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JP6628409B2 - 溶射加工装置および溶射加工基材の製造方法 - Google Patents

溶射加工装置および溶射加工基材の製造方法 Download PDF

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JP6628409B2 JP2016069419A JP2016069419A JP6628409B2 JP 6628409 B2 JP6628409 B2 JP 6628409B2 JP 2016069419 A JP2016069419 A JP 2016069419A JP 2016069419 A JP2016069419 A JP 2016069419A JP 6628409 B2 JP6628409 B2 JP 6628409B2
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Description

本発明は、溶射加工装置および溶射加工基材の製造方法に係り、特に、溶射ガンから基材への溶射材の吹き付けを遮って制限する遮蔽板を使用する溶射加工技術に関する。
部材表面の改質を行う溶射が近年広く用いられている。この溶射は、加熱により溶融または半溶融にした金属やセラミックス、サーメット等の粒子(溶射材)を加工対象物(基材)の表面に吹き付けて皮膜を形成する表面処理法の一つである。溶融粒子によって運ばれる熱量は比較的小さく基材への入熱が少ないことから、変形や歪みなどの基材に与える熱的な影響を小さく抑えることが出来る利点が溶射にはある。
また、溶射ガンから噴射する溶射材を基材に吹き付けて皮膜を形成する方法であるから、長尺基材の一部の区間に選択的に皮膜を形成することも溶射によれば可能である。
また、溶射加工に関連する文献として下記特許文献がある。
特開平8−1059号公報
ところで、基材の一部の区間にのみ溶射が必要となることがある。例えば、磨耗の激しい部分についてのみ皮膜を形成するような場合である。このような場合、図13に示すように、皮膜10aの形成が必要な区間T1(以下この区間を「溶射区間」と言う)において溶射ガン12を往復移動させながら基材10の表面に溶射材を吹き付ければ、所定の溶射区間T1のみに皮膜10aを形成することが可能である。
ところが、上記のように単純に皮膜形成が必要な区間T1で溶射ガンを往復移動させるだけでは、溶射区間T1の両端部において皮膜10aの厚さにバラツキが生じやすく、膜厚が安定せずに溶射区間T1全体として均一な皮膜10aを形成することが難しい。溶射ガン12が折り返す溶射区間T1の端部では、溶射ガン12の移動を一時的に停止し、逆方向へ移動させる必要があるために、一定速度で溶射ガンを移動させれば良い中間部分と比べて膜厚の制御が難しいからである。
したがって、本発明の目的は、長尺基材の一部の区間に溶射を行う場合に、より均一な皮膜を形成することを可能とすることにある。
前記課題を解決し目的を達成するため、本願の第一の発明に係る溶射加工装置は、加工対象である長尺の基材(以下「長尺基材」または単に「基材」と言う)を支持して往復移動させる支持装置と、支持装置に支持された基材に対して噴射口から溶射材を吹き付ける溶射ガンと、溶射ガンと基材との間に介在され、溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽装置とを備えた装置で、基材の長さ方向の一部の区間に溶射材による皮膜を形成することが出来る。
また、支持装置による基材の移動方向(基材の長さ方向)を前後方向としたときに、上記遮蔽装置は、溶射ガンの噴射口から見て斜め前方の基材部分を覆う第一遮蔽板と、斜め後方の基材部分を覆う第二遮蔽板とを有し、これにより当該第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を通って溶射ガンの噴射口から基材へ溶射材を吹き付けることを可能としてある。なお、この遮蔽板の配置状態(両遮蔽板が最も離れている状態)を「開放状態」と言い、開放状態にある遮蔽板の位置を「開放位置」と言う。
第一遮蔽板は、上記開放位置と、当該開放位置から後方へ移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動することができ、第二遮蔽板は、上記開放位置と、当該開放位置から前方へ移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動することが可能である。
そして、上記開放状態にある第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を吹付区間とし、皮膜を形成すべき基材の区間を溶射区間としたときに、基材の移動に伴って溶射区間の前側端部が吹付区間と重なるような位置に来たとき、言い換えれば、遮蔽板(吹付区間)と基材(溶射区間)の相対的な位置関係について溶射区間の前側端部が吹付区間の範囲内に入る(吹付区間に進入する)ようになったときに(次に述べる第二遮蔽板についても同様)、第一遮蔽板が、基材と同期するように基材と一緒に前後方向に移動する。すなわち、基材が前方へ移動しているときには第一遮蔽板も前方へ移動し、基材が後方へ移動しているときには第一遮蔽板も後方へ移動する。
一方、基材の移動に伴って溶射区間の後側端部が吹付区間と重なるような位置に来たときには、第二遮蔽板が、基材と同期するように基材と一緒に前後方向に移動する。すなわち、基材が前方へ移動しているときには第二遮蔽板も前方へ移動し、基材が後方へ移動しているときには第二遮蔽板も後方へ移動する。
本願の第一の発明に係る溶射加工装置では、後に述べる第二の発明と異なり、溶射ガンは固定しておき、基材を移動させる。このため第一の発明では、基材を支持する支持装置は走行することが出来る。走行可能とするためには、例えばモータ等の駆動手段と車輪を支持装置に備えれば良い。
溶射区間の端部では、遮蔽板が溶射区間の外側(皮膜を形成しない基材部分/以下「非溶射区間」と言う)を覆って溶射材が非溶射区間に吹き付けられることを防ぐから、溶射区間のみに皮膜を形成することが出来る。また、往復移動する基材が移動の端部で折り返すときには、溶射ガンから噴射される溶射材が、基材と一緒に移動する遮蔽板(溶射区間の前側端部については第一遮蔽板、溶射区間の後側端部については第二遮蔽板)によって遮られて基材表面への吹き付けが制限されるから、例えば溶射区間の端部の皮膜が中間部分と比べて厚くなることを防ぐことができ、均一な厚さの溶射皮膜を備えた高品質の溶射加工製品を製造することが可能となる。
さらに、溶射材を噴射する溶射ガンには、皮膜の形成材料である溶射材や圧縮ガス、電力等を供給する各種のホースが接続されており、基材に対して溶射ガンを移動させる加工方法によるとこれらのホースを引き回しながら基材に沿って溶射ガンを何度も往復させる必要がある。この作業は、特にボイラーチューブのような十数メートル以上もある長尺の基材の場合には重労働となるうえに、ホースが周囲の設備や作業員に引っかかるようなアクシデントが生じる可能性も無いとは言えない。これに対して本願の第一の発明では、溶射ガンは固定しておき基材を移動させるから、溶射ガンに接続された各種のホースを引き回す必要がなく、上記のような加工時の労力を軽減し、加工中にアクシデントが発生することを防ぐことが出来る。
一方、上記のように基材の所定の区間に溶射を行うことは、溶射ガンおよび遮蔽装置と、基材とを相対的に移動させれば可能であるから、上記第一の発明とは逆に、基材を動かさずに溶射ガンおよび遮蔽装置を基材に対して移動させても同様に均一な溶射皮膜を形成することが可能である。したがって、本願の第二の発明に係る溶射加工装置では、溶射ガンと遮蔽装置を基材に対して移動させる。
具体的には、第二の発明に係る溶射加工装置は、長尺の基材を支持する支持装置と、支持装置に支持された基材に対して噴射口から溶射材を吹き付ける溶射ガンと、溶射ガンと基材との間に介在され、溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽装置とを備え、基材の長さ方向の一部の区間に溶射材による皮膜を形成する溶射加工装置であって、基材の長さ方向を前後方向としたときに、溶射ガンと遮蔽装置を、基材に沿って前後方向に一緒に移動可能とする。
また遮蔽装置は、噴射口から見て斜め前方の基材部分を覆う第一遮蔽板と、噴射口から見て斜め後方の基材部分を覆う第二遮蔽板とを有し、これにより当該第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を通って噴射口から基材へ溶射材を吹き付けることを可能とする開放状態を実現する一方、第一遮蔽板は、開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から後方へ移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、第二遮蔽板は、開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から前方へ移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能である。
そして、開放状態にある第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を吹付区間とし、皮膜を形成すべき基材の区間を溶射区間としたときに、溶射ガンおよび遮蔽装置の移動に伴って吹付区間が溶射区間の前側端部と重なるような位置に来たときに、第一遮蔽板が、基材との相対位置が変わらないように移動を停止し、溶射ガンおよび遮蔽装置の移動に伴って吹付区間が溶射区間の後側端部と重なるような位置に来たときに、第二遮蔽板が、基材との相対位置が変わらないように移動を停止する。
前記第一の発明では基材を移動させるから、溶射区間の端部(前側端部および後側端部)に皮膜を形成するときに、一方の遮蔽板(前側端部の場合には第一遮蔽板、後側端部の場合には第二遮蔽板/以下同様)を基材と一緒に移動させることで基材と当該一方の遮蔽板との相対位置が変わらないようにしたが、遮蔽装置を溶射ガンとともに移動させるこの第二の発明では、溶射区間の端部において一方の遮蔽板(前側端部の場合には第一遮蔽板、後側端部の場合には第二遮蔽板)を停止させる。このような操作により、溶射区間の端部において前記第一の発明と全く同様の遮蔽処理(溶射材が基材表面に到達することを遮蔽板によって制限する処理)を行うことが出来る。
上記第一および第二の発明において、支持装置は、基材を回転可能に支持する支持ローラを含み且つ前後方向に配列させた複数のローラ装置と、基材を当該基材の軸周りに回転させる回転装置とを有する場合がある。このような回転機構を備え、基材を回転させながら溶射を行うこととすれば、例えば金属管のような円筒状の基材の外周面に均一な溶射皮膜を形成することが可能となる。
また、上記第一および第二の発明に係る装置では、溶射ガンの噴射口と基材との間の距離を変更できるようにしても良い。このような態様によれば、噴射口と基材との距離を調整することで、外径が異なる様々な基材を加工することが可能となる。
なお、噴射口と基材との間の距離を変更可能とするには、基材に対する溶射ガン(噴射口)の位置を変更できるようにしても良いし、逆に、溶射ガン(噴射口)に対する基材の位置(支持装置による基材の支持位置)を変更できるようにしても良いし、あるいは、それらの双方であっても構わない。
さらに、上記第一および第二の発明に係る装置では、第一遮蔽板および第二遮蔽板と、基材との間の距離を変更できるようにしても良い。このような態様によれば、上記態様と同様に外径が異なる様々な基材の加工が可能となることに加えて、皮膜の端部に形成されるテーパ状の皮膜部(テーパ部)の傾斜の程度を調整することが可能となる(この点については後の実施形態の説明において詳しく述べる)。
また、本願の第一の発明に係る溶射加工基材の製造方法は、前記第一の発明に係る溶射加工装置と同様の特徴を備えたものである。
すなわち、当該溶射加工基材の製造方法は、加工対象である長尺の基材を軸周りに回転させるとともに基材の長さ方向である前後方向に基材を移動させながら、基材の表面に対し、溶射ガンの噴射口から噴射する溶射材を吹き付け、基材の長さ方向の一部の区間に溶射材による皮膜を形成する溶射加工基材の製造方法であって、加工の開始前に、溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽装置を、溶射ガンと基材との間に介在されるように備える。また、当該遮蔽装置は、噴射口から見て斜め前方の基材部分を覆う第一遮蔽板と、噴射口から見て斜め後方の基材部分を覆う第二遮蔽板とを有し、これにより当該第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を通って噴射口から基材へ溶射材を吹き付けることを可能とする開放状態を実現する一方、第一遮蔽板は、開放状態の位置である開放位置と、開放位置から後方へ移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、第二遮蔽板は、開放状態の位置である開放位置と、開放位置から前方へ移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、開放状態にある第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を吹付区間とし、皮膜を形成すべき基材の区間を溶射区間としたときに、加工時に、基材の移動に伴って溶射区間の前側端部が吹付区間と重なるような位置に来たときに、第一遮蔽板を、基材と同期するように基材と一緒に前後方向に移動させ、基材の移動に伴って溶射区間の後側端部が吹付区間と重なるような位置に来たときに、第二遮蔽板を、基材と同期するように基材と一緒に前後方向に移動させる。
また、本願の第二の発明に係る溶射加工基材の製造方法は、前記第二の発明に係る溶射加工装置と同様の特徴を備える。
すなわち、当該溶射加工基材の製造方法は、加工対象である長尺の基材を軸周りに回転させるとともに、基材の長さ方向である前後方向に溶射ガンを移動させながら、基材の表面に対し、溶射ガンの噴射口から噴射する溶射材を吹き付け、基材の長さ方向の一部の区間に溶射材による皮膜を形成する溶射加工基材の製造方法であって、加工の開始前に、溶射ガンと一緒に基材の長さ方向に移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽装置を、溶射ガンと前記基材との間に介在されるように備える。また、当該遮蔽装置は、噴射口から見て斜め前方の基材部分を覆う第一遮蔽板と、噴射口から見て斜め後方の基材部分を覆う第二遮蔽板とを有し、これにより当該第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を通って噴射口から基材へ溶射材を吹き付けることを可能とする開放状態を実現する一方、第一遮蔽板は、開放状態の位置である開放位置と、開放位置から後方へ移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、第二遮蔽板は、開放状態の位置である開放位置と、開放位置から前方へ移動して溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、開放状態にある第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を吹付区間とし、皮膜を形成すべき基材の区間を溶射区間としたときに、加工時に、溶射ガンおよび遮蔽装置の移動に伴って吹付区間が溶射区間の前側端部と重なるような位置に来たときに、第一遮蔽板を、基材との相対位置が変わらないように移動を停止し、溶射ガンおよび遮蔽装置の移動に伴って吹付区間が溶射区間の後側端部と重なるような位置に来たときに、第二遮蔽板を、基材との相対位置が変わらないように移動を停止する。
上記第一および第二の発明に係る製造方法においても、前記加工装置と同様に、噴射口と基材との間の距離を加工前に変更できるようにしても良い。また、第一遮蔽板および第二遮蔽板と、基材との間の距離を加工前に変更できるようにしても良い。
本発明は直径に比べて長さ寸法が大きい長尺の部材を好ましく溶射加工することが出来るが、加工対象である基材の種類(用途や構成材料等)は特に限定されない。例えばボイラー配管に使用されるボイラーチューブなどの金属管を加工するのに好適であるが、他の様々な基材(例えば中空部材でも中実部材でも良い)を本発明に係る装置は加工することが可能である。
また、本発明において実施する溶射(溶射材)の種類についても特に限定されず、例えば、溶線式フレーム溶射や粉末式溶射などのフレーム溶射であっても良いし、アーク溶射やプラズマ溶射などの電気式溶射その他であっても構わない。
本発明によれば、長尺基材の所定の区間に均一な膜厚の溶射皮膜が形成された高品質の加工製品を製造することが出来る。
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る溶射加工装置を模式的に示す側面図である。 図2は、前記実施形態に係る溶射加工装置のローラ部分を拡大して示す正面図(図1の符号A部分を正面側から見た図)である。 図3は、前記実施形態に係る溶射加工装置のローラ部分(図1の符号A部分)を拡大して示す側面図である。 図4Aは、前記実施形態に係る溶射加工装置の加工状態を順に示す側面図である。 図4Bは、同じく前記実施形態に係る溶射加工装置の加工状態を順に示す側面図である。 図5は、前記実施形態に係る溶射加工装置の加工状態(溶射区間の前側端部)を拡大して順に示す側面図である。 図6は、前記実施形態に係る溶射加工装置の加工状態(溶射区間の後側端部)を拡大して順に示す側面図である。 図7は、前記実施形態に係る溶射加工装置の加工状態を示す平面図である。 図8は、前記実施形態の溶射加工装置による別の加工状態を示す平面図である。 図9は、前記実施形態の溶射加工装置における別の加工状態(溶射区間の前側端部)を図5と同様に拡大して順に示す側面図である。 図10は、前記実施形態の溶射加工装置における別の加工状態(溶射区間の後側端部)を図6と同様に拡大して順に示す側面図である。 図11は、前記実施形態の溶射加工装置における更に別の加工状態(溶射区間の前側端部)を図5と同様に拡大して順に示す側面図である。 図12は、前記実施形態の溶射加工装置における更に別の加工状態(溶射区間の後側端部)を図6と同様に拡大して順に示す側面図である。 図13は、溶射加工方法の一例を示す側面図である。
図1に示すように本発明の一実施形態に係る溶射加工装置11は、鋼管(例えばボイラーチューブ)のような長尺の基材10を軸周りに回転可能に支持する複数のローラ装置21と、当該基材10に向け溶射材を吹き付ける溶射ガン12と、溶射ガン12から基材10に向け噴射される溶射材を遮って制限する一対の遮蔽板13,14と、基材10を軸周りに回転させるモータ23と、基材10の一端部(後端)を把持してモータ23の回転を基材10に伝達するチャック24と、基材10の他端部(前端)から基材10に軸方向圧縮力を加える押圧部25とを有する。
また本実施形態に係る装置11では、溶射ガン12は移動せずに固定しておき、加工の進行に伴って基材10側を移動させるため、上記ローラ装置21、モータ23、チャック24および押圧部25は、台車26の上に搭載してある。台車26は、車輪27とモータ等の駆動装置(図示せず)を備えて前後方向に(前方M2および後方M1に)走行することが出来る。なお、各図には前後左右上下の方向を示す座標を表示しており、これらの方向に基づいて本実施形態の説明を行う。
複数のローラ装置21は、前後方向に直線状に配列されるように台車26上に備えてある。各ローラ装置21は、図2〜図3に示すように基材10を載せてこれを支持できるように左右方向に一定の間隔を隔てて配置した一対のローラ22a,22bを備える。各ローラ22a,22bは自由に(基材10の回転に従って)回転することができ(図2の矢印B,C参照)、これら一対のローラ22a,22bを各ローラ装置21が備えることで基材10を前後方向に水平に且つ回転可能に支持する。
また図1に示すように、基材10の後端部は台車26の後端部に備えたチャック24により把持する。そして、チャック24に接続されたモータ(回転装置)23によって加工時に基材10を軸周りに回転させる(図2の矢印B参照)。さらに本実施形態では、基材10の前端からチャック24に向けて基材10に押圧力を付与する押圧部25を備える。加工中にこのような押圧力を加えることにより、長尺の基材10が暴れる(ローラ22a,22bから浮き上がったり波打つ)ことを防ぐことが出来る。
前述した一対の遮蔽板13,14は、溶射ガン12と基材10との間に介在されるように前後方向に間隔を開けて配置した平板状の第一遮蔽板13と第二遮蔽板14とからなる。第一遮蔽板13は、溶射ガン12から見て斜め前方の基材部分を覆うように水平に設置し、第二遮蔽板14は、溶射ガン12から見て斜め後方の基材部分を覆うように水平に設置してある。またこの図1に示した遮蔽板13,14の状態は、本発明に言う開放状態であり、両遮蔽板13,14の間の間隙は吹付区間W(図5〜図7参照)に相当する。溶射ガン12から基材10に向け鉛直下方に噴射される溶射材は、両遮蔽板13,14の間(吹付区間W)を通過して基材10の表面に吹き付けられる。また、図中符号T1(図4A,図7参照)で示すのが皮膜10aを形成すべき部分である溶射区間である。
一方、これらの遮蔽板13,14は、後に説明するように両遮蔽板13,14の隙間がなくなる位置まで移動可能である。すなわち、第一遮蔽板13は第二遮蔽板14の前端に当接する(突き当たる)遮蔽位置まで、また第二遮蔽板14は第一遮蔽板13の後端に当接する(突き当たる)遮蔽位置までそれぞれ水平に移動することが出来る。
なお、本実施形態では、上記のように各遮蔽板13,14をそれぞれ別々に移動させるように構成したが、後に図9〜図10を参照して説明するように、2枚の遮蔽板13,14を同時に(一緒に)移動するように構成することも可能である。
加工にあたっては、基材10をモータ23によって軸周りに回転させつつ台車26によって前後方向に往復移動させながら溶射ガン12から溶射材を基材10に吹き付ける。図4Aおよび図4Bの(a)〜(q)はこの加工状態を順に示すものであり、溶射区間T1の前側端部の加工状態(図4Aの(c)〜(f))を図5に、溶射区間T1の後側端部の加工状態(図4Bの(k)〜(n))を図6にそれぞれ拡大して示した。なお、溶射による皮膜10aは基材10の外周面の全周に亘って形成されるが、図面では皮膜の断面を示している。
図4A(a)〜(d)に示すように加工中、基材10を後方へ移動させて行き(矢印M1参照)、溶射区間T1の前側端部F(図5参照)が吹付区間Wの前端(第一遮蔽板13の後端)に到達し(図4A(d),図5(d))、さらに進行して溶射区間T1の前側端部Fが吹付区間Wの範囲内に入ると(図4A(e),図5(e))、基材10の後方への移動に同期して第一遮蔽板13は基材10と一緒に後方へ移動する(矢印S1参照)。そして基材10と第一遮蔽板13は、第一遮蔽板13が第二遮蔽板14に突き当たるまで後方へ並走する(図4A(f),図5(f))。
第一遮蔽板13が第二遮蔽板14に突き当たる遮蔽位置まで移動すると(図4A(f),図5(f))この位置で折り返し、今度は逆に前方へ基材10を移動させる(図4A(g)の矢印M2参照)。この基材10の前方への移動に伴い、第一遮蔽板13も基材10と一緒に前方へ移動する(図4A(g)の矢印S2参照)。そして、溶射区間T1の前側端部Fが吹付区間Wの前端に到達すると、第一遮蔽板13は開放位置に復帰して当該位置で停止し、両遮蔽板13,14は開放状態となる(図4A(h))。このように溶射区間T1の端部において、皮膜形成が不要な溶射区間外側領域を正確に覆うような遮蔽板13の移動制御を行えば、非溶射区間にまで溶射材が吹き付けられて皮膜10aが形成されたり、基材移動の折り返し点となる溶射区間端部で必要以上に溶射材が吹き付けられて皮膜10aが厚くなるような事態を回避することができ、所定の区間T1に均一な膜厚の溶射皮膜が形成された高品質の加工品を製造することが出来る。
一方、基材10はさらに前方へ移動していき(図4A(i)〜図4B(k))、基材10の表面(溶射区間T1の中間部分)には溶射ガン12から噴射された溶射材が、開放状態にある両遮蔽板13,14の間を通って吹き付けられる。そして、溶射ガン12の設置位置(吹付区間W)には、溶射区間T1の後側端部R(図6参照)が移動して来ることとなるが、この後側端部Rについても遮蔽板14を使用した前側端部Fと同様の溶射制御を行う。
具体的には、基材10が前方へ移動され(図4Bの矢印M2参照)、溶射区間T1の後側端部Rが吹付区間Wの後端(第二遮蔽板14の前端)に到達し(図4B(l),図6(l))、さらに進行して溶射区間T1の後側端部Rが吹付区間Wの範囲内に入ると(図4B(m),図6(m))、基材10の前方への移動に同期して第二遮蔽板14は基材10と一緒に前方へ移動する(矢印S3参照)。そして基材10と第二遮蔽板14は、第二遮蔽板14が第一遮蔽板13に突き当たるまで前方へ並走する(図4B(n),図6(n))。
第二遮蔽板14が第一遮蔽板13に突き当たる位置まで移動すると(図4B(n),図6(n))この位置で折り返し、今度は逆に後方へ基材10を移動させる(図4B(o)の矢印M1参照)。この基材10の後方への移動に伴い、第二遮蔽板14も基材10と一緒に後方へ移動する(図4B(o)の矢印S4参照)。そして、溶射区間T1の後側端部Rが吹付区間Wの後端に到達すると、第二遮蔽板14は開放位置に復帰して当該位置で停止し、両遮蔽板13,14は開放状態となる(図4B(p))。
一方、基材10はさらに後方へ移動していき(図4B(q))、基材10の表面(溶射区間T1の中間部分)には溶射ガン12から噴射された溶射材が、開放状態にある両遮蔽板13,14の間を通って吹き付けられる。
上記基材10(台車26)および遮蔽板13,14の移動制御、すなわち、基材10(台車26)の移動速度や往復回数等は、基材10の種類や溶射材の種類、形成すべき皮膜10aの厚さ等によって様々であって良く特に限定されない。また、基材10(台車26)および遮蔽板13,14の移動制御は、制御部(コンピュータ/図示せず)によって行うが、その具体的制御方法は問わない。吹付区間Wの前後方向の位置、ならびに、溶射区間T1の端部(前側端部Fおよび後側端部R)の現在位置を常に検出できるようにしておけば、予めプログラミングすることにより当該制御部によって全自動で溶射加工を行えるようにすることも可能である。
さらに、溶射区間T1は1本の基材に1箇所とは限られず、1本の基材に複数の溶射区間があっても良い。図8に1本の基材10に2つの溶射区間T1,T2がある例を示したが、3つ以上の溶射区間が1本の基材にあっても構わない。
特に、1つの基材に多数の溶射区間が存在する場合に、単純に固定された遮蔽板を使用して溶射ガンを基材に沿って移動させる加工方法では、非溶射部に対応した多数の遮蔽板を備えなければならないのに対して、本発明によれば2枚の可動遮蔽板を備えるだけで済む利点もある。
また本実施形態では、溶射区間の端部において一方の遮蔽板(前端部では第一遮蔽板13、後端部では第二遮蔽板14)のみを移動させ、他方の遮蔽板(前端部では第二遮蔽板14、後端部では第一遮蔽板13)は開放位置に停止させたままとしたが、当該他方の遮蔽板も一方の遮蔽板と一緒に移動させるようにしても良い。
図9〜図10はこのような態様を示すものである。図9(e)〜(f)に示すように溶射区間の前端部において第一遮蔽板13を移動させるときには第二遮蔽板14も第一遮蔽板13と一緒に移動させ(矢印S1参照)、図10(m)〜(n)に示すように溶射区間の後端部において第二遮蔽板14を移動させるときには第一遮蔽板13も第二遮蔽板14と一緒に移動させても良い(矢印S3参照)。
前記図5〜図6の例では各遮蔽板13,14を単独で移動させるため、各遮蔽板13,14についてそれぞれ駆動手段が必要となるが、第一遮蔽板13と第二遮蔽板14を一緒に移動させる上記図9〜図10の態様によれば、遮蔽板を動かす駆動手段が1つで済む利点がある。
さらに、前記実施形態では、溶射ガンおよび遮蔽板に対して基材を移動させたが、逆に、溶射ガンと遮蔽板を基材に対して移動させる構造とすることも可能である。
図11〜図12はこのような態様を示すものである。図11(c)に示すように溶射ガン12と第一遮蔽板13と第二遮蔽板14を一緒に前方へ移動させ(矢印M3参照)、図11(d)に示すように吹付区間Wが溶射区間の前側端部Fと重なる位置に来たときに第一遮蔽板13を停止する。溶射ガン12と第二遮蔽板14は共にさらに前方へ移動するが、溶射区間の外側(前方側)は、停止した第一遮蔽板13によって覆われるから、当該部分への皮膜の形成は阻止される。
溶射区間の後側についても同様である。図12(k)に示すように溶射ガン12と第一遮蔽板13と第二遮蔽板14を一緒に後方へ移動させ(矢印M4参照)、図12(l)に示すように吹付区間Wが溶射区間の後側端部Rと重なる位置に来たときに第二遮蔽板14を停止する。溶射ガン12と第一遮蔽板13は共にさらに後方へ移動するが、溶射区間の外側(後方側)は、停止した第二遮蔽板14によって覆われるから、当該部分への皮膜の形成は阻止される。
なお、このように基材ではなく溶射ガンおよび遮蔽板を移動させる態様では、基材は静止状態に支持するから支持装置には走行のための機構(車輪や駆動装置)は不要で、基材を支持し回転させる機構(ローラ装置21、モータ23、チャック24および押圧部25)のみを支持装置に備えれば良い。
また、図5〜図6等に示すように皮膜の端部は、外側へ行くに従って(前端部は前方へ向かうに従って/後端部は後方へ向かうに従って)膜厚が次第に薄くなるテーパ状の断面形状となっている。これは、両遮蔽板13,14の間を通過した溶射材が吹付区間Wの幅より若干外側に広がるためである。ただし、このようなテーパ部が溶射区間T1の外側に形成されることは、皮膜10aが端部から剥がれることを防ぐことが出来る点で却って好ましい。
また、このようなテーパ状の皮膜部(テーパ部)の傾斜の程度(なだらかな斜面が形成されるか、急傾斜の斜面が形成されるか)は、基材10と遮蔽板(前端部については第一遮蔽板13/後端部については第二遮蔽板14/以下同様)との間の距離を調整することによって制御することが可能である。すなわち、基材10と遮蔽板の距離を小さくすればテーパ部は急斜面となり、溶射区間T1の外側にはみ出すテーパ部の長さを小さく抑えることが出来る。逆に、基材10と遮蔽板の距離を大きく設定すればテーパ部はなだらかな斜面となり、皮膜10aをより剥がれ難くすることが出来る。
さらに、このようなテーパ部の傾斜調整は、遮蔽板の移動速度を調整することによっても可能である。すなわち、前端部における遮蔽板13(後端部では遮蔽板14)の移動速度S1(後端部ではS3)を基材10の移動速度M1(後端部ではM2)より速くすればテーパ部は急斜面となり、前端部における遮蔽板13(後端部では遮蔽板14)の移動速度S1(後端部ではS3)を基材10の移動速度M1(後端部ではM2)より遅くすればテーパ部はなだらかな斜面となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
例えば、前記実施形態では台車26は床面上を走行するように図に示したが、軌道上(レールの上)を走行するようにしても良い。また、前記実施形態において遮蔽板13,14の支持構造や駆動装置は図に示していないが、支持構造は遮蔽板13,14を移動可能に支持できる構造であれば、また駆動装置は例えばモータなど遮蔽板13,14を移動できる駆動手段であればそれぞれ如何なるものであっても構わない。さらに前記実施形態では、溶射ガン・遮蔽装置と、基材のうちのいずれか一方を移動させることとしたが、溶射ガン・遮蔽装置と、基材とを相対的に移動させれば本願発明の目的を達成できるから、溶射ガン・遮蔽装置と基材との双方が移動するような構造とすることも可能である。
F 溶射区間の前側端部
R 溶射区間の後側端部
T1,T2 溶射区間
W 吹付区間
10 基材(加工対象)
10a 皮膜
11 溶射加工装置
12 溶射ガン
13 第一遮蔽板
14 第二遮蔽板
21 ローラ装置
22a,22b 支持ローラ
23 モータ
24 チャック
25 押圧部
26 台車
27 車輪

Claims (9)

  1. 加工対象である長尺の基材を支持して往復移動させる支持装置と、
    前記支持装置に支持された基材に対して噴射口から溶射材を吹き付ける溶射ガンと、
    前記溶射ガンと前記基材との間に介在され、前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽装置と
    を備え、
    前記基材の長さ方向の一部の区間に前記溶射材による皮膜を形成する
    溶射加工装置であって、
    前記支持装置による基材の移動方向を前後方向としたときに、
    前記遮蔽装置は、
    前記噴射口から見て斜め前方の基材部分を覆う第一遮蔽板と、
    前記噴射口から見て斜め後方の基材部分を覆う第二遮蔽板と
    を有し、
    これにより当該第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を通って前記噴射口から前記基材へ溶射材を吹き付けることを可能とする開放状態を実現する一方、
    前記第一遮蔽板は、前記開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から後方へ移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、
    前記第二遮蔽板は、前記開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から前方へ移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、
    前記開放状態にある第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を吹付区間とし、前記皮膜を形成すべき基材の区間を溶射区間としたときに、
    前記基材の移動に伴って前記溶射区間の前側端部が前記吹付区間と重なるような位置に来たときに、前記第一遮蔽板は、前記基材と同期するように前記基材と一緒に前後方向に移動し、
    前記基材の移動に伴って前記溶射区間の後側端部が前記吹付区間と重なるような位置に来たときに、前記第二遮蔽板は、前記基材と同期するように前記基材と一緒に前後方向に移動する
    ことを特徴とする溶射加工装置。
  2. 加工対象である長尺の基材を支持する支持装置と、
    前記支持装置に支持された基材に対して噴射口から溶射材を吹き付ける溶射ガンと、
    前記溶射ガンと前記基材との間に介在され、前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽装置と
    を備え、
    前記基材の長さ方向の一部の区間に前記溶射材による皮膜を形成する
    溶射加工装置であって、
    前記基材の長さ方向を前後方向としたときに、
    前記溶射ガンと前記遮蔽装置は、前記基材に沿って前後方向に一緒に移動可能であり、
    前記遮蔽装置は、
    前記噴射口から見て斜め前方の基材部分を覆う第一遮蔽板と、
    前記噴射口から見て斜め後方の基材部分を覆う第二遮蔽板と
    を有し、
    これにより当該第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を通って前記噴射口から前記基材へ溶射材を吹き付けることを可能とする開放状態を実現する一方、
    前記第一遮蔽板は、前記開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から後方へ移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、
    前記第二遮蔽板は、前記開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から前方へ移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、
    前記開放状態にある第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を吹付区間とし、前記皮膜を形成すべき基材の区間を溶射区間としたときに、
    前記溶射ガンおよび遮蔽装置の移動に伴って前記吹付区間が前記溶射区間の前側端部と重なるような位置に来たときに、前記第一遮蔽板は、前記基材との相対位置が変わらないように移動を停止し、
    前記溶射ガンおよび遮蔽装置の移動に伴って前記吹付区間が前記溶射区間の後側端部と重なるような位置に来たときに、前記第二遮蔽板は、前記基材との相対位置が変わらないように移動を停止する
    ことを特徴とする溶射加工装置。
  3. 前記支持装置は、
    前記基材を回転可能に支持する支持ローラを含み且つ前後方向に配列させた複数のローラ装置と、
    前記基材を当該基材の軸周りに回転させる回転装置と
    を有する請求項1または2に記載の溶射加工装置。
  4. 前記噴射口と前記基材との間の距離を変更できるようにした
    請求項1から3のいずれか一項に記載の溶射加工装置。
  5. 前記第一遮蔽板および第二遮蔽板と、前記基材との間の距離を変更できるようにした
    請求項1から4のいずれか一項に記載の溶射加工装置。
  6. 加工対象である長尺の基材を軸周りに回転させるとともに当該基材の長さ方向である前後方向に当該基材を移動させながら、当該基材の表面に対し、溶射ガンの噴射口から噴射する溶射材を吹き付け、当該基材の長さ方向の一部の区間に前記溶射材による皮膜を形成する
    溶射加工基材の製造方法であって、
    加工の開始前に、
    前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽装置を、前記溶射ガンと前記基材との間に介在されるように備え、
    当該遮蔽装置は、
    前記噴射口から見て斜め前方の基材部分を覆う第一遮蔽板と、
    前記噴射口から見て斜め後方の基材部分を覆う第二遮蔽板と
    を有し、
    これにより当該第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を通って前記噴射口から前記基材へ溶射材を吹き付けることを可能とする開放状態を実現する一方、
    前記第一遮蔽板は、前記開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から後方へ移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、
    前記第二遮蔽板は、前記開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から前方へ移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、
    前記開放状態にある第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を吹付区間とし、前記皮膜を形成すべき基材の区間を溶射区間としたときに、
    加工時に、
    前記基材の移動に伴って前記溶射区間の前側端部が前記吹付区間と重なるような位置に来たときに、前記第一遮蔽板を、前記基材と同期するように前記基材と一緒に前後方向に移動させ、
    前記基材の移動に伴って前記溶射区間の後側端部が前記吹付区間と重なるような位置に来たときに、前記第二遮蔽板を、前記基材と同期するように前記基材と一緒に前後方向に移動させる
    ことを特徴とする溶射加工基材の製造方法。
  7. 加工対象である長尺の基材を軸周りに回転させるとともに、当該基材の長さ方向である前後方向に溶射ガンを移動させながら、当該基材の表面に対し、前記溶射ガンの噴射口から噴射する溶射材を吹き付け、当該基材の長さ方向の一部の区間に前記溶射材による皮膜を形成する
    溶射加工基材の製造方法であって、
    加工の開始前に、
    前記溶射ガンと一緒に前記基材の長さ方向に移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽装置を、前記溶射ガンと前記基材との間に介在されるように備え、
    当該遮蔽装置は、
    前記噴射口から見て斜め前方の基材部分を覆う第一遮蔽板と、
    前記噴射口から見て斜め後方の基材部分を覆う第二遮蔽板と
    を有し、
    これにより当該第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を通って前記噴射口から前記基材へ溶射材を吹き付けることを可能とする開放状態を実現する一方、
    前記第一遮蔽板は、前記開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から後方へ移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、
    前記第二遮蔽板は、前記開放状態の位置である開放位置と、当該開放位置から前方へ移動して前記溶射ガンから噴射される溶射材の基材表面への到達を制限する遮蔽位置との間で移動可能であり、
    前記開放状態にある第一遮蔽板と第二遮蔽板との間を吹付区間とし、前記皮膜を形成すべき基材の区間を溶射区間としたときに、
    加工時に、
    前記溶射ガンおよび遮蔽装置の移動に伴って前記吹付区間が前記溶射区間の前側端部と重なるような位置に来たときに、前記第一遮蔽板を、前記基材との相対位置が変わらないように移動を停止し、
    前記溶射ガンおよび遮蔽装置の移動に伴って前記吹付区間が前記溶射区間の後側端部と重なるような位置に来たときに、前記第二遮蔽板を、前記基材との相対位置が変わらないように移動を停止する
    ことを特徴とする溶射加工基材の製造方法。
  8. 加工前に前記噴射口と前記基材との間の距離を変更できるようにした
    請求項6または7に記載の溶射加工基材の製造方法。
  9. 加工前に前記第一遮蔽板および第二遮蔽板と、前記基材との間の距離を変更できるようにした
    請求項6から8のいずれか一項に記載の溶射加工基材の製造方法。
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