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JP6659652B2 - 加工条件調整装置及び機械学習装置 - Google Patents

加工条件調整装置及び機械学習装置 Download PDF

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Description

本発明は、加工条件調整装置及び機械学習装置に関し、特に複数の工作機械の加工条件を決定する運転計画装置及び機械学習装置に関する。
一般的に工作機械を使用して部品の加工を行うユーザが多量の量産部品などを加工する場合には、生産性を重視してより短いサイクルタイムで加工することを重要視して、加工精度を維持できる範囲内でより加工時間が短くなるように厳しい加工条件で加工を行う。しかしながら、複数台の工作機械で構成されたラインで加工工程をそれぞれの工作機械に分割して部品の加工をする場合、最もサイクルタイムが長い工作機械がボトルネックとなり、他の工作機械のサイクルタイムを短縮したとしても全体的なサイクルタイムを短くすることができない。
例えば、図8に示すように、4つの工作機械で順に加工を行い最終的な製品を作成するラインにおいて、工程2での加工等に掛かる時間であるサイクルタイム2が最も長い場合、工程2で用いる工作機械による前の加工が完了していなければ工程1で加工されたワークを加工することができないため、たとえ工程1での加工等に掛かる時間であるサイクルタイム1が短くなるように工程1で用いる工作機械に対して厳しい加工条件を設定したとしても、工程1と工程2の間に工程2での加工待ちのワークが増えるだけでライン全体でのサイクルタイムが大幅に短くなることは無い。また、工程3での加工対象となるワークは工程2での加工が終わらなければ流れてこないので、たとえ工程3での加工等に係る時間であるサイクルタイム3が短くなるように工程3で用いる工作機械に対して厳しい加工条件を設定したとしても、工程3の工作機械の加工の空き時間が増えるだけでやはりライン全体でのサイクルタイムが大幅に短くなることは無い。そこで、このようなラインでは最もサイクルタイムが長い工作機械に合わせたサイクルタイムで加工するように他の工作機械の加工条件を抑え、その分サイクルタイムの短縮以外の目的(例えば、加工精度の向上、工具等の寿命の維持、消費電力の低減等)で加工条件を調整することが行われる。
加工条件を調整するための従来技術として、例えば特許文献1には、工作機械全体の消費電力量を最適に抑える技術が開示されている。
特許第4643725号公報
例えば消費電力の低減を重視して加工条件を調整する場合、一般的には切削送り速度や主軸回転数を落とす等の変更を加工条件に加える。しかしながら、加工プログラムに基づく加工運転では、フライス加工、ドリル加工、タップ加工、その他にも様々な加工が様々な加工工具によって行われており、それぞれの加工方法、加工に用いる工具等によって消費される電力量は異なる。また、消費電力の低減を目的として加減速を遅くした結果、軸の移動時間が延びて全体的な消費電力が多くなる、等といった様に、消費電力量には様々な条件が複雑に関係しているため、いずれの加工条件をどのように変更すれば、複数台の工作機械で構成されたラインにおけるサイクルタイムの余裕時間の中で最も効果的に消費電力の低減が出来るのかを知ることは難しい。
そこで本発明の目的は、複数台の工作機械で構成されたラインにおけるサイクルタイムの余裕時間を有効に活用できるような加工条件の調整が可能な加工条件調整装置及び機械学習装置を提供することである。
本発明では、複数の製造機械の加工条件を設定する加工条件調整装置に対して、製造機械の加工に用いられる工具毎の加工条件(主軸回転数、切削送り速度等)、サイクルタイム等の状態データに基づいて消費電力及びサイクルタイムを考慮した学習モデルを構築する機械学習装置を導入する。本発明の加工条件調整装置では、機械学習器による学習結果としての学習モデルを用いて、製造機械から得られる状態データに基づいた加工条件の調整を行い、調整した加工条件に基づく加工運転を実行した結果の消費電力及びサイクルタイムを判定データとして加工条件の調整内容を評価することができる。
そして、本発明の一態様は、ラインを構成する複数の製造機械の加工条件を調整する加工条件調整装置であって、前記製造機械に対する前記加工条件の調整を学習する機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記製造機械による加工に用いられる使用工具毎の加工条件を示す加工条件データ、及び前記製造機械の1回の加工のサイクルタイムに係るサイクルタイムデータを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記加工条件の調整が実施された場合における前記製造機械による1回の加工の適否判定結果を示す判定データを取得する判定データ取得部と、前記状態変数と前記判定データとを用いて、前記加工条件データ及び前記サイクルタイムデータと、前記加工条件の調整とを関連付けて学習する学習部と、を備え、前記加工条件の調整は、前記製造機械による一回の加工のサイクルタイムが、前記複数の製造機械のそれぞれの1回の加工のサイクルタイムの内で最長のサイクルタイムに近づくようにした上で消費電力を抑えるものである、加工条件調整装置である。
本発明の他の態様は、ラインを構成する複数の製造機械の加工条件の調整を学習する機械学習装置であって、前記製造機械による加工に用いられる使用工具毎の加工条件を示す加工条件データ、及び前記製造機械の1回の加工のサイクルタイムに係るサイクルタイムデータを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記加工条件の調整が実施された場合における前記製造機械による1回の加工の適否判定結果を示す判定データを取得する判定データ取得部と、前記状態変数と前記判定データとを用いて、前記加工条件データ及び前記サイクルタイムデータと、前記加工条件の調整とを関連付けて学習する学習部と、を備え、前記加工条件の調整は、前記製造機械による一回の加工のサイクルタイムが、前記複数の製造機械のそれぞれの1回の加工のサイクルタイムの内で最長のサイクルタイムに近づくようにした上で消費電力を抑えるものである、機械学習装置である。
本発明により、複数の製造機械を使用した加工ラインにおいて、最も長いサイクルタイムの製造機械と同等またはより短いサイクルタイムを目標として、その他の製造機械の加工を最も消費電力を抑えた加工条件で行うことができ、結果加工ライン全体として省エネルギーに繋がる。
第1の実施形態による加工条件調整装置の概略的なハードウェア構成図である。 第1の実施形態による加工条件調整装置の概略的な機能ブロック図である。 加工条件データについて説明する図である。 加工条件調整装置の一形態を示す概略的な機能ブロック図である。 機械学習方法の一形態を示す概略的なフローチャートである。 ニューロンを説明する図である。 ニューラルネットワークを説明する図である。 加工条件調整装置を組み込んだシステムの一形態を示す概略的な機能ブロック図である。 製造機械のラインにおいて発生する課題について説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は第1の実施形態による加工条件調整装置の要部を示す概略的なハードウェア構成図である。加工条件調整装置1は、例えば工作機械等の製造機械を制御する制御装置の一部として実装することができる。また、加工条件調整装置1は、例えばセルコンピュータやホストコンピュータ、クラウドサーバ等の、ネットワークを介して製造機械と接続されるコンピュータの一部として実装することができる。本実施形態による加工条件調整装置1が備えるCPU11は、加工条件調整装置1を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステム・プログラムをバス20を介して読み出し、該システム・プログラムに従って加工条件調整装置1全体を制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ、図示しない入力部を介してオペレータが入力した各種データ等が一時的に格納される。
不揮発性メモリ14は、例えば図示しないバッテリでバックアップされるなどして、加工条件調整装置1の電源がオフされても記憶状態が保持されるメモリとして構成される。不揮発性メモリ14には、図示しない入力部を介してオペレータが入力した各種データや、有線/無線のネットワーク172に接続された製造機械70からインタフェース18を介して取得された各種データ(例えば、製造機械70が実行する加工プログラムや、製造機械70で検出された消費電力乃至消費電流等)、図示しないインタフェースを介して入力されたプログラムなどが記憶されている。不揮発性メモリ14に記憶されたプログラムや各種データは、実行時/利用時にはRAM13に展開されても良い。また、ROM12には、公知の解析プログラムなどの各種のシステム・プログラム(後述する機械学習装置100とのやりとりを制御するためのシステム・プログラムを含む)があらかじめ書き込まれている。
製造機械70は、加工条件調整装置1が消費電力の調整の対象としているラインを構成するものである。製造機械70は、例えば工作機械、放電加工機、射出成形機等の加工機であって良い。製造機械70は、CPU11からの指令をインタフェース18、ネットワーク172を介して受け、加工運転時に用いられる加工条件等を設定することが出来るようになっている。また、製造機械70は、加工運転に用いられる加工プログラム、各部に設けられた電力測定装置、電流測定装置等により測定された測定値をネットワーク172,インタフェース18を介してCPU11へと通知する。
インタフェース21は、加工条件調整装置1と機械学習装置100とを接続するためのインタフェースである。機械学習装置100は、機械学習装置100全体を統御するプロセッサ101と、システム・プログラム等を記憶したROM102、機械学習に係る各処理における一時的な記憶を行うためのRAM103、及び学習モデル等の記憶に用いられる不揮発性メモリ104を備える。機械学習装置100は、インタフェース21を介して加工条件調整装置1で取得可能な各情報(例えば、製造機械70が実行する加工プログラムや、製造機械70で検出された消費電力乃至消費電流等)を観測することができる。また、加工条件調整装置1は、機械学習装置100から出力される、製造機械70の加工条件の調整指令を受けて、製造機械70を制御する。
図2は、第1の実施形態による加工条件調整装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。図2に示した各機能ブロックは、図1に示した加工条件調整装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、加工条件調整装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
本実施形態の加工条件調整装置1は、機械学習装置100から出力された調整指令に基づいて製造機械70の加工運転における加工条件を調整する加工条件調整部34を備える。加工条件調整部34が調整する製造機械70の加工運転における加工条件は、例えば、製造機械70で行われる加工運転における使用工具毎の主軸回転数や切削送り速度等が例示されるが、これに限定されるものではなく、製造機械70が備える機能や仕様等によって調整可能な加工条件を出力できるようにしても良い。
本実施形態の機械学習装置100は、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件に対する、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を、いわゆる機械学習により自ら学習するためのソフトウェア(学習アルゴリズム等)及びハードウェア(プロセッサ101等)を含む。加工条件調整装置1が備える機械学習装置100が学習するものは、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムと、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整との、相関性を表すモデル構造に相当する。
図2に機能ブロックで示すように、加工条件調整装置1が備える機械学習装置100は、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件を示す加工条件データS1、及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムに係るサイクルタイムデータS2を含む環境の現在状態を表す状態変数Sとして観測する状態観測部106と、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整が実施された場合における製造機械70による加工運転で消費される電力を示す消費電力データD1及び製造機械70による加工運転におけるサイクルタイムを示すサイクルタイム判定データD2を含む判定データDを取得する判定データ取得部108と、状態変数Sと判定データDとを用いて、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件に、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を関連付けて学習する学習部110とを備える。
状態観測部106が観測する状態変数Sのうち、加工条件データS1は、製造機械70による加工運転に用いられる使用工具毎の加工条件のセットとして取得することができる。製造機械70による加工運転に用いられる使用工具毎の加工条件としては、主軸回転数や切削送り速度等が例示される。製造機械70による加工運転に用いられる使用工具毎の加工条件は、製造機械70で実行される加工プログラムや、製造機械70に設定されたパラメータ等から取得できる。例えば、図3に例示される加工プログラムから加工条件データS1を取得する場合、加工プログラムを解析し、工具交換指令から加工に用いられる工具を特定し、また、主軸速度指令S、送り速度指令F等からそれぞれの工具による加工の主軸速度及び切削送り速度を特定すれば良く、また、加工プログラム内に明示的に指定されていない加工条件については製造機械70に設定されたパラメータ等から取得することができる(図3の例では、パラメータに主軸回転数のデフォルト値aaaa、送り速度のデフォルト値bbbbが設定されており、この値が工具1の加工条件として特定される)。このようにして得られた製造機械70で加工に用いられる各工具の加工条件に係るデータの組を加工条件データS1として用いればよい。
状態観測部106が観測する状態変数Sのうち、サイクルタイムデータS2は、製造機械70による1回の加工のサイクルタイムとして取得することができる。サイクルタイムデータS2は、製造機械70による1回の加工のサイクルタイムとしても良く、また、製造機械70による1回の加工のサイクルタイムとラインを構成する複数の製造機械のそれぞれのサイクルタイムの内で最も長いサイクルタイム(以下、最長サイクルタイムとする)との差分(余裕時間)としても良い。更に、サイクルタイムデータS2には、それぞれの使用工具による個々のサイクルタイムの行列値を追加しても良い。
加工条件データS1及びサイクルタイムデータS2は、ラインを構成する各製造機械70からオンラインで取得することができる。また、加工条件データS1及びサイクルタイムデータS2は、過去に行われた加工において用いられた加工プログラムから取得するようにしても良い。後者の場合、リアルタイムで消費電力やサイクルタイムの妥当性を判定することはできないが、例えば公知のシミュレーション装置を併用し、シミュレーションの結果から消費電力やサイクルタイムの推定値を取得して学習を進めることができる。
加工条件データS1は、機械学習装置100が学習部110の学習結果に基づいて1つ前の学習周期に製造機械70で用いられていた各工具の加工条件に対して、当該学習周期において決定した製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を適用した結果をそのまま用いることができ、このような手法を取る場合には、機械学習装置100は加工条件データS1に対して製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整した結果を学習周期毎にRAM103に一時的に記憶しておき、状態観測部106は、RAM103から1つ前の学習周期における加工条件データS1に対して機械学習装置100が決定した製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を適用した値を今学習周期の加工条件データS1として取得するようにしても良い。
判定データ取得部108は、消費電力データD1として、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整が実施された場合における製造機械70による加工運転で消費される電力を用いることができる。判定データ取得部108が用いる消費電力データD1としては、製造機械70に取り付けられた電力測定装置や電流測定装置から取得された測定値に基づいて算出された製造機械70の1回の加工において消費された電力値を用いるようにしても良い。消費電力データD1は、例えば予め定めた基準消費電力値と比較して消費電力をどれだけ下げることができたかを示す指標として用いても良い。または、消費電力データD1は、1つ前の学習周期において行われた加工時の消費電力と比較して、今回の学習周期において行われた加工時の消費電力をどれだけ下げることができたかを示す指標として用いても良い。
また、判定データ取得部108は、サイクルタイム判定データD2として、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整が実施された場合における製造機械70による加工運転におけるサイクルタイムを用いることができる。判定データ取得部108が用いるサイクルタイム判定データD2としては、製造機械70において計測された1回の加工に掛かった時間を用いるようにしても良い。サイクルタイム判定データD2は、ラインに接続された複数の製造機械70のそれぞれで最初の加工において計測された1回の加工に掛かるサイクルタイム(個別の製造機械70のサイクルタイム)の内で最も長いサイクルタイム(最長サイクルタイム)に対して、どれだけ近づけることができたかを示す指標として用いても良い。
学習部110に対して同時に入力される状態変数Sは、学習部110による学習周期で考えた場合、判定データDが取得された1学習周期前のデータに基づくものとなる。このように、加工条件調整装置1が備える機械学習装置100が学習を進める間、環境においては、加工条件データS1及びサイクルデータS2の取得、加工条件データS1及びサイクルデータS2に基づいた製造機械70の加工条件の調整の実行、判定データDの取得が繰り返し実施される。
学習部110は、機械学習と総称される任意の学習アルゴリズムに従い、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムに対する、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を学習する。学習部110は、前述した状態変数Sと判定データDとを含むデータ集合に基づく学習を反復実行することができる。製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムに対する製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整の学習サイクルの反復中、状態変数Sのうち、加工条件データS1は、上記したように1学習周期前において加工条件の調整が為された各工具の加工条件から取得し、サイクルタイムデータS2は調整された加工条件の下での加工時間を計測することで取得し、また判定データDは、調整された加工条件に基づいて行われた1回の加工の適否判定結果とする。
このような学習サイクルを繰り返すことにより、学習部110は、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムと該状態に対する製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整との相関性を暗示する特徴を自動的に識別することができる。学習アルゴリズムの開始時には製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムと、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整との相関性は実質的に未知であるが、学習部110は、学習を進めるに従い徐々に特徴を識別して相関性を解釈する。製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムと製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整との相関性が、ある程度信頼できる水準まで解釈されると、学習部110が反復出力する学習結果は、現在状態(つまり製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイム)に対して、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整をどうするべきかという行動の選択(つまり意思決定)を行うために使用できるものとなる。つまり学習部110は、学習アルゴリズムの進行に伴い、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムと、当該状態に対して製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整をどのような値とするべきかという行動との、相関性を最適解に徐々に近づけることができる。
調整指令出力部122は、学習部110が学習した結果に基づいて、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を決定し、決定した調整の内容を指令として加工条件調整部34へと出力する。調整指令出力部122は、学習部110による学習が完了した状態において、機械学習装置100に製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件が入力されると、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整の指令を出力する。
上記したように、加工条件調整装置1が備える機械学習装置100は、状態観測部106が観測した状態変数Sと判定データ取得部108が取得した判定データDとを用いて、学習部110が機械学習アルゴリズムに従い、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を学習するものである。状態変数Sは、加工条件データS1、サイクルタイムデータS2といったデータで構成され、また判定データDは、加工条件調整装置1が製造機械70から取得した情報を解析することで一義的に求められる。したがって、加工条件調整装置1が備える機械学習装置100によれば、学習部110の学習結果を用いることで、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムに応じた、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を、自動的かつ正確に行うことが可能となる。
そして、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を、自動的に行うことができれば、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件(加工条件S1)及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイム(サイクルタイムデータS2)を把握するだけで、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整の適切な値を迅速に決定することができる。したがって、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整の決定を効率よく行うことができる。
加工条件調整装置1が備える機械学習装置100の一変形例として、状態観測部106は状態変数Sとして、更に製造機械70による1回の加工における工具毎の加工量を示す加工量データS3を観測するようにしても良い。加工量データS3は、例えば加工プログラムの解析結果に基づいて、工具毎に切削送りの距離の合計を算出した値としてもよい。
上記変形例によれば、機械学習装置100は、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件(加工条件データS1)、製造機械70による1回の加工のサイクルタイム(サイクルタイムデータS2)及び製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工量(加工量データS3)に対して、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を決定することができるようになり、より精度の高い加工条件の調整を行わせることができるようになる。
加工条件調整装置1が備える機械学習装置100の他の変形例として、状態観測部106は状態変数Sとして、更に製造機械70による1回の加工における工具毎の加減速回数を示す加減速データS4を観測するようにしても良い。加減速データS4は、加工プログラムの解析結果に基づいて、工具毎に切削送りの回数×2(加速と減速)の合計を算出した値としてもよい。
上記変形例によれば、機械学習装置100は、他の状態変数S及び製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加減速(加減速データS4)に対して、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を決定することができるようになり、より精度の高い加工条件の調整を行わせることができるようになる。
上記構成を有する機械学習装置100では、学習部110が実行する学習アルゴリズムは特に限定されず、機械学習として公知の学習アルゴリズムを採用できる。図4は、図2に示す加工条件調整装置1の一形態であって、学習アルゴリズムの一例として強化学習を実行する学習部110を備えた構成を示す。強化学習は、学習対象が存在する環境の現在状態(つまり入力)を観測するとともに現在状態で所定の行動(つまり出力)を実行し、その行動に対し何らかの報酬を与えるというサイクルを試行錯誤的に反復して、報酬の総計が最大化されるような方策(本願の機械学習装置では製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整)を最適解として学習する手法である。
図4に示す加工条件調整装置1が備える機械学習装置100において、学習部110は、状態変数Sに基づいて製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整が実施された場合における製造機械70による1回の加工の適否判定結果(状態変数Sが取得された次の学習周期で用いられる判定データDに相当)に関連する報酬Rを求める報酬計算部112と、報酬Rを用いて、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整の価値を表す関数Qを更新する価値関数更新部114とを備える。学習部110は、価値関数更新部114が関数Qの更新を繰り返すことによって製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムに対する製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を学習する。
学習部110が実行する強化学習のアルゴリズムの一例を説明する。この例によるアルゴリズムは、Q学習(Q−learning)として知られるものであって、行動主体の状態sと、その状態sで行動主体が選択し得る行動aとを独立変数として、状態sで行動aを選択した場合の行動の価値を表す関数Q(s,a)を学習する手法である。状態sで価値関数Qが最も高くなる行動aを選択することが最適解となる。状態sと行動aとの相関性が未知の状態でQ学習を開始し、任意の状態sで種々の行動aを選択する試行錯誤を繰り返すことで、価値関数Qを反復して更新し、最適解に近付ける。ここで、状態sで行動aを選択した結果として環境(つまり状態s)が変化したときに、その変化に応じた報酬(つまり行動aの重み付け)rが得られるように構成し、より高い報酬rが得られる行動aを選択するように学習を誘導することで、価値関数Qを比較的短時間で最適解に近付けることができる。
価値関数Qの更新式は、一般に下記の数1式のように表すことができる。数1式において、st及びatはそれぞれ時刻tにおける状態及び行動であり、行動atにより状態はst+1に変化する。rt+1は、状態がstからst+1に変化したことで得られる報酬である。maxQの項は、時刻t+1で最大の価値Qになる(と時刻tで考えられている)行動aを行ったときのQを意味する。α及びγはそれぞれ学習係数及び割引率であり、0<α≦1、0<γ≦1で任意設定される。
Figure 0006659652
学習部110がQ学習を実行する場合、状態観測部106が観測した状態変数S及び判定データ取得部108が取得した判定データDは、更新式の状態sに該当し、現在状態(つまり、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイム)に対する製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整をどのように決定するべきかという行動は、更新式の行動aに該当し、報酬計算部112が求める報酬Rは、更新式の報酬rに該当する。よって価値関数更新部114は、現在状態に対する製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整の価値を表す関数Qを、報酬Rを用いたQ学習により繰り返し更新する。
報酬計算部112が求める報酬Rは、例えば、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を決定した後に決定した加工条件の調整に基づいて製造機械70の加工条件の調整が為された時に、製造機械70による1回の加工の適否判定結果が「適」と判定される場合(例えば、製造機械70での1回の加工における消費電力が予め定めた基準消費電力と比べて下がった場合、製造機械70での1回の加工における消費電力が調整前の加工条件に基づく製造機械70での1回の加工における消費電力と比べて下がった場合、製造機械70での1回の加工におけるサイクルタイムが最長サイクルタイムに近づいた場合等)に正(プラス)の報酬Rとし、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を決定した後に決定した加工条件の調整に基づいて製造機械70の加工条件の調整が為された時に、製造機械70の稼働状態の適否判定結果が「否」と判定される場合(例えば、製造機械70での1回の加工における消費電力が予め定めた基準消費電力を上回った場合、製造機械70での1回の加工における消費電力が調整前の加工条件に基づく製造機械70での1回の加工における消費電力を上回った場合、製造機械70での1回の加工におけるサイクルタイムが最長サイクルタイムから遠ざかった場合等)に負(マイナス)の報酬Rとすることができる。正負の報酬Rの絶対値は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。また、判定の条件として、判定データDに含まれる複数の値を組み合わせて判定するようにしても良い。
また、製造機械70による1回の加工の適否判定結果を、「適」及び「否」の二通りだけでなく複数段階に設定することができる。例として、製造機械70での1回の加工における基準消費電力がPmaxの場合、製造機械70での1回の加工における消費電力Pが、0≦P<Pmax/5のときは報酬R=5を与え、Pmax/5≦P<Tmax/2のときは報酬R=3を与え、Pmax/2≦P<Pmaxのときは報酬R=2を、Pmax≦Pのときは報酬R=1を与えるような構成とすることができる。また、例えば製造機械70での1回の加工におけるサイクルタイムが最長サイクルタイムを上回った場合等には、大きなマイナス報酬を与える、といったように、学習の目的に合せて報酬の付与を適宜調整しても良い。更に、学習の初期段階はPmaxを比較的大きく設定し、学習が進行するにつれてPmaxを縮小する構成とすることもできる。
価値関数更新部114は、状態変数Sと判定データDと報酬Rとを、関数Qで表される行動価値(例えば数値)と関連付けて整理した行動価値テーブルを持つことができる。この場合、価値関数更新部114が関数Qを更新するという行為は、価値関数更新部114が行動価値テーブルを更新するという行為と同義である。Q学習の開始時には環境の現在状態と製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整との相関性は未知であるから、行動価値テーブルにおいては、種々の状態変数Sと判定データDと報酬Rとが、無作為に定めた行動価値の値(関数Q)と関連付けた形態で用意されている。なお報酬計算部112は、判定データDが分かれば、これに対応する報酬Rを直ちに算出でき、算出した値Rが行動価値テーブルに書き込まれる。
製造機械70の稼働状態の適否判定結果に応じた報酬Rを用いてQ学習を進めると、より高い報酬Rが得られる行動を選択する方向へ学習が誘導され、選択した行動を現在状態で実行した結果として変化する環境の状態(つまり状態変数S及び判定データD)に応じて、現在状態で行う行動についての行動価値の値(関数Q)が書き換えられて行動価値テーブルが更新される。この更新を繰り返すことにより、行動価値テーブルに表示される行動価値の値(関数Q)は、適正な行動(本発明の場合、より製造機械70による一回の加工のサイクルタイムを最長サイクルタイムに近づくようにした上で消費電力を抑える行動)ほど大きな値となるように書き換えられる。このようにして、未知であった環境の現在状態(製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイム)とそれに対する行動(製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整)との相関性が徐々に明らかになる。つまり行動価値テーブルの更新により、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件及び製造機械70による1回の加工のサイクルタイムと、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整との関係が最適解に徐々に近づけられる。
図5を参照して、学習部110が実行する上記したQ学習のフロー(つまり機械学習方法の一形態)をさらに説明する。まずステップSA01で、価値関数更新部114は、その時点での行動価値テーブルを参照しながら、状態観測部106が観測した状態変数Sが示す現在状態で行う行動として製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を無作為に選択する。次に価値関数更新部114は、ステップSA02で、状態観測部106が観測している現在状態の状態変数Sを取り込み、ステップSA03で、判定データ取得部108が取得している現在状態の判定データDを取り込む。次に価値関数更新部114は、ステップSA04で、判定データDに基づき、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整が適当であったか否かを判断し、適当であった場合、ステップSA05で、報酬計算部112が求めた正の報酬Rを関数Qの更新式に適用し、次いでステップSA06で、現在状態における状態変数S及び判定データDと報酬Rと行動価値の値(更新後の関数Q)とを用いて行動価値テーブルを更新する。ステップSA04で、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整が適当でなかったと判断した場合、ステップSA07で、報酬計算部112が求めた負の報酬Rを関数Qの更新式に適用し、次いでステップSA06で、現在状態における状態変数S及び判定データDと報酬Rと行動価値の値(更新後の関数Q)とを用いて行動価値テーブルを更新する。学習部110は、ステップSA01〜SA07を繰り返すことで行動価値テーブルを反復して更新し、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整の学習を進行させる。なお、ステップSA04からステップSA07までの報酬Rを求める処理及び価値関数の更新処理は、判定データDに含まれるそれぞれのデータについて実行される。
前述した強化学習を進める際に、例えばニューラルネットワークを応用することができる。図6Aは、ニューロンのモデルを模式的に示す。図6Bは、図6Aに示すニューロンを組み合わせて構成した三層のニューラルネットワークのモデルを模式的に示す。ニューラルネットワークは、例えば、ニューロンのモデルを模した演算装置や記憶装置等によって構成できる。
図6Aに示すニューロンは、複数の入力x(ここでは一例として、入力x1〜入力x3)に対する結果yを出力するものである。各入力x1〜x3には、この入力xに対応する重みw(w1〜w3)が掛けられる。これにより、ニューロンは、次の数2式により表現される出力yを出力する。なお、数2式において、入力x、出力y及び重みwは、すべてベクトルである。また、θはバイアスであり、fkは活性化関数である。
Figure 0006659652
図6Bに示す三層のニューラルネットワークは、左側から複数の入力x(ここでは一例として、入力x1〜入力x3)が入力され、右側から結果y(ここでは一例として、結果y1〜結果y3)が出力される。図示の例では、入力x1、x2、x3のそれぞれに対応の重み(総称してw1で表す)が乗算されて、個々の入力x1、x2、x3がいずれも3つのニューロンN11、N12、N13に入力されている。
図6Bでは、ニューロンN11〜N13の各々の出力を、総称してz1で表す。z1は、入カベクトルの特徴量を抽出した特徴ベクトルと見なすことができる。図示の例では、特徴ベクトルz1のそれぞれに対応の重み(総称してw2で表す)が乗算されて、個々の特徴ベクトルz1がいずれも2つのニューロンN21、N22に入力されている。特徴ベクトルz1は、重みW1と重みW2との間の特徴を表す。
図6Bでは、ニューロンN21〜N22の各々の出力を、総称してz2で表す。z2は、特徴ベクトルz1の特徴量を抽出した特徴ベクトルと見なすことができる。図示の例では、特徴ベクトルz2のそれぞれに対応の重み(総称してw3で表す)が乗算されて、個々の特徴ベクトルz2がいずれも3つのニューロンN31、N32、N33に入力されている。特徴ベクトルz2は、重みW2と重みW3との間の特徴を表す。最後にニューロンN31〜N33は、それぞれ結果y1〜y3を出力する。
なお、三層以上の層を為すニューラルネットワークを用いた、いわゆるディープラーニングの手法を用いることも可能である。
加工条件調整装置1が備える機械学習装置100においては、状態変数Sと判定データDとを入力xとして、学習部110が上記したニューラルネットワークに従う多層構造の演算を行うことで、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整(結果y)を出力することができる。また、加工条件調整装置1が備える機械学習装置100においては、ニューラルネットワークをQ学習における価値関数として用い、状態変数Sと行動aとを入力xとして、学習部110が上記したニューラルネットワークに従う多層構造の演算を行うことで、当該状態における当該行動の価値(結果y)を出力することもできる。なお、ニューラルネットワークの動作モードには、学習モードと価値予測モードとがあり、例えば学習モードで学習データセットを用いて重みwを学習し、学習した重みwを用いて価値予測モードで行動の価値判断を行うことができる。なお価値予測モードでは、検出、分類、推論等を行うこともできる。
上記した加工条件調整装置1の構成は、プロセッサ101が実行する機械学習方法(或いはソフトウェア)として記述できる。この機械学習方法は、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を学習する機械学習方法であって、コンピュータのCPUが、加工条件データS1を、製造機械70の加工を行う環境の現在状態を表す状態変数Sとして観測するステップと、決定された動作パラメータに基づく製造機械70による一回の加工の適否判定結果を示す判定データDを取得するステップと、状態変数Sと判定データDとを用いて、加工条件データS1と、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整とを関連付けて学習するステップとを有する。
図7は、加工条件調整装置1を備えた一実施形態によるシステム170を示す。システム170は、セルコンピュータやホストコンピュータ、クラウドサーバ等のコンピュータの一部として実装された少なくとも1台の加工条件調整装置1と、試験の対象となる複数の製造機械70と、加工条件調整装置1、製造機械70を互いに接続する有線/無線のネットワーク172とを備える。
上記構成を有するシステム170は、機械学習装置100を備える加工条件調整装置1が、学習部110の学習結果を用いて、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件に対する、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を、それぞれの製造機械70毎に自動的かつ正確に求めることができる。また、加工条件調整装置1の機械学習装置100が、複数の製造機械70のそれぞれについて得られた状態変数S及び判定データDに基づき、全ての製造機械70に共通する製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整を学習し、その学習結果を全ての製造機械70による加工において共有するように構成できる。したがってシステム170によれば、より多様なデータ集合(状態変数S及び判定データDを含む)を入力として、製造機械70による加工に用いられる使用工具毎の加工条件の調整の学習の速度や信頼性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例のみに限定されることなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。
例えば、機械学習装置100が実行する学習アルゴリズムや演算アルゴリズム、加工条件調整装置1が実行する制御アルゴリズム等は、上述したものに限定されず、様々なアルゴリズムを採用できる。
また、上記した実施形態では加工条件調整装置1と機械学習装置100が異なるCPUを有する装置として説明しているが、機械学習装置100は加工条件調整装置1が備えるCPU11と、ROM12に記憶されるシステム・プログラムにより実現するようにしても良い。
1 加工条件調整装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 不揮発性メモリ
18,19,21 インタフェース
20 バス
34 加工条件調整部
70 製造機械
100 機械学習装置
101 プロセッサ
102 ROM
103 RAM
104 不揮発性メモリ
106 状態観測部
108 判定データ取得部
110 学習部
112 報酬計算部
114 価値関数更新部
122 調整指令出力部
170 システム
172 ネットワーク

Claims (9)

  1. ラインを構成する複数の製造機械の加工条件を調整する加工条件調整装置であって、
    前記製造機械に対する前記加工条件の調整を学習する機械学習装置を備え、
    前記機械学習装置は、
    前記製造機械による加工に用いられる使用工具毎の加工条件を示す加工条件データ、及び前記製造機械の1回の加工のサイクルタイムに係るサイクルタイムデータを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
    前記加工条件の調整が実施された場合における前記製造機械による1回の加工の適否判定結果を示す判定データを取得する判定データ取得部と、
    前記状態変数と前記判定データとを用いて、前記加工条件データ及び前記サイクルタイムデータと、前記加工条件の調整とを関連付けて学習する学習部と、
    を備え
    前記加工条件の調整は、前記製造機械による一回の加工のサイクルタイムが、前記複数の製造機械のそれぞれの1回の加工のサイクルタイムの内で最長のサイクルタイムに近づくようにした上で消費電力を抑えるものである、
    加工条件調整装置。
  2. 前記状態観測部は、更に前記製造機械による1回の加工における工具毎の加工量を示す加工量データを状態変数として観測し、
    前記学習部は、前記状態変数と前記判定データとを用いて、前記加工条件データ及び前記サイクルタイムデータと、前記加工条件の調整とを関連付けて学習する学習部と、
    請求項1に記載の加工条件調整装置。
  3. 前記状態観測部は、更に前記製造機械による1回の加工における工具毎の加減速回数を示す加減速データを状態変数として観測する、
    請求項1または2に記載の加工条件調整装置。
  4. 前記学習部は、
    前記適否判定結果に関連する報酬を求める報酬計算部と、
    前記報酬を用いて、前記加工条件データ及び前記サイクルタイムデータと、前記加工条件の調整の価値を表す関数を更新する価値関数更新部と、
    を備え、
    前記報酬計算部は、前記製造機械による一回の加工のサイクルタイムが、前記複数の製造機械のそれぞれの1回の加工のサイクルタイムの内で最長のサイクルタイムに近づくようにした上で消費電力を抑えた場合に高い報酬を与える、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の加工条件調整装置。
  5. 前記学習部は、前記状態変数と前記判定データとを多層構造で演算する、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の加工条件調整装置。
  6. ラインを構成する複数の製造機械の加工条件を調整する加工条件調整装置であって、
    前記製造機械に対する前記加工条件の調整を学習した機械学習装置を備え、
    前記機械学習装置は、
    前記製造機械による加工に用いられる使用工具毎の加工条件を示す加工条件データ、及び前記製造機械の1回の加工のサイクルタイムに係るサイクルタイムデータを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
    前記加工条件データ及び前記サイクルタイムデータと、前記加工条件の調整とを関連付けて学習した学習部と、
    前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記加工条件の調整指令を出力する調整指令出力部と
    を備え、
    前記加工条件の調整は、前記製造機械による一回の加工のサイクルタイムが、前記複数の製造機械のそれぞれの1回の加工のサイクルタイムの内で最長のサイクルタイムに近づくようにした上で消費電力を抑えるものである、
    加工条件調整装置。
  7. 前記機械学習装置は、クラウドサーバに存在する、
    請求項1〜6のいずれか1つに記載の加工条件調整装置。
  8. ラインを構成する複数の製造機械の加工条件の調整を学習する機械学習装置であって、
    前記製造機械による加工に用いられる使用工具毎の加工条件を示す加工条件データ、及び前記製造機械の1回の加工のサイクルタイムに係るサイクルタイムデータを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
    前記加工条件の調整が実施された場合における前記製造機械による1回の加工の適否判定結果を示す判定データを取得する判定データ取得部と、
    前記状態変数と前記判定データとを用いて、前記加工条件データ及び前記サイクルタイムデータと、前記加工条件の調整とを関連付けて学習する学習部と、
    を備え、
    前記加工条件の調整は、前記製造機械による一回の加工のサイクルタイムが、前記複数の製造機械のそれぞれの1回の加工のサイクルタイムの内で最長のサイクルタイムに近づくようにした上で消費電力を抑えるものである、
    機械学習装置。
  9. ラインを構成する複数の製造機械の加工条件の調整を学習した機械学習装置であって、
    前記製造機械による加工に用いられる使用工具毎の加工条件を示す加工条件データ、及び前記製造機械の1回の加工のサイクルタイムに係るサイクルタイムデータを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
    前記加工条件データ及び前記サイクルタイムデータと、前記加工条件の調整とを関連付けて学習した学習部と、
    前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記加工条件の調整指令を出力する調整指令出力部と、
    を備え、
    前記加工条件の調整は、前記製造機械による一回の加工のサイクルタイムが、前記複数の製造機械のそれぞれの1回の加工のサイクルタイムの内で最長のサイクルタイムに近づくようにした上で消費電力を抑えるものである、
    機械学習装置。
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