(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる通信システムについて説明する。図1の通信システムは、eNB(evolved Node B)10、ゲートウェイ装置20、MME(Mobility Management Entity)30、MME32、及び、UE(User Equipment)40を有している。UE40、eNB10、ゲートウェイ装置20、及び、MME30は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
eNB10は、3GPPにおいてLTE(Long Term Evolution)をサポートする基地局である。eNB10は、無線通信方式としてLTEを用いて、UE40と無線通信を行う。UE40は、3GPPにおいて用いられている移動局の総称である。
MME30及びMME32は、3GPPにおいてUE40の位置情報を管理し、さらに、UE40に関する呼処理制御を実施するノード装置である。MME30及びMME32は、コアネットワークを構成するノード装置である。また、図1においては、MME30及びMME32の2台が示されているが、3台以上のMMEが配置されてもよい。
ゲートウェイ装置20は、eNB10とMME30との間に配置され、eNB10とMME30との間において伝送される制御データを中継する。制御データは、UE40の位置情報を収集するためのデータ、さらに、呼処理制御を実行するためのデータ等であってもよい。制御データは、制御信号、制御情報、もしくは、C−Planeデータ等と称されてもよい。また、UE40が送受信するテキストデータ、画像データ、もしくは動画データ等をユーザデータと称する。ユーザデータは、ユーザ情報、もしくは、U−Planeデータ等と称されてもよい。
eNB10とMME30とは、S1AP(S1 Application Protocol)に従って通信を実行する。つまり、eNB10及びMME30は、S1APにおいて規定された制御メッセージであるS1APメッセージに各種情報を設定し、S1APメッセージを伝送する。eNB10とMME30との間は、3GPPにおいてS1リファレンスポイントとして定義されている。eNB10及びMME32も、S1APに従って通信を実行する。
続いて、ゲートウェイ装置20の構成例について説明する。ゲートウェイ装置20は、通信部21、判定部22、及び、変換部23を有している。通信部21、判定部22、及び、変換部23は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、通信部21、判定部22、及び、変換部23は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
通信部21は、eNB10、MME30、もしくはMME32から送信されたS1APメッセージを終端する。通信部21がS1APメッセージを終端するとは、通信部21がS1APメッセージに設定された情報を解析し、もしくは、S1APメッセージに設定された情報を変更等することであってもよい。通信部21は、受信したS1APメッセージを判定部22及び変換部23へ出力する。
判定部22は、S1APメッセージに関連付けられたUE40の端末種別を判定する。S1APメッセージは、UE40の位置情報を管理するため、さらに、UE40の呼処理制御を行うために用いられるメッセージである。つまり、S1APメッセージは、UE毎に伝送される。
端末種別は、例えば、UE40が実行するサービスの識別情報、UE40のトラヒック特性を定義した情報、もしくは、その他のUE40を識別するための識別情報等であってもよい。例えば、端末種別は、IoTサービスを実行する端末と、それ以外の端末とを識別する情報であってもよい。
変換部23は、eNB10から送信されたS1APメッセージに設定されている送信元アドレスをeNB10の識別子からゲートウェイ装置20の識別子Aへ変更する。識別子Aは、ゲートウェイ装置20とMME30との間、もしくは、ゲートウェイ装置20とMME32との間の通信に用いられる識別子である。
ここで、通信部21は、送信元アドレスが変換されたS1APメッセージを、端末種別に応じて決定されるMME30もしくはMME32へ送信する。例えば、MME30及びMME32は、特定の端末種別のUE40の位置情報を管理し、さらに、呼処理制御を実行する。この場合、通信部21は、判定した端末種別に関連付けられているMMEへ、S1APメッセージを送信する。言い換えると、通信部21は、端末種別に応じて、S1APメッセージを複数のMMEへ振り分ける。
以上説明したように、図1のゲートウェイ装置20は、3GPPにおいてeNB10とMME30との間の通信に用いられるS1APメッセージを終端することができる。さらに、ゲートウェイ装置20は、UE40の端末種別に応じて、S1APメッセージを複数のMMEへ振り分けることができる。
さらに、ゲートウェイ装置20は、eNB10から送信されたS1APメッセージの送信元アドレスを、eNB10からゲートウェイ装置20に変更することができる。これより、ゲートウェイ装置20が、S1APメッセージにおいて定められている送信元の識別情報を変更し、送信元の識別情報を変更したS1APメッセージをMMEへ送信することによって、ゲートウェイ装置20がeNB10とMME30またMME32との間に配置され、S1APメッセージを終端した場合であっても、正常にS1APメッセージを伝送することができる。つまり、MMEは、S1APメッセージの送信先として、ゲートウェイ装置20の識別情報を設定することによって、eNB10とMMEとの間において伝送されるS1APメッセージが、ゲートウェイ装置20を介して伝送されることを可能とする。
(実施の形態2)
続いて、図2を用いて本発明の実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。図2は、MME30が、一般ネットワーク50内に配置され、MME32が、IoTネットワーク52内に配置されていることを示している。図2のその他の構成は、図1と同様であるため詳細な説明を省略する。
IoTネットワーク52は、IoTサービスに用いられるUEに関するデータを伝送するネットワークである。例えば、IoTネットワーク52は、IoTサービスに用いられるUEに関する制御データ及びユーザデータを伝送するネットワークであってもよい。IoTネットワーク52は、制御データを伝送するMME32の他に、ユーザデータを伝送するSGW(Serving Gateway)及びPGW(Packet data network Gateway)を有してもよい。
一般ネットワーク50は、IoTサービスに用いられるUE以外のUEに関するデータを伝送するネットワークである。例えば、IoTサービスに用いられるUE以外のUEは、サービスを利用する際にユーザ操作を伴う携帯電話もしくはスマートフォン等であってもよい。
IoTサービスは、スマートフォン等と比較して少量のデータを伝送する場合が多い。さらに、IoTサービスは、1日のうち、予め定められたタイミングにデータが伝送されるというトラヒック特性を有することもある。
一方、スマートフォン等の端末は、大容量の動画データを受信することもある。さらに、スマートフォン端末を用いて様々なサービスを利用することが可能であり、近年、スマートフォン端末が送受信するデータ量は増加していると考えられている。このように、IoTサービスに用いられる端末と、その他のサービスに用いられる端末とは、トラヒック特性が異なる。ここで、同じトラヒック特性の端末に関するトラヒックを同じネットワークにて扱うことによって、ネットワークを効率的に設計することができる。
例えば、伝送されるユーザデータの少ない端末に関するトラヒックを扱うネットワークであるIoTネットワーク52においては、ユーザデータを中継するSGW等のノード装置の数を少なくしてもよい。また、IoTネットワーク52は、今後、スマートフォン等と比較して、多くの端末を収容する可能性もある。そのため、IoTネットワーク52においては、制御データを処理するMME等のノード装置の数を多くしてもよい。
一方、一般ネットワーク50においては、伝送されるユーザデータの多い端末に関するトラヒックを扱う。そのため、一般ネットワーク50においては、ユーザデータを中継するSGW等のノード装置の数を多くしてもよい。また、スマートフォン等の普及速度は、今後鈍化する可能性もある。そのため、IoTネットワーク52においては、制御データを処理するMME等のノード装置の数を少なくする、もしくは、現在のMME等のノード装置の数を維持するようにしてもよい。
ゲートウェイ装置20は、UE40がIoTサービスに用いられる端末か否かを判定し、UE40に関するメッセージをMME30もしくはMME32に振り分ける。
続いて、図3を用いてUE40に関するAttach処理の流れについて説明する。はじめに、UE40は、NAS(Non Access Stratum)メッセージであるAttach RequestメッセージをeNB10へ送信する(S11)。UE40は、Attach Requestメッセージに、端末種別に関する情報を設定してもよい。端末種別に関する情報は、例えば、IoTサービスに用いられる端末か否かを示す情報であってもよい。具体的には、UE40は、NASメッセージに設定するパラメータであるDevice-Propertiesに端末種別に関する情報を設定してもよい。
次に、eNB10は、S1APメッセージであるInitial UE Messageをゲートウェイ装置20へ送信する(S12)。eNB10は、UE40から受信したAttach RequestメッセージをInitial UE Messageに多重する。つまり、eNB10は、Attach Requestメッセージを含むInitial UE Messageをゲートウェイ装置20へ送信する。Initial UE Messageの宛先は、ゲートウェイ装置20が設定されてもよく、任意のMMEが設定されてもよい。
UE40に関する制御データを伝送するMMEは、ゲートウェイ装置20において決定される。そのため、Initial UE Messageの宛先に任意のMMEが設定された場合、ゲートウェイ装置20において、Initial UE Messageの宛先は変更される。また、Initial UE Messageの宛先に任意のMMEが設定された場合であっても、Initial UE Messageは、ゲートウェイ装置20へ送信されるように通信経路が設定される。
次に、ゲートウェイ装置20は、S1APメッセージであるInitial UE Messageの振り分け先を判定する(S13)。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、Initial UE Messageの送信先を決定する。ゲートウェイ装置20は、Initial UE Messageに含まれるAttach Requestメッセージに設定された端末種別に関する情報を用いて、Initial UE Messageの振り分け先を判定する。ゲートウェイ装置20は、端末種別に、IoTサービスに用いられる端末であることが示される情報が設定されている場合、Initial UE Messageの振り分け先がMME32であると判定する。図3においては、ゲートウェイ装置20が、Initial UE Messageの振り分け先がMME32であると判定した場合について説明する。
次に、ゲートウェイ装置20は、Initial UE Messageの送信元のアドレスをeNB10の識別子からゲートウェイ装置20の識別子へ変更する、もしくは、付け替える(S14)。Initial UE Messageの送信元のアドレスは、S1APにおいて規定されるS1APレイヤにおけるアドレスである。Initial UE Messageの送信元のアドレスに設定する識別子を、eNB-S1AP-idとする。例えば、ゲートウェイ装置20は、送信元のアドレスに、eNB-S1AP-id=Aと設定されたInitial UE Messageを受信すると、送信元アドレスを、eNB-S1AP-id=Cへ変更する。ゲートウェイ装置20は、eNB-S1AP-id=AとeNB-S1AP-id=Cとを対応付けて管理する。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、eNB-S1AP-id=Aに対して、eNB-S1AP-id=Cを割り当てる。
次に、ゲートウェイ装置20は、送信元のアドレスを変更したInitial UE MessageをMME32へ送信する(S15)。次に、MME32は、S1APメッセージであるDownlink NAS Transportメッセージをゲートウェイ装置20へ送信する(S16)。MME32は、Downlink NAS Transportメッセージの宛先として、eNB-S1AP-id=Cを設定する。例えば、MME32は、UE40に関する認証を行うために用いるAuthentication RequestメッセージをDownlink NAS Transportメッセージに多重する。Authentication Requestメッセージは、NASメッセージである。
次に、ゲートウェイ装置20は、Downlink NAS Transportメッセージの送信元のアドレスをMME32の識別子からゲートウェイ装置20の識別子へ変更する、もしくは、付け替える(S17)。Downlink NAS Transportメッセージの送信元のアドレスは、S1APにおいて規定されるS1APレイヤにおけるアドレスである。Downlink NAS Transportメッセージの送信元のアドレスに設定する識別子を、MME-S1AP-idとする。例えば、ゲートウェイ装置20は、送信元のアドレスに、MME-S1AP-id=Dと設定されたDownlink NAS Transportメッセージを受信すると、送信元アドレスを、MME-S1AP-id=Bへ変更する。ゲートウェイ装置20は、MME-S1AP-id=DとMME-S1AP-id=Bとを対応付けて管理する。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、MME-S1AP-id=Dに対して、MME-S1AP-id=Bを割り当てる。
次に、ゲートウェイ装置20は、送信元のアドレスを変更したDownlink NAS TransportメッセージをeNB10へ送信する(S18)。また、ゲートウェイ装置20は、Downlink NAS Transportメッセージにおいて宛先として設定されたeNB-S1AP-id=Cを、eNB-S1AP-id=Cと関連付けられているeNB-S1AP-id=Aに変更する。ここで、eNB10は、Downlink NAS Transportメッセージを受信すると、Downlink NAS Transportメッセージに含まれるAuthentication RequestメッセージをUE40へ送信する。
次に、UE40は、NASメッセージであるAuthentication Responseを送信し、eNB10は、Authentication ResponseメッセージをS1APメッセージであるUplink NAS Transportメッセージに多重する。eNB10は、Authentication Responseメッセージを多重したUplink NAS Transportメッセージをゲートウェイ装置20へ送信する(S19)。ここで、eNB10は、Uplink NAS Transportメッセージの宛先として、MME-S1AP-id=Bを設定する。
次に、ゲートウェイ装置20は、Uplink NAS Transportメッセージの送信元のアドレスを、eNB-S1AP-id=AからeNB-S1AP-id=Cへ変更し、さらに、宛先のアドレスをMME-S1AP-id=BからMME-S1AP-id=Dへ変更する(S20)。以降、UE40のAttach処理を実行するために、ステップS16〜S21と同様に、Downlink NAS Transportメッセージ及びUplink NAS Transportメッセージが伝送される。
次に、MME32は、UE40に関するAttach処理を完了した場合、NASメッセージであるAttach Acceptメッセージを、S1APメッセージであるInitial Context Setup Requestメッセージに多重して、ゲートウェイ装置20へ送信する(S22)。ここで、ゲートウェイ装置20は、ステップS17と同様に、アドレス変換を行い、Initial Context Setup RequestメッセージをeNB10へ送信する。
次に、eNB10は、UE40との間において、無線ベアラを設定するために、E-RAB Setup処理を実行する(S23)。次に、eNB10は、UE40の能力情報、もしくは、性能情報をMME32へ通知するために、S1APメッセージである、UE Radio Access Capability Informationメッセージをゲートウェイ装置20へ送信する(S24)。ここで、ゲートウェイ装置20は、ステップS20と同様に、アドレス変換を行い、UE Radio Access Capability InformationメッセージをMME32へ送信する。
次に、UE40は、NASメッセージであるAttach Completeメッセージを送信し、eNB10は、Attach CompleteメッセージをS1APメッセージであるUplink NAS Transportメッセージに多重する。eNB10は、Attach Completeメッセージを多重したUplink NAS Transportメッセージをゲートウェイ装置20へ送信する(S25)。ここで、ゲートウェイ装置20は、ステップS20と同様に、アドレス変換を行い、Uplink NAS TransportメッセージをMME32へ送信する。
これ以降、UE40に関するユーザデータであるUplink/Downlink Packetが、eNB10及びSGWとの間において伝送される。SGWは、IoTネットワーク52に配置されたノード装置である。また、eNB10とSGWとの間において伝送されるUplink/Downlink Packetは、制御データと同様に、ゲートウェイ装置20を介して伝送される。この場合、ゲートウェイ装置20は、ステップS17及びS20と同様に、Uplink/Downlink Packetに設定されているアドレスの変換を行う。
続いて、図4を用いて本発明の実施の形態2にかかる無通信検出時の処理の流れについて説明する。はじめに、eNB10は、UE40が所定の期間通信を行っていない、無通信状態であることを検出する(S31)。
次に、eNB10は、UE40との間の無線ベアラを解放するために、S1APメッセージであるUE Context Release Requestメッセージを、ゲートウェイ装置20を介してMME32へ送信する(S32)。ゲートウェイ装置20は、図3のステップS20と同様に、アドレス変換を行う。
次に、MME32は、UE40とeNB10との間の無線ベアラを解放することを指示するために、S1APメッセージであるUE Context Release Commandメッセージを、ゲートウェイ装置20を介してeNB10へ送信する(S33)。ゲートウェイ装置20は、図3のステップS17と同様に、アドレス変換を行う。
次に、eNB10は、UE40との間の無線ベアラを解放する処理を実行する(S34)。次に、eNB10は、S1APメッセージであるUE Context Release Completeメッセージを、ゲートウェイ装置20を介してMME32へ送信する(S35)。ゲートウェイ装置20は、図3のステップS20と同様に、アドレス変換を行う。
次に、ゲートウェイ装置20は、eNB-S1AP-id=AとeNB-S1AP-id=Cとを関連付けた管理情報、さらに、MME-S1AP-id=BとMME-S1AP-id=Dとを関連付けた管理情報を解放、もしくは削除する(S36)。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、eNB-S1AP-id=Aに対して割り当てたeNB-S1AP-id=C、及び、MME-S1AP-id=Dに対して割り当てたMME-S1AP-id=Bを解放する。
以上説明したように、本発明の実施の形態2にかかるAttach処理を実行することによって、ゲートウェイ装置20は、UE40の端末種別に応じてMMEを選択し、選択したMMEへS1APメッセージを振り分けることができる。また、ゲートウェイ装置20は、S1APメッセージに設定されるアドレス情報を変換することによって、ゲートウェイ装置20を介したeNB10とMMEとの間において、S1APメッセージを終端し、転送することができる。つまり、ゲートウェイ装置20は、eNB10とMMEとの間において伝送されるS1APメッセージのアドレスを変換することによって、eNB10とMMEとの間において伝送されるS1APメッセージを中継することができる。
(実施の形態3)
続いて、図5を用いて本発明の実施の形態3にかかる通信システムの構成例について説明する。図5の通信システムは、図2の通信システムのeNB10をRNC(Radio Network Controller)12に置き換え、図2の通信システムのMME30及びMME32をSGSN(Serving General packet radio service Support Node)31及びSGSN33へ置き換えている。また、SGSN31は、一般ネットワーク50内に配置され、SGSN33は、IoTネットワーク52内に配置されている。図5のゲートウェイ装置20は、図1及び図2のゲートウェイ装置20と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。
RNC12は、3Gと称される無線アクセスネットワークを制御するノード装置である。また、SGSN31及びSGSN33は、UE40の位置情報を管理し、さらに、UE40に関する呼処理制御を実施するノード装置である。SGSN31及びSGSN33は、UE40に関する制御データ及びユーザデータを伝送する。
続いて、図6を用いて本発明の実施の形態3にかかるUE40のAttach処理の流れについて説明する。はじめに、UE40は、NASメッセージであるAttach RequestメッセージをRNC12へ送信する(S41)。UE40は、Attach Requestメッセージに、端末種別に関する情報を設定してもよい。端末種別に関する情報は、例えば、IoTサービスに用いられる端末か否かを示す情報であってもよい。UE40は、NASメッセージに設定するパラメータであるDevice-Propertiesに端末種別に関する情報を設定してもよい。
次に、RNC12は、RANAP(Radio Access Network Application Part)プロトコルメッセージであるInitial UE Messageをゲートウェイ装置20へ送信する(S42)。RNC12は、UE40から受信したAttach RequestメッセージをInitial UE Messageに多重する。つまり、RNC12は、Attach Requestメッセージを含むInitial UE Messageをゲートウェイ装置20へ送信する。Initial UE Messageの宛先は、ゲートウェイ装置20が設定されてもよく、任意のSGSNが設定されてもよい。
UE40に関する制御データを伝送するSGSNは、ゲートウェイ装置20において決定される。そのため、Initial UE Messageに任意のSGSNが設定された場合、ゲートウェイ装置20において、Initial UE Messageの宛先は変更される。
次に、ゲートウェイ装置20は、RANAPプロトコルメッセージであるInitial UE Messageの振り分け先を判定する(S43)。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、Initial UE Messageの送信先を決定する。ゲートウェイ装置20は、Initial UE Messageに含まれるAttach Requestメッセージに設定された端末種別に関する情報を用いて、Initial UE Messageの振り分け先を判定する。ゲートウェイ装置20は、端末種別に、IoTサービスに用いられる端末であることが示される情報が設定されている場合、Initial UE Messageの振り分け先がSGSN33であると判定する。図6においては、ゲートウェイ装置20が、Initial UE Messageの振り分け先がSGSN33であると判定した場合について説明する。
次に、ゲートウェイ装置20は、Initial UE Messageの送信元のアドレスをRNC12の識別子からゲートウェイ装置20の識別子へ変更する、もしくは、付け替える(S44)。Initial UE Messageの送信元のアドレスは、RANAPプロトコルにおいて規定されるSCCPレイヤにおけるアドレスである。Initial UE Messageの送信元のアドレスに設定する識別子を、Source-LRとする。例えば、ゲートウェイ装置20は、送信元のアドレスに、Source-LR=A1と設定されたInitial UE Messageを受信すると、送信元アドレスを、Source-LR=C1へ変更する。ゲートウェイ装置20は、Source-LR=A1とSource-LR=C1とを対応付けて管理する。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、Source-LR=A1に対して、Source-LR=C1を割り当てる。
次に、ゲートウェイ装置20は、送信元のアドレスを変更したInitial UE MessageをSGSN33へ送信する(S45)。次に、SGSN33は、RANAPプロトコルメッセージであるDirect Transferメッセージをゲートウェイ装置20へ送信する(S46)。SGSN33は、Direct Transferメッセージの宛先として、Source-LR=C1を設定する。
次に、ゲートウェイ装置20は、Direct Transferメッセージの送信元のアドレスをSGSN33の識別子からゲートウェイ装置20の識別子へ変更する、もしくは、付け替える(S47)。Direct Transferメッセージの送信元のアドレスは、RANAPプロトコルにおいて規定されるSCCPレイヤにおけるアドレスである。Direct Transferメッセージの送信元のアドレスに設定する識別子を、Source-LR=D1とする。例えば、ゲートウェイ装置20は、送信元のアドレスに、Source-LR=D1と設定されたDirect Transferメッセージを受信すると、送信元アドレスを、Source-LR=B1へ変更する。ゲートウェイ装置20は、Source-LR=D1とSource-LR=B1とを対応付けて管理する。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、Source-LR=D1に対して、Source-LR=B1を割り当てる。
次に、ゲートウェイ装置20は、送信元のアドレスを変更したDirect TransferメッセージをRNC12へ送信する(S48)。また、ゲートウェイ装置20は、Direct Transferメッセージにおいて宛先として設定されたSource-LR=C1を、Source-LR=C1と関連付けられているSource-LR=A1に変更する。ここで、RNC12は、Direct Transferメッセージを受信すると、Direct Transferメッセージに含まれるNASメッセージをUE40へ送信する。
以降のAttach処理は、3GPPにおいて規定されている既知の処理であるため、詳細な説明を省略する。また、図6においては、Attach処理の流れについて説明したが、PDP接続処理においても同様に、ゲートウェイ装置20は、RNC12とSGSN31との間において、RANAPプロトコルメッセージを終端し、転送することができる。
続いて、図7を用いて本発明の実施の形態3にかかる無線ベアラ解放処理の流れについて説明する。はじめに、SGSN33は、UE40とRNC12との間の無線ベアラを解放することを指示するために、RANAPプロトコルメッセージであるIu Release Commandメッセージを、ゲートウェイ装置20を介してRNC12へ送信する(S51)。ゲートウェイ装置20は、図6のステップS47と同様に、アドレス変換を行う。
次に、RNC12は、UE40との間の無線ベアラを解放する処理を実行する(S52)。次に、RNC12は、RANAPプロトコルメッセージであるIu Release Completeメッセージを、ゲートウェイ装置20を介してSGSN33へ送信する(S53)。ゲートウェイ装置20は、図6のステップS44と同様に、アドレス変換を行う。
次に、ゲートウェイ装置20は、Source-LR=A1とSource-LR=C1とを関連付けた管理情報、さらに、Source-LR=B1とSource-LR=D1とを関連付けた管理情報を解放、もしくは削除する(S54)。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、Source-LR=A1に対して割り当てたSource-LR=C1、及び、Source-LR=D1に対して割り当てたSource-LR=B1を解放する。
以上説明したように、本発明の実施の形態3にかかる通信システムにおいても、実施の形態2と同様に、RNC12とSGSN31との間において、RANAPプロトコルメッセージを終端し、転送することができる。
(実施の形態4)
続いて、図8を用いて本発明の実施の形態4にかかる通信システムの構成例について説明する。図8の通信システムは、図2の通信システムに、DB(データベース)60及びHSS(Home Subscriber Server)64が追加されている。さらに、IoTネットワーク52内に、IoTコアネットワーク71、IoTコアネットワーク72、及びIoTコアネットワーク73が存在し、IoTコアネットワーク71内には、MME36が配置され、IoTコアネットワーク72内には、MME37が配置され、IoTコアネットワーク73内には、MME38が配置されている。さらに、IoTコアネットワーク71には、サーバ装置81が接続し、IoTコアネットワーク72には、サーバ装置82が接続し、IoTコアネットワーク73には、サーバ装置83が接続する。
IoTネットワーク52は、提供するIoTサービス毎にIoTコアネットワーク71、IoTコアネットワーク72、及びIoTコアネットワーク73等のように、IoTコアネットワークが分けられている。もしくは、一つのIoTコアネットワークにおいて、複数のIoTサービスが提供されてもよい。
IoTサービスには、例えば、スマートメーターを管理するサービス、交通制御を行うサービス、官庁もしくは緊急機関等に関連したサービス、物流を管理するサービス、セキュリティを提供するサービス、もしくは、在庫管理を行うサービス等、様々なサービスがある。
また、サーバ装置81、サーバ装置82、及びサーバ装置83は、IoTサービスを提供するサービス事業者が管理するサーバ装置であってもよい。つまり、IoTコアネットワーク71は、サーバ装置81を管理するサービス事業者に提供するIoTコアネットワークであると称してもよい。IoTコアネットワーク72及びIoTコアネットワーク73も、IoTコアネットワーク71と同様である。
ゲートウェイ装置20は、eNB10から送信されたS1APメッセージを終端し、複数のIoTコアネットワークの中から、S1APメッセージを送信するコアネットワークを特定する。ゲートウェイ装置20は、S1APメッセージを送信するコアネットワークを特定する際に、DB60を用いる。
DB60は、UE40の識別情報と、UE40が登録されるIoTコアネットワークの識別情報とを関連付けて管理する。ゲートウェイ装置20は、S1APメッセージに含まれるUE40の識別情報を用いて、DB60から、UE40に関連付けられているIoTコアネットワークの識別情報を抽出する。また、ゲートウェイ装置20は、特定したIoTコアネットワークに配置されているMMEへS1APメッセージを送信する。
HSS64は、複数のUEに関する加入者情報を管理する。例えば、HSS64は、それぞれのUEの電話番号及び位置情報等を管理する。MME35〜38は、HSS64において管理されている加入者情報を用いて、呼処理制御等を実行する。
続いて、図9を用いて、DB60が管理する情報について説明する。DB60は、情報管理部61及び情報管理部62を有している。情報管理部61及び情報管理部62は、DB60内のメモリ等であってもよく、DB60に取り付けられる外部メモリ等であってもよい。
情報管理部61は、IoT種別に関する情報と、CN(コアネットワーク)種別に関する情報とを関連付けて管理する。IoT種別に関する情報は、例えば、IoTサービスを識別する情報であってもよい。図9においては、IoT種別に関する情報として、1〜4の数字が用いられている。また、CN種別に関する情報は、IoTコアネットワークを識別する情報である。図9においては、CN種別に関する情報として、図8におけるIoTコアネットワーク毎に付した71〜73の符号が用いられている。
情報管理部62は、加入者番号に関する情報と、IoT種別に関する情報とを関連付けて管理する。加入者番号に関する情報とは、例えば、UE40に割り当てられている電話番号もしくは機体番号等であってもよい。図9においては、加入者番号に関する情報として、A〜Dの文字が用いられている。
続いて、図10を用いて本発明の実施の形態4にかかるパケット振り分け処理の流れについて説明する。はじめに、DB60は、図9に示す情報を登録する(S61)。例えば、DB60は、他のサーバ装置等から図9に示す情報を取得してもよく、もしくは、DB60を管理するユーザ等から図9に示す情報が入力されてもよい。
次に、UE40は、パケット通信を開始するために、eNB10へ、パケット通信開始要求メッセージを送信する(S62)。UE40は、加入者番号をパケット通信開始要求メッセージに設定する。ここでは、UE40は、加入者番号Aをパケット通信開始要求メッセージに設定したとする。次に、eNB10は、UE40から受信したパケット通信開始要求メッセージを、ゲートウェイ装置20へ送信する(S63)。この時、eNB10は、eNB10とMMEとの間の通信に用いられるS1APメッセージとしてパケット通信開始要求メッセージをゲートウェイ装置20へ送信する。
次に、ゲートウェイ装置20は、eNB10から送信されたS1APメッセージであるパケット通信開始要求メッセージを終端し、UE40の加入者番号を抽出する。さらに、UE40は、抽出した加入者番号Aを設定したQueryメッセージをDB60へ送信する(S64)。DB60は、加入者番号が設定されたQueryメッセージを受信すると、情報管理部62を用いて、加入者番号に対応付けられたIoT種別を特定する。さらに、DB60は、情報管理部61を用いて、IoT種別に対応付けられたCN種別を特定する。ここでは、Queryメッセージに加入者番号Aが設定されているため、DB60は、IoT種別:2、及び、CN種別:72を特定する。
次に、DB60は、CN種別:72を設定したAnswerメッセージをゲートウェイ装置20へ送信する(S65)。次に、ゲートウェイ装置20は、パケット通信開始要求メッセージの振り分け先を判定する(S66)。言い換えると、ゲートウェイ装置20は、パケット通信開始要求メッセージの送信先を決定する。ゲートウェイ装置20は、Answerメッセージに設定されたCN種別:72に対応する、IoTコアネットワーク72に配置されているMME37へ、パケット通信開始要求メッセージを送信することを決定する。
次に、ゲートウェイ装置20は、MME37へ送信するS1APメッセージであるパケット通信開始要求メッセージの送信元アドレスを、eNB10の識別情報からゲートウェイ装置20の識別情報に変更する(S67)。ステップS67におけるアドレス変換処理は、図3のステップS14及びS20におけるアドレス変換処理と同様であるため詳細な説明を省略する。
次に、ゲートウェイ装置20は、MME37へパケット通信開始要求メッセージを送信する(S68)。次に、MME37は、HSS64へ、UE40の位置登録情報の送信を要求するために、位置登録要求メッセージを送信する(S69)。次に、HSS64は、UE40の位置情報を含む加入者情報をMME37へ送信する(S70)。
以上説明したように、本発明の実施の形態4にかかる通信システムを用いることによって、IoTサービス毎に分離したIoTコアネットワークが存在する場合に、ゲートウェイ装置20は、UE40が利用するIoTサービスに関するデータを伝送するIoTコアネットワークへ、UE40に関するデータを中継することができる。
ここで、ステップS61における、加入者番号、IoT種別、及び、CN種別に関する情報を登録する際に、各MMEにおける加入者の登録状況等に基づいて、DB60に情報が登録されてもよい。
例えば、同じIoTサービスに関するデータを伝送する複数のIoTコアネットワークが存在する場合について説明する。この場合、外部監視装置等が、それぞれのIoTコアネットワークに登録されているUEの数を監視していてもよい。さらに、外部監視装置等は、それぞれのIoTコアネットワークに登録されるUEの数が均等になるように、もしくは、一部のIoTコアネットワークに登録されるUEの数が偏らないように、それぞれのUEに対応付けられるIoT種別を決定してもよい。外部監視装置等は、決定した、加入者番号とIoT種別とを対応付けた情報をDB60へ送信してもよい。
つまり、加入者番号とIoT種別とを対応付けた情報は、外部監視装置等から定期的、もしくは、任意のタイミングに、UEの登録状況等に応じてDB60へ送信されてもよい。
また、実施の形態4においては、eNB10の代わりにRNCが用いられ、MMEの代わりにSGSNが用いられてもよい。
また、実施の形態1乃至3においても、実施の形態4において説明したように、ゲートウェイ装置20が、DB60を用いて、メッセージの振り分け先を決定してもよい。
(実施の形態5)
続いて、図11を用いて本発明の実施の形態5にかかるパケット振り分け処理の流れについて説明する。はじめに、DB60は、図9に示す情報管理部61が管理する情報を登録する(S81)。さらに、HSS64は、図9に示す情報管理部62が管理する情報を登録する(S82)。
ステップS83〜S85は、図10のステップS62〜S64と同様であるため詳細な説明を省略する。DB60は、UE40の加入者番号Aが設定されたQueryメッセージを受信すると、受信したQueryメッセージをHSS64へ送信する(S86)。
次に、HSS64は、加入者番号Aが設定されたQueryメッセージを受信すると、加入者番号Aに関連付けられているIoT種別:2を特定する。HSS64は、IoT種別:2を設定したAnswerメッセージをDB60へ送信する(S87)。
次に、DB60は、IoT種別:2に関連付けられたCN種別:72を設定したAnswerメッセージをゲートウェイ装置20へ送信する(S88)。ステップS89〜ステップS93は、図10のステップS66〜ステップS70と同様であるため詳細な説明を省略する。
以上説明したように、本発明の実施の形態5にかかるパケット振り分け処理を実行する際に、DB60及びHSS64において管理されている情報が用いられる。パケット振り分け処理に用いられる情報は、DB60及びHSS64に分散して管理される。これより、実施の形態4におけるDB60と比較して、実施の形態5におけるDB60のメモリ容量を少なくすることができる。
また、IoTサービスに用いられるUE40は、スマートメーターもしくは車載端末等のように、IoTサービス専用の端末であることもある。そのため、IoTサービスに用いられるUE40には、予めIoT種別が登録されていてもよい。例えば、UE40の製造時、出荷時、もしくは、通信事業者との契約時等に、UE40に、IoT種別が登録されもよい。
この場合、UE40は、ステップS83におけるパケット通信開始要求メッセージに、加入者番号とともに、IoT種別に関する情報を設定してもよい。これにより、DB60は、IoT種別が設定されたQueryメッセージを受信すると、HSS64にQueryメッセージを送信することなく、IoT種別に関連付けられたCN種別を設定したAnswerメッセージをゲートウェイ装置20へ送信することができる。
また、実施の形態5においては、eNB10の代わりにRNCが用いられ、MMEの代わりにSGSNが用いられてもよい。
(実施の形態6)
続いて、図12を用いて本発明の実施の形態6にかかるSGSN31の構成例について説明する。SGSN31以外の他のSGSNは、SGSN31と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。また、SGSN31は、コアネットワーク内に配置される中継ノード装置等と称されてもよい。
SGSN31は、制御部91、加入者データ保持部92、及び、セッション情報保持部93を有している。制御部91は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、制御部91は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。加入者データ保持部92及びセッション情報保持部93は、SGSN31内のメモリであってもよく、SGSN31に取り付けられる外部メモリであってもよい。
加入者データ保持部92は、加入者情報管理装置であるHSS64から送信されたUE40の加入者データを保持する。加入者データ保持部92がUE40の加入者データを保持しておくことによって、UE40が通信を実行する際に、SGSN31がHSS64から加入者データを取得する処理を省略することができる。加入者データは、例えば、VLR(Visitor Location Register)情報と称されてもよい。
加入者データ保持部92は、例えば、UE40に関するAttach処理時にHSS64から送信されたUE40に関する加入者データを保持する。
セッション情報保持部93は、UE40に関するセッション情報を保持する。セッション情報は、ネットワーク層より上位のプロトコルにて用いられる情報であって、UE40とRNC12との間の無線ネットワーク、及び、コアネットワーク内においてUE40を一意に識別する識別情報であってもよい。セッション情報は、例えば、PDP(Packet Data Protocol)情報もしくはPDPコンテキスト等と称されてもよい。セッション情報保持部93は、UE40に関するユーザデータが伝送される間、UE40に関するセッション情報を保持する。
制御部91は、加入者データ保持部92においてUE40の加入者データを保持するか否かを判定する。さらに、制御部91は、セッション情報保持部93においてUE40のセッションデータを保持するか否かを判定する。
制御部91は、UE40に関するユーザデータの伝送が行われていない場合に、IoTサービスポリシーに従い加入者データ保持部92においてUE40の加入者データを保持するか否かを判定する。
UE40に関するユーザデータの伝送が行われていない場合とは、例えば、UE40に関するユーザデータの伝送が行われる前に実行されるAttach処理の間、さらに、UE40の無通信状態を検出した場合等であってもよい。
IoTサービスポリシーは、例えば、UE40がパケット通信の開始を要求してから、UE40がコアネットワークに接続するまでの接続時間が定められてもよい。接続時間は、具体的には、UE40がパケット通信の開始を要求してから、実際にパケット通信が実行されるまでの時間であってもよい。
例えば、加入者データ保持部92がUE40の加入者データを保持していない場合に、UE40がパケット通信を開始する場合について説明する。この場合、SGSN31は、UE40のパケット通信を実行するために、HSS64から加入者データを取得する必要がある。つまり、SGSN31が、HSS64からUE40に関する加入者データを取得する処理が実行される時間だけ、加入者データ保持部92がUE40に関する加入者データを保持している場合と比較して、UE40がパケット通信を実行するまで余計な時間がかかる。
一方、加入者データ保持部92が、UE40に関する加入者データを保持しない場合、メモリ容量を削減することができる。そのため、制御部91は、加入者データ保持部92においてUE40に関する加入者データを保持しない場合であっても、IoTサービスポリシーに定められた接続時間を超えることが無い場合、加入者データ保持部92においてUE40に関する加入者データを保持しないと判定してもよい。
また、IoTサービスポリシーは、UE40に対するSMS着信を許容するか否かが定められてもよい。例えば、加入者データ保持部92がUE40に関する加入者データを保持しない場合、UE40に対するSMS着信が正常に実行されないことがある。そのため、IoTサービスポリシーにおいて、UE40に対するSMS着信を許容することが定められている場合、制御部91は、加入者データ保持部92においてUE40に関する加入者データを保持すると判定してもよい。一方、IoTサービスポリシーにおいて、UE40に対するSMS着信を許容しないことが定められている場合、制御部91は、加入者データ保持部92において、UE40に関する加入者データを保持しないと判定してもよい。
IoTサービスポリシーは、サービス事業者毎に異なる。つまり、IoTサービスポリシーは、IoTコアネットワークごとに異なる。そのため、それぞれのIoTコアネットワークに配置されているSGSNは、IoTサービスポリシーに関する情報を予め保持している。
続いて、図13を用いて、本発明の実施の形態6にかかるAttach処理の流れについて説明する。はじめに、UE40は、RNC12を介して、SGSN31へAttach Requestメッセージを送信する(S101)。UE40は、例えば、UE40の識別情報であるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)をAttach Requestメッセージに設定する。
次に、SGSN31は、UE40のIMSIを設定したMAP-Send Authentication InfoメッセージをHSS64へ送信する(S102)。次に、HSS64は、MAP-Send Authentication Infoメッセージに対する応答メッセージとして、MAP-Send Authentication Info AckメッセージをSGSN31へ送信する(S103)。HSS64は、MAP-Send Authentication Info Ackメッセージに、UE40に関する認証情報を設定する。
次に、SGSN31は、HSS64から送信されたUE40に関する認証情報を用いて、UE40に関する認証処理を実行する(S104)。次に、SGSN31は、HSS64へMAP-Update GPRS Locationメッセージを送信する(S105)。SGSN31は、UE40のIMSI及び自装置のSGSN番号をMAP-Update GPRS Locationメッセージに設定する(S105)。次に、HSS64は、MAP-Insert Subscriber DataメッセージをSGSN31へ送信する(S106)。HSS64は、UE40に関する加入者データをMAP-Insert Subscriber Dataメッセージに設定する。
次に、SGSN31は、RNC12を介してUE40へ、Attach Acceptメッセージを送信する(S107)。次に、UE40は、RNC12を介してSGSN31へ、Attach Completeメッセージを送信する(S108)。
SGSN31は、Attach Completeメッセージを受信すると、IoTサービスポリシーに基づいてUE40の加入者データを保持するか否かを判定し、ここでは、加入者データ(VLR情報)を生成しないと判定する(S109)。
続いて、図14を用いて、SGSN31が加入者データを生成していない状態において、UE40が、パケット通信を開始する場合について説明する。はじめに、UE40は、パケット通信を開始するために、RNC12を介してService RequestメッセージをSGSN31へ送信する(S111)。SGSN31は、UE40からService Requestメッセージを受信した際に、UE40の加入者データを保持していないため、UE40へService Rejectメッセージを送信する(S112)。SGSN31は、RNC12を介してUE40へService Rejectメッセージを送信することによって、UE40のパケット通信を拒否する。
ステップS113以降、UE40は、パケット通信を開始するための処理を実行する。ステップS113〜S116は、図13のステップS101〜S104と同様であるため詳細な説明を省略する。
ステップS116において、UE40に関する認証処理が完了すると、UE40は、RNC12を介してSGSN31へ、Active PDP Context Requestメッセージを送信する(S117)。ステップS118及びS119は、図13のステップS105及びS106と同様であるため詳細な説明を省略する。
次に、SGSN31は、ステップS119において、HSS64から送信された加入者データを保持する、言い換えると、VLR情報を生成する(S120)。例えば、SGSN31は、Service Rejectメッセージを送信後のAttach処理においてHSS64から送信された加入者データについては保持すると判定してもよい。
次に、UE40、RNC12、及び、SGSN31において、UE40とRNC12との間において、RAB(Radio Access Bearer)を確立するための処理が実行される(S121)。
次に、SGSN31は、RNC12を介して、UE40へActive PDP Context Acceptメッセージを送信する(S122)。Active PDP Context Acceptメッセージは、ステップS117のActive PDP Context Requestメッセージに対する応答メッセージである。
次に、UE40、RNC12、及びSGSN31は、UE40に関するPDP情報を保持する(S123)。UE40、RNC12、及びSGSN31がUE40に関するPDP情報を保持することによって、UE40は、パケット通信を実行することができる。
続いて、図15を用いて、UE40におけるパケット通信が完了した際の処理の流れについて説明する。UE40及びRNC12は、PDP情報を保持している状態であり、SGSN31は、PDP情報及びVLR情報を保持している状態とする(S131)。
UE40は、パケット通信を終了する際に、RNC12を介してDeactivate PDP Context RequestメッセージをSGSN31へ送信する(S132)。次に、SGSN31は、RNC12を介してDeactivate PDP Context AcceptメッセージをUE40へ送信する(S133)。
Deactivate PDP Context Acceptメッセージを送信もしくは受信すると、UE40、RNC12、及び、SGSN31は、PDP情報を削除する(S134)。次に、SGSN31は、IoTサービスポリシーもしくはSMS受信を許容するか否かに関する情報に基づいて、VLR情報を削除するか否かを判定する。(S135)。
続いて、図16を用いて、UE40が無通信状態であることを検出した場合の処理の流れについて説明する。UE40及びRNC12は、PDP情報を保持している状態であり、SGSN31は、PDP情報及びVLR情報を保持している状態とする(S141)。
RNC12は、UE40との間において所定期間ユーザデータを伝送していないと判定した場合、無通信検出メッセージをSGSN31へ送信する(S142)。次に、無通信検出メッセージを送信したRNC12、及び、無通信検出メッセージを受信したSGSN31は、PDP情報を削除する(S143)。UE40は、PDP情報を保持している状態とする。
次に、SGSN31は、IoTサービスポリシーもしくはSMS受信を許容するか否かに関する情報に基づいて、VLR情報を削除するか否かを判定する(S144)。
以上説明したように、本発明の実施の形態6にかかるSGSNを用いることによって、PDP情報及びVLR情報を保持するか否かを判定することができる。SGSNは、サービスポリシーに基づいて、PDP情報もしくはVLR情報を削除した場合、メモリ容量を節約することができる。
今後、IoTサービスに用いられる端末が増加することが予測されるため、SGSNにおけるPDP情報及びVLR情報に割り当てるメモリ容量を節約することによって、SGSNにおける端末の収容数を増加させることができる。
また、図13、図15及び図16においては、SMS受信を許容しない場合には、VLR情報を削除するとして説明している。ただし、SGSN31は、VLR情報を削除した状態において、UE40に対するSMS受信が通知された場合、HSS64からUE40に関するVLR情報を取得することによって、SMS受信処理を実行してもよい。
また、実施の形態6においては、RNC12の代わりにeNBが用いられ、SGSN31の代わりにMMEが用いられてもよい。
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、ゲートウェイ装置もしくはその他ノード装置における処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。