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JP6668292B2 - 圧電性材料基板の接合体、接合方法および弾性波素子 - Google Patents

圧電性材料基板の接合体、接合方法および弾性波素子 Download PDF

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Description

本発明は、圧電性材料基板の接合方法、接合体および弾性波素子に関するものである。
高性能な半導体素子を実現する目的で、高抵抗Si/SiO2薄膜/Si薄膜からなるSOI基板が広く用いられている。SOI基板を実現するにあたりプラズマ活性化が用いられる。これは比較的低温(400℃)で接合できるためである。圧電デバイスの特性向上を狙い、類似のSi/SiO2薄膜/圧電薄膜からなる複合基板が提案されている(特許文献1)。
特許文献1では、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムからなる圧電性材料基板と、酸化珪素層を設けたシリコン基板とを、減圧プラズマ下(例えば0.2〜1.0mTorr)に5〜60秒程度さらし、各表面をプラズマ処理して活性化した後に接合する。プラズマ用ガスとしては、O2,N2,Arまたはこれらの混合ガスを用いる。
特許文献2には、タンタル酸リチウムとサファイアやセラミックスとを、酸化珪素層を介してプラズマ活性化法により接合することが記載されている。
非特許文献1には、タンタル酸リチウム基板と、酸化珪素層を設けたシリコン基板とを、O2のRIE(13.56MHz)プラズマとN2のmicrowave(2.4G5Hz)プラズマを続けざまに照射することで接合することが記載されている。
ECS Transactions, 3 (6) 91-98 (2006) J. Applied Physics 113, 094905 (2013))
特開2016-225537 特許第3774782号 特開2014−086400
しかし、先行文献の通り、イオン注入により、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム基板を薄くすることで圧電素子を作製した場合には、特性が低いという問題があった。これは、イオン注入時のダメージにより結晶性が劣化することに起因すると考えられる。
一方、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどの圧電性材料基板をシリコン基板上の酸化珪素膜に接合した後に、圧電性単結晶基板を研磨することで薄くする場合には、加工変質層をCMPにより取り除くことができるので、素子特性は劣化しない。しかし、研磨加工の際には、圧電性材料基板に大きなせん断応力が加わる。このため、研磨により圧電性材料基板を薄く加工しようとすると、研磨中に圧電性材料基板がシリコン基板から剥がれてくるという問題があった。
本発明の課題は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウムからなる群より選ばれた材質からなる圧電性材料基板と、酸化珪素層が設けられた支持基板とを接合するのに際して、接合強度を向上させることである。
本発明は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウムからなる群より選ばれた材質からなる圧電性材料基板と、酸化珪素層が設けられた支持基板とを接合する方法であって、
前記圧電性材料基板上に、タンタルおよびニオブからなる群より選ばれた一種以上の原子のみからなる厚さ0.1〜0.8nmの原子層を設ける工程、および
前記圧電性材料基板の接合面を前記酸化珪素層に対して接合する工程
を有することを特徴とする。
また、本発明は、
支持基板、
支持基板上に設けられた酸化珪素層、
ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウムからなる群より選ばれた材質からなる圧電性材料基板、および
前記圧電性材料基板上に設けられた、タンタルおよびニオブからなる群より選ばれた一種以上の原子のみからなる厚さ0.1〜0.8nmの原子層
を備えており、前記圧電性材料基板の接合面が前記酸化珪素層に対して接合されていることを特徴とする、圧電性材料基板の接合体に係るものである。
本発明者は、ニオブ酸リチウム等からなる圧電性材料基板と、酸化珪素層が設けられた支持基板とを直接接合するのに際して、ある程度以上接合強度を向上させることが困難な理由について詳細に検討し、次の知見に至った。
すなわち、SiとSiO/Siとを例えばプラズマ活性化接合すると、接合界面に沿ってSi−O−Si結合が形成されることで、十分に高い接合強度が得られる。また、同時にSiがSiOに酸化されることで平滑度が向上し、最表面で上記接合が促進される(非特許文献2:J. Applied Physics 113, 094905 (2013))。
これに対して、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムを、酸化珪素層が設けられた支持基板に直接接合する場合には、接合界面に沿って、Ta(Nb)−O−Si結合が形成されることで、接合が行われる。しかし、SiO/Siの最表面におけるSi原子の密度は6.8個/Åである。これに対して、圧電性材料基板の最表面におけるTa(Nb)原子の密度は、異方性結晶であるためにカット角に依存するが、例えば4.3個/Å以下であり、最表面における原子密度が低い。更に、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムは、シリコンと違って酸化により平滑化する機構もないので、十分に高い接合強度が得られなかったものと考えられる。
この結果、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムからなる圧電性材料基板とSiO/Siとを直接接合した後に、圧電性材料基板を研磨加工して薄くする場合にも、剪断力によって圧電性材料基板が剥離したものと考えられる。
本発明者は、こうした仮説に立脚し、圧電性材料基板上に、タンタルおよびニオブからなる群より選ばれた一種以上の原子からなる厚さ0.1〜0.8nmの極めて薄い原子層を設け,次いで圧電性材料基板を酸化珪素膜に対して直接接合することを試みた。これは、圧電性材料基板の最表面(接合面)に微量のニオブ原子、タンタル原子を配置させることによって、圧電性材料基板と酸化珪素膜との接合界面に沿ってTa(Nb)−O−Si結合やSi−O−Si結合の生成を促進するためである。この結果、実際に圧電性材料基板と支持基板との接合強度が著しく向上することを見いだし、本発明に到達した。
(a)は、圧電性材料基板1を示し、(b)は、圧電性材料基板1の接合面1aに原子層2を設けた状態を模式的に示し、(c)は、圧電性材料基板の接合面を活性化している状態を示す。 (a)は、支持基板4の表面に酸化珪素膜5を形成した状態を示し、(b)は、酸化珪素膜5を表面活性化した状態を示す。 (a)は、圧電性材料基板1と支持基板4上の酸化珪素膜5とを直接接合して得られた接合体7を示し、(b)は、接合体7の圧電性材料基板1Aを研磨して薄くした状態を示し、(c)は、弾性波素子を示す。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
まず、図1(a)に示すように、一対の主面1a、1bを有する圧電性材料基板1を準備する。本例では1aを接合面とする。次いで、図1(b)に示すように、圧電性材料基板1の接合面1a上に、後述するようにして原子層2を形成する。次いで、圧電性材料基板の接合面に対して矢印Aのようにプラズマを照射し、表面活性化する。
一方、図2(a)に示すように、支持基板4の表面4aに酸化珪素膜5を形成する。次いで、図2(b)に示すように、酸化珪素膜5の表面に対して矢印Aのようにプラズマを照射することによって表面活性化し、活性化面6を形成する。
次いで、図3(a)に示すように、圧電性材料基板1上の活性化面3と、支持基板4上の酸化珪素膜5の接合面6とを接触させ、直接接合し、接合体7を得る。この状態で、圧電性材料基板2上に電極を設けても良い。しかし、好ましくは、図3(b)に示すように、圧電性材料基板1の主面1bを加工して基板1を薄くし、薄板化された圧電性材料基板1Aを得る。1cは加工面である。次いで、図3(c)に示すように、接合体7Aの圧電性材料基板1Aの加工面1c上に所定の電極8を形成し、弾性波素子10を得ることができる。
以下、本発明の各構成要素について順次述べる。
支持基板の材質は特に限定されないが、好ましくは、シリコン、水晶、サイアロン、ムライト、サファイアおよび透光性アルミナからなる群より選ばれた材質からなる。これによって、弾性波素子の周波数の温度特性を一層改善することができる。
支持基板上には酸化珪素膜を形成する。この酸化珪素膜の成膜方法は限定されないが、スパッタリング、化学的気相成長法(CVD)、蒸着を例示できる。好ましくは支持基板がシリコン基板であり、この場合にはシリコン基板表面への酸素のスパッタリングやイオン注入、酸化雰囲気下での加熱によって酸化珪素膜を形成できる。
酸化珪素膜の厚さは、本発明の観点からは、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることが更に好ましく、0.3μm以上であることが特に好ましい。また、酸化珪素膜の厚さは、3μm以下であることが好ましく、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下が更に好ましい。
本発明で用いる圧電性材料基板は、タンタル酸リチウム(LT)単結晶、ニオブ酸リチウム(LN)単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体とする。これらは弾性波の伝搬速度が速く、電気機械結合係数が大きいため、高周波数且つ広帯域周波数用の弾性表面波デバイスとして適している。
また、圧電性材料基板の主面の法線方向は、特に限定されないが、例えば、圧電性材料基板がLTからなるときには、弾性表面波の伝搬方向であるX軸を中心に、Y軸からZ軸に32〜50°回転した方向のもの、オイラー角表示で(180°,58〜40°,180°)、を用いるのが伝搬損失が小さいため好ましい。圧電性材料基板がLNからなるときには、弾性表面波の伝搬方向であるX軸を中心に、Z軸から-Y軸に37.8°回転した方向のもの、オイラー角表示で(0°,37.8°,0°)を用いるのが電気機械結合係数が大きいため好ましい。更に、圧電性材料基板の大きさは、特に限定されないが、例えば、直径100〜200mm,厚さが0.15〜1μmである。
本発明では、圧電性材料基板の接合面に、タンタルおよびニオブからなる群より選ばれた一種以上の原子からなる厚さ0.1〜0.8nmの原子層を設ける。例えばタンタルの原子半径は約0.15nmであり、タンタル単原子層の厚さは約0.30nmである。ゆえに、本発明によって形成する原子層は、面内で平均すると単原子層に至らない程度に原子が接合面に付着した状態から、3原子層程度までの極めて薄いものであることを必要とする。このように極めて薄い原子層であると、圧電性材料基板と酸化珪素膜との接合界面に沿ってTa(Nb)−O−Si結合やSi−O−Si結合の生成を促進し、圧電性材料基板と支持基板との接合強度が著しく向上することを見いだした。
本発明の観点からは、圧電性材料基板の接合面上に形成する原子層の厚さは、0.2nm以上が更に好ましく、また、0.6nm以下が更に好ましい。
また、圧電性材料基板の接合面上に形成する原子層は、タンタル原子のみから構成されていてよく、ニオブ原子のみから構成されていてよい。あるいはこれらの中から選択された二種類の原子から構成されていてもよい。
原子層はスパッタリング法またはイオンアシスト蒸着法によって形成することが好ましい。この方法では、目的原子からなるターゲットを用いて、原子を接合面上に付着させる。このとき、本発明では、単原子層を構成するまでには至らない密度で原子が接合面上に付着している場合も原子層と規定する。なお、原子層の厚さは、実施例に記載の方法によって決定する。
圧電性材料基板の接合面、支持基板上の酸化珪素層の接合面を直接接合に供する場合には、これらを平坦化加工し、次いで活性化することが好ましい。各接合面を平坦化する方法は、ラップ(lap)研磨、化学機械研磨加工(CMP)などがある。また、平坦面は、Ra≦1nmが好ましく、0.3nm以下にすると更に好ましい。
次いで、各接合面を活性化する方法としては、好ましくは、プラズマ照射法によって表面活性化する。好適な実施形態においては、低真空中(〜10Pa)で接合面にプラズマ(N2、O2、Arなど)を照射し、表面を活性化させる。照射後、大気中に出し接合面同士を接触させ、接合する。接合後に、200〜300℃で加熱をし、接合強度を向上させる。
本発明の接合体は、弾性波素子に対して好適に利用できる。
弾性波素子としては、弾性表面波デバイスやラム波素子、薄膜共振子(FBAR)などが知られている。例えば、弾性表面波デバイスは、圧電性材料基板の表面に、弾性表面波を励振する入力側のIDT(Interdigital Transducer)電極(櫛形電極、すだれ状電極ともいう)と弾性表面波を受信する出力側のIDT電極とを設けたものである。入力側のIDT電極に高周波信号を印加すると、電極間に電界が発生し、弾性表面波が励振されて圧電性材料基板上を伝搬していく。そして、伝搬方向に設けられた出力側のIDT電極から、伝搬された弾性表面波を電気信号として取り出すことができる。
圧電性材料基板上の電極パターンを構成する材質は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、金が好ましく、アルミニウムまたはアルミニウム合金がさらに好ましい。アルミニウム合金は、Alに0.3から5重量%のCuを混ぜたものを使用するのが好ましい。この場合、CuのかわりにTi、Mg、Ni、Mo、Taを使用しても良い。
(実験A)
図1〜図3を参照しつつ説明した方法に従い、図3(b)に示す接合体7Aを作製した。
具体的には、厚さが0.2mmで両面が鏡面に研磨されている42YカットLiTaO3基板(圧電性材料基板)1と、厚みが0.5mmの高抵抗Si基板(支持基板)4を用意した。支持基板4上には、スパッタリング法により、酸化珪素層5を0.5μmの厚さで成膜した。
接合面1aとなる-Z面を上にして、圧電性材料基板1をスパッタリング装置内に設置した。スパッタリング装置は平行平板型とし、Taターゲットと圧電性材料基板表面との距離は80mmと比較的大きくした。これは、敢えて成膜レートを下げることで、成膜量を微妙にコントロールする狙いがある。チャンバー内を真空に引いた後、Arガスをチャンバー内に導入し、プラズマを発生させた。この時の放電電力は100Wとした。Taが圧電性材料基板に一様に成膜されるよう、25秒間スパッタ成膜を実施した。
ここで、Ta原子層の厚さは以下のようにして測定した。すなわち、あらかじめTaの成膜レートを以下のように調査しておいた。まず、Si基板上に、上述したスパッタ条件と同じスパッタ条件で15分間(900秒間)Taを成膜した。成膜した基板を小角に切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)でTaの厚みを実測したところ、8.0nmであった。ゆえに、上述したスパッタ条件でのTaの成膜レートは、8.0/900(nm/秒)となる。本例では、Taのスパッタ時間が25秒間であるので、Ta原子層の厚さは0.2nmとなる。
次いで、圧電性材料基板1の接合面および支持基板4上の酸化珪素層を洗浄および表面活性化した。具体的には、純水を用いた超音波洗浄を実施し、スピンドライにより基板表面を乾燥させた。次いで、それぞれ洗浄後の基板をプラズマ活性化チャンバーに導入し、窒素ガスプラズマで各接合面を40秒間活性化した。次いで、表面活性化中に付着したパーティクルを除去する目的で、上述と同じ超音波洗浄、スピンドライを再度実施した。
次いで、各基板の位置合わせを行い、室温で両基板の活性化した面同士を接触させた。圧電性材料基板1側を上にして接触させたので、基板同士の密着が広がる様子(いわゆるボンディングウェーブ)が観測され、良好に予備接合が行われたことが確認できた。この時点での接合強度は弱いため、接合強度を増すことを目的に窒素雰囲気のオーブンに投入し、120℃で10時間保持した。更に高温のオーブンに投入する前に、熱応力による基板の破損を防ぐため基板を中心からの放射線に沿う形で8等分した。
オーブンから取り出した8個の接合体に対して、ブレードテスト(Semiconductor
Wafer Bonding, Q.-Y. Tong & U. Goesele, p25)による接合強度の評価を実施した。タンタル酸リチウム、シリコンのそれぞれの物性値とブレードの挿入距離から強度を計算したところ、8回の平均で、2.7J/mの接合強度が得られていることが分かった。
次いで、上記と同様の接合条件で、別の接合体を更に用意した。そして、この接合体のタンタル酸リチウムからなる圧電性材料基板表面を研削および研磨加工し、薄くすることを試みた。この結果、圧電性材料基板の厚さが2μmとなるまで、支持基板から剥離することなく、研磨可能であった。このことから本発明により研磨加工に耐えうる接合強度が実現できることが分かった。
次いで、上記と同様にして、表1に示す各例の接合体を更に作製した。ただし、Taの成膜時間を種々変更することによって、各Ta原子層の厚さをそれぞれ0.04、0.1、0.2、0.4、0.8、1.0、1.6nmに変化させた。他は上記した例と同様にして各例の接合体を作製し、接合強度を測定すると共に、研磨加工を実施した。ただし、研磨加工は、圧電性材料基板の厚さが2μmに達するまで継続した。結果を表1に示す。
表1の結果から、圧電性材料基板上にタンタル原子からなる厚さ0.1〜0.8nmの原子層を設けることで、支持基板上の酸化珪素層に対する接合強度が著しく向上し、また研磨加工時に剥離が生じないことがわかった。
更に、比較例として、Taを成膜していない圧電性材料基板を用いる以外は、上述の実施例と全く同じ条件で接合基板を作成した。この結果、接合体の接合強度は1.3J/mと実施例に比べて低かった。また,接合体の圧電性材料基板に対して研磨加工を行ったところ、圧電性材料基板の厚さが約12μmに達したところで接合体の端部が剥離した。更に薄くしていくと剥離面積が一気に増大した。この結果も表1に示す。
Figure 0006668292

(実験B)
実験Aにおいて、圧電性材料基板の材質をニオブ酸リチウムに変更し、また、圧電性材料基板の接合面には、TaではなくNbターゲットを使用し、Nbをスパッタリングにより付着させた。そして、実験Aと同様にして、Nbの成膜時間を変更することによって、Nb原子層の厚さを表2に示すように変更した。
得られた各接合体について、実験Aと同様にして、接合強度および研磨加工時の剥離の有無を測定した。結果を表2に示す。タンタル酸リチウムの場合と比べて接合強度は一様に少し低くなったが、Nb原子層の厚みの好適範囲は、Ta原子相を設けた実施例1と同じ傾向を示すことが分かった。
Figure 0006668292


Claims (11)

  1. ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウムからなる群より選ばれた材質からなる圧電性材料基板と、酸化珪素層が設けられた支持基板とを接合する方法であって、
    前記圧電性材料基板上に、タンタルおよびニオブからなる群より選ばれた一種以上の原子のみからなる厚さ0.1〜0.8nmの原子層を設ける工程、および
    前記圧電性材料基板の接合面を前記酸化珪素層に対して接合する工程
    を有することを特徴とする、圧電性材料基板の接合方法。
  2. 前記圧電性材料基板の前記接合面を前記酸化珪素層に対して接合した後、前記圧電性材料基板の厚さを研磨によって小さくすることを特徴とする、請求項1記載の圧電性材料基板の接合方法。
  3. 前記圧電性材料基板の前記接合面に対してスパッタリング法または蒸着法によって前記原子層を設けることを特徴とする、請求項1または2記載の圧電性材料基板の接合方法。
  4. 前記圧電性材料基板の前記接合面にプラズマを照射して活性化した後で、前記圧電性材料基板の前記接合面を前記酸化珪素層に対して接合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の圧電性材料基板の接合方法。
  5. 前記酸化珪素層に対してプラズマを照射して活性化した後で、前記圧電性材料基板の前記接合面を前記酸化珪素層に対して接合することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の圧電性材料基板の接合方法。
  6. 前記支持基板が、シリコン、水晶、サイアロン、ムライト、サファイアおよび透光性アルミナからなる群より選ばれた材質からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の圧電性材料基板の接合方法。
  7. 支持基板、
    支持基板上に設けられた酸化珪素層、
    ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウムからなる群より選ばれた材質からなる圧電性材料基板、および
    前記圧電性材料基板上に設けられた、タンタルおよびニオブからなる群より選ばれた一種以上の原子のみからなる厚さ0.1〜0.8nmの原子層
    を備えており、前記圧電性材料基板の接合面が前記酸化珪素層に対して接合されていることを特徴とする、圧電性材料基板の接合体。
  8. 前記圧電性材料基板の前記接合面がプラズマによって活性化されていることを特徴とする、請求項7記載の接合体。
  9. 前記酸化珪素層がプラズマによって活性化されていることを特徴とする、請求項7または8記載の接合体。
  10. 前記支持基板が、シリコン、水晶、サイアロン、ムライト、サファイアおよび透光性アルミナからなる群より選ばれた材質からなることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つの請求項に記載の接合体。
  11. 請求項7〜10のいずれか一つの請求項に記載の接合体、および
    前記圧電性材料基板上に設けられた電極
    を備えていることを特徴とする、弾性波素子。
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