JP6683242B1 - 繊維状セルロース、繊維状セルロース含有物、成形体及び繊維状セルロースの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
繊維状セルロースにおける第1解離酸量をA1とし、繊維状セルロースにおける総解離酸量をA2とした場合、A1が1.35mmol/g以上であり、かつA1/A2の値が0.51以上であり、
下記条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値が6.0以下となる、繊維状セルロース;
条件(a):
固形分濃度が0.5質量%の繊維状セルロース分散液を作製し、該繊維状セルロース分散液100質量部に対して、0.5質量%濃度のポリエチレンオキサイド水溶液を20質量部添加し、塗工液とする;該塗工液を基材上に塗工して坪量が50g/m2のシートを形成する。
[2] 繊維幅が1000nm以下であり、亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基を有する繊維状セルロースであって、
亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基の導入量が1.35mmol/g以上であり、
下記条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値が6.0以下となる、繊維状セルロース;
条件(a):
固形分濃度が0.5質量%の繊維状セルロース分散液を作製し、該繊維状セルロース分散液100質量部に対して、0.5質量%濃度のポリエチレンオキサイド水溶液を20質量部添加し、塗工液とする;該塗工液を基材上に塗工して坪量が50g/m2のシートを形成する。
[3] 条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値が3.0以下となる、[1]又は[2]に記載の繊維状セルロース。
[4] 条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値が1.5以下となる、[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維状セルロース。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の繊維状セルロースを含む繊維状セルロース含有組成物。
[6]溶媒を含む[5]に記載の繊維状セルロース含有組成物。
[7]溶媒が水であり、固形分濃度を0.2質量%とした場合の全光線透過率が80%以上である[6]に記載の繊維状セルロース含有組成物。
[8] [1]〜[4]のいずれかに記載の繊維状セルロース、もしくは、[5]〜[7]のいずれかに記載の繊維状セルロース含有組成物から形成される成形体。
[9] シート状である[8]に記載の成形体。
[10] リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有する繊維状セルロースであって、繊維状セルロースにおける第1解離酸量をA1'とし、繊維状セルロースにおける総解離酸量をA2'とした場合、A1'が1.35mmol/g以上であり、かつA1'/A2'の値が0.51以上であり、重合度が500以上である繊維状セルロース。
[11] 亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基を有する繊維状セルロースであって、亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基の導入量が1.35mmol/g以上であり、重合度が500以上である繊維状セルロース。
[12] セルロース原料に対し、リンオキソ酸及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体と、を混合し、リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程を含む繊維状セルロースの製造方法であって、
リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程は、セルロース原料に対し、リンオキソ酸及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、加熱する1サイクル工程を複数工程含み、
1サイクル工程における尿素及び/又は尿素誘導体の分解率が95%以下であり、
繊維状セルロースにおける第1解離酸量をA1とし、繊維状セルロースにおける総解離酸量をA2とした場合、A1/A2の値が0.51以上である、繊維状セルロースの製造方法。
[13] セルロース原料に対し、亜リン酸基を有する化合物及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程を含む繊維状セルロースの製造方法であって、
亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基セルロース原料を得る工程は、セルロース原料に対し、亜リン酸基を有する化合物及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、加熱する1サイクル工程を複数工程含み、
1サイクル工程における尿素及び/又は尿素誘導体の分解率が95%以下である、繊維状セルロースの製造方法。
本発明の第1の態様は、繊維幅が1000nm以下であり、リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有する繊維状セルロースに関する。ここで、繊維状セルロースにおける第1解離酸量をA1とし、繊維状セルロースにおける総解離酸量をA2とした場合、A1が1.35mmol/g以上であり、かつA1/A2の値が0.51以上である。さらに、下記条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値が6.0以下となる。
条件(a):
固形分濃度が0.5質量%の繊維状セルロース分散液を作製し、該繊維状セルロース分散液100質量部に対して、0.5質量%濃度のポリエチレンオキサイド水溶液を20質量部添加し、塗工液とする;該塗工液を基材上に塗工して坪量が50g/m2のシートを形成する。
ηsp=(η1/η0)−1
[η]=ηsp/(c(1+0.28×ηsp))
ここで、式中のcは、粘度測定時の繊維状セルロースの濃度を示す。
さらに、下記式から重合度(DP)を算出する。
DP=1.75×[η]
この重合度は粘度法によって測定された平均重合度であることから、「粘度平均重合度」と称されることもある。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交差する繊維の幅を目視で読み取る。このようにして、少なくとも互いに重なっていない表面部分の観察画像を3組以上得る。次いで、各画像に対して、直線X、直線Yと交差する繊維の幅を読み取る。これにより、少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。そして、読み取った繊維幅の平均値を、繊維状セルロースの平均繊維幅とする。
測定対象の繊維状セルロースが微細化前の繊維状セルロースである場合は、まず、繊維状セルロースに酸処理を行う。繊維状セルロースの酸処理では、繊維状セルロースを、含有量が2質量%となるようイオン交換水で希釈し、撹拌しながら、十分な量の1N塩酸水溶液を少しずつ添加する。次いで、このパルプ懸濁液を15分間撹拌したのち脱水し、脱水シートを得た後、再びイオン交換水で希釈し、繊維状セルロース100質量部(絶乾質量)に対し、1N塩酸水溶液を1000質量部添加する。この操作を5回繰り返すことにより、繊維状セルロース中に含まれるリンオキソ酸基を完全に酸型へ変化させる。さらに、このパルプ懸濁液を撹拌して均一に分散させた後、濾過脱水して脱水シートを得る操作を繰り返すことにより、余剰の塩酸を十分に洗い流す。その後、得られた酸型繊維状セルロースを、含有量が0.2質量%となるように希釈して懸濁液を作製する。なお、必要に応じて、酸処理の後に、後述の解繊処理工程と同様の解繊処理を測定対象に対して実施してもよい。得られた懸濁液に対して、後述するアルカリによる中和滴定を行う。
測定対象の繊維状セルロースが、微細繊維状セルロースである場合は、まず、微細繊維状セルロースを含有するスラリーを強酸性イオン交換樹脂で処理する。なお、必要に応じて、強酸性イオン交換樹脂による処理の前に、後述の解繊処理工程と同様の解繊処理を測定対象に対して実施してもよい。強酸性イオン交換樹脂で処理したスラリーに対して、後述するアルカリによる中和滴定を行う。
アルカリによる中和滴定では、水酸化ナトリウム水溶液を加えながらpHの変化を観察し、図1の上側部に示すような滴定曲線を得る。図1の上側部に示した滴定曲線では、アルカリを加えた量に対して測定したpHをプロットしており、図1の下側部に示した滴定曲線では、アルカリを加えた量に対するpHの増分(微分値)(1/mmol)をプロットしている。この中和滴定では、アルカリを加えた量に対して測定したpHをプロットした曲線において、増分(pHのアルカリ滴下量に対する微分値)が極大となる点が二つ確認される。これらのうち、アルカリを加えはじめて先に得られる増分の極大点を第1終点と呼び、次に得られる増分の極大点を第2終点と呼ぶ。滴定開始から第1終点までに必要としたアルカリ量が、滴定に使用したスラリー中に含まれる繊維状セルロースの第1解離酸量と等しくなり、第1終点から第2終点までに必要としたアルカリ量が滴定に使用したスラリー中に含まれる繊維状セルロースの第2解離酸量と等しくなり、滴定開始から第2終点までに必要としたアルカリ量が滴定に使用したスラリー中の総解離酸量と等しくなる。そして、滴定開始から第1終点までに必要としたアルカリ量を滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して得られる値が、リンオキソ酸基導入量(mmol/g)となる。なお、単にリンオキソ酸基導入量(またはリンオキソ酸基量)と言った場合は、第1解離酸量のことを表す。
なお、図1において、滴定開始から第1終点までの領域を第1領域と呼び、第1終点から第2終点までの領域を第2領域と呼ぶ。例えば、リンオキソ酸基がリン酸基の場合であって、このリン酸基が縮合を起こす場合、見かけ上、リンオキソ酸基における弱酸性基量(本明細書では第2解離酸量ともいう)が低下し、第1領域に必要としたアルカリ量と比較して第2領域に必要としたアルカリ量が少なくなる。一方、リンオキソ酸基における強酸性基量(本明細書では第1解離酸量ともいう)は、縮合の有無に関わらずリン原子の量と一致する。また、リンオキソ酸基が亜リン酸基の場合は、リンオキソ酸基に弱酸性基が存在しなくなるため、第2領域に必要としたアルカリ量が少なくなるか、第2領域に必要としたアルカリ量はゼロとなる場合もある。この場合、滴定曲線において、pHの増分が極大となる点は一つとなる。
本発明は、繊維状セルロースの製造方法に関する。本発明の第1の態様における繊維状セルロースの製造方法は、繊維状セルロースにおける第1解離酸量をA1とし、繊維状セルロースにおける総解離酸量をA2とした場合、A1/A2の値が0.51以上である、繊維状セルロースの製造方法である。第1の態様における製造方法は、セルロース原料に対し、リンオキソ酸及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体と、を混合し、リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程を含む。そして、リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程は、セルロース原料に対し、リンオキソ酸及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、加熱する1サイクル工程を複数工程含み、1サイクル工程における尿素及び/又は尿素誘導体の分解率は95%以下である。
微細繊維状セルロースは、セルロースを含む繊維原料(セルロース原料)から製造される。セルロースを含む繊維原料としては、特に限定されないが、入手しやすく安価である点からパルプを用いることが好ましい。パルプとしては、たとえば木材パルプ、非木材パルプ、および脱墨パルプが挙げられる。木材パルプとしては、特に限定されないが、たとえば広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)および酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)およびケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)およびサーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられる。非木材パルプとしては、特に限定されないが、たとえばコットンリンターおよびコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わらおよびバガス等の非木材系パルプが挙げられる。脱墨パルプとしては、特に限定されないが、たとえば古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。本実施形態のパルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。上記パルプの中でも、入手のしやすさという観点からは、たとえば木材パルプおよび脱墨パルプが好ましい。また、木材パルプの中でも、セルロース比率が大きく解繊処理時の微細繊維状セルロースの収率が高い観点や、パルプ中のセルロースの分解が小さく軸比の大きい長繊維の微細繊維状セルロースが得られる観点から、たとえば化学パルプがより好ましく、クラフトパルプ、サルファイトパルプがさらに好ましい。なお、軸比の大きい長繊維の微細繊維状セルロースを用いると粘度が高くなる傾向がある。
第1の態様におけるリンオキソ酸基導入工程は、リンオキソ酸及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体と、を混合し、リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程である。ここで、リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程は、セルロース原料に対し、リンオキソ酸及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、加熱する1サイクル工程を複数工程含む。また、第2の態様におけるリンオキソ酸基導入工程は、セルロース原料に対し、亜リン酸基を有する化合物及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、亜リン酸基を有するセルロース原料を得る工程である。ここで、亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基セルロース原料を得る工程は、セルロース原料に対し、亜リン酸及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、加熱する1サイクル工程を複数工程含む。第1の態様のリンオキソ酸基導入工程では、セルロースを含む繊維原料が有する水酸基と、リンオキソ酸及び/又はその塩が反応することで、リンオキソ酸基を導入することができる。また、第2の態様のリンオキソ酸基導入工程では、セルロースを含む繊維原料が有する水酸基と、亜リン酸基を有する化合物及び/又はその塩が反応することで、亜リン酸基を導入することができる。なお、本明細書においては、リンオキソ酸及び/又はその塩、もしくは亜リン酸基を有する化合物及び/又はその塩を含む化合物を化合物Aと呼ぶことがあり、尿素及び/又は尿素誘導体を化合物Bと呼ぶことがある。
まず試験に使用するセルロース原料(パルプ)の絶乾質量を測定する。次にセルロース原料(パルプ)に所定量の薬液を添加して、質量を測定する(m0)。薬液組成とパルプの初期含水率から水の添加量(系の水分量)(mw)および、尿素の添加量(mu)を算出する。その後、含浸したセルロース原料(パルプ)を、上述したような加熱処理条件で加熱処理して、質量を測定する(m1)。測定及び算出した質量を用い、下記(式1)より尿素分解率[%]を算出する。
尿素分解率[%]=(m0−mw−m1)/mu×100・・・(式1)
m0 :加熱前の薬液含浸パルプ質量
mw :水の添加量(系の水分量)
m1 :加熱後のパルプ質量
mu :尿素の添加量
なお、リンオキソ酸導入工程を複数回繰返す場合は、上述のセルロース原料(パルプ)を複数回反応に供試するリンオキソ酸化パルプに置き換え、同様の計算を行う。
本実施形態における微細繊維状セルロースの製造方法においては、必要に応じてリンオキソ酸基導入繊維に対して洗浄工程を行うことができる。洗浄工程は、たとえば水や有機溶媒によりリンオキソ酸基導入繊維を洗浄することにより行われる。また、洗浄工程は後述する各工程の後に行われてもよく、各洗浄工程において実施される洗浄回数は、特に限定されない。
微細繊維状セルロースを製造する場合、リンオキソ酸基導入工程と、後述する解繊処理工程との間に、繊維原料に対してアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えばアルカリ溶液中に、リンオキソ酸基導入繊維を浸漬する方法が挙げられる。
微細繊維状セルロースを製造する場合、リンオキソ酸基を導入する工程と、後述する解繊処理工程の間に、リンオキソ酸基導入繊維に対して酸処理を行ってもよい。例えば、リンオキソ酸基導入工程、酸処理、アルカリ処理及び解繊処理をこの順で行ってもよい。
繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースを製造する場合、繊維状セルロースの製造方法は、解繊処理工程を含んでもよい。解繊処理工程は、リンオキソ酸基又はリンオキソ酸基に由来する置換基を有するセルロース原料、もしくは、亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基を有するセルロース原料に微細化処理を施し、繊維幅が1000nm以下であり、かつ亜リン酸基といったリンオキソ酸基を有する繊維状セルロースを得る工程である。解繊処理工程においては、たとえば解繊処理装置を用いることができる。解繊処理装置は、特に限定されないが、たとえば高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなどを使用することができる。上記解繊処理装置の中でも、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミネーションのおそれが少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーを用いるのがより好ましい。
本発明は、上述した繊維状セルロースを含む繊維状セルロース含有組成物に関するものであってもよい。本明細書において、繊維状セルロース含有組成物は、上述した繊維状セルロースに加えて、溶媒を含む組成物であってもよい。溶媒の種類は、特に限定されないが、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合物を挙げることができる。有機溶媒としては、例えば、アルコール類、多価アルコール類、ケトン類、エーテル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。エーテル類としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル等が挙げられる。
繊維状セルロース含有組成物は、さらに任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては、例えば、消泡剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、安定剤、界面活性剤、防腐剤等を挙げることができる。また、繊維状セルロース含有組成物は、任意成分として、親水性高分子、親水性低分子、有機イオン等を含有していてもよい。
本発明は、上述した繊維状セルロース、もしくは、上述した繊維状セルロース含有組成物から形成される成形体に関するものであってもよい。本明細書において成形体とは、所望の形状となるように成形された固形状体である。成形体としては、例えば、シート、ビーズ、フィラメント等を挙げることができる。中でも、成形体は、シート、ビーズ又はフィラメントであることが好ましい。成形体がビーズ状である場合、ビーズの粒子径は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましい。また、成形体がフィラメント状である場合、フィラメントの幅は0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、フィラメントの長さは1mm以上10000mm以下であることが好ましい。
中でも、成形体はシート状であることが好ましく、本発明は上述した繊維状セルロース含有組成物から形成されるシートに関するものであってもよい。ここで、下記条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値は6.0以下であればよく、4.5以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。なお、シートのYI値の下限値は特に限定されるものではなく、0.0であってもよい。シートのYI値は、JIS K 7373に準拠して測定される値である。測定装置としては、例えば、スガ試験機株式会社製のColour Cute iを用いることができる。
条件(a):
固形分濃度が0.5質量%の繊維状セルロース分散液を作製し、該繊維状セルロース分散液100質量部に対して、0.5質量%濃度のポリエチレンオキサイド水溶液を20質量部添加し、塗工液とする;該塗工液を基材上に塗工して坪量が50g/m2のシートを形成する。
微細繊維状セルロース含有シートの製造方法は、後述するように、繊維状セルロース含有組成物(以下、繊維状セルロース分散液又はスラリーともいう)を基材上に塗工する塗工工程、または当該スラリーを抄紙する抄紙工程を含むことが好ましい。
塗工工程では、たとえば繊維状セルロース含有組成物(スラリー)を基材上に塗工し、これを乾燥して形成されたシートを基材から剥離することによりシートを得ることができる。また、塗工装置と長尺の基材を用いることで、シートを連続的に生産することができる。
抄紙工程は、抄紙機によりスラリーを抄紙することにより行われる。抄紙工程で用いられる抄紙機としては、特に限定されないが、たとえば長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機、またはこれらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機等が挙げられる。抄紙工程では、手抄き等の公知の抄紙方法を採用してもよい。
本発明の製造方法で得られる繊維状セルロースは、増粘剤や粒子分散安定剤として使用することができる。また、本発明の製造方法で得られる繊維状セルロースを溶媒に混合することで、繊維状セルロース分散液としたり、該スラリーから微細繊維状セルロースが均一に分散したシートを形成したりすることもできる。また、本発明の繊維状セルロースは、樹脂成分を含む有機溶媒との混合に好ましく用いることもできる。本発明の微細繊維状セルロースと、樹脂成分を含む有機溶媒を混合することで、微細繊維状セルロースが均一に分散した樹脂複合体を形成することができる。同様に微細繊維状セルロース再分散スラリーを用いて製膜し、各種フィルムとして使用することができる。
原料パルプとして、王子製紙製の針葉樹クラフトパルプ(固形分93質量%、坪量245g/m2シート状、離解してJIS P 8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)が700ml)を使用した。
いることが確認された。
リンオキソ酸化処理における熱風乾燥機での加熱時間を450秒(製造例2)、600秒(製造例3)とした以外は製造例1と同様にして微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液を得た。
亜リン酸(ホスホン酸)33質量部の代わりに、リン酸28質量部、亜リン酸(ホスホン酸)8質量部を用い、リンオキソ酸化処理における熱風乾燥機での加熱時間を450秒とし、リンオキソ酸化処理の繰り返し数を1回とした(反応回数:2回)以外は、製造例1と同様にして微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液を得た。
リンオキソ酸化処理における熱風乾燥機での加熱時間を450秒(製造例5)、600秒(製造例6)とし、リンオキソ酸化処理の繰り返し数を1回とした(反応回数:2回)以外は、製造例1と同様にして微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液を得た。
リンオキソ酸化処理における熱風乾燥機での加熱時間を900秒とし、リンオキソ酸化処理を繰り返し行わなかった(反応回数:1回)以外は、製造例4と同様にして微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液を得た。
リンオキソ酸化処理における熱風乾燥機での加熱時間を900秒(製造例8)、1350秒(製造例9)、1800秒(製造例10)とし、リンオキソ酸化処理を繰り返し行わなかった(反応回数:1回)以外は、製造例1と同様にして微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液を得た。
製造例1〜10のリンオキソ酸化処理工程もしくは洗浄工程の後に得られたリンオキソ酸化パルプについて、後述する評価方法に従って、尿素分解率、YI値、重合度の測定を行った。また、製造例1〜10で得られた微細繊維状セルロース分散液について、後述する評価方法に従って、ヘーズ、全光線透過率を測定した。また、後述する方法で微細繊維状セルロース含有シートを作製し、YI値を測定した。
製造例1〜10の各リンオキソ酸化処理における尿素分解率を以下の方法で算出した。ここで、尿素分解率とは、リンオキソ酸導入工程における、水の蒸発以外の質量減少(すなわち、尿素の分解量)を、セルロース原料に添加した尿素の質量で除し、質量分率で表した値である。この値は以下の方法で測定した。
まず試験に使用するセルロース原料(パルプ)の絶乾質量を測定した。次にセルロース原料(パルプ)に所定量の薬液を添加して、質量を測定した(m0)。薬液組成とパルプの初期含水率から水の添加量(系の水分量)(mw)および、尿素の添加量(mu)を算出した。その後、含浸したセルロース原料(パルプ)を、上述したような加熱処理条件で加熱処理して、質量を測定した(m1)。測定及び算出した質量を用い、下記(式1)より尿素分解率[%]を算出した。
尿素分解率[%]=(m0−mw−m1)/mu×100・・・(式1)
m0 :加熱前の薬液含浸パルプ質量
mw :水の添加量(系の水分量)
m1 :加熱後のパルプ質量
mu :尿素の添加量
なお、リンオキソ酸導入工程を複数回繰返す場合は、上述のセルロース原料(パルプ)を複数回反応に供試するリンオキソ酸化パルプに置き換え、同様の計算を行った。
製造例1〜10のリンオキソ酸化処理工程の加熱直後(洗浄工程前)のリンオキソ酸化パルプについて、JIS K 7373に準拠し、Colour Cute i(スガ試験機株式会社製)を用いてリンオキソ酸化パルプのYI値を測定した。なお、複数回リンオキソ酸化反応を行った場合は、最後のリンオキソ酸化反応の加熱直後(洗浄工程前)のリンオキソ酸化パルプに対して測定を行った。
製造例1〜10の洗浄工程で得られたリンオキソ酸化パルプについて、繊維状セルロースの比粘度および重合度を、Tappi T230に従い測定した。すなわち、測定対象の繊維状セルロースを分散媒に分散させて測定した粘度(η1とする)、および分散媒体のみで測定したブランク粘度(η0とする)を測定したのち、比粘度(ηsp)、固有粘度([η])を下記式に従って測定した。
ηsp=(η1/η0)−1
[η]=ηsp/(c(1+0.28×ηsp))
ここで、式中のcは、粘度測定時の繊維状セルロースの濃度を示す。
さらに、下記式から繊維状セルロースの重合度(DP)を算出した。
DP=1.75×[η]
この重合度は粘度法によって測定された平均重合度であることから、「粘度平均重合度」と称されることもある。
微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液をイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈して作製した繊維状セルロース含有スラリーに対し、イオン交換樹脂による処理を行った後、アルカリを用いた滴定を行うことにより測定した。
イオン交換樹脂による処理は、上記繊維状セルロース含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024;オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った後、目開き90μmのメッシュ上に注いで樹脂とスラリーを分離することにより行った。
また、アルカリを用いた滴定は、イオン交換樹脂による処理後の繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、スラリーが示すpHの値の変化を計測することにより行った。この中和滴定では、アルカリを加えた量に対して測定したpHをプロットした曲線において、増分(pHのアルカリ滴下量に対する微分値)が極大となる点が二つ観測される。これらのうち、アルカリを加えはじめて先に得られる増分の極大点を第1終点と呼び、次に得られる増分の極大点を第2終点と呼ぶ(図1)。滴定開始から第1終点までに必要としたアルカリ量が、滴定に使用したスラリー中の第1解離酸量と等しくなる。また、滴定開始から第2終点までに必要としたアルカリ量が滴定に使用したスラリー中の総解離酸量と等しくなる。なお、滴定開始から第1終点までに必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除した値を第1解離酸量(mmol/g)とした。また、滴定開始から第2終点までに必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除した値を総解離酸量(mmol/g)とした。
微細繊維状セルロース分散液のヘーズの測定は微細繊維状セルロース分散液をイオン交換水で0.2質量%となるように希釈した後、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HM−150)で、光路長1cmの液体用ガラスセル(藤原製作所製、MG−40、逆光路)を用いて、JIS K 7136に準拠して測定した。なお、ゼロ点測定は、同ガラスセルに入れたイオン交換水で行った。また、測定対象の分散液は測定前に23℃、相対湿度50%の環境下に24時間静置した。測定時の分散液の液温は23℃であった。
微細繊維状セルロース分散液の全光線透過率の測定は微細繊維状セルロース分散液をイオン交換水で0.2質量%となるように希釈した後、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HM−150)で、光路長1cmの液体用ガラスセル(藤原製作所製、MG−40、逆光路)を用いて、JIS K 7361に準拠して測定した。なお、ゼロ点測定は、同ガラスセルに入れたイオン交換水で行った。また、測定対象の分散液は測定前に23℃、相対湿度50%の環境下に24時間静置した。測定時の分散液の液温は23℃であった。
製造例1〜10で得られた微細繊維状セルロース分散液を、固形分濃度が0.5質量%となるようイオン交換水を添加して濃度調整を行った。次いで、濃度調整後の微細繊維状セルロース分散液100質量部に対して、ポリエチレンオキサイド(住友精化社製、PEO−18)の0.5質量%水溶液を20質量部添加し、塗工液を得た。次いで、得られるシート(上記塗工液の固形分から構成される層)の仕上がり坪量が50g/m2になるように塗工液を計量して、市販のアクリル板に塗工し、50℃の恒温乾燥機にて乾燥した。なお、所定の坪量となるようアクリル板上には堰止用の金枠(内寸が180mm×180mm、高さ5cmの金枠)を配置した。次いで、上記アクリル板から乾燥後のシートを剥離し、微細繊維状セルロース含有シートを得た。次いで、JIS K 7373に準拠し、Colour Cute i(スガ試験機株式会社製)を用いて微細繊維状セルロース含有シートのYI値を測定した。
Claims (10)
- 繊維幅が1000nm以下であり、下記式(1)で表される亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基を有する繊維状セルロースであって、
前記亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基の導入量が1.35mmol/g以上であり、
下記条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値が6.0以下となる、繊維状セルロース;
条件(a):
固形分濃度が0.5質量%の繊維状セルロース分散液を作製し、該繊維状セルロース分散液100質量部に対して、0.5質量%濃度のポリエチレンオキサイド水溶液を20質量部添加し、塗工液とする;該塗工液を基材上に塗工して坪量が50g/m2のシートを形成する;
- 前記条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値が3.0以下となる、請求項1に記載の繊維状セルロース。
- 前記条件(a)でシートを形成した場合、該シートのYI値が1.5以下となる、請求項1又は2に記載の繊維状セルロース。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維状セルロースを含む繊維状セルロース含有組成物。
- 溶媒を含む請求項4に記載の繊維状セルロース含有組成物。
- 前記溶媒が水であり、固形分濃度を0.2質量%とした場合の全光線透過率が80%以上である請求項5に記載の繊維状セルロース含有組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維状セルロース、もしくは、請求項4〜6のいずれか1項に記載の繊維状セルロース含有組成物から形成される成形体。
- シート状である請求項7に記載の成形体。
- セルロース原料に対し、亜リン酸基を有する化合物及び/又はその塩と、尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、下記式(1)で表される亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程含む繊維状セルロースの製造方法であって、
前記亜リン酸基又は亜リン酸基に由来する置換基を有するセルロース原料を得る工程は、前記セルロース原料に対し、前記亜リン酸基を有する化合物及び/又はその塩と、前記尿素及び/又は尿素誘導体とを混合し、加熱する1サイクル工程を複数工程含み、
前記1サイクル工程における前記尿素及び/又は尿素誘導体の分解率が95%以下である、繊維状セルロースの製造方法;
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