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JP6608131B2 - 修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修方法及び補修構造 - Google Patents

修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修方法及び補修構造 Download PDF

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Description

本発明は、修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修方法及び補修構造に関するものであり、より詳細には、橋梁壁高欄やトンネル内の監視員通路の側壁等のコンクリート構造物の補修を短期間で容易に行うことが可能なコンクリート構造物の補修方法及びその方法によって構築される補修構造に関するものである。
例えば、橋梁壁高欄やトンネル内の監視員通路の側壁等のコンクリート構造物は、鉄筋の被り不足や中性化に起因して劣化が進行している場合があり、また、凍結防止剤に含まれる塩分を含んだ水が、車両の走行に伴って跳ね上げられることによる塩害により劣化している場合がある。従来、このような劣化に対する補修方法としては、劣化したコンクリートをはつり処理した後、吹付け工法や型枠工法によって断面を修復する方法(第1の方法)、もしくは、修復パネルを使用し、これを固定金具を用いて既設コンクリートに固定した後、修復パネルと既設コンクリートの間の隙間にモルタルなどを充填して修復する方法(第2の方法)が知られている(特開2012−62628号公報)。
これらの方法のうち第1の方法の場合は、長期耐久性を確保するために修復したコンクリート表面に塗装を行う必要があるが、その後定期的に塗り替えを行わなければならないという問題がある。また、第2の方法の場合は、修復パネルに塗装を施してパネル間の目地部にシールを行うが、この場合もまた、その後定期的に塗り替え及びシール材の補修を行う必要がある。これらの塗り替え等のサイクルは、塗装(塗膜)の耐久性により決定されることになるが、如何に耐久性の良い塗装を施したとしても、20〜25年程度のサイクルとなる。
また、上記いずれの方法の場合においても、作業時に本線(車線)規制が必要となるが、第2の方法は第1の方法よりも工事期間が短いという優位点を有するため、より多く採用されている。しかし、その場合においても、工事期間中、多かれ少なかれ一般車両の走行に支障を来たすことに変わりはないため、工事期間のより一層の短縮化が求められ、また、施工の合理化を図ることができて、塗り替え等のメンテナンスが不要となる方法が切望されていた。
特開2012−62628号公報
上述したように、従来、劣化したコンクリート構造物の補修方法としては、劣化したコンクリートを除去した後、吹付け工法や型枠工法によって断面を修復する方法と、修復パネルを使用して、パネルと既設コンクリートの間の隙間にモルタルなどを充填して修復する方法のいずれかが実施されていたが、これらいずれの方法の場合においても、工事期間が長く、その間、本線(車線)規制が必要となるので、車両の円滑な走行が長期間妨げられるという問題があった。
本発明は、かかる従来方法における問題点を解決するためになされたもので、施工が容易で工事期間が短く、本線(車線)規制日数を短縮することができ、また、施工の合理化が図れ、塗り替え等のメンテナンスが不要となる、修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修方法及び補修構造を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上記課題を解決するためには、下記a〜fのすべての小課題を満足することが必要であるとの知見を得た。
a.上記従来工法のうちの第2の工法における修復パネルを軽量化して施工能力を向上させること
b.塗装を省略することが可能な遮塩性や中性化阻止性のある修復パネルを開発すること
c.修復パネルの立込み時の誤差を吸収でき、劣化因子の進入を阻止することが可能な耐久性の高い縦目地構造を開発すること
d.修復パネルの立込みやセットが容易で立込み時の誤差(縦目地部分の隙間)を小さくでき、劣化因子の進入を防止できるパネル下端部の水平目地構造を開発すること
e.修復パネルと断面修復材の隙間への劣化因子の進入防止が可能で、塗装による保護が不要な修復パネル上部(天端)の構造を開発すること
f.モルタル注入時などの施工時における荷重に抵抗でき、修復パネルの自立が可能な構造を実現すること
そして、本発明者らは、上記小課題のすべてを解決することにより、本発明を完成するに至ったものである。即ち、上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、
補修対象のコンクリート構造物の補修すべき個所をはつる工程と、
前記コンクリート構造物のはつり面の下部に沿って、修復パネルの下端部を受け入れる溝を備えたパネルガイドを、モルタル材料で前記コンクリート構造物のはつり面と一体となるように配設するパネルガイド敷設工程と、
複数の前記修復パネルを、その下端部を前記パネルガイドの溝内に落とし込んで横並びに立込んでいく修復パネル立込み工程と、
立込んだ前記修復パネルと前記コンクリート構造物のはつり面との間の間隙にモルタルを注入するモルタル注入工程と、
立込んだ前記修復パネル間の縦目地に内部への劣化因子の進入防止措置を施す縦目地処理工程と、
前記コンクリート構造物と前記修復パネルの天端部を処理する天端処理工程とから成り、
前記修復パネルは超高強度の繊維補強コンクリート製であって、その前記立込み工程における前記パネルガイドの溝内への立込みは、前記溝内へ遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を充填してから行うことを特徴とするコンクリート構造物の補修方法である。
前記修復パネルは、塗装が省略可能な遮塩性及び中性化阻止性を有する軽量パネルとされる。一実施形態においては、前記修復パネルの下面にアンカーボルトを突設すると共に前記溝に位置決め孔を穿設し、前記修復パネル立込み工程における前記修復パネルの前記溝内への立込みに際し、前記アンカーボルトを前記位置決め孔内に差し込むこととする。
また、一実施形態においては、前記縦目地処理工程において隣り合う前記修復パネルの端面間に生成される中空部に、遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を充填する。その場合、隣り合う前記修復パネルのうちの一方の修復パネルの端部に、前記縦溝を設けた他方の修復パネルの端部を受け入れる連結材を取り付け、前記連結材と前記縦溝との間に生成される中空部に、前記遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を充填することもある。
また、一実施形態においては、前記モルタル注入工程に先立ち、前記修復パネルの上部と前記コンクリート構造物の上部とを連結金具を介して連結する。また、前記天端部の処理は、天端部のはつり部分にエポキシ樹脂系その他の樹脂塗料を塗布し、その上をモルタルで被覆することにより行う。
また、上記課題を解決するための請求項に記載の発明は、補修対象のコンクリート構造物のはつり面にモルタルを介し、塗装が省略可能な遮塩性及び中性化阻止性を有する超高強度の繊維補強コンクリート製の軽量パネルである修復パネルが複数横並びに張設されて成り、前記修復パネルの下端部は、前記はつり面の下端部に沿って遮塩性や中性化阻止性を有するモルタル材料を用いて前記コンクリート構造物のはつり面と一体に配設されたパネルガイドに設けた溝内に、遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を介して収められており、隣り合う前記修復パネルの端面間に生成される中空部に、遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材が充填されていることを特徴とするコンクリート構造物の補修構造である。
一実施形態においては、隣り合う前記修復パネルのうちの一方の修復パネルの端部に、端面に縦溝を設けた他方の修復パネルの端部を受け入れる連結材が取り付けられていて、前記連結材と前記縦溝との間に生成される中空部に前記遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材が充填されたものとされる。また、前記修復パネルの下面にアンカーボルトが突設されると共に前記溝に位置決め孔が穿設されていて、前記アンカーボルトが前記位置決め孔内に差し込まれたものとされる。
本発明は上記のとおりであって、軽量で塗装の省略が可能な遮塩性や中性化阻止性のある修復パネルを用いることでその部分のメンテナンスが不要となり、また、その修復パネルの立込みは、その下端部をはつり面の下端部に沿って敷設されるパネルガイドに設けた溝内に収めていくことによって行うことができるので、施工が容易で工事期間を短縮でき、しかも、作業時に本線(車線)規制が必要ないという効果がある。
また、修復パネル間の縦目地は、修復パネルの端面間に生成される中空部に遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を充填して処理することで、修復パネルの立込み時の誤差を吸収できると共に、劣化因子の進入を阻止することが可能で耐久性の高い縦目地構造とすることができ、更に、修復パネルのパネルガイドの溝内への立込みを、溝内へエポキシ樹脂系その他の目地充填材を充填してから行うことで、劣化因子の進入を防止できる水平目地構造とすることができる効果がある。
本発明に係る修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修構造及び補修方法を説明するための部分切截斜視図である。 本発明に係る修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修構造を示す縦断面図である。 本発明に係る修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修構造の上部の詳細を示す縦断面図である。 本発明に係る修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修構造の下部の詳細を示す縦断面図である。 本発明に係る修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修方法における縦目地処理方法の一例を示す横断面図である。 本発明に係る修復パネルを用いるコンクリート構造物の補修方法における縦目地処理方法の他の例を示す図である。 図6に示す縦目地処理方法の変形例を示す図である。
本発明を実施するための形態につき、添付図面に依拠して説明する。本発明に係るコンクリート構造物の補修構造は、補修対象のコンクリート構造物1のはつり面にモルタル14(通例、グラウトモルタル)を介し、塗装が省略可能な遮塩性及び中性化阻止性を有する軽量パネルである修復パネル11が複数横並びに張設されて成り、修復パネル11の下端部は、前記はつり面の下端部に沿って敷設されたモルタル製のパネルガイド3に設けた溝4内に収められ、隣り合う修復パネル11の端面間に生成される中空部に、遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材17が充填されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係るコンクリート構造物の補修方法は上記補修構造を構築するための施工方法であって、大別して、補修箇所のはつり工程と、修復パネルの立込みを補助するパネルガイドの敷設工程と、修復パネルの立込み工程と、補修箇所のはつり面と修復パネルとの間の隙間へのモルタル注入工程と、修復パネル間の縦目地処理工程と、天端処理工程とから成る。以下、工程ごとに、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
補修箇所はつり工程
この工程は、修復パネルの立込みに先立って、コンクリート構造物1の補修すべき個所の垂直面から上面にかけ、適宜深さはつる工程である。そのはつり作業は、一般的な方法で行うことができる。本発明に係る補修方法の補修対象となるコンクリート構造物1としては、橋梁壁高欄やトンネル内の監視員通路の側壁等が想定される。図示した例は橋梁壁高欄に関するものであるが、トンネル内の監視員通路の側壁の場合もこれに準ずる。
パネルガイド敷設工程
この工程は、はつり作業の終了したコンクリート構造物1の補修すべき個所の下部(壁高欄の場合は地覆2の奥端部)に沿って、修復パネル11の下端部を受け入れる、例えば、深さ5mmほどの溝4を長さ方向に設けたモルタル製のパネルガイド3を敷設する工程である。パネルガイドとして、遮塩性能の優れた材料(塩化物イオンの拡散係数が0.024cm/年程度以下)を使用すれば、かぶり厚35mmで、100年後における鉄筋位置での塩化物イオン濃度を発生限界塩化物イオン濃度以下とすることが可能となる。
このように補修すべき個所のコンクリート構造物1の下部に沿ってパネルガイド3を配設することにより、後述するように、その後の修復パネル11の立込みやセットが容易となり、また、立込み時の誤差(縦目地間の隙間)を小さくすることができ、以て、縦目地からの劣化因子の進入を防止することができるパネル下端部の水平目地構造を実現することが可能となる。
修復パネル立込み工程
この工程は、修復パネル11を多数、その下端部をパネルガイド3の溝4内に落とし込んで、横並びに立込んでいく工程である。上記特許文献1に記載の修復パネル立込み工法において用いられていたコンクリートは、圧縮強度が40N/mm程度の繊維補強コンクリートであり、その場合に用いられていた修復パネルの厚さは30mmで、パネル内部に格子状の鉄筋及び螺子棒を配置してパネル強度を高めることで、グラウトモルタル充填時の側圧に抵抗し得るよう企図されていた。
これに対して、本発明において用いられる修復パネル11は、「超高強度繊維補強コンクリートの設計・施工指針(案)」(以下UFC指針)に示された超高強度繊維補強コンクリート、または、UFC指針に示された物質移動に関する諸物性(透気係数、塩化物イオンの拡散係数)と同等の超高強度の繊維補強コンクリート(ポリプロピレン等の非鉄繊維を混入)を使用して製作されるものである。本発明における修復パネル11は、このような繊維補強コンクリートによって製作されるものであるため、その厚さを従来の2/3の20mmにできて大幅な軽量化を図ることが可能となるのである。また、その修復パネル11は、遮塩性、中性化阻止性を有するものであるため、塗装等の表面保護処理を省略することが可能となる。
修復パネル11の溝4内への設置は、パネルガイド3の硬化後に溝4内に遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材5を充填してから行う。このようにして溝4内に収まった修復パネル11の下部を目地充填材5で固めることにより、修復パネル11下部の水平目地部から劣化因子が進入することを阻止することができる。また、パネルガイド3の仕上げを、定規、溝形成用治具等を使用して行うことで、施工精度の確保が容易となり、また、施工能力を向上させることが可能となる。
また、一実施形態においては、修復パネル11の下面にアンカーボルト13が突設され、溝4の内底面を貫いて地覆2にかけ、アンカーボルト13を差し込む位置決め孔が穿設される。この場合は、修復パネル11の立込みに際し、アンカーボルト13を位置決め孔内に差し込むことで、修復パネル11を溝4において正しく位置決めすることが容易となる。なお、溝4内に供給される目地充填材5は、位置決め孔内にも流入することになる。
上記のようにして修復パネル11の下端部を溝4内に配置した後、修復パネル11の上部をコンクリート構造物1の上部に固定する。その固定は、例えば、L型金具21を用いて行う。即ち、L型金具21の垂直面を修復パネル11の上部側面に固定し、L型金具21の水平面をコンクリート構造物1の上面に固定する(図2、3参照)。
モルタル注入工程
この工程は、上記のようにして複数横に配置された修復パネル11とコンクリート構造物1のはつり面との間に存する隙間に、モルタル14を注入充填する工程である。
修復パネル間の縦目地処理工程
この工程は、上記モルタル注入工程終了後に、修復パネル11間の縦目地12部分に、内部への劣化因子の進入防止措置を施して縦目地12の処理を行う工程である。修復パネル11の立込みに際しては立込み誤差の発生が不可避であり、どうしても縦目地12部分に隙間ができる。そこで、この立込み誤差を吸収し、しかも、その隙間から劣化因子が進入することを阻止し得る構成が必要となる。そのための構成としては2つのタイプが考えられる。図5に示される第1のタイプAは、立込み誤差が数mm程度以下の場合に対応可能なものであり、図6、図7に示される第2のタイプBは、立込み誤差が数10mm程度まで対応可能なものである。
タイプAの場合は、横並びに立込まれる各修復パネル11の対向する端面に、上下方向に抜ける縦溝15が形成され、また、突き合せられる一方又は双方の修復パネル11の対向端面の奥側端縁にシールスポンジ16が定着される。このシールスポンジ16は、立込み時に圧縮されることでパネル11間の立込み誤差を吸収し、また、その後のモルタル(通例、グラウトモルタル)14注入時において、モルタル14が縦目地12から表面側に漏出することを防止する役目を果たす(図5(B)参照)。なお、この場合、隣り合う修復パネル11、11の双方に縦溝15を設けることが好ましいが、片側だけに設けることとすることもできる。
また、このタイプAにおいては、修復パネル11の立込み後、修復パネル11の表面側間隙をモルタル等のシール材18で閉塞した後、突き合せた双方の修復パネル11の端面の縦溝15が合わさって形成される断面円形ないし楕円形の空間部に、遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材17が充填される。この目地充填材17としてエポキシ樹脂系充填剤のように流動性の高い充填剤を用いる場合、その充填は、注入用のビニールホースの先端に注入治具(外径φ5mm程度の鋼製中空棒)を取付けた注入具を用いて行うことができる。このように、縦目地12部分に遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材17を注入することにより、縦目地12部が完全に閉塞されるために、内部への劣化因子の進入を確実に防止することが可能となる。
図6、7に示されるタイプBの場合は、クランク状に折曲加工した2枚のステンレス鋼板等の金属製部材23、24を組み合わせて成る連結材22を用いるもので、この場合は、一方の修復パネル11の端面は平坦なままとし、これに対向する他方の修復パネル11の端面に、半円形その他適宜形状の縦溝15が形成される。
そして、金属製部材23、24の合接部25を予め、一方の修復パネル11の平坦な端面内に埋入させる。その合接部25の埋入は、修復パネル11の製造時に、予め型枠にセットしてコンクリートを打設することにより行うことができる。その場合、合接部25に開口26を多数設けておき、埋入に伴って開口26内に未硬化コンクリートが入り込むようにすることが好ましい(図6参照)。その場合は、コンクリートが開口26を跨いで硬化することとなるため、合接部25の抜けが確実に防止される。
このタイプBの場合、上記連結材22は隣り合う修復パネル11の一方にのみ取り付けられる。この場合、先ず連結材22を取り付けた修復パネル11をパネルガイド3に設置した後、端面に縦溝15を形成した他方の修復パネル11の端縁を、連結材22の開口部分に上方から又は側方から押し入れる。それによって連結材22と縦溝15との間に縦方向に伸びる空間部が生成されるので、そこに目地充填材17を注入充填する。この連結材22と縦溝15との間に生成される空間部の大きさは、修復パネル11の立込み誤差に依存することになる。
また、図7に示す例の場合は、金属製部材23、24の合接部25がボルト止めされる点で図6に示す例の場合と異なり、その場合は、コンクリートの硬化後、ボルト留め部28が係止されることによって、合接部25の抜けが防止されることになる。そして、この例の場合も上記例の場合と同様に、連結材22と縦溝15との間に生成される空間部に目地充填材17が注入充填される。
上記タイプA、Bのいずれの場合においても、シール材18やステンレス鋼板等の連結材22が、充填された目地充填材17の紫外線等による劣化を防止するため、縦目地12の長期耐久性を確保することが可能となる。
上述したようにタイプAの場合は、予め柔軟性のあるシールスポンジ16を修復パネル11に取付け、修復パネル11の立込み時にシールスポンジ16が圧縮されることにより、修復パネル11とコンクリート構造物1の間の隙間に充填されているモルタル14の漏れが防止されると共に、修復パネル11間の誤差が吸収される。また、タイプBの場合は、連結材22により、モルタル14の漏れが防止されると共に、連結材22と縦溝15との間に生成されて目地充填材17が充填される空間部により、立込み誤差の吸収が図られる。
天端処理工程
コンクリート構造物1の天端は、一部又は全部がはつられるが(図示した例では一部)、いずれの場合もモルタル注入工程終了後、はつり取ったコンクリート構造物1の天端面に遮塩性のあるエポキシ樹脂その他の樹脂塗料を塗布し、修復パネル11からその天端面にかけてモルタル14aで覆うようにして天端の処理を行う。この場合に用いるモルタル14aも、上記と同様の遮塩性能が優れたグラウトモルタルとする。これにより、修復パネル11とモルタル14の界面への水の進入を防止でき、モルタル14への塩化物イオン等の劣化因子の進入によって起こる鉄筋の腐食を防止することができる。なお、図示した例のような部分修復の場合は天端に施工目地ができるので、この部分を隠蔽するためのカバー27を被装することが好ましい。
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは言うまでもない。従って、この発明は、添付請求の範囲において限定した以外は、その特定の実施形態に制約されるものではない。
1 コンクリート構造物
2 地覆
3 パネルガイド
4 溝
5、17 目地充填材
11 修復パネル
12 縦目地
13 アンカーボルト
14、14a モルタル
15 縦溝
16 シールスポンジ
17 目地充填材
18 シール材
21 L型金具
22 連結材
23、24 金属製部材
25 合接部
26 開口
27 カバー
28 ボルト留め部

Claims (10)

  1. 補修対象のコンクリート構造物の補修すべき個所をはつる工程と、
    前記コンクリート構造物のはつり面の下部に沿って、修復パネルの下端部を受け入れる溝を備えたパネルガイドを、モルタル材料で前記コンクリート構造物のはつり面と一体となるように配設するパネルガイド敷設工程と、
    複数の前記修復パネルを、その下端部を前記パネルガイドの溝内に落とし込んで横並びに立込んでいく修復パネル立込み工程と、
    立込んだ前記修復パネルと前記コンクリート構造物のはつり面との間の間隙にモルタルを注入するモルタル注入工程と、
    立込んだ前記修復パネル間の縦目地に内部への劣化因子の進入防止措置を施す縦目地処理工程と、
    前記コンクリート構造物と前記修復パネルの天端部を処理する天端処理工程とから成り、
    前記修復パネルは超高強度の繊維補強コンクリート製であって、その前記立込み工程における前記パネルガイドの溝内への立込みは、前記溝内へ遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を充填してから行うことを特徴とするコンクリート構造物の補修方法。
  2. 前記修復パネルは、塗装が省略可能な遮塩性及び中性化阻止性を有する軽量パネルである、請求項1に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  3. 前記修復パネルの下面にアンカーボルトを突設すると共に前記溝に位置決め孔を穿設し、前記修復パネル立込み工程における前記修復パネルの前記溝内への立込みに際し、前記アンカーボルトを前記位置決め孔内に差し込む、請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  4. 前記縦目地処理工程において、隣り合う前記修復パネルの端面間に生成される中空部に、遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を充填する、請求項1乃至のいずれかに記載のコンクリート構造物の補修方法。
  5. 隣り合う前記修復パネルのうちの一方の修復パネルの端部に、端面に縦溝を設けた他方の修復パネルの端部を受け入れる連結材を取り付け、前記連結材と前記縦溝との間に生成される中空部に前記遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を充填する、請求項に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  6. 前記モルタル注入工程に先立ち、前記修復パネルの上部と前記コンクリート構造物の上部とを連結金具を介して連結する、請求項1乃至のいずれかに記載のコンクリート構造物の補修方法。
  7. 前記天端部の処理は、天端部のはつり部分にエポキシ樹脂系その他の樹脂塗料を塗布し、その上をモルタルで被覆することにより行う、請求項1乃至のいずれかに記載のコンクリート構造物の補修方法。
  8. 補修対象のコンクリート構造物のはつり面にモルタルを介し、塗装が省略可能な遮塩性及び中性化阻止性を有する超高強度の繊維補強コンクリート製の軽量パネルである修復パネルが複数横並びに張設されて成り、
    前記修復パネルの下端部は、前記はつり面の下端部に沿って遮塩性や中性化阻止性を有するモルタル材料を用いて前記コンクリート構造物のはつり面と一体に配設されたパネルガイドに設けた溝内に、遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材を介して収められており、隣り合う前記修復パネルの端面間に生成される中空部に、遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材が充填されていることを特徴とするコンクリート構造物の補修構造。
  9. 隣り合う前記修復パネルのうちの一方の修復パネルの端部に、端面に縦溝を設けた他方の修復パネルの端部を受け入れる連結材が取り付けられていて、前記連結材と前記縦溝との間に生成される中空部に前記遮塩性や中性化阻止性を有する目地充填材が充填されている、請求項に記載のコンクリート構造物の補修構造。
  10. 前記修復パネルの下面にアンカーボルトが突設されると共に前記溝に位置決め孔が穿設されていて、前記アンカーボルトが前記位置決め孔内に差し込まれている、請求項8又は9に記載のコンクリート構造物の補修構造。
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