでは、バーは格納され、挿入部はバー軸上に固定される。

本発明の別の有利な変形によれば、
−バーは、長さの全部または一部にわたって延在する少なくとも１つの誘導トラックを含み、
−少なくとも１つのトラックは少なくとも１つのノッチを含み、ノッチは位置Ｂ、つまり格納位置を画定するように構成され、
−ホーンは、少なくとも１つの誘導トラック内を摺動するように構成される誘導手段を含み、
−誘導手段は、誘導トラックと協働するように構成される誘導ピンを含み、
−誘導トラックはＬ字型であり、Ｌ字型の底面は、位置Ｂまたは軸の固定位置を画定する固定ノッチを受容し、
−軸は、少なくとも１つのカラーを少なくとも１つの端部に含み、少なくとも１つのカラーは軸保有要素を形成し、
−少なくとも１つのカラーは、腕時計ケースの少なくとも１つの横停止面と協働し、
−腕時計ケースは、通路を有する中央ホーンを含み、通路の直径はバー軸の直径に対応し、
−バーは、それぞれが２つの平行かつ対称的な平坦な部分を含む２つの軸を含み、挿入部のハウジングと協働するように構成され、
−ハウジングは、開口を備える溝の形状を取り、ハウジングはＣ字型の断面を有する。

本発明のその他の特徴および有利点は、本発明によるベルトまたはブレスレットを取り付けるための装置の実施形態の例を詳細に説明した以下の記述から明らかになるであろう。本実施例は、添付図を参照し、非限定的な例示としてのみ示すものである。

本発明による取り付け装置を備える腕時計ケースの分解斜視図を例示する。 配備位置にある装置を備える腕時計ケースの横断面図を示す。 格納位置にある装置を備える腕時計ケースの横断面図を示す。 本発明による取り付け装置のバーを例示する。 本発明による取り付け装置のバーを例示する。 図２ａの線Ａ−Ａに沿った断面図を例示する。

図１から４は、本発明の好ましい実施形態による腕時計と、ブレスレット２を腕時計ケース１に取り付けるための装置の詳細図を例示する。ブレスレット２を腕時計ケース１に取り付けるための装置は、一方では、ケースと一体化する少なくとも１つのホーンによって腕時計ケースに固定されるバー４を含み、他方では、ブレスレット２の端部と一体化する挿入部を含む。バー４および挿入部２０は補完的であり、連結して、または互いに嵌合することによって協働し、ブレスレットが交換可能になるように、取り外し可能な組み立て手段を形成する。

図２ａおよび２ｂから分かるように、腕時計ケースは、中央ホーンを含む。中央ホーンは通路３０を備える。通路３０の直径はバー４の軸の直径に対応し、それによって、バー４はハウジング内部で自由に回転することができる。中央ホーン３は単一の部品からなり、たとえばねじによって腕時計ケース１から取り外し可能であり、また腕時計ケース１上に維持されるように構成される。このような構成によって、ホーンを迅速かつ容易に組み立て、および取り外すことが可能となる。ホーンを腕時計ケースと共に形成することも想定可能である。

本発明によれば、バー４は、少なくとも１つの平坦な部分４１を有する少なくとも１つの円筒形の軸４０によって形成される。平坦な部分４１は、少なくとも１つのハウジング２００と連結して、または嵌合することによって協働するように構成される。少なくとも１つのハウジング２００はブレスレット部分２または連結部の挿入部２０内に形成される。図に示すように、バー４は２つの軸４０によって形成され、各軸は２つの平行かつ対称的な平坦な部分４１を含む。２つの軸４０は、互いを遠ざけるように押圧するばね５によって離間される。軸が固定されていないとき、軸４０は、中央ホーン３のハウジング３０内部に配置されるばね５によって配備位置に戻ろうとする。

当業者は、バー４を形成する単一の軸を構想し、従来の対のホーンを備える腕時計ケースにこの装置を適応するにあたって何の問題も有さないであろう。

有利には、軸４０は、第１の位置Ａから第２の位置Ｂまで移動できるように伸縮自在に構成される。第１の位置Ａでは、軸は配備位置にあり、挿入部２０は軸４０上に配置可能である。第２の位置Ｂでは、軸は格納され、挿入部はバー軸４０上に固定される。

図３ａおよび３ｂに例示するように、軸４０は、その全長の一部にわたって延在する少なくとも１つのＬ字型またはベヨネット型の誘導トラック４２を含む。トラック４２は、少なくとも１つのノッチ４３をＬ字型の底面上に含み、軸４０の格納位置を画定する。

さらに、軸４０は、少なくとも１つの動作部材を自由端部に含み、バーを第１の位置Ａから第２の位置Ｂまで枢動させる。第１の位置Ａでは、軸の平坦な部分４１は挿入部を受容可能であり、第２の位置Ｂでは、挿入部２０はバー４上に固定される。

例示するように、動作部材は、軸４０の各端部と一体化されるカラー４４を含み、軸４０とカラー４４は、したがって、単一の要素を形成する。カラー４４を、軸４０の空洞部分に取り付けられる挿入チップによって、軸４０の端部に組み付けることも想定可能である。その場合、カラー４４を軸４０にはめこむために、内部バンプは挿入チップと協働するように軸４０の端部に配置される。カラー４４を固定する別の手段、たとえば接着結合、溶接または圧入なども想定可能である。これらのカラーは、バー４および挿入部２０の軸保有要素として作用する。

本発明によれば、ホーン３は、摺動内部トラック４２内を摺動し、位置変更中に軸４０を誘導するように構成される誘導および固定手段を含む。これらの誘導手段は、特に図２ａおよび２ｂから分かるように、ばね３２によって圧力を加えられる少なくとも１つの誘導ピン３１を含み、あそびを制限し、誘導ピンが確実に軸４０のトラック４２と適切に接触するようにする。Ｌ字型の底面で軸４０を格納位置に維持するために誘導ピンがノッチ４３と協働するため、誘導ピン３１によって、軸を格納位置に固定することもできる。

このような装置のさらに別の有利点は、誘導ピン３１が所定の位置にあるときは軸を取り除くことができないため、誘導ピン３１が軸４０をホーン３上に保持できることである。したがって、ブレスレットを交換するときに軸４０またはばね５を失う危険性はない。当然ながら、当業者は任意の別の種類の誘導手段、たとえば突出する突起またはポストなどを構想しえる。

図２ａ、２ｂおよび４から分かるように、挿入部２０はハウジング２００を含む。ハウジング２００は、軸４０の平坦な部分４１を受容する実質的に長方形の開口２１０を備える。開口２１０の高さおよび長さは、バー４の平坦な部分４１の高さおよび長さに対応する。ハウジング２００は、ブレスレット部分の挿入部２０に形成される。ハウジング２００は、ブレスレット部分の挿入部２０に加工される円筒形の溝２１０によって形成される開口したハウジングの形状を取る。この円筒形の溝は、ハウジングの形状に適合するように２つの平坦な部分４１を有する円筒形のバー４０を挿入して保持するための長方形の開口２１０を含む。したがって図４の断面図では、溝２１１はＣ字型の断面を有することが分かる。

図１に例示する好ましい実施形態によれば、中央ホーン３は第１の垂直な横壁１０を有する。横壁１０内には、部分的にカラー４４を内部に収容するための円筒形の凹部１１が配置される。カラー４４は、本事例では凹部１１内に嵌合するように好ましくは円筒形の形状を有する。

図２ａおよび２ｂに例示するように、ブレスレット２をケース１に取り付けるために、誘導ピン３１が誘導トラック４２の壁に当接するまで軸４０に圧力を印加すると、軸は誘導トラックによって画定される角度で枢動する。本事例では、角度はトラックが形成するＬ字型の底面の長さによって画定される。ばね５が軸４０を押し戻すように軸に印加された圧力を解除すると、軸は配備位置に移動する。この運動学的構成を図３ａに示す。

次に、ハウジング２００の開口２１０を、軸４０の平坦な部分４１に対向して配置することによって、たとえばブレスレット部分の端部である挿入部２０をバー４上に配置し、バー４をハウジング２００内に嵌合させる。

挿入部２０がバー４上の所定の位置に配置されると、ユーザは反対の操作を実施する。つまり、誘導ピン３１が誘導壁４２の壁に当接するまで圧力を軸に印加すると、軸は中心軸Ａ−Ａの回りをカラーによって位置Ｂまで枢動し、誘導ピンがばね５の影響を受けて固定ノッチ４３内に配置されるように、印加した圧力を解除する。このようにして、ブレスレット部分は、図２ｂから分かるように、もはや取り外すことはできない。

有利には、カラー４４の少なくとも１つは、外面に配置されるスロットを備える。外面とは、つまり、腕時計の装着者に見える面である。スロットは、道具またはユーザの指と協働して、カラー４４の操作ならびに挿入部２０をバー４に固定すること、および／またはバー４から解放することを容易にする。

有利には、挿入部２０は、中央ホーン３の形状と適合して、組み立て中のあそびを制限し、高品質なアセンブリを提供する。

前述の実施形態では、挿入部はブレスレットまたはベルト上に配置される。ブレスレットまたはベルトは、革、合成繊維、プラスチック、金属、セラミックまたは複合素材からなる。同様に、バー４は、好ましくは金属からなるが、プラスチック、セラミックまたは複合素材からなってもよい。

このような様々な発明の態様の結果として、ブレスレットを迅速かつ容易に交換することができる確実なブレスレット取り付け装置が提供される。

もちろん、本発明は例示した実施例に限定されず、当業者には明らかであろう様々な変形および修正が可能である。

１ ：腕時計ケース
２ ：ブレスレット
３ ：中央ホーン
４ ：バー
５ ：ばね
１０ ：ホーン
１１ ：凹部
２０ ：挿入部
３０ ：通路
３１ ：誘導ピン
３２ ：ばね
４０ ：軸
４２ ：誘導トラック
４３ ：ノッチ
４４ ：カラー
２００ ：ハウジング
２１０ ：開口
２１１ ：溝

Claims (10)

1. ブレスレット（２）またはベルトを腕時計ケース（１）に取り付けるための装置であって、前記装置は、一方では、前記腕時計ケース（１）に少なくとも１つのラグであるホーン（１０）によって固定されるバー（４）と、他方では、前記ブレスレットの端部と一体化する挿入部（２０）とを備え、前記バー（４）および前記挿入部（２０）は補完的であり、互いに連結または嵌合することによって協働し、前記ブレスレットが交換可能となるように、取り外し可能な組み立て手段を形成する装置であって、
   前記バー（４）は、少なくとも１つの平坦な部分（４１）を有する少なくとも１つの円筒形の軸（４０）によって形成され、前記平坦な部分は、前記少なくとも１つの挿入部（２０）に形成される少なくとも１つのハウジング（２１０）と連結または嵌合することによって協働するように構成され、前記少なくとも１つのハウジング（２００）は、前記少なくとも１つの平坦な部分（４１）を受容するために実質的に長方形の開口（２１０）を有し、前記軸（４０）は、第１の位置Ａから第２の位置Ｂまで移動するように伸縮自在であり、前記第１の位置Ａでは、前記軸は配備位置にあり、前記挿入部（２０）は前記軸（４０）上に配置可能であり、前記第２の位置Ｂでは、前記軸は格納され、前記挿入部は前記軸（４０）上に固定され、
   前記ホーン（１０）の誘導手段を誘導する溝である少なくとも１つの誘導トラック（４２）は切り欠きである少なくとも１つの固定ノッチ（４３）を含み、前記固定ノッチ（４３）は前記軸（４０）の前記第２の位置Ｂ、つまり格納位置を画定するように構成される、
   ことを特徴とする、装置。
2. 請求項１に記載の取り付け装置であって、前記バーは、長さの一部に沿って延在する少なくとも１つの誘導トラック（４２）を含む、装置。
3. 請求項１または２に記載の取り付け装置であって、前記ホーン（１０）は、前記少なくとも１つの誘導トラック（４２）内を摺動するように構成される誘導手段を含む、装置。
4. 請求項１から３のいずれかに記載の取り付け装置であって、前記誘導手段は、前記誘導トラックと協働するように構成される誘導ピン（３１）を含む、装置。
5. 請求項１から４のいずれかに記載の取り付け装置であって、前記誘導トラック（４２）はＬ字型であり、Ｌ字型の底面は、前記軸（４０）の前記第２の位置Ｂを画定する前記固定ノッチ（４３）を受容する、装置。
6. 請求項１から５のいずれかに記載の取り付け装置であって、前記軸（４０）は、少なくとも１つの操作要素を鍔であるカラー（４４）の形状で自由端部に含む、装置。
7. 請求項６に記載の取り付け装置であって、前記少なくとも１つのカラー（４４）は、前記腕時計ケース（１）の少なくとも１つの横停止面と協働する、装置。
8. 請求項１から７のいずれかに記載の取り付け装置であって、前記腕時計ケース（１）は、通路（３０）を有する中央ホーン（３）を含み、前記通路（３０）の直径は、前記軸（４０）の直径に対応する、装置。
9. 請求項１に記載の取り付け装置であって、前記バー（４）は、それぞれ２つの平行かつ対称的な平坦な部分（４１）を含む２つの軸（４０）を含み、前記挿入部（２０）の前記ハウジング（２００）と協働するように構成される、装置。
10. 請求項１から９のいずれかに記載の取り付け装置であって、前記ハウジング（２００）は、開口（２１０）を備える溝の形状を取り、前記ハウジング（２００）はＣ字型の断面を有する、装置。
    

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