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JP6609909B2 - リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池用負極材料には、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料が広く使用されている。炭素材料としては、黒鉛が挙げられる。黒鉛を炭素材料として用いると、充放電におけるリチウムイオンの吸蔵放出反応が可逆性に優れるため、サイクル特性が良好なリチウムイオン二次電池が得られる。しかしながら、黒鉛のリチウムイオンの吸蔵放出容量は、LiCを形成する372mAh/gが理論値であり、さらなる高容量化には限界がある。
シリコン(Si)は、リチウムと合金(金属間化合物)を形成するため、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵放出することが可能である。リチウムイオンの吸蔵放出容量は、Li22Siを形成する4197mAh/gが理論値であり、黒鉛負極を用いたリチウムイオン二次電池よりも高容量化が可能である。
一方で、シリコンはリチウムイオンの吸蔵放出に伴い3倍〜4倍の大きな体積変化を生じる。このため、充放電サイクルを行った場合、膨張収縮が繰り返されることによりシリコンが崩壊して微細化してしまい、良好なサイクル特性が得られないという課題があった。
そこで、黒鉛粒子、シリコン微粒子、及び非晶質炭素を含む複合粒子の表面に、黒鉛又はカーボンブラックから選ばれる少なくとも1種類以上の物質である炭素質物質が配置されるとともに、該炭素質物質が非晶質炭素によって被覆された構造を有するリチウムイオン二次電池材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−277232号公報
リチウムイオン二次電池の高容量化及びサイクル特性の向上に対する要求が高まっているなか、さらに高容量でサイクル特性の優れたリチウムイオン二次電池を作製可能な負極材が求められている。そこで本発明は、高容量かつサイクル特性に優れる負極を作製可能なリチウムイオン二次電池用負極材、並びにこの負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1> シリコン粒子と導電性微粒子との複合粒子Aを含み、前記シリコン粒子の最長径lと最短径tとの比r(=t/l)が0.5以下である、リチウムイオン二次電池用負極材。
<2> 上記シリコン粒子の最長径lと最短径tとの比r(=t/l)が0.001以上である、上記<1>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<3> 上記シリコン粒子の最長径lが10nm〜5000nmである、上記<1>又は<2>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<4> 上記複合粒子Aにおける上記シリコン粒子の含有率が40質量%〜85質量%である、上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<5> 上記複合粒子Aと黒鉛粒子との複合粒子Bを含む、上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<6> 上記複合粒子Bの表面の一部又は全部が炭素質材料で被覆された、上記<5>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<7> 上記複合粒子Bにおける上記シリコン粒子の含有率が40質量%〜85質量%である、上記<5>又は<6>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<8> 内部に細孔を有する炭素質粒子をさらに含む、上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<9> 上記炭素質粒子において、サイズが0.1μm〜1μmの範囲である細孔についての積算細孔容積が0.05×10−3/kg〜0.4×10−3/kgである、上記<8>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<10> 上記炭素質粒子が黒鉛粒子であり、上記黒鉛粒子の飽和タップ密度が0.4g/cm〜0.9g/cmである、上記<8>又は<9>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<11> 上記シリコン粒子の含有率が3質量%〜50質量%である、上記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<12> 上記<1>〜<11>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を含む、リチウムイオン二次電池用負極。
<13> 上記<12>に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、正極と、電解質とを含む、リチウムイオン二次電池。
本発明によれば、高容量かつサイクル特性に優れる負極を作製可能なリチウムイオン二次電池用負極材、並びにこの負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池が提供される。
複合粒子Aの一例を示す概略断面図である。 複合粒子Bの一例を示す概略断面図である。 炭素質層で被覆した複合粒子Bの一例を示す概略断面図である。 炭素質粒子の一例を示す図である。 リチウムイオン二次電池用負極の一例を示す図である。 リチウムイオン二次電池の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。以下は、本発明の具体例を示すものであり、本発明はこれらに限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において、様々な変更及び修正が可能である。
なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。また、本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
<リチウムイオン二次電池用負極材>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材(以下、単に「負極材」ともいう。)は、シリコン粒子と導電性微粒子との複合粒子Aを含み、上記シリコン粒子の最長径lと最短径tとの比r(=t/l)が0.5以下である。
本発明の負極材を用いて作製されるリチウムイオン二次電池は高容量かつサイクル特性に優れている。その理由について本発明者らは以下のように推測している。複合粒子Aを構成するシリコン粒子は、その最長径lと最短径tとの比r(=t/l)が0.5以下である。このため、リチウムイオンの吸蔵放出に伴う膨張収縮によってシリコン粒子に割れが発生しても、主として厚み方向の割れとなり、導電性微粒子との接点が失われることを抑制できる。また、複合粒子Aを構成する導電性微粒子によって負極材の電気的導通が確保される。さらに、複合粒子Aの内部には、リチウムイオンの吸蔵放出に伴うシリコン粒子の膨張収縮による応力を緩和できる適度な空隙が形成される。これらの理由により、リチウムイオン二次電池の高容量化及びサイクル特性の向上が実現できると考えられる。
(複合粒子A)
図1は、複合粒子Aの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、シリコン粒子11と導電性微粒子13とを付着させることにより、符号12で示される複合粒子Aが構成されている。
複合粒子Aを構成するシリコン粒子は、その最長径lと最短径tとの比r(=t/l)が0.5以下である。シリコン粒子の最長径は、シリコン粒子を2つの平行な面で挟んだ場合に、面間距離が最大となるときの値であり、シリコン粒子の最短径は、シリコン粒子を2つの平行な面で挟んだ場合に、面間距離が最小となるときの値である。
シリコン粒子の最長径lと最短径tとの比r(=t/l)は0.001以上であることが好ましい。
負極内での接点が失われることを抑制する観点から、複合粒子A中のシリコン粒子の比rの数平均値が0.5以下であることが好ましい。また、複合粒子A中のシリコン粒子の比rの数平均値が0.001以上であることが好ましい。
シリコン粒子の最長径lは10nm以上であることが好ましい。シリコン粒子の最長径lは5000nm以下であることが好ましい。また、複合粒子A中のシリコン粒子の最長径lの数平均値が10nm〜5000nmであることが好ましい。
シリコン粒子の形状は、「比rが0.5以下である」という条件を満たしていれば特に制限されず、薄片状、板状、棒状、針状等のいずれであってもよい。本発明の負極材においては、形状の異なるシリコン粒子が混在していてもよい。
複合粒子Aを構成する導電性微粒子は、複合化処理によって上記のシリコン粒子と付着する。これにより、複合粒子Aの電気的導通が確保される。また、複合粒子Aの内部には、リチウムイオンの吸蔵放出に伴うシリコン粒子の膨張収縮による応力を緩和できる適度な空隙が形成される。
導電性微粒子としては、例えば、黒鉛の微細粉;非晶質炭素の微細粉;カーボンブラック(アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等)などの炭素質導電性微粒子;銅(Cu)、ニッケル(Ni)等のリチウムと合金を形成しない金属の金属導電性微粒子;及びCuO、Fe等の導電性を有する金属酸化物導電性微粒子が挙げられる。導電性微粒子は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの導電性微粒子の中でも、銅微粒子、一次粒子径が200nm以下のカーボンブラックが好ましく、一次粒子径が200nm以下のカーボンブラックがより好ましい。
導電性微粒子の粒子径は、本発明の効果が達成される限りにおいて特に制限されない。
なお、本明細書における平均粒径は、以下の方法によって求められる。
(1)界面活性剤を含んだ精製水に試料を分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、SALD−3000J)で測定した粒度分布において小径側からの体積累積50%に対応する値(50%D)を求める。
(2)走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察し、無作為に選択した試料の数平均値を求める。
シリコン粒子と導電性微粒子とを複合化する手段は特に限定されない。例えば、ボールミル、ビーズミル等の粒子複合処理装置を用いて、メカニカルなせん断力を加えてシリコン粒子と導電性微粒子とを付着させる方法が挙げられる。
複合粒子Aの粒子径は、本発明の効果が達成される限りにおいて特に制限されない。比表面積を十分に確保し、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率の低下を抑制するとともに、粒子同士の接触が悪化して入出力特性が低下するのを抑制する観点からは、複合粒子Aの平均粒径(50%D)が5μm以上であることが好ましい。また、電極面に凸凹が発生してリチウムイオン二次電池の短絡の原因となること、及び、粒子表面から内部へのリチウムの拡散距離が長くなりリチウムイオン二次電池の入出力特性が低下することを抑制する観点からは、複合粒子Aの平均粒径(50%D)が30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
複合粒子Aにおけるシリコン粒子の含有率は、リチウムイオン二次電池の高容量化及びサイクル特性の向上の観点から、35質量%〜90質量%であることが好ましく、40質量%〜85質量%であることがより好ましい。
また、本発明の負極材におけるシリコン粒子の含有率は、リチウムイオン二次電池の高容量化及びサイクル特性の向上の観点から、3質量%〜50質量%であることが好ましい。
(複合粒子B)
複合粒子Aは、黒鉛粒子と複合化して複合粒子Bとなっていてもよい。このように黒鉛粒子と複合化することにより粒子強度が増大し、負極を作製する際に複合粒子Aの形態が崩れることを低減できる。図2は、複合粒子Bの一例を示す概略断面図である。図2に示すように、符号12で示される複合粒子Aと黒鉛粒子15とが付着することにより、符号14で示される複合粒子Bが構成されている。
黒鉛粒子の粒子径は、本発明の効果が達成される限りにおいて特に制限されない。
複合粒子Aと黒鉛粒子とを複合化する手段は特に限定されない。例えば、ボールミル、ビーズミル等の粒子複合処理装置を用いて、メカニカルなせん断力を加えて複合粒子Aと黒鉛粒子とを付着させる方法が挙げられる。
シリコン粒子と導電性微粒子との間、及び複合粒子Aと黒鉛粒子との間の良好な電気的導通を保持する観点から、複合粒子Bの表面の一部又は全部が炭素質材料で被覆されていることが好ましい。すなわち、図3に示すように、符号12で示される複合粒子Aと黒鉛粒子15とが複合化した複合粒子Bの表面の一部又は全部が炭素質材料(炭素質層)17で被覆されることにより、符号16で示される、炭素質層で被覆した複合粒子Bが構成されていることが好ましい。
複合粒子Bの表面の一部又は全部を炭素質材料で被覆する方法は、特に限定されない。例えば、以下のような湿式混合方式、乾式混合方式、気相方式等の方法が挙げられる。
湿式混合方式の方法としては、炭素質材料の前駆体となる物質(有機化合物等)を溶媒に溶解又は分散させた混合液に、複合粒子Bを分散して混合した後、溶媒を除去する方法が挙げられる。
乾式混合方式の方法としては、複合粒子Bと有機化合物とをそれぞれ固体の状態で混合し、得られた混合物に力学的エネルギーを加えることで複合粒子Bの表面に有機化合物を付着させ、有機化合物を付着させた状態の複合粒子Bを熱処理して有機化合物を炭素化することにより、複合粒子Bを炭素質材料で被覆することができる。
気相方式の方法としては、CVD法等の、アセチレン、プロピレン等のガス分解反応によって複合粒子Bの表面を炭素質材料で被覆する方法が挙げられる。
有機化合物の具体例としては、エチレンヘビーエンドピッチ、原油ピッチ、コールタールピッチ、アスファルト分解ピッチ、ポリ塩化ビニル等を熱分解して生成するピッチ、ナフタレン等を超強酸存在下で重合させて作製される合成ピッチなどが挙げられる。また、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール等の熱可塑性合成樹脂を有機化合物として用いることもできる。また、デンプン、セルロース等の天然物を有機化合物として用いることもできる。
熱処理の温度は750℃〜2000℃であることが好ましく、800℃〜1800℃であることがより好ましく、850℃〜1400℃であることがさらに好ましい。熱処理時の雰囲気は、負極材が酸化し難い雰囲気であれば特に制限はなく、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、自己分解ガス雰囲気等が適用できる。使用する炉の形式は特に制限はないが、電気又はガスを熱源としたバッチ炉、連続炉等が好ましい。
複合粒子B(炭素質材料で被覆されている場合を含む)の粒子径は、本発明の効果が達成される限りにおいて特に制限されない。比表面積を十分に確保し、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率の低下を抑制するとともに、粒子同士の接触が悪化して入出力特性が低下するのを抑制する観点からは、複合粒子Bの平均粒径(50%D)が5μm以上であることが好ましい。また、電極面に凸凹が発生してリチウムイオン二次電池の短絡の原因となること、及び、粒子表面から内部へのリチウムの拡散距離が長くなりリチウムイオン二次電池の入出力特性が低下することを抑制する観点からは、複合粒子Bの平均粒径(50%D)が30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
複合粒子B(炭素質材料で被覆されている場合を含む)におけるシリコン粒子の含有率は、リチウムイオン二次電池の高容量化及びサイクル特性の向上の観点から、35質量%〜90質量%であることが好ましく、40質量%〜85質量%であることがより好ましい。
(炭素質粒子)
負極材は、内部に細孔を有する炭素質粒子をさらに含むことが好ましい。炭素質粒子の内部に存在する細孔は、リチウムイオンの吸蔵放出に伴ってシリコン粒子が膨張収縮する際に適度なクッションとして働くため、膨張収縮による応力を緩和できる傾向にある。
炭素質粒子は、炭素質材料から構成される複数の一次粒子が集合して形成される二次粒子であることが好ましい。すなわち、図4に示すように、炭素質粒子18は、一次粒子19が集合して形成される二次粒子であり、粒子内部に細孔20を有するものであることが好ましい。
炭素質粒子のリチウムイオンの吸蔵放出容量が大きいという観点からは、炭素質材料は黒鉛であることが好ましく、黒鉛層間距離(d002)が0.335nm〜0.337nmであることがより好ましい。
炭素質粒子が有する細孔は、サイズが0.1μm〜1μmの範囲である細孔についての積算細孔容積(以下、単に「積算細孔容積」ともいう。)が、0.04×10−3/kg〜0.5×10−3/kgであることが好ましく、0.05×10−3/kg〜0.4×10−3/kgであることがより好ましい。積算細孔容積は、水銀圧入法により測定される値である。
炭素質粒子の積算細孔容積を上記範囲とするためには、炭素質粒子の飽和タップ密度が0.4g/cm〜0.9g/cm以下であることが好ましい。
炭素質粒子の粒子径は、本発明の効果が達成される限りにおいて特に制限されない。
本発明の負極材における炭素質粒子の含有率は特に制限されない。リチウムイオン二次電池の高容量化及びサイクル特性の向上の観点から、炭素質粒子の含有率は、本発明の負極材におけるシリコン粒子の含有率が3質量%〜50質量%となるような含有率であることが好ましい。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極(以下、単に「負極」ともいう。)は、本発明の負極材と、必要に応じてその他の成分と、を含む。その他の成分としては、結着剤、添加剤等を挙げることができる。添加剤としては増粘剤、導電補助剤等を挙げることができる。
結着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリアクリロニトリル等のイオン導電性の大きな高分子化合物;などが挙げられる。上記(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記(メタ)アクリロニトリルは、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルを意味する。結着剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結着剤の含有量は特に制限されないが、本発明の負極材と結着剤との合計100質量部に対して1質量部〜20質量部であることが好ましい。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース又はその塩(例えばナトリウム塩)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸又はその塩(例えばナトリウム塩)、アルギン酸又はその塩(例えばナトリウム塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。増粘剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電補助剤としては、カーボンブラック(アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等)、グラファイト、導電性を示す酸化物、導電性を示す窒化物などが挙げられる。導電補助剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増粘剤、導電補助剤等の添加剤の含有量は、リチウムイオン二次電池の特性を低下させない範囲であれば特に限定されないが、負極材と添加剤との総量に対して0.1質量%以上10.0質量%未満であることが好ましい。
本発明の負極の作製方法は特に制限されない。例えば、本発明の負極材と、結着剤と、必要に応じて添加される各種添加剤と、溶剤とを含むペースト状の負極材スラリーを調製し、得られた負極材スラリーを集電体の上に塗布し、乾燥し、必要に応じて平板プレス、ロールプレス等の成形法により圧縮成形することで作製することができる。その他、ペースト状の負極材スラリーをシート状、ペレット状等に成形し、これをロールプレス等の成形法により集電体と一体化することで作製することもできる。
負極材スラリーは、例えば負極材スラリーを構成する成分を、撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダー等を用いて撹拌して混練し、必要に応じて粘度を調整することで調製することができる。
負極材スラリーの調製に用いられる溶剤は、結着剤を溶解又は分散可能な溶剤であれば特に制限されない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の有機溶媒を例示することができる。溶剤の使用量は、負極材スラリーをペースト等の所望の状態にできれば特に制限されない。例えば、負極材100質量部に対して60質量部以上150質量部未満とすることができる。
集電体の種類、形状等は特に制限されず、目的に応じて選択することができる。例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いることができる。また、ポーラスメタル(発泡メタル)等の多孔性材料、カーボンペーパーなどを用いることもできる。
負極材スラリーを集電体に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法を適宜選択することができる。具体的には、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。負極材ペーストの塗布量は特に制限されず、目的に応じて選択することができる。
図5は、本発明の負極の一例を示す図である。図5に示すように、複合粒子B(符号14)、表面の一部又は全部を炭素質層で被覆した複合粒子B(符号16)、及び内部に細孔を有する炭素質粒子(符号18)を含む負極材層が、負極集電体32の表面に形成されている。図5に示す負極構造は、リチウムイオン二次電池の高容量化及びサイクル特性の向上の観点から好ましい。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の負極と、正極と、電解質(好ましくは電解液)とを含む。本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば、本発明の負極と正極とをセパレータを介して対向するように配置し、電解液を注入することにより得ることができる。
正極は、負極と同様にして、集電体の表面上に正極材及び必要に応じて含まれる増粘剤、導電補助剤等の添加剤を含む正極材層を形成することで作製される。
正極材は特に制限されず、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な金属化合物、金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子材料等が好ましい。具体的には、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、及びこれらの複合酸化物(LiCoNiMn、X+Y+X=1)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、リチウムバナジウム化合物、V、V13、VO、MnO、TiO、MoV、TiS、V、VS、MoS、MoS、Cr、Cr、オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe)、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン等の導電性ポリマー、多孔質炭素などが挙げられる。正極材は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極は、正極材と、結着剤と、結着剤を溶解又は分散可能な溶剤と、必要に応じて添加される添加剤とを含む正極材スラリーを集電体の少なくとも一方の面に塗布し、次いで溶剤を乾燥して除去し、必要に応じて圧延して作製することができる。
結着剤、溶剤、添加剤、及び集電体としては、本発明の負極の項で例示したものを同様に用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる電解質は特に制限されず、公知のものを用いることができる。例えば、電解質を有機溶剤に溶解させた電解液を用いることにより、非水系リチウムイオン二次電池を製造することができる。
電解質としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiSOCF、LiClF、LiAsF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、LiCl、LiI等が挙げられる。
有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等の鎖状エーテル系溶剤;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン等の環状エーテル系溶剤;スルホラン等のスルホラン系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;ジエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール系溶剤などが挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セパレータとしては、公知の各種セパレータを用いることができる。例えば、紙製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ガラス繊維製、セラミック製等のセパレータが挙げられる。なお、リチウムイオン二次電池の正極と負極とが直接接触しない構造の場合には、セパレータを使用する必要はない。
本発明のリチウムイオン二次電池の構造は、特に限定されない。例えば、図6に示すように、正極及び負極とセパレータとを円筒形状に捲回し、電池缶に封入した円筒型リチウムイオン二次電池が挙げられる。図6中、符号21は正極、符号22は負極、符号23はセパレータ、符号24は正極端子タブ、符号25は負極端子タブ、符号26は電池缶、符号27はガスケット、符号28は内圧弁、符号29はPTC(正温度係数抵抗)素子、符号30は正極蓋、符号31は正極内蓋を示す。
また、扁平渦巻状に巻回して巻回式極板群とし、これらを平板状として積層して積層式極板群とし、これら極板群を外装体中に封入した、角型構造のリチウムイオン二次電池が挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池の種類は特に限定されず、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池等として使用される。
以上で説明した本発明のリチウムイオン二次電池は、従来の炭素材料を負極材として用いたリチウムイオン二次電池と比較して高容量であり、サイクル特性に優れる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<実施例1>
(負極材の作製)
シリコン粒子(薄片状)とアセチレンブラックとを均一となるように混合し、ボールミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Aを作製した。次いで、複合粒子Aに黒鉛粒子(平均粒径=5μm)を加えて均一となるように混合し、上述と同様にボールミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Bを作製した。次いで、複合粒子Bにポリ酢酸ビニルを加えてブレンダーミキサーで混合した。この混合粉を窒素雰囲気中、800℃で加熱処理して、複合粒子Bの表面に炭素質層を形成した。その後、炭素質層を形成した複合粒子Bと一次粒子が黒鉛(d002=0.3358nm)の炭素質粒子(平均粒径=22μm)とを均一となるよう混合して、負極材を作製した。
実施例1で用いたシリコン粒子のr及びlの平均値、導電微粒子の種類及び平均粒径、炭素質粒子の積算細孔容積及び飽和タップ密度、並びに複合粒子B及び負極材全体に含まれるシリコン粒子の割合を表1に示す。
(リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極材を用いて、図6に示す円筒型リチウム電池を前述した手順により作製した。このリチウムイオン二次電池について、初期電池容量を確認した後、サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
(負極材の作製)
シリコン粒子(薄片状)と銅(Cu)微粒子とを均一となるように混合し、ボールミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Aを作製した。次いで、複合粒子Aに黒鉛粒子(平均粒径=5μm)を加えて均一となるように混合し、上述と同様にボールミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Bを作製した。次いで、複合粒子Bにポリ酢酸ビニルを加えてブレンダーミキサーで混合した。この混合粉を窒素雰囲気中、800℃で加熱処理して、複合粒子Bの表面に炭素質層を形成した。その後、炭素質層を形成した複合粒子Bと一次粒子が黒鉛(d002=0.3358nm)の炭素質粒子(平均粒径=22μm)とを均一となるように混合して、負極材を作製した。
実施例2で用いたシリコン粒子のr及びlの平均値、導電微粒子の種類及び平均粒径、炭素質粒子の積算細孔容積及び飽和タップ密度、並びに複合粒子B及び負極材全体に含まれるシリコン粒子の割合を表1に示す。
(リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極材を用いて、図6に示す円筒型リチウム電池を前述した手順により作製した。このリチウムイオン二次電池について、初期電池容量を確認した後、サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
(負極材の作製)
シリコン粒子(薄片状)とアセチレンブラックとを均一となるように混合し、ビーズミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Aを作製した。次いで、複合粒子Aに黒鉛粒子(平均粒径=5μm)を加えて均一となるように混合し、上述と同様にビーズミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Bを作製した。その後、複合粒子Bと一次粒子が黒鉛(d002=0.3358nm)の炭素質粒子(平均粒径=18μm)とを均一となるように混合して、負極材を作製した。
実施例3で用いたシリコン粒子のr及びlの平均値、導電微粒子の種類及び平均粒径、炭素質粒子の積算細孔容積及び飽和タップ密度、並びに複合粒子B及び負極材全体に含まれるシリコン粒子の割合を表1に示す。
(リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極材を用いて、図6に示す円筒型リチウム電池を前述した手順により作製した。このリチウムイオン二次電池について、初期電池容量を確認した後、サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
(負極材の作製)
シリコン粒子(薄片状)とアセチレンブラックとを均一となるように混合し、ビーズミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Aを作製した。次いで、複合粒子Aに黒鉛粒子(平均粒径=5μm)を加えて均一となるように混合し、上述と同様にビーズミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Bを作製した。次いで、複合粒子Bにコールタールピッチを加えてブレンダーミキサーで混合した。この混合粉を窒素雰囲気中、800℃で加熱処理して、複合粒子Bの表面に炭素質層を形成した。その後、炭素質層を形成した複合粒子Bと一次粒子が黒鉛(d002=0.3358nm)の炭素質粒子(平均粒径=18μm)とを均一となるように混合して、負極材を作製した。
実施例4で用いたシリコン粒子のr及びlの平均値、導電微粒子の種類及び平均粒径、炭素質粒子の積算細孔容積及び飽和タップ密度、並びに複合粒子B及び負極材全体に含まれるシリコン粒子の割合を表1に示す。
(リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極材を用いて、図6に示す円筒型リチウム電池を前述した手順により作製した。このリチウムイオン二次電池について、初期電池容量を確認した後、サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例5>
(負極材の作製)
シリコン粒子(薄片状)とアセチレンブラックとを均一となるように混合し、ビーズミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Aを作製した。次いで、複合粒子Aに黒鉛粒子(平均粒径=5μm)を加えて均一となるように混合し、上述と同様にビーズミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Bを作製した。次いで、複合粒子Bにポリ塩化ビニルを加えてブレンダーミキサーで混合した。この混合粉を窒素雰囲気中、800℃で加熱処理して、複合粒子Bの表面に炭素質層を形成した。その後、炭素質層を形成した複合粒子Bと一次粒子が黒鉛(d002=0.3358nm)の炭素質粒子(平均粒径=20μm)とを均一となるように混合して、負極材を作製した。
実施例5で用いたシリコン粒子のr及びlの平均値、導電微粒子の種類及び平均粒径、炭素質粒子の積算細孔容積及び飽和タップ密度、並びに複合粒子B及び負極材全体に含まれるシリコン粒子の割合を表1に示す。
(リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極材を用いて、図6に示す円筒型リチウム電池を前述した手順により作製した。このリチウムイオン二次電池について、初期電池容量を確認した後、サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例6>
(負極材の作製)
シリコン粒子(薄片状)とアセチレンブラックとを均一となるように混合し、ビーズミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Aを作製した。次いで、複合粒子Aに黒鉛粒子(平均粒径=5μm)を加えて均一となるように混合し、上述と同様にビーズミルを用いてメカニカルアロイング処理を行うことにより、複合粒子Bを作製した。次いで、複合粒子Bにポリ塩化ビニルを加えてブレンダーミキサーで混合した。この混合粉を窒素雰囲気中、800℃で加熱処理して、複合粒子Bの表面に炭素質層を形成した。その後、炭素質層を形成した複合粒子Bと一次粒子が黒鉛(d002=0.3358nm)の炭素質粒子(平均粒径=20μm)とを均一となるように混合して、負極材を作製した。
実施例6で用いたシリコン粒子のr及びlの平均値、導電微粒子の種類及び平均粒径、炭素質粒子の積算細孔容積及び飽和タップ密度、並びに複合粒子B及び負極材全体に含まれるシリコン粒子の割合を表1に示す。
(リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極材を用いて、図6に示す円筒型リチウム電池を前述した手順により作製した。このリチウムイオン二次電池について、初期電池容量を確認した後、サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
(負極材の作製)
市販の黒鉛粉末(d002=0.3358nm、平均粒径=20μm)とシリコン粒子(平均粒径=1μm)とを均一となるように混合することにより、負極材を作製した。
比較例1で用いたシリコン粒子のr及びlの平均値、炭素質粒子の積算細孔容積及び飽和タップ密度、並びに負極材全体に含まれるシリコン粒子の割合を表1に示す。なお、表1中の「−」は、該当する項目が存在しないことを意味する。
(リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極材を用いて、図6に示す円筒型リチウム電池を前述した手順により作製した。このリチウムイオン二次電池について、初期電池容量を確認した後、サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
表1に示す通り、実施例1〜実施例6のリチウムイオン二次電池は、比較例1のリチウムイオン二次電池に比べて電池容量が大きく、100サイクル後の容量維持率も高く、良好なサイクル特性が得られた。
11 シリコン粒子
12 複合粒子A
13 導電性微粒子
14 複合粒子B
15 黒鉛粒子
16 炭素質層で被覆した複合粒子B
17 炭素質層
18 炭素質粒子
19 一次粒子
20 細孔
21 正極
22 負極
23 セパレータ
24 正極端子タブ
25 負極端子タブ
26 電池缶
27 ガスケット
28 内圧弁
29 PTC(正温度係数抵抗)素子
30 正極蓋
31 正極内蓋
32 負極集電体

Claims (13)

  1. 薄片状のシリコン粒子と導電性微粒子とが付着して複合化された複合粒子Aを含み、前記シリコン粒子の最長径lと最短径tとの比r(=t/l)が0.5以下であり、前記導電性微粒子は一次粒子径が200nm以下である、リチウムイオン二次電池用負極材。
  2. 前記シリコン粒子の最長径lと最短径tとの比r(=t/l)が0.001以上である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  3. 前記シリコン粒子の最長径lが10nm〜5000nmである、請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  4. 前記複合粒子Aにおける前記シリコン粒子の含有率が40質量%〜85質量%である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  5. 前記複合粒子Aと黒鉛粒子とが付着して複合化された複合粒子Bを含み、前記黒鉛粒子は前記導電性微粒子とは粒子径が異なる、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  6. 前記複合粒子Bの表面の一部又は全部に、炭素質層が設けられてなる、請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  7. 前記複合粒子Bにおける前記シリコン粒子の含有率が40質量%〜85質量%である、請求項5又は請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  8. 内部に細孔を有する炭素質粒子をさらに含み、
    前記炭素質粒子は、前記複合粒子Aとは形状が異なり、さらに前記複合粒子Aと黒鉛粒子との複合粒子Bを含む場合には前記複合粒子Bとは形状が異なり、前記炭素質粒子は、炭素で構成される複数の一次粒子が集合して形成される二次粒子であり、
    且つ、前記炭素質粒子は、前記複合粒子A及び前記複合粒子Bとは複合化していない、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  9. 前記炭素質粒子において、サイズが0.1μm〜1μmの範囲である細孔についての積算細孔容積が0.05×10−3/kg〜0.4×10−3/kgである、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  10. 前記炭素質粒子が黒鉛粒子であり、前記黒鉛粒子の飽和タップ密度が0.4g/cm〜0.9g/cmである、請求項8又は請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  11. 前記シリコン粒子の含有率が3質量%〜50質量%である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を含む、リチウムイオン二次電池用負極。
  13. 請求項12に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、正極と、電解質とを含む、リチウムイオン二次電池。
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