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JP6618387B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質電池、特にリチウムイオン二次電池に関する。
非水電解質電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車等を含む自動車用電池として実用化されている。このような車載電源用電池としてリチウムイオン二次電池が使用されている。リチウムイオン二次電池は、出力特性、エネルギー密度、容量、寿命、高温安定性等の種々の特性を併せ持つことが要求されている。特に電池の高出力化を図るために、電極について様々な改良が図られている。
たとえば、特許文献1には、電極活物質粒子径(最大粒径および中心粒径)を特定のサイズ範囲とすることで、活物質層を薄く形成した場合であっても活物質層の膜面を均一に形成することができる旨が提案されている。特許文献1は、導電性が高く、安全性に富んだ薄塗りの活物質層を有する高出力用途用の電極板を提供することができるとしている。特許文献1でも提案されているように、電極活物質の粒子径を小さくすれば、電極活物質層を薄くすることができるのは当然であると云える。
特開2006−107779号
しかしながら高出力電池の電極活物質の粒子径を小さくしすぎると、電池の入出力特性が低下するという問題があった。電池の高電流密度による充放電(すなわち入出力特性)は、リチウムイオンが電極層内を拡散していく際の抵抗が大きくなるので、電極層内部のリチウムイオンの拡散速度が電極反応の律速となる。この場合は、対向する両電極層の表面付近の電極活物質が充放電における電極反応に主に関与することになる。ここで電極層の厚さに対して電極活物質の粒子径が小さすぎると、実質的に充放電に寄与できる電極活物質の量が減ることになり、入出力特性が低下すると考えられる。そこで、本発明は、電極活物質の粒子径と電極活物質層の厚さとのバランスを適切な範囲に維持することにより、リチウムイオン二次電池の特性(特に高入出力下での充放電特性)の改善を図ることを目的とする。
本発明の実施形態におけるリチウムイオン二次電池は、正極活物質層が正極集電体に配置された正極と、負極活物質層が負極集電体に配置された負極と、セパレータと、電解液と、を含む発電要素を、外装体内部に含むリチウムイオン二次電池である。ここで正極活物質の粒子径(Dc90)の値に対する該正極活物質層の厚さ(Tc)の比(Tc/Dc90)の値は1.4〜2.5であり、負極活物質の粒子径(Da90)の値に対する負極活物質層の厚さ(Ta)の比(Ta/Da90)の値は1.3〜2.3であり、リチウムイオン二次電池の出力と容量との比(W/Wh)の値が25以上であることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、高入出力による充放電が可能な高容量電池である。
図1は、本発明の一の実施形態のリチウムイオン二次電池を表す模式断面図である。
本発明の実施形態を以下に説明する。実施形態において正極とは、正極活物質と、バインダーと、必要な場合導電助剤との混合物を金属箔等の正極集電体に塗布または圧延および乾燥して正極活物質層を形成した薄板状あるいはシート状の電池部材である。負極とは、負極活物質と、バインダーと、必要な場合導電助剤との混合物を負極集電体に塗布して負極活物質層を形成した薄板状あるいはシート状の電池部材である。セパレータとは、正極と負極とを隔離して負極・正極間のリチウムイオンの伝導性を確保するための膜状の電池部材である。電解液とは、イオン性物質を溶媒に溶解させた電気伝導性のある溶液のことであり、本実施形態においては特に非水電解液を用いることができる。正極と負極とセパレータと電解液とを含む発電要素とは、電池の主構成部材の一単位であり、通常、正極と負極とがセパレータを介して積層されて、この積層物が電解液に浸漬されている。
実施形態のリチウムイオン二次電池は、外装体の内部に該発電要素が含まれて成り、好ましくは、発電要素は該外装体内部に封止されている。封止されているとは、発電要素が外気に触れないように、外装体材料により包まれていることを意味する。すなわち外装体は、発電要素をその内部に封止することが可能な袋形状をしている。
すべての実施形態において用いることができる正極は、正極活物質を含む正極活物質層が正極集電体に配置された正極を含む。好ましくは、正極は、正極活物質、バインダーおよび場合により導電助剤の混合物をアルミニウム箔などの金属箔からなる正極集電体に塗布または圧延し、乾燥して得た正極活物質層を有している。各実施形態において、正極活物質層は、好ましくはリチウム・ニッケル系複合酸化物を正極活物質として含む。リチウム・ニッケル系複合酸化物とは、一般式LiNiMe(1−y)(ここでMeは、Al、Mn、Na、Fe、Co、Cr、Cu、Zn、Ca、K、Mg、およびPbからなる群より選択される、少なくとも1種以上の金属である。)で表される、リチウムとニッケルとを含有する遷移金属複合酸化物のことである。
正極活物質層は、さらにリチウム・マンガン系複合酸化物を正極活物質として含むことができる。リチウム・マンガン系複合酸化物は、たとえばジグザグ層状構造のマンガン酸リチウム(LiMnO)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)等を挙げることができる。リチウム・マンガン系複合酸化物を併用することで、より安価に正極を作製することができる。特に、過充電状態での結晶構造の安定度の点で優れるスピネル型のマンガン酸リチウム(LiMn)を用いることが好ましい。
正極活物質層は、特に、一般式LiNiCoMn(1−y−z)で表される層状結晶構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を正極活物質として含むことが好ましい。ここで、一般式中のxは1≦x≦1.2であり、yおよびzはy+z<1を満たす正の数であり、yの値が0.5以下である。なお、マンガンの割合が大きくなると単一相の複合酸化物が合成されにくくなるため、1−y−z≦0.4とすることが望ましい。また、コバルトの割合が大きくなると高コストとなり容量も減少するため、z<y、z<1−y−zとすることが望ましい。高容量の電池を得るためには、y>1−y−z、y>zとすることが特に好ましい。
正極活物質層に場合により用いられる導電助剤として、カーボンナノファイバー等のカーボン繊維、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛、メゾポーラスカーボン、フラーレン類、カーボンナノチューブ等の炭素材料が挙げられる。その他、正極活物質層には増粘剤、分散剤、安定剤等の、電極形成のために一般的に用いられる電極添加剤を適宜使用することができる。
正極活物質層に用いられるバインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリピロール類等の導電性ポリマー、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ブタジエンラバー(BR)、クロロプレンラバー(CR)、イソプレンラバー(IR)、アクリロニトリルブラジエンラバー(NBR)等の合成ゴム、あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン等の多糖類を用いることができる。
すべての実施形態において用いることができる負極は、負極活物質を含む負極活物質層が負極集電体に配置された負極を含む。好ましくは、負極は、負極活物質、バインダーおよび場合により導電助剤の混合物を銅箔などの金属箔からなる負極集電体に塗布または圧延し、乾燥して得た負極活物質層を有している。各実施形態において、負極活物質が、黒鉛を含む。特に負極活物質層に黒鉛がを含まれると、電池の残容量(SOC)が低いときにも電池の出力を向上させることができるというメリットがある。黒鉛は、六方晶系六角板状結晶の炭素材料であり、石墨、グラファイト等と称されることがある。黒鉛は粒子の形態であることが好ましい。
また、負極活物質として非晶質炭素が含まれていてもよく、場合により黒鉛と非晶質炭素との混合物を用いてもよい。非晶質炭素とは、部分的に黒鉛に類似するような構造を有していてもよい、微結晶がランダムにネットワークした構造をとった、全体として非晶質である炭素材料のことである。非晶質炭素として、カーボンブラック、コークス、活性炭、カーボンファイバー、ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン等が挙げられる。非晶質炭素は粒子の形状をしていることが好ましい。上記の黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とをともに含む混合炭素材を用いると、電池の回生性能が向上する。
負極活物質層に場合により用いられる導電助剤として、カーボンナノファイバー等のカーボン繊維、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、メゾポーラスカーボン、フラーレン類、カーボンナノチューブ等の炭素材料が挙げられる。その他、負極活物質層には増粘剤、分散剤、安定剤等の、電極形成のために一般的に用いられる電極添加剤を適宜使用することができる。
負極活物質層に用いられるバインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリピロール類等の導電性ポリマー、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ブタジエンラバー(BR)、クロロプレンラバー(CR)、イソプレンラバー(IR)、アクリロニトリルブラジエンラバー(NBR)等の合成ゴム、あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン等の多糖類を用いることができる。
ここで上記の正極活物質層の厚さをTcとしたとき、正極活物質の粒子径(Dc90)に対する該Tcの比(Tc/Dc90)は1.4〜2.5であり、負極活物質層の厚さをTaとしたとき、負極活物質の粒子径(Da90)に対する該Taの比(Ta/Da90)は1.3〜2.3であることが好ましい。Dc90とは、正極活物質粒子の粒度分布において積算値が90%以上のときの粒子径の値を表す。またDa90とは、負極活物質粒子の粒度分布において積算値が90%以上のときの粒子径の値を表す。Tc/Dc90の値を1.4〜2.5、Ta/Da90の値を1.3〜2.3とすると、正極活物質および負極活物質の粒子が、それぞれ正極活物質層および負極活物質層から突出することがなく、これら電極活物質層表面を均一にすることができる。
なお、正極活物質の粒子径Dc90の値は11〜16μmであることが好ましい。正極活物質の粒子径Dc90の値を当該範囲とすると、より薄い電極層を作製することができる。正極活物質層の厚さは16〜40μmの範囲とすることができ、好ましくは、23〜30μmの範囲とすることができる。また、負極活物質の粒子径(Da90)の値は14〜31μmであることが好ましい。負極活物質の粒子径Da90を当該範囲とすると、より薄い電極層を作製することができる。負極活物質層の厚さは18〜45μmの範囲とすることができ、好ましくは、32〜41μmの範囲とすることができる。
正極活物質として、特に層状結晶構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を用いた場合、正極活物質の粒子径(Dc50)に対する該Tcの比(Tc/Dc50)は1.8〜3.3であり、負極活物質層の厚さをTaとしたとき、負極活物質の粒子径(Da50)に対する該Taの比(Ta/Da50)は2.5〜3.2であることが好ましい。Dc50とは、正極活物質粒子の粒度分布において積算値が50%のときの粒子径、すなわち正極活物質の平均粒子径の値を表す。またDa50とは、負極活物質粒子の粒度分布において積算値が50%のときの粒子径の値、すなわち負極活物質の平均粒子径を表す。Tc/Dc50の値を1.8〜3.3、Ta/Da50の値を2.5〜3.2とすると、正極活物質および負極活物質の粒子が、それぞれ正極活物質層および負極活物質層から突出することがなく、これら電極活物質層表面を均一にすることができる。このように、Da90およびDc90のみを制御するのではなく、Da50およびDc50も制御すると、粒径の大きい活物質の大部分が電極表面層付近に並ぶ。すると充放電に寄与できる活物質がより多くなり、電池の出力特性がさらに向上する。
本明細書のすべての実施形態において用いる電解液は、非水電解液であって、ジメチルカーボネート(以下「DMC」と称する。)、ジエチルカーボネート(以下「DEC」と称する。)、エチルメチルカーボネート(以下「EMC」と称する。)、ジ−n−プロピルカーボネート、ジ−t−プロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジ−イソブチルカーボネート、またはジ−t−ブチルカーボネート等の鎖状カーボネートと、プロピレンカーボネート(以下「PC」と称する。)、エチレンカーボネート(以下「EC」と称する。)等の環状カーボネートとを含む混合物であることが好ましい。電解液は、このようなカーボネート混合物に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)等のリチウム塩を溶解させたものである。
電解液は、環状カーボネートと、鎖状カーボネートとを含む混合溶媒であることが好ましい。特にPCは、凝固点が低い溶媒であり、電池の低温時の出力の向上のために好適に用いられる。ただしPCは負極活物質として用いられる黒鉛との相性がやや低いことが知られている。ECは極性が高く誘電率が高い溶媒であり、リチウムイオン二次電池用電解液の構成成分として広く用いられる。ただしECは融点(凝固点)が高く、室温で固体であるため、これを混合溶媒にしても、低温下では凝固および析出するおそれがある。DMCは拡散係数が大きく粘度が低い溶媒である。ただしDMCは融点(凝固点)が高いため、電解液が低温下で凝固するおそれがある。EMCもDMCと同様拡散係数が大きく粘度が低い溶媒である。このように、電解液の構成成分はそれぞれに異なる特性を有しており、電池の低温時の出力を向上させるためにはこれらのバランスを考慮して適切な混合溶媒として用いることが重要である。
電解液は、このほか、添加剤として環状カーボネート化合物を含んでいてもよい。添加剤として用いられる環状カーボネートとしてビニレンカーボネート(VC)が挙げられる。また、添加剤としてハロゲンを有する環状カーボネート化合物を用いてもよい。これらの環状カーボネートも、電池の充放電過程において正極ならびに負極の保護被膜を形成する化合物である。特に、上記のジスルホン酸化合物またはジスルホン酸エステル化合物のような硫黄を含む化合物による、リチウム・ニッケル系複合酸化物を含有する正極活物質への攻撃を防ぐことができる化合物である。ハロゲンを有する環状カーボネート化合物として、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ジクロロエチレンカーボネート、トリクロロエチレンカーボネート等を挙げることができる。ハロゲンを有し不飽和結合を有する環状カーボネート化合物であるフルオロエチレンカーボネートは特に好ましく用いられる。
また、電解液は、添加剤としてジスルホン酸化合物をさらに含んでいてもよい。ジスルホン酸化合物とは、一分子内にスルホ基を2つ有する化合物であり、スルホ基が金属イオンと共に塩を形成したジスルホン酸塩化合物、あるいはスルホ基がエステルを形成したジスルホン酸エステル化合物を包含する。ジスルホン酸化合物のスルホ基の1つまたは2つは、金属イオンと共に塩を形成していてもよく、アニオンの状態であってもよい。ジスルホン酸化合物の例として、メタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、1,4−ブタンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸、およびこれらの塩(メタンジスルホン酸リチウム、1,3−エタンジスルホン酸リチウム等)、およびこれらのアニオン(メタンジスルホン酸アニオン、1,3−エタンジスルホン酸アニオン等)が挙げられる。またジスルホン酸化合物としてはジスルホン酸エステル化合物が挙げられ、メタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、1,4−ブタンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、またはビフェニルジスルホン酸のアルキルジエステルまたはアリールジエステル等の鎖状ジスルホン酸エステル;ならびにメチレンメタンジスルホン酸エステル、エチレンメタンジスルホン酸エステル、プロピレンメタンジスルホン酸エステル等の環状ジスルホン酸エステルが好ましく用いられる。メチレンメタンジスルホン酸エステル(MMDS)は特に好ましく用いられる。
すべての実施形態において用いられるセパレータは、オレフィン系樹脂層から構成される。オレフィン系樹脂層は、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、へキセンなどのα−オレフィンを重合または共重合させたポリオレフィンから構成される層である。実施形態において、電池温度上昇時に閉塞される空孔を有する構造、すなわち多孔質あるいは微多孔質のポリオレフィンから構成される層であることが好ましい。オレフィン系樹脂層がこのような構造を有していることにより、万一電池温度が上昇しても、セパレータが閉塞して(シャットダウンして)、イオン流を寸断することができる。シャットダウン効果を発揮するためには、多孔質のポリエチレン膜を用いることが非常に好ましい。セパレータは、場合により耐熱性微粒子層を有していてよい。この際、電池の異常発熱を防止するために設けられた耐熱性微粒子層は、耐熱温度が150℃以上の耐熱性を有し、電気化学反応に安定な無機微粒子から構成される。このような無機微粒子として、シリカ、アルミナ(α−アルミナ、β−アルミナ、θ−アルミナ)、酸化鉄、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウムなどの無機酸化物;ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、スピネル、マイカ、ムライトなどの鉱物を挙げることができる。このように、耐熱層を有するセラミックセパレータを用いることもできる。
ここで、実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の構成例を、図面を用いて説明する。図1はリチウムイオン二次電池の断面図の一例を表す。リチウムイオン二次電池10は、主な構成要素として、負極集電体11、負極活物質層13、セパレータ17、正極集電体12、正極活物質層15を含む。図1では、負極集電体11の両面に負極活物質層13が設けられ、正極集電体12の両面に正極活物質層15が設けられているが、各々の集電体の片面上のみに活物質層を形成することもできる。負極集電体11、正極集電体12、負極活物質層13、正極活物質層15、及びセパレータ17が一つの電池の構成単位、すなわち発電要素である(図中、単電池19)。このような単電池19を、セパレータ17を介して複数積層する。各負極集電体11から延びる延出部を負極リード25上に一括して接合し、各正極集電体12から延びる延出部を正極リード27上に一括して接合してある。なお正極リードとしてアルミニウム板、負極リードとして銅板が好ましく用いられ、場合により他の金属(たとえばニッケル、スズ、はんだ)または高分子材料による部分コーティングを有していてもよい。正極リードおよび負極リードはそれぞれ正極および負極に溶接される。このように複数の単電池を積層してできた電池は、溶接された負極リード25および正極リード27を外側に引き出す形で、外装体29により包装される。外装体29の内部には電解液31が注入されている。外装体29は、2枚の積層体を重ね合わせ、周縁部を熱融着した形状をしている。
実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の出力と容量との比(W/Wh)は、25以上であることが好ましい。このような範囲の出力容量比を有するリチウムイオン電池は、特に車両積載用電池、あるいは定置型電池として都合よく用いられる。これらの電池は高い容量維持率が要求されるため、本実施形態の電池を適用することは特に有用である。
<負極の作製:実施例および比較例>
負極活物質として、負極活物質として、粒子径D90およびD50が表1に記載されたとおりの天然黒鉛粉末を用いた。この黒鉛粉末と、導電助剤としてBET比表面積62m/gのカーボンブラック粉末(以下、「CB」と称する。)(TIMCAL製、SC65)と、バインダー樹脂としてフッ化ビニリデン樹脂(以下「PVDF」と称する。)(クレハ製、#7200)を、固形分質量比で黒鉛:導電助剤:バインダー=93:2:5の割合で混合し、溶媒であるN−メチルピロリドン(以下、「NMP」と称する。)に添加した。得られたスラリーを、負極集電体となる厚み10μmの銅箔上に塗布した。このとき、比較例1および実施例1〜3は、片面の目付量(乾燥後重量)が4.1mg/cm、比較例2および実施例4〜6は、片面の目付量が5.5mg/cmとなるように、スラリーを塗布した。次いで、125℃にて10分間、電極を加熱し、NMPを蒸発させることにより負極活物質層を形成した。さらに、負極活物質層の空孔率が40%となるように電極をプレスして、負極集電体の片面上に負極活物質層を塗布した負極を作製した。
<正極の作製:実施例および比較例>
粒子径D90およびD50が表1に記載されたとおりのリチウム・ニッケル系複合酸化物(ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム(「NCM523」、すなわちニッケル:コバルト:マンガン=5:2:3))を用いた。このリチウム・ニッケル系複合酸化物と、導電助剤としてBET比表面積62m/gのCB(TIMCAL製、SC65)と、バインダー樹脂としてPVDF(クレハ製、#7200)とを、固形分質量比でNCM523:CB:PVDFが90:5:5の割合となるように、溶媒であるNMPに添加した。さらに、この混合物に有機系水分捕捉剤として無水シュウ酸(分子量90)を、上記混合物からNMPを除いた固形分100質量部に対して0.03質量部添加した上で遊星方式の分散混合を30分間実施することで、これらの材料を均一に分散させてスラリーを作製した。得られたスラリーを、正極集電体となる厚み12μmのアルミニウム箔上に塗布した。このとき、比較例1および実施例1〜3は、片面の目付量(乾燥後重量)が6.0mg/cm、比較例2および実施例4〜6は、片面の目付量が8.1mg/cmとなるように、スラリーを塗布した。次いで、125℃にて10分間、電極を加熱し、NMPを蒸発させることにより正極活物質層を形成した。さらに、正極活物質層の空孔率が30%となるように電極をプレスして、正極集電体の片面上に正極活物質層を塗布した正極を作製した。
<セパレータ>
耐熱微粒子としてアルミナを用いた耐熱微粒子層とポリプロピレンからなる厚さ25μmのセラミックセパレータを使用した。
<電解液>
エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)を、25:5:70(体積比)で混合した混合非水溶媒に電解質塩としての六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度が0.9mol/Lとなるように溶解させ、次いで、添加剤としてMMDSを1重量%となるように溶解させた。これらの非水混合溶媒を電解液として各々用いた。
<リチウムイオン二次電池の作製>
上記のように作製した正極板をサイズ200mm×140mmの矩形に切り出し、対向する負極板をサイズ204mm×144mmの矩形に切り出した。ポリプロピレン多孔質セパレータの両面に上記負極板と正極板とを両活物質層がセパレータを隔てて重なるように配置したものを10層重ねて電極積層体を得た。そして、電極積層体の箔部分にアルミニウム製の正極リード端子を超音波溶接した。同様に、負極箔部分にニッケル製の負極リード端子を負極板に超音波溶接した。この電極積層体を2枚のアルミニウムラミネートフィルムで包み、長辺の一方を除いて三辺を熱融着により接着した。上記の電解液を電極積層体とセパレータの空孔に対して145%の液量となるように注液して真空含浸させた後、減圧下にて開口部を熱融着により封止することによって、積層型リチウムイオン電池を作成した。この積層型リチウムイオン電池の初充電を行った後、45℃でエージングを数日間行い、表1に表す実施例1〜7、比較例1の積層型リチウムイオン電池を得た。
<初回充放電効率および電池容量>
初回充放電は、雰囲気温度25℃で、0.1C電流、上限電圧4.2Vでの定電流定電圧(CC−CV)充電を行った。その後、45℃で数日間エージングを行った。その後、3.0Vまで0.2C電流での定電流放電を行った。初回充放電効率は、再度電池電圧4.2VまでCC−CV充電を行い、電池電圧3.0Vまで0.2Cで放電したときの放電電気量と上記の初回充電容量との比(0.2C放電容量/初回充電容量)から求めた。電池の容量(Ah)は、上記の放電容量(4.2Vから3.0Vまで0.2C放電したときの放電電流値と時間の積)であり、Wh容量は、放電出力と時間の積から求めた。
<残容量(SOC)>
残容量(SOC、State of charge)とは、電池の使用電圧範囲における電池の容量に対する充電量を百分率で表した値のことである。本実施例では、電池の使用電圧範囲を3.0V(SOC0%)から4.2V(SOC100%)をSOCの範囲とした。
<SOCの調整>
上記で求めた電池の容量に対し、所望の充電量(SOC)となるように、電池電圧3Vの状態から0.2C電流でCC充電した。この状態で1時間放置した後の電池電圧を所望のSOCにおける電圧値とした。
<電池の最大出力>
SOC50%の電池を25℃で、10秒間、各種レートで放電を行った。電流値を横軸、10秒後の電池電圧を縦軸としたグラフに各放電実験の結果をプロットした。プロットした各点を結び、内外挿法により、所望の下限電圧値(本実施例では電池電圧3V)にあたる電流値をIMaxとした。このIMaxと、開始SOCでの電圧と最終SOCでの電圧との平均値電圧と、を乗じたものを電池の最大出力Wとした。
<出力容量比(W/Wh)>
出力容量比は、上記で測定した最大出力と容量との比(最大出力/容量)で算出した。
上記の実施例1〜6および比較例1および2の積層型リチウムイオン二次電池について、上記の評価を行った結果を表1に示す。なお電池出力は、実施例1〜3は比較例1にて測定された出力に対する相対値、実施例4〜6は比較例2にて測定された出力に対する相対値である。
Figure 0006618387
リチウムイオン電池の高電流密度(高レート)での入出力特性は、電池の動作中にリチウムイオンが電極の厚さ方向にどこまで入るかに影響される。リチウムイオンが厚さ方向の拡散可能距離は、様々な要因に依存するが、物理的な要因としては、電極活物質の粒子径と電極活物質層の厚さとの関係に特に影響されると考えられる。Tc/Dc90の値、ならびにTa/Da90の値が共に本発明の範囲を満たす電池は、比較例の電池と比べて出力が大きく向上している。同じくTc/Dc50の値、ならびにTa/Da50の値が共に本発明の範囲を満たす電池は、比較例の電池と比べて出力が大きく向上している。Tc/Dc90の値、ならびにTa/Da90の値を本発明の範囲とすることで、電極活物質層の厚さ方向に存在する活物質を多く活用することができるため、電池の出力特性を向上できると考えられる。
以上、本発明の実施例について説明したが、上記実施例は本発明の実施形態の一例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を特定の実施形態あるいは具体的構成に限定する趣旨ではない。
10 リチウムイオン二次電池
11 負極集電体
12 正極集電体
13 負極活物質層
15 正極活物質層
17 セパレータ
25 負極リード
27 正極リード
29 外装体
31 電解液

Claims (4)

  1. 正極活物質を含む正極活物質層が正極集電体に配置された正極と、
    負極活物質を含む負極活物質層が負極集電体に配置された負極と、
    セパレータと、
    電解液と、
    を含む発電要素を、外装体内部に含むリチウムイオン二次電池であって、
    該正極活物質が、一般式Li Ni Co Mn (1−y−z)
    (式中、1≦x≦1.2であり、yおよびzはy+z<1を満たす正の数であり、y≦0.5、1−y−z≦0.4、z<y、z<1−y−z、y>1−y−zである。)で表される層状結晶構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物であり、
    該負極活物質が、黒鉛であり、
    該正極活物質の粒子径(Dc90)の値に対する該正極活物質層の厚さ(Tc)の比(Tc/Dc90)の値が1.4〜2.5であり、該負極活物質の粒子径(Da90)の値に対する該負極活物質層の厚さ(Ta)の比(Ta/Da90)の値が1.3〜2.3であり、
    該リチウムイオン二次電池の出力と容量との比(W/Wh)の値が25以上である、
    前記リチウムイオン二次電池。
  2. 該正極活物質の粒子径(Dc90)の値が11〜16μmであり、該負極活物質の粒子径(Da90)の値が14〜31μmである、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 該正極活物質層の厚さが23〜30μmであり、該負極活物質層の厚さが32〜41μmである、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 該リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の平均粒子径(Dc50)の値に対する該正極活物質層の厚さ(Tc)の比の値(Tc/Dc50)が1.8〜3.3であり、該黒鉛の平均粒子径(Da50)の値に対する該負極活物質層の厚さ(Ta)の比(Ta/Da50)の値が2.5〜3.2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
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