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JP6627484B2 - 化学品製造設備及び化学品製造設備を使用した化学品製造運転停止方法 - Google Patents

化学品製造設備及び化学品製造設備を使用した化学品製造運転停止方法 Download PDF

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Description

本発明は、化学品製造設備及び該化学品製造設備を使用した化学品製造運転停止方法に関する。
化学品の合成原料に用いられる化合物のうち、常温常圧下では気体であるが、その沸点がそれほど低くなく、加圧や冷却により容易に液化できるものについては、いわゆる液化ガスとして、保存容器や輸送容器等の中に液体の状態として取り扱われるのが一般的である。特に該液化ガスが可燃性を有する可燃性液化ガスの場合には、爆発や燃焼抑制のため、該保存容器や輸送容器等が高温とならないように、又、酸素の混入や可燃性液化ガスが外部へ漏洩がなきように厳重に管理されることが必要である。
該可燃性液化ガスを原料として気相酸化反応により化学品を製造する場合、該保存容器等より蒸発装置等に送液し、該蒸発装置等において該可燃性液化ガスを気化し、次いで気化した可燃性液化ガスを気相酸化反応する反応器等に移送し、化学品を製造することが一般的である。
従来技術においては、該蒸発装置等において、液状熱媒により該可燃性液化ガスを気化し、気化の際に消費される潜熱を冷熱として回収し、冷却用熱媒として利用することが行われている。
例えば、非特許文献1には、アクリロニトリルの製造原料である液化プロピレンと液化アンモニアをグリコール水溶液により気化させ、熱交換後のグリコール水溶液を冷凍機の冷却用媒体として用いることが記載されている。
特許文献1には、アクリル酸の製造原料である液化プロピレンを0℃〜50℃の液状熱媒により気化し、該気化に要した潜熱により冷却された液状熱媒をアクリル酸捕集塔やアクリル酸分離塔の付属冷却器の熱交換器の冷却用熱媒とする方法が開示されている。
特開2001−131109号公報
Hydrocarbon Processing,May,1977,P169−172"Newest acrylonitrile process"
しかしながら、従前の技術では、例えば特許文献1の発明、又は、非特許文献1の技術内容には可燃性液化ガスを原料として化学品を製造する際に、可燃性液化ガスの気化において消費される潜熱を有効利用する化学品製造運転については開示されているが、該化学品製造運転の停止操作を効率よく行うことについては記載も示唆もなかった。
とりわけ、原料を可燃性液化ガスAから可燃性液化ガスBに変更するために化学品製造運転操作を停止し、蒸発装置内の可燃性液化ガスAを系外に除去する場合や、何らかの不具合が蒸発装置内等に生じ、その内部の点検のために化学品製造運転を停止し、蒸発装置内の可燃性液化ガスを系外に除去する場合、特に可燃性液化ガスの取扱量が多いと、従来技術の化学品製造設備では運転停止操作を行うには非常に非効率な設備であり、その開始から終了まで長時間を要するものであった。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものである。すなわち、アンモニア及び炭素数3若しくは炭素数4の炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種の可燃性液化ガスを原料として化学品を製造する化学品製造設備において、エネルギーを有効に活用して化学品を製造することができることに加えて効率的且つ短時間に停止操作が可能となる化学品製造設備及び該化学品製造設備による化学品製造運転の停止方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、可燃性液化ガスを原料として化学品を製造する化学品製造設備において、該可燃性液化ガスを気化する原料ガス化工程、気化した原料ガスを酸化反応により粗化学品とする酸化反応工程、粗化学品を精製して化学品とする精製工程を有し、前記原料ガス化工程で使用される蒸発装置が以下の構成を備えることで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、原料ガス化工程で使用される蒸発装置が該蒸発装置内部に該可燃性液化ガスを気化するための伝熱装置を有し、且つ、該蒸発装置の少なくとも底部を含む外周部の一部を加熱する加熱装置を有し、該伝熱装置に液状熱媒を供給するラインが接続され、該伝熱装置より液状熱媒を冷媒供給システムに送液するラインが接続されている化学品製造設備を前記化学品の製造に用いることで、特に可燃性液化ガスの取扱量が多い場合や、蒸発装置がその容量に対して表面積の割合が小さい場合でも、該可燃性液化ガスの潜熱の回収を効率的に行えると共に、該化学品製造運転の停止操作を安全かつ短期間に完了することができることを見出した。
中でも本発明の化学製造設備は、液化プロピレンからアクリル酸を製造するための設備として好適であることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1]アンモニア及び炭素数3若しくは炭素数4の炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種の可燃性液化ガスを原料とし、該可燃性液化ガスを気化する原料ガス化工程、気化した原料ガスを酸化反応により粗化学品とする酸化反応工程、粗化学品を精製して化学品とする精製工程を有する化学品を製造する化学品製造設備であって、
前記原料ガス化工程で使用される蒸発装置が該蒸発装置内部に前記可燃性液化ガスを気化するための伝熱装置を有し、且つ、前記蒸発装置の少なくとも底部を含む外周部の一部を加熱する加熱装置を有し、
前記伝熱装置に液状熱媒を供給するラインが接続され、且つ、前記伝熱装置より前記液状熱媒を冷媒供給システムに送液するラインが接続されている化学品製造設備。
[2]前記加熱装置がスチームトレース又は電気ヒーターである前記[1]に記載の化学品製造設備。
[3]前記蒸発装置が、断熱材で被覆されている前記[1]又は[2]に記載の化学品製造設備。
[4]前記可燃性液化ガスが、アンモニア、ブタン、1−ブテン、イソブテン及びプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種である前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の化学品製造設備。
[5]前記化学品が、アクリロニトリル、アクロレイン、メタクリル酸、アクリル酸、ブテン及びブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種である前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の化学品製造設備。
[6]前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の化学品製造設備を使用した化学品製造運転停止方法であって、前記伝熱装置を稼働しながら、前記蒸発装置への可燃性液化ガスの受け入れを停止し、次いで、前記加熱装置を稼働し、更に前記蒸発装置へ不活性ガスを供給することにより、蒸発装置内の原料ガスを蒸発装置外へ排出する化学品製造運転停止方法。
[7]化学品製造運転における前記蒸発装置への可燃性液化ガスの受け入れ速度が1時間当たり1トン以上である前記[6]に記載の化学品製造運転停止方法。
[8]液化プロピレンをプロピレンガスとする原料ガス化装置、前記プロピレンガスを粗アクリル酸とする酸化反応装置及び前記粗アクリル酸をアクリル酸とする精製装置を備えるアクリル酸製造設備であって、前記原料ガス化装置が、内部に伝熱装置を有し、且つ、前記原料ガス化装置の少なくとも底部を含む外周部に加熱装置を有するアクリル酸製造設備。
[9]前記伝熱装置に熱媒を供給するラインが接続され、且つ、前記伝熱装置より熱媒を冷媒供給システムに送液するラインが接続されている前記[8]に記載のアクリル酸製造設備。
[10]前記加熱装置がスチームトレース又は電気ヒーターである前記[8]又は[9]に記載のアクリル酸製造設備。
[11]前記原料ガス化装置が、断熱材で被覆されている前記[8]〜[10]のいずれか1つに記載のアクリル酸製造設備。
[12]前記[8]〜[11]のいずれか1つに記載のアクリル酸製造設備を使用したアクリル酸の製造方法であって、原料ガス化装置により液化プロピレンをプロピレンガスとし、酸化反応装置によりプロピレンガスを粗アクリル酸とし、精製装置により粗アクリル酸をアクリル酸とするアクリル酸の製造方法。
[13]前記原料ガス化装置への液化プロピレンの供給速度が1時間当たり1トン以上である前記[12]に記載のアクリル酸の製造方法。
[14]前記[12]又は[13]に記載のアクリル酸の製造方法において、アクリル酸の製造を停止する方法であって、前記伝熱装置を稼働しながら、前記原料ガス化装置への液化プロピレンの供給を停止し、次いで、前記加熱装置を稼働し、更に前記原料ガス化装置へ不活性ガスを供給することにより、プロピレンを原料ガス化装置外へ排出するアクリル酸の製造を停止する方法。
本発明によれば、可燃性液化ガスを蒸発装置で気化し、酸化反応により化学品を製造する方法において、気化により消費される潜熱を冷熱として有効に回収し、利用することができ、更に、該化学品の製造運転停止において、該蒸発装置内に残留した可燃性液化ガスを安全かつ速やかに除去することが可能となり、より経済的な停止操作が可能となる。
特に本発明のアクリル酸製造設備により、気化により消費される潜熱を冷熱として有効に回収・利用ができるため、経済的なアクリル酸の製造を行うことができる。
図1は、従来の化学品製造設備の概念図である。 図2は、本発明における原料ガス化装置の一例を示す図である。
以下、添付図面に基づいて本発明の化学品製造設備及び該化学品製造設備を使用した化学品製造運転停止方法を詳細に説明する。
図1は、従来の化学品製造設備であり、可燃性液化ガスを原料として原料ガス化工程、酸化反応工程、精製工程を経て化学品を製造する化学品製造設備が示されている。この化学品製造設備において、原料ガス化工程で可燃性液化ガスを液状熱媒にて気化するが、該気化において消費される潜熱を冷熱として利用することが図示されている。
本発明の化学品製造装置は、可燃性液化ガスを気化する原料ガス化装置、気化した可燃性液化ガスを粗化学品とする酸化反応装置及び前記粗化学品を精製して化学品とする精製装置を備え、原料ガス化装置が、内部に伝熱装置を有し、原料ガス化装置の少なくとも底部を含む外周部に加熱装置を有する。
図2は本発明の化学品製造設備における可燃性液化ガスを気化する原料ガス化装置の一例を示す図である。
原料ガス化装置は、蒸発装置(2)を備え、該蒸発装置(2)へ可燃性液化ガスを供給する可燃性液化ガスの供給ライン(1)、気化した可燃性液化ガスを抜き出す原料ガスの抜き出しライン(6)、パージ用窒素の供給ライン(11)及び排ガスを抜き出す排ガスの抜き出しライン(12)が接続されている。
蒸発装置(原料ガス化装置)(2)は、内部に伝熱装置(3)を有し、その少なくとも底部を含む外周部に加熱装置(図2の加熱用蒸気配管(9))を有している。
伝熱装置(3)には、熱媒を供給するための液状熱媒の供給ライン(4)と蒸発潜熱を供給した熱媒を冷媒供給システムに送液する液状熱媒の抜き出しライン(5)が接続している。
蒸発装置(2)の外周部は断熱材(7)で覆われることが好ましい。断熱材(7)を配することにより効率よく液化熱媒により蒸発潜熱を供給することができ、可燃性液化ガスの気化が可能となる。断熱材としては特に限定されないが、例えばガラスウールや発泡ポリウレタン等が挙げられる。
本発明において、加熱装置(加熱用蒸気配管(9))は運転停止時に用いられるものである。加熱装置としては、維持管理の点で簡便なスチームトレース又は電気ヒーターが好ましく、スチームトレースがより好ましい。
なお、図2において、加熱用蒸気配管(9)は蒸発装置(2)の底部を覆っているが、本発明における加熱装置は、該蒸発装置の少なくとも底部を含む外周部の一部を加熱する加熱装置であればよい。
酸化反応装置は、気化した可燃性液化ガスから粗化学品を生成できるものであれば特に限定はされない。従来公知の酸化反応装置を使用することができ、例えば、多管式反応器、プレート型反応器等が挙げられる。
精製装置は、酸化反応装置で得られた粗化学品を精製して化学品を得ることが出来れば特に限定はされない。従来公知の精製装置を使用することができ、例えば、蒸留塔、抽出塔、晶析装置等が挙げられる。
次に、本発明の化学品製造設備を使用した化学品の製造方法について説明する。
本発明の化学品の製造方法は、アンモニア及び炭素数3若しくは炭素数4の炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種の可燃性液化ガスを原料とし、原料ガス化装置により可燃性液化ガスを気化し、酸化反応装置により気化した原料ガスを粗化学品とし、精製装置により粗化学品を化学品とする。
まず、原料ガス化装置により可燃性液化ガスを気化する(原料ガス化工程)。
図2に示したように、原料ガス化装置(蒸発装置(2))において、原料となる可燃性液化ガスを、可燃性液化ガスの供給ライン(1)より蒸発装置(2)に供給する。蒸発装置(2)の形状は運転時の耐圧性の観点から円筒型が好ましい。蒸発装置(2)の設置の方向は、縦置きでも横置きでも構わない。蒸発装置(2)に送液された可燃性液化ガスは蒸発装置(2)内にある伝熱装置(3)により気化し、気化した原料ガスは、原料ガスの抜き出しライン(6)より酸化反応装置に送られ、酸化反応工程に供される。
尚、可燃性液化ガスを気化するために、液状熱媒の供給ライン(4)を介して液状熱媒が伝熱装置(3)に供給されており、蒸発潜熱を供給した液状熱媒は伝熱装置から、液状熱媒の抜き出しライン(5)により抜き出され、冷媒供給システム(図示無し)に送液される。
液状熱媒としては、水が一般的であるが、蒸発潜熱を供給した後に0℃以下となる場合には凍結回避の為にエチレングリコール水溶液や硫酸アンモニウム水溶液等の無機ないし有機水溶液としてもよい。効率的に可燃性液化ガスと熱交換を行うために、該伝熱装置(3)の伝熱面積を大きくすることが好ましく、伝熱装置としては、例えばプレート型や多管式等が挙げられる。
本発明において、蒸発装置(2)への液化プロピレンの供給速度は、1時間当たり1トン以上であることが好ましい。供給速度が1時間当たり1トン以上であると空気中への放熱による熱損失の割合が充分に少なくなるとなるため好ましい。供給速度は、1時間当たり2トン以上であることがより好ましく、4トン以上であることが更に好ましい。供給速度の上限は、機器が大型化し過ぎるとその製作コストが極端に高くなり、また保全時の負荷が増大し、万が一の地震・火災等災害発生時の対策が講じ難くなること、等々の観点から、1時間当たり20トン以下が好ましく、15トン以下がより好ましい。
本発明において、蒸発装置(2)内の加熱温度は、−20〜20℃であることが好ましく、−15〜15℃がより好ましく、−10〜10℃が更に好ましい。加熱温度を−20〜20℃とすることで外気や河川水による単純冷却では得難い温度の冷熱を、損失少なく回収することができる。
本発明において、蒸発装置(2)内の運転圧力は、200〜1000kPaであることが好ましく、250〜800kPaがより好ましく、300〜600kPaが更に好ましい。運転圧力を200〜1000kPaとすることで酸化反応工程へ原料ガスを供給するに必要且つ充分な圧力を得ることができる。
酸化反応装置に送られた気化した原料ガスは、この酸化反応装置で粗化学品を生成する(酸化反応工程)。
酸化反応工程の条件としては、酸化用の空気含有気体との混合において、形成されるガス組成が爆発組成を回避することであり、また、意図しない爆発組成の形成に対しては、プラントの緊急停止策を講じること、等が挙げられる。
上記得られた粗化学品は、精製装置で精製され、化学品が得られる(精製工程)。
精製工程の条件としては、重合に伴う機器の閉塞や破損の回避を目的とした、減圧による操作温度の低下、重合禁止剤の添加、滞留部の解消、等が挙げられる。
本発明では、化学品の製造を停止する際には、原料ガス化装置の伝熱装置を稼働しながら、原料ガス(可燃性液化ガス)の供給を停止し、次いで、加熱装置を稼働し、更に原料ガス化装置へ不活性ガスを供給することにより、原料ガスを原料ガス化装置外へ排出する。
次いで、運転停止方法について説明する。
図2に示したように、伝熱装置(3)の稼働を続けながら、可燃性液化ガスの供給ライン(1)のバルブを閉とする操作、原料ガスの抜き出しライン(6)のバルブを閉とする操作、及び、排ガスの抜き出しライン(12)のバルブを開とする操作を行う。これらの操作により、蒸発装置(2)内に残留する可燃性液化ガスの蒸発装置(2)外への除去を開始する。
尚、伝熱装置(3)は稼働を継続していることより蒸発装置(2)内に残留する可燃性液化ガスは減少するが、可燃性液化ガスの減少速度は低下していく。蒸発装置(2)内の可燃性液化ガス残量や内圧は蒸発装置(2)に設置された液面計、圧力計等により観測することができ、液量の低下、圧力の減少に応じて、蒸気の供給ライン(8)のバルブを徐々に開とし、蒸発装置(2)の加熱を開始する。更に、十分に圧力が低下したことを確認した後に、パージ用窒素の供給ライン(11)のバルブを開とすることにより、可燃性液化ガスの供給ライン(1)及び蒸発装置(2)内の残留する可燃性液化ガスを窒素ガスによりパージを行うことができる。
以上の運転停止方法を行うことにより、効率的且つ短時間に停止操作を行うことが可能となるのである。
該運転停止方法においても蒸発装置(2)の外周部は断熱材(7)で覆われることが好ましい。断熱材(7)があることにより、加熱用蒸気配管(9)による加熱を効率よく行うことが可能となり、停止操作を短時間で行うことが可能となる。
本発明の化学品製造運転停止方法は、化学品製造運転を停止する方法であり、可燃性液化ガスの取扱量が増えるほど、言い換えると蒸発装置の容量が大きく、該液化ガスの蒸発に要する熱量が大きいほど効果的である。その規模としては、該化学品製造運転時における蒸発装置(2)へ可燃性液化ガスの受け入れ速度が1時間当たり1トン以上であることが好ましく、2トン以上であることがより好ましく、4トン以上であることが更に好ましい。
本発明の化学品製造設備に用いられる可燃性液化ガスは、極低温の設備を有せずとも液化可能な、沸点が−50℃〜常温内の化合物であり、アンモニア及び炭素数3若しくは炭素数4の炭化水素から成る群より選ばれた少なくとも1種である。中でも汎用的な化学品原料であることより、可燃性液化ガスは、アンモニア、ブタン、1−ブテン、イソブテン及びプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、プロピレンが更に好ましい。
本発明の化学品製造設備で製造される化学品は、製造量が多く、大型の製造設備が使用されることより、アクリロニトリル、アクロレイン、メタクリル酸、アクリル酸、ブテン及びブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、アクリル酸が更に好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明は何ら以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
液化プロピレンを原料とし、図2のような原料ガス化装置によりプロピレンガスとし、これを用いて気相酸化反応工程により粗アクリル酸含有ガスを得た。次いで粗アクリル酸含有ガスは精製工程に送られアクリル酸を得た。蒸発装置の運転圧力は500kPa、液状熱媒は水を用い、供給温度が7.4〜8℃、抜き出し温度が3.5〜4℃であった。抜き出した液状熱媒は冷媒供給システムへ送液した。このような状態で半年間運転したのち、運転を停止した。
プロピレンの酸化反応工程への供給及び蒸発装置への液化プロピレンの供給を停止し、排ガスの抜き出しラインを開けた。蒸発装置の圧力が500kPaを維持するよう、液状熱媒である水の供給は継続したところ、30分程で圧力の低下が確認された為、徐々に加熱用蒸気配管の蒸気の供給ラインを開け、圧力が500kPaとなるよう調整した。やがて蒸気の供給量に関わらず圧力が低下するようになり、続く2時間で外気との圧力差が10kPaまで減少した為、少量の蒸気供給は継続したまま、可燃性液化ガスの供給ラインから窒素の供給を開始した。排ガスの抜き出しラインに設置したガス検知器にてプロピレンが検出されなくなるまで3時間を要し、安全の為に更に1時間の窒素ガスによるパージを継続して、残留プロピレンの排出を終了した。排出に要した時間は述べ6.5時間であった。
[比較例1]
蒸発装置への蒸気供給を行わずに残留プロピレンの排出を行ったこと以外は実施例1と同様の運転停止操作を行ったところ、蒸発装置の外気との圧力差が10kPa未満となるまで、約8時間を要した。次いで実施例1と比べて1.5倍量の流速で窒素パージを行ったが、ガス検知器でプロピレンが検出されなくなるまで約半日を要し、安全の為更に4時間の窒素パージを継続して終了とした。所要時間は約1日であった。
1 可燃性液化ガスの供給ライン
2 蒸発装置
3 伝熱装置
4 液状熱媒の供給ライン
5 液状熱媒の抜き出しライン
6 原料ガスの抜き出しライン
7 断熱材
8 蒸気の供給ライン
9 加熱用蒸気配管
10 凝縮水の抜き出しライン
11 パージ用窒素の供給ライン
12 排ガスの抜き出しライン

Claims (14)

  1. アンモニア及び炭素数3若しくは炭素数4の炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種の可燃性液化ガスを原料とし、該可燃性液化ガスを気化する原料ガス化工程、気化した原料ガスを酸化反応により粗化学品とする酸化反応工程、粗化学品を精製して化学品とする精製工程を有する化学品を製造する化学品製造設備であって、
    前記原料ガス化工程で使用される蒸発装置が該蒸発装置内部に前記可燃性液化ガスを気化するための伝熱装置を有し、且つ、前記蒸発装置の少なくとも底部を含む外周部の一部を加熱する加熱装置を有し、
    前記伝熱装置に液状熱媒を供給するラインが接続され、且つ、前記伝熱装置より前記液状熱媒を冷媒供給システムに送液するラインが接続されている化学品製造設備。
  2. 前記加熱装置がスチームトレース又は電気ヒーターである請求項1に記載の化学品製造設備。
  3. 前記蒸発装置が、断熱材で被覆されている請求項1又は2に記載の化学品製造設備。
  4. 前記可燃性液化ガスが、アンモニア、ブタン、1−ブテン、イソブテン及びプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学品製造設備。
  5. 前記化学品が、アクリロニトリル、アクロレイン、メタクリル酸、アクリル酸、ブテン及びブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学品製造設備。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の化学品製造設備を使用した化学品製造運転停止方法であって、前記伝熱装置を稼働しながら、前記蒸発装置への可燃性液化ガスの受け入れを停止し、次いで、前記加熱装置を稼働し、更に前記蒸発装置へ不活性ガスを供給することにより、蒸発装置内の原料ガスを蒸発装置外へ排出する化学品製造運転停止方法。
  7. 化学品製造運転における前記蒸発装置への可燃性液化ガスの受け入れ速度が1時間当たり1トン以上である請求項6に記載の化学品製造運転停止方法。
  8. 液化プロピレンをプロピレンガスとする原料ガス化装置、前記プロピレンガスを粗アクリル酸とする酸化反応装置及び前記粗アクリル酸をアクリル酸とする精製装置を備えるアクリル酸製造設備であって、
    前記原料ガス化装置が、内部に伝熱装置を有し、且つ、前記原料ガス化装置の少なくとも底部を含む外周部に加熱装置を有するアクリル酸製造設備。
  9. 前記伝熱装置に熱媒を供給するラインが接続され、且つ、前記伝熱装置より熱媒を冷媒供給システムに送液するラインが接続されている請求項8に記載のアクリル酸製造設備。
  10. 前記加熱装置がスチームトレース又は電気ヒーターである請求項8又は9に記載のアクリル酸製造設備。
  11. 前記原料ガス化装置が、断熱材で被覆されている請求項8〜10のいずれか1項に記載のアクリル酸製造設備。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載のアクリル酸製造設備を使用したアクリル酸の製造方法であって、
    原料ガス化装置により液化プロピレンをプロピレンガスとし、酸化反応装置によりプロピレンガスを粗アクリル酸とし、精製装置により粗アクリル酸をアクリル酸とするアクリル酸の製造方法。
  13. 前記原料ガス化装置への液化プロピレンの供給速度が1時間当たり1トン以上である請求項12に記載のアクリル酸の製造方法。
  14. 請求項12又は13に記載のアクリル酸の製造方法において、アクリル酸の製造を停止する方法であって、
    伝熱装置を稼働しながら、原料ガス化装置への液化プロピレンの供給を停止し、
    次いで、加熱装置を稼働し、更に原料ガス化装置へ不活性ガスを供給することにより、プロピレンを原料ガス化装置外へ排出するアクリル酸の製造を停止する方法。
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