[go: up one dir, main page]

JP6613252B2 - 光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6613252B2
JP6613252B2 JP2016574758A JP2016574758A JP6613252B2 JP 6613252 B2 JP6613252 B2 JP 6613252B2 JP 2016574758 A JP2016574758 A JP 2016574758A JP 2016574758 A JP2016574758 A JP 2016574758A JP 6613252 B2 JP6613252 B2 JP 6613252B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
amorphous semiconductor
type amorphous
photoelectric conversion
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016574758A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016129481A1 (ja
Inventor
敏彦 酒井
剛 神川
真臣 原田
督章 國吉
柳民 鄒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Publication of JPWO2016129481A1 publication Critical patent/JPWO2016129481A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6613252B2 publication Critical patent/JP6613252B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F10/00Individual photovoltaic cells, e.g. solar cells
    • H10F10/10Individual photovoltaic cells, e.g. solar cells having potential barriers
    • H10F10/16Photovoltaic cells having only PN heterojunction potential barriers
    • H10F10/164Photovoltaic cells having only PN heterojunction potential barriers comprising heterojunctions with Group IV materials, e.g. ITO/Si or GaAs/SiGe photovoltaic cells
    • H10F10/165Photovoltaic cells having only PN heterojunction potential barriers comprising heterojunctions with Group IV materials, e.g. ITO/Si or GaAs/SiGe photovoltaic cells the heterojunctions being Group IV-IV heterojunctions, e.g. Si/Ge, SiGe/Si or Si/SiC photovoltaic cells
    • H10F10/166Photovoltaic cells having only PN heterojunction potential barriers comprising heterojunctions with Group IV materials, e.g. ITO/Si or GaAs/SiGe photovoltaic cells the heterojunctions being Group IV-IV heterojunctions, e.g. Si/Ge, SiGe/Si or Si/SiC photovoltaic cells the Group IV-IV heterojunctions being heterojunctions of crystalline and amorphous materials, e.g. silicon heterojunction [SHJ] photovoltaic cells
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F71/00Manufacture or treatment of devices covered by this subclass
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F77/00Constructional details of devices covered by this subclass
    • H10F77/70Surface textures, e.g. pyramid structures
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

この発明は、光電変換素子に関する。
従来、n型の結晶シリコン基板とp型の非晶質シリコン層との間に真性(i型)の非晶質シリコンを介在させて、界面での欠陥を低減し、ヘテロ接合界面での特性を改善させた光電変換装置が知られている(下記特許文献1参照)。
特開2010−10620号公報
結晶シリコンとp型非晶質シリコン層との界面に真性非晶質シリコンが形成されている裏面接合型の光電変換素子の作製に際し、メタルマスク等のシャドーマスクを用い、結晶シリコン基板の裏面にn型半導体層とp型半導体層を別々にパターニングする場合、先に形成される半導体層の位置に応じた適切な位置に、後に形成する半導体層を形成しなければならない。しかしながら、結晶シリコン基板のディンプルによる不均一な反射光等によって、先に形成される半導体層の位置が確実に認識できない場合、適切な位置にn型半導体層とp型半導体層とを形成することができず、n型半導体層とp型半導体層とが重なり、光電変換効率が低下する場合がある。
本発明は、n型半導体層とp型半導体層とが重なることによる光電変換効率の低下を低減しうる光電変換素子と、それを備えた太陽電池モジュール及び太陽光発電システムを提供することを目的とする。
本発明に係る光電変換素子は、半導体基板と、前記半導体基板の一方の面に形成され、第1の導電型を有する第1非晶質半導体層と、前記半導体基板の一方の面に形成されるとともに前記半導体基板の面内方向において前記第1非晶質半導体層に隣接して形成され、前記第1の導電型と反対の第2の導電型を有する第2非晶質半導体層と、前記半導体基板の一方の面の少なくとも一部に形成されたテクスチャ構造と、前記テクスチャ構造の上に、前記第1非晶質半導体層及び前記第2非晶質半導体層の少なくとも一方の非晶質半導体層を含む光散乱層と、を備える。
本発明によれば、n型半導体層とp型半導体層とが重なることによる光電変換効率の低下を低減することができる。
図1Aは、実施の形態1に係る光電変換素子を上から見た模式図である。 図1Bは、図1Aに示す光電変換素子をA−A線で切断した断面図である。 図2は、大きさや形状がさまざまなピラミッド状の凹凸が複数形成されたテクスチャ構造を示す図である。 図3は、図1に示す電極および保護膜の拡大図である。 図4は、図1に示すn型非晶質半導体層の詳細な構造を示す断面図である。 図5は、図1に示すn型非晶質半導体層の他の詳細な構造を示す断面図である。 図6は、図1に示す光電変換素子の製造方法を示す第1の工程図である。 図7は、図1に示す光電変換素子の製造方法を示す第2の工程図である。 図8は、図1に示す光電変換素子の製造方法を示す第3の工程図である。 図9は、図1に示す光電変換素子の製造方法を示す第4の工程図である。 図10は、図1に示す光電変換素子の製造方法を示す第5の工程図である。 図11Aは、実施の形態1におけるn型非晶質半導体層を形成する際に用いるシャドーマスクを上から見た模式図である。 図11Bは、実施の形態1におけるp型非晶質半導体層を形成する際に用いるシャドーマスクを上から見た模式図である。 図11Cは、図11Bに示すシャドーマスクの位置合わせを説明する模式図である。 図12の(a)〜(d)は、裏面の状態が各々異なる半導体基板にアライメントマークを形成した場合のアライメントマークの光学顕微鏡画像の比較例を示す図である。 図13Aは、図1に示す光電変換素子の裏面側から見た平面図である。 図13Bは、配線シートの平面図である。 図14Aは、実施の形態2による光電変換素子を上から見た模式図である。 図14Bは、図14Aに示す光電変換素子の製造方法を示す工程図である。 図14Cは、実施の形態2による他の例の半導体基板を上から見た模式図である。 図15Aは、実施の形態3におけるn型非晶質半導体層を形成する際に用いるシャドーマスクを上から見た模式図である。 図15Bは、実施の形態3におけるp型非晶質半導体層を形成する際に用いるシャドーマスクを上から見た模式図である。 図16は、実施の形態3における半導体基板を上から見た模式図である。 図17は、実施の形態4に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。 図18は、図17に示す光電変換素子の製造方法を示す工程図である。 図19は、図17に示す光電変換素子の製造方法を示す工程図である。 図20は、図17に示す光電変換素子の製造方法を示す工程図である。 図21は、図17に示す光電変換素子の製造方法を示す工程図である。 図22は、実施の形態5による光電変換素子を備える光電変換モジュールの構成を示す概略図である。 図23は、実施の形態6による光電変換素子を備える太陽光発電システムの構成を示す概略図である。 図24は、図23に示す光電変換モジュールアレイの構成を示す概略図である。 図25は、実施の形態6による光電変換素子を備える別の太陽光発電システムの構成を示す概略図である。 図26は、実施の形態7による光電変換素子を備える太陽光発電システムの構成を示す概略図である。 図27は、実施の形態7による光電変換素子を備える別の太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、半導体基板と、前記半導体基板の一方の面に形成され、第1の導電型を有する第1非晶質半導体層と、前記半導体基板の一方の面に形成されるとともに前記半導体基板の面内方向において前記第1非晶質半導体層に隣接して形成され、前記第1の導電型と反対の第2の導電型を有する第2非晶質半導体層と、前記半導体基板の一方の面の少なくとも一部に形成されたテクスチャ構造と、前記テクスチャ構造の上に、前記第1非晶質半導体層及び前記第2非晶質半導体層の少なくとも一方の非晶質半導体層を含む光散乱層と、を備える(第1の構成)。
第1の構成によれば、半導体基板の一方の面の少なくとも一部に、テクスチャ構造が形成され、テクスチャ構造の上に第1非晶質半導体層及び第2非晶質半導体層の少なくとも一方の非晶質半導体層を含む光散乱層を有する。光散乱層におけるテクスチャ構造によって、光散乱層の反射率は略均一となるため、光散乱層の位置を特定しやすくなる。そのため、光散乱層における第1非晶質半導体層及び第2非晶質半導体層の少なくとも一方の位置を特定することができ、第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層とが重ならないように第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層とを形成することができる。
第2の構成は、第1の構成において、前記光散乱層は、前記半導体基板の一方の面において、前記第1非晶質半導体層と前記第2非晶質半導体層が形成される領域と異なる領域に形成され、前記第1非晶質半導体層及び前記第2非晶質半導体層の一方を形成する際の位置の調整に用いるアライメント部であることとしてもよい。
第2の構成によれば、アライメント部は、第1非晶質半導体層及び第2非晶質半導体層が形成される領域とは異なる領域に形成され、第1非晶質半導体層及び第2非晶質半導体層の一方を形成する際の位置の調整に用いられる。そのため、第1非晶質半導体層及び第2非晶質半導体層が形成される領域にアライメント部が形成される場合と比べ、アライメント部の位置を特定しやすく、第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層とが重ならないように、より適切な位置に第1非晶質半導体層及び第2非晶質半導体層を形成することができる。
第3の構成は、第2の構成において、前記アライメント部は、前記光電変換素子を識別する識別情報を含むこととしてもよい。
第3の構成によれば、アライメント部の識別情報によって光電変換素子を識別することができる。
第4の構成は、第1の構成において、前記光散乱層は、前記第1非晶質半導体層及び前記第2非晶質半導体層の少なくとも一方が形成された領域に形成され、前記第1非晶質半導体層及び前記第2非晶質半導体層の一方を形成する際の位置の調整に用いるためのアライメント部であることとしてもよい。
第4の構成によれば、アライメント部が第1非晶質半導体層及び第2非晶質半導体層が形成される領域と異なる領域に形成される場合と比べ、半導体基板の一方の面における第1非晶質半導体層及び第2非晶質半導体層が形成される領域を大きくすることができる。
第5の構成は、第1の構成において、前記光散乱層は、前記第1非晶質半導体層及び前記第2非晶質半導体層の少なくとも一方が形成された領域に形成され、前記第1非晶質半導体層及び前記第2非晶質半導体層が形成された位置の検査に用いるための検査部であることとしてもよい。
第5の構成によれば、検査部におけるテクスチャ構造によって、第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層の少なくとも一方が形成された位置を特定しやすくなるため、第1非晶質半導体層と第2非晶質半導体層が適切な位置に形成されているか否か検査することができる。
第6の構成は、第1から第5のいずれかの構成において、前記光散乱層は、さらに、前記一方の半導体層と前記半導体基板の一方の面との間に真性非晶質半導体層を含むこととしてもよい。
第6の構成によれば、光散乱層における非晶質半導体層が先に形成される場合、光散乱層の膜厚は当該非晶質半導体層が形成されていない領域よりも厚くなるため、光散乱層のコントラストが高くなる。その結果、光散乱層が形成されている位置がより特定しやすくなり、後に形成される非晶質半導体層をより適切な位置に形成できる。
第7の構成は、第1から第6のいずれかの構成において、前記テクスチャ構造を平面視した場合に、前記テクスチャ構造の凸部の外接円の直径の平均値は、15μm未満であることとしてもよい。
第6の構成によれば、半導体基板の一方の面からの反射光量が小さくなるため、アライメント部の位置を特定しやすくなる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
この明細書においては、非晶質半導体層は、微結晶相を含んで良いものとする。微結晶相は、平均粒子径が1〜50nmである結晶を含む。
[実施の形態1]
図1Aは、実施の形態1による光電変換素子を上から見た模式図である。また、図1Bは、図1Aに示す光電変換素子10をA−A線で切断した光電変換素子10の構成を示す断面図である。図1Aを参照して、光電変換素子10は、半導体基板1の一方の面の面内方向において、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5が交互に配置されている。
また、半導体基板1の一方の面には、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5とが形成されている領域と異なる領域にアライメントマーク4Mが形成されている。以下、光電変換素子10の具体的な構成について説明する。
図1A及び1Bを参照して、光電変換素子10は、半導体基板1と、反射防止膜2と、パッシベーション膜3と、n型非晶質半導体層4と、p型非晶質半導体層5と、電極6,7と、保護膜8と、アライメントマーク4Mとを備える。
半導体基板1において反射防止膜2が形成された面から太陽光が入射される。以下、反射防止膜2が形成された面を「受光面」、n型非晶質半導体層4と、p型非晶質半導体層5が形成された面を「裏面」と呼ぶ。
半導体基板1は、例えば、n型単結晶シリコン基板からなる。半導体基板1は、例えば、100〜150μmの厚さを有する。そして、半導体基板1は、図1に示すように基板の両面にテクスチャ構造が形成されている。本実施形態におけるテクスチャのサイズは15μm未満である。テクスチャサイズの詳細については後述する。
反射防止膜2は、半導体基板1の受光面に接して配置される。
パッシベーション膜3は、半導体基板1の裏面に接して配置される。
n型非晶質半導体層4は、パッシベーション膜3に接して配置される。
p型非晶質半導体層5は、パッシベーション膜3に接し、半導体基板1の面内方向においてn型非晶質半導体層4に隣接して配置される。より詳しくは、p型非晶質半導体層5は、半導体基板1の面内方向においてn型非晶質半導体層4との間で所望の間隔を隔てて配置される。
n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5は、半導体基板1の面内方向において交互に配置される。
図1Bではアライメントマーク4Mが図示されていないが、アライメントマーク4Mは、n型非晶質半導体層4と同じ半導体層を含み、アライメントマーク4Mの上部にはp型非晶質半導体層5と同じ半導体層が堆積されている。光電変換素子10の具体的な製造方法は後述するが、本実施の形態では、n型非晶質半導体層4を形成した後、p型非晶質半導体層5が形成される。アライメントマーク4Mは、p型非晶質半導体層5を形成する際に用いるシャドーマスクの位置の調整に用いられる。
本実施の形態において、アライメントマーク4Mは、光散乱層の一例である。光散乱層は、半導体基板1の裏面の少なくとも一部に形成されたテクスチャ構造と、n型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5の少なくとも一方と同じ非晶質半導体層を含む。本実施の形態では、アライメントマーク4Mは、p型非晶質半導体層5を形成する際のシャドーマスクの位置の調整に用いられるアライメント部として機能する。
電極6は、n型非晶質半導体層4上に、n型非晶質半導体層4に接して配置される。
電極7は、p型非晶質半導体層5上に、p型非晶質半導体層5に接して配置される。
保護膜8は、パッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4、p型非晶質半導体層5および電極6,7に接して配置される。より詳しくは、保護膜8は、隣接するn型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5間において、n型非晶質半導体層4、p型非晶質半導体層5および電極6,7の一部に接して配置されるとともに、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5との間に配置されたパッシベーション膜3の一部に接して配置される。そして、保護膜8は、電極6,7上に開口部8Aを有し、電極6,7の端から電極6,7の内側へ向かって5μm以上の領域に形成される。
反射防止膜2は、例えば、窒化シリコン膜からなり、例えば、60nmの膜厚を有する。また反射防止層2と受光面の間に、真性非晶質半導体層や、n型、p型の導電型の非晶質半導体層が挿入されていてもよい。この場合、受光面のパッシベーション性を向上することができるため好ましい。
パッシベーション膜3は、例えば、非晶質シリコン、非晶質シリコンの酸化物、非晶質シリコンの窒化物、非晶質シリコンの酸窒化物、および多結晶シリコンのいずれかからなる。
パッシベーション膜3が非晶質シリコンの酸化物からなる場合、パッシベーション膜3は、シリコンの熱酸化膜からなっていてもよいし、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の気相成膜法によって形成されたシリコンの酸化物からなっていてもよい。
パッシベーション膜3は、例えば、1〜20nmの膜厚を有し、好ましくは、3〜8nmの膜厚を有する。そして、パッシベーション膜3がシリコンの絶縁膜からなる場合、パッシベーション膜3は、キャリア(電子および正孔)がトンネル可能な膜厚を有する。実施の形態1においては、パッシベーション膜3は、シリコンの熱酸化膜からなり、パッシベーション膜3の膜厚は、2nmに設定されている。
n型非晶質半導体層4は、n型の導電型を有し、水素を含有する非晶質半導体層である。n型非晶質半導体層4は、例えば、n型非晶質シリコン、n型非晶質シリコンゲルマニウム、n型非晶質ゲルマニウム、n型非晶質シリコンカーバイド、n型非晶質シリコンナイトライド、n型非晶質シリコンオキサイド、n型非晶質シリコンオキシナイトライド、およびn型非晶質シリコンカーボンオキサイド等からなる。n型非晶質半導体層4は、例えば、n型ドーパントとしてリン(P)を含む。そして、n型非晶質半導体層4は、例えば、5〜50nmの膜厚を有する。
p型非晶質半導体層5は、p型の導電型を有し、水素を含有する非晶質半導体層である。p型非晶質半導体層5は、例えば、p型非晶質シリコン、p型非晶質シリコンゲルマニウム、p型非晶質ゲルマニウム、p型非晶質シリコンカーバイド、p型非晶質シリコンナイトライド、p型非晶質シリコンオキサイド、p型非晶質シリコンオキシナイトライド、およびp型非晶質シリコンカーボンオキサイド等からなる。p型非晶質半導体層5は、例えば、p型ドーパントとしてボロン(B)を含む。そして、p型非晶質半導体層5は、例えば、5〜50nmの膜厚を有する。
[テクスチャサイズの定義]
ここで、テクスチャサイズについて説明する。本明細書において、テクスチャのサイズとは、半導体基板1の主面を平面視した状態、すなわち半導体基板1の主面に対して垂直上方から見た状態におけるサイズを意味する。テクスチャの具体例としては、主面が(100)面であるn型単結晶シリコン基板に、異方性エッチングを施すことによって得られるピラミッド状(四角錐状や四角錐台状)の凹凸構造がある。実際のテクスチャは、図2に示すように、大きさや形状がさまざまなピラミッド状の凹凸が複数形成されている。この凹凸には、重なり合っているものや、変形したものも含まれている。
本実施の形態では、テクスチャを平面視した場合に、テクスチャの凸部の外接円の直径の平均値をテクスチャのサイズと定義する。ここでは、下記の方法により、テクスチャのサイズを求めた。
半導体基板1の主面において100μm×100μmの大きさの領域を抽出し、抽出した領域に含まれるピラミッド状の凹凸の側面の斜線長(平面視における斜線長)rのうち、斜線長rが長いものから順に20個(r1、r2、…、r20)を検出する。そして、検出した20個の斜線長r(r1、r2、…、r20)の平均値raveの2倍をテクスチャ構造のサイズとする。これは、半導体基板1の主面における100μm×100μmの大きさの領域内で、テクスチャを平面視した場合に、ピラミッド状の凸部の外接円の直径Rのうち、長いものから順に20個(R1、R2、…、R20)を検出し、検出した20個の外接円の直径Rの平均長と等しい。
なお、ピラミッド状の凹凸の底面の一辺の長さに基づいて、テクスチャのサイズを定義してもいいし、ピラミッド状の凹凸の高さに基づいて、テクスチャのサイズを定義してもよい。例えば、ピラミッド状の凹凸の形状が、正方形の底面を有する四角錐である場合、底面の一辺の長さaは、平面視した側面の斜線長rとa=2×r/√2の関係がある。また、底面と、側面の斜辺との成す角θをテクスチャの傾斜角とした場合、高さbは、b=r×tanθの関係がある。
次に、電極6、7及び保護膜8の具体的な構造について説明する。図3は、図1に示す電極6,7および保護膜8の拡大図である。図3の(a)は、電極6が形成されている部分の拡大図であり、図3の(b)は、電極7が形成されている部分の拡大図である。なお、図3では、電極6,7および保護膜8の構造を分かり易くするため、半導体基板1の裏面が平坦であり、平坦なパッシベーション膜3の上にn型非晶質半導体層4、及びp型非晶質半導体層5が形成されている構造を図示している。実際には、テクスチャが形成された半導体基板1の裏面にパッシベーション膜3が形成され、凹凸形状を有するパッシベーション膜3の上にn型非晶質半導体層4、及びp型非晶質半導体層5が形成されている。
図3の(a)に示すように、電極6は、導電層6a、6bからなる。導電層6aは、n型非晶質半導体層4に接して配置される。導電層6bは、導電層6aに接して配置される。保護膜8の開口部8Aの幅をLとし、電極6,7の端から開口部8Aまでの距離をHとした場合、導電層6a,6bは、n型非晶質半導体層4の面内方向において、n型非晶質半導体層4の中心から両側にH+L/2の範囲に形成される。幅Lは、例えば、20μm以上であり、好ましくは、100μm以上である。幅Lがこのような値に設定されることによって、外部配線と電極6,7との密着性を確保できるとともに、コンタクト抵抗を低下できる。また、距離Hは、電極6,7と保護膜8との密着性を考慮すると、例えば、5μm以上である。
図3の(b)に示すように、電極7は、導電層7a,7bからなる。導電層7aは、p型非晶質半導体層5に接して配置される。導電層7bは、導電層7aに接して配置される。導電層7a,7bは、p型非晶質半導体層5の面内方向において、p型非晶質半導体層5の中心から両側にH+L/2の範囲に形成される。
その結果、電極6,7の各々は、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5の面内方向において、2H+Lの長さを有する。
図3の(a)(b)に示すように、保護膜8は、例えば、保護層8a,8bの2層構造からなる。保護膜8がn型非晶質半導体層4上に形成される場合、保護層8aは、パッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4および電極6に接して配置される。保護層8bは、保護層8aに接して配置される。保護膜8がp型非晶質半導体層5上に形成される場合、保護層8aは、パッシベーション膜3、p型非晶質半導体層5および電極7に接して配置される。保護層8bは、保護層8aに接して配置される。
そして、n型非晶質半導体層4の面内方向において、電極6の端よりもn型非晶質半導体層4の外側の領域をギャップ領域G1と言い、p型非晶質半導体層5の面内方向において、電極7の端よりもp型非晶質半導体層5の外側の領域をギャップ領域G2と言う。その結果、n型非晶質半導体層4の面内方向においてn型非晶質半導体層4の両側にギャップ領域G1が存在する。また、p型非晶質半導体層5の面内方向においてp型非晶質半導体層5の両側にギャップ領域G2が存在する。
保護膜8がパッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4および電極6に接して配置されるとともにパッシベーション膜3、p型非晶質半導体層5および電極7に接して配置される結果、半導体基板1の面内方向において隣接するn型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5の領域では、ギャップ領域G(=G1+G2)が存在し、保護膜8は、図1に示すように、電極6,7およびギャップ領域G上に形成されることになる。このギャップ領域Gは、パッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5がむき出しになった領域であり、例えば、20μm〜500μmの幅を有する。
電極6、7が例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)で構成されている場合、電極6、7の反射率は90%以上となる。半導体基板1の裏面には、800−1200nm程度の長波長領域の光が到達する。半導体基板1の受光面から入射してきた光が、電極6、7が設けられている領域n、pに入射すると、電極6、7によって反射されて半導体基板1内に戻り、半導体基板1に吸収される。しかし、電極6、7が設けられていないギャップ領域G(図1参照)に光が入射した場合、電極6、7による反射が無いため、半導体基板1の裏面側に光が抜け、入射光を有効に利用できない場合がある。ギャップ領域Gの幅が広くなると、電極6、7で反射されない光が増えるため、好ましくない。このため、ギャップ領域Gの幅は500μm以下が好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
導電層6a,7aの各々は、透明導電膜からなる。透明導電膜は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnOおよびIWO(Indium Tungsten Oxide)などからなる。
導電層6b,7bの各々は、金属からなる。金属は、例えば、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、錫(Sn)、白金(Pt)、金(Au)、クロム(Cr)、タングステン(W)、コバルト(Co)およびチタン(Ti)のいずれか、またはこれらの合金、またはこれら金属の2層以上の積層膜からなる。
導電層6a,7aとしては、それぞれ、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5と密着性が良い透明導電膜を用いることが好ましく、導電層6b,7bとしては、導電率が高い金属を用いることが好ましい。
導電層6a,7aの各々の膜厚は、例えば、3〜100nmである。導電層6b,7bの各々の膜厚は、50nm以上であることが好ましく、実施の形態1においては、例えば、0.8μmである。
なお、実施の形態1においては、電極6は、導電層6bのみからなっており、電極7は、導電層7bのみからなっていてもよい。この場合、導電層6a,7aが無く、導電層6b,7bがそれぞれn型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5に接する。
導電層6a,7aが無い場合、導電層6b,7bは、金属膜で構成されており、それぞれ、下地であるn型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5と密着性が高い金属であることが好ましい。例えば、導電層6b,7bは、Ti,Ni,Al,Cr等からなり、かつ、1〜10nm程度の膜厚を有する密着層と、Al,Ag等を主成分とする光反射金属との積層構造からなる。
また、導電層6b,7bは、保護膜8と接するため、保護膜8との密着性を考慮する必要がある。保護膜8として、シリコン、アルミニウム、チタンおよびジルコニア等の酸化膜、シリコンおよびアルミニウムの窒化膜、シリコンおよびアルミニウムの酸窒化膜等を用いた場合、導電層6b,7bの保護膜8側の表面は、Al、インジウム(In)、Ti、Ni、Cu、Cr、W、Co、パラジウム(Pd)およびSn等の金属からなることが好ましい。
更に、電極6,7の各々は、透明導電膜の単膜からなっていてもよい。この場合、透明導電膜は、上述したITO等からなる。
保護層8a,8bの各々は、無機絶縁膜からなる。無機絶縁膜は、酸化膜、窒化膜および酸窒化膜等からなる。
酸化膜は、シリコン、アルミニウム、チタン、ジルコニア、ハフニウム、亜鉛、タンタルおよびイットリウム等の酸化膜からなる。
窒化膜は、シリコンおよびアルミニウム等の窒化膜からなる。
酸窒化膜は、シリコンおよびアルミニウム等の酸窒化膜からなる。
そして、保護層8bは、保護層8aと異なる無機絶縁膜からなる。即ち、上述した無機絶縁膜の中から2種類の膜を選択して保護層8a,8bを形成する。
また、保護層8aが半導体層からなり、保護層8bが上述した無機絶縁膜からなっていてもよい。
この場合、半導体層は、非晶質半導体層からなる。そして、非晶質半導体層は、非晶質シリコン、非晶質シリコンゲルマニウム、非晶質ゲルマニウム、非晶質シリコンカーバイド、非晶質シリコンナイトライド、非晶質シリコンオキサイド、非晶質シリコンオキシナイトライドおよび非晶質シリコンカーボンオキサイド等からなる。絶縁性が高い方が電極6,7間のリークを抑制できるため、保護層8aは、真性の非晶質半導体層からなることが好ましい。例えば、保護層8aは、真性の非晶質シリコンからなり、保護層8bは、シリコンの窒化膜からなる。
但し、保護層8bが絶縁膜からなる場合、保護層8aは、n型非晶質半導体層またはp型非晶質半導体層からなっていてもよい。
保護層8bは、正の固定電荷を持つ誘電体膜からなることが好ましい。正の固定電荷を持つ誘電体膜は、例えば、シリコンの窒化膜およびシリコンの酸窒化膜である。
半導体基板1は、n型単結晶シリコンからなるので、保護層8bが正の固定電荷を持つ誘電体膜からなる場合、保護層8bは、少数キャリアである正孔に対して電界を及ぼし、ギャップ領域Gにおける少数キャリア(正孔)のライフタイムを長く維持することができる。
保護膜8は、2層構造に限らず、単層、または2層構造以上の多層構造からなっていてもよい。
保護膜8が単層からなる場合、保護膜8は、上述した無機絶縁膜の中から選択された1種類の膜からなる。
保護膜8が多層構造からなる場合、保護膜8は、上述した保護層8a,8bを多層構造の中に含む。
上述したように、保護膜8が2層構造からなる場合、保護層8aを非晶質半導体層で形成し、保護層8bを絶縁膜で形成することによって、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5に対するパッシベーション性と、電極6,7間の絶縁性とを両立できるので、好ましい。
また、半導体基板1がn型シリコン基板からなる場合、正の固定電荷を持つ誘電体膜によって保護層8bを形成することにより、電界をギャップ領域に及ぼし、ギャップ領域における少数キャリア(正孔)のライフタイムを長くできるので、更に、好ましい。
更に、上述した無機絶縁膜が保護膜8の多層構造の中に含まれる場合、非晶質半導体層(n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5)に拡散してくる水分等を防ぐ防湿効果を得ることができるので、好ましい。上述した無機絶縁膜の中でも、シリコンの窒化膜、シリコンの酸窒化膜は、他の無機絶縁膜に比べて防湿性が特に高いため、特に好ましい。そして、n型シリコン基板を用いた場合には、防湿性と正の固定電荷による電界効果とを合わせて得ることができるので、光電変換素子10の長期的な信頼性と高効率化とを両立することができる。
例えば、保護膜8が2層構造以上の多層膜、例えば、3層構造からなる場合、1つの保護層(n型非晶質半導体層4またはp型非晶質半導体層5に接する保護層)が非晶質半導体層からなり、残りの2つの保護層が無機絶縁膜の中から選択された2種類の膜からなる。
更に、保護膜8が単層または多層からなる場合、保護膜8は、上述した無機絶縁膜上に有機物の絶縁膜等が形成された構造からなっていてもよい。
有機物は、例えば、イミド系樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート、および液晶ポリマー等からなる。
イミド系樹脂は、例えば、ポリイミドである。フッ素樹脂は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。また、有機物は、スクリーン印刷で形成されたレジストであってもよい。
図4は、図1に示すn型非晶質半導体層4の詳細な構造を示す断面図である。なお、この図では、半導体基板1の裏面が平坦であり、平坦なパッシベーション膜3の上に、n型非晶質半導体層4が形成されている構造を示しているが、実際には、半導体基板1の裏面にはテクスチャ構造が形成されている。
図4を参照して、n型非晶質半導体層4は、n型非晶質半導体層4の面内方向において、フラット領域FTと、膜厚減少領域TDとを有する。フラット領域FTは、n型非晶質半導体層4のうち、最も厚い膜厚を有し、かつ、膜厚がほぼ一定である部分からなる。
フラット領域FTの両端の点をA点とし、膜厚の減少率が第1の減少率から第1の減少率よりも大きい第2の減少率に変化する点をB点としたとき、膜厚減少領域TDは、n型非晶質半導体層4の面内方向においてA点からB点までの領域である。
そして、膜厚減少領域TDは、n型非晶質半導体層4の面内方向においてフラット領域FTの両側に配置される。
n型非晶質半導体層4が膜厚減少領域TDを有するのは、後述するように、シャドーマスクを用いてプラズマCVD法によってn型非晶質半導体層4を形成するからである。膜厚減少領域TDは、フラット領域FTよりも薄い膜厚を有するので、膜厚減少領域TDのドーパント濃度は、フラット領域FTのドーパント濃度よりも高い。
電極6は、n型非晶質半導体層4のフラット領域FTの全体と膜厚減少領域TDの一部とに接して配置される。
p型非晶質半導体層5も、図4に示すn型非晶質半導体層4と同じ構造からなる。そして、電極7は、p型非晶質半導体層5のフラット領域FTの全体と膜厚減少領域TDの一部とに接して配置される。
その結果、キャリア(電子)がn型非晶質半導体層4を介して電極6へ到達するときの抵抗は、パッシベーション膜3の面内方向において一定の膜厚を有するn型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。また、キャリア(正孔)がp型非晶質半導体層5を介して電極7へ到達するときの抵抗は、パッシベーション膜3の面内方向において一定の膜厚を有するp型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。従って、光電変換素子10の変換効率を向上できる。
なお、電極6は、n型非晶質半導体層4の膜厚減少領域TDの全体に接していてもよく、電極7は、p型非晶質半導体層5の膜厚減少領域TDの全体に接していてもよい。
図5は、図1に示すn型非晶質半導体層4の他の詳細な構造を示す断面図である。図5の(a)を参照して、光電変換素子10は、n型非晶質半導体層4に代えてn型非晶質半導体層41を備え、電極6に代えて電極61を備えていてもよい。
n型非晶質半導体層41において、膜厚が最大である点をC点とし、膜厚の減少率が第1の減少率から第1の減少率よりも大きい第2の減少率に変化する点をD点とする。その結果、膜厚減少領域TDは、n型非晶質半導体層41の面内方向においてC点からD点までの領域である。
そして、n型非晶質半導体層41は、n型非晶質半導体層41の面内方向において2つの膜厚減少領域TDを有する。2つの膜厚減少領域TDは、n型非晶質半導体層41の面内方向において相互に接して配置される。
電極61は、2つの膜厚減少領域TDのうち、一方の膜厚減少領域TDの一部と他方の膜厚減少領域TDの一部とに接して配置される。
光電変換素子10は、p型非晶質半導体層5に代えて、図5の(a)に示すn型非晶質半導体層41と同じ構造からなるp型非晶質半導体層を備えていてもよい。
その結果、キャリア(電子)がn型非晶質半導体層41を介して電極61へ到達するときの抵抗は、パッシベーション膜3の面内方向において一定の膜厚を有するn型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。また、キャリア(正孔)がn型非晶質半導体層41と同じ構造を有するp型非晶質半導体層を介して電極へ到達するときの抵抗は、パッシベーション膜3の面内方向において一定の膜厚を有するp型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。従って、光電変換素子10の変換効率を向上できる。
なお、電極61は、n型非晶質半導体層41と、n型非晶質半導体層41と同じ構造を有するp型非晶質半導体層とにおいて、2つの膜厚減少領域TDの全体に接して配置されていてもよい。
図5の(b)を参照して、光電変換素子10は、n型非晶質半導体層4に代えてn型非晶質半導体層42を備え、電極6に代えて電極62を備えていてもよい。
n型非晶質半導体層42において、膜厚が最大である点をE点とし、膜厚の減少率が第1の減少率から第1の減少率よりも大きい第2の減少率に変化する点をF点とし、膜厚の変化率の符号が負から正に変化する点をG点とする。
その結果、膜厚減少領域TD1は、n型非晶質半導体層42の面内方向においてE点からF点までの領域であり、膜厚減少領域TD2は、n型非晶質半導体層42の面内方向においてE点からG点までの領域である。
そして、n型非晶質半導体層42は、n型非晶質半導体層42の面内方向において2つの膜厚減少領域TD1と2つの膜厚減少領域TD2とを有する。
2つの膜厚減少領域TD2は、n型非晶質半導体層42の面内方向における膜厚分布がG点を通る線に対して対称になるように配置される。2つの膜厚減少領域TD1は、n型非晶質半導体層42の面内方向において2つの膜厚減少領域TD2の両側に配置される。
電極62は、2つの膜厚減少領域TD2の全体と、一方の膜厚減少領域TD1の一部と、他方の膜厚減少領域TD1の一部とに接して配置される。
光電変換素子10は、p型非晶質半導体層5に代えて、図5の(b)に示すn型非晶質半導体層42と同じ構造からなるp型非晶質半導体層を備えていてもよい。
その結果、キャリア(電子)がn型非晶質半導体層42を介して電極62へ到達するときの抵抗は、パッシベーション膜3の面内方向において一定の膜厚を有するn型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。また、キャリア(正孔)がn型非晶質半導体層42と同じ構造を有するp型非晶質半導体層を介して電極へ到達するときの抵抗は、パッシベーション膜3の面内方向において一定の膜厚を有するp型非晶質半導体層が形成される場合に比べ低抵抗になる。従って、光電変換素子10の変換効率を向上できる。
なお、電極62は、n型非晶質半導体層42と、n型非晶質半導体層42と同じ構造を有するp型非晶質半導体層とにおいて、2つの膜厚減少領域TD1の全体と、2つの膜厚減少領域TD2の全体とに接して配置されていてもよい。
このように、光電変換素子10は、膜厚減少領域TD(TD1,TD2)を有するn型非晶質半導体層およびp型非晶質半導体層を備える。そして、この発明の実施の形態においては、膜厚減少領域は、膜厚減少領域TD,TD1,TD2のいずれかからなる。
従って、n型非晶質半導体層またはp型非晶質半導体層の膜厚が最大である点を第1の点とし、n型非晶質半導体層またはp型非晶質半導体層の面内方向において、膜厚の減少率が第1の減少率から第1の減少率よりも大きい第2の減少率に変化する点、または膜厚の変化率の符号が負から正に変化する点を第2の点としたとき、膜厚減少領域は、n型非晶質半導体層またはp型非晶質半導体層の面内方向において、第1の点から第2の点までの領域である。
なお、この発明の実施の形態においては、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5の少なくとも一方が膜厚減少領域を有していればよい。
次に、光電変換素子10の製造方法について説明する。図6から図10は、それぞれ、図1に示す光電変換素子10の製造方法を示す第1から第5の工程図である。
図6を参照して、光電変換素子10の製造が開始されると、バルクのシリコンからワイヤソーによって100〜300μmの厚さを有するウェハを切り出す。そして、ウェハの表面のダメージ層を除去するためのエッチングと、厚さを調整するためのエッチングとを行い、半導体基板1’を準備する(図6の工程(a)参照)。
一般的に、テクスチャ構造を有するシリコン基板は、シリコンインゴットをワイヤソー等によりスライスして得られるシリコン基板をエッチングすることにより製造される。テクスチャを形成する基板は、遊離砥粒スライス基板を使用した単結晶シリコンが主流であるが、コスト削減やスライス技術の向上もあり固定砥粒スライス基板おいても同様のテクスチャが形成可能である。
半導体基板1’のエッチングは、アルカリ性のエッチング液を用いた湿式エッチングにより行うことができる。このエッチングは水酸化ナトリウム溶液中の場合、以下の反応式(1)、(2)、(3)等の反応によって進行する。
Si+2NaOH+HO → NaSiO+2H …(1)
2Si+2NaOH+3HO → NaSi+4H …(2)
3Si+4NaOH+4HO → NaSi+6H …(3)
半導体基板1’の表面にテクスチャ構造を形成するために、例えばエッチング速度を制御したエッチング液を使用することにより異方性エッチングを行う。半導体基板1’の表面へのテクスチャ構造の形成は以下のメカニズムに基づく。半導体基板1’のアルカリ水溶液によるエッチング速度は、シリコンの(100)面が最も早く、(111)面が最も遅い。そのため、アルカリ水溶液にエッチング速度を低下させることができる特定の添加剤(以下、「エッチング抑制剤」ということもある。)を添加することによってテクスチャーエッチングの速度を抑制すると、シリコンの(100)面等のエッチングされやすい結晶面が優先的にエッチングされ、エッチング速度の遅い(111)面が表面に残存する。この(111)面は、(100)面に対して約54度の傾斜を持つためにプロセスの最終段階では(111)面とその等価な面で構成されるピラミッド状の凹凸構造が形成される。
しかし、エッチング条件によっては、おおよそ40−54度程度の傾斜を持ったテクスチャが形成されることもあり、必ずしもテクスチャの表面が(111)が形成される訳ではない。本発明でも、テクスチャの傾斜面が、(111)面である必要はなく、傾斜が緩やかであってもよい。
また、テクスチャ形成用エッチング液として、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に、エッチング抑制剤としてイソプロピルアルコール(以下、「IPA」と称する場合がある。)を添加したエッチング液を使用してもよい。このエッチング液を60〜80℃程度に加温し、(100)面のシリコン基板を10〜30分間浸漬させてエッチングする。
また、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと、添加剤としてリグニン等の特定の添加剤と、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウムを含むエッチング液を使用することにより、微小なピラミッド状(凹部の底面から凸部の頂点までの高さが1μm以下)のテクスチャ構造を形成することができる。このように、エッチング液の温度、処理時間、エッチング抑制剤の種類、エッチング速度、基板の種類など種々の条件を変えることで、テクスチャのサイズを制御することができる。ここでは、テクスチャのサイズが15μm以下となるようにエッチング条件が設定されている。
本実施の形態では、図6の工程(a)の後、半導体基板1’をNaOHおよびKOH等のアルカリ溶液(例えば、KOH:1〜5wt%、イソプロピルアルコール:1〜10wt%の水溶液)を用いてエッチングする。これによって、半導体基板1’の両面が異方性エッチングされ、テクスチャのサイズが15μm以下のテクスチャ構造が形成される。(図6の工程(b)参照)。
引き続いて、半導体基板1の表面を熱酸化して酸化膜11を半導体基板1の受光面に形成するとともにパッシベーション膜3を半導体基板1の裏面(受光面と反対側の表面)に形成する(図6の工程(c)参照)。
半導体基板1の酸化は、ウェット処理および熱酸化のいずれでもよい。ウェット酸化の場合は、例えば、半導体基板1を過酸化水素、硝酸およびオゾン水等に浸漬し、その後、ドライ雰囲気中で800〜1000℃で半導体基板1を加熱する。また、熱酸化の場合、例えば、酸素または水蒸気の雰囲気中で半導体基板1を900〜1000℃に加熱する。
図6の工程(c)の後、スパッタリング法、EB(Electron Beam)蒸着およびTEOS法等を用いて酸化膜11に接して窒化シリコン膜12を形成する。これによって、反射防止膜2が半導体基板1の受光面に形成される(図7の工程(d)参照)。
図7の工程(d)の後、半導体基板1をプラズマ装置の反応室に入れ、シャドーマスク30を半導体基板1のパッシベーション膜3上に配置する(図7の工程(e)参照)。
ここで、シャドーマスク30について説明する。図11Aは、シャドーマスク30を上から見た模式図である。シャドーマスク30は、複数の開口部30aと、開口部30bとを有する。開口部30aは、パッシベーション膜3の上にn型非晶質半導体層4を形成するための開口部であり、隣接する開口部30aと一定の距離を隔てて形成されている。開口部30bは、p型非晶質半導体層5を形成する際の基準となるアライメントマークを形成するための開口部である。
シャドーマスク30は、例えば、ステンレス鋼からなり、厚さが200μmのメタルマスクで構成される。開口部30aは、略長方形の形状を有し、開口部30bは、略正方形の形状を有する。開口部30aの開口幅wは約400μmである。また、開口部30bは、1.0mm×1.0mmの大きさを有するが、0.4mm×0.4mmの大きさがより好ましい。
半導体基板1の温度を130〜180℃に設定し、0〜100sccmの水素(H)ガス、40sccmのSiHガス、および40sccmのホスフィン(PH)ガスを反応室に流し、反応室の圧力を40〜120Paに設定する。その後、RFパワー密度が5〜15mW/cmである高周波電力(13.56MHz)を平行平板電極に印加する。なお、PHガスは、水素によって希釈されており、PHガスの濃度は、例えば、1%である。
これによって、シャドーマスク30によって覆われていないパッシベーション膜3の領域にn型非晶質シリコンが堆積され、n型非晶質半導体層4とアライメントマーク4Mとがパッシベーション膜3上に形成される(図7の工程(f)参照)。
シャドーマスク30がパッシベーション膜3上に配置された場合、シャドーマスク30とパッシベーション膜3との間には、隙間が存在する。その結果、プラズマによって分解されたSiHおよびSiH等の活性種がシャドーマスク30とパッシベーション膜3との間の隙間に回り込み、シャドーマスク30によって覆われた一部の領域にもn型非晶質半導体層4が形成される。テクスチャ構造が形成されていない半導体基板にシャドーマスク30を用いて成膜する場合に比べ、シャドーマスク30とパッシベーション膜3との間の隙間への回り込みが多くなる。これにより、膜厚減少領域TDを有するn型非晶質半導体層4がパッシベーション膜3上に形成される。また、シャドーマスク30上にも、n型非晶質シリコン31が堆積する。
なお、n型非晶質半導体層4における膜厚減少領域TDの幅および膜厚減少率は、n型非晶質半導体層4を成膜するときの成膜圧力、シャドーマスク30の厚さおよびシャドーマスク30の開口幅を変えることによって制御される。例えば、シャドーマスク30の厚さを厚くすると、膜厚減少領域TDの幅が広くなる。
図7の工程(f)の後、シャドーマスク30に代えてシャドーマスク40をパッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4及びアライメントマーク4Mの上に配置する(図8の工程(g)参照)。
ここで、シャドーマスク40について説明する。図11Bは、シャドーマスク40を上から見た模式図である。シャドーマスク40は、パッシベーション膜3の上にp型非晶質半導体層5を形成するための複数の開口部40aと、パッシベーション膜3の上に形成されたアライメントマーク4M(図7の(f)参照)と位置合わせを行うためのアライメント用開口部40bとを有する。
開口部40aは、シャドーマスク30の開口部30aと同様、略長方形の形状を有し、その開口幅wが約400μmである。アライメント用開口部40bの内側は開口しており、シャドーマスク30の開口部30bと同じ大きさの破線枠401bの各辺と接する位置に、アライメント用開口部40bの内側に突出した4つの凸部402b〜405bを有する。シャドーマスク40の材質及び厚さは、シャドーマスク30と同様である。
シャドーマスク40を配置する際、パッシベーション膜3の上に形成されたアライメントマーク4Mを光学顕微鏡で観察し、アライメントマーク4Mの位置を特定する。本実施の形態では、半導体基板1の裏面の全体にテクスチャサイズが15μm未満のテクスチャ構造が形成されている。そのため、アライメントマーク4Mの下の半導体基板1の部分の反射率が略均一となっており、光学顕微鏡でアライメントマーク4Mの位置を確実に特定することができる。
アライメントマーク4Mの位置を特定した後、図11Cに示すように、アライメントマーク4Mの各辺に、シャドーマスク40のアライメント用開口部40bの凸部402b〜405bが接するようにシャドーマスク40を配置する。これにより、シャドーマスク40の開口部40aがn型非晶質半導体層4と一定の距離を隔てた位置に配置される。
なお、図8の工程(g)においては、シャドーマスク40は、パッシベーション膜3から離れているように図示されているが、n型非晶質半導体層4の膜厚は、上述したように5〜50nmと非常に薄いので、実際には、シャドーマスク40は、パッシベーション膜3に近接して配置されている。
そして、半導体基板1の温度を130〜180℃に設定し、0〜100sccmのHガス、40sccmのSiHガス、および40sccmのジボラン(B)ガスを反応室に流し、反応室の圧力を40〜200Paに設定する。その後、RFパワー密度が5〜15mW/cmである高周波電力(13.56MHz)を平行平板電極に印加する。なお、Bガスは、水素によって希釈されており、Bガスの濃度は、例えば、2%である。
これによって、シャドーマスク40によって覆われていないパッシベーション膜3の領域にp型非晶質シリコンが堆積される。その結果、パッシベーション膜3上において、アライメントマーク4Mの上にp型非晶質シリコン5Mが堆積するとともに、n型非晶質半導体層4と一定の間隔を隔てた適切な位置に、p型非晶質半導体層5が形成される(図8の工程(h)参照)。
シャドーマスク40がパッシベーション膜3およびn型非晶質半導体層4上に配置された場合、シャドーマスク40とパッシベーション膜3との間には、隙間が存在する。その結果、プラズマによって分解されたSiHおよびSiH等の活性種がシャドーマスク40とパッシベーション膜3との間の隙間に回り込み、シャドーマスク40によって覆われた一部の領域にもp型非晶質半導体層5が形成される。従って、膜厚減少領域TDを有するp型非晶質半導体層5がパッシベーション膜3上に形成される。また、シャドーマスク40上にも、p型非晶質シリコン32が堆積する。
なお、p型非晶質半導体層5における膜厚減少領域TDの幅および膜厚減少率は、p型非晶質半導体層5を成膜するときの成膜圧力、シャドーマスク40の厚さおよびシャドーマスク40の開口幅を変えることによって制御される。例えば、シャドーマスク40の厚さを厚くすると、膜厚減少領域TDの幅が広くなる。
p型非晶質シリコンを堆積した後、シャドーマスク40を除去すると、半導体基板1の面内方向に交互に配置されたn型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5がパッシベーション膜3上に形成されるとともに、アライメントマーク4Mの上にp型非晶質シリコン5Mが形成された状態になる(図8の工程(i)参照)。
図8の工程(i)の後、開口部がn型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5上に位置するようにシャドーマスク50を配置する(図9の工程(j)参照)。シャドーマスク50は、材質および厚さがシャドーマスク30と同じである。また、開口幅は、n型非晶質半導体層4又はp型非晶質半導体層5のフラット領域FTの幅と、その非晶質半導体層における2つの膜厚減少領域TDの幅との和に設定される。
図9の工程(j)の後、シャドーマスク50を介して導電層6a,7aおよび導電層6b,7bを順次堆積する。これによって、電極6,7がそれぞれn型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5上に堆積される(図9の工程(k)参照)。
導電層6a,7aおよび導電層6b,7bは、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ゾルゲル法、液状にした原料を噴霧加熱する方法、およびインクジェット法等を用いて形成される。
導電層6a,7aは、例えば、ITO,IWO,ZnOのいずれかであり、導電層6b,7bは、Ti(3nm)/Al(500nm)の2層構造からなる。
ITOは、例えば、SnOを0.5〜4wt%ドープしたITOターゲットを、アルゴンガスまたはアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを流し、25〜250℃の基板温度
、0.1〜1.5Paの圧力、0.01〜2kWの電力でスパッタ処理を行うことによって形成される。
ZnOは、ITOターゲットに代えて、Alを0.5〜4wt%ドープしたZnOターゲットを用いて同様の条件でスパッタ処理を行うことにより形成される。
Ti/Alの2層構造は、EB蒸着によって形成される。
また、電極6,7は、それぞれ、導電層6a,7aをシード電極としてメッキ成膜法によって導電層6b,7bを形成してもよい。この場合、導電層6b,7bは、例えば、Ni,W,Co,Ti,Cr、これらの合金、およびこれらの合金とP,Bとの合金のいずれかからなる。また、導電層6b,7b上にメッキ法でCu,Al,Sn等を形成することもできる。
図9の工程(k)の後、シャドーマスク60を電極6,7上に配置する(図9の工程(l)参照)。シャドーマスク60は、材質および厚さがシャドーマスク30と同じである。
そして、保護膜8をパッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4、p型非晶質半導体層5および電極6,7上に形成する。
より具体的には、プラズマCVD法を用いて真性非晶質半導体膜およびシリコンの窒化膜をパッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4、p型非晶質半導体層5および電極6,7上に順次堆積する。この場合、例えば、SiHガスを材料ガスとして真性非晶質半導体膜を形成し、真性非晶質半導体膜の膜厚は、例えば、10nmである。また、例えば、SiHガスおよびNHガスを材料ガスとしてシリコンの窒化膜を形成し、シリコンの窒化膜の膜厚は、例えば、120nmである。これによって、光電変換素子10が完成する(図10の工程(m)参照)。
上述の例では、シャドーマスク30,40,50,60の材料として、ステンレス鋼を例示したが、ステンレス鋼に限定されず、例えば、銅、ニッケル、ニッケル合金(42アロイ、インバー材等)およびモリブデン等を用いてもよい。また、シャドーマスク30,40,50,60は、メタルマスクに限定されず、例えば、ガラスマスク、セラミックマスクおよび有機フィルムマスク等のいずれかでもよい。また、半導体基板1と同じ材質の半導体基板をエッチングで加工して、シャドーマスクとしてもよい。この場合、半導体基板とシャドーマスクとは同じ材質のため、熱膨張係数が同一となり、熱膨張係数の違いによるずれは生じない。また、半導体基板1の熱膨張係数との関係および原料コストを考慮すると、シャドーマスク30,40,50,60の材料は、42アロイが好ましい。半導体基板1との熱膨張係数の関係から、シャドーマスク30,40,50,60の材料は、ニッケルの組成が36%程度、鉄の組成が64%の場合が、半導体基板1の熱膨張係数に最も近くなり、熱膨張係数の差によるアライメント誤差を最も小さくできる。
また、シャドーマスク30,40,50,60の厚さに関しては、生産のランニングコストを抑制する観点から、再生して多数回使用できることが好ましい。この場合、シャドーマスク30,40,50,60に付着した成膜物は、フッ酸またはNaOHを用いて除去することができる。これらの再生回数を考慮すると、シャドーマスク30,40,50,60の厚さは、30μm〜300μmが好ましい。
また、上述した製造方法においては、保護膜8を構成する真性非晶質半導体膜/シリコンの窒化膜を1つの反応室で連続して形成すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、真性非晶質半導体層を形成した後、シリコンの窒化膜をスパッタリング装置、または別のCVD装置で形成するように、1回、試料を大気に暴露してもよい。
保護膜8を構成する真性非晶質半導体膜/シリコンの窒化膜を、大気暴露せずに形成した場合、大気中における有機物または水分のコンタミネーションを抑制することができるため、好ましい。
更に、保護膜8は、EB蒸着、スパッタリング法、レーザアブレーション法、CVD法およびイオンプレーティング法を用いて形成されてもよい。
更に、この発明の実施の形態においては、パッシベーション膜3を形成した後、窒素(N)ガスを用いたプラズマCVD法によりパッシベーション膜3を窒化し、SiONからなるパッシベーション膜を形成してもよい。その結果、パッシベーション膜上に形成したp型非晶質半導体層5中のドーパント(B)が半導体基板1へ拡散するのを抑制できる。そして、トンネル電流を流すことができる膜厚を有するパッシベーション膜を形成した場合であっても、有効にボロン(B)の拡散を抑制できるため、好ましい。
上述したように、半導体基板1の裏面の全体には、テクスチャサイズが15μm未満のテクスチャ構造が形成されている。このテクスチャ構造によって半導体基板1の裏面の反射率が略均一となるため、パッシベーション膜3の上にn型非晶質半導体層4とともに形成されたアライメントマーク4Mを光学顕微鏡で観察した際、アライメントマーク4Mの位置を確実に特定することができる。そのため、アライメントマーク4Mを基準にシャドーマスク40のアライメント用開口部40bの凸部402b〜405bの位置を合わせることができ、シャドーマスク40を適切な位置に配置することができる。その結果、n型非晶質半導体層4と一定の間隔を隔てた位置にp型非晶質半導体層5を形成することができ、隣接するn型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5の間に、ギャップ領域Gを形成することができる。また、特に、n型非晶質シリコンは、光学顕微鏡で観察した際、p型非晶質シリコンと比べてコントラストが低いため、n型非晶質半導体層4を形成した後、p型非晶質半導体層5を形成する場合に上記の構成は特に有効である。
また、アライメントマーク4Mとその他の領域との膜厚差が、例えば、n型非晶質半導体層の膜厚の分だけしかない場合、アライメントマーク4Mとその他の領域との境界の認識が難しい。しかしながら、アライメントマーク4Mにおけるn型非晶質シリコンが形成された領域の境界(外縁)部分の下にテクスチャ構造が形成されることで、アライメントマーク4Mにおけるn型非晶質シリコンの境界部分の視認性が高くなり、アライメントマーク4Mの認識精度が向上する。その結果、n型非晶質半導体層4の膜厚をより薄くすることが可能となり、n型非晶質半導体層4における直列抵抗を低減し、より高い変換効率を実現することが可能となる。
また、テクスチャサイズによって、半導体基板1の裏面を光学顕微鏡で観察した際のテクスチャのエッジの鮮明さが異なる。これは、テクスチャサイズが大きいほど、シャドーマスクの裏側への膜の回り込み量が増加するからである。上述の例では、半導体基板1の裏面に形成されたテクスチャのサイズが15μm未満である。テクスチャのサイズが15μm未満では、半導体基板1の裏面からの反射光量が小さくなり、裏面の反射率が略均一となるため、アライメントマーク4Mが認識しやすくなる。
ここで、図12の(a)〜(d)に、裏面の状態が各々異なる半導体基板にアライメントマークを形成した場合のアライメントマークの光学顕微鏡画像を示す。図12の(a)は、半導体基板の裏面がミラー面である場合のアライメントマークの光学顕微鏡画像である。図12の(b)は、半導体基板の裏面にテクスチャ構造が形成されていないフラット面である場合のアライメントマークの光学顕微鏡画像である。図12の(c)は、半導体基板の裏面にテクスチャサイズが1μmのテクスチャ構造が形成されている場合のアライメントマークの光学顕微鏡画像である。図12の(d)は、半導体基板の裏面にテクスチャサイズが15μmのテクスチャ構造が形成されている場合のアライメントマークの光学顕微鏡画像である。図12の(a)〜(d)に示す領域Aの画像部分はアライメントマークが形成された領域であり、領域Bの画像部分はパッシベーション膜3が形成されている領域である。
図12の(a)の場合、半導体基板の裏面は原子レベルでフラットなミラー面であるため、半導体基板の反射率が面内で略一様である。また、n型非晶質半導体層4を形成する際のシャドーマスクの裏側にn型非晶質シリコンが回り込みにくくなり、図12の(a)に示すように、アライメントマークの部分と他の領域とのコントラストが高くなり、アライメントマークを認識しやすい。
図12の(b)の場合には、半導体基板のディンプルによる大きな光学的コントラストがノイズ源になり、さらに、半導体基板の裏面がフラット面であることから半導体基板の反射光量が大きいため、アライメントマークの部分を光学的に認識することが困難である。
図12の(c)において、破線枠で示す最も明るく見える領域Cは、p型非晶質半導体層5を形成する際のシャドーマスクのマスク用アライメントマークである。アライメントマークが形成されている領域Aの境界部分にはテクスチャ構造が形成されているため、半導体基板の裏面からの反射光量が図12の(b)の場合よりも小さくなり、面内の反射率が略均一となる。その結果、図12の(b)の場合よりもアライメントマークを光学的に認識しやすくなる。
図12の(d)の場合、図12の(c)に比べ、半導体基板の裏面に形成されたテクスチャ構造のテクスチャサイズが大きく、アライメントマークが形成されている領域Aの境界が認識しにくくなっている。これは、テクスチャサイズが大きくなるに従い、n型非晶質半導体層4を形成する際のシャドーマスクの裏側にn型非晶質シリコンが回り込みやすくなることによる。よって、半導体基板の裏面に形成されるテクスチャ構造のテクスチャサイズは15μm未満が好ましく、15um以上になるとアライメントマークの境界部が認識しにくくなることが分かる。
さらに、テクスチャの傾斜角θが小さいほど半導体基板の表面がフラットに近づき、反射率が高くなるため、アライメントマーク4Mの視認性が低下する。そのため、例えば、テクスチャの傾斜角θを40°以上とすることで、アライメントマーク4Mの境界のコントラスト比が高くなり、アライメントマーク4Mがより認識しやすくなる。
そして、隣接する電極6,7間において、保護膜8が電極6,7およびギャップ領域G(パッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5)上に形成される。その結果、隣接する電極6,7間に、導電性の塵が付着した場合でも、短絡が防止される。従って、光電変換素子10の信頼性を向上できる。
また、電極6,7は、端から内側に向かって5μm以上の領域が保護膜8によって覆われている。その結果、保護膜8の開口端から水分が浸入するのを効果的に抑制することができるとともに、保護膜8のはがれを抑制でき、生産時のアライメントずれによる歩留まりの低下を防止できる。
また、電極6,7が接している半導体層と電極6,7との密着性が比較的弱い場合においても、保護膜8で電極6,7を覆うことにより、電極剥がれを効果的に抑制することができるため、好ましい。つまり、非晶質半導体と密着性の乏しい電極材料であっても、保護膜8を形成することで、使用することができるようになり、電極用の金属の選択範囲が広がり、特性向上が容易になるため好ましい。半導体基板の表面の一面にn型非晶質半導体層またはp型非晶質半導体層とTCO(透明導電膜)をほぼ全面に形成する従来のヘテロ接合型太陽電池では、非晶質半導体層とTCOに切れ目はない。
しかし、本実施形態における裏面ヘテロ接合型太陽電池のように、n型非晶質半導体層またはp型非晶質半導体層や、TCO、電極等の層を交互に複数形成する場合、図13Aに示すように、各層の端部が多数発生することになる。このような構成でピールテスト等を行うと、端部から剥がれる可能性がある。しかし、半導体基板1の表面にテクスチャ構造を形成することによりアンカー効果が生じ、剥がれ等を抑制しやすくなるので好ましい。また、最も剥がれやすい電極端部を保護膜によって覆うことで、剥がれをより効果的に抑制することができ、より好ましい。
更に、ギャップ領域Gにおいては、パッシベーション膜3、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5は、保護膜8によって覆われる。その結果、光電変換素子10の長期安定性の効果を得ることができる。
図13Aは、図1に示す光電変換素子10の裏面側から見た平面図である。図13Aの(a)を参照して、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5は、半導体基板1の面内方向に交互に所望の間隔で配置される。そして、電極6,7は、それぞれ、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5上に配置される。その結果、隣り合う電極6,7間には、ギャップ領域Gが形成される。
図13Aの(b)を参照して、保護膜8は、ギャップ領域Gおよび半導体基板1の周辺領域上に配置される。そして、電極6,7上には、幅Lを有する開口部8Aが形成される。電極6,7は、開口部8Aを介して配線シートに接続される。
なお、図13Aの(b)においては、半導体基板1の周辺部には、保護膜8で覆われていない領域が存在するが、光電変換素子10においては、半導体基板1の裏面の全面を保護膜で覆い、電極6,7の一部が露出している状態が最も好ましい。
図13Bは、配線シートの平面図である。図13Bを参照して、配線シート70は、絶縁基材710と、配線材71〜87とを含む。
絶縁基材710は、電気絶縁性の材質であればよく、特に限定なく用いることができる。絶縁基材710は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリビニルフルオライド(PVF)およびポリイミド等からなる。
また、絶縁基材710の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、25μm以上150μm以下である。そして、絶縁基材710は、1層構造であってもよく、2層以上の多層構造であってもよい。
配線材71は、バスバー部711と、フィンガー部712とを有する。フィンガー部712は、その一方端がバスバー部711に接続される。
配線材72は、バスバー部721と、フィンガー部722,723とを有する。フィンガー部722は、その一方端がバスバー部721に接続される。フィンガー部723は、バスバー部721に対してバスバー部721とフィンガー部722との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部721に接続される。
配線材73は、バスバー部731と、フィンガー部732,733とを有する。フィンガー部732は、その一方端がバスバー部731に接続される。フィンガー部733は、バスバー部731に対してバスバー部731とフィンガー部732との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部731に接続される。
配線材74は、バスバー部741と、フィンガー部742,743とを有する。フィンガー部742は、その一方端がバスバー部741に接続される。フィンガー部743は、バスバー部741に対してバスバー部741とフィンガー部742との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部741に接続される。
配線材75は、バスバー部751と、フィンガー部752,753とを有する。フィンガー部752,753は、バスバー部751の長さ方向において隣接して配置され、その一方端がバスバー部751の同じ側においてバスバー部751に接続される。
配線材76は、バスバー部761と、フィンガー部762,763とを有する。フィンガー部762は、その一方端がバスバー部761に接続される。フィンガー部763は、バスバー部761に対してバスバー部761とフィンガー部762との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部761に接続される。
配線材77は、バスバー部771と、フィンガー部772,773とを有する。フィンガー部772は、その一方端がバスバー部771に接続される。フィンガー部773は、バスバー部771に対してバスバー部771とフィンガー部772との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部771に接続される。
配線材78は、バスバー部781と、フィンガー部782,783とを有する。フィンガー部782は、その一方端がバスバー部781に接続される。フィンガー部783は、バスバー部781に対してバスバー部781とフィンガー部782との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部781に接続される。
配線材79は、バスバー部791と、フィンガー部792,793とを有する。フィンガー部792,793は、バスバー部791の長さ方向において隣接して配置され、その一方端がバスバー部791の同じ側においてバスバー部791に接続される。
配線材80は、バスバー部801と、フィンガー部802,803とを有する。フィンガー部802は、その一方端がバスバー部801に接続される。フィンガー部803は、バスバー部801に対してバスバー部801とフィンガー部802との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部801に接続される。
配線材81は、バスバー部811と、フィンガー部812,813とを有する。フィンガー部812は、その一方端がバスバー部811に接続される。フィンガー部813は、バスバー部811に対してバスバー部811とフィンガー部812との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部811に接続される。
配線材82は、バスバー部821と、フィンガー部822,823とを有する。フィンガー部822は、その一方端がバスバー部821に接続される。フィンガー部823は、バスバー部821に対してバスバー部821とフィンガー部822との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部821に接続される。
配線材83は、バスバー部831と、フィンガー部832,833とを有する。フィンガー部832,833は、バスバー部831の長さ方向において隣接して配置され、その一方端がバスバー部831の同じ側においてバスバー部831に接続される。
配線材84は、バスバー部841と、フィンガー部842,843とを有する。フィンガー部842は、その一方端がバスバー部841に接続される。フィンガー部843は、バスバー部841に対してバスバー部841とフィンガー部842との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部841に接続される。
配線材85は、バスバー部851と、フィンガー部852,853とを有する。フィンガー部852は、その一方端がバスバー部851に接続される。フィンガー部853は、バスバー部851に対してバスバー部851とフィンガー部852との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部851に接続される。
配線材86は、バスバー部861と、フィンガー部862,863とを有する。フィンガー部862は、その一方端がバスバー部861に接続される。フィンガー部863は、バスバー部861に対してバスバー部861とフィンガー部862との接続部の反対側において、その一方端がバスバー部861に接続される。
配線材87は、バスバー部871と、フィンガー部872とを有する。フィンガー部872は、その一方端がバスバー部871に接続される。
配線材71は、フィンガー部712が配線材72のフィンガー部722と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材72は、フィンガー部722が配線材71のフィンガー部712と噛み合い、フィンガー部723が配線材73のフィンガー部732と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材73は、フィンガー部732が配線材72のフィンガー部723と噛み合い、フィンガー部733が配線材74のフィンガー部742と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材74は、フィンガー部742が配線材73のフィンガー部733と噛み合い、フィンガー部743が配線材75のフィンガー部752と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材75は、フィンガー部752が配線材74のフィンガー部743と噛み合い、フィンガー部753が配線材76のフィンガー部762と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材76は、フィンガー部762が配線材75のフィンガー部753と噛み合い、フィンガー部763が配線材77のフィンガー部772と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材77は、フィンガー部772が配線材76のフィンガー部763と噛み合い、フィンガー部773が配線材78のフィンガー部782と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材78は、フィンガー部782が配線材77のフィンガー部773と噛み合い、フィンガー部783が配線材79のフィンガー部792と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材79は、フィンガー部792が配線材78のフィンガー部783と噛み合い、フィンガー部793が配線材80のフィンガー部802と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材80は、フィンガー部802が配線材79のフィンガー部793と噛み合い、フィンガー部803が配線材81のフィンガー部812と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材81は、フィンガー部812が配線材80のフィンガー部803と噛み合い、フィンガー部813が配線材82のフィンガー部822と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材82は、フィンガー部822が配線材81のフィンガー部813と噛み合い、フィンガー部823が配線材83のフィンガー部832と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材83は、フィンガー部832が配線材82のフィンガー部823と噛み合い、フィンガー部833が配線材84のフィンガー部842と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材84は、フィンガー部842が配線材83のフィンガー部833と噛み合い、フィンガー部843が配線材85のフィンガー部852と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材85は、フィンガー部852が配線材84のフィンガー部843と噛み合い、フィンガー部853が配線材86のフィンガー部862と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材86は、フィンガー部862が配線材85のフィンガー部853と噛み合い、フィンガー部863が配線材87のフィンガー部872と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材87は、フィンガー部872が配線材86のフィンガー部863と噛み合うように絶縁基材710上に配置される。
配線材71〜87の各々は、電気導電性のものであればよく、特に限定されない。配線材71〜87の各々は、例えば、Cu,Al,Agおよびこれらを主成分とする合金からなる。
また、配線材71〜87の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上80μm以下が好適である。10μm未満では、配線抵抗が高くなり、80μmを超えると、光電変換素子10と貼り合わせるときに印加される熱によって配線材とシリコン基板との熱膨張係数の違いに起因してシリコン基板に反りが発生する。
絶縁基材710の形状は、図13Bに示す形状に限定されず、適宜、変更可能である。また、配線材71〜87の表面の一部に、Ni,Au,Pt,Pd,Sn,InおよびITO等の導電性材料を形成してもよい。このように、配線材71〜87の表面の一部に、Ni等の導電性材料を形成するのは、配線材71〜87と光電変換素子10の電極6,7との電気的接続を良好なものとし、配線材71〜87の耐候性を向上させるためである。更に、配線材71〜87は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
電極6が配線材71のフィンガー部712に接続され、電極7が配線材72のフィンガー部722に接続されるように光電変換素子10を領域REG1上に配置し、電極6が配
線材72のフィンガー部723に接続され、電極7が配線材73のフィンガー部732に接続されるように光電変換素子10を領域REG2上に配置する。以下、同様にして光電変換素子10を配線材73〜87上に配置する。これによって、16個の光電変換素子10が直列に接続される。
光電変換素子10の電極6,7は、接着剤によって配線材71〜87に接続される。接着剤は、例えば、半田樹脂、半田、導電性接着剤、熱硬化型Agペースト、低温硬化型銅ペースト、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)および絶縁性接着剤(NCP:Non Conductive Paste)からなる群から選択された1種類以上の接着材からなる。
例えば、半田樹脂としては、タムラ科研(株)製のTCAP−5401−27等を用いることができる。
絶縁性接着剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂等を用いることができ、熱硬化型および光硬化型の樹脂を用いることができる。
導電性接着剤としては、錫およびビスマスの少なくとも一方を含む半田粒子等を用いることができる。より好ましくは、導電性接着剤は、錫と、ビスマス、インジウムおよび銀等との合金である。これにより、半田融点を抑えることができ、低温による接着プロセスが可能になる。
n型非晶質半導体層4、p型非晶質半導体層5および電極6,7上に保護膜8を形成した光電変換素子10を用いる場合には、電極6,7上の無機絶縁膜と、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5上の無機絶縁膜とが存在し、これら2つの無機絶縁膜は、下地が異なる。そして、光電変換素子10においては、下地が異なる無機絶縁膜が連続して形成されている。このような状況では、熱履歴が、下地が異なる無機絶縁膜に印加されると、下地の熱膨張係数の違いから無機絶縁膜の剥がれ等が発生する場合がある。
従って、低温、特に、200℃以下の熱プロセスが好ましく、その結果、低温で硬化し、電気的に接合できる熱硬化型Agペースト、低温硬化型銅ペースト、異方性導電フィルムおよび異方性導電ペーストが特に好ましい。
上述したように、配線シート70上に配置した光電変換素子10を、ガラス基板上に配置されたエチレンビニルアセテート樹脂(EVA樹脂)と、PETフィルム上に配置されたEVA樹脂との間に配置する。そして、ラミネータ装置を用いて真空圧着によりガラス基板側のEVA樹脂を光電変換素子10に圧着させるとともに、PETフィルム側のEVA樹脂を光電変換素子10に圧着させた状態で125℃に加熱し、硬化させた。これにより、ガラス基板とPETフィルムとの間で硬化したEVA樹脂中に、配線シート70が付いた光電変換素子10が封止されることによって太陽電池モジュールを作製することができる。
なお、上述の実施の形態1では、n型非晶質半導体層4を形成した後、p型非晶質半導体層5を形成する例を説明したが、p型非晶質半導体層5を形成した後、n型非晶質半導体層4を形成してもよい。この場合、アライメントマークは、p型非晶質半導体層5と同じ半導体層を含み、アライメントマークの上部にはn型非晶質半導体層4と同じ半導体層が堆積する。
また、上述の実施の形態1では、半導体基板1の裏面の全面にテクスチャ構造が形成される例を説明したが、アライメントマーク4Mにおけるn型非晶質シリコンが形成された領域の境界(外縁部)の下に少なくともテクスチャ構造が形成されていればよい。このように構成した場合であっても、アライメントマーク4Mにおけるn型非晶質シリコンの境界部分の反射率が略均一となるため、光学顕微鏡でアライメントマーク4Mの位置を確実に認識することができる。
また、アライメントマーク4Mとその他の領域との膜厚差が小さいほど、アライメントマーク4Mとその他の領域との境界の認識が難しいが、アライメントマーク4Mにおけるn型非晶質シリコンが形成された領域の境界(外縁)部分の下にテクスチャ構造が形成されることで、アライメントマーク4Mにおけるn型非晶質シリコンの境界部分の視認性が高くなり、アライメントマーク4Mの認識精度が向上する。これにより、n型非晶質半導体層4の膜厚をより薄くすることが可能となり、n型非晶質半導体層4における直列抵抗を小さくすることができ、より高い変換効率を実現することが可能となる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、半導体基板1の裏面の一部にテクスチャ構造が形成され、アライメントマーク4Mが形成されない点で実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる構成について説明する。
図14Aに示すように、本実施の形態における半導体基板1Aの裏面には、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5が形成され、n型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5が形成される領域と異なる領域にアライメントマーク4Mは形成されない。また、本実施の形態では、図14Aにおいて、半導体基板1Aの裏面の破線枠P1、P2で示す部分(以下、テクスチャ領域)に、上述した実施の形態1と同様のテクスチャ構造が形成されている。そして、テクスチャ領域P1、P2の上に、それぞれ、隣接する1組のn型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5の各境界の一部が重なっている。テクスチャ領域P1、P2の上に形成されたn型非晶質半導体層4の破線部分41Mは、光散乱層の一例であり、アライメント部として機能する。
本実施の形態では、上述した実施の形態1の図6の(b)の工程に替えて、図14Bの(b1)〜(b5)に示す各工程を行う。具体的には、図14Bの工程(b1)において、半導体基板1’の裏面の全面に、SiOからなる保護膜90をスパッタリング法により形成する。そして、保護膜90の上に、レジスト91を塗布してパターニングを行い、所定の領域におけるレジスト91を除去し、開口部91aを形成する(図14の工程(b2))。
続いて、レジスト91をマスクとして開口部91aにおける保護膜90をフッ酸によりエッチングして開口部90’aを形成し、レジスト91を除去する(図14の工程(b3))。そして、半導体基板1’の裏面側の開口部90’aの部分と、半導体基板1’の受光面側に、上述した実施の形態1と同様の異方性エッチングを行い、テクスチャ構造を形成する(図14の工程(b4))。続いて、半導体基板1’の裏面側の保護膜90’をフッ酸を用いてエッチングし、半導体基板1Aが形成される(図14の工程(b5))。これにより、半導体基板1Aの受光面側の全面と、裏面側の一部の領域P1,P2の部分にテクスチャ構造が形成される。その後、実施の形態1と同様、図6の(c)〜図10の(m)の工程を行う。
なお、本実施の形態では、図7の(e)の工程において、n型非晶質半導体層4を形成するためのシャドーマスクとして、シャドーマスク30と同様の開口部30aのみを有するシャドーマスク(図示略)を用いる。本実施の形態では、図14Aの破線枠P1,P2の部分に、このシャドーマスクにおける1つの開口部30aの一の長辺の一部が重なるように配置し、n型非晶質半導体層4を形成する。これにより、破線枠P1,P2に形成されたテクスチャ構造の上にn型非晶質半導体層4の一部からなるアライメントマーク41Mが形成される。
また、本実施の形態では、図8の(g)の工程において、p型非晶質半導体層5を形成するためのシャドーマスクとして、シャドーマスク40と同様の開口部40aのみを有するシャドーマスク(図示略)を用いる。アライメントマーク41Mの下にはテクスチャ構造が形成されているため、アライメントマーク41Mの部分の反射率は略均一となり、アライメントマーク41Mの位置を光学顕微鏡で特定することができる。よって、本実施の形態においては、アライメントマーク41Mを基に、n型非晶質半導体層4の上に開口部40aが重なるようにシャドーマスクを配置した後、n型非晶質半導体層4の配列方向に沿ってギャップ領域Gの幅だけシャドーマスクをずらす。
これにより、n型非晶質半導体層4と一定の距離だけ離れた位置にp型非晶質半導体層5が形成されるとともに、テクスチャ領域P1、P2のそれぞれに、隣接する1組のn型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5の各境界の一部が配置される。なお、p型非晶質半導体層5の形成後は、実施の形態1と同様、図8の(h)〜図10の(m)の各工程を行う。
半導体基板1Aにおけるテクスチャ領域P1、P2の反射率は略均一となる。そのため、テクスチャ領域P1、P2の部分を光学顕微鏡で観察することで、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5のそれぞれの境界を認識することができる。これにより、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5の形成後、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5が形成されている位置を確認することができ、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5が適切な位置に形成されているか否かを検査することができる。
つまり、テクスチャ領域P1、P2においてn型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5の境界が形成された部分は光散乱層であり、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5が形成された位置を検査するための検査部として機能する。
なお、半導体基板1Aの裏面においてテクスチャ領域は複数存在する方が検査精度の観点から好ましいが、少なくとも1つのテクスチャ領域が存在していればよい。複数のテクスチャ領域が形成されている場合、1つのテクスチャ領域が形成されている場合と比べ、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5のそれぞれを形成するための各シャドーマスクを配置する際の位置ずれをより正確に認識することができる。また、本実施の形態では、アライメントマーク41Mは、n型非晶質半導体層4の一部であるため、実施の形態1と比べ、半導体基板1Aにおけるn型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5が占める割合を大きくできるので、光電変換素子の変換効率が向上する。
なお、図14Aでは、半導体基板1Aの裏面において、隣接する1組のn型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5の各境界部分の下にテクスチャ領域が形成されている例を示したが、図14Cに示すように、少なくとも1つのn型非晶質半導体層4の一の長辺と重なる破線枠で示す領域P3にテクスチャ領域が形成されていてもよい。または、n型非晶質半導体層4の一の長辺の一部と重なる領域にテクスチャ領域が形成されていてもよい。要は、半導体基板1Aの裏面において、n型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5が形成される領域の全体にテクスチャ領域が形成されていてもよいし、少なくとも1つのn型非晶質半導体層4の一の長辺の少なくとも一部と重なる位置にテクスチャ領域が形成されていてもよい。なお、図14Cの例では、テクスチャ領域P3に形成されたn型非晶質半導体層4の破線部分42Mがアライメント部として機能するとともに検査部として機能する。
また、上記の例は、n型非晶質半導体層4を形成後、p型非晶質半導体層5を形成する例であるが、p型非晶質半導体層5を形成後、n型非晶質半導体層4を形成してもよい。この場合には、少なくとも1つのp型非晶質半導体層5の一の長辺、又は長辺の一部と重なる領域にテクスチャ構造が形成されていればよい。
[実施の形態3]
本実施の形態では、半導体基板1の一部にテクスチャ構造が形成され、シャドーマスク30とは異なるシャドーマスクを用い、n型非晶質半導体層4と、光電変換素子10を識別するための個体識別情報とが形成される点で実施の形態1と異なる。
図15Aは、n型非晶質半導体層4を形成するための本実施形態におけるシャドーマスク3100を示す模式図である。図15Aに示すように、シャドーマスク3100は、n型非晶質半導体層4を形成するための複数の開口部30aと、光電変換素子10の個体識別情報を形成するための、複数の開口部3001からなる開口領域30cを有する。個体識別情報は、例えば、光電変換素子10の製造時期や製造場所等を示す情報であり、シャドーマスク3100における開口部3001の配置及び数は、製造される光電変換素子10によって異なる。
本実施の形態では、実施の形態1の図6の(a)の工程に替えて、上述した実施の形態2の図14Bの工程(b1)〜(b5)と同様の工程によって、半導体基板1’の裏面の一部にテクスチャ構造を形成するとともに、半導体基板1’の受光面の全面にテクスチャ構造を形成する。その後、実施の形態1と同様、図6の(c)〜図10の(m)の工程を行う。
なお、本実施の形態では、図7の(e)に示す工程において、シャドーマスク30に替えて、パッシベーション膜3の上に、シャドーマスク3100を配置する。具体的には、テクスチャ構造が形成された領域の上にシャドーマスク3100の開口領域30cが配置されるようにシャドーマスク3100を配置し、n型非晶質シリコンを成膜する。これにより、シャドーマスク3100における開口部30a及び開口領域30cの部分に、n型非晶質シリコンが堆積し、n型非晶質半導体層4と個体識別情報とが形成される。
n型非晶質半導体層4と個体識別情報の形成後、図8の(g)に示す工程において、シャドーマスク40に替えて、図15Bに示すシャドーマスク3200を配置し、p型非晶質半導体層5を形成する。シャドーマスク3200は、シャドーマスク40と同様の開口部40aと、マスク用アライメントマーク40cとを有する。マスク用アライメントマーク40cの内側は開口しておらず、シャドーマスク3100の開口領域30cにおける四隅の開口部3001に対応する破線枠401cと接する位置に4つの凸部402c〜405cを有する。本実施の形態では、シャドーマスク3100における四隅の開口部3001によって形成された個体識別情報の一部に、シャドーマスク3200のマスク用アライメントマーク40cの4つの凸部402c〜405cが接するように位置合わせを行い、シャドーマスク3200を配置する。
個体識別情報が形成された領域の下にはテクスチャ構造が形成されており、反射率が略均一となっているため、位置合わせの基準となる個体識別情報の一部を光学顕微鏡によって特定することができる。つまり、半導体基板1において個体識別情報が形成された領域がアライメント部として機能する。これにより、シャドーマスク3200の開口部40aがn型非晶質半導体層4と一定の距離を隔てた位置に配置される。なお、p型非晶質半導体層5の形成後は、実施の形態1と同様に図8の(h)〜図10の(m)に示す各工程を行う。
光電変換素子10の製造ごとに、開口領域30cにおける開口部3001の位置関係が異なるシャドーマスクを用いてn型非晶質半導体層4を形成することにより、光電変換素子ごとの個体識別情報が半導体基板1の裏面に形成される。個体識別情報が形成される領域の下の半導体基板1にはテクスチャ構造が形成されているため、光電変換素子10の製造後、光学顕微鏡によって個体識別情報を認識することができ、個々の光電変換素子10を特定することができる。
なお、上記の例では、n型非晶質半導体層4を形成するためのシャドーマスク3100を用い、n型非晶質シリコンからなる個体識別情報を形成する例を説明したが、さらに、p型非晶質半導体層5を形成するためのシャドーマスクを用い、n型非晶質シリコンからなる識別情報と、p型非晶質シリコンからなる識別情報とを組み合わせた個体識別情報を形成してもよい。つまり、例えば、図16に示すように、半導体基板1Bの裏面において、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5が交互に隣接して形成されるとともに、n型非晶質シリコンからなる識別情報4sとp型非晶質シリコンからなる識別情報5sとを組み合わせた個体識別情報Sが形成されてもよい。
この場合には、上述の実施の形態1における図7の(e)の工程で、シャドーマスク3100と同様、n型非晶質半導体層4を形成するための開口部30aと、n型非晶質シリコンからなる識別情報4sを形成するための開口部3001が設けられたシャドーマスクを用い、n型非晶質シリコンを成膜する。また、図8の(g)の工程で、シャドーマスク3200と同様の開口部40aと、シャドーマスク3200におけるマスク用アライメントマーク40cの内側に識別情報5sを形成するための開口部とを有するシャドーマスクを用い、p型非晶質シリコンを成膜する。つまり、このシャドーマスクは、マスク用アライメントマーク40cの内側に、識別情報5sを形成するための開口部が設けられている点でシャドーマスク3200と異なる。これにより、図16に示すように、半導体基板1Bの裏面において、n型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5とともに、識別情報4s及び識別情報5sからなる個体識別情報Sが形成される。
[実施の形態4]
図17は、本実施の形態による光電変換素子の構成を示す断面図である。図17において実施の形態1と同様の構成には、実施の形態1の構成と同じ符号を付している。図17に示すように、本実施の形態による光電変換素子20は、光電変換素子10のパッシベーション膜3に替えて、パッシベーション膜301、302を備える点で光電変換素子10と異なる。
パッシベーション膜301は、半導体基板1の裏面に接して半導体基板1の裏面上に配置される。
パッシベーション膜302は、半導体基板1の面内方向においてパッシベーション膜301に隣接するとともに半導体基板1の裏面に接して半導体基板1の裏面上に配置される。
つまり、パッシベーション膜301,302は、半導体基板1の面内方向に交互に配置される。
n型非晶質半導体層4は、パッシベーション膜301に接してパッシベーション膜301上に配置される。
p型非晶質半導体層5は、パッシベーション膜302に接してパッシベーション膜302上に配置される。
n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5がそれぞれパッシベーション膜301,302上に配置される結果、n型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5は、半導体基板1の面内方向に交互に配置される。
保護膜8は、パッシベーション膜301,302、n型非晶質半導体層4、p型非晶質半導体層5、電極6,7、及び半導体基板1の裏面の一部に接して電極6,7の上に形成されている。
パッシベーション膜301,302の各々は、パッシベーション膜3と同様の材料からなり、パッシベーション膜3と同様の膜厚を有する。なお、パッシベーション膜301の膜厚は、パッシベーション膜302の膜厚と同じあってもよく、異なっていてもよい。
図18から図21は、それぞれ、図17に示す光電変換素子20の製造方法を示す工程図である。
本実施の形態では、まず、上述した図6の(a)〜(c)及び図7の(d)の各工程を順次行った後、半導体基板1の裏面上にシャドーマスク310を配置する(図18の工程(e)参照)。シャドーマスク310は、上述したシャドーマスク30と同じ材料からなり、シャドーマスク30と同様の開口部30a及び30b(図8A参照)を有する。
そして、シャドーマスク310を介してi型非晶質シリコンからなるパッシベーション膜301と、n型非晶質シリコンからなるn型非晶質半導体層4及びアライメントマーク4MとをプラズマCVD法によって半導体基板1の裏面上に順次堆積する(図18の工程(f)参照)。i型非晶質シリコンおよびn型非晶質シリコンの形成条件は、実施の形態1において説明したとおりである。これにより、n型非晶質半導体層4とアライメントマーク4Mの下にパッシベーション膜301が形成される。パッシベーション膜301、n型非晶質半導体層4、及びアライメントマーク4Mの形成時に、i型非晶質シリコン/n型非晶質シリコンの積層膜311がシャドーマスク310上に形成される。
図18の工程(f)の後、n型非晶質半導体層4及びアライメントマーク4Mの上にシャドーマスク320を配置する(図18の工程(g)参照)。シャドーマスク320も、上述したシャドーマスク40と同じ材料からなり、シャドーマスク40と同様の開口部40aとアライメント用開口部40b(図11B参照)を有する。本実施の形態においても、実施の形態1と同様、シャドーマスク320におけるアライメント用開口部40bと、半導体基板1の裏面に形成されたアライメントマーク4Mと位置合わせを行い、シャドーマスク320をn型非晶質半導体層4の上に配置する。本実施の形態では、アライメントマーク4M及びn型非晶質半導体層4が形成されていない他の領域には、パッシベーション膜301が形成されていない。そのため、アライメントマーク4M及びn型非晶質半導体層4が形成された部分の膜厚は、実施の形態1の場合よりも厚い。その結果、実施の形態1の場合よりアライメントマーク4Mのコントラストが高くなり、光学顕微鏡で観察した際のアライメントマーク4Mの認識精度が向上し、シャドーマスク320をより確実に適切な位置に配置することができる。
そして、シャドーマスク320を介してi型非晶質シリコンからなるパッシベーション膜302と、p型非晶質シリコンからなるp型非晶質半導体層5とをプラズマCVD法によって半導体基板1の裏面上に順次堆積する(図19の工程(h)参照)。i型非晶質シリコンおよびp型非晶質シリコンの形成条件は、実施の形態1において説明したとおりである。パッシベーション膜302およびp型非晶質半導体層5の形成によって、アライメントマーク4Mの上に、i型非晶質シリコン/p型非晶質シリコンの積層膜51Mが形成されるとともに、シャドーマスク320上にi型非晶質シリコン/p型非晶質シリコンの積層膜321が形成される。
図19の工程(h)の後、シャドーマスク330が配置される(図19の工程(i)参照)。シャドーマスク330は、上述したシャドーマスク30と同じ材料からなる。
そして、シャドーマスク330を介して電極6,7をそれぞれn型非晶質半導体層4およびp型非晶質半導体層5上に形成する(図20の工程(j)参照)。
その後、シャドーマスク340が配置される(図20の工程(k)参照)。シャドーマスク340は、上述したシャドーマスク30と同じ材料からなる。
そして、シャドーマスク340を介して保護膜8を電極6,7上に形成する。これによって、光電変換素子20が完成する(図21の工程(l)参照)。光電変換素子20は、上述した配線シート70を用いてモジュール化される。なお、本実施の形態におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
このように、本実施の形態では、p型非晶質半導体層5を形成する前は、アライメントマーク4M及びn型非晶質半導体層4が形成されていない他の領域にパッシベーション膜301が形成されていない。そのため、アライメントマーク4Mの部分の膜厚が他の領域よりも厚くなり、アライメントマーク4Mの部分のコントラストが他の領域よりも高くなる。その結果、p型非晶質半導体層5を形成する際、光学顕微鏡によってアライメントマーク4Mをより確実に認識することができ、アライメントマーク4Mにシャドーマスク320のアライメント用開口部40bの凸部の位置を合わせることができる。よって、半導体基板1の裏面の全体にパッシベーション膜3が形成される実施の形態1と比べて、n型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5をより確実に適切な位置に形成することができる。
[実施の形態5]
図22は、この実施の形態による光電変換素子を備える光電変換モジュールの構成を示す概略図である。図22を参照して、光電変換モジュール1000は、複数の光電変換素子1001と、カバー1002と、出力端子1003,1004とを備える。
複数の光電変換素子1001は、アレイ状に配置され、直列に接続される。なお、複数の光電変換素子1001は、直列に接続される代わりに、並列接続されてもよく、直列と並列を組み合わせて接続されてもよい。
そして、複数の光電変換素子1001の各々は、光電変換素子10,20からなる。
カバー1002は、耐候性のカバーからなり、複数の光電変換素子1001を覆う。カバー1002は、例えば、光電変換素子1001の受光面側に設けられた透明基材(例えば、ガラス等)と、光電変換素子1001の受光面側と反対の裏面側に設けられた裏面基材(たとえば、ガラス、樹脂シート等)と、透明基材と裏面基材との間の隙間を埋める封止材(例えば、EVA等)とを含む。
出力端子1003は、直列に接続された複数の光電変換素子1001の一方端に配置される光電変換素子1001に接続される。
出力端子1004は、直列に接続された複数の光電変換素子1001の他方端に配置される光電変換素子1001に接続される。
上述したように、光電変換素子10,20は、光電変換効率が向上している。従って、光電変換モジュール1000の光電変換効率を向上できる。
なお、光電変換モジュール1000に含まれる光電変換素子1001の数は、2以上の任意の整数である。
また、本実施の形態による光電変換モジュールは、図22に示す構成に限らず、光電変換素子10,20のいずれかを用いる限り、どのような構成であってもよい。
[実施の形態6]
図23は、この実施の形態による光電変換素子を備える太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
図23を参照して、太陽光発電システム1100は、光電変換モジュールアレイ1101と、接続箱1102と、パワーコンディショナー1103と、分電盤1104と、電力メーター1105とを備える。
接続箱1102は、光電変換モジュールアレイ1101に接続される。パワーコンディショナー1103は、接続箱1102に接続される。分電盤1104は、パワーコンディショナー1103および電気機器1110に接続される。電力メーター1105は、分電盤1104および系統連系に接続される。
光電変換モジュールアレイ1101は、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力を接続箱1102に供給する。
接続箱1102は、光電変換モジュールアレイ1101が発電した直流電力を受け、その受けた直流電力をパワーコンディショナー1103へ供給する。
パワーコンディショナー1103は、接続箱1102から受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を分電盤1104に供給する。
分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力および/または電力メーター1105を介して受けた商用電力を電気機器1110へ供給する。また、分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器1110の消費電力よりも多いとき、余った交流電力を電力メーター1105を介して系統連系へ供給する。
電力メーター1105は、系統連系から分電盤1104へ向かう方向の電力を計測するとともに、分電盤1104から系統連系へ向かう方向の電力を計測する。
図24は、図23に示す光電変換モジュールアレイ1101の構成を示す概略図である。
図24を参照して、光電変換モジュールアレイ1101は、複数の光電変換モジュール1120と、出力端子1121,1122とを含む。
複数の光電変換モジュール1120は、アレイ状に配列され、直列に接続される。なお、複数の光電変換モジュール1120は、直列に接続される代わりに、並列接続されてもよく、直列と並列を組み合わせて接続されてもよい。そして、複数の光電変換モジュール1120の各々は、図22に示す光電変換モジュール1000からなる。
出力端子1121は、直列に接続された複数の光電変換モジュール1120の一方端に位置する光電変換モジュール1120に接続される。
出力端子1122は、直列に接続された複数の光電変換モジュール1120の他方端に位置する光電変換モジュール1120に接続される。
なお、光電変換モジュールアレイ1101に含まれる光電変換モジュール1120数は、2以上の任意の整数である。
太陽光発電システム1100における動作を説明する。光電変換モジュールアレイ1101は、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力を接続箱1102を介してパワーコンディショナー1103へ供給する。
パワーコンディショナー1103は、光電変換モジュールアレイ1101から受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を分電盤1104へ供給する。
分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器1110の消費電力以上であるとき、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力を電気機器1110に供給する。そして、分電盤1104は、余った交流電力を電力メーター1105を介して系統連系へ供給する。
また、分電盤1104は、パワーコンディショナー1103から受けた交流電力が電気機器1110の消費電力よりも少ないとき、系統連系から受けた交流電力およびパワーコンディショナー1103から受けた交流電力を電気機器1110へ供給する。
太陽光発電システム1100は、上述したように、光電変換効率に優れた光電変換素子10,20のいずれかを備えている。従って、太陽光発電システム1100の光電変換効率を改善できる。
図25は、この実施の形態による光電変換素子を備える別の太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
この実施の形態による光電変換素子を備える太陽光発電システムは、図25に示す太陽光発電システム1100Aであってもよい。
図25を参照して、太陽光発電システム1100Aは、図23に示す太陽光発電システム1100に蓄電池1106を追加したものである、その他は、太陽光発電システム1100と同じである。
蓄電池1106は、パワーコンディショナー1103に接続される。
太陽光発電システム1100Aにおいては、パワーコンディショナー1103は、接続箱1102から受けた直流電力の一部または全部を適切に変換して蓄電池1106に蓄電する。
パワーコンディショナー1103は、その他、太陽光発電システム1100における動作と同じ動作を行う。
蓄電池1106は、パワーコンディショナー1103から受けた直流電力を蓄電する。また、蓄電池1106は、光電変換モジュールアレイ1101の発電量および/または電気機器1110の電力消費量の状況に応じて、蓄電した電力を、適宜、パワーコンディショナー1103へ供給する。
このように、太陽光発電システム1100Aは、蓄電池1106を備えているので、日照量の変動による出力変動を抑制できるとともに、日照のない時間帯であっても、蓄電池1106に蓄電された電力を電気機器1110に供給することができる。
なお、蓄電池1106は、パワーコンディショナー1103に内蔵されていてもよい。
また、本実施の形態による太陽光発電システムは、図23,24に示す構成または図24,25に示す構成に限らず、光電変換素子10,20のいずれかを用いる限り、どのような構成であってもよい。
[実施の形態7]
図26は、この実施の形態による光電変換素子を備える太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
図26を参照して、太陽光発電システム1200は、サブシステム1201〜120n(nは2以上の整数)と、パワーコンディショナー1211〜121nと、変圧器1221とを備える。太陽光発電システム1200は、図23,25に示す太陽光発電システム1100,1100Aよりも規模が大きい太陽光発電システムである。
パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nに接続される。
変圧器1221は、パワーコンディショナー1211〜121nおよび系統連系に接続される。
サブシステム1201〜120nの各々は、モジュールシステム1231〜123j(jは2以上の整数)からなる。
モジュールシステム1231〜123jの各々は、光電変換モジュールアレイ1301〜130i(iは2以上の整数)と、接続箱1311〜131iと、集電箱1321とを含む。
光電変換モジュールアレイ1301〜130iの各々は、図23に示す光電変換モジュールアレイ1101と同じ構成からなる。
接続箱1311〜131iは、それぞれ、光電変換モジュールアレイ1301〜130iに接続される。
集電箱1321は、接続箱1311〜131iに接続される。また、サブシステム1201のj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー1211に接続される。サブシステム1202のj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー1212に接続される。以下、同様にして、サブシステム120nのj個の集電箱1321は、パワーコンディショナー121nに接続される。
モジュールシステム1231のi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力をそれぞれ接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。モジュールシステム1232のi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力をそれぞれ接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。以下、同様にして、モジュールシステム123jのi個の光電変換モジュールアレイ1301〜130iは、太陽光を電気に変換して直流電力を発電し、その発電した直流電力をそれぞれ接続箱1311〜131iを介して集電箱1321へ供給する。
そして、サブシステム1201のj個の集電箱1321は、直流電力をパワーコンディショナー1211へ供給する。
サブシステム1202のj個の集電箱1321は、同様にして直流電力をパワーコンディショナー1212へ供給する。
以下、同様にして、サブシステム120nのj個の集電箱1321は、直流電力をパワーコンディショナー121nへ供給する。
パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nから受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を変圧器1221へ供給する。
変圧器1221は、パワーコンディショナー1211〜121nから交流電力を受け、その受けた交流電力の電圧レベルを変換して系統連系へ供給する。
太陽光発電システム1200は、上述したように、光電変換効率に優れた光電変換素子10,20のいずれかを備えている。従って、太陽光発電システム1200の光電変換効率を改善できる。
図27は、この実施の形態による光電変換素子を備える別の太陽光発電システムの構成を示す概略図である。
この実施の形態による光電変換素子を備える太陽光発電システムは、図27に示す太陽光発電システム1200Aであってもよい。
図27を参照して、太陽光発電システム1200Aは、図26に示す太陽光発電システム1200に蓄電池1241〜124nを追加したものであり、その他は、太陽光発電システム1200と同じである。
蓄電池1241〜124nは、それぞれ、パワーコンディショナー1211〜121nに接続される。
太陽光発電システム1200Aにおいては、パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nから受けた直流電力を交流電力に変換し、その変換した交流電力を変圧器1221へ供給する。また、パワーコンディショナー1211〜121nは、それぞれ、サブシステム1201〜120nから受けた直流電力を適切に変換し、その変換した直流電力をそれぞれ蓄電池1241〜124nへ蓄電する。
蓄電池1241〜124nは、サブシステム1201〜120nからの直流電力量に応じて、蓄電した電力をそれぞれパワーコンディショナー1211〜121nへ供給する。
このように、太陽光発電システム1200Aは、蓄電池1241〜124nを備えているので、日照量の変動による出力変動を抑制できるとともに、日照のない時間帯であっても、蓄電池1241〜124nに蓄電された電力を変圧器1221に供給することができる。
なお、蓄電池1241〜124nは、それぞれ、パワーコンディショナー1211〜121nに内蔵されていてもよい。
また、本実施の形態による太陽光発電システムは、図26,27に示す構成に限らず、光電変換素子10,20のいずれかを用いる限り、どのような構成であってもよい。
更に、本実施の形態においては、太陽光発電システム1200,1200Aに含まれる全ての光電変換素子が光電変換素子10,20である必要はない。
例えば、あるサブシステム(サブシステム1201〜120nのいずれか)に含まれる光電変換素子の全てが光電変換素子10,20のいずれかであり、別のサブシステム(サブシステム1201〜120nのいずれか)に含まれる光電変換素子の一部または全部が光電変換素子10,20以外の光電変換素子である場合も有り得るものとする。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(1)上述の実施の形態3、4では、半導体基板1の裏面にn型非晶質半導体層4を先に形成した後、p型非晶質半導体層5を形成する例を説明したが、p型非晶質半導体層5を先に形成した後、n型非晶質半導体層4を形成してもよい。
(2)上述の実施の形態2、3において、実施の形態4と同様、n型非晶質半導体層4、アライメントマーク4M、及びp型非晶質半導体層5のそれぞれの下の部分のみに、真性非晶質半導体層からなるパッシベーション膜を形成してもよい。この場合、実施の形態2において、アライメントマーク41M,42Mは、n型非晶質半導体層4と、n型非晶質半導体層4の下に形成されたパッシベーション膜とを含む。そのため、アライメントマーク41M,42Mが形成された部分のコントラストが高くなり、p型非晶質半導体層5を形成する際に用いるシャドーマスクをより適切な位置に配置することができる。また、実施の形態3において、n型非晶質半導体層4からなる個体識別情報は、n型非晶質半導体層4と、n型非晶質半導体層4の下に形成されたパッシベーション膜とを含む。そのため、個体識別情報が形成された部分のコントラストが高くなり、p型非晶質半導体層5を形成する際に用いるシャドーマスク3200の凸部402c〜405cの位置合わせをより正確に行うことができる。
(3)上述した実施の形態2では、n型非晶質半導体層4の一部からなるアライメントマーク41Mを基に、p型非晶質半導体層5を形成する際に用いるシャドーマスクの位置を調整する例を説明したが、アライメントマーク41Mを用いずにシャドーマスクの位置を調整してもよい。つまり、例えば、n型非晶質半導体層4を形成する際に用いるシャドーマスクと、p型非晶質半導体層5を形成する際に用いるシャドーマスクの各位置を合わせるためのアライメントピンを、半導体基板1Aを固定する台に予め固定する。そして、実施の形態2と同様、半導体基板1Aの裏面の少なくとも一部にテクスチャ構造を形成した後、各アライメントピンに合わせて、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5をそれぞれ形成するためのシャドーマスクを配置し、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5を順次形成する。
そして、n型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5を形成後、テクスチャ構造が形成された領域を光学顕微鏡で観察することで、テクスチャ構造の上に形成されたn型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層4の境界を特定することができる。これにより、n型非晶質半導体層4とp型非晶質半導体層5が重ならず、適切な位置に形成されているか否かを検査することができる。つまり、アライメントピンを用いてシャドーマスクを配置し、半導体基板1Aの裏面におけるテクスチャ構造の上に形成されたn型非晶質半導体層4及びp型非晶質半導体層5の境界部分は、光散乱層の一例であり、検査部として機能する。なお、上記では、アライメントピンを用いる例を説明したが、シャドーマスクの位置合わせを行う方法はアライメントピンを用いる方法に限らない。
この発明は、光電変換素子、それを備えた太陽電池モジュールおよび太陽光発電システムに適用される。
1,1A,1B…半導体基板、2…反射防止膜、3,301,302…パッシベーション膜、4…n型非晶質半導体層、4s,5s…識別情報、5…p型非晶質半導体層、6,7…電極、6a,6b,7a,7b…導電層、8…保護膜、10,20…光電変換素子、30,40,50,60,310,320,330,340,3100,3200…シャドーマスク、70…配線シート、1000…太陽電池モジュール、1100,1100A,1200,1200A…太陽光発電システム、1101,1301…光電変換モジュールアレイ、1120…光電変換モジュール、S…個体識別情報、4M,41M,42M…アライメントマーク

Claims (5)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の一方の面に形成され、第1の導電型を有する第1非晶質半導体層と、
    前記半導体基板の一方の面に形成されるとともに前記半導体基板の面内方向において前記第1非晶質半導体層に隣接して形成され、前記第1の導電型と反対の第2の導電型を有する第2非晶質半導体層と、
    前記半導体基板の一方の面の少なくとも一部に形成されたテクスチャ構造と、
    前記テクスチャ構造の上に形成されたアライメント部と、を備え、
    前記アライメント部は、光電変換素子を識別するための個体識別情報を含み、
    前記個体識別情報は、前記第1非晶質半導体層と前記第2非晶質半導体層の少なくとも一方の非晶質半導体層で形成されている、光電変換素子。
  2. 請求項1に記載の光電変換素子において、
    前記アライメント部は、前記第1非晶質半導体層と前記第2非晶質半導体層が形成される領域とは異なる領域に設けられる、光電変換素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光電変換素子において、
    前記個体識別情報の一部は、前記第1非晶質半導体層と前記第2非晶質半導体層の一方を形成する際の位置合わせの基準として用いられる、光電変換素子。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の光電変換素子において、
    前記アライメント部は、さらに、前記個体識別情報を構成する前記第1非晶質半導体層と前記第2非晶質半導体層の少なくとも一方の非晶質半導体層と、前記半導体基板の一方の面との間に真性非晶質半導体層を含む、光電変換素子。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の光電変換素子において、
    前記テクスチャ構造を平面視した場合に、前記テクスチャ構造の凸部の外接円の直径の平均値は、15μm未満である、光電変換素子。
JP2016574758A 2015-02-09 2016-02-03 光電変換素子 Active JP6613252B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015023477 2015-02-09
JP2015023477 2015-02-09
PCT/JP2016/053226 WO2016129481A1 (ja) 2015-02-09 2016-02-03 光電変換素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016129481A1 JPWO2016129481A1 (ja) 2017-11-16
JP6613252B2 true JP6613252B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=56614676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016574758A Active JP6613252B2 (ja) 2015-02-09 2016-02-03 光電変換素子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6613252B2 (ja)
WO (1) WO2016129481A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019013167A1 (ja) * 2017-07-11 2019-01-17 シャープ株式会社 光電変換装置、それを備える太陽電池ストリングおよびそれらのいずれかを備える太陽電池モジュール
WO2019163646A1 (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 株式会社カネカ 太陽電池の製造方法
WO2020022044A1 (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 株式会社カネカ 太陽電池の製造方法
JP7626615B2 (ja) 2020-12-25 2025-02-04 株式会社カネカ 太陽電池ユニットおよび太陽電池ユニットの製造方法
CN115528121A (zh) * 2021-08-04 2022-12-27 上海晶科绿能企业管理有限公司 太阳能电池及光伏组件
US11843071B2 (en) 2021-08-04 2023-12-12 Shanghai Jinko Green Energy Enterprise Management Co., Ltd. Solar cell, manufacturing method thereof, and photovoltaic module

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4440405B2 (ja) * 2000-01-19 2010-03-24 三菱電機株式会社 太陽電池およびその製造方法
JP4035042B2 (ja) * 2002-12-19 2008-01-16 京セラ株式会社 太陽電池素子の製造方法
KR101539047B1 (ko) * 2008-12-24 2015-07-23 인텔렉츄얼 키스톤 테크놀로지 엘엘씨 광기전력 변환 소자 및 그의 제조방법
JP2010258043A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池
JP2012064839A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Kaneka Corp 結晶シリコン系太陽電池およびその製造方法
JP5879538B2 (ja) * 2011-03-25 2016-03-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 光電変換装置及びその製造方法
US20120255603A1 (en) * 2011-04-08 2012-10-11 Young-June Yu Photovoltaic structures and methods of fabricating them
JP2013187287A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Sharp Corp 光電変換素子
US8683854B2 (en) * 2012-03-30 2014-04-01 Ford Global Technologies, Llc Engine cooling system control
JP5664591B2 (ja) * 2012-04-26 2015-02-04 信越化学工業株式会社 太陽電池セル及びその製造方法
JP2015185743A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 シャープ株式会社 光電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016129481A1 (ja) 2016-08-18
JPWO2016129481A1 (ja) 2017-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6613252B2 (ja) 光電変換素子
CN103999242B (zh) 晶体硅太阳能电池、太阳能电池模块及其制造方法
US20080149161A1 (en) Solar cell and solar cell module
US20200091362A1 (en) Solar cell module and method for producing same
JP6785775B2 (ja) 光電変換素子、それを備えた太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム
CN105679846B (zh) 光电转换装置
US11316061B2 (en) Photovoltaic devices, photovoltaic modules provided therewith, and solar power generation systems
US10134928B2 (en) Photoelectric conversion element and solar cell module provided with same
JP2014103259A (ja) 太陽電池、太陽電池モジュールおよびその製造方法
JP6719548B2 (ja) 光電変換装置、光電変換モジュールおよび太陽光発電システム
JP6653696B2 (ja) 光電変換素子
JP6689757B2 (ja) 光電変換素子、それを備えた太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム
CN107710420B (zh) 光电转换装置
JP6697824B2 (ja) 光電変換素子、それを備えた太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム
JP6639407B2 (ja) 光電変換素子
JP6639295B2 (ja) 光電変換装置、光電変換モジュールおよび太陽光発電システム
JP6744820B2 (ja) 光電変換素子、それを備えた太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム
CN107667435B (zh) 光电转换装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6613252

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150