JP6685902B2 - ゴム組成物、その製造方法及びタイヤ - Google Patents
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Description
カーボンブラックは、例えば、炭化水素の熱分解又は不完全燃焼法で製造され、その場合は95%以上が無定形炭素質からなるナノスケールの微粒子である。また、現在では、カーボンブラックの製造方法はそれらの製造方法に限られるものではない。
種々の性質を有するカーボンブラックは、ゴム成分との間で物理的相互作用を生じ、その相互作用は、タイヤの補強効果を生じる主要な要因となる。
物理的相互作用に影響を与えるカーボンブラックの性質としては、カーボンブラックの粒子径、表面積、カーボンブラックの粒子表面の官能基、ストラクチャー等が挙げられ、カーボンブラックの補強効果に対し大きな役割を担っている。
中でも、カーボンブラックの粒子径は、従来技術で変化させることが可能であることから、粒子径によりタイヤの性質を改良できるのであれば、実用上有利である。
しかし、一般にカーボンブラックの粒子径が大きくなり、必然的に、表面積が小さくなれば、上述のカーボンブラックと、ゴム成分との間の物理的相互作用は、小さくなる傾向にあると予想される。
こうしたことから、従来、表面積が小さい、大粒径のカーボンブラックを用いて、タイヤの補強効果を改善することは、注目されてこなかった。
そうした中、近年、ゴム組成物の加工性の他、種々の性質を改良するため、グリセリン脂肪酸エステルを用いる技術が開発されてきた。
グリセリン脂肪酸エステル等を用いた充填剤としてのシリカを配合したゴム組成物における加工性等を改良する技術として、例えば、
1) ジエン系ゴム90重量部以上含むゴム100重量部に対して、40重量%以上が白色充填剤である充填剤30〜120重量部と、非イオン系界面活性剤0.2〜8重量部とを配合した帯電性を改良したゴム組成物(例えば、特許文献1参照)や、
2) ジエンゴムの群から選択される少なくとも1種のポリマー、ゴム組成物中のゴム100重量部に対して、5〜100重量部の微粉末沈降ケイ酸、0〜80重量部のカーボンブラック、及び0.5〜20重量部の少なくとも1種の非芳香族粘度低下物質を含むタイヤトレッド用ゴム組成物において、前記非芳香族粘度低下物質が、グリセリン−モノステアレート、ソルビタン−モノステアレート、ソルビタン−モノオレエート及びトリメチロールプロパン(2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)からなる群から選択される少なくとも1種の物質であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
また、上記特許文献2は、グリセリン脂肪酸モノエステルが充填剤であるシリカと共に配合されたときの粘度低減効果について記載はあるが、充填剤配合ゴム組成物にグリセリン脂肪酸モノエステルが配合されたときのタイヤの耐摩耗性と粘度低減効果の両立については全く記載や示唆などはないものである。
同時に、本発明は、グリセリン脂肪酸エステル中のグリセリン脂肪酸モノエステルの割合を変化させることにより、前記ゴム組成物のシュリンクを抑制するか、又は、加工性、転がり抵抗及び耐摩耗性の特性を更に向上させることを目的とする。
(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも1種のゴム成分に対して、カーボンブラックと、グリセリン脂肪酸エステル組成物とを配合してなるゴム組成物であって、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が75〜90m2/gであり、前記カーボンブラックが、前記ゴム成分100質量部に対して90〜130質量部配合され、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部であることを特徴とするゴム組成物。
(2) グリセリン脂肪酸エステル組成物がグリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルを含み、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が35〜85質量%である上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) グリセリン脂肪酸エステル組成物の配合量がカーボンブラック100質量部に対して、1.0〜2.5質量部である上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
(4) グリセリン脂肪酸エステル組成物が、グリセリン脂肪酸モノエステルを含み、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が、質量比で85〜100質量%である、上記(1)に記載のゴム組成物。
(5) 前記グリセリン脂肪酸モノエステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10〜90質量%である、上記(2)に記載のゴム組成物。
(6) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、カーボンブラックと、グリセリン脂肪酸エステル組成物を配合した後、混練して得られる、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のゴム組成物。
(8) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムが、少なくとも1種の天然ゴム、少なくとも1種のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム及び少なくとも1種のポリブタジエンゴムをそれぞれ含む、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のゴム組成物。
(9) グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物として、グリセリン脂肪酸エステル合成反応の反応溶液を用いる、上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のゴム組成物。
(10) 天然ゴム及び/又はジエン系ゴム成分、グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物及びカーボンブラックを含有するゴム組成物の製造方法であって、前記カーボンブラック窒素吸着比表面積を、75〜90m2/gとし、ゴム組成物に、前記カーボンブラックを、前記ゴム成分を100質量部として90〜130質量部含有せしめることを特徴とする、ゴム組成物の製造方法。
(11) グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物として、グリセリン脂肪酸エステル合成反応の反応溶液を用いる、上記(10)に記載のゴム組成物の製造方法。
(12) グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物を、グリセリン脂肪酸モノエステルの量をコントロールしたグリセリン脂肪酸エステル合成反応により調製する、上記(11)に記載のゴム組成物の製造方法。
(13) 上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載のゴム組成物を部材として製造されるタイヤ。
(14) 上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載のゴム組成物をトレッド部材に用いたことを特徴とする乗用車用タイヤ。
(15) 上記(10)〜(12)に記載のゴム組成物の製造方法を用いて製造される部品又は部材を用いて製造されるタイヤ。
また、本発明によれば、グリセリン脂肪酸エステル中、グリセリン脂肪酸エステルを一定範囲とすることで、同時にゴム組成物のシュリンクをも抑制することが可能となった。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなる。ここで、天然ゴム(NR)としては、タイヤ用として一般に用いられているRSS、TSR#10、TSR#20などの他、恒粘度剤含有天然ゴム、高純度化天然ゴム、酵素処理天然ゴム、けん化処理天然ゴム等が挙げられる。恒粘度剤としては、例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド(NH2NHCONH2)、又はその塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジド化合物(例えば、プロピオン酸ヒドラジド)などを用いることができる。高純度化天然ゴムは、例えば天然ゴムラテックスを遠心分離にかけ、タンパク質等の非ゴム成分が除去された天然ゴムである。酵素処理天然ゴムは、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ等の酵素により酵素処理された天然ゴムである。けん化処理天然ゴムは、アルカリ(例えば、NaOH)等でけん化処理された天然ゴムである。
また、ジエン系合成ゴムとしては、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらのジエン系合成ゴムは、変性ポリマーであってもよく、また、ジエン系合成ゴム(未変性ポリマー)に変性ポリマーをブレンドして用いてもよい。
これらのゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明で用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのカーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し、90部〜130部であることが望ましい。なお、発熱性を抑制する観点から、カーボンブラックの配合量は、130質量部以下が好ましい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、70〜95m2/gであり、好ましくは、75〜90m2/gである。
また、本発明で用いられるカーボンブラックは、製造方法に限定はない。更に、本発明で用いられるカーボンブラックは、触媒反応等の各種反応による変成や、物理的処理により、粒子径、表面積、カーボンブラックの粒子表面の官能基、ストラクチャー又は各種性質を変化させたものであってもよい。
グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの持つ3つのOH基のうちの少なくとも1つに脂肪酸(炭素数が8〜28)がエステル結合したものであり、脂肪酸のつく数によって、グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステルに分かれるものである。
本発明に用いるグリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとを含むが、それ以外にグリセリン脂肪酸トリエステルやグリセリンを含んでいてもよい。
なお、炭素数8未満の脂肪酸では、ポリマーとの親和性が低く、ブルームが起こりやすい。一方、炭素数28を超える脂肪酸では、加工性改良効果の向上は炭素数28以下と変わらず、コストが上昇し、好ましくない。
また、本発明において用いられるグリセリン脂肪酸エステルは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、置換基を有したものであってもよい。
そのため、グリセリン脂肪酸エステル組成物中、モノエステル含有量は、未加硫ゴム粘度を低減する観点から、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下であり、35〜100質量%、好ましくは35〜85質量%、より好ましくは40〜85質量%、更に好ましくは45〜85質量%、より更に好ましくは50〜85質量%、更に好ましくは50〜80質量%、より更に好ましくは50〜75質量%となるものが望ましい。
グリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸トリエステルの含有量は、加硫後ゴム物性の過度の低下(貯蔵弾性率の低下等)を防ぐ観点から、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下であり、生産性の観点から、0.3質量%以上であってもよい。
特に、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中、未加硫ゴム粘度の低減、シュリンク抑制とスコーチ制御と耐熱性を良好とする観点から、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が50〜85質量%であって、グリセリン脂肪酸ジエステルとトリエステルの合計含有量が15〜50質量%であるものが好ましく、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が50〜80質量%であって、グリセリン脂肪酸ジエステルとトリエステルの合計含有量が17〜50質量%であるものが更に好ましく、また、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が50〜85質量%であって、グリセリン脂肪酸ジエステル含有量が15〜50質量%であるものが好ましく、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量が50〜80質量%であって、グリセリン脂肪酸ジエステルの含有量が20〜50質量%であるものが更に好ましい。
グリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸モノエステル含有量やジエステル含有量等が異なる2種以上用いてもよい。
1)上記エステル化法やエステル交換法などにおいて、脂肪酸成分とグリセリン成分の仕込み比率を変えることで、エステル化の平衡組成を制御する方法。グリセリンについては、さらに蒸留により取り除くことが出来る。但し、反応特性上、グリセリン脂肪酸モノエステル量の上限は約65質量%前後と考えられる。
2)エステル化法やエステル交換法で得られた反応生成物をさらに分子蒸留などにより分別留去し、高純度(通常95質量%以上)のグリセリン脂肪酸モノエステルを取り出す方法。
3)上記2)の手法で得た高純度グリセリン脂肪酸モノエステルを1)の手法で得られる中純度グリセリン脂肪酸モノエステルと任意の割合で混合することにより、比較的高純度領域(およそ65〜95質量%程度)のグリセリン脂肪酸モノエステルを得る方法。
上記原料の油脂や脂肪酸などを天然物から由来のものを用いることにより、環境負荷等も低減したグリセリン脂肪酸エステルを用いることができる。
更に、本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エステル組成物は、モノエステル量がコントロールされた市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、ステアリン酸モノグリセライド(花王株式会社製のレオドールMS−60、エキセルS−95)等が挙げられる。
更にまた、本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エステル組成物は、市販品であるか否かに関わらず、グリセリン脂肪酸エステルの合成反応の反応溶液であってもよい。その場合、グリセリン脂肪酸エステル組成物は、モノエステル量がコントロールされた反応により製造された組成物であってもよい。
尚、GPCの測定条件は、下記の通りである。
〔GPCの測定条件〕
GPCの測定は下記測定装置を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分0.6ml/分の流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこにTHFに溶解した1質量%の試料溶液10μlを注入して測定を行った。
標準物質:単分散ポリスチレン
検出器:RI−8022(東ソー(株)製)
測定装置:HPLC−8220 GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:TSK−GEL SUPER H1000 2本及びTSK−GEL SUPER H2000 2本を直列に連結(東ソー(株)製)
同様に、グリセリン脂肪酸エステル組成物中のジグリセライド含有量は、グリセリン、モノグリセライド、ジグリセライド及びトリグリセライドの合計に対するジグリセライドのGPC分析における面積割合を意味する。
また、グリセリン脂肪酸エステル組成物の配合量は、カーボンブラック100質量部に対して、未加硫ゴム組成物の粘度低減の観点から、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、より更に好ましくは1.2質量部であり、加硫後ゴム物性の過度の低下(貯蔵弾性率の低下等)を抑制する観点から、好ましくは15質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下であり、より更に好ましくは1.5質量部以下であり、0.5〜15質量部が好ましく、0.8〜5質量部がより好ましく、1.0〜2.5質量部がより更に好ましく、1.2〜1.5質量部がより更に好ましい。
本発明のゴム組成物に用いることができるシリカとしては、特に制限はない。市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカの使用が好ましい。
また、本発明のシリカの窒素吸着比表面積についても特に制限はない。しかし、窒素吸着比表面積が80〜130m2/gとなるもの、より好ましくは、100〜130m2/gとなるものを用いることで、グリセリン脂肪酸エステルと相互作用し、耐摩耗性、転がり抵抗及び加工性が両立される可能性があり、相乗効果が期待される。
従って、前記相乗効果を期待する場合には、窒素吸着比表面積は、シリカの粒径が比較的大きい方が本発明の効果が現れ易いという観点から、130m2/g以下が望ましく、また、シリカの粒径が大きすぎると耐摩耗性が著しく低下するという観点から、80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。
なお、本発明において、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−88に準じて測定される値である。
これらのシリカの配合量については、特に制限はない。従来技術で一般的に用いられる配合量で加えても、加工性等の点から可能であれば高部数で加えても良い。
本発明においては、補強性の観点から、シランカップリング剤を用いることが好ましい。
用いることができるシランカップリング剤は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系ゴム成分、グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物及びカーボンブラックを含有するゴム組成物であって、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、75〜90m2/gであるカーボンブラックであり、前記ゴム成分を100質量部として前記カーボンブラックを90〜130質量部以上の高部数で配合量を含有するものである。
また、本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分、カーボンブラック、上記特性のグリセリン脂肪酸エステルと、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して得られる混合物を、混練して得られるものであり、例えば、上記混合物をロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練り、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等のタイヤのタイヤ部材の用途に好適に用いることができる。
本発明のゴム組成物における、ゴム成分100質量部に対する亜鉛華の配合量は、加硫特性と弾性率の観点から、好ましくは1.5質量部以上、より好ましくは2.2質量部以上であり、耐破壊強度の観点から、好ましくは12.0質量部以下、より好ましくは10.0質量部以下である。
すなわち、本発明のゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、カーボンブラックを配合した配合系に、カーボンブラック等の充填剤表面を疎水化し、かつ滑剤としても作用するグリセリン脂肪酸エステル組成物の少なくとも一種を用いることにより、充填剤であるカーボンブラックと反応することができ、また、滑剤作用もあるため、さらに低粘度化する。また、カーボンブラックの疎水化作用、滑剤作用及び可塑化作用により、シュリンク性やタフネス低下も改善されるものと推察される。なお、上記モノエステル量をコントロールしたグリセリン脂肪酸エステル組成物、あるいは特定比のグリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルは、3級アミン、モノアルカノールアミド等よりもカーボンブラック疎水化効果が高く、低粘度となり、これらの化合物よりもシュリンクが低減し、加工性が良好となる。
更に、本発明のゴム組成物から製造されるタイヤは、グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物の適度な疎水性により、加硫後のゴム組成物中のカーボンブラックの最適な分散を有する。このため、高部数カーボンブラックが配合されているにもかかわらず、成形後のゴムの柔軟性が保たれる。従って、接地面積が大きくなり、路面との大きい摩擦係数を得ることで、更にグリップ性能が高まる。
本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によってタイヤを製造することができる。例えば、上記のように各種配合剤を配合させた本発明のゴム組成物を未加硫の段階でタイヤ部材として、例えば、トレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、加硫タイヤとすることにより、低発熱性に優れ、低燃費性が良好であるタイヤが得られる。しかも、本発明のゴム組成物を用いて製造されるタイヤは、前記ゴム組成物の加工性が良好であるので、生産性にも優れたものとなる。
本発明のゴム組成物から製造されるタイヤは、空気入りタイヤに限られず、内部が充填されたタイヤであってもよく、タイヤの部品についても、車両に用いられる形状、構造、大きさ及び厚さ等の条件に合うものであればよい。
表1のゴム組成物グリセリン脂肪酸エステル組成物は、実施例1〜6、比較例1〜4及び参考例1〜4は、製造例4で得られたもの、又は、その組成を調整したものを用いた。
グリセリン脂肪酸エステル組成物の組成の調整は、グリセリン脂肪酸エステル組成物を適量混合することにより行った。また、グリセリン脂肪酸エステル組成物の組成の調整は、適宜グリセリン脂肪酸エステル組成物を分子蒸留することによっても行った。
用いるグリセリン脂肪酸エステル組成物は、下記各製造法等により得たものを使用した。なお、製造した各グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸モノエステル(モノグリセライド)、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステル、グリセリンの各成分の含有量は、前述の方法で算出し、各組成を求めた。
本発明に使用可能なグリセリン脂肪酸エステル組成物の製造例を、以下製造例1〜9に示す。
(製造例1:脂肪酸の炭素数が8のグリセリン脂肪酸エステル)
攪拌機、脱水管−冷却管、温度計、窒素導入管付きの1L四ツ口フラスコに、グリセリン450g、オクタン酸[花王株式会社製ルナック8−98]352gを入れ[グリセリン/脂肪酸(モル比)=2.0]、少量の水に溶解させた水酸化ナトリウムをナトリウムとして10ppm添加し、窒素を液上空間部に100mL/分流しながら400r/minで撹拌下、約1.5時間かけて240℃まで昇温した。240℃に達した後、酸成分をフラスコに還流させながら脱水し、その温度で4時間反応させた。反応後の生成物中のモノグリセライド含量は67面積%であった。
上記製造例1において、オクタン酸を同モル量のデカン酸[花王株式会社製ルナック10−98]に変える以外は製造例1と同様にして反応を行い、同様にグリセリンを除去し、吸着濾過を行った。吸着濾過後のモノグリセライド含有組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
上記製造例1において、オクタン酸を同モル量のラウリン酸[花王株式会社製ルナックL−98]に変える以外は製造例1と同様にして反応を行い、同様にグリセリンを除去し、吸着濾過を行った。吸着濾過後のモノグリセライド含有組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
上記製造例1において、オクタン酸を同モル量のパルミチン酸[花王株式会社製ルナックP−95]に変える以外は製造例1と同様にして反応を行い、同様にグリセリンを除去し、吸着濾過を行い製造した。吸着濾過後のモノグリセライド含有組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
上記製造例1において、グリセリンの量を280gに、オクタン酸をパルミチン酸[花王株式会社製ルナックP−95]520gに変える[グリセリン/脂肪酸(モル比)=1.5]以外は製造例1と同様にして反応を行い、同様にグリセリンを除去し、吸着濾過を行った。吸着濾過後のモノグリセライド含有組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
上記製造例1において、グリセリンの量を160gに、オクタン酸をパルミチン酸[花王株式会社製ルナックP−95]657gに変える[グリセリン/脂肪酸(モル比)=0.67]以外は製造例1と同様にして反応を行い、同様にグリセリンを除去し、吸着濾過
を行った。吸着濾過後のモノグリセライド含有組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
上記製造例1において、オクタン酸を同モル量のステアリン酸[花王株式会社製ルナックS−98]に変える以外は製造例1と同様にして反応を行い、同様にグリセリンを除去し、吸着濾過を行った。吸着濾過後のモノグリセライド含有組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
上記製造例1において、オクタン酸を同モル量のベヘン酸[花王株式会社製ルナックBA]に変える以外は製造例1と同様にして反応を行い、同様にグリセリンを除去し、吸着濾過を行った。吸着濾過後のモノグリセライド含有組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
上記製造例1において、オクタン酸を同モル量のモンタン酸[東京化成工業株式会社製オクタコサン酸]に変える以外は製造例1と同様にして反応を行い、同様にグリセリンを除去し、吸着濾過を行った。吸着濾過後のモノグリセライド含有組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
下記表1に示す配合処方で常法により、ゴム組成物を調製した。表1〜2中の当該グリセリン脂肪酸エステル組成物の欄以下の数値は、質量部である。
得られた各ゴム組成物について、下記測定方法により、耐摩耗性、転がり抵抗及び作業性の評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。なお、表2は、表1における実施例1、4及び6のシュリンクに関する評価を比較したものである。
組成について示した数値は、特に注記のない限り重量部である。
*1)RSS#3
*2)SBR#1723〔JSR社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*3)BR01 (JSR)
*4)シリカ東ソーシリカ製、商品名「Nipsil AQ」
*5)カーボンブラック 商品名「シースト9」〔東海カーボン社製〕(窒素吸着比表面積142m2/g)
*6)カーボンブラック 商品名「シースト3」〔東海カーボン社製〕(窒素吸着比表面積79m2/g)
*7)カーボンブラック 商品名「シースト300」〔東海カーボン社製〕(窒素吸着比表面積84m2/g)
*8)カーボンブラック 商品名「シースト5H」〔東海カーボン社製〕(窒素吸着比表面積99m2/g)
*9)ワックス マイクロクリスタリンワックス,オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*10)老化防止剤 N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、商品名「ノクラック6C」〔大内新興化学工業社製〕、又は、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、商品名「ノンフレックスRD−S」〔精工化学社製〕
*11)加硫促進剤 ジフェニルグアニジン、商品名「ノクセラーD」〔大内新興化学工業社製〕、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、商品名「ノクセラーDM」〔大内新興化学工業社製〕、又は、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、商品名「サンセラーCM−G」〔三新化学工業社製〕
*12)シランカップリング剤(信越化学工業(株)製,ABC−856.)
*1)RSS#3
*2)SBR#1723〔JSR社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*3)BR01 (JSR)
*4)シリカ東ソーシリカ製、商品名「Nipsil AQ」
*5)カーボンブラック 商品名「シースト9」〔東海カーボン社製〕(窒素吸着比表面積142m2/g)
*6)カーボンブラック 商品名「シースト3」〔東海カーボン社製〕(窒素吸着比表面積79m2/g)
*7)カーボンブラック 商品名「シースト300」〔東海カーボン社製〕(窒素吸着比表面積84m2/g)
*8)カーボンブラック 商品名「シースト5H」〔東海カーボン社製〕(窒素吸着比表面積99m2/g)
*9)ワックス マイクロクリスタリンワックス,オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*10)老化防止剤 N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、商品名「ノクラック6C」〔大内新興化学工業社製〕、又は、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、商品名「ノンフレックスRD−S」〔精工化学社製〕
*11)加硫促進剤 ジフェニルグアニジン、商品名「ノクセラーD」〔大内新興化学工業社製〕、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、商品名「ノクセラーDM」〔大内新興化学工業社製〕、又は、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、商品名「サンセラーCM−G」〔三新化学工業社製〕
*12)シランカップリング剤(信越化学工業(株)製,ABC−856.)
本発明のゴム組成物の製造方法における、ゴム組成物に配合する各成分の混合及び混練の方法は、特に限定されるものではない。また、本発明によれば、当該技術分野で一般的に用いられる装置を用いて、混合、混練及び加硫を行うことができる。
〔未加硫ゴム組成物の粘度低減方法〕
本発明の未加硫ゴム組成物の粘度低減方法における、未加硫ゴム組成物に配合する各成分の混合及び混練の方法は、特に限定されるものではない。
耐摩耗性試験
実施例及び比較例の各ゴム組成物により作成したタイヤにおいて、ランボーン型摩耗試験機を用い、スリップ率が25%の摩耗量で表し、また、測定温度は室温とした。指数が大きいほど、耐摩耗性は良好であり、比較例1を100として、指数表示した。
数値が大きい程耐摩耗性が大きいことを示す。
〔転がり抵抗〕
転がり抵抗試験
転がり抵抗は、各ゴム組成物に基づいてトレッド部を形成したタイヤ(195/65R15)を、スチール平滑面を有する外形1707.6mm、幅350mmの回転ドラムを用い、4500N(460kg)の荷重の作用下で、80km/hの速度で回転させた時の惰行性をもって測定し、評価した。測定値数値が大きいほど、転がり抵抗は小さい(低燃費性)である事を示し、比較例1を100として、指数表示した。
加工性は、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を、L型ローターを用いて130±1℃で計測し、比較例1を100として指数表示した。
数値が大きい程加工性が良好であることを示す。
得られた各ゴム組成物をラボミキサーで混練した練りゴムを70℃のロールに巻き付け、3分熱入れを行い、5mmにシーティングした。シーティング直後と3時間放置後の長さの差を計測し、表1中の実施例6の値を100として指数表示した。この値が大きいほどシュリンクが大きく、悪いことを示す。
微粒径カーボンを高部数配合した比較例1〜2の場合、脂肪酸グリセリンモノエステルと組み合わせても、耐摩耗性、転がり抵抗及び加工性のバランスを改良できない。これに対し、実施例1〜6における大粒径カーボンを高部数配合した場合は、脂肪酸グリセリンモノエステルと組み合わせることで、耐摩耗性、転がり抵抗及び加工性を両立させることができる。
参考例1〜4は、本発明に用いるカーボンブラックの配合部数を、本発明の範囲となるカーボンブラックの配合部数より減少又は増加させた例である。これらの場合、耐摩耗性、転がり抵抗及び加工性の向上に対するグリセリン脂肪酸エステルの効果が少ない。
また、表2から、グリセリン脂肪酸モノエステルを90%含む実施例6と、グリセリン脂肪酸モノエステルを73%含む実施例1とでは、シュリンクに関して、実施例1の方が小さいということが判明した。
この結果から、グリセリン脂肪酸モノエステルを含む場合、シュリンクを考慮すると、グリセリン脂肪酸エステルの比率は一定割合以下である方が望ましいことが明らかになった。
Claims (13)
- 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも1種のゴム成分に対して、カーボンブラックと、グリセリン脂肪酸エステル組成物とを配合してなるタイヤ用ゴム組成物であって、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が75〜90m2/gであり、前記カーボンブラックが、前記ゴム成分100質量部に対して90〜130質量部配合され、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとグリセリン脂肪酸トリエステルとを含み、グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が50質量%以上、グリセリン脂肪酸ジエステルの含有量が50質量%以下、グリセリン脂肪酸トリエステルの含有量が10質量%以下であり、且つ、該グリセリン脂肪酸エステル組成物の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
- グリセリン脂肪酸エステル組成物の配合量がカーボンブラック100質量部に対して、1.0〜2.5質量部である請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記グリセリン脂肪酸モノエステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10〜90質量%である、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、カーボンブラックと、グリセリン脂肪酸エステル組成物を配合した後、混練して得られる、請求項1〜3のいずれか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムが、少なくとも1種の天然ゴム、少なくとも1種のスチレンブタジエン共重合体ゴム及び少なくとも1種のポリブタジエンゴムをそれぞれ含む、請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物として、グリセリン脂肪酸エステル合成反応の反応溶液を用いる、請求項1〜6のいずれか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 天然ゴム及び/又はジエン系ゴム成分、グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物及びカーボンブラックを含有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
前記カーボンブラック窒素吸着比表面積を、75〜90m2/gとし、
タイヤ用ゴム組成物に、前記カーボンブラックを、前記ゴム成分を100質量部として90〜130質量部含有し、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとグリセリン脂肪酸トリエステルとを含み、グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が50質量%以上、グリセリン脂肪酸ジエステルの含有量が50質量%以下、グリセリン脂肪酸トリエステルの含有量が10質量%以下であり、且つ、グリセリン脂肪酸エステル組成物の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部であることを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物の製造方法。 - グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物が、グリセリン脂肪酸エステル合成反応の反応溶液である、請求項8に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
- グリセリン脂肪酸モノエステルを含有するグリセリン脂肪酸エステル組成物を、グリセリン脂肪酸モノエステルの量をコントロールしたグリセリン脂肪酸エステル合成反応により調製する、請求項9に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物を部材として製造されるタイヤ。
- 請求項1〜7のいずれか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部材に用いたことを特徴とする乗用車用タイヤ。
- 請求項8〜10のいずれか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法を用いて製造される部品又は部材を用いて製造されるタイヤ。
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