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JP6609902B2 - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化してエポキシ化合物を製造する方法に関する。
エポキシ化合物は、エポキシ樹脂の原料となるエポキシモノマーや農薬、医薬中間体等の各種化学製品、その中間体や原料として幅広く利用されている。
近年、過酸化水素をタングステン酸類、リン酸、およびオニウム塩の存在下反応させる方法が開発されている(例えば非特許文献1)。この方法では、過酸化物の調製の必要がなく、入手が容易な過酸化水素水で反応を行うことができる。また、過酸化物で酸化されやすい芳香族環を有する化合物にも用いることができ、汎用性が高い製造方法である。
しかし特許文献1には触媒調製時にタングステン酸類と過酸化水素との接触により酸素が発生するという報告もされている。
一方、エポキシ化合物を製造する際に原料として用いる炭素−炭素二重結合を有する化合物を製造する際に、パラジウム、ルテニウム、銅等の金属触媒を使用する場合がある(例えば特許文献2、3)。こうした原料中にはこれら金属触媒由来の金属不純物の混入している可能性がある。また使用原料以外に装置や保管容器等からコバルト、ニッケル、鉄等の金属が溶出し、これらが金属不純物として反応系に混入してしまう場合もあった。
特開2010−229065号公報 特表平10−511721号公報 特開2012−116782号公報
Bull.Chem.Soc.Jpn、70、905(1997)
炭素−炭素二重結合を有する化合物をエポキシ化する際に、前記のタングステン酸類とオニウム塩との存在下、過酸化水素を反応させる方法は汎用性の高い製造方法であるが、過酸化水素は加熱より分解し酸素を発生する。特にエポキシ化反応中に前記の金属不純物が混入している場合には、過酸化水素の分解は更に加速され、当該分解に伴う酸素の発生や発熱は安全上大きな問題となるため、より安全性の高い製造方法が求められている。
本発明は上記の状況を鑑み成されたものであり、炭素−炭素二重結合を有する化合物に、タングステン化合物等の触媒金属とオニウム塩の存在下、過酸化水素を反応させるエポキシ化合物の製造方法において、過酸化水素の分解を抑制し、効率的、且つ安全に製造を行うことを課題とする。
発明者は、炭素−炭素二重結合を有する化合物に、タングステン化合物及びモリブデン化合物のうち少なくとも一方とオニウム塩の存在下、過酸化水素を反応させるエポキシ化合物の製造方法において、水相中の過酸化水素の濃度を低く、または水相中の過酸化水素の量を少なく保つことにより、反応速度を低下させることなく過酸化水素の分解を抑制し
、安全にエポキシ化を行うことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の要旨は、下記に存する。
[1]炭素−炭素二重結合を有する化合物に過酸化水素を反応させてエポキシ化反応によりエポキシ化合物を製造する方法であって、前記エポキシ化反応を、オニウム塩の存在下、タングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方を含む水相と、炭素−炭素二重結合を有する化合物を含む有機相とからなる二相系溶液中で行い、かつ、前記水相中の過酸化水素濃度が7質量%以下になるように前記過酸化水素を前記二相系溶液に添加することを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
[2]炭素−炭素二重結合を有する化合物に過酸化水素を反応させてエポキシ化反応によりエポキシ化合物を製造する方法であって、前記エポキシ化反応を、タングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方とオニウム塩との存在下で行い、かつ、前記過酸化水素の含有量を、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物に含まれる二重結合の数に前記炭素−炭素二重結合を有する化合物のモル数を乗じた量に対し、モル比で0.5倍以下とすることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
[3]前記エポキシ化反応を、前記タングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方を含む水相と、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物を含む有機相とからなる二相系溶液中で行うことを特徴とする上記[2]に記載のエポキシ化合物の製造方法。
[4]前記水相の質量が、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物の質量の1.5倍以上であり、かつ前記有機相の質量が、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物の質量の5倍以下であることを特徴とする上記[1]又は[3]に記載のエポキシ化合物の製造方法。[5]炭素−炭素二重結合を有する化合物、タングステン及びモリブデン化合物の少なくとも一方、及びオニウム塩を含む混合物に、過酸化水素を添加する前又は添加中に、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物の含有量に対し、質量比で0.1倍〜5倍の水を添加することを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか1に記載のエポキシ化合物の製造方法。
[6]前記エポキシ化合物1分子中のエポキシ基の数に対する前記エポキシ化合物の分子量が100以上であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
[7]前記エポキシ化反応を50〜75℃で行うことを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
[8]前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、金属不純物を質量比で500ppm以下含むことを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
本発明の製造方法によれば、タングステン化合物等の触媒金属とオニウム塩の存在下、炭素−炭素二重結合を有する化合物に過酸化水素を反応させるエポキシ化合物の製造方法において、過酸化水素の分解を抑制し、原料等から金属不純物等が混入した場合でも効率的、かつ安全にエポキシ化合物の製造を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について更に詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲で種々変形して実施することができる。
本発明のエポキシ化合物の製造方法の第一の態様は、炭素−炭素二重結合を有する化合物(以下、「オレフィン化合物」と称することがある。)に過酸化水素を反応させてエポキシ化する際に、触媒金属としてタングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方と、オニウム塩とを存在させ、タングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方を含む水相と、前記オレフィン化合物を含む有機相とからなる二相系溶液中で、前
記エポキシ化反応を行い、かつ、前記水相中の過酸化水素濃度が7質量%以下になるように過酸化水素を前記二相系溶液に添加することを特徴とする。
また本発明のエポキシ化合物の製造方法の第二の態様は、炭素−炭素二重結合を有する化合物に過酸化水素を反応させてエポキシ化反応によりエポキシ化化合物を製造する方法において、タングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方とオニウム塩との存在下、過酸化水素の含有量を、前記オレフィン化合物に含まれる二重結合の数に前記炭素−炭素二重結合を有する化合物のモル数を乗じた値に対し、0.5倍モル以下とすることを特徴とする。
(タングステン化合物及びモリブデン化合物)
本発明ではタングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方を触媒金属として使用する。ここで触媒金属とは、炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合を過酸化水素を用いてエポキシ化する際に、過酸化水素と共に反応系内に存在することで触媒として作用する金属種をいう。以下、タングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方を触媒金属ともいう。
本発明におけるタングステン化合物は、タングステンを含有し、上記の触媒としての作用を有するものであれば特に限定はされない。具体的にはタングステン酸やその塩等(以下、これらを「タングステン酸類」と総称する)等がタングステン化合物として挙げられる。
前記タングステン酸類としては、具体的には例えば、タングステン酸;タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸アンモニウム等のタングステン酸塩;前記タングステン酸塩の水和物;12−タングストリン酸、18−タングストリン酸等のリンタングステン酸;12−タングストケイ酸等のケイタングステン酸;12−タングストホウ酸または金属タングステン等が挙げられる。好ましくはタングステン酸、タングステン酸塩、リンタングステン酸であり、入手しやすさの点から、タングステン酸、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、12−タングストリン酸がより好ましい。
本発明におけるモリブデン化合物は、モリブデンを含有し、上記の触媒としての作用を有するものであれば特に限定されないが、具体的にはモリブデン酸やその塩等(以下、これらを「モリブデン酸類」と総称する)等が挙げられる。
前記モリブデン酸類としては、モリブデン酸;モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモニウム等のモリブデン酸塩;前記モリブデン酸塩の水和物が挙げられる。
上記タングステン化合物およびモリブデン化合物の中では、入手しやすさの点で、タングステン化合物が好ましく、タングステン酸類、具体的にはタングステン酸、またはタングステン酸ナトリウム及びその水和物、タングステン酸カルシウム及びその水和物がより好ましい。
本発明における触媒金属は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。前記触媒金属の使用量は、使用する前記オレフィン化合物等の性質により適宜調節することができ、特に限定されるものではないが、通常、前記オレフィン化合物中に含まれる炭素−炭素二重結合1モル(前記オレフィン化合物中に含まれる炭素−炭素二重結合の数に前記オレフィン化合物の分子量を乗じたもの)に対して触媒金属原子(例えばタングステン化合物を用いる場合はタングステン原子)に換算して、通常0.001モル以上、好ましくは0.005モル以上、より好ましくは0.01モル以上であり、通常1.0モル以下、好ましくは0.50モル以下、より好ましくは0.10モル以下である。前記範囲内に調整することで、反応が進行しやすく、また経済性がよいためである。
前記触媒金属を用いる場合、前記オレフィン化合物と反応系内で混合して用いても、予め反応系外でオレフィン化合物と混合してから用いてもよく、また前記混合の際に、後述する過酸化水素を併せて混合し、触媒金属を活性化させてから用いることもできる。また後述するオニウム塩、有機溶媒、及びその他の添加物も併せて適宜混合して用いることもできる。
(過酸化水素)
過酸化水素水を用いる場合、その濃度は特に限定されないが、通常1質量%以上、好ましくは20質量%以上、通常60質量%以下であり、より好ましくは、入手のしやすさや生産性、運搬コスト等を考慮すると、30質量%以上、45質量%以下である。
過酸化水素の使用量は、前記オレフィン化合物の反応性等に応じて適宜調整することができ、特に限定はされないが、前記オレフィン化合物のモル数にオレフィン化合物1分子中に有する炭素−炭素二重結合の数を乗じた値に対し、通常0.5倍モル以上、好ましくは1倍モル以上、通常10倍モル以下、好ましくは3倍モル以下を用いる。前記範囲内の使用量であれば、生産性よく、効率のよいエポキシ化ができるためである。
なおここでいう「使用量」は、前記オレフィン化合物からエポキシ化合物を製造する際に使用する過酸化水素の総量をいう。
(オニウム塩)
本発明の製造方法は、オニウム塩の存在下でエポキシ化反応を行うことができる。オニウム塩は、前記触媒金属及び過酸化水素と混合して用いることで、活性型のエポキシ化触媒を形成すると考えられ、反応活性が高くなることから本発明の製造方法において使用することが好ましい。具体的には、オニウム塩は、前記触媒金属と複合体を形成し、さらにこの複合体が過酸化水素によって酸化されることで、反応活性の高い活性型のエポキシ化触媒(以下、「活性触媒」という。)になると考えられる。
前記活性触媒は、エポキシ化反応の際には脂溶性となり、通常、必要に応じて用いられる溶媒に、前記オレフィン化合物とともに安定に溶解するものが好ましい。そのため前記活性触媒は、安定的に溶媒中に分配するために、高い脂溶性を有することが好ましい。
本発明においてオニウム塩は、前記触媒金属が脂溶性になる程度の高い脂溶性を有することが好ましいため、より脂溶性が高いオニウム塩を使用することが好ましい。オニウム塩の脂溶性の目安の一つとしては、オニウム塩の有する炭素数が挙げられ、(炭素数/1分子中のオニウム塩の数)が20以上であり、より好ましくは25以上である。さらに好ましくはその構造内に炭素原子を20個以上有するカチオン種のオニウム塩がより好ましい。
オニウム塩としては、例えばメチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラヘキシルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、セシルピリジニウム塩等のピリジニウム塩、テトラヘキシルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。
またオニウム塩としては、本発明者らが発明し、PCT/JP2013/059461号に開示したオニウム塩を使用することもできる。具体的には活性水素を含む官能基またはその塩に変換可能な置換基を1つ以上有し、かつ炭素原子を20以上含むオニウム塩を用いることが好ましい。
これらのオニウム塩は、エポキシ反応時には脂溶性を呈するが、エポキシ化反応終了後に加水分解等の簡単な後処理をすることで水溶性物質に変換することができ、タングステン等の前記触媒金属をより効率よく水相に溶解、分離できる点で好ましい。
本発明において、オニウム塩は単独でも2種以上適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明で用いられるオニウム塩のアニオン種は、特に限定はされないが、具体的には硫酸水素イオン、モノメチル硫酸イオン、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸二水素イオン、スルホン酸イオン、カルボン酸イオン、水酸化物イオン等の1価のアニオン、リン酸水素イオン、硫酸イオン等の2価のアニオンが挙げられ、調整が容易である点から一価のアニオンが好ましい。このうちアニオン種が反応生成物であるエポキシ化合物のエポキシ基や、基質の炭素−炭素二重結合に付加しない点や、調製が容易である点からモノメチル硫酸イオン、硫酸水素イオン、酢酸イオン、リン酸二水素イオン又は水酸化物イオンが好ましい。なおアニオン種は単独でも2種以上適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においてオニウム塩を使用する場合、特に限定はされないが、有機相と水相とからなる二相系反応溶液中で使用することが好ましい。通常脂溶性を有する前記オレフィン化合物が、脂溶性を付与された活性触媒と有機相中で反応するため、副反応が起こりにくいためである。
オニウム塩の使用量は、使用するオレフィン化合物等の性質により適宜調整可能であり、特に制限はされないが、反応時に使用する前記触媒金属に対して、通常モル比で0.1倍モル以上、好ましくは0.2倍モル以上、より好ましくは0.3倍モル以上、通常5.0倍モル以下であり、好ましくは2.0倍モルであり、より好ましくは1.0倍モル以下である。
(有機溶媒)
本発明では、必要に応じ有機溶媒を用いることができ、オレフィン化合物が固体である場合など、有機溶媒を含む反応液は操作性が向上する点で用いることが好ましい。
本発明のエポキシ化反応において有機溶媒を使用した際、オレフィン化合物は、有機溶媒中に溶解していても、懸濁状態でもよいが、通常、反応温度条件下で有機溶媒に溶解していることが好ましい。
本発明において用いられる有機溶媒は、使用するオレフィン化合物や、前記活性触媒に対して不活性であれば特に限定はされないが、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチルなどのエステル化合物;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N− ジメチルアセトアミド等のアミド類;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等のウレア類;及びこれら溶媒の混合物が挙げられ、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、およびこれら有機溶媒の混合物が好ましい。さらに反応に対して安定である芳香族炭化水素が好ましく、より好ましくは反応温度より高い沸点を有するトルエンが挙げられる。特に反応活性の高い前記活性触媒を使用する際に、水と二相系を形成する有機溶媒を用いて、二相系反応で行なうことが反応の効率や操作上好ましいためである。
本発明における有機溶媒の使用量は、オレフィン化合物の溶解度や各種物性により適宜調整して使用することができ、特に限定されるものではないが、生産性と安全性の観点から使用するオレフィン化合物の通常0.1倍量以上、10倍量以下であり、好ましくは5倍量以下、より好ましくは3倍量以下である。
(リン酸類及びホスホン酸類)
本発明の製造方法においては、リン酸類及びホスホン酸類の少なくとも一方を使用することができる。特に前記オニウム塩等を用いて、前記触媒金属を前記活性触媒としてエポキシ化反応を行なう際には、さらにリン酸類及びホスホン酸類の少なくとも一方を用いることが反応性の向上の点で好ましい。
本発明におけるリン酸類としては、具体的には例えばリン酸、亜リン酸等の無機リン酸;ポリリン酸、ピロリン酸等のリン酸重合体;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム等の無機リン酸塩;モノメチルリン酸、ジメチルリン酸、トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリフェニルリン酸等のリン酸エステル類;等が挙げられる。このうちリン酸類としては、リン酸を用いることが好ましい。
本発明におけるホスホン酸類としては、アミノメチルホスホン酸、フェニルホスホン酸などが挙げられる。
これらのうち本発明では安価なリン酸を用いることが好ましい。
リン酸類及びホスホン酸類の使用量は、特に限定されるものではなく、その種類や触媒金属の種類によって適宜使用量を調整できるが、好ましくは前記活性触媒を使用する二相系反応の水相のpHが適切な範囲になるように使用量を調整する。該リン酸類及びホスホン酸類のいずれかに含まれるリンの当量としては、使用する前記触媒金属中の金属に対して通常モル比で0.1倍モル以上、好ましくは0.2倍モル以上、より好ましくは0.3倍モル以上であり、通常5.0倍モル以下、好ましくは2.0倍モル以下、より好ましくは1.0倍モル以下である。
リン酸類及びホスホン酸類の少なくとも一方を反応液の水相のpHが適切な範囲になるように添加することができ、また必要に応じて他の酸や塩基を添加し、pHの調製を行うこともできる。
(キレート化剤)
本発明においてエポキシ化合物の製造は、キレート化剤の共存下で行なうことができる。キレート化剤を共存させることにより、後述する金属不純物との間でキレート化合物を形成すると考えられ、過酸化水素の分解を生じることなく、安全にエポキシ化反応を行なうことができる。
本発明におけるキレート化剤とは、金属イオンと結合してキレート化合物を形成する多座配位子をもつ化合物をいう。
前記キレート化剤としては、特に限定はされないが、具体的には、エチレンジアミン四酢酸およびその塩、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩、トリエチレントリアミン六酢酸 およびその塩、イミノ酢酸およびその塩等のアミノカルボン酸類;クエン酸、グリ
コール酸およびこれらの塩等のオキシカルボン酸類;ヒドロキシエタンジホスホンなどの有機リン酸類;ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等の縮合リン酸塩;エチレンジアミン、サイクレン等のアミン化合物、ビピリジン、フェナントロリン、ポルフィリン等の含窒素ヘテロ環、クラウンエーテル等のエーテル化合物等が挙げられる。これらのうち、分子内にアミノ基とカルボキシル基を有するアミノカルボン酸類が本発明で得られる効果が大きい点から好ましく、特にエチレンジアミン四酢酸およびその塩が安価で入手容易であることから好ましく、さらには、pH調製の容易さから、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩が好ましい。また、キレート化剤の配位可能な置換基数は多い方がより強固に金属に配位するため好ましく、通常2以上、好ましくは3以上、更に好ましくは4以上である。
また、キレート化剤は単独でも2種類以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明において用いられるキレート化剤の使用量は、後述する金属不純物の含有量により適宜調整することができ、特に制限されるものではないが、通常、金属不純物の含有量に対して等モル以上である。また上限も制限はされないが、通常、キレート化剤が析出しない範囲の量である。
またエポキシ化反応時の反応液中の前記キレート化剤の含有量は、特に限定されないが、通常反応液中、特に有機相と水相とからなる二相系溶液における水相中のキレート化剤の含有量で、通常1ppm(μg/g)以上であり、好ましくは50ppm以上、通常10000ppm以下であり、好ましくは5000ppm以下であり、さらに好ましくは2000ppm以下である。
(炭素−炭素二重結合を有する化合物)
本発明において原料として使用する炭素−炭素二重結合を有する化合物(オレフィン化合物)としては、分子中に炭素−炭素二重結合を一つ以上有する化合物であれば、特に限定はされない。
本発明において用いられる前記オレフィン化合物としては、脂溶性の高いものが好ましい。脂溶性が高い化合物の場合、水相への分配が低く、系中に水を添加した場合でも、水相中でのエポキシ化合物の加水分解分解が起こりにくいためである。
脂溶性の目安の一つとして、前記オレフィン化合物が分子中に有する炭素−炭素二重結合がすべてエポキシ化され、エポキシ基になったときに有するエポキシ基の数に対し、(分子量/1分子中のエポキシ基の数)が100以上であるものが好ましく、120以上であるものがより好ましく、通常1000以下、好ましくは500以下である。
前記オレフィン化合物の具体例としては、特開2011−213716号公報に記載されている化合物が挙げられる。特に高純度化、特に低ハロゲン化されたエポキシ化合物を製造できる点で、下記の一般式(1)〜(5)で表わされるオレフィン化合物を原料とすることが好ましい。このうち(2)で表されるオレフィン化合物が好ましく、中でも、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2−プロペン−1−イルオキシ)−1,1’−ビフェニル(別名称 3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール ジアリルエーテル)が好ましい。
[数1]
(R23n1−(A)−(OR)m1・・・(1)
一般式(1)中、Aは芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基の少なくともその一部が還元された基、及び脂肪族炭化水素基のいずれかを表し、OR基、R23以外の置換基を有していてもよい。
における芳香族炭化水素基としては、特に限定はされず、フェニル基等の単環式芳香族炭化水素基、ナフチル基等の縮合環芳香族炭化水素基、複素環芳香族炭化水素基、または式(1)のRが水素原子で置き換えられた化合物が、トリス(4−ヒドロキシフェニル)−トリアジン、1,1‘−メチレンビス−ナフタレンジオール、メチリデントリスフェノール等である前記芳香族が複数連結したものであってもよい。好ましくは炭素数6〜22の芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基が複数連結したものが挙げられる。
同様に芳香族炭化水素基の少なくともその一部が還元された基としては、特に限定はされないが、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の少なくとも一部が還元された基が挙げられ、具体的にはシクロへキシル基等が挙げられる。
同様に脂肪族基としては特に限定はされないが、一部の炭素原子がヘテロ原子で置換さ
れていてもよく、かつ置換基を有していてもよい炭素数1〜25の脂肪族炭化水素基である。具体的には、炭素数1〜25の直鎖脂肪族炭化水素、エチレンオキシ基等のエーテル結合を有する脂肪族炭化水素が挙げられる。
Rはアリル基、又はグリシジル基を表し、これらはアルキル基、フェニル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよいが、好ましくは無置換のアリル基、又はグリシジル基である。なおOR基を複数有するときは、それぞれのOR基は同一でも異なっていてもよい。
が有するORおよびR23以外の置換基としては、グリシジル基、フェニル基、フェニルオキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
23は、アリル基を表し、これらはアルキル基、フェニル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよいが、好ましくは無置換のアリル基である。
OR基、R23以外の置換基としては特に限定されないが、グリシジル基、フェニル基、フェニルオキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
は1以上の整数を表わし、Aで表される置換基上の置換可能な水素原子の数により異なり限定されないが、好ましくは2以上、4以下である。
なおmが2以上のとき、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
は0以上の整数を表わし、mとnの合計は2以上である。
一般式(1)で表わされるものとしては具体的には1,6−ビス(2−プロペン−1−イルオキシ)−ナフタレン、1,4−ビス(2−プロペン−1−イルオキシ)−ベンゼン、1,4−ビス(2−プロペン−1−イルオキシ)メチル]−シクロヘキサン、1,1,1,1−テトラ(アリルオキシメチル)メタン、1,1’−メチレンビス−2,7−ナフタレンジオールテトラアリルエーテル、2,4,6−トリス[4−(2−アリルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、1,3―ジアリル−2,4−ジグリシジルオキシベンゼン、2−アリル−1,5−ジグリシジルオキシナフタレン等が挙げられる。
Figure 0006609902
一般式(2)中、A、Aはそれぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基の少なくともその一部が還元された基、及び脂肪族炭化水素基のいずれかを表し、OR基、X、R23以外の置換基を有していてもよい。それぞれの価数が2価である以外は、上記Aと同義である。
は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の連結基を表わす。
2価の連結基としては、ヘテロ元素で置換されていてもよく、かつ置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基や芳香族炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−SO−等が挙げられ、連結基中には不飽和結合を有していても、環状構造を有していてもよい。
としては、直接結合、炭素数1〜4の2価アルキレン基、架橋縮合環構造を有する炭素数7〜10の脂環式炭化水素が好ましく、直接結合、炭素数1〜2のアルキレン基がより好ましい。
また、Xを介して連結する隣接するAとAは、また複数のAは、その置換基が更に連結しての環を形成していてもよい。例えば、キサンテン環、スピロジベンゾピラン環、スピロビインダン環等が挙げられる。
R、R23、nは一般式(1)と同義である。
上記A、Aが有するORおよびR23以外の置換基は、一般式(1)と同じである。
は1以上の整数を表し、Aで表される置換基上の置換可能な水素原子の数により異なり限定されないが、通常4以下であり、好ましくは2以下である。
なおmが2以上のときは、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。mとnの合計は2以上であり、好ましくはm2の合計が2であり、n1の合計が0または2であり、更に好ましくはn1が0である。
nは0または1以上の整数を表し、通常5以下であり、好ましくは3以下であり、より好ましくは0である。
なおnが2以上のときは、Aは互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)で表わされるものとして具体的には3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2−プロペン−1−イルオキシ)−1,1’−ビフェニル(別名称 3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノール ジアリルエーテル)、1,1’−(1−
メチルエチリデン)ビス[4−(2−プロペン−1−イルオキシ)−ベンゼン](別名称
ビスフェノールA ジアリルエーテル)、1,1’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス[4−(2−プロペン−1−イルオキシ)−ベンゼン]、1,1’−スルホニルビス[4−(2−プロペン−1−イルオキシ)−ベンゼン]、4,4’−ビス(2−プロペン−1−イルオキシ)−1,1’−ビフェニル、1,1’−(1−メチルエチリデン)ビス[4−(2−プロペン−1−イルオキシ)]−シクロヘキサン]、3,3’−ジアリルビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル(別名称 3,3’−ジアリル−4,4’−ジグリシジルオキシ―1,1’−ビフェニル)、3,3’−ジアリルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテル(別名称 3,3’−ジアリル−4,4’−ジアリルオキシ−1,1’−ビフェニル)、3,3’−ジアリルビスフェノールA−ジグリシジルエーテル(別名称 2,2−ビス(3−アリル−4-グリシジ
ルオキシフェニル)プロパン)、3,3’−ジアリルビスフェノールA−ジアリルエーテル(別名称 2,2−ビス(3−アリル−4-アリルオキシフェニル)プロパン)等が挙
げられる。
[数3]
H−[(R23n1−(A(OR)m2)−X]−H (3)
一般式(3)中、A、m、n、OR基以外の置換基は一般式(2)と同義である。
R、R23は一般式(1)と同義である。
は、直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基または2つ以上のアルキレン基を置換基として有するフェニレン基を表す。アルキレン基の炭素数は通常1〜4、好ましくは炭素数1又は2のアルキレン基である。
iは2以上の整数を表わし、通常20以下であり、好ましくは10以下である。
一般式(3)で表される化合物の具体例としては、4−(2−プロペン−1−イルオキシ)安息香酸−1,1’−(1,4−フェニレン)エステル、トリス[4−アリルオキシフェニル)メタン、クレゾールノボラックのポリアリルエーテル、トリス[3−アリル−4−グリシジルオキシフェニル)メタン、アリルクレゾールノボラックのポリアリルエーテル、アリルクレゾールノボラックのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記一般式(1)〜(3)に記載の化合物に、本発明の製造方法を適用することで、タングステン等の重金属含有量が極めて少なく、さらに塩素含有量の少ないエポキシ化合物を製造することができる。
Figure 0006609902
上記式(4)において、m41及びn41はそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、A41〜A48はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ニトロ基、アルコキシル基、アシルオキシ基、カルボニル基、カルボキシル基もしくはその塩を表す。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、ステアリル基などの直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基などが挙げられる。これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;ニトロ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのアシルオキシ基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよく、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;ニトロ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのアシルオキシ基などが挙げられる。
アルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
またアシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
カルボニル基としてはアルコキシカルボニル、カルボキシル基またはその塩としては、やカルボン酸、およびそのナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩を挙げることができる。
なお、A41〜A48のうちいずれか2以上が互いに結合して、環を形成していてもよい。2分子は同一であっても、単一であってもよい。
結合部位としてはヘテロ原子で置換されていてもよいアルキレン、エステル、アミド、ウレア結合などが挙げられる。
一般式(4)で示される環状オレフィンとしては、例えば1,4−シクロヘキサジエン
、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエンなどの環状非共役オレフィン類、エステル架橋構造を有する3−シクロヘキセン−1−カルボン酸 3−シクロヘキセン−1−イルメチルエステル(セロキサイド前駆体)が挙げられる。
本発明において原料として使用する炭素−炭素二重結合を有する化合物の別の例としては、下記一般式(5)で表されるスチレン化合物が挙げられる。
Figure 0006609902
(上記式(5)において、A51〜A55はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、アシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はアシルオキシ基を示す。
56は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、アシル基、カルボキシル基又はアシルオキシ基が挙げられる。炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、2−エチル−1,3−インダンジオン、トリクロロメチル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、N−アルキルスルファモイルが挙げられる。A57及びA58はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、アシル基、カルボキシル基又はアシルオキシ基を示す。
なお、A51〜A58のうちいずれか2つ以上が互いに結合し、環を形成していてもよい。)
一般式(5)で表されるスチレン類の具体例としては、スチレン、4−メチルスチレン、4−フルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、4−ニトロスチレン、4−ビニル安息香酸、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、1−フェニル−1−シクロヘキセン、インデン、ジヒドロナフタレン、2−[2−(3−クロロフェニル)−2−プロペン−1−イル]−2−エチル−1H−インデン−1,3(2H)−ジオン(インダノファン前駆体)、1,3−ジクロロー5−(3,3,3−トリクロロー1−メチレンプロピル)−ベンゼン(タンデム前駆体)、1−[2−(2,4−ジフロロフェニル)−2−プロペンー1−イル]−1
H−1,2,4−トリアゾール]-等が挙げられる。
(金属不純物)
本発明における金属不純物とは、前記オレフィン化合物中に含まれる金属、およびオレフィン化合物を含むエポキシ化で用いられる溶液(反応液)中に含まれる、該オレフィン化合物や触媒金属、その他の反応剤以外の金属をいう。金属不純物は、金属イオンの他に金属単体であっても金属化合物であってもよい。
上記キレート化剤は、金属イオンに配位して効果を示すことが知られているため、金属不純物の中でも金属イオンが重要である。
さらに、上記キレート化剤は、通常、配位座の非共有電子対を金属イオンの空軌道に供与することで配位するので、空軌道を有する、あるいは交換可能な配位子を有するカチオン性の金属イオンが特に重要である。
前記金属不純物の金属種としては特に限定はされないが、通常は過酸化水素の分解に寄与し得る金属種である。なお金属種としては、いわゆる半金属に分類されるものでもよく、特に限定はされないが、通常軌道相互作用を示す周期表3族から16族に属する元素であり、具体的には例えばチタン、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、イリジウム、ニッケル、パラジウム、ホウ素、ケイ素、テルル等が挙げられる。
このうち過酸化物の分解能が高い点からは、金属不純物は、周期表第8族から第11族に属する金属元素が挙げられ、具体的には、ルテニウム、コバルト、イリジウム、ニッケル、パラジウム、鉄、銅等である。特にコバルト、ニッケル、パラジウム、ルテニウムを含む金属不純物は、その含有量が少ない場合でも過酸化水素を分解するため、存在濃度を考慮すべきものである。
前記金属不純物の由来は特に限定はされないが、例えば前記オレフィン化合物の製造過程で反応剤や金属触媒等として使用した金属化合物に由来するもの;オレフィン化合物の製造過程やエポキシ化反応で使用した反応容器や配管等の製造設備に由来するもの;及びオレフィン化合物の製造原料、前記有機溶媒、または各種反応助剤等の購入時の容器、包材等に由来するもの;等が挙げられる。前記オレフィン化合物中に含まれうる可能性の高いものとしては、製造過程で反応剤や金属触媒等として使用した金属化合物に由来するものであり、特に前記オレフィン化合物の製造の際に使用する金属触媒に由来するもの、例えばパラジウム、ルテニウムは、含まれる可能性が高いものであることから、その存在濃度を考慮すべきものである。その他に前記オレフィン化合物中に含まれうる可能性の高いものとしては、反応容器や保管容器との接触に由来するものがあり、鉄、コバルト、クロム、ニッケルが挙げられる。
金属不純物の影響の大きさは、過酸化水素の濃度、反応条件、金属不純物の種類により異なり、過酸化水素の濃度が高い場合や、反応温度が高い場合には影響が顕著化する。そのため、オレフィン化合物中の金属不純物の含有量は、前記オレフィン化合物の量に対し、通常、重量比で500ppm(μg/g)以下であり、好ましくは200ppm以下である。また、金属不純物の下限は1ppm(μg/g)以上が好ましく、0.1ppm(μg/g)以上がより好ましく、金属不純物が含まれない場合、すなわち0ppm以上がさらに好ましい。前記範囲内の金属不純物含有量である場合には、本願発明の効果が十分に得られるためである。
上記金属不純物は、少ない方が好ましい。エポキシ化を上述のキレート化剤の共存下で行う場合は、上記金属不純物の、反応溶液、すなわち前記炭素−炭素二重結合を有する化合物と、前記触媒金属と、前記過酸化水素と、前記キレート化剤とを含有する溶液中に含
まれる含有量は、通常500ppm(μg/g)以下であり、好ましくは200ppm(μg/g)以下である。また、金属不純物の反応溶液中の含有量の下限は1ppm(μg/g)以上が好ましく、0.1ppm(μg/g)以上がより好ましく、0.05ppmがさらに好ましい。前記範囲内の金属不純物含有量である場合には、キレート化剤の効果が十分に得られるためである。
(エポキシ化合物の製造方法)
本発明の製造方法は、前記オレフィン化合物を、前記触媒金属、オニウム塩及び過酸化水素の共存下でエポキシ化する際に、過酸化水素の濃度、またはオレフィン化合物に対する過酸化水素の量を特定の範囲にすることを特徴とするものである。
本発明の第一の態様は、前記オレフィン化合物に過酸化水素を反応させる際、オニウム塩の存在下、タングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方を含む水相と、炭素−炭素二重結合を有する化合物を含む有機相とからなる二相系溶液を形成させ、前記水相中の過酸化水素濃度が7質量%以下になるように前記過酸化水素を前記二相系溶液に添加する。
前記濃度よりも過酸化水素濃度が高い場合、加熱による分解が起こりやすく、金属などの異物の混入がある場合はさらに加速されるためである。過酸化水素濃度が上記濃度以下の場合、過酸化水素が瞬時に分解した場合でも、その発熱量は水の潜熱で十分に吸収可能な濃度範囲であり、冷却装置が作動しない等のトラブルがあった場合でも、安全にエポキシ化合物を製造することができる。
前記二相系溶液においては、水相の過酸化水素濃度は安全の面からより低いことが好ましく、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましい。下限は特に制限されるものではないが、過酸化水素による触媒の活性化が常時進行し、基質の酸化反応が効率的に進行するためには、通常0.1質量%以上であり、0.3質量%以上が好ましく、1.0%以上がより好ましい。
本発明の第二の態様は、タングステン化合物及びモリブデン化合物の少なくとも一方と、オニウム塩の存在下、前記オレフィン化合物に過酸化水素を反応させる際、反応系内に含まれる過酸化水素の量を、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物に含まれる二重結合の数に前記炭素−炭素二重結合を有する化合物のモル数を乗じた値に対し、0.5倍モル以下とする。
過酸化水素の量は少ない方が好ましく、0.3倍モル以下が好ましい。特にオレフィン原料が消費され、反応終盤になった際は過酸化水素の消費速度が低下するため、0.25倍モル以下がより好ましい。
反応系内の過酸化水素の量が多い場合、金属不純物の混入で過酸化水素が分解した場合、または急激な反応による温度上昇により過酸化水素が分解した場合、酸素ガスの急激な発生や温度上昇、これに伴う発泡が起こり、安全上好ましくない。反応系内に存在する過酸化水素の量が上記の量以下である場合、この過酸化水素が瞬時に分解、または反応した場合でも、その発熱量は系内の水、溶媒及び前記オレフィン化合物等の比熱、または潜熱により吸収可能な発熱量であるため、より安全に反応を行なうことができる。
前記第一及び第二の態様において、反応を二相系溶液で行なう場合、水相及び有機相の量は特に限定されないが、前記水相の質量は、前記オレフィン化合物の質量に対し、通常1.5倍以上であり、1.8倍以上、さらには2.0倍以上がより好ましい。この範囲だと反応熱や過酸化水素の分解熱を水の比熱や潜熱で吸収しやすく、また金属不純物による過酸化水素の分解を抑える目的で過酸化水素水濃度を低くするため、水で希釈するのが好ましいからである。上限は、過酸化水素濃度が上記適正範囲内である限りにおいて特に限定はされないが、生産性等の面で、通常10倍以下、好ましくは6倍以下である。
また前記有機相の質量は、前記オレフィン化合物の質量に対し、通常5倍以下であり、有機相中の基質およびオニウム塩の濃度の低下により反応速度が低下するため、3倍以下が好ましく、2倍以下がより好ましい。下限は特に限定されないが、通常1.1倍以上である。
尚、有機相には溶媒、オレフィン化合物、オニウム塩が溶解しており、有機相の重量とは有機相に溶解しているこれらすべを合わせた重量を表す。
有機相と水相の総量は、特に限定されないが、安全性の面からは、反応熱や過酸化水素の分解熱を吸収する観点からは、基質に対し通常質量比で2倍以上であり、生産性の面からは8倍以下である。
有機相/水相の比は限定されないが、通常1以下であり、0.5以下が好ましい。反応速度は有機相中のオレフィン化合物とオニウム塩化合物の濃度には影響されるが、過酸化水素の濃度の影響を受けないため、反応速度を低下することなく、反応熱や過酸化水素の分解熱を吸収する観点から、水の割合が多い方が好ましいからである。
前記第一及び第二の態様において、前記二相系溶液の水相の過酸化水素濃度を低く保つ方法は、特に限定されないが、過酸化水素添加前、あるいは添加中に、水を添加することが好ましい。水を添加することにより、過酸化水素濃度を低く保つことができるだけでなく、反応系の比熱吸収および潜熱吸収が大きくなり、安全性が更に向上するためである。過酸化水素濃度を低くする別の方法としては、濃度の低い過酸化水素を添加する方法も挙げられるが、その場合、反応初期と比べ反応終了時の水相の量が多くなり、生産効率が低下する傾向があり、また、反応により生成する水により、系内の過酸化水素濃度が更に低下し、前述の過酸化水素濃度の適正範囲を下回る場合があるので、水を添加する方法の方が好ましい。
水の全添加量は、前記の過酸化水素濃度の適正範囲内であれば特に限定はされないが、通常オレフィン化合物に対し、質量比で通常0.1倍量以上、好ましくは0.5倍量以上、より好ましくは1倍量以上であり、通常5倍量以下、好ましくは3倍量以下である。
前記第一及第二の態様において、過酸化水素および基質および他の反応資材の添加方法や順番は、特に限定はされないが、過酸化水素濃度および量を低く保つ観点から、またエポキシ化反応および過酸化水素分解の際に発熱を伴うため、反応の進行や発熱のコントロールをする観点からも、前記触媒金属及びオニウム塩、必要に応じ添加する水や溶媒等を添加した後に、過酸化水素を徐々に添加する方法、または、予め前記触媒金属を酸化するのに必要な量の過酸化水素を添加し、触媒金属を活性化した後、残りの過酸化水素を徐々に添加する方法が好ましい。
また過酸化水素の徐々に添加する方法としては、分割して添加しても、連続で除々に添加してもよい。安全上の観点から、未反応の過酸化水素が反応系中に滞留しないように、反応の進行具合に応じて添加することが好ましく、反応終盤は過酸化水素の消費速度が低下するため、反応初期と比較して添加速度を遅くすることが好ましい。
(反応条件)
本発明の製造方法における反応温度は、反応が進行する範囲であれば特に限定されないが、通常10℃以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは50℃以上であり、通常90℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下である。前記温度範囲で反応させることにより、反応速度の低下がなく反応を進行させることができ、またより安全に反応を進行させることができるためである。
本発明の製造方法における反応時間は反応温度、触媒量、原料の種類等によって適宜選
択でき、特に限定されるものではないが、通常1時間以上、好ましくは3時間以上、より好ましくは4時間以上であり、生成物のエポキシ化合物の分解物の生成を抑制する観点から、通常48時間以下、好ましくは36時間以下、より好ましくは24時間以下である。
本発明の製造方法における反応時のpHは、反応に供するオレフィン化合物の構造や性質等により適宜調整が可能であり、特に限定されるものではないが、通常pHは2以上、好ましくは2.5以上、通常6以下である。前記オニウム塩を反応に使用し、二相系反応である場合は、その水相のpHが上記範囲であることが好ましい。
例えばオレフィン化合物が環状オレフィンである場合は、エポキシ化されやすい一方、生成したエポキシ環が転移や開裂しやすい傾向があるため、中性に近いpHでの反応が好ましい。一方オレフィン化合物がアリルエーテルの場合は、環状オレフィンと比較してエポキシ化されにくく、開裂しにくい傾向があるため、環状オレフィンの場合に比べ酸性、すなわち低いpHで反応を行なうことが好ましい傾向がある。反応時、前記オニウム塩を使用した場合は、二相系反応の水相中の過酸化水素の量によりpHが変化する、また、反応後半では生成したエポキシが酸性条件下で開裂するため、反応の進行具合に応じて適宜、酸または塩基を添加して、pHを最適な範囲に保つことが好ましい。
本発明の製造方法においては必要に応じて緩衝液を使用することもできる。緩衝液の種類としては、反応を阻害しないものであれば、目的のpHに合わせた緩衝液を適宜用いることができる。緩衝液の例としては、リン酸塩水溶液、リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩、又はフェニルリン酸の組み合わせとしては、クエン酸とクエン酸ナトリウム、酢酸と酢酸ナトリウムなどが挙げられる。場合によっては先のタングステン酸類を組み合わせて緩衝液としてもよい。
本発明の製造方法においては、反応を円滑に進行させる目的で、共酸化剤を使用することもできる。具体的には、カルボン酸、好ましくは炭素数1〜10の脂肪族カルボン酸を触媒組成物中に含んでいてもよい。共酸化剤は組成物中に添加してもよく、例えばエステル基を有するオニウム塩の場合、エステル基が加水分解を受けて発生したものであってもよい。
本発明の製造方法における反応は、安全上の観点から、常圧、窒素気流下で行うことが好ましい。
本発明において、エポキシ化反応終了後に必要に応じ還元剤を加えて過剰な過酸化水素のクエンチ処理を行う。反応に前記のオニウム塩を使用した場合は、二相系反応の水相を廃棄後、有機相を水洗後、上記クエンチ処理を行なうことが好ましい。
上記クエンチ処理に用いる還元剤としては特に限定されないが、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドラジン、シュウ酸などが挙げられる。
(オレフィン化合物の前処理)
本発明におけるオレフィン化合物は、本発明のエポキシ化反応に用いる際に、必要に応じて前処理を行なってもよい。前処理を行なうことで、金属不純物の量を減少することができるため、本発明の効果を顕著に得る上では、下記する前処理を行なうことが好ましい。
前記前処理の方法としてオレフィン化合物を、酸性水溶液で洗浄する方法やキレート化剤水溶液で洗浄する方法が挙げられる。
前処理の方法としては、オレフィン化合物に直接酸性水溶液やキレート化剤水溶液を作用させて処理することもできれば、前記オレフィン化合物を有機溶媒等に溶解させた後、混合し、酸性水溶液やキレート化剤水溶液で処理することもできる。
酸性水溶液に用いる酸の種類は、特に限定はされないが、具体的には塩酸、硫酸、硝酸
、リン酸などの無機酸;酢酸、クエン酸などの有機酸が挙げられる。
酸性水溶液のpHは特に限定はされず、用いるオレフィン化合物の安定性により異なるが、通常pHは1以上、好ましくは3以上、通常5以下、好ましくは4以下で行う。pHの調整の目的で、各種の塩を加えてもよく、例えば硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、クエン酸ナトリウム等を添加してもよい。
具体的には、酢酸と硫酸ナトリウムの混合水溶液が好ましい。例えば4%の酢酸と1%硫酸ナトリウムを含むpH=4の水溶液がより好ましい。上記の洗浄処理を行なうことで金属が水に可溶化し、水相と共に除去される。
前記キレート化剤水溶液としては、金属とのキレート化能力を有する化合物を含む水溶液であれば、特に限定はされないが、好ましくは、いわゆる金属マスク剤を含む水溶液が好ましい。前記キレート化剤水溶液に用いるキレート化剤としては、上述したキレート化剤と同じであり、操作性や汎用性の面でエチレンジアミン四酢酸、ピロリン酸が好ましい。
なお前記キレート化剤水溶液に用いるキレート化剤は、反応系内に共存させるキレート化剤と同じであっても、異なるものであってもよい。
酸性水溶液やキレート化剤水溶液で洗浄する条件は特に限定はされないが、洗浄時間は通常30分間以上、2時間以下であり、洗浄温度は通常10℃以上、30℃以下である。これらの処理を行なうことで金属が水に可溶化し、水相と共に除去される。
(精製)
上記の方法で得られたエポキシ化合物は、必要に応じてさらに精製することができる。特に本発明の製造方法において使用した触媒由来の金属、タングステン及びモリブデン化合物の少なくとも一方や、必要に応じ使用したオニウム塩は、通常、精製により除去する。具体的な精製方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜使用することができる。エポキシ化合物が固体の場合は晶析、懸洗、分液、吸着、昇華等が挙げられ、エポキシ化合物が液体の場合は分液、洗浄、吸着、蒸留が挙げられる。
分液、洗浄による精製は、水と水に不溶または難溶な有機溶媒を組み合わせる場合と、お互いに混合しない複数の有機溶媒同士を組み合わせる場合がある。水と水に不溶または難溶な有機溶媒の組み合わせとしては、例えば酢酸エチル、トルエン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n−へキサン等の有機溶媒と水の組み合わせが挙げられる。お互いに混合しない複数の有機溶媒同士の組合せとしては例えばN,N−ジメチルホルムアミドとn−ヘプタン、n−へキサン、n−ペンタン、ジイソプロピルエーテル、キシレンのうち少なくともひとつとの組合せ、ジメチルスルホキシドとn−ヘプタン、n−へキサン、n−ペンタン、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、キシレンのうち少なくともひとつとの組合せ、アセトニトリルとn−ヘプタン、n−へキサン、n−ペンタン、シクロへキサン、シクロペンタンのうち少なくともひとつとの組合せ、メタノールとn−ヘプタン、n−へキサン、n−ペンタンのうち少なくともひとつとの組合せがある。
晶析による精製には、溶媒を減圧留去する、または留去することなしに冷却して晶析させる方法、化合物の溶解度の低い溶媒、いわゆる貧溶媒を加え析出する方法、化合物の溶解度の高い溶媒、いわゆる易溶媒と貧溶媒を組み合わせて析出する方法、反応終了後、水を加えて晶析させる方法等のいずれでも良い。溶媒としては有機溶媒、水、またはその混合物、有機溶媒同士を組み合わせる等、いずれでも良く、化合物の溶解度により適切なものを選択する。有機溶媒としては、酢酸エチル等のエステル類、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサンなど脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等の非プロトン性溶媒、メタノール、エタノール、2-プロパノール、n−ブタノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
懸洗による精製には、化合物の溶解度の低い溶媒、いわゆる貧溶媒を用いる。好ましい貧溶媒は化合物により異なるが、メタノールなどのアルコール類などの極性の高いものや、逆にプタン、ヘキサン、シクロヘキサンなど極性の低い脂肪族炭化水素が上げられる。水溶性の溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、N,N-ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキサイド等が挙げられ、これらは水と混合して用いることができる。溶媒量は少なすぎる場合は精製効果が十分ではなく、多すぎる場合には、回収率の低下につながる。懸洗終了後、固形物をろ過回収し、乾燥することによって目的物を得ることができる。
吸着による精製は、活性炭、活性白土、モレキュラーシーブス、アルミナ、ゼオライト、イオン交換樹脂等が挙げられる。
上記精製法の中でも、操作法の点からは、エポキシ化合物の性状に関わらず分液法、吸着法が好ましい。エポキシ化合物が固体の場合は晶析法が有効である。
(エポキシ化合物)
本発明の製造方法により得られるエポキシ化合物は、上記のオレフィン化合物の炭素−炭素二重結合がエポキシ基に変換されたものが得られ、エポキシ化合物がエポキシモノマーの場合は、2つ以上の炭素−炭素二重結合がエポキシ化されたものが好ましい。 上記エポキシ化反応、前記触媒金属や、必要に応じ用いたオニウム塩等の分離・除去工程、必要に応じ精製工程を経て、エポキシ化合物を得る。
本発明の製造方法により得られたエポキシ化合物は、触媒金属由来の金属元素の含有量量は特に限定されるものではないが、通常200ppm以下、好ましくは100ppm以下に、より好ましくは10ppm以下に、更に好ましくは1ppm以下である。
同様に、本発明の製造方法により得られたエポキシ化合物は、オニウム塩由来の窒素含有量は通常500ppm以下、好ましくは200ppm以下、より好ましくは10ppm以下に、更に好ましくは1ppm以下である。
本発明の製造方法において、塩素化合物を用いない方法でオニウム塩を調製した場合、反応中に含塩素化合物が生成することがない。よって、塩素含有量の少ない反応原料を用い、この方法により得られたエポキシ化合物は、一般的にエピクロルヒドリンを用いて合成したエポキシ化合物に比べ、塩素含有量が少ないという特徴を有する。
通常ハロゲン原子の含有量が少ないものとなり、その含有量は通常200ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下である。
本発明の製造方法は、後述するエポキシ樹脂の他、エポキシ構造を有する医薬中間体や、農薬の原体の製造に用いることができる。例えば、ハロゲン置換スチレンオキサイド構造を有する抗真菌剤や糖尿病薬の中間体等の製造が上げられる。本発明の方法で得られたエポキシ化合物は、不純物が少ないため、不純物に由来する毒性の懸念が低減する。
(エポキシ樹脂)
本発明の製造方法によって得られたエポキシ化合物は、重合することによりエポキシ樹脂を製造することができる。重合反応は、公知の方法を適用することができ、具体的には特開2007−246819号公報等に記載の方法等により行なうことができる。
本発明で得られたエポキシ化合物を用いた高純度エポキシ樹脂は、電子材料、光学材料、接着剤、建築分野等で用いることができる。半導体封止材、プリント配線基板、ビルド
アップ配線板、ソルダーレジスト等の電子部品材料として用いた場合、不純物が原因で起きる配線の腐食や短絡の、照明の封止剤等の光学材料として用いた場合、着色や劣化の低減や回避が可能となる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何等限定されるものではない。
H−NMR分析条件>
装置 :BRUKER社製 AVANCE400, 400MHz
溶媒 :0.03体積%テトラメチルシラン含有重クロロホルム
実施例中のデータは、H−NMR(400MHz、CDCl)におけるδ値を表す。
<LC分析条件>
LC装置:島津製作所製 SPD−10Avp
温度 :35℃
カラム :Mightysil RP−18GP aqua 150−4.6(5μ
m)(関東化学社製)
(以下、分析条件1とし、特に断りがない場合は本条件でLC分析をおこなった。)
検出器 :UV 280nm
溶離液 :アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸水溶液=90/10(体積%)
流量 :0.5ml/分
(以下、分析条件2とする。)
検出器 :UV 254nm
溶離液 :アセトニトリル/0.1体積%トリフルオロ酢酸水溶液60/40→20分
間で100/0(体積%)、その後100/0(体積%)で10分間保持
流量 :0.5ml/分
なお以下の実施例において「LC面積」とは、液体クロマトグラフ(LC)分析で得られた分析対象化合物のピーク面積をいい、「LC面積%」とは、組成物全量のピーク面積に対する対象化合物のピーク面積の割合をいう。
また実施例における「収率」は、得られた化合物の重量に、純度として「LC面積%」を乗じたものを収量とみなして算出した。
<酸化還元滴定条件>
滴定装置:三菱化学社製
検出電極:白金(複合型)
滴定方法:水相を7質量%硫酸水で希釈後、過剰量の10質量%ヨウ化カリウム水溶液
を加え、遊離したヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム水溶液で過酸化物を
還元滴定した。過酸化物の量は過酸化水素重量%換算で表した。
<ICP−MS分析条件>
前処理法:乾式灰化−酸溶解法
分析装置:Agilent Technologies社製 ICP質量分析装置
7500ce型
また以下の実施例において、エポキシ化反応中にエポキシ環が開環したジオール化合物、同じくエポキシ環が熱または酸によりアルデヒド異性化後、酸化されたカルボン酸等、エポキシ化合物より極性が高く、上記LC分析条件でエポキシ化合物より早い保持時間を与える化合物が副生した。これらの化合物を総称して、「極性化合物」と称することがあ
る。
以下の実施例において「転化率」とは、反応原料として用いたオレフィン化合物中に含まれる炭素−炭素二重結合のうち、エポキシ化された炭素−炭素二重結合の割合を百分率で示すものであり、具体的には、例えばオレフィン化合物1分子中のオレフィンの数を2である場合は、下記式で算出した値を表わす。
(転化率)=100−[原料LC面積%+(中間体LC面積%/2)](%)
(合成例1)
(エポキシ化反応原料の合成)
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2−プロペン−1−イルオキシ)−1,1’−ビフェニル(別名称:3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノール ジアリルエーテル)は、特開2011−213716号公報の実施例2に準ずる方法で合成したものを用いた。この化合物中の約60元素の金属含有量を上記のICP−MS分析法で全定性・半定量測定を行った(検出下限:約1ppm)。反応装置から混入する懸念があり、ごく微量で過酸化水素を分解するクロム、コバルトに関しては、定量分析を行った(検出下限0.01ppm)。分析の結果、鉄2ppm、クロム0.02ppmを含んでいた。コバルトは検出限界以下であった。
上記で得られた3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2−プロペン−1−イルオキシ)−1,1’−ビフェニル10.0gを、トルエン10mlに溶解した溶液を、無水硫酸ナトリウム1質量%および酢酸を1体積%含む水溶液30mlで洗浄した後、3質量%ピロリン酸ナトリウム水溶液0.26ml、10質量%エチレンジアミン四酢酸溶液0.12ml、水30mlの混合液で洗浄した。これを水30mlで洗浄した後、濃縮し、得られた粗結晶を反応に供した。以下、これを反応原料Aという。反応原料Aの純度は99.9%であった(LC面積%、上記分析条件1)。この化合物中の鉄およびクロムの含有量をICP−MSで定量分析したところ、鉄は0.3ppm、クロムは検出限界(0.01ppm)以下であった。
(合成例2)
2−[2−(3−クロロフェニル)−2−プロペン−1−イル]−2−エチル−1H−インデン−1,3(2H)−ジオンを、有機合成協会誌(2001)、59(9)、845−854記載に準ずる方法で合成した。以下、これを反応原料Bという。反応原料Bの純度は96.6%であった(LC面積%、上記分析条件2)。
以下の実施例中の転化率とは、エポキシ化されたオレフィンのパーセンテージを示し、オレフィンを分子中に2個有する化合物の場合は、100−[原料LC面積%+(中間体LC面積%/2)](%)で算出した。原料とはオレフィン化合物の事を表し、中間体とはオレフィンのひとつがエポキシ化された化合物のことを表す。オレフィンを分子中に1個有する化合物の場合は、100−原料LC面積%(%)で算出した。
また以下の実施例において「過酸化水素分解率」とは、反応液中に加えた過酸化水素のうち、分解により消費された過酸化水素の割合を表す。具体的には下記式で算出した値を表わす。
理論転化率とは、加えた過酸化水素がすべて反応した場合の転化率であり、転化率は、実際の反応の結果得られた転化率をいう。
(過酸化水素分解率)=[理論転化率(%)−転化率(%)]/理論転化率(%)
反応時の水相中の過酸化水素の量および濃度の近似値はLC分析にて上記転化率を求め、これにより反応で消費された過酸化水素のモル数を算出し、以下の方法で求めた。但し
、実際の過酸化水素の量や濃度は、過酸化水素が反応に消費される以外に、表1に示すように分解により消失している。そのため、実際の系内の過酸化水素量および濃度は近似値より低い値となる。
(水相中の過酸化水素のモル数の近似値)=(添加した過酸化水素のモル数)−(反応で消費された過酸化水素のモル数)
(水相中の過酸化水素の濃度の近似値)=(添加した過酸化水素のモル数)−(反応で消費された過酸化水素のモル数)×34/水相の量(ml)×100
以下、実施例1及び2、比較例1及び2では、反応原料であるオレフィン化合物に対し、1.4倍モルの過酸化水素を分割添加し、反応により消費された過酸化水素の量と分解により消費された過酸化水素の量を算出した。
以下、実施例3、比較例3及び4では、水とトルエンの量が反応速度に与える影響を調べた。
以下、実施例4〜6では、反応の進行、すなわち過酸化水素の消費に合わせて過酸化水素を添加することにより、反応系内の過酸化水素の量および濃度を制御しながら反応を行った。実施例6では取得した化合物の含塩素量の測定を行った。
(実施例1)
合成例1で得られた反応原料A2.0g(6.2mmol)、タングステン酸ナトリウム二水和物(和光純薬製)205mg(0.62mmol)、8.5%(重量/体積)リン酸水溶液0.64ml(0.56mmol)、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩(東京化成製)145mg(0.31mmol)、トルエン2.0mlの混合液を調製した。これに水を3.3ml添加した。この混合液中に含まれる水の総量は4.0mlであった。
窒素気流下、この混合液を65℃に加温し、42質量%過酸化水素水0.10ml(1.5mmol)を反応開始時、および反応開始30分後に添加し、更に反応開始から1時間後、2時間後に0.20ml(0.30mmol)を加えた後、64〜66℃にて計5時間反応させた。反応中、有機相を上記LC分析条件1にて1時間ごとに分析を行った。反応開始4時間後に反応の進行が停止し、反応開始5時間目の有機相の組成比はLC面積%で3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール ジグリシジルエーテル(以下、ジエポキシ体と略す)42.2%、4,4’−ジヒドロキシー3,3’ ,5
,5’−テトラメチルビフェニル モノアリルエーテル モノグリシジルエーテル(以下、モノエポキシ体と略す)40.3%、反応原料A10.9%、極性化合物6.1% であり、アリル基の転化率は69%であった。
反応後、水相を上記滴定条件により酸化還元滴定を行ったところ、過酸化物濃度は過酸化水素濃度換算で0.1質量%であった。
(比較例1)
上記実施例1と同様の方法で反応原料A、タングステン酸ナトリウム二水和物、8.5%(重量/体積)りん酸水溶液、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩およびトルエンの混合液を調整し、これにさらに水0.55mlを添加し、混合液中に含まれる水の総量を1.2mlとした。
実施例1と同様に反応を行ない、反応開始5時間目の有機相の組成比はLC面積%で、ジエポキシ体39.8%、モノエポキシ体43.6%、反応原料A13.2%、極性化合物3.2%であった。アリル基の転化率は65%であった。
反応後、水相を上記滴定条件により酸化還元滴定を行ったところ、過酸化水素濃度は過酸化水素濃度換算で0.1質量%であった。
(比較例2)
上記実施例1と同様の方法で反応原料A、タングステン酸ナトリウム二水和物、8.5%(重量/体積)りん酸水溶液、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩およびトルエンの混合液を調整し、0.01%(重量/体積)酢酸パラジウム水溶液を0.42mlと水0.13mlを添加し、混合溶液中に含まれる水の総量を1.2mlとした。
実施例1と同様の反応条件で反応を行い、反応開始4時間後に反応の進行が停止し、反応開始5時間目の有機相の組成比はLC面積%でジエポキシ体23.9%、モノエポキシ体46.8%、反応原料A27.2%、極性化合物2.0%であり、アリル基の転化率は49%であった。
(実施例2)
上記実施例1と同様の方法で反応原料A、タングステン酸ナトリウム二水和物、8.5%(重量/体積)りん酸水溶液、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩およびトルエンの混合液を調整し、0.01%(重量/体積)酢酸パラジウム水溶液0.42mlと水2.9mlを加え、混合液中に含まれる水の総量を4.0mlとした。
実施例1と同様の反応条件で反応を行い、反応開始4時間後に反応の進行が停止し、5時間目の有機相の組成比はLC面積%でジエポキシ体34.2%、モノエポキシ体45.7%、反応原料A17.2%、極性化合物0.2%であり、アリル基の転化率は60%であった。
(比較例3)
合成例1で得られた反応原料A5.0g(15.5mmol)、タングステン酸ナトリウム二水和物(和光純薬社製)512mg(1.55mmol)、8.5%(重量/体積)りん酸水溶液1.6ml(1.40mmol)、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩(東京化成製)361mg(0.78mmol)、トルエン5mlの混合液を調製した。
窒素気流下、この混合液を65℃に加温し、42質量%過酸化水素水0.26ml(3.64mmol)を反応開始時、および反応開始30分後に添加し、更に反応開始から1時間後、2時間後、3時間後、5時間後に0.20ml(7.28mmol)を加え、64〜66℃にて計9時間反応した。反応中、有機相を上記LC分析条件1にて1時間ごとに分析を行った。9時間目の有機相の組成比はLC面積%でジエポキシ体86.1%、モノエポキシ体5.4%、反応原料A0.1%、極性化合物8.0%であり、アリル基の転化率は97%であった。
反応中の過酸化水素の濃度を、上記の方法により求めたところ、最大値は19%と推定された。
(実施例3)
上記比較例3と同様の方法で、反応原料A、タングステン酸ナトリウム二水和物、8.5%(重量/体積)りん酸水溶液、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩およびトルエンの混合液を調製した。これに水8.4mlを加え、混合液中に含まれる水の総量を10mlとした。
上記比較例3と同様に過酸化水素水を添加して反応を行い、反応開始9時間目の有機相の組成比はLC面積%でジエポキシ体84.0%、モノエポキシ体2.9%、反応原料A0.1%、極性化合物12.7%であり、アリル基の転化率は99%であった。
反応中の過酸化水素の濃度を、上記の方法により求めたところ、最大値は4.5%と推定された。
(比較例4)
上記比較例3と同様の方法で、反応原料A、タングステン酸ナトリウム二水和物、8.
5%(重量/体積)りん酸水溶液、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩およびトルエンの混合液を調製し、これにトルエン5mlを更に追加した。
上記実施例5と同様に過酸化水素水を添加して反応を行い、反応開始9時間目の有機相の組成比はLC面積%でジエポキシ体74.2%、モノエポキシ体20.7%、反応原料A1.4%、極性化合物3.1% であり、アリル基の転化率は88%であった。
反応中の過酸化水素の濃度を、上記の方法により求めたところ、最大値は19%と推定された。
(実施例4)
合成例2で得られた反応原料B2.0g(6.2mmol)、タングステン酸ナトリウム二水和物(和光純薬社製)203mg(0.62mol)、8.5%(重量/体積)りん酸水溶液0.63ml(0.55mmol),メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩(東京化成社製)361mg(0.31mmol),トルエン2.0mlの混合液に、窒素気流下、この混合液を65℃に加温し、42質量%過酸化水素0.10ml(1.4mmol)を反応開始時、および反応開始30分後、1時間後、2時間後、3時間後、8時間後に加えた後、64〜66℃にて計7時間反応した。反応中、有機相を上記LC分析条件1にて1時間ごとに分析を行った。9時間目の有機相の組成比はLC面積%で、2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−オキシラニル]メチル]-2-エチル−1H−インデンー1,3(2H)−ジオン(以下、インダノファンと略す)96.4%、反応原料B2.2%であり、アリル基の転化率は98%であった。
反応中の水相の過酸化水素の量を上記計算で推定したところ、常時6.5mmol以下であり、これは仕込んだ反応原料Bのモル数の0.42倍であった。
(合成例3)
(オニウム塩[1]の合成)
p−トルエンスルホン酸一水和物47.2g(0.25mol)、トルエン60mlをデーンスターク管付き200mlのナスフラスコに仕込み、ジャケット温度120℃で加熱し、水を共沸留去した。これに4−t−ブチル安息香酸44.2g(0.25mol)、N−ブチルジエタノールアミン20.0g(0.12mol)を加え、ジャケット温度135℃で10時間、生成する水を留去しながら反応した。更に、p−キシレン30mlを添加し、窒素を反応液面近くに毎分300mlでフィードしながら、ジャケット温度140℃で7時間、生成する水を留去しながら反応した。反応液の組成比はLC面積%(分析条件2)でN−ブチル−N,N−ジ[2−(4−t−ブチルベンゾイルオキシ)エチル]アミン81.7%、N−ブチル−N−エタノール−N−[2−(4−t−ブチルベンゾイルオキシ)エチル]アミン9.8%、4−t−ブチル安息香酸6.0%の混合物であった。
反応終了後、トルエン200ml、飽和重曹水150mlを加えて中和後、水相を排出し、更に飽和重曹水100mlで洗浄した。得られた有機相を濃縮し、粗N−ブチル−N,N−ジ[2−(4−t−ブチルベンゾイルオキシ)エチル]アミン60.0gを得た。純度81%(LC分析条件2)、収率81%であった。
得られた粗N−ブチル−N,N−ジ[2−(4−t−ブチルベンゾイルオキシ)エチル]アミンを、カラムクロマトグラフィー(関東化学社製 シリカ60N 300g、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製した。
得られた精製物5.13g(10.6mmol)にトルエン15mlを加え80℃に加温し、硫酸ジメチル0.61ml(6.4mmol)を添加し1.5時間反応後、更に硫酸ジメチル0.61ml(6.4mmol)を添加し1.5時間反応した。これにヘキサン30mlを添加し結晶化、これを濾取、乾燥しN−ブチル−N,N−ジ[2−(4−t−ブチルベンゾイルオキシ)エチル−N−メチルアンモニウムモノメチル硫酸塩(以下オ
ニウム塩[1]とする)の結晶を5.73g得た。純度92%(LC分析条件2)、メチル化工程収率82%であった。
(実施例5)
特許2539648号記載に準ずる方法で合成した3,3’−ジアリルビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル(別名称 3,3’−ジアリル−4,4’−ジグリシジルオキシ―1,1’-ビフェニル、以下これを反応原料Cする)0.50g(1.32mm
ol)、タングステン酸ナトリウム二水和物(和光純薬社製)52mg(0.16mol)、8.5%(重量/体積)リン酸水溶液0.15ml(0.13mmol)、上記合成例3で得られたオニウム塩[1]48mg(0.079mmol)、トルエン2.0ml、及び水0.10mlの混合溶液を調製した。この混合溶液を、窒素気流下、65℃に加温し、42質量%過酸化水素水0.03ml(0.44mmol)を反応開始時、及び反応開始30分後に5分間で添加し、更に反応開始から45分後、1,5時間後、2時間後に各0.05ml(0.73mmol)を加え、63〜66℃にて計3時間反応した。混合溶液は二相系であり、その有機相の組成比は、LC面積%(分析条件1)で3,3’−ジグリシジルビフェノール ジグリシジルエーテルが79.3%、3−アリル−3’−グリシジルビフェノール ジグリシジルエーテルが8.4%、極性化合物8.9%であった。
反応終了後、トルエン5ml、水2mlを加えて分液後、分離した水相を排出し、有機相を5質量%チオ硫酸ナトリウム水溶液2mlで洗浄し、還元処理を行った。水相を排出後、メタノール2ml、炭酸カリウム90mgを加え、室温にて30分間処理し、更に水2mlを加えて無機塩を溶解し、水相を排出した。LC分析(条件2)で有機相中のオニウム塩[1]の消失を確認した。得られた有機相を濃縮し、3,3’−ジグリシジルビフェノール ジグリシジルエーテル(別名称 3,3’−ジグリシジル−4,4’−ジグリシジルオキシ―1,1’-ビフェニル)を白色固体として0.48g得た。純度83%(
LC分析条件2)、収率73%。
反応中の過酸化水素の濃度を、上記の方法により求めたところ、最大値は6.5%と推定された。過酸化水素量は、反応原料Cのオレフィンのモル数に対し最大時で0.27倍と推定された。
(実施例6)
合成例1で得られた反応原料A4.0g(12.4mmol)、タングステン酸ナトリウム二水和物(和光純薬社製)205mg(0.62mol)、85%リン酸水溶液0.102g(0.87mmol)、合成例3の方法で調製したオニウム塩[1]201mg(0.31mmol)、トルエン4ml及び水8mlの混合溶液を調製した。
窒素気流下、この混合溶液を72℃に加温し、35質量%過酸化水素水0.27ml(3.1mmol)を反応開始時、及び反応開始30分後、1時間後、1.5時間後、2時間後、2.5時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6.5時間後、8時間後に5分間で分割添加しながら加え、内温71.5〜74℃にて計10時間反応した。混合溶液は二相系であり、その有機相の組成比は、LC面積%で3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノール ジグリシジルエーテル(ジエポキシ体と略す)76.5%、モノエポキシ体
12.1%、極性化合物9.3%であった。
同様の方法にて反応原料6.0gより調製した反応液を合わせ、水相を排出し、有機相にトルエン20ml、水10mlを加えて分液後水相を排出、有機相を5質量%チオ硫酸ナトリウム水溶液10mlで洗浄し、還元処理を行った。得られた有機相にメタノール10ml、炭酸カリウム2.0gを加え、内温40℃にて2時間処理した。水10mlを加え洗浄後、1規定水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え内温40℃にて1時間処理後、有
機相を10mlの水で洗浄した。LC分析(条件2)で有機相中のオニウム塩[1]の消
失を確認した後、得られた有機相を濃縮し、9.9gの3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール ジグリシジルエーテル(ジエポキシ体)の粗結晶を得た。純度79%(LC分析条件2)、収率71%。
反応中の過酸化水素の濃度および量を、上記の方法により求めたところ、過酸化水素濃度の最大値は3.4%、過酸化水素量は、反応原料Aのオレフィンのモル数に対し最大0.36倍と推定された。
この粗結晶にトルエン10ml、メタノール50mlを加え溶解した後、これにメタノール20mlを加えて内温2℃まで冷却し、結晶を析出させた。これを濾取し、5.3gのジエポキシ体の結晶を得た。純度91.8%(LC分析条件2)、回収率80%。得られたジエポキシ体の塩素含有量は検出限界(10ppm)以下であった。
以下に比較のために、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、並びに実施例3、比較例3、および比較例4の結果を表1、2に記す。
Figure 0006609902
過酸化水素は反応中に添加した量の約7%が分解するが(比較例1)、水を添加して水相中の過酸化水素の濃度を常に5.4質量%以下と薄くした場合、分解は約1%と著しく低減された(実施例1)。
パラジウムは過酸化水素の分解を促進し、添加した量の約30%が分解するが(比較例2)、水を添加して水相中の過酸化水素濃度を常に5.4質量%以下と薄くした場合、分解は14%まで低減された(実施例2)。
Figure 0006609902
水の量は、反応速度に対する影響が少なく、反応経時変化はほぼ同様であった。(比較例3、実施例3)水の添加量が多い場合、系内の過酸化水素濃度を常に4.5質量%以下と低い状態に保つことができた。トルエン量が増えると反応速度が低下した。(比較例3、比較例4)
反応溶液が有機相と水相の二相系を形成する場合、反応に用いるオレフィン化合物やオニウム塩が脂溶性化合物の場合、これらは水相への分配が小さく、用いる溶媒の種類により程度は異なるが、主に有機相に存在する。下記実施例5〜7に示すように、反応速度は有機相中のオレフィン化合物の濃度とオニウム塩の濃度に影響を受けるが、過酸化水素の濃度の影響を受けない。そのため、水を添加しても反応速度は低下しないが、有機溶媒を多く用いると反応速度は低下する。また、生成するエポキシ化合物も脂溶性である場合は、酸性の水相中でエポキシ環が開環することが少なく、水の添加による収率低下の懸念が少ない。
なお反応前後の化合物のNMRデータは以下の通りであった。
H−NMR(400MHz、CDCl)δ値
[3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテル]:
2.32(12H,s,−CH),4.34(4H,dt,J=1.5,5.1Hz,O−CH−),5.27(2H,ddd,J=2.3,2.8,10.6Hz,−CH=CH ),5.44(2H,ddd,J=1.5,3.3,17.2Hz,−CH=CH ),6.06−6.19(2H,m,−CH=CH),7.18(4H,s,−C(Me)−)
[3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノール ジグリシジルエーテル]:
2.34(12H,s,−CH),2.75(2H,dd,J=2.8,4.9Hz,−O−CH−),2.90(2H,dd,J=4.3,4.9Hz,−O−CH−),3.36-3.41(2H,m,−CH−),3.73(2H,dd,J=5.8,1
1.0Hz,−O−CH−),4.07(2H,dd,J=3.3,11.0Hz,−O−CH−),7.18(4H,s,−C(Me)−)
[2− [2−(3−クロロフェニル)−2−プロペン−1−イル]−2−エチル−1
H−インデン−1,3(2H)−ジオン]:
0.66(3H、t、J=8.0Hz、−CH),1.92(4H,dd,J=0.8,12.0Hz,− −CH),3.03(2H,s,−CH−),7.66−7.71(1H,m,C=CH),6.58(1H,dd,J=2.0,2.0Hz,Ph),6.81(1H,dd,J=2.0,8.0Hz,Ph)7.06(1H,dd,J=8.0,8,0Hz,Ph),7.09(1H,ddd,J=0.8,0.8,7.8Hz,Ph)、7.67−7.74(4H,m,Indandion)
[インダノファン]:
0.63(3H、t、J=7.6Hz、−CH),1.92(4H,dd,J=7.3,14.6Hz,−C −CH),2.47(1H,d,J=5.2Hz,−CH−),2.58(1H,d,14.4Hz,O−CH−),2.76(1H,d,J=14.4Hz,O−CH−),2.83(1H,d,J=5.2Hz,−CH−),6.81(1H,dd,J=0.5,1.8Hz,Ph),6.96−7.01(1H,m,Ph),7.07−7.15(2H,m,Ph),7.72−7.84(3H,m,Indandion),7.90−7.94(1H,m,Indandion)
[オニウム塩[1]]:
0.09(3H,t, J=7.3Hz,Me),1.30−1.33(2H,m,−CH−),1.32(18H,s,t−Bu),1.70−1.85(2H,m,−CH−), 3.45(3H,s,N−Me), 3.50−3.60(2H,m、N−CH−C)3.66(3H,s,MeSO),4.08−4.15(4H,m,O−CH−),4.82−4.89(4H,m,N−CH),7.41(4H,d,J
=8.6Hz,Ar),7.89(4H,d,J=8.6Hz,Ar)
[3,3’−ジグリシジルビフェノール ジグリシジルエーテル]:
2.58−2.64(2H、m、C−グリシジル末端)、2.77−2.82(2H+2H、m、C−グリシジル末端、O−グリシジル末端)、2.87−2.96(2H+2H、m、C−C −CH−、O−グリシジル末端)、2.97−3.06(2H、m、C−CH−C−)、3.25(2H、m、C−CH−C−)、3.39(2H、m、O−CH−C−)、3.95−4.05(2H、m、O−CH −CH)、4.27−4.34(2H、m、O−CH −CH)、6.88−6.92(2H、m、Ar)7.37−7.41(4H、m、Ar)
エポキシ化合物1分子中のエポキシ基の数に対する前記エポキシ化合物の分子量(エポキシ化合物の分子量/エポキシ化合物1分子中のエポキシ基の個数)は以下の通りである。
3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノール ジグリシジルエーテル:177
インダノファン:341
3,3’−ジグリシジルビフェノール ジグリシジルエーテル:105
本発明の製造方法によれば、タングステン化合物等の触媒金属とオニウム塩の存在下、過酸化水素を反応させるエポキシ化合物の製造方法において、過酸化水素の分解を抑制し、原料等から金属不純物等が混入した場合でも効率的、且つ安全に製造を行うことができる。

Claims (6)

  1. 炭素−炭素二重結合を有する化合物に過酸化水素を反応させてエポキシ化反応によりエ
    ポキシ化合物を製造する方法であって、
    前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表さ
    れる化合物であり、
    一般式(1):
    (R23n1−(A)−(OR)m1 ・・・(1)
    (一般式(1)中、Aは、OR基、R23以外の置換基を有していてもよい、芳香族炭
    化水素基、芳香族炭化水素基の少なくともその一部が還元された基、又は脂肪族炭化水素
    基のいずれかを表す。Rは、アリル基、又はグリシジル基を表す。R23は、アリル基を
    表す。m1は、1以上4以下の整数を表わし、n1は0以上の整数を表し、m1とn1の
    合計は2以上である。)
    一般式(2):
    Figure 0006609902
    (一般式(2)中、A、Aはそれぞれ独立に、OR基、X、R23以外の置換基を
    有していてもよい、2価の芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基の少なくともその一部が
    還元された基、又は脂肪族炭化水素基のいずれかを表す。Xは、直接結合又は置換基を
    有していてもよい2価の連結基を表わす。ここで、Xを介して連結する隣接するA
    、または、複数のAは、その置換基が更に連結しての環を形成していてもよい。
    R、R23、n1は一般式(1)と同義である。
    m2は1以上4以下の整数を表す。nは0または1以上5以下の整数を表す。)
    一般式(3):
    H−[(R23n1−(A(OR)m2)−X]−H ・・・(3)
    (一般式(3)中、A、m2、n1は一般式(2)と同義であり、R、R23は一般式
    (1)と同義である。
    は、直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基または2つ以上のアルキレ
    ン基を置換基として有するフェニレン基を表す。
    iは2以上20以下の整数を表わす。)
    前記エポキシ化反応を、オニウム塩の存在下、タングステン化合物及びモリブデン化合
    物の少なくとも一方を含む水相と、炭素−炭素二重結合を有する化合物を含む有機相とか
    らなる二相系溶液中で行い、前記過酸化水素の含有量を、前記炭素−炭素二重結合を有す
    る化合物に含まれる二重結合の数に前記炭素−炭素二重結合を有する化合物のモル数を乗
    じた値に対し、0.5倍モル以下とし、かつ、前記水相中の過酸化水素濃度が7質量%以
    下になるように前記過酸化水素を前記二相系溶液に添加することを特徴とするエポキシ化
    合物の製造方法。
  2. 前記水相の質量が、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物の質量の1.5倍以上であ
    り、かつ前記有機相の質量が、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物の質量の5倍以下
    であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  3. 炭素−炭素二重結合を有する化合物、タングステン及びモリブデン化合物の少なくとも
    一方、及びオニウム塩を含む混合物に、過酸化水素を添加する前又は添加中に、前記炭素
    −炭素二重結合を有する化合物の含有量に対し、質量比で0.1倍〜5倍の水を添加する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  4. 前記エポキシ化合物1分子中のエポキシ基の数に対する前記エポキシ化合物の分子量が
    100以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ化合物の製
    造方法。
  5. 前記エポキシ化反応を50〜75℃で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のエポキシ化合物の製造方法。
  6. 前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、金属不純物を質量比で500ppm以下含
    むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方法。
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