[go: up one dir, main page]

JP6683429B2 - 液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6683429B2
JP6683429B2 JP2015103079A JP2015103079A JP6683429B2 JP 6683429 B2 JP6683429 B2 JP 6683429B2 JP 2015103079 A JP2015103079 A JP 2015103079A JP 2015103079 A JP2015103079 A JP 2015103079A JP 6683429 B2 JP6683429 B2 JP 6683429B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
sealant
dropping method
curable resin
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015103079A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016218257A (ja
Inventor
恭幸 山田
恭幸 山田
秀幸 林
秀幸 林
脇屋 武司
武司 脇屋
雄一 尾山
雄一 尾山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2015103079A priority Critical patent/JP6683429B2/ja
Publication of JP2016218257A publication Critical patent/JP2016218257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6683429B2 publication Critical patent/JP6683429B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

本発明は、液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子に関する。また、本発明は、上記硬化性樹脂粒子を用いた液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示素子の製造方法は、タクトタイムを短縮することができ、液晶の使用量の最適化が容易であることから、光硬化及び熱硬化併用型のシール剤を用いる液晶滴下工法にかわりつつある。
液晶滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、シール剤をディスペンスにより塗布し、枠状のシールパターンを形成する。次に、シール剤が未硬化の状態で、液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール剤に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に仮硬化されたシール剤を加熱して本硬化させることで、シール部を形成して、液晶表示素子を作製する。透明基板の貼り合わせを減圧下で行えば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができる。近年、この液晶滴下工法が、液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
ところで、携帯電話及び携帯ゲーム機等の各種液晶パネル付きモバイル機器が普及しており、現在、装置の小型化は最も求められている課題である。小型化の手法として、液晶表示部の狭額縁化が挙げられる(以下、「狭額縁設計」ともいう)。例えば、狭額縁化によって、シール部が配線下に配置されることがある。
また、液晶滴下工法に用いるシール剤には、均一な厚みで、両側の部材を適切な間隔で、貼り合わせたり、衝撃を吸収したりすることが可能である性質が求められる。このため、シール剤に、粒子が配合されることがある。粒子によって、部材間の間隔を高精度に制御したり、衝撃を緩和したりすることができる。
このようなシール剤は、例えば下記の特許文献1に開示されている。特許文献1では、上記粒子として、シリコーンゴム粉末等のゴム粉末を用いることが記載されている。
特開2009−139922号公報
液晶滴下工法で狭額縁設計の液晶表示素子を製造する場合には、配線によりシール部に光の当たらない箇所が存在する。結果として、シール部の接着性が充分に高くなりにくいという問題がある。このため、特許文献1に記載のようなシリコーンゴム粉末を含む液晶表示素子用シール剤では、光硬化性成分などの硬化性成分の含有量が少なくなることで、シール部の接着性が特に低くなりやすいという課題があることが、本発明者らによって見出された。
さらに、特許文献1に記載のようなシリコーンゴム粉末を用いると、液晶表示素子用部材に接するシリコーンゴム粉末部分において、接着力が劣るため、シール部全体での接着性がより一層低くなりやすいという課題があることが、本発明者らによって見出された。
さらに、特許文献1に記載のようなシリコーンゴム粉末を用いると、シリコーンゴム粉末に起因して、液晶が汚染されることがある。また、シリコーンという材料の特性上、透湿性が高くなり、液晶表示にむらが発生することがある。
本発明の目的は、液晶表示素子において、液晶滴下工法用シール剤を用いたシール部の接着性及び液晶汚染防止性を高めることができる液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子を提供することである。また、本発明の目的は、上記硬化性樹脂粒子を用いた液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子を提供することである。
本発明の広い局面によれば、光の照射又は加熱によって硬化される液晶滴下工法用シール剤に用いられ、光硬化又は熱硬化可能である粒子であり、光硬化性化合物又は熱硬化性化合物により形成されている、液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子(以下、硬化性樹脂粒子と略記することがある)が提供される。
本発明に係る硬化性樹脂粒子のある特定の局面では、前記光硬化性化合物又は前記熱硬化性化合物が、エポキシ化合物又は(メタ)アクリル化合物である。
本発明に係る硬化性樹脂粒子のある特定の局面では、前記硬化性樹脂粒子は、加熱によって硬化される液晶滴下工法用シール剤に用いられ、熱硬化可能である粒子であり、23℃で流動性を有するエポキシ化合物又は23℃で流動性を有する(メタ)アクリル化合物の硬化を進行させることにより形成された半硬化粒子である。
本発明に係る硬化性樹脂粒子のある特定の局面では、粒子径が0.5μm以上、80μm以下である。
本発明に係る硬化性樹脂粒子のある特定の局面では、前記硬化性樹脂粒子は、遮光剤を含む。
本発明に係る硬化性樹脂粒子のある特定の局面では、23℃で1gの負荷を与えた時の圧縮変位をL3とし、粒子径をDnとしたとき、L3/Dnを百分率で表した1gの歪みが20%以上である。
本発明に係る硬化性樹脂粒子のある特定の局面では、前記硬化性樹脂粒子は、重合開始剤又は熱硬化剤を含む。
本発明の広い局面によれば、23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、重合開始剤又は熱硬化剤と、上述した硬化性樹脂粒子とを含む、液晶滴下工法用シール剤が提供される。
本発明に係る液晶滴下工法用シール剤のある特定の局面では、加熱されたときに、液晶滴下工法用シール剤に含まれる前記23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、液晶滴下工法用シール剤に含まれる前記硬化性樹脂粒子とが、化学結合するように熱硬化可能である。
本発明に係る液晶滴下工法用シール剤のある特定の局面では、前記液晶滴下工法用シール剤は、光硬化性成分を含まない。
本発明の広い局面によれば、第1の液晶表示素子用部材と、第2の液晶表示素子用部材と、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部と、前記シール部の内側で、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されている液晶とを備え、前記シール部が、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させることにより形成されており、前記液晶滴下工法用シール剤が、23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、熱硬化剤と、上述した硬化性樹脂粒子とを含む、液晶表示素子が提供される。
本発明に係る液晶表示素子のある特定の局面では、前記シール部において、前記液晶滴下工法用シール剤に含まれる前記23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、前記液晶滴下工法用シール剤に含まれる前記硬化性樹脂粒子とが、化学結合するように熱硬化されている。
本発明に係る硬化性樹脂粒子は、光の照射又は加熱によって硬化される液晶滴下工法用シール剤に用いられる。本発明に係る硬化性樹脂粒子は、光硬化又は熱硬化可能である粒子であり、光硬化性化合物又は熱硬化性化合物により形成されているので、液晶表示素子において、液晶滴下工法用シール剤を用いたシール部の接着性及び液晶汚染防止性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂粒子を用いた液晶表示素子を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
(硬化性樹脂粒子)
本発明に係る液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子(以下、硬化性樹脂粒子と略記することがある)は、光の照射又は加熱によって硬化される液晶滴下工法用シール剤に用いられる。
本発明に係る硬化性樹脂粒子は、光硬化又は熱硬化可能である粒子であり、光硬化性化合物又は熱硬化性化合物により形成されている。本発明に係る硬化性樹脂粒子は、光硬化又は熱硬化可能であるので、光硬化性及び熱硬化性を有さない粒子とは異なる。
本発明では、上記の構成が備えられているので、液晶表示素子において、液晶滴下工法用シール剤を用いたシール部の接着性及び液晶汚染防止性を高めることができる。硬化性樹脂粒子は、粒子であるため、液晶滴下工法用シール剤において、ギャップ制御材として機能する。この結果、液晶滴下工法用シール剤により形成されるシール部によって、シール部により接着される2つの液晶表示素子用部材を適切な間隔で、貼り合わせることができる。さらに、液晶滴下工法用シール剤に硬化性樹脂粒子が含まれていることで、液晶が、液晶滴下工法用シール剤側に移行するのが遮られる。硬化性樹脂粒子は、液晶の流出防止材としても機能する。従って、液晶滴下工法用シール剤を用いたシール部の液晶汚染防止性が高くなる。
さらに、硬化性樹脂粒子は、光硬化又は熱硬化可能であり、しかも、光硬化性化合物又は熱硬化性化合物により形成されているので、硬化性樹脂粒子自体も、接着機能を発現させる。このため、液晶滴下工法用シール剤を用いたシール部の接着性が効果的に高くなる。これに対して、例えば、硬化可能ではないシリコーン粒子や、硬化可能ではないエポキシ樹脂粒子等を用いた場合には、粒子は接着性を向上させるのではなくむしろ、接着性を低下させるため、シール部の接着性が低くなる。
上記光硬化性化合物又は熱硬化性化合物としては、後述する液晶滴下工法用シール剤の欄で説明する化合物を適宜用いることがきる。
接着性をより一層高める観点からは、上記光硬化性化合物又は上記熱硬化性化合物が、エポキシ化合物又は(メタ)アクリル化合物であることが好ましい。
本発明に係る液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子は、加熱によって硬化される液晶滴下工法用シール剤に好適に用いられる。接着性をより一層高める観点、又は遮光性を高める観点からは、上記硬化性樹脂粒子は、熱硬化可能である粒子であることが好ましい。接着性をより一層高める観点からは、上記硬化性樹脂粒子は、エポキシ化合物又は(メタ)アクリル化合物により形成されていることが好ましい。接着性をより一層高める観点からは、23℃で流動性を有するエポキシ化合物又は23℃で流動性を有する(メタ)アクリル化合物の硬化を進行させることにより形成された半硬化粒子であることが好ましい。上記半硬化粒子では、エポキシ化合物と(メタ)アクリル化合物とが併用されていてもよい。接着性をより一層高める観点からは、上記硬化性樹脂粒子は、エポキシ化合物により形成されていることが好ましい。上記半硬化粒子は、(メタ)アクリル化合物により形成されていてもよい。23℃で流動性を有するエポキシ化合物及び23℃で流動性を有する(メタ)アクリル化合物は、23℃において、固形ではなく、液状などの流動性を有していればよい。半硬化粒子は、硬化が進行されているが、硬化が完了しておらず、硬化可能である粒子である。
シール部により接着される2つの液晶表示素子用部材の間隔を高精度に制御する観点からは、上記硬化性樹脂粒子の粒子径は好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは3μm以上であり、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは10μm以下である。
遮光性を高める観点からは、上記硬化性樹脂粒子は、遮光剤を含むことが好ましい。上記遮光剤の使用により、液晶表示素子用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。液晶表示素子用シール剤は、液晶滴下工法用シール剤であることが好ましい。
遮光剤を含有する硬化性樹脂粒子を含む液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記遮光剤としては、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、及びカーボンブラック等が挙げられる。チタンブラック又はカーボンブラックが好ましい。
上記チタンブラック及びカーボンブラックは、表面処理されていなくても充分な効果を発揮する。表面がカップリング剤等の有機成分で処理されたチタンブラックや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されたチタンブラック等の表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。絶縁性を高めることができるので、有機成分で処理されているチタンブラックが好ましい。
上記硬化性樹脂粒子に23℃で1gの負荷を与えた時の圧縮変位をL3とする。上記硬化性樹脂粒子の粒子径をDnとする。L3/Dnを百分率で表した1gの歪みは、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上であり、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。上記歪みが上記下限以上であると、硬化性樹脂粒子の液晶表示素子用部材に対する接触面積が大きくなり、シール部の接着性がより一層高くなる。上記歪みが上記上限以下であると、シール部の厚みを適度に維持することができる。
圧縮変位L3は、以下のようにして測定される。
微小圧縮試験機を用いて、粒子1個に1gの負荷をかけ、その時の変位量を測定することにより、圧縮変位L3が得られる。
上記硬化性樹脂粒子は、重合開始剤又は熱硬化剤を含むことが好ましい。この場合には、硬化性樹脂粒子を良好に光硬化又は熱硬化させることができる。但し、上記硬化性樹脂粒子は重合開始剤及び熱硬化剤を含んでいなくてもよい。この場合には、液晶滴下工法用シール剤に含まれる重合開始剤又は熱硬化剤の作用によって、硬化性樹脂粒子を光硬化又は熱硬化させることができる。この場合に、硬化性樹脂粒子は、全体が光硬化又は熱硬化してもよく、表面のみが光硬化又は熱硬化してもよい。上記硬化性樹脂粒子は、熱硬化剤を含むことがより好ましい。上記重合開始剤及び上記熱硬化剤としては、後述する液晶滴下工法用シール剤の欄で説明する化合物を適宜用いることがきる。
上記硬化性樹脂粒子が重合開始剤を含む場合に、上記硬化性樹脂粒子を形成するための材料において、上記光硬化性化合物と上記熱硬化性化合物との合計100重量部に対して、上記重合開始剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。また、上記硬化性樹脂が光硬化性化合物により形成されている場合に、上記光硬化性化合物100重量部に対して、上記重合開始剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。上記重合開始剤の含有量が上記下限以上であると、硬化性樹脂粒子を充分に硬化させることができる。上記重合開始剤の含有量が上記上限以下であると、硬化性樹脂粒子の貯蔵安定性が高くなる。
上記硬化性樹脂粒子が熱硬化剤を含む場合に、上記硬化性樹脂粒子を形成するための材料において、上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは1重量部以上であり、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上であると、硬化性樹脂粒子を充分に熱硬化させることができる。上記熱硬化剤の含有量が上記上限以下であると、硬化性樹脂粒子の粘度が高くなりすぎない。
(液晶滴下工法用シール剤)
上記液晶滴下工法用シール剤(以下、シール剤と略記することがある)は、光の照射又は加熱によって硬化される。上記シール剤は、光硬化成分又は熱硬化性成分と、上記硬化性樹脂粒子とを含む。上記シール剤は、熱硬化性成分を含むことが好ましい。上記シール剤は、光硬化性成分を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。上記シール剤は、硬化のために、光が照射されてもよく、光が照射されなくてもよい。なお、上記シール剤が光硬化成分を含まない場合は、光の照射下で保管されてもよい。
上記熱硬化性成分は、23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、重合開始剤又は熱硬化剤とを含むことが好ましい。この場合に、重合開始剤と熱硬化剤とを併用してもよい。23℃で流動性を有する熱硬化性化合物は、硬化性樹脂粒子の表面に濡れ拡がりやすく、シール部の接着性を高める。
上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記硬化性樹脂粒子の含有量は好ましくは3重量部以上、より好ましくは5重量部以上であり、好ましくは70重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。上記硬化性樹脂粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の接着性がより一層良好になる。
上記熱硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
接着性及び長期信頼性をより一層高くする観点からは、上記熱硬化性化合物は、(メタ)アクリル化合物を含有することが好ましく、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することがより好ましい。上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基に、(メタ)アクリル酸を反応させた化合物を意味する。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料であるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、及びビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER828EL、jER1001、及びjER1004(いずれも三菱化学社製);エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER806、及びjER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jERYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンHP4032、及びエピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER630(三菱化学社製);エピクロン430(DIC社製);TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製);エピクロン726(DIC社製);エポライト80MFA(共栄社化学社製);デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、YR−450、及びYR−207(いずれも新日鉄住金化学社製);エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物の市販品としては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂の市販品としては、例えば、jERYL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の他の市販品としては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、及びYSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製);XAC4151(旭化成社製);jER1031、及びjER1032(いずれも三菱化学社製);EXA−7120(DIC社製);TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、及びEBECRYLRDX63182(いずれもダイセル・オルネクス社製);EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、及びEMA−1020(いずれも新中村化学工業社製);エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、及びエポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製);デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、及びデナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレート以外の他の(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物としては、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物の内のいずれを用いてもよい。
上記単官能のエステル化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、及び2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記2官能のエステル化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、及びポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記3官能以上のエステル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びトリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料であるイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、及び1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料であるイソシアネート化合物として、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、又はポリカプロラクトンジオール等のポリオールと、過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料である水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、及びポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びグリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート及びジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、及びM−1600(いずれも東亞合成社製);EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、及びEBECRYL2220(いずれもダイセル・オルネクス社製);アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、及びアートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製);U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、及びUA−4000(いずれも新中村化学工業社製);AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、及びUA−306I(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
液晶への悪影響を抑える観点からは、上記(メタ)アクリル化合物は、−OH基、−NH−基、−NH基等の水素結合性のユニットを有することが好ましい。
反応性を高くする観点からは、上記(メタ)アクリル化合物は、(メタ)アクリロイル基を2つ又は3つ有することが好ましい。
液晶表示素子用シール剤の接着性を向上させる観点からは、上記熱化性化合物は、エポキシ化合物を含有してもよい。
上記エポキシ化合物としては、例えば、上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料であるエポキシ化合物や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物等が挙げられる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物とは、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する化合物を意味する。上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物は、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する化合物において、2つ以上のエポキシ基の一部に(メタ)アクリル酸を反応させることによって得ることができる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物の市販品としては、例えば、KRM8287(ダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。
上記熱硬化性化合物として上記(メタ)アクリル化合物と上記エポキシ化合物とを用いる場合、上記熱硬化性化合物全体における(メタ)アクリロイル基とエポキシ基との合計100モル%中、エポキシ基は好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下である。上記エポキシ基が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の液晶に対する溶解性が低くなって液晶汚染がより一層生じ難くなり、液晶表示素子の表示性能がより一層良好になる。
上記重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、及びカチオン重合開始剤等が挙げられる。上記重合開始剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ラジカル重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤、及び加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤は、熱硬化剤に比べて硬化速度が格段に速い。このため、ラジカル重合開始剤を用いることにより、シールブレイクや、液晶汚染の発生を抑制し、かつ、上記硬化性樹脂粒子により発生しやすいスプリングバックも抑制できる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、及びチオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、及びルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製);ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、及びベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、及び有機過酸化物等が挙げられる。アゾ化合物が好ましく、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤がより好ましい。
高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成し、数平均分子量が300以上である化合物を意味する。
上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量は好ましくは1000以上、より好ましくは5000以上、更に好ましくは1万以上であり、好ましくは30万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは9万以下である。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が上記下限以上であると、高分子アゾ開始剤が液晶に悪影響を与えにくい。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が上記上限以下であると、熱硬化性化合物への混合が容易になる。
上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPC測定に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤は、ポリエチレンオキサイド構造を有することが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールとの重縮合物、及び4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンとの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001、及びV−501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、及びパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤として、光カチオン重合開始剤を好適に用いることができる。上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生する。上記光カチオン重合開始剤の種類は、特に限定されず、イオン性光酸発生タイプであってもよく、非イオン性光酸発生タイプであってもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類;鉄−アレン錯体;チタノセン錯体;アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤の市販品としては、例えば、アデカオプトマーSP−150、及びアデカオプトマーSP−170(いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
上記液晶滴下工法用シール剤において、上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記重合開始剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。上記重合開始剤の含有量が上記下限以上であると、液晶表示素子用シール剤を充分に硬化させることができる。上記重合開始剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の貯蔵安定性が高くなる。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、及び酸無水物等が挙げられる。23℃で固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。上記熱硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記23℃で固形の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、及びマロン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
上記23℃で固形の有機酸ヒドラジドの市販品としては、例えば、アミキュアVDH、及びアミキュアUDH(いずれも味の素ファインテクノ社製);SDH、IDH、ADH、及びMDH(いずれも大塚化学社製)等が挙げられる。
上記液晶滴下工法用シール剤において、上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは1重量部以上であり、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上であると、液晶表示素子用シール剤を充分に熱硬化させることができる。上記熱硬化剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性が良好になる。
上記液晶表示素子用シール剤は、硬化促進剤を含有することが好ましい。上記硬化促進剤を用いることにより、高温で加熱しなくても充分にシール剤を硬化させることができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、イソシアヌル環骨格を有する多価カルボン酸やエポキシ樹脂アミンアダクト物等が挙げられ、具体的には例えば、トリス(2−カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、及びビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
上記液晶滴下工法用シール剤において、上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記硬化促進剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上であり、好ましくは10重量部以下である。上記硬化促進剤の含有量が上記下限以上であると、液晶表示素子用シール剤が充分に硬化し、硬化させるために高温での加熱が必要ではなくなる。上記硬化促進剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の接着性が高くなる。
上記液晶表示素子用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の向上等を目的として、充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤としては、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト、活性白土、及び窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル粒子、ポリウレタン粒子、ビニル重合体粒子、アクリル重合体粒子、及びコアシェルアクリレート共重合体粒子等の有機充填剤等が挙げられる。上記充填剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記液晶表示素子用シール剤100重量%中、上記充填剤の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。上記充填剤の含有量が上記下限以上であると、接着性の改善等の効果が充分に発揮される。上記充填剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性が良好になる。
上記液晶表示素子用シール剤は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。シランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シランカップリング剤に関しては、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又は3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。
上記液晶表示素子用シール剤100重量%中、上記シランカップリング剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。上記シランカップリング剤の含有量が上記下限以上であると、シランカップリング剤を配合することによる効果が充分に発揮される。上記シランカップリング剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤による液晶の汚染がより一層抑えられる。
上記液晶表示素子用シール剤は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤の使用により、液晶表示素子用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、及び樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。チタンブラックが好ましい。
遮光剤を含有する液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで液晶表示素子用シール剤に遮光性を付与する性質を有する一方で、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する。液晶表示素子用シール剤に含有される遮光剤の絶縁性は高いことが好ましく、絶縁性が高い遮光剤として、チタンブラックが好適である。
上記チタンブラックの1μmあたりの光学濃度(OD値)は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上である。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、OD値は通常は5以下である。
上記チタンブラック及びカーボンブラックは、表面処理されていなくても充分な効果を発揮する。表面がカップリング剤等の有機成分で処理されたチタンブラックや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されたチタンブラック等の表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。絶縁性を高めることができるので、有機成分で処理されているチタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックの市販品としては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N、及び14M−C(いずれも三菱マテリアル社製);ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積は好ましくは13m/g以上、より好ましくは15m/g以上であり、好ましくは30m/g以下、より好ましくは25m/g以下である。
上記チタンブラックの体積抵抗は好ましくは0.5Ω・cm以上、より好ましくは1Ω・cm以上であり、好ましくは3Ω・cm以下、より好ましくは2.5Ω・cm以下である。
上記遮光剤の一次粒子径は、2つの液晶表示素子用部材の間隔に影響する。上記遮光剤の一次粒子径は好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは10nm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは100nm以下である。上記遮光剤の一次粒子径が上記下限以上であると、液晶表示素子用シール剤の粘度やチクソトロピーが大きく増大し難く、作業性が良好になる。上記遮光剤の一次粒子径が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の塗布性が良好になる。
上記23℃で流動性を有する熱硬化性化合物100重量部に対して、上記遮光剤の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは30重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、更に好ましくは60重量%以下である。上記遮光剤の含有量が上記下限以上であると、充分な遮光性が得られる。上記遮光剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の密着性や硬化後の強度が高くなり、更に描画性が高くなる。
上記液晶表示素子用シール剤は、必要に応じて、応力緩和剤、反応性希釈剤、揺変剤、スペーサ、硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
上記液晶表示素子用シール剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、及び3本ロール等の混合機を用いて、熱硬化性化合物と、重合開始剤又は熱硬化剤と、硬化性樹脂粒子と、必要に応じて添加するシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
上記液晶表示素子用シール剤の25℃及び1rpmでの粘度は好ましくは5万Pa・s以上であり、好ましくは50万Pa・s以下、より好ましくは40万Pa・s以下である。上記粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の塗布性が良好になる。上記粘度は、E型粘度計を用いて測定される。
接着力をより一層高め、液晶汚染防止性をより一層高め、透湿性を効果的に低くする観点からは、上記液晶滴下工法用シール剤が加熱されたときに、液晶滴下工法用シール剤に含まれる上記23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、液晶滴下工法用シール剤に含まれる上記硬化性樹脂粒子とが、化学結合するように熱硬化可能であることが好ましい。上記の加熱の温度は、液晶表示素子用シール剤を熱硬化させる温度であり、好ましくは100℃以上であり、好ましくは150℃以下である。
(液晶表示素子)
上記硬化性樹脂粒子を含む上記シール剤を用いて、液晶表示素子を得ることができる。液晶表示素子は、第1の液晶表示素子用部材と、第2の液晶表示素子用部材と、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部と、上記シール部の内側で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されている液晶とを備える。この液晶表示素子では、液晶滴下工法が適用され、かつ上記シール部が、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させることにより形成されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂粒子を用いた液晶表示素子を示す断面図である。
図1に示す液晶表示素子1は、一対の透明ガラス基板2を有する。透明ガラス基板2は、対向する面に絶縁膜(図示せず)を有する。絶縁膜の材料としては、例えば、SiO等が挙げられる。透明ガラス基板2における絶縁膜上に透明電極3が形成されている。透明電極3の材料としては、ITO等が挙げられる。透明電極3は、例えば、フォトリソグラフィーによりパターニングして形成可能である。透明ガラス基板2の表面上の透明電極3上に、配向膜4が形成されている。配向膜4の材料としては、ポリイミド等が挙げられている。
一対の透明ガラス基板2間には、液晶5が封入されている。一対の透明ガラス基板2間には、複数のスペーサ粒子7が配置されている。複数のスペーサ粒子7により、一対の透明ガラス基板2の間隔が規制されている。一対の透明ガラス基板2の外周の縁部間には、シール部6が配置されている。シール部6によって、液晶5の外部への流出が防がれている。シール部6には、硬化性樹脂粒子が硬化した粒子6Aが含まれている。液晶表示素子1では、液晶5の上側に位置する部材が、第1の液晶表示素子用部材であり、液晶の下側に位置する部材が、第2の液晶表示素子用部材である。
接着力をより一層高め、液晶汚染防止性をより一層高め、透湿性を効果的に低くする観点からは、上記シール部において、上記液晶滴下工法用シール剤に含まれる上記23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、上記液晶滴下工法用シール剤に含まれる上記硬化性樹脂粒子とが、化学結合するように熱硬化されていることが好ましい。
なお、図1に示す液晶表示素子は一例であり、液晶表示素子の構造は適宜変更することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子の作製
イオン交換水2500重量部、及びポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル1.25重量部を混合した水溶液Aを用意した。この水溶液Aに、変性エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製「EBECRYL3708」)45重量部、ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂アクリル酸付加オリゴマー(ダイセル・オルネクス社製「KRM8030」)15重量部、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(0−ベンゾイルオキシム)](BASF社製「OXE01」)1重量部、及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM403」)1重量部を添加し、遊星式撹拌装置で撹拌した。その後、Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約5μm)で乳化を行った後、乳化物をセパラブルフラスコ中へ添加した。
セパラブルフラスコ中の乳化物を撹拌しながら、乳化物にメタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線を20秒照射した後、60℃で5時間(硬化条件)、乳化物を半硬化させて、粒子を得た。得られた粒子を遠心分離し、凍結乾燥させて、液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子を得た。
(実施例2)
上記水溶液Aに、シリカ(アドマテックス社製、「アドマファインSO−C1」)1重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子を得た。
(実施例3)
ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂アクリル酸付加オリゴマーをビスフェノールE型エポキシ樹脂メタクリル酸付加オリゴマー(ダイセル・オルネクス社製、「KRM8276」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子を得た。
(比較例1)
硬化条件を60℃で5時間から120℃で1時間に変更し、完全に硬化させたこと以外は実施例1と同様にして硬化した樹脂粒子を得た。
(比較例2)
液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子の代わりに、シリコーンパウダー(信越化学工業社製、「KMP−601」)を8μmの篩をかけて粗大粒子を除去したシリコーンパウダー(粒子)を用意した。このシリコーンパウダーを、比較例2の液晶滴下工法用シール剤に用いる粒子とする。
(評価)
(1)粒子径
得られた硬化性樹脂粒子、硬化した樹脂粒子、及びシリコーンパウダーについて、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製「マスターサイザー2000」)を用いて粒子径を測定し、平均値を算出した。
(2)液晶汚染防止性
液晶滴下工法用シール剤の調製:
ビスフェノールA型エポキシメタクリレート(熱硬化性化合物、ダイセル・オルネクス社製「KRM7985」)50重量部と、カプロラクトン変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート(熱硬化性化合物、ダイセル・オルネクス社製「EBECRYL3708」)20重量部と、部分アクリル変性ビスフェノールE型エポキシ樹脂(熱硬化性化合物、ダイセル・オルネクス社製「KRM8276」)30重量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光ラジカル重合開始剤、BASF Japan社製「IRGACURE651」)2重量部と、マロン酸ジヒドラジド(熱硬化剤、大塚化学社製「MDH」)10重量部と、得られた粒子30重量部と、シリカ(充填剤、アドマテックス社製「アドマファインSO−C2」)20重量部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤、信越化学工業社製「KBM−403」)2重量部と、コアシェルアクリレート共重合体微粒子(応力緩和剤、ゼオン化成社製「F351」)とを配合し、遊星式撹拌装置(シンキー社製「あわとり練太郎」)にて撹拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させて液晶表示素子用シール剤を得た。
液晶表示素子の作製:
得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサ粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させ、得られたスペーサ含有シール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。その後、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製「SHOTMASTER300」)を用いて、ITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描くように、シール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下して塗布し、他方の透明基板を、真空貼り合わせ装置を用いて5Paの真空下にて貼り合わせた。貼り合わせた後のセルに、メタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子(セルギャップ5μm)を得た。
液晶汚染防止性の評価方法:
得られた液晶表示素子について、シール部周辺の液晶(特にコーナー部)に生じる表示むらを目視にて観察した。液晶汚染防止性を下記の基準で判定した。
[液晶汚染防止性の判定基準]
○:表示むらなし
△:目立つ表示むら発生
×:酷い表示むら発生
(3)低透湿性(高温高湿下で保管した後に駆動した液晶表示素子の色むら評価)
上記(2)の評価で得られた液晶表示素子を用意した。
低透湿性の評価方法:
得られた液晶表示素子を温度80℃、湿度90%RHの環境下にて36時間保管した後、AC3.5Vの電圧駆動をさせ、中間調のシール剤周辺を目視で観察した。低透湿性を下記の基準で判定した。
[低透湿性の判定基準]
○○:シール部周辺に色むらが全くなし
○:ごくわずかに色むら発生
△:目立つ色むら発生
×:ひどい色むら発生
(4)接着性
上記(2)で作製した各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサ粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させ、得られたスペーサ含有シール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。その極微量をコーニングガラス1737(20mm×50mm×厚さ1.1mm)の中央部に取り、同型のガラスをその上に重ね合わせて液晶滴下工法用シール剤を押し広げ、120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、接着試験片を得た。得られたそれぞれの接着試験片について、テンションゲージを用いて接着強度(N/cm)を測定した。
(5)液晶差し込み防止性
上記(2)で作製した液晶表示素子について、シールパターンの形状観察を行った。液晶差し込み防止性を以下の基準で判定した。
[液晶差し込み防止性の判定基準]
○○:内部の液晶によりシールパターンの形状が乱されていない
○:僅かにシールパターンの形状が乱されている
△:シールパターンの形状が乱されているが、液晶がシールパターンを突き破ってはいない
×:液晶がシールパターンを突き破って外部に漏れ出している
結果を下記の表1に示す。
Figure 0006683429
1…液晶表示素子
2…透明ガラス基板
3…透明電極
4…配向膜
5…液晶
6…シール部
6A…硬化性樹脂粒子が硬化した粒子
7…スペーサ粒子

Claims (12)

  1. 光の照射又は加熱によって硬化される液晶滴下工法用シール剤に用いられ、
    液晶滴下工法用シール剤において、ギャップ制御材として用いられる硬化性樹脂粒子であり、
    光硬化又は熱硬化可能である粒子であり、光硬化性化合物又は熱硬化性化合物により形成されている、液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子。
  2. 前記光硬化性化合物又は前記熱硬化性化合物が、エポキシ化合物又は(メタ)アクリル化合物である、請求項1に記載の液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子。
  3. 加熱によって硬化される液晶滴下工法用シール剤に用いられ、
    熱硬化可能である粒子であり、23℃で流動性を有するエポキシ化合物又は23℃で流動性を有する(メタ)アクリル化合物の硬化を進行させることにより形成された半硬化粒子である、請求項1又は2に記載の液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子。
  4. 粒子径が0.5μm以上、80μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子。
  5. 遮光剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子。
  6. 23℃で1gの負荷を与えた時の圧縮変位をL3とし、粒子径をDnとしたとき、L3/Dnを百分率で表した1gの歪みが20%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子。
  7. 重合開始剤又は熱硬化剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂粒子。
  8. 23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、
    重合開始剤又は熱硬化剤と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂粒子とを含む、液晶滴下工法用シール剤。
  9. 加熱されたときに、液晶滴下工法用シール剤に含まれる前記23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、液晶滴下工法用シール剤に含まれる前記硬化性樹脂粒子とが、化学結合するように熱硬化可能である、請求項8に記載の液晶滴下工法用シール剤。
  10. 光硬化性成分を含まない、請求項8又は9に記載の液晶滴下工法用シール剤。
  11. 第1の液晶表示素子用部材と、
    第2の液晶表示素子用部材と、
    前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部と、
    前記シール部の内側で、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されている液晶とを備え、
    前記シール部が、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させることにより形成されており、
    前記液晶滴下工法用シール剤が、23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、熱硬化剤と、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂粒子とを含む、液晶表示素子。
  12. 前記シール部において、前記液晶滴下工法用シール剤に含まれる前記23℃で流動性を有する熱硬化性化合物と、前記液晶滴下工法用シール剤に含まれる前記硬化性樹脂粒子とが、化学結合するように熱硬化されている、請求項11に記載の液晶表示素子。
JP2015103079A 2015-05-20 2015-05-20 液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子 Active JP6683429B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015103079A JP6683429B2 (ja) 2015-05-20 2015-05-20 液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015103079A JP6683429B2 (ja) 2015-05-20 2015-05-20 液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016218257A JP2016218257A (ja) 2016-12-22
JP6683429B2 true JP6683429B2 (ja) 2020-04-22

Family

ID=57578896

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015103079A Active JP6683429B2 (ja) 2015-05-20 2015-05-20 液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6683429B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019221027A1 (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 積水化学工業株式会社 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
WO2019221026A1 (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 積水化学工業株式会社 液晶表示素子用シール剤、液晶表示素子、及び、液晶表示素子の製造方法
TW202335853A (zh) 2021-11-22 2023-09-16 日商積水化學工業股份有限公司 接著性粒子及積層體

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0347877A (ja) * 1990-05-31 1991-02-28 Toray Ind Inc エポキシ系球状粒子状接着剤及びその製造方法
JPH0990369A (ja) * 1995-09-27 1997-04-04 Toagosei Co Ltd 液晶表示パネルの製造方法
JP3034474B2 (ja) * 1995-12-26 2000-04-17 松下電器産業株式会社 接着性粒子組成物、液晶表示板用接着性スペーサーおよび液晶表示板
JP4543138B2 (ja) * 2003-04-04 2010-09-15 綜研化学株式会社 接着性樹脂粒子
JP5138405B2 (ja) * 2008-02-12 2013-02-06 三井化学株式会社 液晶シール剤およびこれを用いた液晶表示パネルの製造方法
WO2011145258A1 (ja) * 2010-05-18 2011-11-24 シャープ株式会社 表示装置及びその製造方法
JP6386377B2 (ja) * 2013-05-24 2018-09-05 積水化学工業株式会社 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP6404119B2 (ja) * 2013-07-03 2018-10-10 積水化学工業株式会社 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016218257A (ja) 2016-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5827752B2 (ja) 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP7602437B2 (ja) 表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、表示素子
JP5685346B1 (ja) 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP6586015B2 (ja) シリコーン粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子
JP6159191B2 (ja) 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP6539160B2 (ja) 液晶表示素子用シール剤及び上下導通材料
JP6163045B2 (ja) 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP6795400B2 (ja) 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP6683429B2 (ja) 液晶滴下工法用シール剤に用いる硬化性樹脂粒子、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子
JP6386377B2 (ja) 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP6792088B2 (ja) 液晶滴下工法用シール剤、硬化物、上下導通材料、及び、液晶表示素子
WO2017038611A1 (ja) 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JPWO2020013128A1 (ja) 液晶素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶素子
JP6918693B2 (ja) 液晶表示素子用遮光シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
WO2018062166A1 (ja) 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP7088833B2 (ja) 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP7000159B2 (ja) 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
WO2020171053A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子
JP7649420B2 (ja) 液晶表示素子用シール剤
JPWO2018128158A1 (ja) 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190521

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200326

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6683429

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151